JP2003097566A - スラストころ軸受 - Google Patents

スラストころ軸受

Info

Publication number
JP2003097566A
JP2003097566A JP2001291931A JP2001291931A JP2003097566A JP 2003097566 A JP2003097566 A JP 2003097566A JP 2001291931 A JP2001291931 A JP 2001291931A JP 2001291931 A JP2001291931 A JP 2001291931A JP 2003097566 A JP2003097566 A JP 2003097566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stationary
needle
rotating
bearing
raceway
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001291931A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Sato
佳宏朗 佐藤
Hirotoshi Aramaki
宏敏 荒牧
Takeyuki Yoshiba
岳雪 吉場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001291931A priority Critical patent/JP2003097566A/ja
Publication of JP2003097566A publication Critical patent/JP2003097566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/30Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
    • F16C2240/54Surface roughness
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2362/00Apparatus for lighting or heating
    • F16C2362/52Compressors of refrigerators, e.g. air-conditioners

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各構成部材に生じる摩耗を抑えて、軸受寿命
を十分に確保する。 【解決手段】 静止側軌道輪8の側面に設けた静止側軌
道面11と、回転側軌道輪9の側面に設けた回転側軌道
面12との間に、複数のニードル10を放射状に、且
つ、転動自在に設ける。回転側軌道輪9の側面に設けた
回転側軌道面12に関する自乗平均粗さと、上記静止側
軌道輪8の側面に設けた静止側軌道面11に関する自乗
平均粗さとを互いに異ならせている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るスラストころ
軸受(スラストニードル軸受も含む。)は、例えば、自
動車室内の冷房や除湿を行なう為の自動車用空気調和装
置に組み込み、冷媒蒸気を圧縮してから吐出する為の斜
板式コンプレッサ等の回転支持部に組み込んで、スラス
ト荷重を支持する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和装置には、エバポレー
タから送られた高温の冷媒蒸気を圧縮して吐出する為の
コンプレッサを組み込んでいる。この様なコンプレッサ
は、従来から各種の構造のものが知られているが、回転
軸の回転運動を斜板によりピストンの往復運動に変換
し、このピストンにより冷媒の圧縮を行なう、斜板式の
コンプレッサも、特開平11−280644号公報等に
記載されている様に、従来から広く知られている。図1
〜3は、この様に従来から知られている斜板式のコンプ
レッサの1例を示している。
【0003】このコンプレッサ1は、ケーシング2の内
側に回転軸3を回転自在に支持している。即ち、この回
転軸3の両端部を1対のラジアルニードル軸受4a、4
bにより上記ケーシング2の一部に支持すると共に、そ
れぞれがスラストころ軸受の一種である、1対のスラス
トニードル軸受5a、5bにより、上記回転軸3に加わ
