JP4743574B2 - 光偏向素子の製造方法および光偏向装置および画像表示装置 - Google Patents

光偏向素子の製造方法および光偏向装置および画像表示装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光偏向素子の製造方法および光偏向装置および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気信号によって光の方向を変える光偏向素子なる光学素子として、KH2PO4(KDP),NH42PO4(ADP),LiNbO3,LiTaO3,GaAs,CdTeなどの第1次電気光学効果(ポッケルス効果)の大きな材料や、KTN,SrTiO3,CS2,ニトロベンゼン等の第2次電気光学効果の大きな材料を用いた電気光学デバイスや、ガラス,シリカ,TeO2などの材料を用いた音響光学デバイスが知られている(例えば、文献「青木昌治編;「オプトエレクトロニックデバイス」、昭晃堂」)。これらは、一般的に、十分大きな光偏向量を得るためには光路長を長く取る必要があり、また、材料が高価であるために用途が制限されている。
【0003】
一方、液晶材料を用いた光偏向素子なる光学素子も各種提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−18940号には、光空間スイッチの光の損失を低減することを目的に、人工複屈折板からなる光ビームシフタが提案されている。すなわち、特開平6−18940号には、2枚のくさび形の透明基板を互いに逆向きに配置し、2枚の透明基板間に液晶層を挟んだ光ビームシフタ、及び、マトリクス形偏向制御素子の後面に前記光ビームシフタを接続した光ビームシフタが提案され、併せて、2枚のくさび形の透明基板を互いに逆向きに配置し、2枚の透明基板間にマトリクス駆動が可能で、入射光ビームを半セルシフトする液晶層を挟んだ光ビームシフタを半セルずらして多段接続した光ビームシフタが提案されている。
【0005】
また、特開平9−133904号には、大きな偏向を得ることが可能で、偏向効率が高く、しかも、偏向角と偏向距離とを任意に設定することができる光偏向スイッチが提案されている。この光偏向スイッチは、具体的には、2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置させ、対向させた面に垂直配向処理を施し、2枚の透明基板間にスメクチックA相の強誘電性液晶を封入し、透明基板に対して垂直配向させ、スメクチック層と平行に交流電界を印加できるように電極対を配置し、電極対に交流電界を印加する駆動装置を備えた液晶素子となっている。すなわち、この光偏向スイッチは、スメクチックA相の強誘電性液晶による電傾効果を用い、液晶分子の傾斜による複屈折によって、液晶層に入射する偏光の屈折角と変位する方向を変化できるようにしたものである。
【0006】
しかしながら、上述の特開平6−18940号においては、液晶材料にネマチック液晶を用いているため、応答速度をサブミリ秒にまで速めることは困難であり、高速なスイッチングが必要な用途には用いることはできない。また、特開平9−133904号においては、スメクチックA相の強誘電液晶を用いているが、スメクチックA相は自発分極を持たないため、高速動作は望めない。
【0007】
次に、ピクセルシフト素子に関しても、従来、数例が提案されている。例えば、特許第2939826号には、表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において、表示素子からスクリーンに至る光路の途中に透過光の偏光方向を旋回できる光学素子を少なくとも1個以上と複屈折効果を有する透明素子を少なくとも1個以上を有してなる投影画像シフト手段(ピクセルシフト手段)と、表示素子の開口率を実効的に低減させ、表示素子の各画素の投影領域が前記スクリーン上で離散的に投影される手段とを備えた投影表示装置が示されている。
【0008】
特許第2939826号の投影表示装置においては、偏光方向を旋回できる光学素子(旋光素子と呼ぶ)を少なくとも1個以上と複屈折効果を有する透明素子(複屈折素子と呼ぶ)を少なくとも1個以上を有してなる投影画像シフト手段(ピクセルシフト手段)によりピクセルシフトを行っているが、旋光素子と複屈折素子とを組合せて使用するために光量損失が大きいこと、また、光の波長によりピクセルシフト量が変動し解像度が低下しやすいこと、また、旋光素子と複屈折素子との光学特性のミスマッチから本来画像が形成されないピクセルシフト外の位置に漏れ光によるゴースト等の光学ノイズが発生しやすいこと、また、素子化のためのコストが大きいことなどの問題がある。特に、複屈折素子に前述したようなKH2PO4(KDP),NH42PO4(ADP),LiNbO3,LiTaO3,GaAs,CdTeなど第1次電気光学効果(ポッケルス効果)の大きな材料を使用した場合、顕著である。
【0009】
また、特開平5−313116号に示される投影機においては、制御回路により、画像蓄積回路に蓄積した本来表示すべき画像を市松状に画素選択回路へサンプリングして順次空間光変調器に表示し、投影させ、さらに、制御回路により、この表示に対応させてパネル揺動機構を制御して空間光変調器の隣接画素ピッチ距離を整数分の一ずつ移動させることで、本来表示すべき画像を時間的な合成により再現するようにしている。これにより、空間光変調器の画素の整数倍の分解能で画像を表示可能にするとともに、画素の粗い空間光変調器と簡単な光学系を用いて安価に投影機を構成可能としている。
【0010】
ところが、特開平5−313116号においては、画像表示用素子自体を画素ピッチよりも小さい距離だけ高速に揺動させるピクセルシフト方式が記載されており、この方式では、光学系は固定されているので諸収差の発生が少ないが、画像表示素子自体を正確かつ高速に平行移動させる必要があるため、可動部の精度や耐久性が要求され、振動や音が問題となる。
【0011】
さらに、特開平6−324320号には、LCD等の画像表示装置の画素数を増加させることなく、表示画像の解像度を見掛け上、向上させるため、縦方向及び横方向に配列された複数個の画素の各々が、表示画素パターンに応じて発光することにより、画像が表示される画像表示装置と観測者又はスクリーンとの間に、光路をフィールド毎に変更する光学部材を配し、また、フィールド毎に、前記光路の変更に応じて表示位置がずれている状態の表示画素パターンを画像表示装置に表示させるようにしている。ここで、前記光路の変更は、屈折率が異なる部位が、画像情報のフィールド毎に、交互に、画像表示装置と観測者又はスクリーンとの間の光路中に現れるようにすることで行われる。
【0012】
特開平6−324320号においては、光路を変更する手段として、電気光学素子と複屈折材料の組合わせ機構、レンズシフト機構、バリアングルプリズム、回転ミラー、回転ガラス等が記述されており、上記旋光素子と複屈折素子を組合せてなる方式の他に、ボイスコイル、圧電素子等によりレンズ、反射板、複屈折板等の光学素子を変位(平行移動、傾斜)させ光路を切り替える方式が提案されているが、この方式においては、光学素子を駆動するために構成が複雑となりコストが高くなる。
【0013】
