JP4446410B2 - 液晶表示素子及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子及びこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブ・マトリクス駆動の強誘電性液晶表示素子及び表示装置に関し、詳しくは応答性改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラーク及びラガーウオルにより提案された強誘電性液晶を用いた液晶表示素子(特開昭56−107216号公報に記載)は双安定性を有し、且つ電界の変化に対する応答が高速であることから、大画面で高精細な液晶表示素子としての応用が期待されている。しかしながら、双安定性を有していることから、中間調の表示が困難という問題があった。
【0003】
これを解決する技術として、我々は先に強誘電性液晶と液晶性(メタ)アクリレートモノマーを含有する液晶組成物を液晶セル中に注入した後、該組成物が所定の液晶相をしめす温度において紫外線を照射し、液晶性(メタ)アクリレートモノマーを高分子化させることによって得られる高分子安定化強誘電性液晶素子を提案した。この素子においては、強誘電性液晶の双安定性は消失するので、中間調の表示が可能になる。
【0004】
しかしながら、高品位あるいは高密度の液晶表示に対して依然として問題があり、特に応答性を更に改良することが求められている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高分子安定化強誘電性液晶を用いた素子の応答性を改良し、高品位表示、例えばXGA、SXGA、VXGAの表示が可能な液晶表示素子を達成し、更にこれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、以下の解決手段を提供するものである。
1.配向制御膜を付与した一対の電極付基板間に液晶層を挟持することにより構成される液晶表示素子において、前記液晶層が少なくとも液晶性(メタ)アクリレートの光硬化物及び強誘電性液晶を含有し、該強誘電性液晶が前記光硬化物からの規制力を受けて配向し、前記電極が複数の単位画素を配列した構造を有し、該単位画素がアクティブ素子及び蓄積容量Csを有することを特徴とする液晶表示素子。
【0007】
2.蓄積容量Csが、単位画素間の液晶層が有する静電容量CCellに対して、0<Cs/CCell≦2の範囲であることを特徴とする上記1記載の液晶表示素子。
3.液晶性(メタ)アクリレートが一般式(I)
【0008】
【化3】
Figure 0004446410
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、nは0又は1の整数を表し、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0009】
【化4】
Figure 0004446410
を表し、mは1〜4の整数を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−を表し、Y3は単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表し、Zは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数2〜20のアルケニル基を表す。)で表されることを特徴とする上記1又は2記載の液晶表示素子。
【0010】
4.一般式(I)において、Xは水素原子を表し、nは0を表し、6員環A及びCはそれぞれ独立的に1,4−フェニレン基、又は1,4−トランスシクロヘキシル基を表し、Y1は単結合又は−C≡C−を表し、Y3は単結合を表し、Zはハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すことを特徴とする上記3記載の液晶表示素子。
【0011】
5.上記1、2、3又は4記載の液晶表示素子の背面から光を照射する照射手段を設けた液晶表示装置であって、該照射手段が光源手段、入射手段及び操作手段を有し、該操作手段が前記液晶表示素子の表示状態に応じて照射光の選択及び/又は照射強度の調節をすることを特徴とする液晶表示装置。
【0012】
6.光源手段が、熱陰極管、冷陰極管、蛍光管、ネオン管、ブラウン管、LEDランプ又は発光ダイオードから1つ又は2つ以上選ばれる手段であることを特徴とする上記5記載の液晶表示装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
