JP2003094226A - テーパ部を有するエンドミル - Google Patents
テーパ部を有するエンドミルInfo
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- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Abstract
のたわみ量を制御することにより、チッピング、欠損及
び折損を抑制し、工具寿命が向上する小径エンドミル。 【解決手段】刃径がシャンク径より小さく、首部1にテ
ーパ部を有するエンドミルにおいて、該エンドミルの側
面視で、該テーパ部の刃部側に凹状部3を有し、該凹状
部は漸次外径が大きくなる連続曲線からなり、該凹状部
をテーパ部長さの1/4以上としたことを特徴とするテ
ーパ部を有するエンドミル。
Description
の工作機械を使用して用いる小径エンドミルに関する。
型が小さくなり、これらを加工するエンドミルにおいて
も刃径が3mm以下のいわゆる小径エンドミルのニーズ
が高まっている。小径エンドミルは中径や大径のものと
異なり、工具寿命が折損によるものが大半を占めてい
る。これは、小径であるが故、剛性面が弱く、また、小
径エンドミルは一般に刃径がシャンク径より小さく、刃
部とシャンク部を首部のテーパ部を介して繋いでおり、
刃部または首部のストレート部と首部のテーパ部との繋
ぎ部に凹状の段差を生じ、切削応力がこの段差部に集中
することにより、折損しやすく、工具寿命が短かった。
これを改善したものに特開平10−151513号公報
に開示される小径エンドミルがある。
寿命状況は、大きく2種類あり、第1に切削中のエンド
ミルのたわみ量が大きくなり、その負荷が工具剛性を超
え、折損する場合である。一般にエンドミルのたわみ量
は工具突き出し長さの3乗に比例すると言われており、
これを小径エンドミルに置き換えると、小径エンドミル
のたわみ量はエンド端からたわみの起点までの長さの3
乗に比例することになり、エンド端からたわみの起点ま
での長さは、僅かな差でも大きな影響がある。ここで、
たわみの起点は、外径が増加する勾配が大きくなる変曲
点付近となるため、この部位は特に応力集中を生じ易
く、少ない工具摩耗、即ち少ない切削負荷で折損に至
る。第2は、切削中のびびり振動による切れ刃のチッピ
ング、欠け等の異常摩耗発生した場合である。小径エン
ドミルの場合、切削中のびびり振動は中径や大径のもの
と異なり、工具自体の剛性が高いほど発生しやすい傾向
にある。これは、小径であるが故、元々の剛性面が弱
く、びびり振動を抑制するまでの剛性を得ることができ
ないためである。尚、工具剛性を弱くしすぎると、たわ
みが大きくなり、第1の理由で折損に至る。
号公報の小径エンドミルは、段差を有しないものの変曲
点と大差ない状態であるため、切削応力はこの部位に集
中し、またこの部位の外径が細いため、強度低下を抑制
した効果は少なく、折損しやすい状態は変わらず、工具
寿命が短いという課題があった。また、テーパ部全体を
アール状にしたものは、切削時の応力集中を分散させる
効果はあるものの、エンド端からたわみの起点までの長
さが長くなり過ぎ、たわみが大きく、且つ、切削中のび
びり振動が激しく、切れ刃のチッピング、欠損等の異常
摩耗発生により工具寿命が短いという課題があった。
なされたものであり、切削による応力集中を分散すると
ともに、工具のたわみ量を制御することにより、チッピ
ング、欠損及び折損を抑制し、工具寿命が向上する小径
エンドミルを提供することを目的とする。
刃径がシャンク径より小さく、首部にテーパ部を有する
エンドミルにおいて、該エンドミルの側面視で、該テー
パ部の刃部側に凹状部を設け、該凹状部は漸次外径が大
きくなる連続曲線からなり、該凹状部とテーパ部との繋
ぎの位置の直径を刃径の1.5倍以上の位置としたこと
を特徴とするテーパ部を有するエンドミルである。
を有したことにより、たわみの起点を凹状部のシャンク
