JP2003095130A - 自動車のクロスメンバ結合構造 - Google Patents

自動車のクロスメンバ結合構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスメンバに高張力鋼板を採用する場合の
サイドメンバとの十分な結合力を確保できる自動車のク
ロスメンバ結合構造を提供する。 【解決手段】 車両前後方向に延びるサイドメンバ2の
内側壁2aに車幅方向に延びるクロスメンバ3の端部を
結合するようにした自動車のクロスメンバ結合構造にお
いて、上記クロスメンバ3を高張力鋼板により形成し、
該クロスメンバ3を、上記サイドメンバ2に溶接接合さ
れる接合フランジ部15が屈曲形成された軟鋼板からな
るリインホース(結合部材)5を介して上記サイドメン
バ2に結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車幅方向に延びる
左,右のサイドメンバ間に車幅方向に延びるクロスメン
バを接合するようにした自動車のクロスメンバ結合構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のリヤフレームは、図7に示すよ
うに、車両前後方向に延びる左,右サイドメンバ20,
20間に車幅方向に延びるリヤクロスメンバ21を架け
渡すようにして結合した構造が一般的である(例えば、
実開平2−145569号公報参照)。
【0003】このようなクロスメンバの結合構造とし
て、従来、図8,図9に示すように、クロスメンバ21
の車幅方向端縁にフランジ部21aを一体に屈曲形成
し、該フランジ部21aをサイドメンバ20の内側壁2
0aに付き当てるとともに、両者20ap21aをスポ
ット溶接により接合したものがある。また上記リヤクロ
スメンバ21にシートベルトアンカー取付け用のリイン
ホース22を結合する場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の側面
衝突時の剛性を高めるとともに、シートベルトアンカか
らの入力に対する剛性を高める観点から、上記クロスメ
ンバに引張強度の高い高張力鋼板を採用することを検討
している。このような高張力鋼板を採用する場合には、
該高張力鋼板の端縁にサイドメンバ接合用のフランジ部
を屈曲形成することとなる。
【0005】しかしながら、高張力鋼板はその材質から
して成形性が低く、形状に対する自由度が小さいことか
ら、サイドメンバとの十分な結合構造が得られないとい
う懸念がある。
【0006】本発明は、上記状況に鑑みてなされたもの
で、クロスメンバに高張力鋼板を採用する場合のサイド
メンバとの十分な結合力を確保できる自動車のクロスメ
ンバ結合構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車両
前後方向に延びるサイドメンバの内側壁に車幅方向に延
びるクロスメンバの端部を結合するようにした自動車の
クロスメンバ結合構造において、上記クロスメンバを高
張力鋼板等からなる硬鋼板により形成し、該クロスメン
バを、上記サイドメンバに溶接接合される接合フランジ
部が屈曲形成された軟鋼板からなる結合部材を介して上
記サイドメンバに結合したことを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記結合部材は、上記クロスメンバに接合されたシートベ
ルトアンカ取付け用リインホースを延長させたものであ
ることを特徴としている。
【0009】
【発明の作用効果】本発明にかかるクロスメンバ結合構
造によれば、クロスメンバを高張力鋼板等の硬鋼板によ
り形成し、該クロスメンバを軟鋼板からなる結合部材を
介してサイドメンバに結合したので、成形性が良好な結
合部材に接合フランジ部を容易に形成することができ、
サイドメンバとの結合力を十分に確保することができ
る。その結果、クロスメンバへの高張力鋼板の採用が可
能となり、車両側突時の剛性及びシートベルトアンカか
らの入力に対する剛性を高めることができる。
【0010】また上記クロスメンバを軟鋼板からなる結
合部材を介して結合したので、シートベルトアンカから
の入力に対しては軟鋼板の柔軟性により吸収することが