【0014】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、単位画素に蓄積容量Csを設けることにより高速応答性を得ることができ、これにより高品位表示、例えばXGA、SXGA、VXGAの表示が可能な液晶表示素子を達成した。また、投射方式の一例であるフィールドシーケンシャル方式にも有用であることを見いだし、本発明を提供するに至った。
【0015】
本発明に関わる高分子安定化強誘電性液晶素子は、配向制御膜を付与した一対の電極付基板間に液晶層を挟持することにより構成され、該液晶層が少なくとも液晶性(メタ)アクリレートの光硬化物及び強誘電性液晶を含有し、該強誘電性液晶が光硬化物から規制力を受けて配向している。この素子は、強誘電性液晶の双安定性は消失するので、中間調の表示が可能になる。
【0016】
高分子安定化強誘電性液晶素子は、紫外線照射時に直流電圧を印加しながら作製することもできるし、無印加で作製することもできる。このように作製した素子中の強誘電性液晶(分子)は、作製後の素子における駆動電圧印加あるいは駆動電圧無印加の状態に対して、光硬化物から規制を受けて配向している。より具体的には以下で詳述する。
【0017】
直流電圧を印加して作製した高分子安定化強誘電性液晶素子の液晶分子の配向方向は、配向膜の容易軸(例えば、ラビング法を用いた場合は、ラビング方向に沿った軸)方向から紫外線照射の際に印加していた直流電圧の極性によって決定する向きに、ある角度だけずれた状態となっている。この角度をメモリー角度と定義すると、通常、このメモリー角度は強誘電性液晶自体のチルト角より若干小さな値となる。この素子の動作原理は、次のようになる。紫外線照射の際に印加していた直流電圧と同極性(+)の直流電圧を印加し増加させると、メモリー角度より大きな角度をなし、チルト角迄増大する。この電圧より大きな電圧を印加しても角度は変わらない。直流電圧を減少すると、液晶分子はメモリー角度迄減少する。更に、紫外線照射の際に印加していた直流電圧に対して異極性(−)の直流電圧を印加すると、メモリー角の反対方向に液晶分子の配向方向が傾いていき、容易軸を通過し、もう一方のチルト角迄増大する。この場合も、直流電圧を減少させると液晶分子は、再び容易軸を通過し、メモリー角度に戻る。従って、非対称的なV−shape動作ができる(以下、V−shapeと呼称する)。
【0018】
直流電圧を印加しないで作製した高分子安定化強誘電性液晶素子の液晶分子の配向方向は、配向膜の容易軸(例えば、ラビング法を用いた場合は、ラビング方向に沿った軸)方向に、一定角度内でほぼ一致した方向となる。言い換えれば、前述のメモリー角度がほぼ0度となる。この素子の動作原理は、次のようになる。直流電圧(+)を印加し増加させると、容易軸から角度を増加し、チルト角迄増大する。この電圧より大きな電圧を印加しても角度は変わらない。直流電圧を減少すると、液晶分子は容易軸迄減少する。更に、前記とは逆の直流電圧(−)を印加すると、もう一方のチルト角迄増大する。この場合も、直流電圧を減少させると液晶分子は、容易軸に戻る。従って、対称的なV−shape動作ができる。
【0019】
上述の動作原理から、高分子安定化強誘電性液晶素子の特徴は、いわゆるしきい値特性を持たないものであり、コントラストを連続的に得ることができることから完璧な中間調表示が可能である。また、この素子は、コントラスト比が230:1と高い値を有しており、その応答速度も20〜100μsecと、ネマチック液晶は勿論のこと、高分子で安定化していない強誘電性液晶や反強誘電性液晶に比べ速い特性を示すものである。更にまた、上述のV−shape動作を示す反強誘電性液晶に比べ、本発明に関わる高分子安定化強誘電性液晶素子のほうが、特段の制限なしにV−shape特性が得られる特徴を有している。本発明者らは、これらの特徴を生かすには、上記素子をアクティブ方式で駆動することを考案するに至った。そして、更に好ましい特性を見いだすに至った。
【0020】