また、特開平10−133135号には、回転機械要素を不要化でき、全体の小型化、高精度・高分解能化を実現でき、しかも外部からの振動の影響を受け難い光ビーム偏向装置が提案されている。具体的に、この光ビーム偏向装置は、光ビームの進行路上に配置される透光性の圧電素子と、この圧電素子の表面に設けられた透明の電極と、圧電素子の光ビーム入射面Aと光ビーム出射面Bとの間の光路長を変化させて光ビームの光軸を偏向させるために電極を介して圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを備えている。
【0014】
特開平10−133135号では、透光性の圧電素子を透明の電極で挟み、電圧を印加することで厚みを変化させて光路をシフトさせる方式が提案されているが、比較的大きな透明圧電素子を必要とし、装置コストがアップする等、前述の特開平6−324320号の場合と同様の問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成が複雑であることに伴う高コストや装置大型化などの従来の問題点を解決するため、本願の発明者は、比較的簡単な構成で高速なピクセルシフトが可能な光偏向素子の検討を行った。この結果、本願の発明者は、一対の基板間に液晶分子を略垂直配向させ、液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させることで液晶分子の方向を所望の方向に変化させてピクセルシフトを行う構成の光偏向素子を案出した。
【0016】
この光偏向素子では、一対の電極間に数百Hz程度の交流電圧(例えば矩形波電圧)を作用させることで、入射光の光路を数百Hzの切換えタイミングで2方向に切換えて出射させることができる。ピクセルシフトは人間の目の残像現象を利用しているため、切換えタイミングは30Hz以上であれば良いが、フリッカーを確実に防止するためには、百〜数百Hzに設定することが好ましい。
【0017】
ところで、このような光偏向素子において、ピクセルシフトに最重要である液晶分子の方向(配向)制御に関して検討を行ったところ、製造時に素子内に液晶を注入する際に、基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱して注入を行い、徐冷によりキラルスメクチックC相を形成させても、部分的に素子の液晶部が白濁する場合がある。また、白濁部が無く作製できた素子であっても、継続的なピクセルシフト駆動にともない液晶部に白濁が発生することがある。白濁が発生した部分で液晶分子の配向状態を調べるためにコノスコープ観察を行ったところ、垂直配向状態で観察されるアイソジャアと呼ばれる暗十字線状のコノスコープ像は非常に不鮮明であり、また、白濁の強い部分ではアイゾジャアは全く観察されなかった。これは垂直配向状態が乱れている証拠であり、白濁した部分は液晶分子のダイレクタが揃っていないためピクセルシフトの機能は得られない。
【0018】
本発明は、このような光偏向素子において、液晶部の垂直配向の欠陥である白濁を発生させないために、あるいは、発生した欠陥を初期の略垂直配向状態に戻すことを意図している。
【0019】
すなわち、本発明は、簡単な構成で高速なピクセルシフトが可能な光偏向素子を作製するときに、欠陥のない垂直配向状態の光偏向素子を作製することの可能な光偏向素子の製造方法を提供することを目的としている。
【0020】
また、本発明は、経時変化などで垂直配向状態が乱れて光偏向素子に劣化が生じた場合でも、初期の垂直配向状態に戻すことの可能な光偏向装置を提供することを目的としている。
【0021】
また、本発明は、高精細な信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子の製造方法において、素子内に液晶を注入する際に、一対の基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱し、注入した液晶が等方相の温度からキラルスメクチックC相を形成する温度以下に冷却される期間中、光偏向素子の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を前記一対の電極間に印加して、液晶層内の液晶分子を基板に対して略垂直配向状態に揃えることを特徴としている。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子と、前記光偏向素子の一対の電極間に光偏向動作を行う周波数の交流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、液晶分子を基板に対して略垂直配向させるために、前記光偏向素子の一対の電極間に第1の電圧印加手段の周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有していることを特徴としている。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の光偏向装置において、光偏向素子の温度を制御する温度制御手段をさらに有し、前記第2の電圧印加手段と前記温度制御手段とを同期させて動作させるように構成されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材との間の光路を偏向する光偏向装置とを有し、光偏向装置によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置であって、前記光偏向装置には、請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられることを特徴としている。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像表示装置において、前記光偏向装置に請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられるときに、該光偏向装置の前記第2の電圧印加手段によって所定のタイミングで交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されていることを特徴としている。
【0027】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像表示装置において、所定のタイミングで前記光偏向装置の光偏向素子の液晶層の垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段が設けられており、該配向状態検出手段の検出結果に応じて前記第2の電圧印加手段によって交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されていることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
なお、本発明において、「光偏向素子」とは、外部からの電気信号により光の光路を偏向、即ち、入射光に対して出射光を平行にシフトさせるか、或る角度を持って回転させるか、或いは、その両者を組合せて光路を切換えることが可能な光学素子を意味する。
【0030】
また、「ピクセルシフト素子」とは、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材の間の光路を偏向する光偏向手段とを有し、光偏向手段によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置における光偏向手段を意味する。