る大きなスラスト荷重を支承自在としている。これら1
対のスラストニードル軸受5a、5bのうち、一方(図
1の左方)のスラストニードル軸受5aは、上記回転軸
3の中間部に外嵌固定した円板部6と、上記ケーシング
1を構成する底板部7との間に設けている。この様な一
方のスラストニードル軸受5aは、上記底板部7の片側
面(図1、2の右側面)に固定した静止側軌道輪8(通
称「外輪」)と、上記円板部6の片側面(図1、2の左
側面)に固定した回転側軌道輪9(通称「内輪」)とを
備える。そして、上記静止側軌道輪8の片側面(図1、
2の右側面)に設けた静止側軌道面11と、上記回転側
軌道輪9の片側面(図1、2の左側面)に設けた回転側
軌道面12との間に複数個のニードル(針状ころ)1
0、10を、放射状に、且つ、転動自在に設けている。
又、これら各ニードル10、10は、全体を円輪状に形
成した保持器13の円周方向複数個所に放射状に形成し
たポケット14、14に、それぞれ保持している。尚、
図示の例の場合は、上記回転側軌道輪8の内径側端部に
筒部15を、軸方向片側(図1、2の左側)に突出する
状態で形成しており、この筒部15により上記保持器1
3の径方向の変位を制限している。
【0004】これに対して、上記1対のスラストニード
ル軸受5a、5bのうち、他方(図1の右方)のスラス
トニードル軸受5bは、上記ケーシング2の一部と上記
回転軸3の一端部(図1の右端部)に形成した段部16
との間に、皿ばね17を介して設けている。この様な他
方のスラストニードル軸受5bも、上記一方のスラスト
ニードル軸受5aとほぼ同様に構成している。
【0005】又、上記ケーシング2の内側で上記回転軸
3の周囲部分には、複数のシリンダ孔18、18を形成
している。そして、これら各シリンダ孔18、18の内
側にピストン19、19の先半部を、それぞれ軸方向の
摺動自在に嵌装している。そして、上記各シリンダ孔1
8、18の底面と上記各ピストン19、19の先端面と
の間に設けられた空間を、圧縮室20としている。又、
上記ケーシング2の内側で、上記各シリンダ孔18、1
8よりも上記底板部7側に外れた空間は、斜板室21と
している。そして、上記回転軸3の中間部で、この斜板
室21内に位置する部分に斜板22を、上記回転軸3に
対して所定の傾斜角度を持たせて固設している。そし
て、上記各ピストン19、19の基端部にそれぞれ1対
ずつ保持したスライディングシュー23、23の内側面
に、上記斜板22の両側面を摺接させている。
【0006】上述の様なコンプレッサ1の使用時には、
上記回転軸3を走行用エンジンにより回転駆動する。こ
の為に、図示の例の場合には、前記ケーシング2の一部
に支持した従動プーリ24と上記回転軸3の端部とを、
電磁クラッチ25により断接自在としている。そして、
上記走行用エンジンのクランクシャフトの端部に固定し
た駆動プーリ(図示せず)と上記従動プーリ25との間
に、無端ベルト26を掛け渡している。
【0007】上述の様に構成するコンプレッサ1の使用
時に、上記回転軸3が回転すると、この回転軸3に固設
した上記斜板22も回転する。そして、この斜板22の
回転に伴って、複数のピストン19、19の先半部が、
前記各シリンダ孔18、18内で往復移動する。そし
て、この往復移動に伴って、前記ケーシング2の一部に
設けた吸入ポート(図示せず)から冷媒蒸気が吸引さ
れ、低圧室27を通じて前記各圧縮室20内に吸い込ま
れる。この冷媒蒸気は、これら各圧縮室20内で圧縮さ
れてから高圧室28に送り出され、この高圧室28から
上記ケーシング2の一部に設けた吐出ポート(図示せ
ず)を通じて吐出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な斜板式のコ
ンプレッサには、回転軸3に加わる大きなスラスト荷重
を支承すべく、1対のスラストニードル軸受5a、5b
を組み込んでいる。但し、これら各1対のスラストニー
ドル軸受5a、5bでは、各ニードル10、10の転動
面と、静止側、回転側各軌道輪8、9の側面に設けた軌
道面との差動滑りに基づき、これら各構成部品10、
8、9の一部に摩耗を生じ易い。この為、これら各構成
部品10、8、9が早期に損傷して、軸受寿命を十分に
確保できない可能性がある。この点に就いて、図4によ
り説明する。
【0009】先ず、図4に示す様に、上記1対のスラス
トころ軸受5a、5bのうちの一方のスラストニードル