可能となり、サイドメンバとの結合部の破断を防止する
ことができる。
【0011】請求項2の発明では、上記結合部材をシー
トベルトアンカ取付け用リインホースを延長させて形成
したので、既存のリインホースをそのまま利用すること
ができ、部品点数が増えるのを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0013】図1ないし図6は、本発明の一実施形態に
よる自動車のクロスメンバ結合構造を説明するための図
であり、図1,図2,図3はサイドメンバのクロスメン
バ結合部分の斜視図,一部断面正面図,平面図、図4は
クロスメンバのシートベルトアンカ取付け部分の斜視
図、図5,図6はシートベルトアンカ取付け部分の断面
図(図4のV-V 線断面図,図4のVI-VI 線断面図)であ
る。
【0014】図において、1は自動車のリヤフレームを
示しており、該リヤフレーム1は車両前後方向に延びる
左,右のサイドメンバ2,2の中央部に車幅方向に延び
るクロスメンバ3を結合するとともに、該クロスメンバ
3及びサイドメンバ2の上面にフロアパネル4(図6参
照)を配設した概略構造を有しており、該クロスメンバ
3のフロアパネル4の上面にリヤシート(不図示)が配
設されている。
【0015】上記サイドメンバ2は、内,外側壁2a,
2b及び底壁2cを有する横断面ハット状のものであ
り、車両後側ほど車内側に位置するように屈曲形成され
ており、該後側の車外側には不図示の後輪が配設されて
いる。また上記内,外側壁2a,2bの上縁にはフラン
ジ部2d,2dが一体に屈曲形成されている。
【0016】上記クロスメンバ3は、前,後壁3a,3
b及び底壁3cを有する縦断面ハット状のものであり、
該底壁3cの車幅方向両端部は前後方向に幅広に形成さ
れ、かつ中央部より若干高所に位置するように段付き状
に屈曲形成されている。また上記前,後壁3a,3bの
上縁にはフランジ部3d,3dが一体に屈曲形成されて
いる。
【0017】上記クロスメンバ3内には左,右一対のリ
インホース5が配設されている。この各リインホース5
は上向きに開口する縦断面コ字状のものであり、これの
前,後壁5a,5b及び底壁5cは上記クロスメンバ3
の前,後壁5a,5b及び底壁5cにスポット溶接によ
り接合されている。
【0018】上記リインホース5の車内側端部には、図
4〜図6に示すように、取付けブラケット6が配設され
ている。この取付けブラケット6は下向きに開口する断
面コ字状のものである。この取付けブラケット6の左,
右側壁6a,6bがリインホース5の底壁5cにアーク
溶接により接合されており、これによりボックス断面が
形成されている。
【0019】上記取付けブラケット6の上壁6cには上
記フロアパネル4が配置されており、該上壁6cの下面
にはアンカナット7が固着されている。また上記取付け
ブラケット6内のリインホース5の底壁5cの上面には
タンクナット8が固着されている。
【0020】上記クロスメンバ3の底壁3cの下面には
燃料タンク9の固定フランジ9aが配置されている。こ
の固定フランジ9aは上記タンクナット8に螺着された
ボルト10によりクロスメンバ3とともにリインホース
5に共締め固定されている。また上記フロアパネル4の
上面にはシートベルトアンカ11が配置されている。こ
のシートベルトアンカ11は上記アンカナット7に螺着
されたボルト12によりフロアパネル4とともに取付け
ブラケット6に共締め固定されている。
【0021】このようにリインホース5に下向きコ字状
の取付けブラケット6を接合してボックス断面を形成
し、該取付けブラケット6に燃料タンク9及びシートベ
ルトアンカ11を締結固定したので、上記燃料タンク9
及びシートベルトアンカ11の取付け剛性を高めること
ができ、これによりリインホース5の薄板化が可能とな
る。
【0022】上記クロスメンバ3は引張り強度の高い高
張力鋼板からなるものである。該クロスメンバ3に高張
力鋼板を採用することによって、車両側突時の車体剛性
を高めるとともに、シートベルトアンカ11からの入力
に対する引張り剛性を高めることができる。
【0023】上記リインホース5は形状に対する自由度
の高い軟鋼板からなるものであり、上記サイドメンバ2
の内側壁2aに当接する位置まで延長形成されている。
