JP2002328402A - 光偏向方法、光偏向素子、光偏向デバイス及び画像表示装置 - Google Patents

光偏向方法、光偏向素子、光偏向デバイス及び画像表示装置

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JP2002328402A
JP2002328402A JP2002012479A JP2002012479A JP2002328402A JP 2002328402 A JP2002328402 A JP 2002328402A JP 2002012479 A JP2002012479 A JP 2002012479A JP 2002012479 A JP2002012479 A JP 2002012479A JP 2002328402 A JP2002328402 A JP 2002328402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の光偏向素子における問題点、即ち、構
成が複雑であることに伴う高コスト、装置大型化、光量
損失、光学ノイズを改善し、構成が簡単で、小型であ
り、光量損失、光学ノイズ、解像度低下が少なく、低コ
スト化を図ることである。 【解決手段】 透明な一対の基板2,3と、基板2,3
間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメ
クチックC相よりなる液晶5と、この液晶5に電界を作
用させる少なくとも1組以上の電界印加手段6とを備え
る構成とし、キラルスメクチックC相よりなる液晶5を
利用しているので、従来の光偏向素子に比して、構成が
複雑であることに伴う高コスト、装置大型化、光量損
失、光学ノイズを改善でき、かつ、従来のスメクチック
A液晶やネマチック液晶などにおける応答性の鈍さも改
善でき、高速応答が可能となるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号によって
光の方向を変える光偏向方法、光偏向素子、光偏向デバ
イス及びこれらの光偏向素子又は光偏向デバイスを利用
した画像表示装置に関する。
【0002】
【定義】本明細書において、「光偏向素子」とは、外部
からの電気信号により光の光路を偏向、即ち、入射光に
対して出射光を平行にシフトさせるか、或る角度を持っ
て回転させるか、或いは、その両者を組合せて光路を切
換えることが可能な光学素子を意味する。この説明にお
いて、平行シフトによる光偏向に対してそのシフトの大
きさを「シフト量」と呼び、回転による光偏向に対して
その回転量を「回転角」と呼ぶものとする。「光偏向デ
バイス」とは、このような光偏向素子を含み、光の光路
を偏向させるデバイスを意味する。
【0003】また、「ピクセルシフト素子」とは、少な
くとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二
次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明
する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観
察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分
割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部
材の間の光路を偏向する光偏向手段とを有し、光偏向手
段によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位
置がずれている状態の画像パターンを表示させること
で、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示す
る画像表示装置における光偏向手段を意味する。従っ
て、基本的には、上記定義による光偏向素子や光偏向デ
バイスを光偏向手段として応用することが可能といえ
る。
【0004】
【従来の技術】光偏向素子なる光学素子として、従来よ
り、KHPO(KDP),NHPO(AD
P),LiNbO,LiTaO,GaAs,CdT
eなど第1次電気光学効果(ポッケルス効果)の大きな
材料や、KTN,SrTiO,CS,ニトロベンゼ
ン等の第2次電気光学効果の大きな材料を用いた電気光
学デバイスや、ガラス、シリカ、TeOなどの材料を
用いた音響光学デバイスが知られている(例えば、青木
昌治編;「オプトエレクトロニックデバイス」、昭晃
堂)。これらは、一般的に、十分大きな光偏向量を得る
ためには光路長を長く取る必要があり、また、材料が高
価であるため用途が制限されている。
【0005】一方で、液晶材料を用いた光偏向素子なる
光学素子も各種提案されており、その数例を挙げると、
以下に示すような提案例がある。
【0006】例えば、特開平6−18940号公報によ
れば、光空間スイッチの光の損失を低減することを目的
に、人工複屈折板からなる光ビームシフタが提案されて
いる。内容的には、2枚のくさび形の透明基板を互いに
逆向きに配置し、該透明基板間に液晶層を挟んだ光ビー
ムシフタ、及びマトリクス形偏向制御素子の後面に前記
光ビームシフタを接続した光ビームシフタが提案され、
併せて、2枚のくさび形の透明基板を互いに逆向きに配
置し、該透明基板間にマトリクス駆動が可能で、入射光
ビームを半セルシフトする液晶層を挟んだ光ビームシフ
タを半セルずらして多段接続した光ビームシフタが提案
されている。
【0007】また、特開平9−133904号公報によ
れば、大きな偏向を得ることが可能で、偏向効率が高
く、しかも、偏向角と偏向距離とを任意に設定すること
ができる光偏向スイッチが提案されている。具体的に
は、2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置させ、対向
させた面に垂直配向処理を施し、透明基板間にスメクチ
ックA相の強誘電性液晶を封入し、前記透明基板に対し
て垂直配向させ、スメクチック層と平行に交流電界を印
加できるように電極対を配置し、電極対に交流電界を印
加する駆動装置を備えた液晶素子である。即ち、スメク
チックA相の強誘電性液晶による電傾効果を用い、液晶
分子の傾斜による複屈折によって、液晶層に入射する偏
光の屈折角と変位する方向を変化できるようにしたもの
である。
【0008】前者の特開平6−18940号公報例にお
いては、液晶材料にネマチック液晶を用いているため、
応答速度をサブミリ秒にまで速めることは困難であり、
高速なスイッチングが必要な用途には用いることはでき
ない。
【0009】また、後者の特開平9−133904号公
報例においては、スメクチックA相の強誘電液晶を用い
ているが、スメクチックA相は自発分極を持たないた
め、高速動作は望めない。
【0010】次に、ピクセルシフト素子に関して従来提
案されている技術を数例挙げて説明する。
【0011】例えば、特許第2939826号公報に示
されるように、表示素子に表示された画像を投写光学系
によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置におい
て、前記表示素子から前記スクリーンに至る光路の途中
に透過光の偏光方向を旋回できる光学素子を少なくとも
1個以上と複屈折効果を有する透明素子を少なくとも1
個以上を有してなる投影画像をシフトする手段と、前記
表示素子の開口率を実効的に低減させ、表示素子の各画
素の投影領域が前記スクリーン上で離散的に投影される
手段と、を備えた投影表示装置がある。
【0012】同公報例においては、偏光方向を旋回でき
る光学素子(旋光素子と呼ぶ)を少なくとも1個以上と
複屈折効果を有する透明素子(複屈折素子と呼ぶ)を少
なくとも1個以上を有してなる投影画像シフト手段(ピ
クセルシフト手段)によりピクセルシフトを行っている
が、問題点として、旋光素子と複屈折素子とを組合せて
使用するため、光量損失が大きいこと、光の波長により
ピクセルシフト量が変動し解像度が低下しやすいこと、
旋光素子と複屈折素子との光学特性のミスマッチから本
来画像が形成されないピクセルシフト外の位置に漏れ光
によるゴースト等の光学ノイズが発生しやすいこと、素
子化のためのコストが大きいことが挙げられる。特に、
複屈折素子に前述したようなKHPO(KDP),
NH PO(ADP),LiNbO,LiTa
,GaAs,CdTeなど第1次電気光学効果(ポ
ッケルス効果)の大きな材料を使用した場合、顕著であ
る。
【0013】また、特開平5−313116号公報に示
される投影機においては、制御回路により、画像蓄積回
路に蓄積した本来表示すべき画像を市松状に画素選択回
路へサンプリングして順次空間光変調器に表示し、投影
させ、さらに、制御回路により、この表示に対応させて
パネル揺動機構を制御して空間光変調器の隣接画素ピッ
チ距離を整数分の一ずつ移動させることで、本来表示す
べき画像を時間的な合成により再現するようにしてい
る。これにより、空間光変調器の画素の整数倍の分解能
で画像を表示可能にするとともに、画素の粗い空間光変
調器と簡単な光学系を用いて安価に投影機を構成可能と
している。
【0014】ところが、同公報例においては、画像表示
用素子自体を画素ピッチよりも小さい距離だけ高速に揺
動させるピクセルシフト方式が記載されており、この方
式では、光学系は固定されているので諸収差の発生が少
ないが、画像表示素子自体を正確かつ高速に平行移動さ
せる必要があるため、可動部の精度や耐久性が要求さ
れ、振動や音が問題となる。
【0015】さらに、特開平6−324320号公報に
よれば、LCD等の画像表示装置の画素数を増加させる
ことなく、表示画像の解像度を、見掛け上、向上させる
ため、縦方向及び横方向に配列された複数個の画素の各
々が、表示画素パターンに応じて発光することにより、
画像が表示される画像表示装置と、観測者又はスクリー
ンとの間に、光路をフィールド毎に変更する光学部材を
配し、また、フィールド毎に、前記光路の変更に応じて
表示位置がずれている状態の表示画素パターンを画像表
示装置に表示させるようにしている。ここに、屈折率が
異なる部位が、画像情報のフィールド毎に、交互に、画
像表示装置と観測者又はスクリーンとの間の光路中に現
れるようにすることで、前記光路の変更が行われるもの
である。
【0016】同公報例においては、光路を変更する手段
として、電気光学素子と複屈折材料の組合わせ機構、レ
ンズシフト機構、バリアングルプリズム、回転ミラー、
回転ガラス等が記述されており、上記旋光素子と複屈折
素子を組合せてなる方式の他に、ボイスコイル、圧電素
子等によりレンズ、反射板、複屈折板等の光学素子を変
位(平行移動、傾斜)させ光路を切り替える方式が提案
されているが、この方式においては、光学素子を駆動す
るために構成が複雑となりコストが高くなる。
【0017】また、特開平10−133135号公報に
よれば、回転機械要素を不要化でき、全体の小型化、高
精度・高分解能化を実現でき、しかも外部からの振動の
影響を受け難い光ビーム偏向装置が提案されている。具
体的には、光ビームの進行路上に配置される透光性の圧
電素子と、この圧電素子の表面に設けられた透明の電極
と、圧電素子の光ビーム入射面Aと光ビーム出射面Bと
の間の光路長を変化させて光ビームの光軸を偏向させる
ために電極を介して圧電素子に電圧を印加する電圧印加
手段とを備えている。
【0018】同公報例では、透光性の圧電素子を透明の
電極で挟み、電圧を印加することで厚みを変化させて光
路をシフトさせる方式が提案されているが、比較的大き
な透明圧電素子を必要とし、装置コストがアップする
等、前述の特開平6−324320号公報の場合と同様
の問題点がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の課
題を整理すると、従来のピクセルシフト素子において問
題となっているのは 構成が複雑であることに伴う高コスト、装置大型
化、光量損失、ゴースト等の光学ノイズ又は解像度低下 特に可動部を有する構成の場合の位置精度や耐久
性、振動や音の問題 ネマチック液晶などにおける応答速度である。
【0020】の応答速度に関し、画像表示装置におけ
るピクセルシフトに必要な光偏向の速度は以下のように
見積ることができる。画像フィールド(時間t
Field)を時間的にn分割し、各n個のサブフィー
ルド毎に画像表示素子と光学部材との間の光路を偏向し
てピクセルシフトのシフト位置をn箇所に定めた場合、
1つのサブフィールドの時間tSFは tSF=tField/n で表される。この時間tSFの期間中に光偏向がなされ
るが、その時間をtsh iftとするとこのtshift
の期間は表示が行えないため、この期間に相当する分だ
け光利用効率が低下する。
【0021】光利用効率Eは以下の式で表される。
【0022】E=(tSF−tshift)/tSF 仮にピクセルシフト位置nがn=4、画像フィールドt
Fieldが16.7msである場合に、光利用効率E
を90%以上確保するためには、 0.9<(16.7/4−tshift)/(16.7
/4) tshift<0.42(ms) となり、光偏向を0.42msで行う必要がある。通常
のネマチック液晶は応答速度が数ms以上であるため、
ここに示すような高速ピクセルシフトのための光学素子
としては使用することはできない。
【0023】特開平6−18940号公報においては液
晶材料にネマチック液晶を用いているため、応答速度を
サブミリ秒にまで速めることは困難であり、ピクセルシ
フトに用いることはできない。一方、キラルスメクチッ
クC相よりなる強誘電液晶ではその応答速度は十分0.