【0031】
図1(a),(b),(c)は光偏向素子の一例を示す図である。なお、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は側面図である。図1を参照すると、この光偏向素子1は、図1(c)に示すように、一対の透明な基板2,3が対向して配置されており、一対の基板2,3のうちの少なくとも一方の基板(図1(c)の例では、基板2)の内面には配向膜4が形成されている。そして、この配向膜4と他方の基板3との間には、キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の液晶層5が充填されている。
【0032】
また、このような一対の基板2,3及び液晶層5を有する構造体に対して、目的とする光偏向方向に対応させて、図1(b)に示すように、一対の電極6a,6bが配置されている。ここで、一対の電極6a,6bは、第1の電圧印加手段7に接続されている。
【0033】
一対の電極6a,6bは、図1(a)に示すように、電界印加手段とともに液晶層の厚さを規制するスペーサーとしても機能するもので、光路と重ならない位置で光偏向素子1の液晶回転軸に対して略垂直方向に電界ベクトルが向くように設置されている。
【0034】
すなわち、図1の光偏向素子1は、透明な一対の基板2,3と、一対の基板2,3間で液晶分子を垂直配向させる配向膜4と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層5と、一対の基板2,3間で液晶層5の厚さを規制する複数のスペーサー(図1の例では、電極6a,6bが兼ねる)と、液晶層5に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極6a,6bとを有するものとして構成されている。
【0035】
この光偏向素子1では、一対の電極6a,6b間に数百Hz程度の駆動周波数の交流電圧(例えば図2に示すような矩形波電圧)を作用させることで、入射光の光路を数百Hzの切換えタイミングで2方向に(第一出射光と第二出射光とに)切換えることができる。具体的に、図2の矩形波電圧を一対の電極6a,6bに印加するときに、電圧が(+)のときにはこの光偏向素子1に加わる電界の方向は第一電界方向となり、入射光は第一出射光となるように光路が偏向され、また、電圧が(−)のときにはこの光偏向素子1に加わる電界の方向は第二電界方向となり、入射光は第二出射光となるように光路が偏向される。ピクセルシフトは人間の目の残像現象を利用しているため、切換えタイミング(図2の矩形波電圧の周波数(駆動周波数))は30Hz以上であれば良いが、フリッカーを確実に防止するためには、駆動周波数は百〜数百Hzに設定することが好ましい。
【0036】
すなわち、図1の光偏向素子では、入射光は、一対の電極6a,6bにより形成される電界の方向(第一電界方向,第二電界方向)によって偏向を受け、第一出射光または第二出射光のいずれかの光路をとる。
【0037】
ここで、液晶層5に関して説明する。「スメクチック液晶」は、液晶分子の長軸方向を層状に配列してなる液晶層である。このような液晶に関し、液晶層の法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致している液晶を「スメクチックA相」、法線方向と液晶分子の長軸方向とが一致していない液晶を「スメクチックC相」と呼んでいる。スメクチックC相よりなる強誘電液晶は、一般的に外部電界が働かない状態において各層毎に液晶分子の方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺旋構造をとり、「キラルスメクチックC相」と呼ばれる。また、キラルスメクチックC相反強誘電液晶は各層毎に液晶分子が対向する方向を向く。これらのキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eとにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。なお、以下の説明では、液晶層5として強誘電液晶を例にとり光偏向素子1の説明を行うが、反強誘電液晶も液晶層5として同様に使用することができる。
【0038】
キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の構造は、主鎖,スペーサ,骨格,結合部,キラル部などよりなる。主鎖構造としては、ポリアクリレート,ポリメタクリレート,ポリシロキサン,ポリオキシエチレンなどが利用可能である。また、スペーサは、分子回転を担う骨格,結合部,キラル部を主鎖と結合させるためのものであり、適当な長さのメチレン鎖等が選ばれる。また、カイラル部とビフェニル構造など剛直な骨格とを結合する結合部には、−COO−結合等が選ばれる。
【0039】
図1(a)乃至(c)の光偏向素子1においては、キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の液晶層5は、配向膜4により基板2,3の面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向いており、平均的には垂直配向をなしているとみなせる。
【0040】
ところで、前述したように、このような光偏向素子1において、ピクセルシフトに最重要である液晶分子の方向(配向)制御に関して検討を行ったところ、製造時に素子内に液晶を注入する際に、基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱して注入を行い、徐冷によりキラルスメクチックC相を形成させても、部分的に素子の液晶部が白濁する場合がある。また、白濁部が無く作製できた素子であっても、継続的なピクセルシフト駆動にともない液晶部に白濁が発生することがある。白濁が発生した部分で液晶分子の配向状態を調べるためにコノスコープ観察を行ったところ、垂直配向状態で観察されるアイソジャアと呼ばれる暗十字線状のコノスコープ像は非常に不鮮明であり、また、白濁の強い部分ではアイゾジャアは全く観察されなかった。これは垂直配向状態が乱れている証拠であり、白濁した部分は液晶分子のダイレクタが揃っていないためピクセルシフトの機能は得られない。
【0041】
本願の発明者は、図1のような光偏向素子についての上記の問題点を解決するために、すなわち、垂直配向の欠陥である白濁部を発生させないために、あるいは、発生した欠陥を初期の略垂直配向状態に戻すために、検討したところ、ピクセルシフト動作の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加することで、液晶分子を確実に略垂直配向状態に揃えることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0042】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態は、欠陥のない垂直配向状態の光偏向素子の製造方法を提供することを意図しており、素子内に液晶を注入する際に基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱して行い、冷却時に光偏向素子の駆動電圧よりも大きい周波数の交流電圧を印加することで、液晶分子を垂直方向に揃えることを特徴としている。
