JP3255250B2 - 液晶光学ローパスフィルタ - Google Patents

液晶光学ローパスフィルタ

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JP3255250B2
JP3255250B2 JP12797193A JP12797193A JP3255250B2 JP 3255250 B2 JP3255250 B2 JP 3255250B2 JP 12797193 A JP12797193 A JP 12797193A JP 12797193 A JP12797193 A JP 12797193A JP 3255250 B2 JP3255250 B2 JP 3255250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶光学ローパスフィ
ルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオカメラ等の撮像素子として
CCD(電荷結合素子)等が用いられている。しかし、
CCDは、受光画素部分が離散的であるために、結像し
た画像出力にモアレ縞パターンや色偽信号が生じてしま
う。
【0003】これを防止するために、図18に示すよう
に、撮像装置としてのビデオカメラの受光部にあるCC
D撮像素子10の前面に水晶フィルタ11等のローパスフィ
ルタが単独あるいは積層して用いられている。更に、赤
外光をカットするフィルタ12を積層する場合もある。な
お、図中の13は絞り、14は集光レンズである。
【0004】このローパスフィルタは図19に示すよう
に、1枚の水晶板の場合には、入射光をその複屈折を利
用して2点ボケにしたり、さらに光軸の周りに回転させ
た水晶板の積層により2点像を4点像に、さらに高画質
化のために図20のように、3枚重ねで7点像としてぼか
し、ローパスフィルタ特性を向上させている。
【0005】即ち、このように入射光をぼかすことによ
り、画像情報の空間周波数の高い成分を除去でき、モア
レ縞及び色偽信号等の問題を回避することができる。但
し、図19の場合は、y方向のみ高周波成分をカット若し
くは分散できるが、図20ではx、yの両方向において高
周波成分をカット若しくは分散でき、低周波成分の感度
を保持したまま高周波成分の画像への影響を一層なくす
ことができる。
【0006】しかしながら、上記ローパスフィルタに用
いる水晶板では、位相差を稼ぐためには、板の厚みをか
なり厚くしなければならないので、重量、容積率の低
減、さらにはコストの低減が望まれていた。
【0007】他方、液晶を用いた光学ローパスフィルタ
が特開昭59−29236 号公報において知られている。しか
しながら、このローパスフィルタは光散乱を応用したも
のであるため、光散乱に伴う迷光の発生により、画像の
黒レベルのバックグラウンドが上がり、特に夜景等の暗
い映像においてコントラストが低下する等の問題があ
る。
【0008】また、位相制御を用いた方法としては、特
開昭59−228622号、同61−258570号公報に示されたもの
がある。ところが、これらの場合、液晶の持つ大きな複
屈折異方性は利用できるものの、少なからず2点ボケ程
度しか得られない。また、液晶として、ネマチック液晶
のねじれ構造とその電気光学的作用についての記述はあ
るが、有効な位相制御範囲ではネマチック液晶のねじれ
構造の利用は実現できず、しかも、液晶層も厚くなるた
めに、特に可視光短波長側でネマチック液晶が本質的に
有する液晶ダイレクタの熱揺らぎによる光散乱の発生を
防ぐ手段がなく、この光散乱の影響により前述の迷光の
問題が生じ、実用に供しえないこともあった。
【0009】
【発明に至った経過】本発明者は、上記したネマチック
液晶のもつ問題について以下に述べるように種々検討を
加えた。これについて、図21〜図24を参照して説明す
る。
【0010】ネマチック液晶を用いた光学ローパスフィ
ルタ 図21のフローチャートに従って、光学ローパスフィルタ
21の作製を行った。ガラス基板2として光学ガラス(B
K7:オハラ株式会社製)を用い、ガラス片面に配向膜
4を形成した。この配向膜としては、無機系の配向膜で
あるSiOの斜方蒸着膜を用いた。
【0011】SiOの斜方蒸着膜を形成する方法として
は、SiO真空蒸着装置内に、SiO蒸着源から鉛直上
に基板を配し、鉛直の線と基板法線のなす角を85度とし
て設置した。SiOを基板温度 170℃で真空蒸着後、 3
00℃、1時間の焼成を行った。
【0012】このようにして作製した配向膜付きの基板
の一対を、その配向処理方向が対向面で反平行となるよ
うに組み、そのスペーサとして目的ギャップ20に応じた
厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホ
イル:50〜250 μm)を用いた。ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(PET)はその平面性を向上させるた