42ms以下に設定することが可能である。
【0024】また、特開平9−133904号公報にお
いてはスメクチックA相の強誘電液晶を用いているが、
スメクチックA相は自発分極を持たないため、キラルス
メクチックC相に見られるような高速動作はやはり望め
ない。
【0025】そこで、本発明は、基本的には、従来の光
偏向素子における問題点、即ち、構成が複雑であること
に伴う高コスト、装置大型化、光量損失、光学ノイズを
改善し、構成が簡単で、小型であり、光量損失、光学ノ
イズ、解像度低下が少なく、低コスト化を図ることがで
きる光偏向方法、光偏向素子、光偏向デバイス及びこれ
らを備える画像表示装置を提供することを目的とする。
【0026】また、本発明は、従来の特に可動部を有す
る光偏向素子若しくは光偏向デバイスにおける問題点で
ある位置精度の低さや耐久性不良、振動や音の問題を改
善することを目的とする。
【0027】さらには、従来、光路を変える光学素子に
用いられていたスメクチックA液晶やネマチック液晶な
どにおける応答性の鈍さを改善し、高速応答可能な光偏
向方法、光偏向素子、光偏向デバイス及びこれらを備え
る画像表示装置を提供することを目的とする。
【0028】加えて、上記目的を実現する上で、光の光
路を効率的に切換えるように電界を発生させることが可
能な上に、光量損失を低減させ得る効果のより大きな光
偏向素子を提供する。
【0029】また、上記目的を実現する上で、電界印加
手段により印加する電圧値を低減させて、電源の小型
化、低コスト化を図ることができる光偏向素子を提供す
る。
【0030】また、上記目的を実現する上で、電界印加
手段が発する電界を液晶に効率的に作用させ得る光偏向
素子を提供する。
【0031】また、上記目的を実現する上で、1つの素
子で光の光路を3方向以上にわたって効率的に切換え得
るように電界を発生させることができ、より小型化、低
コスト化を図れる光偏向素子を提供する。
【0032】また、上記目的を実現する上で、光学ノイ
ズを低減し良好な光シフトを達成できる光偏向デバイス
を提供する。
【0033】また、上記目的を実現する上で、偏向光量
を自在に制御することができる光偏向デバイスを提供す
る。
【0034】また、上記目的を実現する上で、素子内に
おける光偏向量の場所によるムラを極めて小さくでき、
光学ノイズの一層の低減を図れる光偏向素子を提供す
る。
【0035】また、上記目的を実現する上で、特に入射
光に対して出射光が或る角度を持って回転し光路を切換
えることが可能な素子において、その応答性の鈍さを改
善できる光偏向素子を提供する。
【0036】また、従来にあっては、大きなシフト量を
得るためには常光と異常光の屈折率差の大きな液晶材料
を使用したり液晶膜厚を増やしたりする必要があるもの
の、現実には、液晶の屈折率差の大きな材料は一般的に
屈折率の波長依存性が大きくいわゆる色収差が発生しや
すく、液晶膜厚を増やすにしても実質的に良好な均一配
向、高速動作を行うためには制限があったことから、上
記目的を実現する上で、応答速度を犠牲にせず任意のシ
フト量を得ることができる光偏向デバイスを提供する。
【0037】さらに、本発明は、光の利用効率を向上さ
せ、光源の負荷を増加することなく観察者により明るく
高品質の画像を表示できるピクセルシフトを利用した画
像表示装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の光
偏向方法は、透明基板間に充填されたホメオトロピック
配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶に、直
線偏光の光を入射させ、前記基板面法線方向及び前記直
線偏光方向と略直交する方向に電界を発生させることに
より前記入射光を前記偏光方向に偏向させて出射させ
る。
【0039】従って、キラルスメクチックC相よりなる
液晶を利用することにより、従来の光偏向素子における
問題点、即ち、構成が複雑であることに伴う高コスト、
装置大型化、光量損失、光学ノイズを改善することがで
きる。
【0040】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
偏向方法において、前記電界の向きを切換えることによ
り、前記偏向方向を切換える。
【0041】従って、請求項1記載の発明の作用に加
え、偏向方向を切替えることが可能となリ、光学装置に
広く応用することが可能となる。また、偏向方向切替え
のための可動部を有しないため、従来の特に可動部を有
する光偏向素子等における問題点であった位置精度の低
さや耐久性不良、振動や音の問題も回避することができ
る。さらに、従来、光偏向素子に用いられていたスメク
チックA液晶やネマチック液晶などにおける応答性の鈍
さも改善でき、高速応答が可能となる。加えて、液晶ダ
イレクタを基板に対してホメオトロピック配向させるこ
とにより、低い電界で安定したシフト量、回転角を得る
ことができ、液晶ダイレクタの動作が基板からの規制力
を受けにくく、外部電界方向の調整で光偏向方向の調整
が行いやすく光学素子のセッティング余裕度が増し、ま
た、電界方向に対して液晶ダイレクタの配向のとりやす
さが均一であるため、偏向方向に対する光強度ムラを発
生しにくくすることもできる。
【0042】請求項3記載の発明の光偏向素子は、電界
変化に応じて入射光に対する出射光路が変化する光偏向
素子であって、透明な一対の基板と、該基板間に充填さ
れたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC
相よりなる液晶と、該液晶に電界を作用させる1組以上
の電界印加手段と、を備える。
【0043】従って、極めて簡単な構成でありながら、
請求項1,2の光偏向方法を具現化でき、上記効果を達
成することが可能となる。
【0044】請求項4記載の発明は、請求項3記載の光
偏向素子において、前記電界印加手段は、前記基板面法
線方向及び光偏向方向と略直交する方向に電界を発生さ
せる電極対である。
【0045】従って、基板面法線方向及び光偏向方向と
略直交する方向に電界を印加するため、電界印加方向を
切替えた時の液晶のチルト方向を基板面法線方向から対
称な方向に設定できるため、所定の光偏向方向に対して
高い位置精度で光偏向を行うことを可能とし、さらに受
光部までの光路長が偏向方向によらず一定であるため、
受光部における像ボケが発生しない。
【0046】請求項5記載の発明は、請求項4記載の光
偏向素子において、前記電極対は、前記光偏向素子を通
る光路を挟む位置に設置した。
【0047】従って、電極対を光路を挟む位置に設置す
ることで、従来の光偏向素子に比較して光量損失を低減
させることができる。
【0048】請求項6記載の発明の光偏向デバイスは、
前記液晶の分子長軸方向を平均化した方向として定まる
光学軸の方向を、前記電界印加手段による電界の印加に
より所定の方向に向けた状態で、一方の基板面から他方
の基板面に向かって前記光学軸を投影した場合に前記他
方の基板面上に投影された前記光学軸の方向が、入射光
の偏光方向と同一方向になるように請求項3,4又は5
記載の光偏向素子を設置した。
【0049】従って、光偏向素子の光学軸と入射光の光
偏向方向を一致させているため、光学ノイズ、光量損失
を極めて小さく抑えることができる。
【0050】請求項7記載の発明の光偏向デバイスは、
前記液晶の自発分極及び電界により定まる液晶分子の配
向を前記電界印加手段による電界の印加により所定の方
向に揃えた状態で、一方の基板面から他方の基板面に向
かって前記液晶分子を投影した場合に前記他方の基板面
上に投影された前記液晶分子における長軸方向が、入射
光の偏光方向と同一方向になるように請求項3,4又は
5記載の光偏向素子を設置した。
【0051】従って、光偏向素子の液晶分子の配向が所
定方向に揃えられているため、光学ノイズ、光量損失を
極めて小さく抑えることができる。
【0052】請求項8記載の発明の光偏向デバイスは、
偏向方向の異なる請求項3,4又は5記載の2つの光偏
向素子を直列に配列し、該光偏向素子間に、前段の光偏
向素子からの出射光の偏光方向を後段の光偏向素子の偏
向方向に揃える偏光方向切換手段を設置した。
【0053】従って、2つの光偏向素子と偏光方向切換
手段とを組合せているので、4方向に光をシフトさせる
ことができる。
【0054】請求項9記載の発明は、請求項8記載の光
偏向デバイスにおいて、記前段の光偏向素子と後段の前
記光偏向素子の電界発生方向が直交するように前段の前
記光偏向素子と後段の前記光偏向素子を配列し、前記偏
光方向切換手段として1/2波長板を設置した。
【0055】従って、請求項6記載の2組の光偏向素子
と1/2波長板とを組合せているので、例えば上下左右
の如く4方向に光をシフトさせることができる。1/2
波長板として雲母、水晶を用いた場合は、これらの材料
が温度による特性変動が比較的少なく安定しているた
め、温度変化の大きい環境での使用時に特に有用であ
る。
【0056】請求項10記載の発明の光偏向デバイス
は、電界発生方向を直交させた2組の電極対を有する請
求項4又は5記載の光偏向素子と、該光偏向素子に対す
る入射光の偏光方向を制御する偏光方向制御手段と、を
備える。
【0057】従って、電界発生方向を直交させた2組の
電極対を有する請求項4又は5記載の光偏向素子を用い
ているので、例えば上下左右の如く4方向に光をシフト
させることができ、特に、1個の光偏向素子を利用すれ
ばよいので、請求項8,9記載の発明の場合に比べて小
型、低コスト化、光損失の低減を図ることができる。
【0058】請求項11記載の発明は、請求項3記載の
光偏向素子において、前記電界印加手段は、前記基板間
に設けられた1組の電極対である。
【0059】従って、請求項3記載の光偏向素子におい
て、光偏向素子の構成要素である電界印加手段に関し
て、この電界印加手段より発せられる電圧値を低減させ
ることができ、電源の小型化、低コスト化を図ることが
できる。
【0060】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の光偏向素子において、前記電極対は、交互に入り込む
ように配設された櫛歯状電極対である。
【0061】従って、請求項11記載の光偏向素子にお
いて、光偏向素子の構成要素である電界印加手段に関し
て、この電界印加手段より発せられる電界がより効率的
に液晶に作用するため、電圧を低減させることができ、
電源の小型化,低コスト化を図ることができる。
【0062】請求項13記載の発明は、請求項3記載の
光偏向素子において、前記電界印加手段は、前記液晶と
一対の前記基板との各々の界面付近に形成されて各々の
電界発生方向を異ならせた2組の櫛歯状電極対である。
【0063】従って、請求項3記載の光偏向素子におい
て、1つの素子で効率的に光の光路を3方向以上に切換
えることができる。
【0064】請求項14記載の発明の光偏向デバイス
は、請求項3,4,5,11,12又は13記載の光偏
向素子と、この光偏向素子の光入射側に配設されて前記
光偏向素子による光偏向方向と入射光の偏光方向とが一
致するように前記入射光の偏光方向を制御する偏光方向
制御手段と、を備える。
【0065】従って、或る方向の電界印加により光偏向
を受け出射する第1の光路における成分(光量)と、光
偏向を受けないか若しくは上記とは異なる方向の電界印
加により異なる方向に光偏向を受け出射する第2の光路
における成分(光量)との混在を大幅に低減でき、光学
ノイズの少ない良好な光シフトを達成することができ
る。
【0066】請求項15記載の発明の光偏向デバイス
は、請求項3,4,5,11,12又は13記載の光偏
向素子と、この光偏向素子の光入射側に配設されて前記
