JP2003096230A - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法Info
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Abstract
れ,外観のよい発泡成形体が得られる,発泡性スチレン
系樹脂粒子及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 スチレン系樹脂廃材を含有するスチレン
系樹脂粒子を密閉容器内にて水性媒体中に分散させ,発
泡剤を含浸させて得られた発泡性スチレン系樹脂粒子で
あって,発泡性スチレン系樹脂粒子の中心断面に存在す
るボイド1は,そのボイド密度が30,000個/mm
2以下であることを特徴とする。
Description
する,スチレン系樹脂廃材を含有する発泡性スチレン系
樹脂粒子及びその製造方法に関する。
泡成形体,いわゆる発泡スチロールは,優れた緩衝性,
断熱性を有し,成形性も容易で,さらに比較的安価な材
料であるため,包装材,断熱材として広く用いられてい
る。一方,包装材や断熱材として使用された発泡スチロ
ール廃材は,熱や溶剤などにより減容されてスチレン系
樹脂に再生されたり,焼却して熱エネルギーとして利用
したり,あるいは埋め立て処分されている。
済み発泡成形体からスチレン系樹脂を再生し,発泡剤を
注入して,発泡性スチレン系樹脂粒子とする試みがなさ
れている。例えば,特開平06−145409号には,
使用済みのスチレン系樹脂発泡成形体にモノグリセリ
ド,ジグリセリドを添加し,押出機中で溶融混練後,押
出して樹脂粒子を得,これに発泡剤を含浸させて発泡性
スチレン系樹脂粒子を得る方法が開示されている。
平05−310988号には,スチレン系樹脂の発泡成
形体を加熱減容してスチレン系樹脂の塊を得,次いでこ
れを粉砕し,発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂
粒子を得る方法が開示されている。しかし,これらの方
法で得られたスチレン系樹脂粒子は,発泡成形体とした
ときに,その強度や外観が不十分である場合があった。
レン系樹脂廃材を利用して,強度に優れ,外観のよい発
泡成形体が得られる,発泡性スチレン系樹脂粒子及びそ
の製造方法を提供しようとするものである。
を含有するスチレン系樹脂粒子を密閉容器内にて水性媒
体中に分散させ,発泡剤を含浸させて得られた発泡性ス
チレン系樹脂粒子であって,該発泡性スチレン系樹脂粒
子における中心断面に存在するボイドは,そのボイド密
度が30,000個/mm2以下であることを特徴とす
る発泡性スチレン系樹脂粒子である(請求項1)。
するスチレン系樹脂粒子を密閉容器内にて水性媒体中に
分散させるとともに,発泡剤を含浸させて発泡性スチレ
ン系樹脂粒子を製造する方法であって,得られた発泡性
スチレン系樹脂粒子は,その中心断面に存在するボイド
のボイド密度が,30,000個/mm2以下であるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法で
ある(請求項4)。
系樹脂廃材を利用して,強度に優れ,外観のよい発泡成
形体が得られる,発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製
造方法を提供することができる。
チレン系樹脂廃材としては,発泡性スチレン系樹脂粒子
を発泡させて製造した容器,板材などの発泡成形体を一
旦使用して廃材として回収した使用済み発泡成形体,或
いは製造過程において破損,変形などにより発生した不
良品発泡成形体,或いはその加工時に発生した裁断屑や
在庫品などの余剰のスチレン系樹脂廃材などを意味す
る。また,形態的には,発泡スチロール,発泡ポリスチ
レンペーパー,押出発泡ポリスチレンなどがある。上記
スチレン系樹脂廃材は,これをリモネンや石油系有機溶
剤に曝す方法,或いは加熱することなどにより減溶回収
することができる。
を添加することができる。例えば,未使用のスチレン系
樹脂,ポリエチレン系樹脂,ポリプロピレン系樹脂など
の樹脂,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴムな
どのゴム成分を添加したり,ヘキサブロモシクロドデカ
ンなどの難燃剤,2,3−ジメチル−2,3−ジフェニ
ルブタンなどの難燃助剤,メタクリル酸メチル系共重合
体,タルク,シリカ,エチレンビスステアリルアミド,
シリコーンなどのセル調整剤,グリセリンジアセトモノ
ラウレート,グリセリントリステアレート,フタル酸ジ
エチルヘキシル,流動パラフィンなどの可塑剤,帯電防