めに、所定の寸法に切り出した後、3mm厚のガラス板に
挟み、その上に約100グラムの定加重を加え、 100℃で
1時間の熱処理を行った。
【0013】その後、2枚のガラス基板間にスペーサを
挟み、ギャップをとった後、セルの周囲に液晶の注入孔
を確保してUV硬化型の接着剤(UV−1000:ソニーケ
ミカル社製)で接着した。その後、ネマチック液晶22を
室温あるいは等方相温度で注入した。注入孔周囲のガラ
ス基板上の液晶を除去した後、エポキシ系の接着剤で封
止し、光学ローパスフィルタを作製した。
【0014】ここで、非カイラルネマチック液晶材料と
してメルク社製ZLI−2008−000を用いた。Z
LI−2008−000は融点−6℃、ネマチック相温
度範囲−20〜64℃である。複屈折率異方性はΔn=ne
−no =1.707 −1.517 =0.19である。この液晶を用い
て光学ローパスフィルタの特性を持たせるためには、図
24の様な液晶ダイレクタの傾きを達成しなければならな
い。
【0015】ここで作製したローパスフィルタに使用し
たガラス基板2はBK7であり、寸法は図23の通りであ
る。そして、基板面内の軸を図23、24のようにx、yと
し、基板法線方向をzとすると、液晶ダイレクタの配向
様式は図の様にθ、φを用いて表すことができる。ここ
で、x軸方向がラビング方向に対応し、同時にCCD撮
像素子の水平走査線方向と一致させた。
【0016】ここでいう、ネマチック液晶の液晶ダイレ
クタの傾きとは、θのことを意味し、液晶のプレチルト
角α(rad.)とは、α=(π/2)−θの関係がある。ネ
マチック液晶が螺旋を形成する場合には、z方向のシフ
トに伴い、φが回転するように液晶の配列操作を行う。
【0017】そして、上記の如くにして、ZLI−20
08−000液晶を注入して作製した液晶ローパスフィ
ルタ21について以下のフィールドテストを行った。
【0018】ネマチック液晶光学ローパスフィルタを用
いたフィールドテスト 入射光のボケが確認されたネマチック液晶セルについて
は、ネマチック液晶本来の性質である液晶ダイレクタの
熱揺らぎによる光散乱による曇りが発生する。特に、実
用的なボケ量を得るためには液晶層の厚みを厚くしなけ
ればならないため、光散乱が増え、 400〜500nm の透過
率が悪くなり易い。
【0019】ソニー社製のビデオカメラ:ハンディカム
Sony TR−900[1/3'CCD](これは図18に示したものと
同等)に、赤外カットフィルタ12のみを残し、水晶フィ
ルタ11を水晶フィルタ21と置き換えて実装し、フィール
ドテストを行った結果、光学ローパスフィルタの特性が
ある程度認められ、モアレ縞、色偽信号を低減すること
ができた。
【0020】ところが、昼光及び室内光でのテストでは
問題ないが、夜間での点光源(車のヘッドライト等)に
対してはバックグラウンドが持ち上がってしまい、霧が
かかったような画像になり、画質が低下してしまった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ロー
パスフィルタ機能を十分発揮すると共に、素子の厚みを
小さくして重量、容積率、コストを低減し、かつ、光散
乱を低減することのできる液晶光学ローパスフィルタを
提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、互いに
対向した第1基体(例えば、光学的に透明なガラス基
板)と第2基体(例えば、光学的に透明なガラス基板)
との間に、これらの基体の法線に沿う方向に螺旋軸を有
する液晶配向をなすように前記第1及び第2の基体に対
し垂直の配向処理がなされかつ使用温度でカイラルスメ
クチック相を示す液晶組成物が注入されており、かつこ
の液晶組成物が前記第1及び第2の基体と平行な複数の
カイラルスメクチック層を形成している液晶光学ローパ
スフィルタに係るものである。
【0023】本発明において、上記の「法線に沿う」と
は、法線に平行であること(法線方向)以外にも、法線
方向からみて±10度以内の範囲内にある方向も包含する
ものとする。
【0024】上述した従来例の問題点について鋭意検討
を加えた結果、ローパスフィルタとして水晶板に代えて
単に液晶を使用するのではなく、高周波成分のカット機
能(入射光のボケ又は分散)を良好に発揮しながら上述
した光散乱を低減させるために、カイラルスメクチック
液晶を用いることを考え、本発明に到達したものであ
る。
【0025】本発明に用いるカイラルスメクチック液晶
自体は強誘電性液晶として良く知られた材料であるが、
従来はアクティブな電気光学素子としての応用が主に行
われていた。カイラルスメクチック液晶は図1に示すよ
うな層構造を有し、層が光軸の周りに回転するねじれ構
造をとることが知られている。しかも、層間の相互作用
が少ないため、液晶層中央部でのダイレクタの傾きをほ