光偏向素子による光偏向方向に対して入射光の偏光方向
が所定の角度を持つように前記入射光の偏光方向を制御
する偏光方向制御手段と、を備える。
【0067】従って、或る方向の電界印加により光偏向
を受け出射する第1の光路における成分(光量)と、光
偏向を受けないか若しくは上記とは異なる方向の電界印
加により異なる方向に光偏向を受け出射する第2の光路
における成分(光量)とを任意の割合で設定すること
で、偏向光量を自在に制御することができる。
【0068】請求項16記載の発明の光偏向素子は、電
界変化に応じて入射光に対する出射光路が変化する光偏
向素子であって、透明な一対の基板と、該基板間に充填
されたホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相
よりなる液晶と、前記基板面法線方向及び光偏向方向と
略直交する方向に電界を発生させる電極対による電界印
加手段と、を備える。
【0069】従って、キラルスメクチックC相よりなる
液晶を利用しているので、請求項1、2記載の発明の作
用・効果が得られる上に、特にホモジニアス配向された
キラルスメクチックC相なる液晶を利用しているので、
当該素子内における光偏向量の場所によるムラを極めて
小さくすることができ、光学ノイズの一層の低減を図る
ことができる。
【0070】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の光偏向素子において、前記電極対は、前記光偏向素子
を通る光路を挟む位置に設置した。
【0071】従って、請求項16記載の光偏向素子にお
いて、光偏向素子の構成要素である電界印加手段に関し
て、電極対を光路を挟む位置に設置することで、従来の
光偏向素子に比較して光量損失を低減させることができ
る。
【0072】請求項18記載の発明は、請求項16記載
の光偏向素子において、前記電界印加手段は、前記基板
間に設けられた1組の電極対である。
【0073】従って、請求項16記載の光偏向素子にお
いて、光偏向素子の構成要素である電界印加手段に関し
て、この電界印加手段より発せられる電界がより効率的
に液晶に作用するため、電圧を低減させることができ、
電源の小型化,低コスト化を図ることができる。
【0074】請求項19記載の発明の光偏向デバイス
は、電界変化に応じて入射光に対する出射光路が変化す
る光偏向素子であって、透明な一対の基板と、該基板間
に充填されたホモジニアス配向されたキラルスメクチッ
クC相よりなる液晶と、一対の前記基板と前記液晶との
間に形成された電極対による電界印加手段とを備えた光
偏向素子を、光の入射方向が前記基板面法線方向と異な
るように設置した。
【0075】従って、キラルスメクチックC相よりなる
液晶を利用しているので、請求項1記載の発明の作用・
効果が得られる上に、ホモジニアス配向されたキラルス
メクチックC相なる液晶を利用しているので、請求項1
6記載の発明と同じく、当該素子内における光偏向量の
場所によるムラを極めて小さくすることができ、光学ノ
イズの一層の低減を図ることができ、さらには、ここで
用いる電界印加手段としては、ITO等の透明電極が好
ましく、いわゆるベタ膜でも差し支えないため、電極形
成が容易であり、電極がパタニングされていないため光
の進行に対してモアレ等干渉が発生しにくくなり、外部
電極による電界形成方法に比較して、高電圧電源が不要
となり、さらに小型化に有利となる。
【0076】請求項20記載の発明の光偏向素子は、電
界変化に応じて入射光に対する出射光路が変化する光偏
向素子であって、透明な一対の基板と、該基板間に充填
されたキラルスメクチックC相よりなる液晶と、1組以
上の電界印加手段と、を備え、一対の前記基板は、光偏
向方向に対応して一方の基板面が他方の基板面に対して
傾斜して対向する。
【0077】従って、キラルスメクチックC相よりなる
液晶を利用しているので、請求項1,2記載の作用・発
明の効果が得られる上に、入射光に対して出射光が所定
角度を持って回転し光路を切換えることが可能な素子に
おいて、その応答性の鈍さを改善することができる。
【0078】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の光偏向素子において、前記電界印加手段は、一対の前
記基板と前記液晶との間に形成された電極対である。
【0079】従って、請求項20記載の光偏向素子にお
いて、所定の光偏向方向に対応して的確に液晶分子の配
向状態を切換えることができ、効率的な光偏向を可能に
する。
【0080】請求項22記載の発明の光偏向デバイス
は、光進行方向上に所定距離を隔てて請求項20又は2
1記載の光偏向素子を2組備える。
【0081】従って、光進行方向上に所定距離を隔てて
請求項20記載の光偏向素子を2組備えるので、応答速
度を犠牲にせず、光偏向素子と受光部との距離を適切に
選ぶことで任意の偏向量を得ることができる。
【0082】請求項23記載の発明は、請求項4,5,
16,17,18,20又は21記載の光偏向素子にお
いて、前記電極対による電界発生方向及び当該素子に対
する温度制御により光偏向位置を制御する光偏向位置制
御手段を備える。
【0083】従って、温度によりチルト角を制御するこ
とができ、これによって光偏向量を制御でき、また、位
置制御に関しては電界による微調との組合せにより適切
な光偏向を達成することができる。
【0084】請求項24記載の発明は、請求項6,7又
は19記載の光偏向デバイスにおいて、前記電極対によ
る電界発生方向及び当該素子に対する温度制御により光
偏向位置を制御する光偏向位置制御手段を備える。
【0085】従って、温度によりチルト角を制御するこ
とができ、これによって光偏向量を制御でき、また、位
置制御に関しては電界による微調との組合せにより適切
な光偏向を達成することができる。
【0086】請求項25記載の発明の画像表示装置は、
少なくとも、画像情報に従って光を制御可能な複数の画
素を二次元的に配列した画像表示素子と、この画像表示
素子を照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画
像パターンを観察するための光学部材と、画像フィール
ドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画
像表示素子と前記光学部材の間の光路を偏向する請求項
3,4,5,11,12,13,16,17,18,2
0,21又は23記載の光偏向素子又は請求項6,7,
8,9,10,14,19,22又は24記載の光偏向
デバイスによる光偏向手段と、を備える。
【0087】従って、光偏向手段によりサブフィールド
毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画
像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け
上の画素数を増倍して表示させる上で、ピクセルシフト
素子なる光偏向手段として請求項3,4,5,11,1
2,13,16,17,18,20,21又は23記載
の光偏向素子又は請求項6,7,8,9,10,14,
19,22又は24記載の光偏向デバイスを用いている
ので、光の利用効率を向上させ、光源の負荷を増加する
ことなく観察者により明るく高品質の画像を提供するこ
とができ、特に、請求項23記載の光偏向素子又は請求
項24記載の光偏向デバイスを用い、光偏向位置制御
を、当該光偏向素子における電極対による電界印加方向
及び当該光偏向素子に対する温度制御により行うこと
で、適切なピクセルシフト量が保持され良好な画像を得
ることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図5に基づいて説明する。図1は本実施の形態の
光偏向素子1の原理的構成例を示す断面図である。この
光偏向素子1においては、まず、一対の透明な基板2,
3が対向配置させて設けられている。そして、少なくと
も一方、ここでは基板2側内面には配向膜4が形成され
ており、この配向膜4と他方の基板3との間にはキラル
スメクチックC相よりなる強誘電液晶なる液晶5が充填
されている。
【0089】このような一対の基板2,3及び液晶5を
有する構造体に対して、目的とする光偏向方向に対応さ
せて電極6a,6bによる一対の電極対6が配置され、
電源7に接続されている。電極対6は電界印加手段とし
て機能するもので、光路と重ならない位置で当該光偏向
素子1の液晶回転軸に対して略垂直方向に電界ベクトル
が向くように設置され、基板2,3と一体化させて設け
ても、分離させて設けても良い。また、液晶5の膜厚を
規定するためのスペーサを電極に兼用することも可能で
ある。光偏向による光の進行方向を3方向以上に振りた
い場合は、入射光の偏光方向をその偏向方向に対応させ
て回転させるとともに、電極対6をやはりそれらに対応
させ複数設ければよい。
【0090】入射光は、電極対6より形成される電界の
方向によって偏向を受け、第1の出射光若しくは第2の
出射光の何れかの光路をとる。
【0091】ここで、液晶5に関して説明する。「スメ
クチック液晶」は液晶分子の長軸方向を層状に配列して
なる液晶分子である。このような液晶に関し、上記層の
法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致
している液晶を「スメクチックA相」、法線方向と一致
していない液晶を「キラルスメクチックC相」と呼んで
いる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶5
は、一般的に外部電界が働かない状態において各層毎に
液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺
旋構造をとり、キラルスメクチックC相反強誘電液晶は
各層毎に液晶ダイレクタが対向する方向を向く。これら
のキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を
分子構造に有し、これによって自発分極しているため、
この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶
分子が再配列することで光学特性が制御される。なお、
本実施の形態等では、液晶5として強誘電液晶を例に採
り光偏向素子1の説明を行うが、反強誘電液晶の場合に
も同様に使用することができる。
【0092】キラルスメクチックC相よりなる強誘電液
晶の構造は、主鎖、スペーサ、骨格、結合部、キラル部
などよりなる。主鎖構造としてはポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、ポリシロキサン、ポリオキシエチレ
ンなどが利用可能である。スペーサは分子回転を担う骨
格、結合部、キラル部を主鎖と結合させるためのもので
あり、適当な長さのメチレン鎖等が選ばれる。また、カ
イラル部とビフェニル構造など剛直な骨格とを結合する
結合部には−COO−結合等が選ばれる。
【0093】本実施の形態の光偏向素子1においては、
キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶5は配向膜
4により基板2,3面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が
向いており、いわゆるホメオトロピック配向をなす。こ
のようなホメオトロピック配向のための配向法として
は、従来より行われている方法を適用することができ
る。即ち、ずり応力法、磁場配向法、温度勾配
法、SiO斜法蒸着法、光配向法等が挙げられる
(例えば、竹添、福田「強誘電性液晶の構造と物性」コ
ロナ社、p235参照)。