【0043】
すなわち、本発明の第1の実施形態は、透明な一対の基板2,3と、前記一対の基板2,3間で液晶分子を垂直配向させる配向膜4と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層5と、前記一対の基板2,3間で液晶層5の厚さを規制する複数のスペーサー(図1の例では、電極6a,6bが兼ねる)と、前記液晶層5に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極6a,6bとを有する図1に示すような光偏向素子1の製造方法において、素子内に液晶を注入する際に基板2,3を液晶の等方相転移温度以上に加熱し、注入した液晶が等方相の温度からキラルスメクチックC相を形成する温度以下に冷却される期間中、光偏向素子の駆動周波数より大きい周波数の交流電圧を印加して、液晶層5内の液晶分子を基板2,3に対して略垂直配向状態に揃えることを特徴としている。
【0044】
交流電圧印加の手法を用いないで製造した光偏向素子の中には、白濁(散乱)して見える部分が発生するものがあり、白濁の発生傾向は液晶層の厚みが大きくなるにつれて頻度が高くなっている。白濁部のコノスコープ観察を行うと、一般的に垂直配向状態で見られるコノスコープ像と比較して明かに不鮮明であり、また、コノスコープ像が観察できない場合もあり、垂直配向状態が形成されていないことがわかる。これは、膜厚が厚い液晶層の中央部付近では、液晶分子に対する配向膜の規制力が弱くなるため、キラルスメクチックC相の形成時に、図3(a)のように配向方向の異なる微小なドメインを形成しやすくなるためと考えられる。
【0045】
本願の発明者は、これらの欠陥を改善するために、様々な方法を試みたが、いずれも欠陥のない垂直配向を実現させることは困難であった。例えば、直流電圧を印加する方法や駆動周波数程度の比較的低い周波数の交流電圧を印加する方法、あるいは素子を等方相転移温度以上に加熱して降温速度を制御する方法などを試みた。この結果、直流電圧あるいは比較的周波数の低い電圧を印加した場合では、電界により強制的に配向方向が揃うはずであるが、実際には困難であった。
【0046】
これに対し、光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加するときには、図3(b)のように、液晶分子の垂直配向状態(基板に対して垂直方向に配向する状態)を確実に形成できることを見出した。このメカニズムは明らかでは無いが、液晶分子の電界応答が追いつかない程度の比較的高周波の電界が印加されると、平均的に略垂直状態に配向する方向に電界が印加された状態になるためと推測される。この時の交流電圧波形は、矩形波,三角波,サイン波などのいずれでも良い。
【0047】
図4は本発明の第1の実施形態の光偏向素子の製造方法を実施する装置の構成例を示す図である。なお、図4において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図4の構成例では、所定周波数(駆動周波数)の交流電圧を一対の電極6a,6bに印加して光偏向素子1を駆動する第1の電圧印加手段7とは別に、第1の電圧印加手段7の交流電圧の周波数(駆動周波数)よりも大きい周波数の交流電圧を一対の電極6a,6b間に印加して液晶層5内の液晶分子を略垂直配向状態に備える第2の電圧印加手段8が設けられている。
【0048】
ここで、第1の電圧印加手段7の交流電圧は、前述したように、例えば、図2に示すような矩形波のものであって、その周波数(駆動周波数)は数百Hz程度のものである。
【0049】
また、第2の電圧印加手段8の交流電圧は、その周波数が第1の電圧印加手段7の交流電圧の周波数(駆動周波数)よりも大きい周波数のものであれば、その波形は、図2に示すような矩形波のものであっても良いし、矩形波に限らず、三角波,サイン波などのものであっても良い。
【0050】
図4のような装置を用いれば、液晶注入後の冷却時に光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を第2の電圧印加手段8により一対の電極6a,6b間に印加することで、液晶層5内の液晶分子を略垂直配向状態に揃えることができ、欠陥のない垂直配向状態の光偏向素子1を作製することができる。
【0051】
なお、図4の例では、第1の電圧印加手段7とは別に、第2の電圧印加手段8を設けたが、第1の電圧印加手段7が周波数可変機構を有していれば、第1の電圧検出手段7に第2の電圧検出手段8の機能をもたせることもでき、この場合には、第2の電圧検出手段8を別途に設ける必要がなくなる。
【0052】
第2の実施形態
また、本願の発明者は、光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に印加する上述の方法は、経時変化等により素子の垂直配向状態に劣化が生じた場合にも、初期の垂直配向状態を再現させるのに有効な方法でもあることを見出した。
【0053】
すなわち、継続的に動作させた光偏向素子の中には、同様に白濁して見える欠陥部分が発生する場合がある。これらの劣化現象も液晶層5の厚みが大きくなるに従って顕著に発生する傾向にある。その原因は定かでないが、液晶層5が厚いと、基板表面の垂直配向処理の規制力が基板から遠くなるに従い弱まってしまうため、液晶の分子配向の乱れが発生することが予測できる。
【0054】
このように、経時変化等により光偏向素子の垂直配向状態に劣化が生じた場合にも、初期の垂直配向状態を再現させるため、本発明の第2の実施形態の光偏向装置は、光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に印加することができるように構成されている。
【0055】
すなわち、本発明の第2の実施形態の光偏向装置は、その構成例としては、図4に示した装置と同様の構成のものにすることができ、透明な一対の基板2,3と、一対の基板2,3間で液晶分子を垂直配向させる配向膜4と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層5と、一対の基板2,3間で液晶層5の厚さを規制する複数のスペーサー(図1の素子例では、電極6a,6bが兼ねる)と、液晶層5に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極6a,6bとを有する光偏向素子1と、光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に光偏向動作を行う周波数(駆動周波数)の交流電圧を印加する第1の電圧印加手段7と、液晶分子を基板2,3に対して略垂直配向させるために、光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に第1の電圧印加手段7の周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加する第2の電圧印加手段8とを有している。
【0056】