ぼ一定に保つことができるはずである。さらに、ネマチ
ック液晶に比べて液晶ダイレクタの熱揺らぎによる光散
乱による曇りの影響が少ないという性質を有している。
【0026】ネマチック液晶では実用上、光散乱の影響
のために適用範囲(セルギャップ長等)が制約され、し
かもネマチック型の液晶を用いた系では水晶フィルタ1
枚の時と同じであり、例えば水平方向の走査線のみのロ
ーパスフィルタ特性しかないことが判明したが、本発明
者は鋭意努力の結果、全方位に亘ってのローパスフィル
タ特性を実現する上で、液晶ダイレクタの方位を光軸の
周りに回転させ、液晶の螺旋構造をとらせることがカイ
ラルスメクチック液晶のねじれ構造を光学的に利用する
ことによって実現できることを見出した。さらに、スメ
クチック液晶を用いれば、この傾きをセル内で一様に保
持し、さらにネマチック液晶では致命的となっていた特
に可視光短波長側での光散乱による迷光の発生を抑える
ことができるとの結論に至った。スメクチック液晶はネ
マチック液晶よりも分子間相互作用が強く、高次の規則
性を有し、液晶分子ダイレクタの熱揺らぎが少ないため
に、そのダイレクタ方位の揺らぎによる屈折率の揺らぎ
が小さいため、光散乱の度合いが少ないと考えられる。
【0027】本発明において、上記の第1基体と第2基
体との対向面にそれぞれSiO斜方蒸着膜等の液晶配向
膜及び/又はITO(酸化インジウムにスズをドープし
たもの)等の透明電極が形成されていることが望まし
い。
【0028】また、上記の配向膜は、液晶の螺旋軸を基
体法線に沿う方向(特に法線方向)に向けるために、垂
直配向膜であることが望ましい。
【0029】本発明による液晶光学フィルタの製造過程
において、液晶の垂直配向処理を行うには、垂直配向膜
を設けること以外にも、互いに対向した上記の第1基体
と第2基体との間に、使用温度でカイラルスメクチック
相を示す液晶組成物を注入した後、この液晶組成物を等
方相から室温にまで冷却する過程で前記基体の法線に沿
う方向に磁場(強度は特に2T以上)を印加することが
できる。
【0030】また、他の垂直配向処理方法としては、対
向面にそれぞれ上記の第1透明電極及び第2透明電極が
形成された上記の第1基体及び第2基体を互いに対向さ
せ、これらの基体間に、使用温度でカイラルスメクチッ
ク相を示す液晶組成物を注入した後、この液晶組成物を
等方相から室温にまで冷却する過程で前記第1透明電極
と前記第2透明電極との間に電圧(特に交流電圧)を印
加することができる。
【0031】この電圧印加は、液晶組成物が少なくとも
カイラルネマチック相を示す状態において行うことが望
ましい。また、印加する交流電圧は、±0.2 V〜±160
V/μm、1Hz〜10MHz とするのがよい。
【0032】なお、従来の水晶板を用いたローパスフィ
ルタでは、その複屈折率異方性Δn=ne −no =0.00
91であるため、CCD撮像素子のモアレ縞や色偽信号等
を除去するためには1枚当たり1mm程度の厚みを必要と
していた。そして、高画質化の為には3枚重ねる必要が
あり、更に厚みを伴い、コストも高くなる。そこで、本
発明では、複屈折率異方性の大きな材料として液晶(Δ
n=ne −no ≒0.10〜0.25)を用いることにより、重
量、容積率、コストの低減が図れることになる。
【0033】スメクチック液晶には、その配列様式に従
って、SmA、SmB、SmC、SmD、SmE、Sm
F、SmG、SmH、SmIなどとして分類されている
(液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、p.112
(1990)参照)。これらのスメクチック液晶分子中にカ
イラル構造を含むことにより、さらに細分化される(例
えばカイラルスメクチックC:SmC* )。
【0034】本発明で使用可能なスメクチック液晶を以
下に例示する。
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】〔1〕スメクチックA液晶あるいはスメク
チックC液晶の例としては、以下に示す様な化合物の単
体、あるいはこれら液晶のブレンドにより室温を含む温
度範囲でSmAあるいはSmC相を広げた液晶組成物が
適用できる。
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】〔2〕高次のスメクチック相(SmI、S
mF、SmJ、SmG、SmK、SmH、SmE、Sm
L等)等を示す例としては その代表例として
【化11】
【0045】また、上述したすべてのスメクチック液晶
を示す液晶を選択し、必要に応じて混合することによ
り、更に各相の温度範囲の広い液晶組成物を得ることが
できる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。
【0047】図1は、本実施例による液晶光学ローパス
フィルタ31を概略的に示すものである。