【0094】本実施の形態の光偏向素子1の特徴の1つ
は、ITO膜等による電極パターンを素子内に形成する
必要がないため、これによる光損失がない点と、素子の
光が透過する部分の層構成が簡単で製造コストが抑制で
きる点にある。また、キラルスメクチックC相はスメク
チックA相やネマチック液晶に比較して極めて高速な応
答性を有しており、サブmsでのスイッチングが可能で
ある点も特徴である。特に、電界方向に対して液晶ダイ
レクタ方向が一義的に決定されるため、スメクチックA
相よりなる液晶に比べダイレクタ方向の制御が容易であ
り、扱いやすい。
【0095】ホメオロトピック配向をなすキラルスメク
チックC相よりなる液晶5は、ホモジニアス配向(液晶
ダイレクタが基板面に平行に配向している状態)をとる
場合に比べて、液晶ダイレクタの動作が基板2,3から
の規制力を受けにくく、外部電界方向の調整で光偏向方
向の制御が行いやすく、必要電界が低いという利点を有
する。また、液晶ダイレクタがホモジニアス配向してい
る場合、電界方向だけでなく基板面に液晶ダイレクタが
強く依存するため、光偏向素子の設置についてより位置
精度が求められることになる。逆に、本実施の形態のよ
うなホメオロトピック配向の場合は、光偏向に対して光
偏向素子1のセッティング余裕度が増す。これらの特徴
を活かす上で、厳密に螺旋軸を基板面に垂直に向ける必
要はなく、或る程度傾いていても差し支えない。例え
ば、螺旋構造をなす側面の一部が基板2,3に垂直であ
って螺旋軸そのものは基板法線方向から傾いている状態
であっても、液晶ダイレクタが基板2,3からの規制力
を受けずに2つの方向を向くことが可能であればよい。
【0096】無電界下のキラルスメクチックC相の液晶
層に対して層法線方向から偏光顕微鏡によるコノスコー
プ像を観察すると、十字像が中央部に位置しており、一
軸性光学軸を有していることが確認できる。ここで、図
2にキラルスメクチックC相の液晶分子配列のモデル
(電界による螺旋構造変化のモデル)を示す。チルト角
θを有する分子層が互いズレながら重なって螺旋構造を
形成している。電界E=0では図2(a)のように左右対
称な螺旋構造によって液晶ダイレクタ方向は空間的に平
均化される。液晶層の平均化された光学軸は層法線方向
を向いており、この光学軸に平行な入射光に対しては光
学的に等方的である。次に、液晶層の水平方向に比較的
小さな電界0<E<Esを印加すると、自発分極Psへ
の電界Eの作用で液晶分子に回転モーメントが生じるた
めに図2(b)のように螺旋構造が歪んで非対称となり、
平均的な光学軸が一方向に傾く。この時、電界強度の増
加と共に歪みが大きくなって平均的な光学軸の傾斜角も
大きくなる。これは、コノスコープ像の十字像の位置が
移動することから確認できる。さらに電界強度を増加さ
せると、ある閾値電界Es以上で図2(c)のように螺旋
構造が消失して光学的に略一軸性となる。この時の光学
軸の傾斜角は液晶ダイレクタのチルト角θと等しくな
る。さらに電界を増加させてもチルト角θは変化せず、
光学軸の傾斜角も一定となる。
【0097】次に、本実施の形態の光偏向素子1の動作
原理について図3及び図4を参照して説明する。図3
は、図1に示した構成に関して液晶配向を模式的に示し
たものである。ただし、図1では電界が上下方向に印加
されるように描いているが、図3では便宜上紙面表裏方
向に印加されるように描いており、電界は紙面表裏方向
に発生するものとする。また、電界方向は目的とする光
の偏向方向に対応して電源7により切換えられる。図3
における電極6a,6bは、上述したように基板2,3
と一体化してもまた分離して設けてもよい。
【0098】また、当該光偏向素子1に対する入射光は
直線偏光であり、その偏光方向は図3中上下の矢印に示
す通り上下方向であって(以後、同様に偏光方向につい
ては上下或いは左右の矢印で入射光に重ねて示す)、そ
の偏光方向に電界方向が直交するように電極6a,6b
は対向配置される。また、液晶5の膜厚を規定するため
のスペーサを電極に兼用することも可能である。何れの
場合においても、電極6a,6bからの漏洩電界が当該
光偏向素子1周辺の機器に悪影響を及ぼさないように電
磁シールドを設けるのが好ましい。
【0099】図3においてXYZ直交座標系を図示する
通りにとったとき、液晶5内のXZ断面において図3に
示す通り液晶ダイレクタ8は、その電界方向によって第
1の配向状態又は第2の配向状態の何れかの状態(図4
(b)参照)をとって分布する。θは液晶回転軸からの
液晶ダイレクタ8のチルト角であり、以後、単に「チル
ト角」と呼ぶ。液晶5の自発分極Psが正でありY軸正
方向(紙面上向き)に電界Eがかかっているものとする
と、液晶ダイレクタ8は液晶回転軸が略基板垂直方向で
あるためXZ面内にある。液晶5の長軸方向の屈折率を
ne、短軸方向の屈折率をnoとすると、入射光とし
て、偏光方向をY軸方向に持つ直線偏光を選びX軸正方
向に入射光が進むとき、光は液晶5内で常光として屈折
率noを受け直進し、図4(a)中のa方向に進む。即
ち、光偏向は受けない。
【0100】一方、偏光方向がZ軸方向である直線偏光
が入射するとき、入射方向の屈折率は液晶ダイレクタ8
の方向及び屈折率no,neの両者から求められる。よ
り詳しくは、屈折率no,neを主軸に持つ屈折率楕円
体において楕円体中心を通過する光の方向との関係から
求められるが、ここでは詳細は省略する。光は屈折率n
o,ne及び液晶ダイレクタ8の方向(チルト角θ)に
対応した偏向を受け、図4(a)中のb(第1の配向状態
の場合)に示す方向にシフトする。
【0101】今、液晶5の厚み(ギャップ)をdとすると
きシフト量Sは以下の式で表される(例えば、「結晶光
学」応用物理学会、光学懇話会編、p198参照)。
【0102】 S=[(1/no)2−(1/ne)2]sin(2θ・d) ÷[2((1/ne)2sin2θ+(1/no)2cos2θ)] ………式1 また、電界方向を反転させた時、液晶ダイレクタ8は図
4においてX軸を中心とした線対称の配置(第2の配向
状態)を取り、偏光方向がZ軸方向である直線偏光の進
行方向は図4(a)中のb′に示す通りとなる。
【0103】従って、この直線偏光に対して液晶5に作
用させる電界方向を制御することで、bとb′との2位
置、即ち、2S分の光偏向が可能となる。
【0104】液晶5の材料の代表的物性値(no=1.
6,ne=1.8)に対して得られる光偏向量について
光偏向量Sを計算した結果を図5に示す。θ=45°付
近が最も光偏向量が大きい。仮に、液晶ダイレクタ8の
チルト角θが22.5°のとき、2S=5(μm)の偏向
量を得るためには、ここに示される通り液晶の厚みを3
2μm厚に設定すれば良い。また、ホメオトロピック配
向強誘電液晶において、約700V/cmの電界に対し
て0.1msの応答速度が報告されており(Ozaki 他、
J.J.Appl.Physics、Vol.30、No.9B、pp2366-2368
(1991)参照)、サブmsオーダの十分高速な応答速度
が得られる。
【0105】また、キラルスメクチックC相よりなる液
晶においては、チルト角θは温度Tにより変化し、相転
移点をTcとすると、θ∝(T−Tc)βなる関係があ
る。βは材料により異なるが0.5程度の値をとる。こ
の特性を利用した温度制御で光偏向量を制御することも
可能である。
【0106】例えば、仮にチルト角θとして上記の2
2.5°を設定し、これに対応する温度をT
θ=22.5°とすれば、T>Tθ=22.5°ではθ
<22.5°であり、T<Tθ=22.5°ではθ>2
2.5°であるため、温度によりチルト角θを制御で
き、これによって光偏向量を制御できることとなる。ま
た、位置制御に関しては、電界による微調を同様に行う
ことができ、温度、電界或いはその両者の組合せにより
適切な光偏向を達成できる。
【0107】以上は、電界強度がEs以上で螺旋構造が
解けてチルト角θが光学軸の傾斜角に等しい場合につい
て説明したが、電界強度がEs以下の場合には、上記θ
を液晶ダイレクタ方向を平均化した光学軸の傾斜角とし
て扱えば良い。
【0108】液晶5の温度制御としては、当該光偏向素
子1の温度をモニタし設定温度との差を低減するための
加熱源若しくは冷却源等を作動するようフィードバック
をかければよい。また、温度をモニタする変わりに光偏
向位置をモニタし正規位置との差を低減するように上記
加熱/冷却源を作動させるようにしてもよい。
【0109】加熱源としては光偏向素子1外部に加熱源
を設けてもよいが、小型化のためには後述する実施の形
態の如く、光偏向素子1内部に抵抗線を形成し、これに
電流を流すことで得られるジュール熱を利用するのが好
ましい。冷却源としてはペルチェ素子等が好適に用いら
れる。
【0110】本発明の第二の実施の形態を図6及び図7
に基づいて説明する。前述した実施の形態の場合と同一
又は相当する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略
する(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。
【0111】図6は、偏向方向が互いに所定角(φ2)傾
いた方向に設置された図3に示す2つの光偏向素子1
A,1Bが直列に配列され、該光偏向素子1A,1B間
に、前段の光偏向素子1Aからの出射光の偏光方向を後
段の光偏向素子1Bの偏向方向に揃える偏光方向切換手
段9'を備えた構成の光偏向デバイス10である。
【0112】このような光偏向デバイス10によれば、
光偏向素子1Aにおいて上下方向(Z軸方向)に2位置
光シフトが行われ、光偏向素子1Bにおいて光偏向素子
1Aのシフト方向からφ2なす角度方向に2位置の光シ
フトが行われるため、デバイス全体としては合計4位置
に光をシフトさせることが可能となる。
【0113】この光偏向デバイス10に入射する光は図
6に示す通り、Z軸方向に偏光方向を有しており、光進
行方向に対して前段側の光偏向素子1Aにおいて上下方
向(Z軸方向)に偏向を受けた後、偏光方向切換手段
9'によって偏光方向をφ1(=φ2)回転させて後段の
光偏向素子1Bに入射し、光偏向素子1Aのシフト方向
からφ2なす角度方向に2位置のシフトを受ける。
【0114】偏光方向切換手段9'としては、ファラデ
ー回転素子やツイスト構造を有する液晶素子などを用い
ることができ、偏光方向回転角φ1は前記φ2と略一致す
るよう設定される。特にツイスト構造を有する液晶素子
は、波長による偏光方向回転角のバラツキを比較的小さ
く設定可能であるため、多波長よりなる光を扱う場合に
好適である。
【0115】また、ツイスト構造を有する液晶素子とし
ては、いわゆる低分子ツイストネマティック液晶を、前
記φのツイスト角が得られるように互いに配向処理を
施した一対の透明基板中に充填した構造をなす素子、或
いは、は高分子によりツイスト構造を形成した液晶素子
等が用いられる。高分子によりツイスト構造を形成した
液晶素子においては一対の透明基板を用いることなく、
例えばベースフィルム上に直接液晶を構成することがで
きるため、厚みを抑えることが可能となり、省スペース
化の観点から好ましい。
【0116】図7は、偏向方向が互いに直交した方向に
設置された図3に示す2つの光偏向素子1A,1Bが直
列に配列され、該光偏向素子1A,1B間に、前段の光
偏向素子1Aからの出射光の偏光方向を後段の光偏向素
子1Bの偏向方向に揃える偏光方向切換手段としての1
/2波長板9を備えた構成の光偏向デバイス10であ
る。
【0117】このような光偏向デバイス10によれば、
光偏向素子1Aにおいて上下方向(Z軸方向)に2位
置、光偏向素子1Bにおいて左右方向(Y軸方向)に2
位置の光シフトが行われるため、デバイス全体としては
