JP3831622B2 - 車体の補強構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体の補強構造に関し、特に交差して接合される2つの部材の接合部を補強するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車を船等の荷台に積んで輸送する場合には、荷台に取り付けられたタイダウンフックを車体のサイドメンバ等に穿孔されたタイダウン用孔に係止させることで、荷台と車体とを固定させていた。そして一般に、このタイダウン用孔はタイダウンフックによって変形しないようにタイダウン用ブラケットで補強されていた。
このようなタイダウン用ブラケットの取付部構造としては、例えば図10に示すような車体両側部に配置されて車体前後方向に延在するサイドシルインナの後部近傍の補強構造がある(特公平8−9348号公報参照)。
この構造は、サイドシルインナ11とクロスメンバ12の間にリアサイドメンバ13が介在され、リアサイドメンバ13の上側にタイダウン用ブラケット14が接合され、クロスメンバ12とリアサイドメンバ13の上側にリアフロアパネル15が接合されるものである。
この構造では、タイダウン用ブラケット14の縦片部14aがリアサイドメンバ13の側面部13aに接合され、サイドシルインナ11とクロスメンバ12は、クロスメンバ12の車幅方向外側の端に形成されるフランジ12bのみで接合されていた。また、クロスメンバ12の底面部12aとサイドシルインナ11の底面部11aは高さ方向でずれた状態で接合されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の構造にあっては、タイダウン用ブラケット14はサイドシルインナ11とクロスメンバ12の接合部の補強に寄与するものではなかった。また、サイドシルインナ11とクロスメンバ12の接合部はクロスメンバ12のフランジ12bのみであった。そのため、サイドシルインナ11とクロスメンバ12の接合部の構造に関しては、従来の構造よりもさらに高い剛性となる構造が要求されていた。
また、クロスメンバ12の底面部12aとサイドシルインナ11の底面部11aが高さ方向でずれた状態で接合されているため、車両に側突荷重が加わるとサイドシルインナ11の側面部11bが曲げられて変形する可能性があった。そのため、クロスメンバ12に荷重が伝達されにくくなり、サイドシルインナ11は車体横方向の剛性の向上にあまり寄与していなかった。
【0004】
そこで、本発明の課題は、サイドシルインナとクロスメンバの接合部の剛性を高めた車体の補強構造を提供することにある。
また、本発明の課題は、側突荷重に対する車体横方向の剛性を高めた車体の補強構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に係る発明は、車体の前後方向に向けて延在し少なくとも上面部、側面部および底面部を有する前後方向部材と、少なくとも底面部を有し前記前後方向部材に交差して接合される交差部材との接合部を補強する車体の補強構造であって、断面略L字形の補強部材の縦片部を前記前後方向部材の側面部に取り付け、前記補強部材の横片部を前記交差部材の底面部に溶接し、前記縦片部は、その長さが前記前後方向部材の側面部の高さと略同じ長さになり、その上端に前記前後方向部材の上面部に溶接されるフランジが形成されることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、補強部材の縦片部の上端にフランジを設けることによって、フランジと横片部を同一方向で溶接できるので、フランジと横片部の溶接を同一工程で行うことができるとともに、補強部材を前後方向部材と交差部材に強固に接合できる。
ここで、「断面略L字形」とは、補強部材の縦片部が前後方向部材の側面部に当接するとともに、その横片部が交差部材の底面部または前後方向部材の底面部に当接するように補強部材が折れ曲がっている形状をいう。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記交差部材は前記底面部から立ち上がる少なくとも前面部または後面部を有し、前記補強部材は前記前面部または後面部と接する縦壁部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、補強部材の縦壁部が交差部材の前面部または後面部を補強するので、請求項1記載の発明による効果に加え、前後方向の衝突荷重に対する交差部材の剛性を高めることができる。