本発明の素子は、単位画素がスイッチングするためのアクティブ素子及び蓄積容量Csを有することを特徴とする液晶表示素子である。この場合、スイッチングするためのアクティブ素子は、能動素子を用いて駆動するのが好ましいが、能動素子の中でも特に、TFT(薄膜トランジスタ)素子、MIM(メタルインシュレーターメタル)素子、薄膜ダイオード等が好ましい。蓄積容量Csを設けることにより、単位画素にチャージアップをさせることができる。蓄積容量Csは、単位画素間の液晶層が有する静電容量CCellに対して、0<Cs/CCell≦4の範囲で設計することもできるが、0<Cs/CCell≦2の範囲がより好ましく、0.001≦Cs/CCell≦1.5の範囲が更に好ましい。蓄積容量Csを小さく設計する場合、特別に設計しなくても、アクティブ素子の構造あるいは基板部材の材質自身から発生するいわゆる寄生容量を工夫して代用することもできる。
【0021】
広い応用性を有していることを示すために、以下に、図1で示したTFT駆動回路を用いて説明する。用いた素子は、非対称的なV−shape動作をする高分子安定化強誘電性液晶素子である。図1中の2’のアナログスイッチは、アクティブ素子のゲート信号のパルス幅に相当する時間を任意に設定することができる機能を有している。ゲート信号のパルス幅(以下、tgと呼称する)を100μsecと2.5μsecにした場合の電気光学特性を測定した。蓄積容量Csを単位画素間の液晶層が有する静電容量CCellと等しくした本発明の素子及び蓄積容量がない本発明外の素子について得られた電気光学特性(透過率とソース電圧の関係)各々の結果を図2に示す。尚、フレーム周波数は60Hzとした。
【0022】
図2の結果から明らかなように、蓄積容量Csを有している本発明の素子は、ゲート信号のパルス幅tgが2.5μsecにおいても、光量を損なうことなく動作していることが示された。印加電圧として、直流電圧(+)と直流電圧(−)を併用する場合にはゲート信号のパルス幅tgを5μsecで駆動させることができる。また、本発明者らによって提供した特願平10−126374に記載の技術、即ち単位画素を2種類の配向領域分割した高分子安定化強誘電静液晶素子の場合もゲート信号のパルス幅tgを5μsecで駆動させることができる。更に、高密度の表示を目的にした場合、ゲート信号のパルス幅tgを2.5μsecより更に短くして使用することができる。
【0023】
本発明の素子は、線走査の駆動により表示させることができる。1ラインの線走査に要する時間がゲート信号のパルス幅tgであるとした場合、1フレーム時間でできる線走査の全ライン数は、(1フレーム時間)/(ゲート信号のパルス幅tg)で決められる。この線走査のライン数が大きければ大きいほどより高い密度の表示が可能となる。この関係を図3に示す。VGAは、1ラインの画素数が640で、ライン数が480である。以下、SVGAは800*600、XGAは1024*760、SXGAは1280*1024、VXGAは1600*1200である。本発明によれば、60Hzのフレーム時間に対しゲート信号のパルス幅tgが2.5μsecで駆動可能なことから、SXGAやVXGAの表示を行うことができる。
【0024】
本発明の素子を駆動のフレーム周波数は、10Hz〜1KHzの範囲から目的に応じて選ぶことができる。超高精細または静止画を必要とする場合には10Hz〜100Hzの範囲が好ましく、20Hz〜60KHzの範囲がより好ましい。モニター表示や動画表示を目的とする場合には30Hz〜1KHzの範囲が好ましく、50Hz〜500Hzがより好ましく、60Hz〜300Hzの範囲が更に好ましい。
【0025】
本発明の素子を例えばフルカラーの動画表示として使用する場合、以下のようにできる。赤緑青の三原色をひとまとめにしたものをフレームとし、駆動させる。フレーム周波数が30Hzの場合、1秒間に30回のフレームを画像として表示でき、60Hzならば60回の表示ができる。60回あるいはこれ以上の画像は、動画として認識されるとともに、人間の目や脳に対して疲れを少なくすることができる。前述の素子(60Hzのフレーム時間に対しゲート信号のパルス幅tgが2.5μsec)の場合、VGA〜VXGAの範囲でフルカラーの動画表示が可能である。フレーム周波数を更に大きくして駆動させると、超高速の動画画像を得ることができるとともに、フリッカー等の表示のちらつきを完璧になくすこともできる。
【0026】
本発明の高分子安定化強誘電性液晶素子は、より詳細には、以下のようにして作製することが好ましい。
【0027】
液晶層中における液晶性(メタ)アクリレート化合物の光硬化物の濃度は、0.1から10重量%に調節するのが好ましく、0.5から7重量%に調節するのがさらに好ましく、1から5重量%が特に好ましい。液晶層中における液晶性(メタ)アクリレート光硬化物の濃度が0.1%より低いと、強誘電性液晶の双安定性が消失せず、中間調の表示が困難になる。また10%より多いと、駆動電圧が増大してしまう。