端側に位置させるとともに、その直径径を太くすること
ができる。これにより、首部のストレート部と凹状部と
を段差を生じないように滑らかに繋ぐことができ、且
つ、たわみの起点を凹状部のシャンク端側に位置させる
ことになり、エンド端からたわみの起点までの長さを制
御できる。更に、繋ぎの位置の直径を刃径の1.5倍以
上の位置に設けることにより、太くすることにより強度
を高めることができる。工具側面視で外径が増加する勾
配が大きくなる変曲点、凹状の屈曲部、外径が極小値と
なる部位等では切削応力が集中しやすく、応力が集中し
やすい部位があると、少ない切削負荷でも折損に至るた
め、該凹状部を漸次外径が大きくなる連続曲線とし、応
力集中を分散させるとともに、たわみの起点となる位置
の外径を太くし、強度と耐折損性を向上させた。連続曲
線は、剛性面で一番安定する円弧状が望ましく、円弧状
の曲率半径が大きいほど、応力集中を分散させる効果が
大きいが、その反面、凹状部の曲率半径が大きくなるに
したがって、繋ぎ部の位置がシャンク側に移動し、必要
以上にエンド端からたわみの起点までの長さが長くな
る。そのため、より好ましくは、テーパ部の刃部側、す
なわちテーパ部の半分より刃側の位置が良い。
直径の上限は、刃径によりその適切な径の太さが大きく
変動する。例えば、刃径0.5mmでは、シャンク径4
mmを用いるので、径の差が8倍あり、凹状部を設けて
1.5〜6倍程の太さとするのが好ましい。更に好まし
くは、3〜6倍である。同様に、刃径1mmでは、径の
差が4倍となるため、1.5〜3倍程度の太さとするの
がのましい。また、刃径3mmでは、シャンク径6mm
を用いるので、径の差が2倍となり、凹状部を設けて
1.2〜1.6倍程度まで設けることができる。本発明
では、これらの相乗効果により、チッピング、欠損及び
折損を抑制し、工具寿命を大幅に向上することができ
た。
差によってもテーパ部の形状が変わってくることから、
曲率半径は、テーパ部前端部の外径と後端部の外径との
差の2倍〜8倍の範囲が良い。これは、曲率半径がテー
パ部前端部の外径と後端部の外径との差の2倍よりも小
さくなると、たわみの起点となる部位の外径が小さくな
ると共に、応力集中を分散させる効果が少なく折損を引
き起こす可能性がある。また、8倍を越えるとエンド端
からたわみの起点までの距離が長くなり必要以上に剛性
が下がってしまい十分な加工精度が得にくくなるからで
あり、好ましくは、2.5倍〜5倍が望ましい。更に、
テーパ部のテーパ片角が大きくなると凹状部の曲率半径
を小さくせざるえなくなり、たわみの起点で応力が集中
しやすく折損の原因となり、切削中に被削材との干渉も
生じ易くなる。小さくなると必要以上にテーパ部の長さ
が長くなるため、工具剛性が低下することから、テーパ
部のテーパ片角は10°〜15°の範囲が望ましい。首
部に工具軸線に対して略平行のストレート部を有する場
合、ストレート部を被削材と干渉しない程度に微小テー
パを設けても良く、テーパ部の凹状部と滑らかに繋ぐこ
とにより、凹状部の曲率半径を大きくでき、応力分散に
おいて一層効果が向上するとともに、剛性面の向上が計
れる。ここで、1/10〜1/100程度の微小テーパ
でも十分効果がある。本発明を適用することにより、テ
ーパ部を有するエンドミルにおいて、切削による応力集
中を分散するとともに、工具のたわみ量を制御すること
により、チッピング、欠損及び折損を抑制し、工具寿命
を大幅に向上することができた。以下、実施例に基づき
本発明を具体的に説明する。
す、工具母材が超硬合金製の工具刃径0.4mm、シャ
ンク径4mm、刃数2枚刃、外周ねじれ角が30°、エ
ンドすくい角が5°、刃長が0.6mmで、一般に首盗
みタイプと呼ばれる、首部1がストレート部2、凹状部
3、テーパ部4とからなり、首部ストレート部の直径は
刃部5の刃径よりも小さい径で、工具軸線に平行のスト
レート部を有している。刃長と首部ストレート部2の長
さの和、即ち首下長さ6が3mm、テーパ部4のテーパ
