JP2005279899A - エンドミル - Google Patents

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Nariyuki Maeda
成幸 前田
Seiichiro Kitaura
精一郎 北浦
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Abstract

【課題】 特に小径首付きのエンドミルで切屑排出性を損なうことなく首下部分の剛性を確保し、より深い加工面でも首下部分の倒れを確実に防いで高い加工面精度を得る。
【解決手段】 エンドミル本体1の先端側に後端側のシャンク部2よりも小径の首部3を介して切刃部4を設け、この切刃部4から首部3先端にかけてのエンドミル本体1外周には切屑排出溝5を形成して、この切屑排出溝5の切刃部4における外周側辺稜部に切刃8を形成し、この切刃8の外径Dを首部3の外径よりも大径とし、切刃8の軸線O方向における刃長Lを外径Dに対して0.2×D〜0.8×Dの範囲とするとともに、切刃部4先端からの切屑排出溝5の軸線O方向における切上げ長さMは、外径D以上で、かつこの切上げ長さMと切刃8の刃長Lとの差M−Lが0.1×D〜1.0×Dの範囲とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンドミル本体のシャンク部の先端側に、シャンク部よりも小径の首部を介し、切屑排出溝を有してその外周側辺稜部に首部よりも大きな外径の切刃が形成された切刃部が設けられた首付きのエンドミルに係わり、特にこの切刃の外径が小径で、これに伴い首部の外径も小径となる小径首付きのエンドミルに関するものである。
この種の小径首付きのエンドミルは、上記切刃部よりも後端側の首部が切刃外径よりも小径とされていて、切刃に対して首部の外周がリセス(凹部)となるようにされているため、ワークに垂直面を形成する際にこの首部が加工された垂直面に干渉して傷を付けたりすることがなく、例えば金型の深彫り加工等に用いられる。ここで、このような小径首付きエンドミルとしては、例えば特許文献1に刃径が1.2mm、刃長が2.5mm、首部の直径が1mmで長さが2.0mmとされたものが、また特許文献2には刃部の径が3mm、シャンク(首部)側の刃元部の径が0.3D(2.7mm)とされたラジアスエンドミルが記載されている。
特開平10−151513号公報 特開2002−292514号公報
ところで、このようなエンドミルによって、首部と加工面との干渉は防ぎつつ、より深い加工面をワークに形成しようとすると、例えば特許文献2に記載されているように工具突き出し量を大きくしてシャンク(首部)を工作機械の主軸に取り付けたり、あるいは首部の後端側に大径のシャンク部が設けられたものでは、上記切刃部の長さすなわち切刃の軸線方向の長さはそのままに、この切刃部の先端から首部と上記シャンク部との境界までの首下長さを長くしたりしなければならない。しかしながら、こうして首下長さを長くしたりあるいは工具突き出し量を大きくしたりすると、特に切刃外径が上述のように小径であって、これに伴い首部の外径も小径となる上記小径首付きエンドミルでは、上記首部とシャンクとの境界から先端側の首下部分や工作機械の主軸から突き出された部分でエンドミル本体の剛性を確保することが困難となり、切削時に加工面から切刃部に作用する負荷によってこの首下部分に倒れが生じ、加工面精度を損なう結果となる。
ここで、このように首下長さを長くした場合でもエンドミル本体先端側の首下部分の剛性の低下を抑えるようにするためには、この首下部分においてエンドミル本体が切り欠かれるような部分を極力少なくしてその肉厚を確保する必要があり、すなわち切屑排出溝によってエンドミル本体が切り欠かれる部分を極力少なくするのが望ましい。