また、補強部材の縦壁部がこの補強部材の縦片部と横片部を補強するので、補強部材自体の剛性も高めることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明の構成において、前記補強部材の前記縦片部と縦壁部が連続していることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、連続した縦片部と縦壁部が前後方向部材の側面部と交差部材の前面部または後面部とに跨って接合されるので、請求項2記載の発明による効果に加え、前後方向部材と交差部材との接合部の剛性をさらに高めることができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3記載の発明の構成において、前記前後方向部材の底面部と前記交差部材の底面部を略面一にしたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、前後方向部材の底面部と交差部材の底面部を略面一にするので、請求項1乃至請求項3記載の発明による効果に加え、側突荷重を交差部材の底面部に効率良く伝達させ、車体横方向の剛性を高めることができる。
ここで、「略面一」とは、前後方向部材の底面部の下側と交差部材の底面部の下側が面一である状態はもちろんのこと、前後方向部材の底面部の下側より交差部材の底面部の下側が上下方向に交差部材の板厚分程ずれた状態も含む。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4記載の発明の構成において、前記補強部材はタイダウン孔を補強するタイダウン用ブラケットであることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、タイダウン用ブラケットを前後方向部材と交差部材の接合部の補強に利用するので、請求項1乃至請求項4記載の発明による効果に加え、別部品として補強部材を設ける必要がなくなり部品点数が削減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明に係る車体の補強構造の詳細について説明する。
この実施形態は、車体両側部に配置されて車体前後方向に延在するサイドシルインナの前部近傍におけるタイダウン用ブラケットの取付部構造に本発明を適用したものである。
図1に示すように、このタイダウン用ブラケットの取付部構造は、車体Mの前後方向に延在するサイドシルインナ(前後方向部材)1と、このサイドシルインナ1に交差して接合されるクロスメンバ(交差部材)2と、断面略L字形のタイダウン用ブラケット(補強部材)3とで構成されている。ここで、矢印FRは車両前方を指している。
【0016】
図2に示すように、サイドシルインナ1には、上面部1a,側面部1b,底面部1cで断面略コ字形が形成されている。この断面略コ字形の開口側は車幅方向の外側に向けられている。その上面部1aの車幅方向外側の端(以下、外端という。)に上方に延びるフランジ1dが形成され、その底面部1cの外端に下方に延びるフランジ1eが形成されている。
【0017】
クロスメンバ2には、前面部2a,底面部2b,後面部2cで断面略U字形が形成されている。この断面略U字形の開口側は上側に向けられている。前面部2aの上端には前方に延びるフランジ2dが形成され、前面部2aの外端には前方に延びるフランジ2eが形成されている。後面部2cの上端には後方に延びるフランジ2fが形成され、後面部2cの外端には後方に延びるフランジ2gが形成されている。そして、底面部2bの外端に車幅方向外側に延びる延長面部2hがこの底面部2bよりクロスメンバ2の板厚分だけ下がった位置に形成され、このクロスメンバ2の底面部2bの外端部近傍にタイダウン用孔2iが穿孔されている。
【0018】
タイダウン用ブラケット3は、縦片部3a,横片部3bにより、断面略L字形となっている。この横片部3bの中央部近傍には、前記クロスメンバ2に穿孔されたタイダウン用孔2iと略同じ径のタイダウン用孔3cが穿孔されている。
【0019】
次に、前記の部品を組み付けて接合する方法について説明する。