【0048】このローパスフィルタ31によれば、互いに
対向した透明ガラス基板2と2との対向面にそれぞれ配
向膜4が形成され、これらの配向膜側においてガラス基
板2と2との間の間隙(ギャップ)30内に液晶32が注入
されている。この液晶は、使用温度でカイラルスメクチ
ック相をなす液晶組成物である。そして、図示した方向
にラビング処理された配向膜4が基板2の対向面に設け
られている。
【0049】カイラルスメクチック液晶32は、図面に示
すような層構造を有し、層が光軸の周りに回転する(基
板法線方向に螺旋軸を有する液晶配向をなす)ねじれ構
造をとり、しかも、層間の相互作用が少ないため、液晶
層中央部でのダイレクタの傾きをほぼ一定に保つことが
できる。さらに、ネマチック液晶に比べて液晶ダイレク
タの熱揺らぎによる光散乱による曇りの影響が少ないと
いう性質を有している。
【0050】また、このフィルタの周辺部は、図示した
如く、スペーサ23が設けられてギャップ30が保持され、
かつ、接着剤24で封止されている。
【0051】次に、本例の光学ローパスフィルタを具体
的に説明する。
【0052】カイラルスメクチック(SmC* )液晶を
用いた光学ローパスフィルタ 1.SmC* 液晶の光学特性 使用したSmC* 液晶の相転移温度とSmC* でのプレ
チルト角、ピッチ長、屈折率異方性を下記に示す。 CS−1017: Iso 68, N* 64, SmA 55, SmC*
-20, Cr CS−1015: Iso 78, N* 68, SmA 57, SmC*
-17, Cr CS−1014: Iso 81, N* 69, SmA 54, SmC*
-21, Cr CS−3000: Iso 80, N* 71, SmA 60, SmC*
-37, Cr
【0053】
【0054】図2には、カイラルスメクチックC相にお
ける物性パラメータの定義を示す。ここで、チルト角と
は、スメクチック液晶層の層法線に対する液晶分子の傾
きを意味する。さらに、ピッチ長は、液晶分子が層法線
方向にシフトしたときの液晶方位の回転により1回転す
るときの層法線方向の長さである。また、屈折率異方性
とは、液晶分子の長軸方向の屈折率をne 、短軸方向の
屈折率をno としたときの、差Δn=ne −no であ
る。
【0055】2.垂直配向膜法による垂直配向処理 SmC* 液晶タイプの配向について、垂直配向膜による
液晶配向法を行った。セルの作製プロセスを図3に示し
た。
【0056】垂直配向処理剤としては、例えば市販のポ
リイミド配向膜(日産化学社製のサンエバー722)を用い
た。透明ガラス基板(BK−7)を洗浄後、溶剤に希釈
したポリアミド酸をスピンキャスト法により基板材料に
塗布し、80℃、15分、さらに240℃、1時間で熱処理す
ることによりイミド化し、薄膜(10〜150nm)を形成し
た。
【0057】垂直配向膜の場合は、熱処理後にラビング
することなくセルを組んだ。セルの組み立てに際して
は、配向膜形成側を対向せさ、スペーサとして既述のP
ETフィルムを用い、セルを組み立てた。セルの組み立
て方法は既述したと同じ方法である。
【0058】セルの組み立て後、カイラルスメクチック
液晶を等方相(Iso)温度あるいはカイラルネマチッ
ク相(N* )温度でセル注入孔より減圧下で注入した。
液晶注入を完了後、温度を室温まで戻し、注入孔周囲の
ガラス基板上の液晶を除去したのち、エポキシ系の接着
剤で封止した。
【0059】その後、図4に示すように、垂直配向膜4
を用いた配向処理プロセスにより、スメクチックA(S
mA)、更にはカイラルスメクチックC(SmC* )へ
相転移させると共に、垂直配向を達成し、光学ローパス
フィルタ31を作製した。
【0060】以下に、各種カイラルスメクチック液晶に
ついての結果を示す。 CS−1017、1014:垂直配向剤〔日産化学サンエバー72
2 〕を用いて、SmC* 相の配向を試みた。ガラス基板
に塗布した系では、CS−1017、CS−1014共に、50μ
m、 100μmギャップでは、液晶注入後の真空オーブン
内での徐冷で良く配向した。しかし、 250μmギャップ
ではその状態では配向せず、さらに等方相温度からの徐
冷〔-0.2℃/min.〕により配向に成功した。こうした配
向膜を用いた方法では、保存安定性が改善された。
【0061】CS−3000:セルにCS−3000をIso 相で
注入し、室温まで冷却後、接着剤で封止した。そのセル
をホットステージでTiso+5℃の温度から冷却速度 0.1
℃/min で徐冷した。その結果、 250μmギャップセル
が良配向性を示した。この 250μmギャップセルセルに
おいて、顕微鏡下でのボケを観察したところ、図7のよ
うに、二次元的に大きな等方性のボケが顕微鏡下で確認
された。
【0062】3.カイラルスメクチック液晶タイプにお
けるMTF特性(I) カイラルスメクチック液晶を上記した如くに垂直配向さ
せると、液晶のチルト角、螺旋構造を利用することによ