合計4位置に光をシフトさせることが可能となる。
【0118】この場合、図7における偏光方向切換手段
9として、雲母、水晶等の複屈折性材料により形成され
る1/2波長板を使用することも可能である。これらの
材料は温度による特性変動が比較的少なく、温度変化の
大きい環境での使用時に特に有用である。
【0119】この光偏向デバイス10に入射する光は図
7に示す通り、Z軸方向に偏光方向を有しており、光進
行方向に対して前段側の光偏向素子1Aにおいて上下方
向(Z軸方向)に偏向を受けた後、1/2波長板9によ
って偏光方向を90°回転させてY軸方向の偏光方向と
することで、後段の光偏向素子1Bで左右方向(Y軸方
向)の偏向を受ける。
【0120】本発明の第三の実施の形態を図8に基づい
て説明する。本実施の形態では、前述の光偏向素子1に
関して、電極対6の他に、この電極対6とは直交する方
向に電界を作用させる電極11a,11bによる電極対
11を電界印加手段として付加した構成とされている。
電極11a,11b間には電源12が接続されている。
即ち、電極対6,11が液晶5に対して上下左右方向に
設けられている。このような電極対6,11を備える光
偏向素子1の入射側に入射光の偏光方向を制御する偏光
方向制御手段13が設けられ、これらの光偏向素子1と
偏光方向制御手段13とにより光偏向デバイス14が構
成されている。
【0121】このような構成において、光偏向位置を図
6及び図7に示した場合と同様に、4点にとる場合は、
偏光方向制御手段13による偏光方向の設定方向を対応
する上下左右2方向に設定することになり、この場合、
例えば、偏光方向制御手段13としては強誘電液晶材料
等で構成することができる。また、電極11a,11b
による電極対11は電極対6と直交する方向に限らず所
望の偏向方向に対応した角度で設置することも可能であ
る。また、多方向に設定することも可能であり、これら
の場合は偏光方向制御手段として任意に角度設定するこ
とが可能なファラデー回転素子等により構成することが
できる。何れの場合においても、光偏向素子1における
光偏向方向と入射光の偏光方向とが一致するように偏光
方向を制御することで、光学ノイズを低減し良好な光シ
フトを達成することができる。
【0122】本実施の形態の光偏向デバイス14の構成
によれば、図6及び図7に示した構成の光偏向デバイス
10と比較して、光偏向素子1を唯1つ使用することで
同様の機能を出せるため、システムの小型化、低コスト
化、光損失の低減に効果がある。ただし、光偏向位置が
2位置だけでよければ当然ながら図8における電極対は
一対のみ設ければよい(結局、図3に示したような構
成)。
【0123】偏光方向制御手段13は後述する実施の形
態の通り、液晶パネルに形成された画像を投影する画像
表示装置内においては、液晶パネルの偏光方向を画面毎
に回転させることで省くことができる。
【0124】ところで、図7及び図8のような構成にお
ける入射光偏光方向と液晶ダイレクタとの組合せに対す
る光偏向位置を表1に示す。ただし、諸特性は第一の実
施の形態で示したものを用いている。また、図7の構成
の場合では、直列に配置した2つの光偏向素子1A,1
Bのうち、入射光側に配置される光偏向素子1Aにおい
て、表1中の1,3の偏向を、出射光側に配置される光
偏向素子1Bにおいて2,4の偏向を各々形成するもの
とする。
【0125】
【表1】
【0126】本発明の第四の実施の形態を図9に基づい
て説明する。本実施の形態は、例えば、第一の実施の形
態で示したような光偏向素子1の入射側に光偏向素子1
による光偏向方向に対して入射光の偏光方向が所定の角
度を持つように入射光の偏光方向を制御する偏光方向制
御手段15を付加して光偏向デバイス16を構成するこ
とにより、偏向光量を自在に制御できるようにしたもの
である。
【0127】本実施の形態における偏光方向制御手段1
5は、偏光板をメカニカルに回転機構により回転させる
構成とかファラデー回転素子等により構成され、光偏向
素子1に入射する偏光方向の角度を任意に設定可能であ
る。仮に、Z軸からの入射光の偏光方向の角度(チルト
角)をθとすると、入射光Poに対して、図9のY軸方
向の電界印加により光偏向を受けて出射する第1の出射
光の成分(光量)Pは入射光のZ軸方向ベクトル成分
と一致し、P=Pcosθ、光偏向を受けない第2の
出射光の成分(光量)Pは入射光のY軸方向ベクトル
成分と一致し、P=Psinθとなる(ただし、光の
減衰、散乱等は無視するものとする)。即ち、角度θを
適宜設定することで任意の割合で光量を振り分けするこ
とができる。また、出射光の成分(光量)P,P
必要に応じて測定することで、入射光の偏光方向が得ら
れ、これを基に偏光方向制御手段15による偏向方向の
角度θを設定し直す等の処理も可能である。
【0128】なお、本実施の形態では、図1及び図3に
示したような構成の光偏向素子1との組合せ例で説明し
たが、後述するような電極対構造を持つ光偏向素子との
組合せ例であってもよい。
【0129】本発明の第五の実施の形態を図10に基づ
いて説明する。本実施の形態は、前述したように、キラ
ルスメクチックC相よりなる液晶においては、チルト角
θは温度Tにより変化する点に着目し、例えば、第一の
実施の形態中の図4に示したような光偏向素子1の内部
に加熱源となる電気抵抗材料17を設けたものである。
この電気抵抗材料17には駆動電流を制御する温度制御
手段18が接続されており、前述した電極対6による電
界発生方向の制御とこの電気抵抗材料17による当該光
偏向素子1、特に液晶5に対する温度制御により光偏向
素子1による偏向位置を制御するための光偏向位置制御
手段が構成されている。
【0130】ここに、電気抵抗材料17としては可視光
域で透明で適当な電気抵抗を有し、さらに耐熱性(室温
〜70℃程度)に優れる材料が好ましい。具体的には、
ITOが用いられており、基板2と配向膜4との間に形
成されている。
【0131】温度制御手段18により、サーミスタ等の
温度センサ(図示せず)により当該光偏向素子1の温度
をモニタして設定温度との差を低減するようにITO
(電気抵抗材料17)への駆動電流を流すことでジュー
ル熱発生によって温度制御がなされる。設定温度は当該
光偏向素子1の周囲の環境温度以上で、かつ、適切な角
度θが得られる範囲が望ましい。通常は、40〜70℃
程度の範囲に設定するのがよい。
【0132】従って、本実施の形態によれば、温度によ
りチルト角θを制御でき、これによって光偏向量を制御
でき、また、位置制御に関しては、電界による微調を同
様に行うことができ、温度、電界或いはその両者の組合
せにより適切な光偏向を達成することができる。
【0133】なお、本実施の形態では、ホメオロトピッ
ク配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶5を
有する構成の光偏向素子1への適用例として説明した
が、後述するようなホモジニアス配向をなすキラルスメ
クチックC相よりなる液晶を有する構成の光偏向素子の
場合にも同様に適用できる。
【0134】本発明の第六の実施の形態を図11に基づ
いて説明する。本実施の形態の光偏向素子21は、ホメ
オロトピック配向をなすキラルスメクチックC相よりな
る液晶5を含む構成において、電界印加手段としての電
極対の配置・構成を前述の場合と異ならせたものであ
る。即ち、第一の実施の形態等にあっては、光路と重な
らない位置に電極対6を設け、素子外部から電界を与え
ているのに対して、本実施の形態では、電界発生用の電
極22a,22bによる電極対22を対向する基板2,
3間の液晶5中に設けている点が特徴である。
【0135】より具体的には、これらの電極22a,2
2bは何れも櫛歯状電極として形成され、目的とする偏
向方向に直交するZ軸方向においてこれらの櫛歯状電極
22a,22bが交互に位置するように互いに入り込ま
せた配置とされている。これらの櫛歯状電極22a,2
2b間には電源(ここでは、図示せず)により電圧が印
加されるように構成されている。この場合、電界方向は
櫛歯状電極22a,22bの位置関係によって図中+Z
軸方向又は−Z軸方向をとり、これに対応して光偏向素
子21による出射光は同一素子内で2方向をとる(図1
1(a))。一定方向のみ取り出すのであれば、例え
ば、片側成分に相当する部分に対して遮光処理等を施せ
ばよい。
【0136】第一の実施の形態で示した構成の光偏向素
子1の場合にはZ軸方向に外部電界を付与することで液
晶ダイレクタの方向を制御するが、本実施の形態の光偏
向素子21の場合には、素子内部で電界制御が可能であ
る点に特長がある。この結果、電極22a,22b間距
離が短くなるため必要電圧は極めて少なく、例えば、外
部電極6a,6bにおける電極間距離を20mmとし、
本実施の形態のような内部電極22a,22bの電極間
距離を0.2mmとすれば同等の電界強度を得るのに1
/1000の電圧を付与すればよいものである。このた
め、外部電界を形成するために必要となる高電圧電源7
が不要となり、さらに小型化に有利となる。
【0137】縦電界(図11(a)(b)においてはZ
軸方向)が発生できる構造であれば、本構成以外のもの
であっても問題ない。即ち、図11において櫛歯状電極
22a,22bは、各々端部が接続され等電位になるよ
う構成されているが、櫛歯状電極の構造としては本構成
に限ったものでなく、端部を切り離した構成若しくは高
抵抗材料を介在させた構成などにしてもよく、これらの
場合各電極の電位を独立に設定することが可能である。
例えば、Z方向の電極配列順に電極電位を増加或いは低
下させるように構成することも可能であり、この場合、
上記のような+Z方向と−Z方向の電界を混在させるこ
となく一方向に電界を向かせることが可能となるため、
遮光処理等を施す必要がなくなり有用である。
【0138】本発明の第七の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態の光偏向素子23は基本的
には前述の光偏向素子21に準ずるものであり、ホメオ
ロトピック配向をなすキラルスメクチックC相よりなる
液晶5を含む構成において電界発生用の電界印加手段と
しての電極対を素子内部に設けるものであるが、2組の
電極対24,25を設けるようにしたものである。電極
対24は櫛歯状電極24a,24bよりなるもので、こ
れらの櫛歯状電極24a,24bは基板2と液晶5との
界面(より具体的には、基板2と配向膜4との界面)に
おいて横電界(図においてはY軸方向)を発生させ得る
ように互いに入り込ませた配置で形成されている。一
方、電極対25は櫛歯状電極25a,25bよりなるも
ので、これらの櫛歯状電極25a,25bは液晶5と基
板3との界面において縦電界(図においてはZ軸方向)
を発生させ得るように互いに入り込ませた配置で形成さ
れている。即ち、電極対24,25による電界発生方向
は直交するように設定されている。何れの電極対24,
25に関しても各々電源(ここでは、図示せず)により
電圧が印加されるように構成されている。
【0139】このような構成において、動作的には光偏
向素子21の場合と同様であるが、2組の電極対24,
25を有するので、これらの電極対24,25による電
界印加タイミングを適宜制御することにより、上下左右
の4方向を基本とする多方向の光偏向が可能となる。
【0140】本発明の第八の実施の形態を図13に基づ
いて説明する。本実施の形態の光偏向素子31は、基本
的には光偏向素子1等に準ずる構成のものであり、液晶
としてキラルスメクチックC相よりなる液晶を用いてい
るが、ホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相
よりなる液晶32を用いる点で異なる(電極対6等につ