軸受5a(他方のスラストニードル軸受5bでも同
様。)で、単位時間当たりに、各ニードル10が所定角
度分自転して、その中心軸が同図に実線イで示す位置か
ら鎖線ロで示す位置になった状態を考える。この場合、
回転側軌道輪9は、上記各ニードル10の転動面と回転
側軌道面12との摩擦係合に伴い、中心oに関してθ分
回転し、実線イで示す部分が鎖線ハで示す位置に移動す
る。言い換えれば、同図に破線矢印で示す、上記回転側
軌道輪9の周速が径方向外側に向かう程大きくなるのに
対し、同図に実線矢印で示す、上記各ニードル10の周
速(公転速度)とこれに伴う自転速度とは、上記回転側
軌道輪9の径方向に関して一定である。この為、この回
転側軌道輪9に設けた回転側軌道面12と上記各ニード
ル10の転動面との当接部での相対速度が、上記回転側
軌道輪9の径方向に関して異なり、この当接部で不可避
的なスピン滑りが生じる。そして、このスピン滑りによ
り、この当接部に摩耗が生じ易くなる。一方、静止側軌
道輪8(図1〜2参照)は回転しないが、上記各ニード
ル10はこの静止側軌道輪8の中心に関して公転しつ
つ、この静止側軌道輪8に設けた静止側軌道面(図1〜
2参照)上を転動する為、この静止側軌道面11と上記
各ニードル10の転動面との当接部でも不可避的なスピ
ン滑りが生じて、この当接部に摩耗が生じ易くなる。
【0010】又、上記回転側軌道面12及び静止側軌道
面11と上記各ニードル10の転動面との間でのスピン
滑りにより、上記各ニードル10の中心軸が、上記静止
側、回転側各軌道輪8、9の放射方向に対して傾斜す
る、所謂スキューが発生し易くなる。この様にスキュー
が発生した場合には、上記各ニードル10を保持する為
の保持器13に設けた各ポケット14(図1〜3参照)
の内面に、上記各ニードル10の転動面の端縁等からエ
ッヂロードが加わる可能性がある。この様にエッヂロー
ドが加わった場合には、上記保持器13の一部に過大面
圧が加わって、この保持器13の耐久性が低下したり、
上記各ニードル10の転動に要するトルクが大きくな
り、延いては、回転軸3(図1参照)の回転に要するト
ルクが大きくなる原因となる。この為に、従来から、上
記各ニードル10の転動面や両端面に、クラウニング
(だらし形状)を施して、上記各ニードル10がスキュ
ーした場合でもこれら各ニードル10から上記各ポケッ
ト14、14の内面に、エッヂロードが加わりにくくす
る事が行なわれている。
【0011】一方、上述の様なスピン滑りに起因する摩
耗が各当接部に生じるのを抑える為に、上記静止側、回
転側各軌道面11、12と、上記各ニードル10の転動
面との当接部に多くの潤滑油を介在させる事も考えられ
ている。但し、この様に当接部に多くの潤滑油を介在さ
せるのは、実際には難しい事が多い。この為、従来か
ら、上記各ニードル10の転動面や静止側、回転側各軌
道面11、12を可及的に平滑に仕上げて、使用時に少
量の潤滑油を供給する場合でも、上記当接部での金属接
触を生じにくくして、この当接部での摩耗を或る程度抑
える事が行なわれている。
【0012】但し、この様に上記各ニードル10の転動
面と上記静止側、回転側各軌道軌道面11、12とを、
単に可及的に平滑に仕上げた場合には、次の様な問題が
生じる。即ち、上記スピン滑りにより上記各当接部に著
しい摩耗が生じるのは、上記各ニードルがスキューする
事が大きな原因の一つであると考えられる。そして、こ
れら各ニードル10がスキューする事に関しては、これ
ら各ニードル10の転動面と上記静止側、回転側各軌道
面11、12との当接部でのスピン滑りにより、これら
各ニードル10に上記各軌道輪8、9から、これら各軌
道輪8、9の中心oからずれた位置を中心として回転さ
せようとするモーメント(スキューモーメント)が作用
する事が、主な原因である。このスキューモーメント
は、上記回転側軌道面12と上記各ニードル10の転動
面との間では、これら各ニードル10を上記回転側軌道
輪9の回転方向と同方向に回転させる方向に作用し、上
記静止側軌道面11と上記各ニードル10の転動面との
間では、これら各ニードル10を上記回転側軌道輪9の
回転方向と逆方向に回転させる方向に作用する。そし
て、上記各ニードル10がスキューする方向は、上記静
止側、回転側各軌道面11、12からこれら各ニードル
10に加わる、互いに逆方向の摩擦力のうち、大きい方
の摩擦力に支配される。但し、上記各ニードル10の転