ここで、第1の電圧印加手段7の交流電圧は、前述したように、例えば、図2に示すような矩形波のものであって、その周波数(駆動周波数)は数百Hz程度のものである。
【0057】
また、第2の電圧印加手段8の交流電圧は、その周波数が第1の電圧印加手段7の交流電圧の周波数(駆動周波数)よりも大きい周波数のものであれば、その波形は、図2に示すような矩形波のものであっても良いし、矩形波に限らず、三角波,サイン波などのものであっても良い。
【0058】
具体的に、第2の電圧印加手段8により印加される交流電圧の周波数は、ピクセルシフトの駆動周波数である数百Hzよりも高い周波数である必要があり、液晶材料の電気的特性や粘性などに応じて適宜設定されるが、好ましくは1KHz以上であるのが良い。また、第2の電圧印加手段8により印加される交流電圧の印加電圧値は、液晶分子が充分に移動する電圧である必要があり、素子構成によって異なるが、電界強度が1×105V/m程度が好ましい。
【0059】
垂直配向状態に劣化が生じた(白濁が生じた)光偏向素子1に対して、図4の構成の光偏向装置で第2の電圧印加手段8により第1の電圧印加手段7の周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加したところ、光偏向素子1の白濁部は解消され、コノスコープ観察においても初期と同様な鮮明なコノスコープ像が確認された。
【0060】
このように、第2の電圧印加手段8により光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に印加することで、液晶分子を基板に対して略垂直方向に揃えることができ、光偏向素子1の劣化を改善できる。すなわち、経時変化などで垂直配向状態が乱れて光偏向素子1に劣化が生じた場合でも、光偏向素子1を初期の垂直配向状態に戻すことができる。
【0061】
このように、光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加することは、経時変化などで垂直配向状態に乱れが生じて光偏向素子に劣化が生じた場合でも、初期の配向状態に戻すのに非常に有効である。
【0062】
第3の実施形態
さらに、本願の発明者は、短時間で確実に液晶分子の方向を揃えるには、光偏向素子1を加熱しながら光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に印加するのが効果的であり、さらに、加熱温度は液晶の等方相転移温度以上で行うのが好ましいことを見出した。
【0063】
そこで、本発明の第3の実施形態の光偏向装置は、図5に示すように、図4の光偏向装置において、光偏向素子1の温度を制御する温度制御手段9をさらに有し、前記第2の電圧印加手段8と前記温度制御手段9とを同期させて動作させるように構成されていることを特徴としている。すなわち、光偏向素子1の加熱手段9を設け、第2の電圧印加手段8と加熱手段9の動作を同期させるようにしている。
【0064】
このように、本発明の第3の実施形態の光偏向装置では、温度制御手段9と第2の電圧印加手段8とを同期させて動作させることで、すなわち、光偏向素子1を加熱しながら、光偏向素子1の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子1の一対の電極6a,6b間に印加することで、確実に、かつ、より短時間で、液晶分子を基板2,3に対して略垂直配向状態に揃えることが可能となる。このように、液晶層5の温度をコントロールすることで、より確実に光偏向素子の液晶分子を初期の略垂直配向状態に戻すことができる。
【0065】
第4の実施形態
また、図6は本発明の第4の実施形態の画像表示装置の構成例を示す図である。図6において、81はLEDランプを2次元アレイ状に配列した光源であり、この光源81からスクリーン86に向けて発せられる光の進行方向には、拡散板82、コンデンサレンズ83、画像表示素子としての透過型液晶パネル84、画像パターンを観察するための光学部材としての投射レンズ85が順に配設されている。なお、87は光源81に対する光源ドライブ部、88は透過型液晶パネル84に対するパネルドライブ部である。
【0066】
ここで、透過型液晶パネル84と投射レンズ85との間の光路上には、ピクセルシフト素子として機能する光偏向素子89が介在されており、光偏向素子89は、第1の電圧印加手段(7),第2の電圧印加手段(8)などからなるドライブ部90に接続されている。そして、このような光偏向素子89として、前述したような本発明の光偏向素子1が用いられている。
【0067】
このような構成の画像表示装置では、光源ドライブ部87で制御されて光源81から放出された照明光は、拡散板82により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ83により液晶ドライブ部88で照明光源と同期して制御されて透過型液晶パネル84をクリティカル照明する。この透過型液晶パネル84で空間光変調された照明光は、画像光として光偏向素子89に入射し、この光偏向素子89によって画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。この光は投射レンズ85で拡大されスクリーン86上に投射される。
【0068】
ここで、光偏向素子89により、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、透過型液晶パネル84の見掛け上の画素数を増倍して表示することができる。
【0069】
具体的に、光偏向手段89により、透過型液晶パネル84の画素数を見かけ上、2倍に増倍する場合について説明する。図7には、図6中の透過型液晶パネル84と光偏向手段89の部分の概要が示されている。この例の光偏向素子89では、電極が素子の上下辺に設置されているので、光偏向素子89の水平方向に光路のシフトが可能である。
【0070】
図7を参照すると、透過型液晶パネル84の画素開口部から出射した光は、光偏向素子89によって、光路Aと光路Bに切換えられる。ここで、光路Aから光路Bへのシフト量は画素ピッチPの1/2の距離に設定されることが好ましい。
【0071】
ここで、液晶パネル84の画素配列が図8(a)のようなものである場合、画素ピッチPの1/2に対応した距離(P/2)だけ光路をシフトさせることで、図8(b)に示すように画素間の非画像部分の位置にも画像を表示することができる。なお、図8では、一画素の幅がピッチに比べて小さく設定しているが、これはシフト後の画素の位置が重ならないようにするためである。ここで、光路シフトの往復動作を高速で行うことで、観察者には図8(c)のように見かけ上、2倍の画素数があるように見える。
【0072】
ここで、最終的に表示する図8(c)のような高精細な画像を1フィールドとし、1フィールドを構成する画像データを、横方向に一画素間隔の画素データからなる2つのサブフィールドの画像データ(画素数は実際の液晶パネルに対応)に分解する。光偏向素子89による光路のシフト動作タイミングに同期してサブフィールド画像の表示を切換えることで、人間の目の残像現象によって見かけ上、2倍の画素数の画像を表示することができる。
【0073】
例えば、図8(a)では、光路Aのタイミングでサブフィールド▲1▼を表示し、図8(b)では、光路Bのタイミングでサブフィールド▲2▼を表示している。この時、フレーム周波数や光路シフトの切換え時間を、フリッカー(チラツキ)が認識できないように設定することで、図8(c)のように▲1▼と▲2▼とを合成した一つのフィールド画像を表示することができる。