【0028】
光硬化性組成物中に含有される液晶性(メタ)アクリレートとしては、液晶骨格と重合性官能基を分子内に有する化合物であれば特に制限なく用いることができるが、中間調表示と低電圧駆動を両立するためには、重合性官能基と液晶骨格の間にメチレンスペーサーが無い、単官能液晶性アクリレートを用いるのが好ましい。
【0029】
このような化合物としては、例えば一般式(I)で表されるものを挙げることができる。その中でも特に、一般式(I)において、Xは水素原子を表し、nは0を表し、6員環A及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、又は1,4−トランスシクロヘキシル基を表し、Y1は単結合又は−C≡C−を表し、Y3は単結合を表し、Zはハロゲン原子、シアノ基あるいは炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表す化合物が室温付近の液晶相を発現しやすく、また扱いやすいため特に好ましい。また、環A,B,Cのいずれかにピリミジン環を導入した化合物は、スメクチック液晶相を発現しやすく、強誘電性液晶への相溶性にすぐれるため、好適に使用することができる。
【0030】
このような液晶性(メタ)アクリレート化合物の具体的な例としては、式(1)〜(21)に挙げた化合物が好ましいが、本発明の液晶組成物において使用することができる単官能(メタ)アクリレートはこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化5】
Figure 0004446410
【化6】
Figure 0004446410
【化7】
Figure 0004446410
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表し、またCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表し、数字は相転移温度を表す。)これらの化合物の中でも、光学活性基を有する(16)や(17)の化合物を利用すると、螺旋ピッチの微調整や、駆動電圧低減の効果が期待できるので、これらも特に好適に使用することができる。
【0032】
本発明で使用する強誘電性液晶は、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電性液晶、反強誘電液晶で構成することができる。これらを適時に選択して得られた強誘電性液晶組成物は、通常この技術分野で強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶と認識されるものであれば、特に制限なく使用することができ、強誘電性液晶組成物はカイラルスメクチックC相より上の温度領域でスメクチックA相及びネマチック相を呈するものを使用するのが好ましい。
【0033】
配向制御膜は従来用いられているラビング処理を施したポリイミド配向膜を特に制限なく用いることができる。またポリビニルシンナメート薄膜やポリイミド薄膜等に偏光紫外線を照射した、ラビング処理を施していない配向制御膜も用いることができる。
【0034】
液晶層の厚さは、使用する強誘電液晶の屈折率の異方性にも依存するが、1から20ミクロンであることが好ましく、1.5から10ミクロンがさらに好ましく、1.5から6ミクロンが特に好ましい。
【0035】
本発明の高分子安定化強誘電性液晶素子は、高密度表示が可能なことから、マイクロカラーフィルターやバックライトを設けた直視型モニター表示やプロジェクター等、フルカラーで高精細な表示として使用することができる。
【0036】
大型表示の一例として、投影方式が知られている。この方式には、単純投影方式、マルチパネル合成方式等以外にフィールドシーケンシャル方式がある。フィールドシーケンシャル方式の特徴は、マイクロカラーフィルター方式のように空間を三原色で分割しないために、高い解像度が容易に得られ、カラーの文字パターンが見やすいこと等がある。しかし、この方式を達成するには、1画面の書き込み速度が速いこと、中間調表示が可能であること等が必要である。本発明の素子はこれらの要求を満たす特性を有しており、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を提供することができる。
【0037】