上記リインホース5の外端縁には接合フランジ部15が
一体形成されており、該接合フランジ部15には上記ク
ロスメンバ5の外端面が当接,もしくは僅かな隙間を設
けて対向している。
【0024】上記接合フランジ部15は上記リインホー
ス5の前,後壁5a,5bに続いて前後に屈曲形成され
た前,後フランジ部15a,15bと、底壁5cに続い
て下方に屈曲形成された下フランジ部15cとを有して
おり、該下フランジ部15cは上記内側壁2aから底壁
2cの下面に回り込むように延びている。
【0025】そして上記接合フランジ部15はサイドメ
ンバ2の内側壁2a及び底壁2cにスポット溶接により
接合されており、これにより上記クロスメンバ3はリイ
ンホース5を介してサイドメンバ2に結合されている。
【0026】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。
【0027】本実施形態のクロスメンバ結合構造によれ
ば、クロスメンバ3を高張力鋼板により形成し、該クロ
スメンバ3に軟鋼板からなるリインホース5を接合する
とともに、該リインホース5に接合フランジ部15を一
体形成し、該接合フランジ15をサイドメンバ2に接合
することによって上記クロスメンバ3をリインホース5
を介してサイドメンバ2に結合したので、形状に対する
自由度の高い軟鋼板からなるリインホース5に接合フラ
ンジ部15を容易に形成することができ、上記クロスメ
ンバ3のサイドメンバ2との結合力を十分に確保するこ
とができる。その結果、クロスメンバ3に高張力鋼板の
採用が可能となり、車両側突時の剛性及びシートベルト
アンカからの入力に対する剛性を高めることができる。
【0028】また上記クロスメンバ3を軟鋼板からなる
リインホース5を介してサイドメンバ2に結合したの
で、シートベルトアンカ11からの入力をリインホース
5により吸収することが可能となり、サイドメンバ2と
の結合部の破断を防止することができる。
【0029】本実施形態では、シートベルトアンカ1
1,燃料タンク9を取付けるためのリインホース5を延
長させ、該延長端に接合フランジ15を形成したので、
既存のリインホース5をそのまま利用することができ、
部品点数が増えるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動車のクロスメン
バ結合構造を説明するための該クロスメンバの結合部分
の斜視図である。
【図2】上記クロスメンバの結合部分の一部断面正面図
である。
【図3】上記クロスメンバ結合部分の平面図である。
【図4】上記クロスメンバのシートベルトアンカ取付け
部分の斜視図である。
【図5】上記シートベルトアンカ取付け部分の断面図
(図4のV-V 線断面図)である。
【図6】上記シートベルトアンタ取付け部分の断面図
(図4のVI-VI 線断面図)である。
【図7】一般的な自動車のリヤフレームを示す斜視図で
ある。
【図8】従来のクロスメンバ結合構造を示す斜視図であ
る。
【図9】従来のクロスメンバ結合部の正面図である。
【符号の説明】
2 サイドメンバ 2a 内側壁 3 クロスメンバ 5 リインホース(結合部材) 15 接合フランジ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前後方向に延びるサイドメンバの内
    側壁に車幅方向に延びるクロスメンバの端部を結合する
    ようにした自動車のクロスメンバ結合構造において、上
    記クロスメンバを高張力鋼板等からなる硬鋼板により形
    成し、該クロスメンバを、上記サイドメンバに溶接接合
    される接合フランジ部が屈曲形成された軟鋼板からなる
    結合部材を介して上記サイドメンバに結合したことを特
    徴とする自動車のクロスメンバ結合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記結合部材は、上
    記クロスメンバに接合されたシートベルトアンカ取付け
    用リインホースを延長させたものであることを特徴とす
    る自動車のクロスメンバ結合構造。
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