【0074】
すなわち、光偏向素子89によるシフト量は、透過型液晶パネル84の画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行うことから、画素ピッチの1/2に設定され、透過型液晶パネル84を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正することで、見掛け上高精細な画像を表示することができる。
【0075】
この際、光偏向素子89として、前述した各実施形態のような光偏向素子1を用いるときには、光の利用効率を向上させ、光源の負荷を増加することなく、観察者に対して明るく高品質の画像を提供できる。光偏向位置制御を、光偏向素子1における一対の電極6a,6bによる電界印加方向及び電界強度により行うことで、適切なピクセルシフト量が保持され、良好な画像を得ることができる。
【0076】
なお、画像表示素子としては、透過型液晶パネルに限らず、反射型液晶パネルも用いることができる。例えば画素が12μmピッチのディスプレイテクノロジー社(米)のLCOS(Liquid Crysutal on Si)型の空間変調素子やDMD(商品名:テキサスインストルメント社:米国)を用いて、図6と同様にして反射型の照明光学系および投射光学系を構成して、2倍の画素増倍を行うことができる。ただし、投射レンズの空間周波数への要求が高解像度のために2倍となるので、高解像度対応の投射レンズを使用する必要がある。
【0077】
また、光偏向素子を2組用いて、縦方向と横方向にそれぞれ2倍の画素シフトを行い、全体で4倍の画素増倍を行うこともできる。
【0078】
このように、本発明の第4の実施形態の画像表示装置は、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子84と、画像表示素子を照明する光源81と、画像表示素子84に表示した画像パターンを観察するための光学部材85と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子84と光学部材85との間の光路を偏向する光偏向装置(光偏向素子89,ドライブ部90)とを有し、光偏向装置(光偏向素子89,ドライブ部90)によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子84の見掛け上の画素数を増倍して表示するようになっており、光偏向装置(光偏向素子89,ドライブ部90)には、第2又は第3の実施形態の光偏向装置が用いられることを特徴としている。
【0079】
この場合、この画像表示装置は、垂直配向状態での液晶セルによる光偏向を用いているので、高速にピクセルシフトを行うことができて、比較的簡単な構成で高精細な表示画像を得ることができる。
【0080】
第5の実施形態
ところで、上述の第4の実施形態において、画像表示装置の継続的な使用あるいは使用環境の影響によって、光偏向素子89(1)の劣化が生じた場合には、ピクセルシフト量が変化したり、コントラストが低下するなどして、投射された画像の品質が低下する。
【0081】
そこで、本発明の第5の実施形態では、第4の実施形態の画像表示装置において、第2の電圧印加手段(8)によって光偏向素子89(1)の駆動電圧よりも大きい周波数の交流電圧を光偏向素子89(1)に対して所定のタイミングで印加する処理を行うようにしている。
【0082】
このような処理は、例えば、画像表示装置の立ち上げ時あるいは終了時に、第2の電圧印加手段(8)によって光偏向素子89(1)に自動的に高周波の交流電圧を印加することで実施可能である。また、所定のタイミング以外にも利用者の判断で手動操作により第2の電圧印加手段(8)を動作させて光偏向素子89(1)に高周波の交流電圧を印加することもできる。
【0083】
さらに、光偏向素子89(1)の近傍に温度制御手段(9)を設けることで、より短時間で処理が可能となる。なお、液晶層5を周囲温度以上あるいは等方相転移温度以上に加熱する場合の温度制御手段(9)としては、加熱ヒーターや温風ファンなどがあるが、いずれの場合も画像表示装置の光学系に影響を与えない位置に設置することで、比較的簡単な構成が可能である。また小型化のためには、光偏向素子89(1)の内部に抵抗線を形成し、これに電流を流すことで得られるジュール熱を利用することも可能である。また、温度制御手段(9)による加熱操作を伴う垂直配向処理の後、光偏向素子89(1)の温度を速やかに所望の温度に設定するために温度制御手段(9)に冷却手段を設けても良い。ここで、冷却手段としては、送風ファンやペルチェ素子などを用いることができる。
【0084】
このように、本発明の第5の実施形態では、第4の実施形態の画像表示装置において、光偏向装置に、第2又は第3の実施形態の光偏向装置が用いられるときに、光偏向装置の第2の電圧印加手段8により所定のタイミングで(例えば、一定期間ごとに)液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施するようにしている。すなわち、この画像表示装置は、所定のタイミングで(例えば、一定期間ごとに)光偏向素子89(1)を初期の略垂直配向状態に戻す操作を行うことで、画像表示装置の長期的な画質が維持でき、信頼性が向上する。これにより、長期的に安定した高精細画像が得られる画像表示装置を提供できる。
【0085】
第6の実施形態
また、上記第5の実施形態の画像表示装置において、より確実に高精細な画像品質を維持するために、画像表示装置内に光偏向素子89(1)の液晶層5の垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段を設けることもできる。
【0086】
すなわち、本発明の第6の実施形態の画像表示装置は、第5の実施形態の画像表示装置において、所定のタイミングで液晶層5の垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段を設け、その検出結果に応じて第2の電圧印加手段8により液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施するように構成されている。
【0087】
ここで、垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段としては、具体的には、光偏向素子の透過率測定手段やコノスコープ測定手段などがある。透過率測定手段は、所定の光量を光偏向素子に入射させた時の出射光量を検出する機能を有している。また、コノスコープ手段は、直交ニコル下でベルトランレンズとコンデンサーレンズとを用いる方法であり、光軸方向に生じた暗点を中心としたアイソジャアと呼ばれる暗十字線状の位置で液晶の光軸方位を決定することができる方法である。
【0088】
この第6の実施形態では、素子の劣化を検出する配向状態検出手段を設けることで、所望のタイミングで垂直配向状態が確認でき、必要に応じて初期の垂直配向状態に戻す操作を行うことができる。すなわち、画像表示装置の使用状況や保存環境よって最適な処理が可能となり、より信頼性の高い画像表示装置を提供できる。また、垂直配向状態に戻す操作を行っても初期の状態に戻らない場合には、使用者に通知する手段を設けても良い。