ところが、その一方で、こうして切屑排出溝を小さくしてそのチップポケット容量を減少させると、切刃によって生成された切屑が詰まりを生じ易くなり、切削抵抗が増大して特に上述のような小径の首部は容易に折損してしまうおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、特に小径の切刃外径よりもさらに小径の首部を有する小径首付きのエンドミルにおいても、首下長さを長くした場合に切屑排出性を損なうことなく首下部分の剛性を確保することができ、より深い加工面を形成するときでも首下部分の倒れを確実に防いで高い加工面精度を得ることが可能なエンドミルをを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の後端部がシャンク部とされるとともに、このシャンク部よりも先端側には該シャンク部よりも小径の首部を介して切刃部が設けられ、この切刃部から上記首部先端にかけての上記エンドミル本体外周には切屑排出溝が形成されて、この切屑排出溝の上記切刃部における外周側辺稜部に切刃が形成され、この切刃の外径Dが上記首部の外径よりも大径とされたエンドミルであって、該切刃の上記軸線方向における刃長Lを上記外径Dに対して0.2×D〜0.8×Dの範囲とするとともに、上記切刃部先端からの上記切屑排出溝の上記軸線方向における切上げ長さMは、上記外径D以上で、かつこの切上げ長さMと上記切刃の刃長Lとの差M−Lが0.1×D〜1.0×Dの範囲としたことを特徴とする。
このように構成されたエンドミルにおいては、まず切刃の上記刃長Lが、切刃の外径Dに対して0.2×D〜0.8×Dの範囲とされていて、すなわちこの切刃外径Dよりも小さくされているので、切削時に切刃がワークの加工面に切り込まれることによって加工面から切刃部に作用する負荷自体を小さくすることができる。そして、さらにこの切刃部先端からの切屑排出溝の軸線方向における切上げ長さMが、切刃の外径D以上で、なおかつこの切上げ長さMと切刃の刃長Lとの差M−Lが0.1×D〜1.0×Dの範囲となるようにされているので、切屑詰まりを生じることのない排出性を切屑排出溝に与えながらも、この切屑排出溝によって上記首下部分のエンドミル本体が徒に切り欠かれすぎるのを防いで、その剛性を確保することができる。
すなわち、切刃の刃長Lが切刃外径Dに対して0.8×Dを上回るほど長いと、切削時に加工部に作用する負荷も大きくなって首下部分の倒れを確実に防ぐことができず、また逆に0.2×Dを下回るほど短いと1パス当たりの加工幅も小さくなって加工効率が損なわれるおそれがある場合もあり、1パス当たりの加工幅(軸方向切込み)が小さい場合でもエンドミルコーナ部摩耗が増大した場合、特に小径サイズでは、外周刃機能が果たせなくなる危険性がある。また、切屑排出溝の上記切上げ長さMが切刃外径Dよりも短かったり、この切上げ長さMと上記切刃刃長Lとの差が0.1×Dよりも小さかったりすると、切刃部において切屑排出溝の溝深さを確保することができなくなったり、切刃部から首部にかけて連続する切屑排出溝の首部側の部分で切刃部から排出された切屑を、詰まりを生じさせることなく排出するだけのスペースを確保することができなくなる。そして、その一方で、この切上げ長さMと切刃刃長Lとの差が1.0×Dを上回ると、切屑排出溝によって首下部分が大きく切り欠かれすぎて剛性の低下を招き、上述のように切刃刃長Lを外径Dより小さくしても首下部分の倒れを確実に防ぐことが困難となる。
言い換えれば、上記構成のエンドミルによれば、加工効率を損なうことなく、切削時の首下部分の倒れを確実に防止して高い加工面精度を得ることができるとともに、切屑詰まりによる切削抵抗の増大によってエンドミル本体に首部の折損等の損傷が生じるのも防ぐことができる。従って、かかる構成は、特にワークの深彫り加工等においてより深い加工面を形成する場合などに、上記切刃部の先端から首部とシャンク部との境界までの軸線方向における首下長さNが上記切刃の外径Dに対して5×D以上とされるような場合や、上記切刃の外径Dが4mm以下の小径とされて、これに伴い首部の外径も小径となるような場合の小径首付きエンドミルに適用して、より好適である。また、上記切刃に0.5°〜5.0°のバックテーパを付することにより、切削時に加工面から切刃部に作用する負荷を一層小さく抑えることができるので、首下部分の倒れをさらに確実に防止することが可能となる。