いては図示を省略している)。
【0141】ここに、ホメオトロピック配向における場
合と同様にY軸方向、即ち、紙面表裏方向に外部電界を
付与することで、ホモジニアス配向されたキラルスメク
チックC相よりなる液晶32ではその液晶ダイレクタ8
の方向がその電界印加方向によって、第1の配向状態又
は第2の配向状態をとるように制御される。この構成に
おいては、液晶配向のために配向膜4にラビング処理を
行い、ラビング方向に依存した向きに液晶ダイレクタ8
の方向が強く規制される。このため、電界方向とともに
基板2,3の向きが光偏向特性に強く寄与し、基板2,
3配置に対する位置精度を上げる必要がある反面、仮に
電界勾配が発生している場合、ホメオトロピック配向で
は光偏向が電界勾配に伴い面内位置で変化してしまいや
すいのに対して、この場所による差を低減させ得る効果
がある。
【0142】このような構成の光偏向素子31におい
て、入射光としてZ軸方向が偏光方向である直線偏光を
用い、液晶32の配向状態に依存して出射光がa方向
(第1の配向状態)或いはb方向(第2の配向状態)を
とることで、光路のシフトが可能となる。
【0143】本発明の第九の実施の形態を図14に基づ
いて説明する。本実施の形態の光偏向素子33は、基本
的にはホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相
よりなる液晶32を用いる光偏向素子31に準ずる構成
のものである。ここに、液晶32の両側にはこの液晶3
2を充填させて電界印加手段として機能する一対の透明
ベタ電極34a,34bによる電極対34が電界印加手
段として形成されている。この電極対34により、ホモ
ジニアス配向している液晶ダイレクタ8に直交する方
向、即ち、液晶ダイレクタ8の自発分極方向に電界が印
加される構成とされている。さらには、液晶面(従っ
て、基板面)が光の入射方向に対して傾きΦをなすよう
に基板2,3の対向面が傾斜状態に設定されている。
【0144】図14(a)中のA−A′断面図を示す図
14(b)のように、液晶ダイレクタ8は電極34a,
34bからの電界方向に対応して2方向に配向される
(第1の配向状態及び第2の配向状態)。
【0145】このような構成の光偏向素子33において
は、液晶32の配向を図14(b)に示す通り略直交す
る方向に規制することで、入射光を効率良く偏向させる
ことが可能となる。即ち、図14において入射光の直線
偏光方向がZ軸方向になるよう入射光を操作してこの光
偏向素子33に入射させたとき、液晶ダイレクタ8がY
軸方向を向く(第1の配向状態)ように電極対34によ
って電界を印加することで入射光は常光として振る舞
い、そのまま偏向することなく通過する。一方、電界印
加方向を反転させ液晶ダイレクタ8がそれと直交する方
向を向くようにしたとき、直線偏光は異常光として振る
舞い、前述した式1で示される偏向を受ける。
【0146】液晶32の配向を直交する方向に規制する
ために、両基板2,3の表面に形成される配向膜に対し
て液晶配向に対応する方向にラビング処理を行ってお
り、ラビング方向に依存した向きに液晶ダイレクタ8の
方向が強く規制される。
【0147】本実施の形態の光偏向素子33の構成の特
徴は、透明電極34a,34bがベタ膜でよいため形成
が容易であること、パタニングされていないため光の進
行に対してモアレパタン等の干渉が発生しにくいこと、
電極6a,6bのような外部電極による電界形成方法に
比較して高電圧電源が不要となり、さらに、小型化に有
利となる点等が挙げられる。
【0148】なお、本実施の形態では、液晶としてホモ
ジニアス配向されたキラルスメクチックC相よりなる液
晶32を用いたが、前述したホメオロトピック配向をな
すキラルスメクチックC相よりなる液晶5を用いる構成
の場合にも同様に適用できる。
【0149】本発明の第十の実施の形態を図15ないし
図17に基づいて説明する。本実施の形態の光偏向素子
34は、基本的にはホモジニアス配向されたキラルスメ
クチックC相よりなる液晶32を用いる光偏向素子3
1,33に準ずる構成のものであるが、液晶32に接す
る両界面は互いに或る所定角度ψ1(≠0)傾斜した関
係をなす。ホモジニアス配向している液晶32は、この
液晶両界面付近に形成された透明電極(図示せず)によ
り図14の場合と同様の配向制御がなされる。傾斜角ψ
1を保持した状態でギャップを所望の範囲に収めるため
に図15に示す通り傾斜部35を或る間隔で鋸歯状に形
成してもよい。形成方法としては、ガラス基板をエッチ
ングするか透明プラスチック材料を射出成形等により加
工してもよい。何れの形成法においても、鋸歯のエッジ
35eに相当する個所は液晶配向の乱れが生じやすいの
で、この部分を光が通過しないように入射光を操作する
のが望ましい。
【0150】このような構成の光偏向素子34の特徴
は、入射光に対する出射光が液晶ダイレクタ8の制御に
よって、回転移動可能な点である。従って、当該光偏向
素子34と受光部との距離を適切に選ぶことで所望の偏
向量を得ることができる。
【0151】また、例えば図16に示すようにこのよう
な2つの光偏向素子34A,34Bを光進行方向上に配
設させて光偏向デバイス36を構成し、液晶32から液
晶32までの距離を適切に選ぶことで入射光と出射光を
平行に保ったまま必要な偏向量を得ることができる。こ
れによって、偏向量を外部から簡単に調整することがで
き、利便性に優れた光偏向デバイス36を構成すること
ができる。また、光偏向量が一定であれば、図17に示
すように厚さLの中間基板37を介して1つの光偏向素
子38内に2層の液晶32a,32bを設けてもよい。
【0152】図17に示すような光偏向素子38の構成
における光の進行方向を求める場合、厳密には前述の通
り、入射光進行方向に対する液晶ダイレクタ8の方向及
び屈折率no,neの両者から屈折率楕円体を基に各方
向における屈折率が求められ、それを基に光の進行方向
が求められるが、ここでは簡単に液晶32の配向状態に
よって屈折率noと屈折率neとが切り替わるものとし
て、スネルの法則に従って光の進行方向、即ち、回転角
を求める。
【0153】今、液晶32の長軸方向の屈折率をne=
1.8、短軸方向の屈折率をno=1.6とし、光進行
方向に対して液晶32の手前側界面35の法線方向が光
進行方向となす角ψが3°、後方側界面40の法線が入
射光方向となす角が0°となるよう基板2を配置する。
また、液晶32と接する光学部材は屈折率noのものを
選ぶ。スネルの法則によって手前側液晶界面39での界
面法線方向からの回転角ψ2は sinψ2=(no/ne)sinψ1 より、 ψ2=2.67(°) また、液晶32を挟んだ対向基板2,3に入射する光線
の対向基板の法線方向からの回転角ψ3は ψ=ψ−ψ =0.33 対向基板2,3に入射した光線の基板37内での回転角
ψ4は sinψ4=(ne/no)sinψ3 より、 ψ4=0.37(°) となる。今、中間基板37の厚みをLとすると、シフト
量5μmを得るために必要な厚みLは L・tanψ=5.0(μm)より、 L=0.763(mm) である。
【0154】本発明の第十一の実施の形態を図18に基
づいて説明する。本実施の形態は、画像表示装置41へ
の適用例を示す。図18において、42はLEDランプ
を2次元アレイ状に配列した光源であり、この光源42
からスクリーン43に向けて発せられる光の進行方向に
は拡散板44、コンデンサレンズ45、画像表示素子と
しての透過型液晶パネル46、画像パターンを観察する
ための光学部材としての投射レンズ47が順に配設され
ている。48は光源42に対する光源ドライブ部、49
は透過型液晶パネル46に対するドライブ部である。
【0155】ここに、透過型液晶パネル46と投射レン
ズ47との間の光路上にはピクセルシフト素子として機
能する光偏向手段50が介在されており、ドライブ部5
1に接続されている。このような光偏向手段50とし
て、前述したような光偏向素子1,21,23,31,
32,33,34或いは光偏向デバイス10,14,1
6,36,38等が用いられている。
【0156】光源ドライブ部48で制御されて光源42
から放出された照明光は、拡散板44により均一化され
た照明光となり、コンデンサレンズ45により液晶ドラ
イブ部49で照明光源と同期して制御されて透過型液晶
パネル46をクリティカル照明する。この透過型液晶パ
ネル46で空間光変調された照明光は、画像光として光
偏向手段50に入射し、この光偏向手段50によって画
像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。
この光は投射レンズ47で拡大されスクリーン43上に
投射される。
【0157】ここに、光偏向手段50により画像フィー
ルドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光路
の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パター
ンを表示させることで、透過型液晶パネル46の見掛け
上の画素数を増倍して表示する。このように光偏向手段
50によるシフト量は透過型液晶パネル46の画素の配
列方向に対して2倍の画像増倍を行うことから、画素ピ
ッチの1/2に設定される。シフト量に応じて透過型液
晶パネル46を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正
することで、見掛け上高精細な画像を表示することがで
きる。この際、光偏向手段50として、前述した各実施
の形態のような光偏向素子或いは光偏向デバイスを用い
ているので、光の利用効率を向上させ、光源の負荷を増
加することなく観察者により明るく高品質の画像を提供
できる。特に、図10に示したような光偏向素子1を用
い、光偏向位置制御を、当該光偏向素子1における電極
対6による電界印加方向及び当該光偏向素子1に対する
温度制御により行うことで、適切なピクセルシフト量が
保持され良好な画像を得ることができる。
【0158】ちなみに、従来の画像表示装置に組み込ま
れるピクセルシフト素子用の光偏向手段の例(特開平6
−324320号公報提案例)を示す。この光偏向手段
としての光学素子は水平垂直方向に各2位置、合計4位
置の光シフトを行うための素子であり(2次元の4点絵
素ずらし)、強誘電液晶等よりなる結晶位相変調素子と
電気光学素子等よりなる複屈折媒体との組合せが水平・
垂直方向用に各2組で構成される。従来のこの光学素子
を用いた画像表示装置では、この光学素子が 結晶位相変調素子と複屈折媒体との組合せで光偏向
を達成しているため、この界面での光損失がある 同様に、界面での光散乱によりコントラストが低下
しやすい 複屈折媒体用の電気光学素子が高価であるためコス
トが高い などの問題のため、必ずしも得られる画像品質が良好な
ものではなく、装置コストも大幅に増加する傾向にあっ
た。
【0159】この点、本実施の形態の光偏向手段50の
ような構成の場合、各実施の形態で前述した通り、これ
らの要因を排除できるため、画像品質が良好であり、コ
スト的にも有利となる。
【0160】なお、画像表示装置41としては画像表示
素子に透過型液晶パネル46を用いるタイプに限らず、
例えば、図19に示すように反射型液晶パネル52を用
いるタイプにも同様に適用できる。この場合、図16に
示した画像表示装置41に比較して偏光ビームスプリッ
タ(PBS)53が付加され、照明系からの光はPBS
53により反射型液晶パネル52側に折り返され、光偏
向手段50を介して反射型液晶パネル52に照射され
る。この反射型液晶パネル52に入射した照明光は、反
射型液晶パネルによって反射されながら画像に対応した
空間変調を受け画像光として出射する。その後、光偏向