本発明のフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置について図4に示す。前述した本発明の液晶表示素子1の背面から光を照射する照射手段8を設けた液晶表示装置であって、該照射手段8が、光源手段6と入射手段5と操作手段7を有し、該操作手段7が、液晶表示素子1の表示状態に応じて照射光の選択及び/又は照射強度の調節をすることを特徴としている。この構成によれば、照射手段8は、液晶表示素子1の表示状態に応じて、三原色の切り替えができるものである。また、液晶表示素子1は、必要とする三原色の光量に対し選択及び/又は調整するシャッターとして機能するものである。
【0038】
光源手段6は、光源、ランプハウス、湾曲反射板等で構成される。光源は、三原色を含む白色光でも良く、三原色を発光するものでも良い。三原色を含む白色光源の場合、入射手段5に三原色赤R、緑G、青Bを各々に分ける機能を必要とする。三原色を発光する光源の場合、三つの光源を切り替えて使用することもでき、一つの光源を所定時間内で三原色に切り替えても良い。三つの光源を使用する場合、本装置の光学軸2に対して所定の角度で液晶表示素子1面に光を入射させる機能を入射手段5に保有させる。この様な光源としては、熱陰極管、冷陰極管、蛍光管、ネオン管、ブラウン管、LEDランプ又は発光ダイオード等が好ましく、これらより適宜所望の光源を単独あるいは併用して用いることができる。
【0039】
入射手段5は、光源手段6の光を赤R、緑G、青Bの三原色に分ける機能、所定時間内で三原色赤R、緑G、青Bを順次切り替える機能、これらの光を各々本装置の光学軸2に対して所定の角度で液晶表示素子1面に光を入射させる機能等を有している。三原色に分ける機能は、光学フィルター、干渉フィルター、ダイクロイックミラー等を適宜組み合わせて用いて得ることができる。尚、三原色を発光する光源手段6の場合、特段の理由がなければ不要となる。三原色を順次切り替える機能は、機械式チョッパー、シャッター等を用いて得ることができる。尚、三原色の切り替えを光源手段6で有する場合、特段の理由がなければ不要となる。液晶表示素子1面に光を入射させる機能は、アパーチャー、光学レンズ等を用いて得ることができる。
【0040】
操作手段7は、液晶表示素子1の表示状態に応じて、上記光源手段6及び/又は入射手段5に働く機能を有している。即ち、三原色の光を発生させ、順次例えば赤R、緑G、青Bの順で切り替え、これらの光を液晶表示素子1に入射させることを制御する操作ができるものである。液晶表示素子1の表示状態がこの表示素子の駆動手段4によって決定されている場合には、表示状態に関わる必要な信号を操作手段7にも同時に送信することもできる。また、装置全体を制御できる手段を新たに設けて、この新たな手段で操作手段7と表示素子の駆動手段4を制御する等の方法も採ることができる。いずれにしても、照射手段8として、液晶表示素子1の表示状態に同期して三原色の光を選択及び/又は調整する機能を有する。
【0041】
上記照射手段8のより具体的な例には以下のものがある。光源手段6として赤緑青の三原色を発光する三つのLEDランプを設け、操作手段7でこれらのLEDランプを切り替え可能とし、液晶表示素子1面に垂直に入射させる入射手段5からなる照射手段8を作製した。光源手段6として赤緑青の三原色を含む白色光源メタルハライドランプを設け、入射手段5として円盤状の基板に、赤の光学フィルターを有する窓9、緑の光学フィルターを有する窓10、青の光学フィルターを有する窓11を配置した回転チョッパー(図5に示す)を用い、この回転チョッパーを液晶表示素子1の表示状態に同期した周期で回転させることができる操作手段7からなる照射手段8を作製した。
【0042】
尚、これらは一例であり、本発明を限定するものではない。
【0043】
次に、図1中の6’の光源を、上記最初に記載の照射手段8に置き換えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を作製し動作させた。タイムチャートを図6に示す。このタイムチャートは、ライン数が1024のSXGAに相当する表示方式を示している。また、この液晶表示装置を動作させて、スクリーン上に映像を投射した。スクリーン上で得られたカラー表示範囲を図7に示す。高分子安定化強誘電性液晶表示素子(PS−FLCD)は、広い表色特性を有していた。
【0044】