図1および図2は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸線Oを中心とした概略軸状をなし、その後端側(図1において右側)が当該エンドミル本体1を工作機械の主軸に装着するためのシャンク部2とされるとともに、先端側(図1において左側)にはこのシャンク部2よりも小径の首部3が形成され、さらにこの首部3の先端に切刃部4が形成されていて、上記シャンク部2が工作機械の主軸に把持されることによって軸線O回りに符号Tで示す回転方向に回転されつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、この切刃部4によってワークに切削加工を施して加工面を形成してゆく。
ここで、シャンク部2は、その後端側部分が軸線Oを中心とした円柱状部2Aとされて上記主軸に把持されるとともに、この円柱状部2Aの先端側部分は漸次縮径する軸線Oを中心とした円錐台状部2Bとされ、さらに首部3はこの円錐台状部2Bの先端から一定の外径(直径)でエンドミル本体1先端側に延びる軸線Oを中心とした小径円柱状とされている。従って、この円錐台状部2B先端の首部3とのつなぎ部が、該首部3とシャンク部2との境界となり、この境界よりもエンドミル本体1先端側は首下部分となる。一方、上記切刃部4は、その外形が、首部3よりも僅かに大きな直径を有し、かつこの直径に対して軸線O方向の長さが短くされた、やはり軸線Oを中心とする円板状をなし、より厳密には先端側に向かうに従い上記直径が僅かに漸増する軸線Oを中心とした円錐台状をなしている。
さらに、この切刃部4の先端、すなわち当該エンドミル本体1の最先端から後端側に向けては、後端側に向かうに従い上記回転方向Tの後方側に向かうように捩れた切屑排出溝5が、該切刃部4から首部3の先端側部分にかけて、本実施形態では複数条(2条)軸線Oに対して回転対称に形成されている。この切屑排出溝5は、その溝深さが上記首部3において後端側に向かうに従い漸次浅くなるように切れ上がって、溝底面が該首部3外周面に交差するようにされており、この切屑排出溝5の回転方向T側を向く壁面6の上記切刃部4における外周側辺稜部、すなわちこの壁面6と切刃部4の外周逃げ面7との交差稜線部には、該切刃部4の外周にこの切刃部4の軸線O方向全長に亙って延びる外周刃(切刃)8が形成されている。
そして、この外周刃8の軸線O方向の刃長Lは、上記切刃部4の軸線O方向の長さがその直径に対して短くされているのに伴い、この外周刃8の外径Dすなわち該外周刃8が軸線O回りになす円の直径よりも短くされて、この外径Dに対して0.2×D〜0.8×Dの範囲とされている。また、切刃部4先端からの切屑排出溝5の軸線O方向における切上げ長さM、すなわち切刃部4先端から延びる切屑排出溝5が首部3の先端側部分において外周側に切れ上がり始める位置までの切刃部4先端からの軸線O方向の距離は、上記外径D以上とされ、かつこの切上げ長さMと外周刃8の刃長Lとの差M−Lはこの外径Dに対して0.1×D〜1.0×Dの範囲とされている。
さらに、本実施形態ではこの外周刃8の外径Dが4mm以下の小径とされ、首部3の外径dはこの外径Dよりも小さくされる。ただし、この外周刃8の外径Dは0.2mm以上とされるのが望ましい。また、上記首下部分の長さ、すなわち切刃部4の先端から首部3とシャンク部2との上記境界までの軸線O方向における首下長さNは、この外周刃8の外径Dに対して5×D以上とされ、ただし30×D以下とされるのが望ましい。
さらにまた、切刃部4の外形が上述のように厳密には先端側に向かうに従いその直径が僅かに漸増する円錐台状とされているのに伴い、その外周に形成される外周刃8も、上記外径Dが後端側に向けて僅かに小さくなるように傾斜させられて、バックテーパが付されており、そのテーパ角θは本実施形態では0.5°〜5.0°とされている。なお、こうして外周刃8にバックテーパが付されてその外径Dが後端側に向けて漸減する場合、この外周刃8の上記刃長Lや切屑排出溝5の上記切上げ長さMに対しては、外径Dの最大値すなわち外周刃8の先端における外径Dが基準とされる。一方、切刃部4が首部3よりも大きな直径を有しているのに伴い、外周刃8の後端にはこの首部3の外周面との間に、図2に示すような段部9が形成されることとなる。