止剤,導電化剤などの添加剤を,スチレン系樹脂廃材に
添加することができる。これによりスチレン系樹脂廃材
を含有するスチレン系樹脂となし,該スチレン系樹脂を
次に示すようにしてスチレン系樹脂粒子とする。
レン系樹脂粒子は,スチレン系樹脂廃材を含有するスチ
レン系樹脂を,押出機により溶融混練してから小孔より
押出し,ストランドカット,ホットカット,水中カット
などによりペレットにしたり,あるいは上記スチレン系
樹脂を粉砕機により粉砕して,作製することが好まし
い。スチレン系樹脂粒子の重量は0.5〜5mg/1個
であることが好ましい。0.5mg未満では,生産性が
低く工業的に不利となるおそれがある。一方,5mgを
超えると,発泡成形体を得る際,予備発泡粒子を金型に
充填し難いおそれがある。また,樹脂粒子の形状は球
形,楕円状,円柱状などがあるが,この中,球形である
ことが好ましい。
容器などの密閉容器に上記スチレン系樹脂粒子及び水性
媒体を入れて水性媒体中にスチレン系樹脂粒子を分散さ
せ,密閉した後,密閉容器内に発泡剤を添加してスチレ
ン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて得られる。
散させるにあたっては,スチレン系樹脂粒子を水性媒体
中に懸濁させる。この場合,スチレン系樹脂粒子同士の
凝結を防ぐため,懸濁剤を用いることが好ましい。懸濁
剤としては,例えば,ポリビニルアルコール,メチルセ
ルロース,ポリビニルピロリドンなどの親水性高分子,
第3リン酸カルシウム,ピロリン酸マグネシウムなどの
難水溶性無機塩などを用いることができ,必要に応じて
界面活性剤を併用しても良い。なお,難水溶性無機塩を
使用する場合には,アルキルスルホン酸ナトリウム,ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系
界面活性剤を併用することが好ましい。
脂粒子100重量部に対して,0.01〜5重量部が好
ましい。前記の難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤
を併用する場合は,上記スチレン系樹脂粒子100重量
部に対して,難水溶性無機塩を0.05〜3重量部,ア
ニオン性界面活性剤を0.0001〜0.5重量部,用
いることが好ましい。
子中への吸水量を減らすために,0.01〜0.2モル
/リットルの電解質を含有していることが好ましい。電
解質としては,塩化リチウム,塩化ナトリウム,塩化マ
グネシウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化アン
モニウム,硫酸ナトリウム,硫酸マグネシウム,硫酸カ
リウム,硫酸カルシウム,硫酸アルミニウム,硫酸アン
モニウム,硝酸ナトリウム,硝酸マグネシウム,硝酸カ
リウム,硝酸カルシウム,硝酸アンモニウム,炭酸ナト
リウム,炭酸マグネシウム,炭酸カリウム,炭酸アンモ
ニウム等の水に可溶な無機塩類,あるいは酢酸カリウ
ム,酢酸ナトリウム,オクタン酸ナトリウム,安息香酸
ナトリウム,コハク酸二ナトリウム等の水に可溶なカル
ボン酸のアルカリ金属塩等があげられる。
エタン,プロパン,n−ブタン,イソブタン,シクロブ
タン,n−ペンタン,イソペンタン,ネオペンタン,シ
クロペンタン,n−ヘキサン,シクロヘキサンなどの飽
和炭化水素化合物,メタノール,エタノールなどの低級
アルコール,ジメチルエーテル,ジエチルエーテルなど
のエーテル化合物など沸点が90℃以下の揮発性有機化
合物を1種類あるいは2種類以上混合して用いることが
できる。
含有するスチレン系樹脂100重量部に対して,2〜1
0重量部とすることが好ましい。2重量部未満では,予
備発泡樹脂粒子を製造する際に所定の発泡倍率に到達し
ないおそれがあり,10重量部を超えると,発泡剤を含
浸中に,ペレット同士の凝結が起きるおそれがある。な
お,より好ましくは3〜8重量部である。
は,その内部にボイドを有しており,スチレン系樹脂粒
子の中心断面におけるボイドのボイド密度は,30,0
00個/mm2以下である。ボイドとは,発泡性スチレ
ン系樹脂粒子中に存在する小孔をいう。
2を超えると,強度に優れ,かつ外観の綺麗な発泡成形
体を得ることができない。すなわち,ボイドは,発泡性
スチレン系樹脂粒子が発泡する際の発泡開始点になり,
ボイド密度は,発泡成形体の気泡数に影響を与え,発泡
成形体の強度と外観に影響すると考えられる。ボイド密
度が30,000個/mm2を超えると,得られる発泡
成形体の気泡数が増加するため気泡サイズが小さくな
り,気泡膜の厚みが薄くなり過ぎて,成形時の加熱によ
り気泡膜が溶融してしまい,その結果,強度も低くな
り,外観の綺麗な発泡成形体を得ることができないと考