動面と上記静止側、回転側各軌道面11、12とを可及
的に平滑に仕上げて、上記当接部に作用する摩擦力が、
これら静止側、回転側各軌道面11、12同士で実質的
に等しくなった場合には、上記各ニードル10が、上記
回転側軌道輪12の回転方向に関し、時間を前後して両
方向にスキューする可能性がある。この様に各ニードル
10が、時間を前後して両方向にスキューした場合に
は、これら各ニードル10が、これら各ニードル10と
前記各ポケット14の内面との間に存在する隙間の範囲
内で両振れする為、これら各ニードル10の転動面と上
記静止側、回転側各軌道面11、12との当接部の摩擦
条件が厳しくなり、この当接部での摩耗が促進され易く
なる。
【0013】又、この当接部に作用する摩擦力が、上記
静止側、回転側各軌道面11、12同士で実質的に等し
くなった場合には、上記静止側、回転側各軌道輪8、9
の径方向に関しても、上記各ニードル10が、時間を前
後して両方向に振れ易くなる為、これによっても、上記
当接部での摩耗が促進され易くなる。特に、前述した様
な、斜板式のコンプレッサ1(図1)の様に、使用時に
回転軸3に大きなラジアル荷重が加わったり、この回転
軸3の重心が中心軸からずれる等により、この回転軸3
が振れ回り運動し易い場合には、上記当接部での摩耗が
著しくなり易い。
【0014】これに対して、上記各ニードル10の転動
面にクラウニングを施して、この転動面と上記静止側、
回転側各軌道面11、12との当接部に、スピン滑りに
起因する摩耗が生じるのを抑える事も、従来から行なわ
れているが、この様にクラウニングを施した場合でも、
上記摩耗を抑える事に関して、未だ改良の余地がある。
本発明のスラストころ軸受は、この様な事情に鑑みて、
各ころが両振れする事により各構成部材が早期に損傷す
るのを防止して、軸受寿命を十分に確保すべく発明した
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のスラスころ軸受
(スラストニードル軸受も含む。)は、前述した従来構
造と同様に、側面に静止側軌道面を有し、使用時にも回
転しない静止側軌道輪と、側面に回転側軌道面を有し、
使用時に回転する回転側軌道輪と、この回転側軌道面と
上記静止側軌道面との間に放射状に、且つ、転動自在に
設けられた、複数個のころとを備える。
【0016】特に、本発明のスラストころ軸受に於いて
は、上記静止側軌道面ところとの接触部で生じるスキュ
ーモーメントの大きさと、上記回転側軌道面ところとの
接触部で生じるスキューモーメントの大きさとを、互い
に異ならせている。そして、この為に、例えば、上記静
止側軌道面に関する(静止側軌道面と各ころの転動面と
の)自乗平均粗さと回転側軌道面に関する(回転側軌道
面と各ころの転動面との)自乗平均粗さとを、互いに異
ならせる。又、好ましくは、回転側軌道輪の側面に設け
た回転側軌道面に関する自乗平均粗さσi を、上記静止
側軌道輪の側面に設けた静止側軌道面に関する自乗平均
粗さσe よりも小さくする(σe /σi >1)。更に、
より好ましくは、上記回転側軌道面に関する自乗平均粗
さに対する上記静止側軌道面に関する自乗平均粗さの比
σe /σi を、1.5≦σe /σi <5.0の範囲に規
制する。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪用軸受ユニッ
トによれば、各ころが両振れする事を抑えて、これら各
ころのスキューと、各軌道輪の径方向に関するこれら各
ころの動きとを安定させる事ができる。この為、これら
各ころの姿勢を安定させて、各構成部材に生じる摩耗を
十分に抑える事ができる。即ち、これら各ころの姿勢に
影響を与える、これら各ころの転動面と静止側、回転側
各軌道面との当接部に作用する摩擦力は、この当接部に
介在する潤滑油の膜(油膜)の状態に大きく影響され
る。そして、この油膜の状態は、当接部の自乗平均粗さ
により大きく影響される事が、従来から知られている。
即ち、上記各ころの転動面と各軌道面との自乗平均粗さ
が大きい場合には、上記油膜に作用する剪断力等、転が
り抵抗の増大に結び付く力が大きくなる傾向になって、
上記当接部全体での摩擦力が大きくなる。反対に、当接
部の自乗平均粗さが小さい場合には、当接部に存在する
油膜が均一になる傾向になり、この油膜に作用する剪断
力が小さくなる傾向になって、上記当接部全体での摩擦
力が小さくなる。
【0018】本発明の場合には、静止側軌道面に関する