り、光散乱のない、光学的に透明でかつ等方的なボケを
与えることが顕微鏡下で確認することができた。このボ
ケの観察では、図6に示すように、反射型の顕微鏡シス
テム(Nikon Opti-Photo Pol)を用いて曇りガラ
ス表面の輝点(約1μm径)のボケを観察した。
【0063】上記のセルについて、各液晶の物性パラメ
ータ、セルギャップなどをまとめて図8の表1に示し
た。
【0064】MTF(鮮鋭度)測定はキャノン製LA−
G10 MkIII を用いた。MTF値の空間周波数の単
位:1p/mmの1pは、line pairs の意味であって白
黒のラインの1ペアでカウントしたときの空間周波数を
表す。また、MTF特性の方位依存性を見るために、方
位角φを定義した(図5)。ここでは、H方向(φ=0
°)、φ=30°、φ=60°、V方向(φ=90°)を測定
した。結果の一部を図8の表2に示した。
【0065】いずれの試料も、φに関してほぼ等方的な
ボケを示していることが分かった。即ち、MTF値は各
方位のいずれも、十分に低下しており、特に空間周波数
が大きくなるに従って低下量が大きくなっている。
【0066】4.カイラルスメクチック液晶光学ローパ
スフィルタを用いたフィールドテスト カイラルスメクチック液晶を用いた光学ローパスフィル
タは、光散乱による 400〜500nm 近傍の透過率低下が見
られなかった。
【0067】ソニー社製のビデオカメラ:ハンディカム
Sony TR−900[1/3'CCD](これは図18に示したものと
同等)に、、赤外カットフィルタ12のみを残して水晶フ
ィルタを上記条件の液晶フィルタ31と置き換えて図9の
ように実装した(図中の23はスペーサ、24は接着層であ
る)。図10は、同ビデオカメラの詳細断面図である。
【0068】フィールドテストを行った結果、光学ロー
パスフィルタ31の特性が認められ、昼光及び室内光のテ
スト結果は勿論のこと、夜間での背景の黒レベルを上昇
させることがなく、モアレ縞、色偽信号を除去させるこ
とができた。
【0069】上記した如く、光学ローパスフィルタとし
てカイラルスメクチック液晶を垂直配向させ、その液晶
ダイレクタを回転させ、そのチルト角により光軸から液
晶ダイレクタを傾けることにより、高度の光学ローパス
フィルタとしての特性を実現できた。そして、光散乱の
影響を除去できるため、従来の水晶の光学ローパスフィ
ルタの代替を初めて達成できた。さらに、スメクチック
液晶のねじれ構造を光学的に利用することができるの
で、従来の2点ボケの様にボケ方位を一方向ではなく、
方位方向の分布を持たせることができるため、従来の水
晶の積層枚数を減ずることができる。
【0070】5.磁場配向法による垂直配向処理 SmC* 液晶タイプの配向について、磁場印加による液
晶配向法を行った。セルの作製プロセスを図11に示し
た。
【0071】透明ガラス基板(BK−7)を洗浄後、P
ETフィルムをスペーサ(75μm)としてセルを組ん
だ。セルの組み立て方法は既述したものと同じ方法であ
る。
【0072】一方、配向膜を併用する場合、例えば市販
のポリイミド配向膜(日産化学社製のサンエバー722)を
用いた。透明ガラス基板(BK−7)を洗浄後、溶剤に
希釈したポリアミド酸をスピンキャスト法により基板材
料に塗布し、80℃、15分、さらに240 ℃、1時間で熱処
理することによりイミド化し、薄膜(10〜150nm)を形成
した。
【0073】垂直配向膜の場合は、熱処理後にラビング
することなくセルを組んだ。セルの組み立てに際して
は、配向膜形成側を対向せさ、スペーサとして既述のP
ETフィルムを用い、セルを組み立てた。
【0074】セルの組み立て方法としては、配向膜付き
の基板をその配向膜形成側を対向させるように組み、そ
のスペーサとして目的ギャップに応じた厚さのポリエチ
レンテレフタレートフィルム(ダイアホイル:50〜250
μm)を用いた。ポリエチレンテレフタレートフィルム
(PET)はその平面性を向上させるために、所定の寸
法に切り出した後、3mm厚のガラス板に挟み、その上に
約100グラムの定加重を加え、 100℃で1時間の熱処理
を行った。
【0075】その後、2枚のガラス基板間にスペーサを
挟み、ギャップをとった後、セルの周囲を液晶の注入孔
を確保してUV硬化型の接着剤(UV−1000:ソニーケ
ミカル社製)で接着した。セル組み立て後、カイラルス
メクチック液晶を等方相温度あるいはカイラルネマチッ
ク相温度でセル注入孔より減圧下で注入した。液晶注入
を完了後、温度を室温まで戻し、注入孔周囲のガラス基
板上の液晶を除去したのち、エポキシ系の接着剤で封止
した。
【0076】その後、図12に示す磁場配向処理プロセス
(Hは磁場)により、光学ローパスフィルタを作製し
た。以下に、各種カイラルスメクチック液晶についての
結果を示す。
【0077】(1)配向膜のない場合の磁場配向 配向膜のないガラスセル中に液晶を注入し、磁界強度