えられる。なお,好ましくは,上記ボイド密度は20,
000個/mm2以下である。ボイド密度の下限値につ
いては特に制約はないが,1,000個/mm2以上で
あることが好ましい。
計測するにあたっては,発泡性スチレン系樹脂粒子を−
50℃で凍結して,発泡性スチレン系樹脂粒子の中心を
通る中心断面で切削する。次に,この中心断面をイオン
エッチングし,白金にてコートし,その後,走査型電子
顕微鏡により,上記中心断面の写真を撮影し,ボイド数
を計測する。計測したボイド数,計測に用いた写真の面
積及び撮影倍率より,実際の発泡性スチレン系樹脂粒子
の中心断面におけるボイド密度(個/mm2)を求める
ことができる。
率が約1.51の液体(例えばツェーデル油,キシダ化
学社製,1級試薬,屈折率 1.514〜1.522)
に浸した状態で光学顕微鏡(透過光)で観察することに
より,簡便にボイド密度を確認することができる。すな
わち,ボイド密度が低い発泡性スチレン系樹脂粒子の場
合は透き通って見えるが,ボイド密度が高くなるにつ
れ,光が透過しにくくなり,黒っぽく見えるようにな
る。さらに,目視においても,ボイド密度が高い発泡性
スチレン系樹脂粒子は白濁して見え,ボイド密度が低い
発泡性スチレン系樹脂粒子は透き通って見える。
度を調整するにあたっては,例えば,発泡性スチレン系
樹脂粒子を所定温度の窒素や空気の気流下に曝す。気流
の温度を例えば30℃以上に上げたり,曝す時間を長く
すると,ボイド密度が下がり,気流温度を例えば30℃
未満に下げたり,曝す時間を短くするとボイド密度が上
がる。
れを予備発泡させて予備発泡粒子とし,その後,予備発
泡粒子を加熱発泡させて,予備発泡粒子同士を融着させ
て,発泡成形体とする。予備発泡の方法としては,例え
ば,撹拌装置の付いた円筒形の予備発泡機を用いて,ス
チームなどで加熱し発泡させる方法がある。予備発泡粒
子を発泡成形体とする方法としては,例えば,金型内に
予備発泡粒子を充填し,スチームなどで加熱する,型内
成形法が挙げられる。このようにして得られた発泡成形
体の密度は,15〜30kg/m3であることが好まし
い。15kg/m3未満の場合には強度が不足し,30
kg/m3を超える場合には,不経済となるおそれがあ
る。
ける,上記スチレン系樹脂100重量部に対する内部水
分量は0.001〜0.5重量部であることが好ましい
(請求項2)。内部水分量が0.001重量部未満の場
合には,密閉容器内で,スチレン系樹脂粒子を水性媒体
に分散させ発泡剤を含浸させる際に,多量の電解質を添
加したり,発泡剤を含浸後に長時間,乾燥処理を行う必
要がある。そのため,製造コストが高くなり,工業的に
不利である。一方,内部水分量が0.5重量部を超えて
いる発泡性スチレン系樹脂粒子は,発泡させたときの気
泡サイズが不均一になる。このため,強度に優れ,外観
の綺麗な発泡成形体を得ることが困難になるおそれがあ
る。好ましくは上記スチレン系樹脂100重量部に対す
る内部水分量は0.01〜0.3重量部,より好ましく
は0.01〜0.2重量部である。上記スチレン系樹脂
粒子の中の内部水分量を上記の所定値に調整するにあた
っては,たとえば,密閉容器内で,スチレン系樹脂粒子
を水性媒体に分散させ,発泡剤を含浸させる際に,塩化
ナトリウム,硫酸ナトリウム,酢酸ナトリウムなどの電
解質を,内部水分量低減剤として水性媒体に添加する。
mであることが好ましい(請求項3)。上記ボイドの直
径が0.1μm未満では,気泡が形成されにくくなり,
気泡サイズが不均一になり,強度に優れ,外観のきれい
な発泡成形体を得ることが困難になるおそれがある。一
方20μmを超えると,大きな気泡が形成され,成型品
の強度が低下するおそれがある。
剤を含浸させた後に,30〜70℃の温風に曝すことに
より熱処理されていることが好ましい(請求項5)。3
0℃未満の場合には,ボイド密度が30,000個/m
m2を超えてしまい,強度に優れ,且つ外観のよい発泡
成形体を得ることができない。一方,70℃を超える場
合には,熱処理中に発泡性スチレン系樹脂粒子が発泡し
てしまうおそれがある。更に好ましくは35〜60℃で
ある。
廃材を含有するスチレン系樹脂粒子100重量部に対し
て,2〜10重量部含浸させることが好ましい(請求項
6)。2重量部未満では,予備発泡粒子を製造する際の
発泡が不充分となり,一方10重量部を超えると,発泡
剤を含浸中に,ペレット同士の凝結が起きるおそれがあ
る。
説明する。 (実施例1)スチレン系樹脂廃材としてスチレン系樹脂
発泡成形品の使用済み品を用い,これをリモネン方式に
より減容回収した。次いで,このスチレン系樹脂廃材
を,65mm単軸押出機で溶融混練し,小孔より水中に