自乗平均粗さと回転側軌道面に関する自乗平均粗さと
を、互いに異ならせる等により、上記静止側軌道面とこ
ろとの接触部で生じるスキューモーメントの大きさと、
上記回転側軌道面ところとの接触部で生じるスキューモ
ーメントの大きさとを、互いに異ならせている。この
為、上記静止側軌道面と各ころの転動面との当接部に作
用する摩擦力の大きさと、上記回転側軌道面と各ころの
転動面との当接部に作用する摩擦力の大きさとが、互い
に異なる。この為、これら各ころが上記回転側軌道輪の
回転方向に関して両振れするのを抑えて、これら各ころ
の姿勢を安定させる事ができる。例えば、使用時に上記
回転側軌道輪が振れ回り運動する場合には、この回転側
軌道輪の側面に設けた回転側軌道面に関する自乗平均粗
さを、上記静止側軌道面に関する自乗平均粗さよりも小
さくすれば、この静止側軌道面から上記各ころの転動面
に加わる摩擦力の方向に、これら各ころをスキューさせ
たままにする事ができる。従って、本発明のスラストこ
ろ軸受によれば、各構成部材の当接部で生じる摩耗の促
進を十分に抑えて、これら各構成部材が早期に損傷する
のを防止し、軸受寿命を十分に確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、回転側軌道輪に
設けた回転側軌道面に関する自乗平均粗さσ i と、静止
側軌道輪に設けた静止側軌道面に関する自乗平均粗さσ
e とを、互いに異ならせる等により、上記静止側軌道面
ところとの接触部で生じるスキューモーメントの大きさ
と、上記回転側軌道面ところとの接触部で生じるスキュ
ーモーメントの大きさとを、互いに異ならせる事によ
り、各構成部材の当接部での摩耗を抑えて、軸受寿命を
十分に確保する点にある。その他の、図面に表われるス
ラストころ軸受の構造に就いては、前述の図1〜3に示
したスラストニードル軸受5a、5b等、従来から知ら
れている各種のスラストころ軸受と同様であるから、重
複する説明は省略する。
【0020】
【実施例】次に、本発明の効果を確認すべく、本発明の
発明者が行なった第一、第二のシミュレーションに就い
て説明する。これら各シミュレーションは、複数のころ
をニードル(針状ころ)としたスラストニードル軸受
で、ニードル数を31個とし、各ニードルの直径を3mm
で、軸方向長さを5.8mmとし、複数のニードルのピッ
チ円の直径を52mmとしたものを、次の様な条件で使用
する事を考えた。 回転側軌道輪の回転数 −−− 3000min-1 回転側軌道輪の振れ回り半径 −−− 100μm 静止側軌道面に関する自乗平均粗さσe (rms)−−− 0.10μm
【0021】そして、第一のシミュレーションでは、回
転側軌道面に関する自乗平均粗さσ i (rms)を種々
に異ならせた状態で、上記各ニードルのスキュー角度、
及び上記各軌道輪の径方向に関する上記各ニードルの変
位を、時間との関係で求めた。尚、本シミュレーション
で、上記回転側軌道輪の振れ回り半径を規定したのは、
回転する部材は通常、重心がこの部材の中心軸からずれ
ている等により、使用時に、回転に同期した振れ回り運
動を生じており、この振れ回り運動を生じた場合に上記
各ニードルがスキューすると共に、上記径方向に振れ易
くなる事を考慮した為である。
【0022】図5〜8は、上述の様な条件で行なった第
一のシミュレーションの結果を示している。尚、これら
各図のうち、図5、6は比較例での結果を、図7、8は
本発明での結果を、それぞれ示している。このうちの図
5は、回転側軌道面に関する自乗平均粗さσi に対す
る、静止側軌道面に関する自乗平均粗さσe の比σe
σi を0.95とした場合で、各ニードルのスキュー角
度の限界値(ニードルとポケットの内面との間に存在す
る隙間に見合う値)に対する割合を、図6は、同じく各
軌道輪の径方向に関する上記各ニードルの振れの限界値
(ニードルとポケットの内面との間に存在する隙間に見
合う値)に対する割合を、それぞれ示している。又、図
7は、上記比σe /σi を1.5とした場合で、各ニー
ドルのスキュー角度の限界値に対する割合を、図8は、
同じく上記各軌道輪の径方向に関する上記各ニードルの
振れの限界値に対する割合を、それぞれ示している。
又、上記各図5〜8に於いて、横軸は、各ニードルの公
転回数(=各ニードルの公転周期に対する時間の比)
を、縦軸は、スキュー角度の限界値に対する割合、又は
軌道輪の径方向に関する各ニードルの振れの限界値に対