手段50に入射し、この光偏向手段50によって画像光
が画素の配列方向に所定距離だけシフトされる。その後
の経路は図18に示した画像表示装置の場合と同様であ
る。
【0161】本発明の第十二の実施の形態を図20に基
づいて説明する。本実施の形態は、画像表示装置41に
おいて、図10に示したように加熱源となる電気抵抗材
料17を含む光偏向素子1による光偏向手段50に対し
て光路を妨げない位置に温度センサ54を付加した構成
としたものである。温度センサ54にはサーミスタが用
いられているが、熱電対等であっても、温度モニタでき
るものであれば使用可能である。この温度センサ54か
らの温度情報は光偏向手段50に対するドライブ部51
に送られ、設定温度との差を検知する。この差に応じて
光偏向素子1内に設けられたITOよりなる電気抵抗材
料17に通電され、電流印加によるジュール熱の発生に
よって設定温度との差を低減させるように構成したもの
である。
【0162】設定温度は、光偏向素子1(光偏向手段5
0)周囲の環境温度以上で、かつ、適切なチルト角θが
得られる範囲が望ましい。通常は、40〜70℃程度の
範囲に設定するのがよい。
【0163】光偏向位置制御を、光偏向素子1における
電極対6による電界印加方向及び光偏向素子1に対する
温度制御により行うことで、適切なピクセルシフト量が
保持され良好な画像を得ることができる。
【0164】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光偏向方法によれ
ば、キラルスメクチックC相よりなる液晶を利用するよ
うにしたので、従来の光偏向素子における問題点、即
ち、構成が複雑であることに伴う高コスト、装置大型
化、光量損失、光学ノイズを改善することができる。
【0165】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加え、偏向方向を切替えることが可能
となリ、光学装置に広く応用することが可能となる。ま
た、偏向方向切替えのための可動部を有しないため、従
来の特に可動部を有する光偏向素子等における問題点で
あった位置精度の低さや耐久性不良、振動や音の問題も
回避することができる。さらに、従来、光偏向素子に用
いられていたスメクチックA液晶やネマチック液晶など
における応答性の鈍さも改善でき、高速応答が可能とな
る。加えて、液晶ダイレクタを基板に対してホメオトロ
ピック配向させることにより、低い電界で安定したシフ
ト量、回転角を得ることができ、液晶ダイレクタの動作
が基板からの規制力を受けにくく、外部電界方向の調整
で光偏向方向の調整が行いやすく光学素子のセッティン
グ余裕度が増し、また、電界方向に対して液晶ダイレク
タの配向のとりやすさが均一であるため、偏向方向に対
する光強度ムラを発生しにくくすることもできる。
【0166】請求項3記載の発明の光偏向素子によれ
ば、極めて簡単な構成でありながら、請求項1,2の光
偏向方法を具現化でき、上記効果を達成することが可能
となる。
【0167】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の光偏向素子において、基板面法線方向及び光偏向方
向と略直交する方向に電界を印加するため、電界印加方
向を切替えた時の液晶のチルト方向を基板面法線方向か
ら対称な方向に設定できるため、所定の光偏向方向に対
して高い位置精度で光偏向を行うことを可能とし、さら
に受光部までの光路長が偏向方向によらず一定であるた
め、受光部における像ボケが発生しない。
【0168】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の光偏向素子において、電極対を光路を挟む位置に設
置することで、従来の光偏向素子に比較して光量損失を
低減させることができる。
【0169】請求項6記載の発明の光偏向デバイスによ
れば、光偏向素子の光学軸と入射光の光偏向方向を一致
させているため、光学ノイズ、光量損失を極めて小さく
抑えることができる。
【0170】請求項7記載の発明の光偏向デバイスによ
れば、光偏向素子の液晶分子の配向が所定方向に揃えら
れているため、光学ノイズ、光量損失を極めて小さく抑
えることができる。
【0171】請求項8記載の発明の光偏向デバイスによ
れば、2つの光偏向素子と偏光方向切換手段とを組合せ
ているので、4方向に光をシフトさせることができる。
【0172】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の光偏向デバイスにおいて、請求項6記載の2組の光
偏向素子と1/2波長板とを組合せているので、例えば
上下左右の如く4方向に光をシフトさせることができ、
特に、1/2波長板として雲母、水晶を用いた場合は、
これらの材料が温度による特性変動が比較的少なく安定
しているため、温度変化の大きい環境での使用時に特に
有用である。
【0173】請求項10記載の発明の光偏向デバイスに
よれば、電界発生方向を直交させた2組の電極対を有す
る請求項4又は5記載の光偏向素子を用いているので、
例えば上下左右の如く4方向に光をシフトさせることが
でき、特に、1個の光偏向素子を利用すればよいので、
請求項8,9記載の発明の場合に比べて小型、低コスト
化、光損失の低減を図ることができる。
【0174】請求項11記載の発明によれば、請求項3
記載の光偏向素子において、光偏向素子の構成要素であ
る電界印加手段に関して、この電界印加手段より発せら
れる電圧値を低減させることができ、電源の小型化、低
コスト化を図ることができる。
【0175】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の光偏向素子において、光偏向素子の構成要素で
ある電界印加手段に関して、この電界印加手段より発せ
られる電界がより効率的に液晶に作用するため、電圧を
低減させることができ、電源の小型化,低コスト化を図
ることができる。
【0176】請求項13記載の発明によれば、請求項3
記載の光偏向素子において、1つの素子で効率的に光の
光路を3方向以上に切換えることができる。
【0177】請求項14記載の発明の光偏向デバイスに
よれば、或る方向の電界印加により光偏向を受け出射す
る第1の光路における成分(光量)と、光偏向を受けな
いか若しくは上記とは異なる方向の電界印加により異な
る方向に光偏向を受け出射する第2の光路における成分
(光量)との混在を大幅に低減でき、光学ノイズの少な
い良好な光シフトを達成することができる。
【0178】請求項15記載の発明の光偏向デバイスに
よれば、或る方向の電界印加により光偏向を受け出射す
る第1の光路における成分(光量)と、光偏向を受けな
いか若しくは上記とは異なる方向の電界印加により異な
る方向に光偏向を受け出射する第2の光路における成分
(光量)とを任意の割合で設定することで、偏向光量を
自在に制御することができる。
【0179】請求項16記載の発明の光偏向素子によれ
ば、キラルスメクチックC相よりなる液晶を利用してい
るので、請求項1、2記載の発明の作用・効果が得られ
る上に、特にホモジニアス配向されたキラルスメクチッ
クC相なる液晶を利用しているので、当該素子内におけ
る光偏向量の場所によるムラを極めて小さくすることが
でき、光学ノイズの一層の低減を図ることができる。
【0180】請求項17記載の発明によれば、請求項1
6記載の光偏向素子において、光偏向素子の構成要素で
ある電界印加手段に関して、電極対を光路を挟む位置に
設置することで、従来の光偏向素子に比較して光量損失
を低減させることができる。
【0181】請求項18記載の発明によれば、請求項1
6記載の光偏向素子において、光偏向素子の構成要素で
ある電界印加手段に関して、この電界印加手段より発せ
られる電界がより効率的に液晶に作用するため、電圧を
低減させることができ、電源の小型化,低コスト化を図
ることができる。
【0182】請求項19記載の発明の光偏向デバイスに
よれば、キラルスメクチックC相よりなる液晶を利用し
ているので、請求項1記載の発明の効果が得られる上
に、ホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相な
る液晶を利用しているので、請求項16記載の発明と同
じく、当該素子内における光偏向量の場所によるムラを
極めて小さくすることができ、光学ノイズの一層の低減
を図ることができ、さらには、ここで用いる電界印加手
段としては、ITO等の透明電極が好ましく、いわゆる
ベタ膜でも差し支えないため、電極形成が容易であり、
電極がパタニングされていないため光の進行に対してモ
アレ等干渉が発生しにくくなり、外部電極による電界形
成方法に比較して、高電圧電源が不要となり、さらに小
型化に有利となる。
【0183】請求項20記載の発明の光偏向素子によれ
ば、キラルスメクチックC相よりなる液晶を利用してい
るので、請求項1,2記載の発明の効果が得られる上
に、入射光に対して出射光が所定角度を持って回転し光
路を切換えることが可能な素子において、その応答性の
鈍さを改善することができる。
【0184】請求項21記載の発明によれば、請求項2
0記載の光偏向素子において、所定の光偏向方向に対応
して的確に液晶分子の配向状態を切換えることができ、
効率的な光偏向を可能にすることができる。
【0185】請求項22記載の発明の光偏向デバイスに
よれば、光進行方向上に所定距離を隔てて請求項20記
載の光偏向素子を2組備えるので、応答速度を犠牲にせ
ず、光偏向素子と受光部との距離を適切に選ぶことで任
意の偏向量を得ることができる。
【0186】請求項23記載の発明によれば、請求項
4,5,16,17,18,20又は21記載の光偏向
素子において、温度によりチルト角を制御することがで
き、これによって光偏向量を制御でき、また、位置制御
に関しては電界による微調との組合せにより適切な光偏
向を達成することができる。
【0187】請求項24記載の発明によれば、請求項
6,7又は19記載の光偏向デバイスにおいて、温度に
よりチルト角を制御することができ、これによって光偏
向量を制御でき、また、位置制御に関しては電界による
微調との組合せにより適切な光偏向を達成することがで
きる。
【0188】請求項25記載の発明の画像表示装置によ
れば、光偏向手段によりサブフィールド毎の光路の偏向
に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表
示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増
倍して表示させる上で、ピクセルシフト素子なる光偏向
手段として請求項3,4,5,11,12,13,1
6,17,18,20,21又は23記載の光偏向素子
又は請求項6,7,8,9,10,14,19,22又
は24記載の光偏向デバイスを用いているので、光の利
用効率を向上させ、光源の負荷を増加することなく観察
者により明るく高品質の画像を提供することができ、特
に、請求項23記載の光偏向素子又は請求項24記載の
光偏向デバイスを用い、光偏向位置制御を、当該光偏向
素子における電極対による電界印加方向及び当該光偏向
素子に対する温度制御により行うことで、適切なピクセ
ルシフト量が保持され良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光偏向素子の原理
的構成例を示す断面図である。
【図2】その液晶分子の電界強度による分布をモデル化
して示す概略図である。
【図3】その液晶配向を模式的に示す光偏向素子の動作
原理を説明するための斜視図である。
【図4】液晶ダイレクタと光偏向との関係を示し、
(a)は断面構造図、(b)は液晶ダイレクタの配向状