0.8T(テスラ)の電磁石で配向を行った(磁界は直
流:以下、同様)ところ、配向効果は認められなかっ
た。磁界強度 1.5Tの電磁石で配向を行ったところ、若
干の配向効果は認められたが、いずれも不完全なもので
あった。そこで、273MHzNMR用の超伝導マグネット
(図13:日本電子株式会社製)を用い、磁界強度 6.2T
を印加したところ、液晶配向の効果が顕著に認められた
(磁界強度2T以上とすれば、配向効果は向上すること
も分かった)。以下にその具体例を示す。
【0078】CS−1014:75μmギャップのCS−1014
セル(配向膜なし)を固体NMRの試料アタッチメント
の上部に貼付け、Iso 相まで加温した後、 6.2Tの磁場
を印加し、室温まで自然冷却した(図12)。この状態で
かなり垂直配向しているが、まだ若干の曇りがある。こ
のセルをホットステージ内に格納し、30℃から57℃まで
15分程度で昇温した。57℃で約 2.5時間アニール後、
0.2℃/min.で32℃まで冷却後、直ちに38〜43℃で 1.5
時間アニールすると、曇った部分が透明に変化した。
【0079】(2)配向膜のある場合の磁場配向 CS−1017:125μm、 188μmギャップのCS−1017
セル(垂直配向膜有り)を冷却する場合、冷却が−2℃
/min.と速やかに行われると、均一な垂直配向が得られ
ない場合があり、その結果、光散乱を生じてしまう。こ
の冷却過程で磁場印加を併用することにより、均一な垂
直配向が得られる。
【0080】具体的には、固体NMRの試料アタッチメ
ントの上部に貼付け、Iso 相まで加温した後、 6.2Tの
磁場を印加し、室温まで自然冷却した(−2℃/min)
(図13)。この状態でかなり垂直配向しているが、まだ
若干の曇りがある。このセルをホットステージ内に格納
し、30℃から57℃まで15分程度で昇温した。57℃で約
2.5時間アニール後、 0.2℃/min.で32℃まで冷却後、
直ちに38〜43℃で 1.5時間アニールすると、曇った部分
が透明に変化した。
【0081】さらに、SmC* タイプの上記各セルでは
クロスポーラライザ下での回転による明暗の変化は認め
られず、ダイレクタが均一に回転していることを確認し
た。
【0082】6.カイラルスメクチック液晶タイプにお
けるMTF特性(II) カイラルスメクチック液晶を上記のように磁場垂直配向
させることにより、液晶のチルト角、螺旋構造を利用す
ることにより、光散乱のない光学的に透明で、かつ等方
的なボケを与えることが顕微鏡下で確認することができ
た。これらのセルについて、各液晶の物性パラメータ、
セルギャップなどをまとめて図14の表3に示した。
【0083】MTF測定は上述したようにして行った。
その代表例として、CS−1017の結果を図14の表4に示
した。φに関してほぼ等方的なボケを示していることが
分かった。
【0084】また、上記のようにしてフィールドテスト
を行ったところ、上記したと同様、光散乱による 400〜
500nm 近傍の透過率低下が見られなかった。また、実装
によるフィールドテスト(図10)を行った結果、光学ロ
ーパスフィルタの特性が認められ、昼光及び室内光での
テストは勿論のこと、夜間での背景の黒レベルを上昇さ
せることなく、モアレ縞、色偽信号を除去することがで
きた。
【0085】光学ローパスフィルタとしてカイラルスメ
クチック液晶を磁場垂直配向させ、その液晶ダイレクタ
を回転させ、そのチルト角により光軸から液晶ダイレク
タを傾けることにより、高度の光学ローパスフィルタと
しての特性を実現できた。
【0086】7.電場配向法による垂直配向処理 SmC* 液晶タイプの配向について、電界配向法を行っ
た。セルの作製プロセスを図15に示した。
【0087】電界配向処理用として、洗浄したガラス基
板(BK−7)上に 100Ω/□の透明電極(ITO)を
設けたものを用いた。透明電極の形成法は、抵抗加熱
法、エレクトロンビーム法、スパッタ法、イオンプレー
ティング法等、その方法を問わない。
【0088】電極形成後、電極側を対向させ、スペーサ
として前述のPETフィルム用い、セルを組み立てた。
セルの組み立て方法は既述したものと同じ方法である。
【0089】セル組み立て後、カイラルスメクチック液
晶を等方相温度あるいはカイラルネマチック相温度でセ
ル注入孔より減圧下で注入した。液晶注入を完了後、温
度を室温まで戻し、注入孔周囲のガラス基板上の液晶を
除去したのち、エポキシ系の接着剤で封止した。
【0090】その後、図16に示す電場配向処理プロセス
(Eは電場、40はITO電極)により、光学ローパスフ
ィルタを作製した。以下に、各種カイラルスメクチック
液晶についての結果を示す。
【0091】CS−1017:SmC* 液晶はIso温度ある
いはネマチック温度(N,N* )注入後、室温において
注入孔を封止した。この状態では液晶の配向は多結晶的
であるため、光散乱が著しい。
【0092】そこで、図16に示すように、N* 相におい