片角7が12°、凹状部3は円弧状に設け、繋ぎの位置
8の直径は2.2mmとし、刃径の5.5倍としたソリ
ッドスクエアエンドミルに、TiAlNコ−ティングを
3μm被覆したものを製作した。比較のため、従来例2
として、図2に示す、首部ストレート部2と直線状のテ
ーパ部4とを微小アールで繋ぎ、繋ぎ部に段差をなくし
たタイプ、従来例3として、図3に示す、テーパ部4全
体をアール状にし、首部ストレート部2と段差を生じな
いように滑らかに繋いだタイプを製作した。
RC38)を用い、回転数19500min−1、送り
速度200mm/min、切り込み量は工具軸方向に
0.008mm/回とし、油性の切削液を用いて湿式に
よる等高線リブ溝切削を行い、切削状態と仕上げ面の観
察を行った。ここで等高線リブ溝切削の形状は、幅が
0.5mmで深さが3mmで曲線加工部を有した止まり
溝であり、工具軸方向送り回数375回で等高線加工を
行った。その結果、本発明例1は折れる事なく、図4に
示す、加工面もびびり等のない良好な加工面であるのに
対し、従来例2は、切削途中に刃部と首部の繋ぎ目を起
点に折損し、従来例3は、折れることはなかったもの
の、図5に示す、加工面にはびびりが発生し、たおれ精
度も悪く、刃先等に欠損を生じており、工具としてもす
でに工具寿命に達していた。
に、本発明例1と同仕様で、凹状部の形状が漸次外径が
大きくなる連続曲線であり、その凹状部の形状を円弧形
状にし、円弧状の曲率半径がテーパ部前端部の外径と後
端部の外径との差の、本発明例4として1.5倍、本発
明例5として2倍、本発明例6として2.5倍、本発明
例7として3倍、本発明例8として4倍、本発明例9と
して5倍、本発明例10として6倍、本発明例11とし
て8倍、本発明例12として10倍、とした9種類のエ
ンドミルを製作し、切削テストを行った。切削諸元は、
被削材にプリハ−ドン鋼(HRC38)を用い、回転数
19500min−1、送り速度500mm/min、
切り込み量は工具軸方向に0.02mm/回とし、油性
の切削液を用いて湿式による等高線リブ溝切削を行い、
切削状態と仕上げ面の観察を行った。ここで等高線リブ
溝切削の形状は、幅が1.2mmで深さが10mmで曲
線加工部を有した止まり溝であり、工具軸方向送り回数
500回で等高線加工を行った。その結果、どの工具も
チッピングや欠損等の異常摩耗を生じず、折れることな
く加工できた。ここで、本発明例5〜11は、加工面も
びびり等のない良好な加工面であり、特に本発明例6〜
9が良好であり、更に本発明例7、8が安定していた。
しかし、本発明例4は、被削材の加工面がびびり面の傾
向にあり、若干加工面に影響を及ぼした。また、本発明
例12は、加工面のたおれ精度が若干悪い結果となり、
これは曲率半径が大きくなったことにより、エンド端か
らたわみの起点までの長さが若干長くなり、加工面のた
おれ精度に影響した。
ドミルにおいて、切削による応力集中を分散するととも
に、工具のたわみ量を制御することにより、チッピン
グ、欠損及び折損を抑制し、工具寿命を大幅に向上する
ことができた。
を示す説明図を示す。
を示す説明図を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】刃径がシャンク径より小さく、首部にテー
パ部を有するエンドミルにおいて、該エンドミルの側面
視で、該テーパ部の刃部側に凹状部を設け、該凹状部は
漸次外径が大きくなる連続曲線からなり、該凹状部とテ
ーパ部との繋ぎの位置の直径を刃径の1.5倍以上の位
置としたことを特徴とするテーパ部を有するエンドミ
ル。 - 【請求項2】請求項1記載のテーパ部を有するエンドミ
ルにおいて、該凹状部を円弧状で形成すると共に、該円
弧の曲率半径がテーパ部前端部の外径と後端部の外径と
の差の2倍〜8倍であることを特徴とするテーパ部を有
するエンドミル。
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