態の説明図である。
【図5】液晶膜厚と液晶配向角に対する光軸シフト量と
の関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態の光偏向デバイスを
光偏向素子の模式的な液晶配向を併せて示す概略斜視図
である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の光偏向デバイスを
光偏向素子の模式的な液晶配向を併せて示す概略斜視図
である。
【図8】 本発明の第三の実施の形態の光偏向デバイス
を光偏向素子の模式的な液晶配向を併せて示す概略斜視
図である。
【図9】本発明の第四の実施の形態の光偏向デバイスを
光偏向素子の模式的な液晶配向を併せて示す概略斜視図
である。
【図10】本発明の第五の実施の形態の光偏向素子の原
理的構成例を示す断面図である。
【図11】本発明の第六の実施の形態の光偏向素子の原
理的構成例を示し、(a)はXZ面による断面図、
(b)はYZ面による断面図である。
【図12】本発明の第七実施の形態の光偏向素子の原理
的構成例を示し、(a)はXZ面による断面図、(b)
はYZ面による断面図である。
【図13】本発明の第八の実施の形態の光偏向素子の原
理的構成例を示す断面図である。
【図14】本発明の第九の実施の形態の光偏向素子の原
理的構成例を示し、(a)はXZ面による断面図、
(b)は(a)におけるA´−A線断面図である。
【図15】本発明の第十の実施の形態の光偏向素子の部
分拡大図を併せて示す原理的構成例の断面図である。
【図16】その光偏向素子を用いた光偏向デバイスの構
成例を示す断面図である。
【図17】その変形例を示す断面図である。
【図18】本発明の第十一の実施の形態の画像表示装置
の構成例を示す概略側面図である。
【図19】その変形例を示す概略側面図である。
【図20】本発明の第十二の実施の形態の画像表示装置
の構成例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 光偏向素子 2,3 基板 5 ホメオトロピック配向をなすキラルスメクチッ
クC相よりなる液晶 6 電極対、電界印加手段 9,9′ 偏光方向切換手段 10 光偏向デバイス 11 電極対、電界印加手段 13 偏光方向制御手段 14 光偏光デバイス 15 偏光方向制御手段 16 光偏向デバイス 21 光偏向素子 22 電極対、電界印加手段 22a,22b 櫛歯状電極 23 光偏向素子 24 櫛歯状電極対 25 櫛歯状電極対、電界印加手段 31 光偏向素子 32 ホモジニアス配向されたキラルスメクチック
C相よりなる液晶 33 光偏向素子 34 電極対、電界印加手段 36 光偏向デバイス 38 光偏向素子 42 光源 46 画像表示素子 47 光学部材 50 光偏向手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 幾雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉本 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝口 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 EA12 EA45 GA04 HA10 JA17 MA10 2H091 FA29X FA41Z HA12 LA17 MA07 2K002 AA07 AB04 BA06 CA14 DA14 EB07 EB09 HA04

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板間に充填されたホメオトロピッ
    ク配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶に、
    直線偏光の光を入射させ、前記基板面法線方向及び前記
    直線偏光方向と略直交する方向に電界を発生させること
    により前記入射光を前記偏光方向に偏向させて出射させ
    る光偏向方法。
  2. 【請求項2】 前記電界の向きを切換えることにより、
    前記偏向方向を切換える請求項1記載の光偏向方法。
  3. 【請求項3】 電界変化に応じて入射光に対する出射光
    路が変化する光偏向素子であって、透明な一対の基板
    と、該基板間に充填されたホメオトロピック配向をなす
    キラルスメクチックC相よりなる液晶と、該液晶に電界
    を作用させる1組以上の電界印加手段と、を備える光偏
    向素子。
  4. 【請求項4】 前記電界印加手段は、前記基板面法線方
    向及び光偏向方向と略直交する方向に電界を発生させる
    電極対である請求項3記載の光偏向素子。
  5. 【請求項5】 前記電極対は、前記光偏向素子を通る光
    路を挟む位置に設置した請求項4記載の光偏向素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶の分子長軸方向を平均化した方
    向として定まる光学軸の方向を、前記電界印加手段によ
    る電界の印加により所定の方向に向けた状態で、一方の
    基板面から他方の基板面に向かって前記光学軸を投影し
    た場合に前記他方の基板面上に投影された前記光学軸の
    方向が、入射光の偏光方向と同一方向になるように請求
    項3,4又は5記載の光偏向素子を設置した光偏向デバ
    イス。
  7. 【請求項7】 前記液晶の自発分極及び電界により定ま
    る液晶分子の配向を前記電界印加手段による電界の印加
    により所定の方向に揃えた状態で、一方の基板面から他
    方の基板面に向かって前記液晶分子を投影した場合に前
    記他方の基板面上に投影された前記液晶分子における長
    軸方向が、入射光の偏光方向と同一方向になるように請
    求項3,4又は5記載の光偏向素子を設置した光偏向デ
    バイス。
  8. 【請求項8】 偏向方向の異なる請求項3,4又は5記
    載の2つの光偏向素子を直列に配列し、該光偏向素子間
    に、前段の光偏向素子からの出射光の偏光方向を後段の
    光偏向素子の偏向方向に揃える偏光方向切換手段を設置
    した光偏向デバイス。
  9. 【請求項9】 前段の前記光偏向素子と後段の前記光偏
    向素子の電界発生方向が直交するように前段の前記光偏
    向素子と後段の前記光偏向素子を配列し、前記偏光方向
    切換手段として1/2波長板を設置した請求項8記載の
    光偏向デバイス。
  10. 【請求項10】 電界発生方向を直交させた2組の電極
    対を有する請求項4又は5記載の光偏向素子と、該光偏
    向素子に対する入射光の偏光方向を制御する偏光方向制
    御手段と、を備える光偏向デバイス。
  11. 【請求項11】 前記電界印加手段は、前記基板間に設
    けられた1組の電極対である請求項3記載の光偏向素
    子。
  12. 【請求項12】 前記電極対は、交互に入り込むように
    配設された櫛歯状電極対である請求項11記載の光偏向
    素子。
  13. 【請求項13】 前記電界印加手段は、前記液晶と一対
    の前記基板との各々の界面付近に形成されて各々の電界
    発生方向を異ならせた2組の櫛歯状電極対である請求項
    3記載の光偏向素子。
  14. 【請求項14】 請求項3,4,5,11,12又は1
    3記載の光偏向素子と、この光偏向素子の光入射側に配
    設されて前記光偏向素子による光偏向方向と入射光の偏
    光方向とが一致するように前記入射光の偏光方向を制御
    する偏光方向制御手段と、を備える光偏向デバイス。
  15. 【請求項15】 請求項3,4,5,11,12又は1
    3記載の光偏向素子と、この光偏向素子の光入射側に配
    設されて前記光偏向素子による光偏向方向に対して入射
    光の偏光方向が所定の角度を持つように前記入射光の偏
    光方向を制御する偏光方向制御手段と、を備える光偏向
    デバイス。
  16. 【請求項16】 電界変化に応じて入射光に対する出射
    光路が変化する光偏向素子であって、透明な一対の基板
    と、該基板間に充填されたホモジニアス配向されたキラ
    ルスメクチックC相よりなる液晶と、前記基板面法線方
    向及び光偏向方向と略直交する方向に電界を発生させる
    電極対による電界印加手段と、を備える光偏向素子。
  17. 【請求項17】 前記電極対は、前記光偏向素子を通る
    光路を挟む位置に設置した請求項16記載の光偏向素
    子。
  18. 【請求項18】 前記電界印加手段は、前記基板間に設
    けられた1組の電極対である請求項16記載の光偏向素
    子。
  19. 【請求項19】 電界変化に応じて入射光に対する出射
    光路が変化する光偏向素子であって、透明な一対の基板
    と、該基板間に充填されたホモジニアス配向されたキラ
    ルスメクチックC相よりなる液晶と、一対の前記基板と
    前記液晶との間に形成された電極対による電界印加手段
    とを備えた光偏向素子を、光の入射方向が前記基板面法
    線方向と異なるように設置した光偏向デバイス。
  20. 【請求項20】 電界変化に応じて入射光に対する出射
    光路が変化する光偏向素子であって、透明な一対の基板
    と、該基板間に充填されたキラルスメクチックC相より
    なる液晶と、1組以上の電界印加手段と、を備え、一対
    の前記基板は、光偏向方向に対応して一方の基板面が他
    方の基板面に対して傾斜して対向する光偏向素子。
  21. 【請求項21】 前記電界印加手段は、一対の前記基板
    と前記液晶との間に形成された電極対である請求項20
    記載の光偏向素子。
  22. 【請求項22】 光進行方向上に所定距離を隔てて請求
    項20又は21記載の光偏向素子を2組備える光偏向デ
    バイス。
  23. 【請求項23】 前記電極対による電界発生方向及び当
    該素子に対する温度制御により光偏向位置を制御する光
    偏向位置制御手段を備える請求項4,5,16,17,
    18,20又は21記載の光偏向素子。
  24. 【請求項24】 前記電極対による電界発生方向及び当
    該素子に対する温度制御により光偏向位置を制御する光
    偏向位置制御手段を備える請求項6,7又は19記載の
    光偏向デバイス。
  25. 【請求項25】 少なくとも、画像情報に従って光を制
    御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子
    と、この画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示
    素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材
    と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィ
    ールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路
    を偏向する請求項3,4,5,11,12,13,1
    6,17,18,20,21又は23記載の光偏向素子
    又は請求項6,7,8,9,10,14,19,22又
    は24記載の光偏向デバイスによる光偏向手段と、を備
    える画像表示装置。
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