また、本実施形態では上記切屑排出溝5の先端側に、該切屑排出溝5の溝底面を内周側に広げるようにギャッシュ10が形成され、上記壁面6の先端側辺稜部となるこのギャッシュ10の回転方向Tを向く壁面11と切刃部4の先端逃げ面12との交差稜線部に、上記外周刃8の先端から内周側に延びる底刃13が形成されている。なお、この底刃13は外周刃5と直角またはこれよりもやや鋭角に交差するようにされ、すなわち本実施形態のエンドミルはスクエアの刃型を有する構成とされている。また、この底刃13は内周側に向かうに従い僅かに軸線O方向後端側に傾斜するようにされ、さらに上記壁面6,11同士の交差稜線はこの底刃13と外周刃8との交点(外周刃8の先端)に達するようにされている。
このように構成されたエンドミル、特に上記外周刃(切刃)8の外径Dが4mm以下と小さく、これに対して上記首下長さMが5×D以上と長くされた小径首長のエンドミルでは、まずこの外周刃8の軸線O方向の刃長Lが外径D以下の0.2×D〜0.8×Dの範囲と短くされているので、この外周刃8によってワークの加工面を切削する際に切刃部4が受ける負荷を小さくすることができ、従ってこの負荷による首下部分の倒れを防ぐことができる。その一方で、外周刃8には少なくとも0.2×Dの刃長Lが確保されるので、上述のようにエンドミル本体1をその軸線Oに交差する方向に送り出して、この刃長L以内の幅の1パス分の加工面を形成し、次いでエンドミル本体1を軸線O方向先端側にやはりこの刃長L以内の幅分だけ送り出して次の1パス分の加工面を形成してゆくといった工程を繰り返して垂直な加工面を深彫り加工する場合でも、加工効率が損なわれることがない。また、より高精度な垂直加工面を深彫り加工する場合は、0.05×D以下の幅(軸方向切込み)が望ましいが、この場合でもコーナ摩耗の増大の影響を受けることなく外周刃8の機能が果たせる。
そして、さらに上記構成のエンドミルでは、切屑排出溝5の上記切上げ長さMが外周刃8の外径D以上とされており、ただしこの切上げ長さMと上記刃長Lとの差、すなわち切屑排出溝5のうち首部3の先端側に形成される部分の軸線O方向の長さは、0.1×D〜1.0×Dの範囲とされているので、切屑排出溝5が必要以上に長く延びることによりエンドミル本体1の首下部分が大きく切り欠かれて剛性が損なわれたりするのを防ぐことができる。このため、上述のように刃長L自体が短くて切削負荷が抑えられることとも相俟って、一層確実に首下部分の倒れを防止することが可能となる。
しかも、この切屑排出溝5は、こうして必要以上に長くなるのは抑えられながらも、上述のように首部3の先端側にある程度の長さを確保されてその外周面に開口するようにされているので、外周刃8や上記底刃13によって生成された切屑を、詰まりを生じたりすることなく円滑に排出することが可能となり、このような切屑の詰まりによって抵抗が増大して細い首部3が折損したりするような事態も防止することができる。従って、上記構成のエンドミルによれば、切刃外径Dが上述のような小径でありながらも、より深い加工面をワークに形成するために上記首下長さNを長く突き出した場合に、加工効率や工具寿命を損なうことなく、精度の高い垂直な加工面を形成することが可能となる。
ここで、外周刃8の軸線O方向の刃長Lがこの外周刃8の外径Dに対して0.8×Dを上回るほど長く、特に外径Dよりも長かったりすると、たとえ本実施形態のように外周刃8にバックテーパを与えても、切削時に外周刃8から切刃部4に軸線Oに直交する方向に作用する負荷によって首部3に撓みが生じてこれら首部3および切刃部4すなわち上記首下部分が倒れ、上述のような垂直な加工面を形成することができなくなって加工面精度を損なう結果となる。その一方で、この刃長Lが外径Dに対して0.2×Dを下回るほど小さいと、特にこの外径Dが上述のように小さい小径のエンドミルではエンドミル1パス当たりに形成される垂直加工面の幅も小さくなり、深彫り加工において深い加工面を形成するのに多大な時間を要し、効率的ではない。さらに、1パス当たりの加工幅(軸方向切込み)が小さい場合には、エンドミルコーナ部摩耗が増大した場合、特に小径サイズでは外周刃8の機能が果たせなくなる危険性もある。