【0089】
なお、上述の各実施形態の画像表示装置は、具体的には、プロジェクションディスプレイ,ヘッドマウントディスプレイなどの電子ディスプレイ装置に適用できる。
【0090】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0091】
(実施例1)
実施例1では、大きさ3cm×4cm,厚さ3mmのガラス基板の表面をシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製AY43−021)で処理して垂直配向膜を形成した。次いで、厚さ100μm,幅1mm,長さ3cmの2本のアルミ電極シートをスペーサーとして、垂直配向膜を内面にして2枚のガラス基板を張り合わせた。2本のアルミ電極シートは平行で、その間隔は2mmとした。
【0092】
次いで、基板を90度に加熱した状態で、2枚の基板間に強誘電性液晶(チッソ製CS1029)を毛管法で注入した。その後、アルミ電極シートに±100V,1kHzの交流電圧を印加しながら徐冷し、冷却後、接着剤で封止して光偏向素子を作製した。
【0093】
このように作製した光偏向素子では、アルミ電極シート間の液晶層は白濁がなく、配向状態をコノスコープ装置で確認したところ、すべての部分で垂直配向状態が確認できた。
【0094】
(比較例1)
比較例1では、液晶を注入した後に交流電圧を印加せずに冷却した以外は、実施例1と同様に光偏向素子を作製した。この場合、アルミ電極シート間の液晶層の部分は白濁してしまい、コノスコープ装置で観察をしたところ、わずかに垂直配向状態の部分はあったが、ほとんどの領域はアイソジャアが出現せず、垂直配向はしていなかった。
【0095】
(実施例2)
実施例2では、2本のアルミ電極シートの厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様に光偏向素子を作製した。作製後のアルミ電極間の液晶層はすべての領域で垂直配向状態であった。次に、2本のアルミ電極シート間にピクセルシフト駆動に類似した±200V,100Hzの交流電圧を20分間印加した後、液晶層の配向状態を見ると、白濁した部分が発生し、さらに、交流電圧を20分印加した後の液晶層は白濁した部分が2倍程度に拡がっていた。いずれも白濁した部分ではコノスコープ観察を行ってもアイソジャアは確認できなかった。そこで、素子に±100V,1kHzの交流電圧を印加したところ、2分程で白濁した部分が縮小しはじめ、約5分で白濁した領域は消滅した。コノスコープ観察を行うとアイソジャアが確認でき、初期の垂直配向状態に戻っていることがわかった。
【0096】
(実施例3)
実施例3では、実施例2と同様の光偏向素子を作製し、同じようにピクセルシフト駆動に類似した±200V,100Hzの交流電圧を40分間印加した。この場合、液晶層の配向状態を見ると、実施例2と同程度の白濁した部分が発生していた。次に、素子の基板を95度のホットプレート上で加熱し、±100V,1kHzの交流電圧を印加したまま冷却したところ、約2分程度で白濁した領域は消滅した。コノスコープ観察を行うと、アイソジャアが確認でき、初期の垂直配向状態に戻っていることがわかった。
【0097】
(比較例2)
比較例2においても、実施例2と同様の光偏向素子を作製し、同じようにピクセルシフト駆動に類似した±200V,100Hzの交流電圧を40分間印加した後の液晶層の配向状態を見ると、実施例2と同程度の白濁した部分が発生していた。比較例2では、次に、素子の基板を95度のホットプレート上で加熱し、+100Vの直流電圧を印加したまま冷却したが、室温に戻っても白濁した領域に変化はなかった。
【0098】
(比較例3)
比較例3においても、実施例2と同様の光偏向素子を作製し、同じようにピクセルシフト駆動に類似した±200V,100Hzの交流電圧を40分間印加した後の液晶層の配向状態を見ると、実施例2と同程度の白濁した部分が発生していた。比較例3では、次に、素子の基板を95度のホットプレート上で加熱し、±200V,100Hzの交流電圧を印加したまま冷却したが、室温に戻っても白濁した領域に変化はなかった。
【0099】
(実施例4)
実施例4では、図6の構成の画像表示装置を用いて、図6の符号89の位置に実施例1の光偏向素子を入れて画像を表示させた。この結果、高精細な投射画像が得られた。そして、この画像表示装置を100時間連続駆動したところ画像のコントラストが低下したので、光偏向素子を調査したところ白濁した部分が発生していた。そこで、光偏向素子を95度に加熱し、±100V,1kHzの交流電圧を印加しながら冷却した後に画像を表示させたところ、初期と変わらない高精細な画像が得られた。
【0100】
(実施例5)
実施例5では、実施例4と同様に、実施例1の光偏向素子を用いた構成の画像表示装置で、毎回電源投入前に光偏向素子を95度に加熱し、±100V,1kHzの交流電圧を印加する処理を行ったところ、長期間にわたって高精細な画像が得られた。
【0101】
(実施例6)
実施例6では、実施例4と同様に、実施例1の光偏向素子を用いた構成の画像表示装置で、光偏向素子を移動してCCDカメラでコノスコープ装置による解析ができる構成とした。定期的に観察を行い、コノスコープ像が不鮮明になった時点で、光偏向素子を加熱し、±100V,1kHzの交流電圧を印加する処理を行うようにしたところ、長期間にわたって高精細な画像が得られた。
【0102】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子の製造方法において、素子内に液晶を注入する際に、一対の基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱し、注入した液晶が等方相の温度からキラルスメクチックC相を形成する温度以下に冷却される期間中、光偏向素子の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を前記一対の電極間に印加して、液晶層内の液晶分子を基板に対して略垂直配向状態に揃えるようにしているので、欠陥のない垂直配向状態の光偏向素子を作製することができる。
【0103】
また、請求項2記載の発明によれば、透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子と、前記光偏向素子の一対の電極間に光偏向動作を行う周波数の交流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、液晶分子を基板に対して略垂直配向させるために、前記光偏向素子の一対の電極間に第1の電圧印加手段の周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有しており、第2の電圧印加手段によって光偏向素子の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加することで、液晶分子を基板に対して略垂直方向に揃えることができ、素子の劣化を改善できる。すなわち、経時変化などで垂直配向状態が乱れて光偏向素子に劣化が生じた場合でも、初期の垂直配向状態に戻すことができる。