図3に示すように、サイドシルインナ1の底面部1cの前部近傍の下側にクロスメンバ2の延長面部2hの上側を当接させるとともに、サイドシルインナ1の側面部1bの車幅方向内側にクロスメンバ2のフランジ2e,2gの車幅方向外側を当接させる。このとき、図4に示すように、クロスメンバ2の延長面部2hがその底面部2bよりクロスメンバ2の板厚分だけ下がっているので、クロスメンバ2の底面部2bの下面とサイドシルインナ1の底面部1cの下面が面一になる。そして、サイドシルインナ1とクロスメンバ2の当接している部分を溶接により接合する。次に、サイドシルインナ1の側面部1bの車幅方向内側にタイダウン用ブラケット3の縦片部3aの車幅方向外側を当接させるとともに、クロスメンバ2の底面部2bの上側にタイダウン用ブラケット3の横片部3bの下側を当接させる。このとき、タイダウン用ブラケット3のタイダウン用孔3cとクロスメンバ2のタイダウン用孔2iの位置も合わせる。そして、タイダウン用ブラケット3とサイドシルインナ1とクロスメンバ2の当接している部分をそれぞれ溶接により接合する。
【0020】
以上によれば、断面略L字形のタイダウン用ブラケット3の縦片部3aをサイドシルインナ1の側面部1bに接合し、その横片部3bをクロスメンバ2の底面部2bに接合するので、サイドシルインナ1とクロスメンバ2の接合部の剛性を高くすることができる。また、タイダウン用ブラケット3をサイドシルインナ1とクロスメンバ2の接合部の補強に利用したので、補強部材を別に設ける必要がなく、部品点数を削減できる。さらに、サイドシルインナ1の底面部1cとクロスメンバ2の底面部2bが面一になっているので、側突荷重がクロスメンバ2の底面部2bに効率良く伝達され、車体横方向の剛性を高くすることができる。
【0021】
なお、本実施形態では、タイダウン用ブラケットの横片部をクロスメンバの底面部に接合したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タイダウン用ブラケットの横片部をサイドシルインナの底面部に接合する構造にしても良い。このタイダウン用ブラケットの横片部をサイドシルインナの底面部に接合した構造では、タイダウン用ブラケットがサイドシルインナをその側面部から底面部に沿って補強するので、サイドシルインナの側面部および底面部の剛性が高くなる。ただし、この場合は、サイドシルインナの底面部にタイダウン用孔を穿孔する必要がある。
【0022】
〔第2の実施形態〕
以下に、本発明に係る車体の補強構造における第2の実施形態について説明する。この実施形態は第1の実施形態のタイダウン用ブラケットを変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
タイダウン用ブラケット(補強部材)4には、図5に示すように、縦片部4a,横片部4bで断面略L字形が形成されている。横片部4bの中央部近傍には、前記クロスメンバ2に穿孔されたタイダウン用孔2iと略同じ径のタイダウン用孔4cが穿孔されている。この横片部4bの前後方向の長さはクロスメンバ2の底面部2bの前後方向の長さと略同じ長さになっている。そして、この横片部4bの前端には上方に向かって延びるフランジ(縦壁部)4dが形成され、その後端には上方に向かって延びるフランジ4eが形成されている。ここで、縦片部4a,横片部4b,フランジ4d,4eは、プレス加工によって、互いに連続して成型されている。
なお、タイダウン用ブラケット4はプレス加工で一体に成型する必要はなく、例えば、図6に示すように、縦片部4a′およびフランジ(縦壁部)4d′,4e′を互いに連続させず、横片部4b′の外周端からそれぞれ折り曲げた後に、縦片部4a′とフランジ4d′,4e′を溶接により接合することでこれらを連続させても良い。
【0024】
次に、タイダウン用ブラケット4の取り付け方法について説明する。
まず、サイドシルインナ1とクロスメンバ2を第1の実施形態と同様に組み付けて接合させる。そして、タイダウン用ブラケット4の縦片部4a,横片部4bを、第1の実施形態と同様に、それぞれサイドシルインナ1の側面部1bとクロスメンバ2の底面部2bに当接させる。このとき、タイダウン用ブラケット4の横片部4bとクロスメンバ2の底面部2bは前後方向の長さが略同じ長さであるため、図7に示すように、クロスメンバ2の前面部2aの後側にフランジ4dの前側が当接され、クロスメンバ2の後面部2cの前側にフランジ4eの後側が当接される。そして、これらの当接している部分を溶接により接合する。
【0025】
以上によれば、タイダウン用ブラケット4のフランジ4d,4eをクロスメンバ2の前面部2a,後面部2cに接合することにより、前後方向の衝突荷重に対するクロスメンバ2の剛性を高くすることができる。また、連続した縦片部4aとフランジ4d,4eがサイドシルインナ1の側面部1bとクロスメンバ2の前面部2aおよび後面部2cとに跨って接合されるため、サイドシルインナ1とクロスメンバ2の接合部の剛性をさらに高くすることができる。さらに、タイダウン用ブラケット4のフランジ4d,4eがその縦片部4aと横片部4bを補強するので、タイダウン用ブラケット4自体の剛性を高くすることができる。