本発明の液晶表示装置は、投影するスクリーンに対して更に必要に応じて図4に示すような出射手段3を設けることができる。この出射手段3は、スクリーン上の映像の大きさを調整したり、映像の鮮明さを確保したりする等の機能を有するものである。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
厚さ1.1mmで、大きさ15mm×10mmのITO透明電極付きガラス基板上に、ポリイミド膜「RN−1199」(日産化学製)を300オングストロームの厚さで形成し、ラビング処理をして配向膜付き基板を得た。得た2枚の配向膜付き基板を、パラレル方向になるように配置し、1.6μmの間隔をもって対向させた空セルを作製した。
【0047】
下記化合物(1)と化合物(4)を各々50重量部ずつと
【0048】
【化8】
Figure 0004446410
光重合開始剤「イルガキュアー651」(チバガイギー社製)1重量部からなる液晶性アクリレート組成物を調製した。この液晶性アクリレート組成物は、室温でネマチック液晶相を示し、透明点は41℃であった。この液晶性アクリレート組成物2重量%と強誘電性液晶「FELIXM4851/100」(Hoechst社製)98重量%からなる光硬化性組成物を調整した。
【0049】
空セルと光硬化性組成物を80℃に保ちながら、空セルに光硬化性組成物を注入した。このセルを室温まで冷却し、光硬化性組成物をカイラルスメクチックC相に相転移させた。次に電極間に4Vの電圧を印加しながら、60mJ/cm2の紫外線を照射した。紫外線照射後、セル中の液晶分子の配向を電圧無印加状態において偏光顕微鏡で調べたところ、液晶分子は容易軸から右に8度傾いていた。この液晶セルの両側に偏光フィルムを貼った。片面の偏光フィルムの偏光軸は、容易軸から右に8度傾いた方向と平行方向に、もう片面の偏光フィルムの偏光軸は、容易軸から右に8度傾いた方向と直角方向をなすようにした。以上により、本発明に関わる高分子安定化強誘電性液晶素子を得た。
【0050】
(実施例2)
上記で得られた高分子安定化強誘電性液晶素子は、非対称的なV−shape動作を有する。この素子を図1で示したTFT駆動と等価な回路を用いて動作させた。ここで、図1中の2’のアナログスイッチは、アクティブ素子のゲート信号のパルス幅に相当する時間を任意に設定することができる。ゲート信号のパルス幅tgを100μsecと2.5μsecにした場合の電気光学特性を測定した。蓄積容量Csを単位画素間の液晶層が有する静電容量CCellと等しくした本発明の素子と蓄積容量がない本発明外の素子について得られた電気光学特性の結果を図2に示す。尚、フレーム周波数は60Hzとした。
【0051】
蓄積容量Csを有している本発明の素子は、ゲート信号のパルス幅tgが2.5μsecにおいても、光量を損なうことなく動作していることが示された。更にまた、高密度の表示を目的にした場合、ゲート信号のパルス幅tgを2.5μsecより更に短くして使用できることが示された。
【0052】
本発明の素子は、線走査の駆動により表示させることができる。1ラインの線走査に要する時間がゲート信号のパルス幅tgであるとした場合、1フレーム時間でできる線走査の全ライン数は、(1フレーム時間)/(ゲート信号のパルス幅tg)で決められる。本実施例の場合、この線走査のライン数は6666ラインとなる。このことから、本発明の液晶表示素子は、より高い密度の表示が可能であり、動画表示も可能であり、SXGAやVXGAの表示ができることが確認された。
【0053】
(実施例3)
光源手段として赤緑青の三原色を発光する三つのLEDランプを設け、操作手段でこれらのLEDランプを切り替え可能とし、液晶表示素子面に垂直に入射させる入射手段からなる照射手段を作製した。次いで、図1中の6’の光源を前記照射手段に置き換えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を作製し動作させた。タイムチャートを図6に示す。この液晶表示装置を動作させて、スクリーン上に映像を投射した。スクリーン上で得られたカラー表示範囲を図7に示す。高分子安定化強誘電性液晶表示素子(PS−FLCD)は、広い表色特性を有していた。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、高分子安定化強誘電性液晶を用いた素子の応答性を改良し、高品位表示、例えばXGA、SXGA、VXGAの表示が可能な液晶表示素子を達成し、これによりフルカラーの高精細液晶表示や動画表示を可能にした。更に、この素子とフィールドシーケンシャル方式を用いた液晶表示装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】TFT駆動と等価な回路を示した図である。