する割合を、それぞれ表している。又、縦軸に示した数
値で0は、中立状態(回転側軌道輪が静止した状態)で
のニードルの角度又は振れを表しており、符号の正負
で、中立状態からの振れの方向が異なる事を表してい
る。
【0023】上記図5〜8に示した結果から明らかな様
に、図5、6にそのシミュレーションの結果を示した比
較例の場合には、各ニードルがスキュー角度と上記径方
向とに関して両振れしている。これに対して、図7、8
にそのシミュレーションの結果を示した本発明の場合に
は、各ニードルがスキュー角度と上記径方向とに関して
片側にのみ振れたままの状態になり、これら各ニードル
の姿勢が安定している。
【0024】次に、第二のシミュレーションでは、粗さ
比σe /σi を0.5〜2.0の範囲で種々に異ならせ
ると共に、回転側軌道輪の振れ回り半径を20〜500
μmの範囲で種々に異ならせた状態で、上記粗さ比σe
/σi に対応する、上記各ニードルの最大スキュー角度
(絶対値)の限界値{ニードルとポケットの内面との間
に存在する隙間に見合う値(絶対値)}に対する割合
と、上記各軌道輪の径方向に関する上記各ニードルの最
大振れ(絶対値)の限界値(絶対値)に対する割合とを
求めた。図9、10は、この様な条件で行なった第二の
シミュレーションの結果を示している。これら各図から
明らかな様に、各ニードルのスキュー角度及び上記径方
向の振れの大きさは、回転側軌道の振れ回り量が大きく
なるのに従って大きくなる。又、回転側軌道面に関する
自乗平均粗さσi が静止側軌道面に関する自乗平均粗さ
σe に比べて大きい場合(σe /σi <1)に、上記各
ニードルの振れが大きくなる。そして、σe /σi >1
である、本発明の場合には、各ニードルの振れ量を小さ
く抑える事ができる。
【0025】更に、上記各図9、10に示した結果か
ら、上記静止側軌道面に関する自乗平均粗さσe が上記
回転側軌道面に関する自乗平均粗さσi よりも僅かに大
きく、上記粗さ比σe /σi が1.5よりも小さい場合
(1<σe /σi <1.5)には、上記各ニードルで、
スキュー方向の振れが生じる事はないが、上記各軌道輪
の径方向の振れが生じる場合がある事が分かった。
【0026】一方、上記回転側軌道面に関する自乗平均
粗さσi を小さくする事には、限界がある。従って、上
記粗さ比σe /σi が5.0以上であると、上記静止側
軌道面に関する自乗平均粗さσe が過大になる可能性が
ある。この静止側軌道面に関する自乗平均粗さσe が過
大になると、この静止側軌道面と上記各ニードルの転動
面との当接部で、金属接触が生じ易くなり、この当接部
でピーリング等に基づく著しい摩耗が生じ易くなる。そ
こで、これらの事情から、本発明のより好ましい構成と
して、前述の様に、上記粗さ比σe /σi を、1.5≦
σe /σi <5.0の範囲に規制する事とした。この様
に粗さ比σe /σi を5.0よりも小さくした場合に
は、上記静止側軌道面に関する自乗平均粗さσe が過大
になる事がなくなり、各当接部での摩耗を有効に抑える
事ができる。
【0027】又、本発明の発明者は、上記回転側、静止
側各軌道面に関する自乗平均粗さσ i 、σe を種々に異
ならせた状態で、上記各ニードルから保持器に作用する
モーメントと、この保持器に加わる径方向の力とを、シ
ミュレーションで求めた。そして、このシミュレーショ
ンの結果から、上記回転側軌道面に関する自乗平均粗さ
σi が大きくなり、上記粗さ比σe /σi が小さくなり
過ぎた場合(σe /σ i <1)には、上記各ニードルか
ら上記保持器に作用するモーメントと上記径方向の力と
が、大きくなる事が分かった。この事から、本発明の場
合(σe /σi>1)には、上記各ニードルから上記保
持器に加わる面圧を小さくして、この保持器の耐久性を
確保する効果も期待できる。
【0028】尚、上述した実施例は、静止側軌道輪の側
面に設けた静止側軌道面の自乗平均粗さσe と、回転側
軌道輪の側面に設けた回転側軌道面の自乗平均粗さσi
とを互いに異ならせる事により、上記静止側軌道面とこ
ろとの接触部で生じるスキューモーメントの大きさと、
上記回転側軌道面ところとの接触部で生じるスキューモ
ーメントの大きさとを互いに異ならせた場合に就いて説
明した。但し、本発明は、この様な構造に限定するもの
ではなく、例えば、上記静止側軌道面と回転側軌道面と
のうちの一方の面に、クラウニングを施す(当該軌道面