【0026】
〔第3の実施形態〕
以下に、本発明に係る車体の補強構造における第3の実施形態について説明する。この実施形態は第1または第2の実施形態のタイダウン用ブラケットを変更したものなので、第1または第2の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
タイダウン用ブラケット(補強部材)5には、図8に示すように、縦片部5a,横片部5bで断面略L字形が形成されている。横片部5bの中央部近傍には、前記クロスメンバ2に穿孔されたタイダウン用孔2iと略同じ径のタイダウン用孔5cが穿孔されている。この横片部5bの前後方向の長さはクロスメンバ2の底面部2bの前後方向の長さと略同じ長さになっている。そして、この横片部5bの前端および後端には上方に向かって延びるフランジ(縦壁部)5d,5eが、縦片部5aとは連続せずに形成されている。この縦片部5aはフランジ5d,5eより高さ方向に長く、その長さがサイドシルインナ1の側面部1bの高さと略同じ長さになっている。さらに、縦片部5aの上端には、車幅方向外側に向かって延びるフランジ5fが形成されている。
【0028】
次に、タイダウン用ブラケット5の取り付け方法について説明する。
まず、サイドシルインナ1とクロスメンバ2を第1または第2の実施形態と同様に組み付けて接合させる。そして、タイダウン用ブラケット5の縦片部5a,横片部5bを、第1または第2の実施形態と同様に、それぞれサイドシルインナ1の側面部1bとクロスメンバ2の底面部2bに当接させる。このとき、タイダウン用ブラケット5の横片部5bとクロスメンバ2の底面部2bは前後方向の長さが略同じ長さであるため、図9に示すように、クロスメンバ2の前面部2aの後側にフランジ5dの前側が当接され、クロスメンバ2の後面部2cの前側にフランジ5eの後側が当接される。さらに、タイダウン用ブラケット5の縦片部5aとサイドシルインナ1の側面部1bは高さ方向の長さが略同じ長さであるため、サイドシルインナ1の上面部1aの上側にタイダウン用ブラケット5のフランジ5fの下側が当接される。そして、これらの当接している部分を溶接により接合する。このとき、タイダウン用ブラケット5のフランジ5fとサイドシルインナ1の上面部1aとの溶接部Y1と、タイダウン用ブラケット5の横片部5bとクロスメンバ2の底面部2bとの溶接部Y2は、同一方向で溶接できる位置になっている。
【0029】
以上によれば、タイダウン用ブラケット5の縦片部5aの上端にフランジ5fを設けることによって、フランジ5fと横片部5bを同一方向で溶接できるので、フランジ5fと横片部5bの溶接を同一工程で行うことができる。そのため、第1または第2の実施形態と同じ工程数でタイダウン用ブラケット5をサイドシルインナ1とクロスメンバ2に強固に接合できる。
また、タイダウン用ブラケット5の縦片部5aとサイドシルインナ1の側面部1bを接合しなくても、溶接部Y1と溶接部Y2を溶接するだけで、サイドシルインナ1とクロスメンバ2の接合部をタイダウン用ブラケット5で補強できる。そのため、タイダウン用ブラケット5の縦片部5aとサイドシルインナ1の側面部1bを接合させる工程を減らすことができるので、作業時間を短縮できる。
【0030】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、本実施形態はサイドシルインナとクロスメンバを直接接合した場合に本発明を適用したものであるが、従来のように、サイドシルインナとクロスメンバの間にリアサイドメンバを介在して接合した場合に適用しても良い。この場合、タイダウン用ブラケットの横片部はリアサイドメンバを介在してクロスメンバの底面に取り付けられる。
また、本実施形態では前後方向部材をサイドシルインナ、交差部材をクロスメンバとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前後方向部材はサイドシルアウタ、フロントサイドメンバ若しくはリヤサイドメンバ等であっても良いし、交差部材はその後部が車幅方向外側に屈曲するフロントサイドメンバ、その前部が車幅方向外側へ屈曲するリヤサイドメンバ若しくはフロアパネル等であっても良い。