【符号の説明】
1’ バッファアンプ
2’ アナログスイッチ
3’ 制御回路
4’ バッファアンプ
5’ デジタルオシロスコープ
6’ 光源
7’ 液晶表示素子
8’ ホトマル
9’ ポーララーザー
10’ アナライザー
【図2】本発明の液晶表示素子及び本発明外の液晶表示素子をTFT駆動させた場合の電気光学特性を示した図表である。
【図3】カラー化フィールドシーケンシャル方式の表示におけるフレーム周波数とゲート信号のパルス幅の関係を示した図表である。
【図4】本発明のフィールドシーケンシャル方式のブロック図である。
【符号の説明】
1 本発明の液晶表示素子
2 光学軸
3 出射手段
4 表示素子の駆動手段
5 入射手段
6 光源手段
7 操作手段
8 照射手段
【図5】本発明の液晶表示装置における入射手段の一例である回転チョッパーを示す図である。
【符号の説明】
9 赤の光学フィルターを有する窓
10 緑の光学フィルターを有する窓
11 青の光学フィルターを有する窓
【図6】本発明の液晶表示装置におけるタイムチャート例を示す図表である。
【符号の説明】
R 赤色
G 緑色
B 青色
【図7】本発明の表示装置で得られたカラー表示範囲を示す図表である。
【符号の説明】
R 赤色
G 緑色
B 青色

Claims (6)

  1. 配向制御膜を付与した一対の電極付基板間に液晶層を挟持することにより構成される液晶表示素子において、前記液晶層が少なくとも液晶性(メタ)アクリレートの光硬化物及び強誘電性液晶を含有し、該強誘電性液晶が前記光硬化物からの規制力を受けて配向し、前記電極が複数の単位画素を配列した構造を有し、該単位画素がアクティブ素子及び蓄積容量Csを有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 蓄積容量Csが、単位画素間の液晶層が有する静電容量CCellに対して、0<Cs/CCell≦2の範囲であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 液晶性(メタ)アクリレートが一般式(I)
    Figure 0004446410
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、nは0又は1の整数を表し、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0004446410
    を表し、mは1〜4の整数を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−を表し、Y3は単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表し、Zは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数2〜20のアルケニル基を表す。)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 一般式(I)において、Xは水素原子を表し、nは0を表し、6員環A及びCはそれぞれ独立的に1,4−フェニレン基、又は1,4−トランスシクロヘキシル基を表し、Y1は単結合又は−C≡C−を表し、Y3は単結合を表し、Zはハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すことを特徴とする請求項3記載の液晶表示素子。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子の背面から光を照射する照射手段を設けた液晶表示装置であって、該照射手段が光源手段、入射手段及び操作手段を有し、該操作手段が前記液晶表示素子の表示状態に応じて照射光の選択及び/又は照射強度の調節をすることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 光源手段が、熱陰極管、冷陰極管、蛍光管、ネオン管、ブラウン管、LEDランプ又は発光ダイオードから1つ又は2つ以上選ばれる手段であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
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