て、 800Hz、± 800V/50μmの電圧(ピーク・ツウ・
ピーク値)をITO電極間に印加し、これに相当する電
界を印加した状態で冷却し、SmAに入ってすぐに電界
をOFFして放冷した。その後、57℃で2.5h時間アニー
ル、 0.2℃/min.で32℃まで冷却し、38〜43℃で 1.5時
間アニールした。
【0093】この結果、50μmのギャップセルでは、か
なりきれいなモノドメインの垂直配向性を示した。室温
では、チルト角の増大により、液晶ダイレクタは入射光
軸niに対してθの傾斜角を有するようになる。
【0094】これにより、従来のネマチック液晶で問題
になっていた光散乱による曇りはなくなった。さらに、
クロスポーラライザ下での回転による明暗の変化は認め
られず、ダイレクタが均一に回転していると予想され
る。
【0095】CS−1014:CS−1014もCS−1017と同
様の方法により配向処理ができた。ただし、徐冷開始温
度はそのSmC* −SmA相転移温度の2〜4℃上の温
度である。
【0096】なお、上記において、電界を印加する時間
は、少なくともN* 相の状態であればよいが、SmA相
に入っても印加しても差支えない。SmAは自発分極し
ないからである。
【0097】また、印加する電界は、交流電圧によるも
のであることが望ましい。即ち、直流の場合は不純物イ
オンが整流作用を受けて一方へ移動し、乱流を生じる可
能性があるが、交流では不純物イオンが実質的に移動で
きず、液晶均一相が保証されるからである。
【0098】印加する交流電圧は± 0.2V〜± 160V/
μm(ピーク・ツウ・ピーク値)であるのがよい。これ
が低すぎると配向し難く、また高すぎると絶縁破壊が生
じ易くなる。また、周波数は1Hz〜10MHz がよいが、こ
れが低すぎると液晶分子が動き易くなり、また高すぎる
と配向し難くなる。
【0099】8.カイラルスメクチック液晶タイプにお
けるMTF特性(III) カイラルスメクチック液晶を上記のように電場垂直配向
させることにより、液晶のチルト角、螺旋構造を利用す
ることにより、光散乱のない光学的に透明で、かつ等方
的なボケを与えることが顕微鏡下で確認することができ
た。これらのセルについて、各液晶の物性パラメータ、
セルギャップなどをまとめて図17の表5に示した。
【0100】MTF測定は上述したようにして行った。
その代表例として、CS−1014の結果を図17の表6に示
した。φに関してほぼ等方的なボケを示していることが
分かった。
【0101】また、上記のようにしてフィールドテスト
を行ったところ、上記したと同様、光散乱による 400〜
500nm 近傍の透過率低下が見られなかった。また、実装
によるフィールドテスト(図10)を行った結果、光学ロ
ーパスフィルタの特性が認められ、昼光及び室内光での
テストは勿論のこと、夜間での背景の黒レベルを上昇さ
せることなく、モアレ縞、色偽信号を除去することがで
きた。
【0102】光学ローパスフィルタとしてカイラルスメ
クチック液晶を電場垂直配向させ、その液晶ダイレクタ
を回転させ、そのチルト角により光軸から液晶ダイレク
タを傾けることにより、高度の光学ローパスフィルタと
しての特性を実現できた。
【0103】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0104】例えば、上述した光学ローパスフィルタの
各構成部分(特に、液晶や配向膜)の材質や形状、組み
立て方法等は種々変更してよい。基板もガラス板でな
く、他の光学的に透明な材質であればよい。液晶につい
ては、注入時に既に、使用温度で目的とする液晶相を形
成してもよい。
【0105】また、上述した配向膜の材質や配向方法を
種々変化させることもできる。上述した配向膜とITO
透明電極、磁場配向と電場配向、配向膜と電場配向等、
様々な組み合わせで配向処理することが可能である。
【0106】また、上述した配向は基板の法線方向に完
全に一致していなくてもよく、±10度の範囲内にあれ
ば、上述したと同様の効果を得ることができる。
【0107】また、上述の光学ローパスフィルタは、上
述した以外の枚数を組み合わせて様々な複屈折を生ぜし
めたり、或いは水晶板との組み合わせも可能である。
【0108】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、互いに対
向した第1基体と第2基体との間に、これらの基体の法
線に沿う方向に螺旋軸を有する液晶配向をなすように前
記第1及び第2の基体に対し垂直の配向処理がなされか
つ使用温度でカイラルスメクチック相を示す液晶組成物
が注入されており、かつこの液晶組成物が前記第1及び
第2の基体と平行な複数のカイラルスメクチック層を形
成しているので、全方位に亘ってのローパスフィルタ特
性を実現する上で、液晶ダイレクタの方位を光軸の周り
に回転させ、液晶の螺旋構造をとらせることがカイラル