さらに、本発明は、断面略U字形のクロスメンバの開口側を下側にしてサイドシルインナに接合した場合にも適用できる。このような場合であっても、補強部材の縦片部をサイドシルインナの側面部に接合し、その横片部をクロスメンバの底面部に接合することによりサイドシルインナとクロスメンバの接合部の補強をすることができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、補強部材の縦片部の上端にフランジを設けることによって、フランジと横片部を同一方向で溶接できるので、フランジと横片部の溶接を同一工程で行うことができるとともに、補強部材を前後方向部材と交差部材に強固に接合できる。
【0032】
請求項2に係る発明によれば、補強部材の縦壁部が交差部材の前面部または後面部を補強するので、請求項1記載の発明による効果に加え、前後方向の衝突荷重に対して交差部材を補強できる。また、補強部材の縦壁部がその縦片部と横片部を補強するため、補強部材自体の剛性も高くなる。
【0033】
請求項3に係る発明によれば、前後方向部材の側面部と交差部材の前面部または後面部に連続した縦片部と縦壁部が接合されるので、請求項2記載の発明による効果に加え、前後方向部材と交差部材の接合部の剛性がさらに高くなる。
【0034】
請求項4に係る発明によれば、前後方向部材の底面部と交差部材の底面部を略面一にするので、請求項1乃至請求項3記載の発明による効果に加え、側突荷重を交差部材の底面部に直接伝達できるので、車体横方向の剛性が高くなる。
【0035】
請求項5に係る発明によれば、補強部材としてタイダウン用ブラケットを利用するので、請求項1乃至請求項4記載の発明による効果に加え、補強部材を別に設ける必要がなくなり部品点数の削減が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す車体の概略斜視図である。
【図2】図1の矢印aで示した破線で囲まれる部分の分解斜視図である。
【図3】図2の部品を組み付けて接合した状態を示す斜視図である。
【図4】図3の矢印A−A線に沿った断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】図5に示すタイダウン用ブラケットの変形例を示す斜視図である。
【図7】図5の部品を組み付けて接合した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8の部品を組み付けて接合した状態を示す平面図である。
【図10】従来のタイダウン用ブラケットの取付部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 サイドシルインナ(前後方向部材)
1a 上面部
1b 側面部
1c 底面部
2 クロスメンバ(交差部材)
2a 前面部
2b 底面部
2c 後面部
2i タイダウン用孔
3,4,5 タイダウン用ブラケット(補強部材)
3a,4a,5a 縦片部
3b,4b,5b 横片部
3c,4c,5c タイダウン用孔
4d,4e,5d,5e フランジ(縦壁部)

Claims (5)

  1. 車体の前後方向に向けて延在し少なくとも上面部、側面部および底面部を有する前後方向部材と、少なくとも底面部を有し前記前後方向部材に交差して接合される交差部材との接合部を補強する車体の補強構造であって、
    断面略L字形の補強部材の縦片部を前記前後方向部材の側面部に取り付け、
    前記補強部材の横片部を前記交差部材の底面部に溶接し
    前記縦片部は、その長さが前記前後方向部材の側面部の高さと略同じ長さになり、その上端に前記前後方向部材の上面部に溶接されるフランジが形成されることを特徴とする車体の補強構造。
  2. 前記交差部材は前記底面部から立ち上がる少なくとも前面部または後面部を有し、
    前記補強部材は前記前面部または後面部と接する縦壁部を有することを特徴とする請求項1記載の車体の補強構造。
  3. 前記補強部材の前記縦片部と縦壁部が連続していることを特徴とする請求項2記載の車体の補強構造。
  4. 前記前後方向部材の底面部と前記交差部材の底面部を略面一にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の車体の補強構造。
  5. 前記補強部材はタイダウン孔を補強するタイダウン用ブラケットであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れか一項に記載の車体の補強構造。
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