の少なくとも一部の断面形状を凸円弧状とする)等によ
り、上記両スキューモーメントの大きさを互いに異なら
せる事もできる。
【0029】
【発明の効果】本発明の車輪用軸受ユニットは、以上に
述べた通り構成され作用するので、各ころが両振れする
事により各構成部材が早期に損傷するのを防止して、軸
受寿命を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるスラストころ軸受の一種で
ある、スラストニードル軸受を組み込んだコンプレッサ
の1例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】保持器及びニードルのみを取り出して示す、図
2のB−B断面図。
【図4】ニードルがスキューする原因を説明する為の摸
式図。
【図5】第一のシミュレーションの結果を表したもの
で、粗さ比σe /σi =0.95での各ニードルのスキ
ュー角度の、これら各ニードルとポケットとの隙間に見
合う限界値に対する割合を示す図。
【図6】同じく軌道輪の径方向に関する各ニードルの振
れの、これら各ニードルとポケットとの隙間に見合う限
界値に対する割合を示す図。
【図7】同じく粗さ比σe /σi =1.50での、各ニ
ードルのスキュー角度の限界値に対する割合を示す図。
【図8】同じく軌道輪の径方向に関する各ニードルの振
れの限界値に対する割合を示す図。
【図9】第二のシミュレーションの結果を表したもの
で、粗さ比σe /σi の変化に対応する、各ニードルの
最大スキュー角度の、これら各ニードルとポケットとの
隙間に見合う限界値に対する割合を示す図。
【図10】同じく軌道輪の径方向に関する各ニードルの
最大振れの、これら各ニードルとポケットとの隙間に見
合う限界値に対する割合を示す図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 2 ケーシング 3 回転軸 4a、4b ラジアルニードル軸受 5a、5b スラストニードル軸受 6 円板部 7 底板部 8 静止側軌道輪 9 回転側軌道輪 10 ニードル 11 静止側軌道面 12 回転側軌道面 13 保持器 14 ポケット 15 筒部 16 段部 17 皿ばね 18 シリンダ孔 19 ピストン 20 圧縮室 21 斜板室 22 斜板 23 スライディングシュー 24 従動プーリ 25 電磁クラッチ 26 無端ベルト 27 低圧室 28 高圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉場 岳雪 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AC03 CA02 3H076 AA06 BB26 CC12 CC16 CC17 CC20 CC36 3J101 AA13 AA27 AA32 AA42 AA53 AA62 BA55 FA02 GA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面に静止側軌道面を有し、使用時にも
    回転しない静止側軌道輪と、側面に回転側軌道面を有
    し、使用時に回転する回転側軌道輪と、この回転側軌道
    面と上記静止側軌道面との間に放射状に、且つ、転動自
    在に設けられた複数個のころとを備えたスラストころ軸
    受に於いて、上記静止側軌道面ところとの接触部で生じ
    るスキューモーメントの大きさと、上記回転側軌道面と
    ころとの接触部で生じるスキューモーメントの大きさと
    を、互いに異ならせた事を特徴とするスラストころ軸
    受。
  2. 【請求項2】 側面に静止側軌道面を有し、使用時にも
    回転しない静止側軌道輪と、側面に回転側軌道面を有
    し、使用時に回転する回転側軌道輪と、この回転側軌道
    面と上記静止側軌道面との間に放射状に、且つ、転動自
    在に設けられた複数個のころとを備えたスラストころ軸
    受に於いて、上記静止側軌道面に関する自乗平均粗さと
    回転側軌道面に関する自乗平均粗さとを、互いに異なら
    せた事を特徴とするスラストころ軸受。
  3. 【請求項3】 回転側軌道輪の側面に設けた回転側軌道
    面に関する自乗平均粗さを、静止側軌道輪の側面に設け
    た静止側軌道面に関する自乗平均粗さよりも小さくし
    た、請求項2に記載したスラストころ軸受。