押出して,直ちに切断して,約1.5mg/個の大きさ
のスチレン系樹脂粒子を得た。上記リモネン方式減溶回
収は,d−リモネンにスチレン系樹脂発泡成形品を溶解
させた後,d−リモネンを加熱下,減圧除去し,スチレ
ン系樹脂を得る方法である。
オートクレーブに,脱イオン水20kg,懸濁剤として
ピロリン酸マグネシウム(ピロリン酸ナトリウム50g
及び硫酸マグネシウム100gをオートクレーブに投入
して合成),界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム
7g,スチレン系樹脂粒子の内部水分量低減剤として塩
化ナトリウム340g,及びスチレン系樹脂粒子13k
gを投入して密閉した。密閉後,オートクレーブの加熱
を開始し,180rpmで撹拌しながら,2時間かけて
内温を120℃まで昇温した。
(n−ペンタン約80%,i−ペンタン約20%)90
0gをオートクレーブ内に圧入し,120℃で7時間保
持後,30℃まで冷却した。冷却後,オートクレーブか
ら内容物を取り出した。取り出した内容物に硝酸を添加
して,樹脂粒子表面に付着しているピロリン酸マグネシ
ウムを溶解除去した。
100重量部に対して,帯電防止剤であるN,N―ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン0.005重
量部を添加した後,気流乾燥機により乾燥させた。次
に,樹脂粒子の表面を,ステアリン酸亜鉛0.05重量
部,グリセリントリステアレート0.02重量部,及び
グリセリンモノステアレート0.02重量部の混合物で
被覆した。
メッシュの金網の付いた直径35cmの筒型金属容器に
入れ,流量80m3/hで,50℃の温風空気を筒型容
器下部より導入し,そのまま120分間保持して熱処理
を行った。これにより,発泡性スチレン系樹脂粒子を得
た。
を加圧バッチ発泡機(ダイセン工業社製DYHL500
U)内で,内圧が0.01MPaになるようにスチーム
を供給し,約90秒間加熱した後,60秒間乾燥させ
て,嵩密度が約20kg/m3(発泡倍率 約50倍)
の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子を室温で
1日熟成後,型物成形機(ダイセン工業社製,VS50
0)の金型に充填し,0.07MPaのスチーム圧力で
20秒間加熱し,所定時間冷却後,金型から取り出し
て,発泡成形体を得た。
系樹脂粒子のボイド密度,内部水分量,発泡剤の含有
量,重量平均分子量,得られた発泡成形体の表面外観,
セルナンバー,曲げ強度,50%破壊高さを,以下の方
法で評価した。
は,発泡性スチレン系樹脂粒子を,ミクロトームに−5
0℃で凍結し,粒子の中心を通る中心断面にて切削し
た。この中心断面にイオンエッチングを行い,白金にて
コートして,ボイド観察用の断面サンプルを調製した。
次いで,走査型電子顕微鏡(加速電圧10kV)によ
り,撮影倍率2,000倍にて中心断面の写真を撮影
し,ボイド数を計測した。ボイド数(個),計測に用い
た写真の面積(mm2),撮影倍率(2000倍,写真
上の2mmが1μmに相当)より,実際の発泡性スチレ
ン系樹脂粒子の断面におけるボイド密度(個/mm2)
を求めた。上記の写真を図1に示す。同図において,小
さい○点がボイド1である。
(個)÷写真の面積(mm2)×撮影倍率の2乗
り,発泡性スチレン系樹脂粒子の内部水分量を測定し
た。
粒子をジメチルホルムアミドに溶解させ,ガスクロマト
グラフィーにて発泡剤の含有量を測定した。
粒子をテトラヒドロフランに溶解させ,ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定し,標準ポリスチレン
で校正して求めた。
体の表面外観を目視により,下記基準にて評価した。 ○:発泡成形体の中の発泡粒子間の間隙がなく,表面が
溶融した発泡粒子もなく,表面が平滑で見栄えがよい。 △:発泡粒子間の間隙が少なく,表面が溶融した発泡粒
子が僅かに存在し,比較的表面は平滑であるが,見栄え
が劣る。 ×:発泡粒子間の間隙が多く,あるいは表面に溶融した
発泡粒子が多数存在し,表面が凸凹し見栄えが非常に悪
い。あるいは発泡成形体が得られない。
スライサーで切断し,光学顕微鏡にて切断面を写真撮影
した。切断面の写真上に直線を引き,直線と交わってい
る気泡数を数え,気泡数を直線の長さで除して,1mm
当たりの気泡数を求めた。1つのサンプルにつき任意の
25ヶ所について,気泡数を測定して,平均値を求め,
セルナンバー(個/mm)とした。
00mm×横75mm×厚さ25mmの試験片を作成
し,JIS A 9511に準拠して3点曲げ試験を行
い,曲げ強度を測定した。