【0104】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の光偏向装置において、光偏向素子の温度を制御する温度制御手段をさらに有し、前記第2の電圧印加手段と前記温度制御手段とを同期させて動作させるように構成されており、液晶層の温度をコントロールすることで、光偏向素子をより確実に初期の略垂直配向状態に戻すことが可能となる。すなわち、光偏向素子を加熱しながら光偏向素子の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加することで、より短時間で液晶分子を基板に対して略垂直方向に揃えることができる。
【0105】
また、請求項4記載の発明によれば、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材との間の光路を偏向する光偏向装置とを有し、光偏向装置によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、前記光偏向装置には、請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられるようになっており、上記光偏向装置により垂直配向状態での液晶セルによる光偏向を用いることができるので、高速にピクセルシフトを行うことができて、比較的簡単な構成で高精細な表示画像が得られる画像表示装置を提供できる。
【0106】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像表示装置において、前記光偏向装置に請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられるときに、該光偏向装置の前記第2の電圧印加手段によって所定のタイミングで交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されており、所定のタイミングで光偏向素子を初期の略垂直配向状態に戻す操作を行うことで、画像表示装置の長期的な画質が維持でき、信頼性が向上する。すなわち、長期的に安定した高精細画像が得られる画像表示装置を提供できる。
【0107】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の画像表示装置において、所定のタイミングで前記光偏向装置の光偏向素子の液晶層の垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段を設け、該配向状態検出手段の検出結果に応じて前記第2の電圧印加手段によって交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されており、光偏向素子の劣化を検出できる手段を設けることで、より確実に高精細画像を維持でき、信頼性の高い画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光偏向素子の一例を示す図である。
【図2】矩形波電圧を示す図である。
【図3】スメクチックC相の分子配向モデルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の光偏向素子の製造方法を実施する装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の光偏向装置の構成例を示す図である。
【図6】本発明に係る画像表示装置の構成例を示す図である。
【図7】図6の画像表示装置の部分詳細図である。
【図8】高精細画像を得る原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光偏向素子
2,3 基板
4 配向膜
5 液晶層
6a,6b 電極
7 第1の電圧印加手段
8 第2の電圧印加手段
9 温度制御手段
81 光源
82 拡散板
83 コンデンサレンズ
84 透過型液晶パネル
85 投射レンズ
86 スクリーン
87 光源ドライブ部
88 パネルドライブ部
89 光偏向素子
90 ドライブ部

Claims (6)

  1. 透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子の製造方法において、素子内に液晶を注入する際に、一対の基板を液晶の等方相転移温度以上に加熱し、注入した液晶が等方相の温度からキラルスメクチックC相を形成する温度以下に冷却される期間中、光偏向素子の駆動周波数よりも大きい周波数の交流電圧を前記一対の電極間に印加して、液晶層内の液晶分子を基板に対して略垂直配向状態に揃えることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  2. 透明な一対の基板と、前記一対の基板間で液晶分子を垂直配向させる配向膜と、無電界下でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、前記一対の基板間で液晶層の厚さを規制する複数のスペーサーと、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を発生させる一対の電極とを有する光偏向素子と、前記光偏向素子の一対の電極間に光偏向動作を行う周波数の交流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、液晶分子を基板に対して略垂直配向させるために、前記光偏向素子の一対の電極間に第1の電圧印加手段の周波数よりも大きい周波数の交流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有していることを特徴とする光偏向装置。
  3. 請求項2記載の光偏向装置において、光偏向素子の温度を制御する温度制御手段をさらに有し、前記第2の電圧印加手段と前記温度制御手段とを同期させて動作させるように構成されていることを特徴とする光偏向装置。
  4. 少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材との間の光路を偏向する光偏向装置とを有し、光偏向装置によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置であって、前記光偏向装置には、請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられることを特徴とする画像表示装置。
  5. 請求項4記載の画像表示装置において、前記光偏向装置に請求項2または請求項3に記載の光偏向装置が用いられるときに、該光偏向装置の前記第2の電圧印加手段によって所定のタイミングで交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置。
  6. 請求項5記載の画像表示装置において、所定のタイミングで前記光偏向装置の光偏向素子の液晶層の垂直配向状態の劣化を検出する配向状態検出手段が設けられており、該配向状態検出手段の検出結果に応じて前記第2の電圧印加手段によって交流電圧を印加することにより、液晶分子を基板に対して略垂直配向させる動作を実施可能に構成されていることを特徴とする画像表示装置。
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