スメクチック液晶のねじれ構造を光学的に利用すること
によって実現でき、さらに、スメクチック液晶を用いれ
ば、この傾きをセル内で一様に保持し、さらにネマチッ
ク液晶では致命的となっていた特に可視光短波長側での
光散乱による迷光の発生を抑えることができる。
【0109】従って、光散乱の影響を除去できるため、
従来の水晶の光学ローパスフィルタの代替を初めて達成
できた。さらに、スメクチック液晶のねじれ構造を光学
的に利用することができるので、従来の2点ボケの様に
ボケ方位を一方向ではなく、方位方向の分布を持たせて
空間周波数に対して等方的なフィルタ処理を得ることが
できるため、従来の水晶の積層枚数を減ずることができ
る。また、複屈折率異方性の大きな液晶を用いているた
め、水晶では期待し難い重量、容積率、コストの低減が
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるカイラルスメクチック液
晶光学ローパスフィルタの概略断面図である。
【図2】同液晶の物性パラメータの説明図である。
【図3】同光学ローパスフィルタの作製フロー図であ
る。
【図4】同光学ローパスフィルタ作製時の液晶配向プロ
セスフロー図である。
【図5】同光学ローパスフィルタのMTF特性評価のた
めの方位角を示す図である。
【図6】入射光のボケ量の測定を説明するための光学系
の概略図である。
【図7】同光学ローパスフィルタによるボケの状態を示
す概略図である。
【図8】同光学ローパスフィルタの物性をまとめて示す
表である。
【図9】本発明の実施例による光学ローパスフィルタの
実装例の概略図である。
【図10】同実装例の具体構造を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施例によるカイラルスメクチッ
ク液晶光学ローパスフィルタの作製フロー図である。
【図12】同光学ローパスフィルタ作製時の液晶配向プロ
セスフロー図である。
【図13】同液晶配向処理に用いる装置の概略図である。
【図14】同光学ローパスフィルタの特性をまとめて示す
表である。
【図15】本発明の更に他の実施例によるカイラルスメク
チック液晶光学ローパスフィルタの作製フロー図であ
る。
【図16】同光学ローパスフィルタ作製時の液晶配向プロ
セスフロー図である。
【図17】同光学ローパスフィルタの特性をまとめて示す
表である。
【図18】従来例による水晶光学ローパスフィルタの実装
状態の概略図である。
【図19】同水晶フィルタ1枚により生じるボケを説明す
る原理図である。
【図20】同水晶フィルタ3枚により生じるボケを説明す
る原理図である。
【図21】ネマチック液晶光学ローパスフィルタの作製フ
ロー図である。
【図22】同光学ローパスフィルタにより生じるボケを原
理的に説明する概略断面図である。
【図23】同光学ローパスフィルタのガラス基板のサイズ
を示す仕様図である。
【図24】同液晶のダイレクタを示す説明図である。
【符号の説明】
2・・・ガラス基板 4・・・配向膜 10・・・CCD(電荷結合素子) 11・・・水晶板(水晶フィルタ) 12・・・赤外カットフィルタ 13・・・絞り 20、30・・・ギャップ 21、31・・・液晶光学ローパスフィルタ 22、32・・・液晶分子(液晶層)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−93912(JP,A) 特開 昭64−65124(JP,A) 特開 昭56−107216(JP,A) 特開 平3−279922(JP,A) 特開 昭56−78822(JP,A) 特開 昭63−151927(JP,A) 特開 平4−131825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 505 G02F 1/1337 G02F 1/137

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向した第1基体と第2基体との
    間に、これらの基体の法線に沿う方向に螺旋軸を有する
    液晶配向をなすように前記第1及び第2の基体に対し垂
    直の配向処理がなされかつ使用温度でカイラルスメクチ
    ック相を示す液晶組成物が注入されており、かつこの液
    晶組成物が前記第1及び第2の基体と平行な複数のカイ
    ラルスメクチック層を形成している液晶光学ローパスフ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】 第1基体と第2基体との対向面にそれぞ
    れ液晶配向膜及び/又は透明電極が形成されている、請
    求項1に記載した液晶光学ローパスフィルタ。
  3. 【請求項3】 配向膜が垂直配向膜である、請求項2に
    記載した液晶光学ローパスフィルタ。
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