に準拠して発泡成形体の耐衝撃性を評価した。すなわ
ち,発泡成形体を切断して,縦200mm×横40mm
×厚さ25mmの試験片を作成し,落下高さを変えなが
ら,重量255gの鋼球を試験片上に落下させ,50%
の確率で破壊する落下高さ(cm)を求めた。
熱処理の条件を50℃,60分間とした以外は実施例1
と同様に行った。
熱処理の条件を50℃,240分間とした以外は実施例
1と同様に行った。
熱処理の条件を40℃,120分間とした以外は実施例
1と同様に行った。
熱処理の条件を60℃,120分間とした以外は実施例
1と同様に行った。
使用済みスチレン系樹脂の発泡成形品を,加熱減容機に
より減容回収して得られたものを用いた以外は実施例1
と同様に行った。
熱処理を行わなかった点を除き,実施例1と同様に行っ
た。
熱処理の条件を20℃,120分間とした以外は実施例
1と同様に行った。
泡性スチレン系樹脂粒子のボイド密度,内部水分量,発
泡剤の含有量,重量平均分子量,得られた発泡成形体の
表面外観,セルナンバー,曲げ強度,50%破壊高さに
ついて,表1及び表2に示した。
1及び比較例1より得られた発泡性スチレン系樹脂粒子
の中心断面に存在するボイド1を電子顕微鏡写真により
観察した。その結果,実施例1の場合の方が比較例1よ
りもボイド数がかなり少ないことが明かであった。
スチレン系樹脂粒子のボイド密度を比較すると,実施例
1〜6では30000個/mm2以下,比較例1,2で
は30000個/mm2を超えている。
製された発泡性スチレン系樹脂粒子は,その中心断面の
ボイド密度を30000個/mm2以下にすることによ
り,強度に優れ,外観の綺麗な発泡成形体が得られるこ
とがわかる。また,表1及び表2より,本発明に係る実
施例1〜6の発泡性スチレン系樹脂粒子は,比較例1,
2に比べて,内部水分量,表面外観,曲げ強度,50%
破壊高さがいずれも優れていることが分かる。
における走査型電子顕微鏡写真(2000倍)の描写図
面。
における走査型電子顕微鏡写真(2000倍)の描写図
面。
Claims (6)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂廃材を含有するスチレン
系樹脂粒子を密閉容器内にて水性媒体中に分散させ,発
泡剤を含浸させて得られた発泡性スチレン系樹脂粒子で
あって,該発泡性スチレン系樹脂粒子における中心断面
に存在するボイドは,そのボイド密度が30,000個
/mm2以下であることを特徴とする発泡性スチレン系
樹脂粒子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記発泡性スチレン
系樹脂粒子における上記スチレン系樹脂100重量部に
対する内部水分量は0.001〜0.5重量部であるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項3】 請求項1において,上記ボイドの直径は
0.1〜20μmであることを特徴とする発泡性スチレ
ン系樹脂粒子。 - 【請求項4】 スチレン系樹脂廃材を含有するスチレン
系樹脂粒子を密閉容器内にて水性媒体中に分散させると
ともに,発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子
を製造する方法であって,得られた発泡性スチレン系樹
脂粒子は,その中心断面に存在するボイドのボイド密度
が,30,000個/mm2以下であることを特徴とす
る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4において,上記スチレン系樹脂
粒子に上記発泡剤を含浸させた後に,発泡性スチレン系
樹脂粒子を30〜70℃の温風に曝すことにより熱処理
を行うことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製
造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5において,上記発泡剤
は,上記スチレン系樹脂廃材を含有するスチレン系樹脂
粒子100重量部に対して,2〜10重量部含浸させる
ことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方
法。
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JP2001291992A JP4773007B2 (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
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