JP2001291931A 2001-09-25 2001-09-25 スラストころ軸受 Pending JP2003097566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001291931A JP2003097566A (ja) 2001-09-25 2001-09-25 スラストころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001291931A JP2003097566A (ja) 2001-09-25 2001-09-25 スラストころ軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003097566A true JP2003097566A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19113990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001291931A Pending JP2003097566A (ja) 2001-09-25 2001-09-25 スラストころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003097566A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185051A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Jtekt Corp スラストころ軸受
JP2010190336A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Jatco Ltd スラストベアリング構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185051A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Jtekt Corp スラストころ軸受
JP2010190336A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Jatco Ltd スラストベアリング構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001208081A (ja) 単列深溝型ラジアル玉軸受
JPWO2003071142A1 (ja) コンプレッサ用プーリの回転支持装置
CN1297757C (zh) 滚动轴承
JP3871537B2 (ja) スラストころ軸受
JP2003097566A (ja) スラストころ軸受
JP2003083333A (ja) スラスト針状ころ軸受
JP2015230066A (ja) スラスト軸受
JP2001090751A (ja) 一方向クラッチおよびこれを用いたプーリユニット
JP2003049848A (ja) プーリ支持用玉軸受
JP2003083337A (ja) スラスト針状ころ軸受
JP3888774B2 (ja) 斜板式コンプレッサ用スラスト針状ころ軸受
JP2001107850A (ja) 斜板式冷媒圧縮機
JP2003294034A (ja) スラストニードル軸受
JP3289711B2 (ja) 円筒ころ軸受
JP2000205362A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4428168B2 (ja) スラスト軸受
JPH07217661A (ja) スラスト玉軸受
JP4736235B2 (ja) プーリ用回転支持装置
US9631676B2 (en) Tripod joint having low vibration inducing forces
JP2003021149A (ja) コンプレッサ用プーリの回転支持装置
JP2006077814A (ja) 工作機械の主軸用回転支持装置
JP4718139B2 (ja) カーエアコンコンプレッサ用スラストころ軸受
JP2005337464A (ja) 複列アンギュラ型玉軸受
JP2004162910A (ja) スラストニードル軸受
CN109505864B (zh) 轴承组件、磁悬浮转轴系统、压缩机及空调器