また、切屑排出溝5の切刃部4先端からの上記切上げ長さMが外周刃8の外径Dよりも短かく、あるいはこの切上げ長さMと上記刃長Lとの差が0.1×Dよりも小さいと、切刃部4の特に後端側において切屑排出溝5が浅くなりすぎてしまったり、あるいはこの切刃部4から連続する切屑排出溝5の首部3外周面における開口長さが短くなって、外周刃8によって生成された切屑を切刃部4から詰まりを生じさせることなく排出することが困難となる。これも、特に外径Dが小さくて切屑排出溝5自体に十分な溝深さを確保することが困難な小径のエンドミルにおいて顕著となる。その一方で、この切上げ長さMと刃長Lとの差が1.0×Dを上回ると、切屑排出溝5を形成するためにエンドミル本体1の切刃部4から首部3にかけての首下部分が切り欠かれる部分が大きくなりすぎ、上述のように刃長Lを外径Dより短くしたにも拘わらず、剛性の低下によって首下部分の倒れを確実に防ぐことが困難となる。これは、首下部分の長さNが5×D以上とされた首長のエンドミルにおいて顕著となる。
従って、上記構成は、特に本実施形態のような外周刃(切刃)8の外径Dが4mm以下の小径で、しかもこの外径Dに対して首下長さNが5×D以上とされた小径首長のエンドミルに適用して、特に効果的であり、このような小径首長のエンドミルによる深彫り加工によって、より深い加工面を形成する場合でも、加工効率を損なわずに高い加工精度を得ることができ、しかも切削抵抗の増大やこれに伴う首部3の折損等の工具寿命の短縮を生じることもなしに、円滑かつ安定した切削作業を促すことができる。また、本実施形態のように外周刃8に0.5°〜5.0°のテーパ角θのバックテーパを与えれば、切削時の負荷をさらに小さく抑えて首下部分の倒れをより確実に防ぎ、さらに高精度の垂直面を形成することが可能となる。
なお、本実施形態のエンドミルは、上述のように切刃部4の先端に形成される底刃13が外周刃5と直角またはこれよりもやや鋭角に交差するようにされたスクエアの刃型を有する構成とされているが、これら底刃13と外周刃5とが交差するコーナ部に略1/4円弧状等のコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルの刃型構成としてもよく、また底刃13全体がエンドミル本体1内周の軸線O近傍から1/4円弧状をなして外周刃5に連なるようにされてその軸線O回りの回転軌跡が略半球状をなすボールエンドミルの刃型構成としてもよい。さらに、本実施形態では外周刃5の後端に上記段部9が形成されているが、この段部9についても外周刃8に滑らかに連なって内周側に向かう1/4円弧状や凸曲線状、あるいはテーパ状とすれば、上述のようにエンドミル本体1を1パスごとに軸線O方向先端側に送り出して加工を行う場合に、各パスで形成された加工面同士の繋ぎ目に筋が形成されたりするのを防ぐことができる。
以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。本実施例では、上述した実施形態の構成を備えたエンドミルにより、NAK55製のワークに対し、1パス当たりの加工面の切削幅0.01mm、切込み深さ0.3mm、1パス当たりの切削長30mmで約1000パスの加工を行い、約10mmの深さの垂直加工面を深彫り加工してその垂直度(ワーク上面における加工面の位置を基準としたときの、ワーク上端面からの距離に対する上記基準位置からの実際の加工面の位置)を測定した。この結果を図3に示す。ただし、この実施例のエンドミルの外周刃(切刃)8の外径Dは1mm、刃長Lは0.5mm(外径Dに対して0.5×D)、切上げ長さMは1.0mmで切上げ長さMと刃長Lとの差M−Lは0.5×D(外径Dに対して0.5×D)、首下長さNは16mm(外径Dに対して16×D)、外周刃8のバックテーパ角θは2°であり、エンドミル本体1の回転数は6000min−1、送り速度は140mm/minであった。
また、これに対する比較例として、外周刃の外径D、首下長さNは実施例と同じで、バックテーパ角θが0.3°、刃長Lが1.5mm(外径Dに対して1.5×D)と実施例よりも外径Dに対して長く、また切上げ長さMも2.7mmとされて、切上げ長さMと刃長Lとの差M−Lも1.2mm(外径Dに対して1.2×D)と実施例よりも長く、1.0×Dを越える範囲とされたエンドミルにより、実施例と同じ条件で深彫り加工を行い、同様に加工面の垂直度を測定した。この結果を、図4に示す。なお、これら図3および図4においては、示された線図の左側がワーク側、右側がエンドミル側となる。
これら図3および図4の結果を比較すると、実施例のエンドミルによる垂直加工面は、多少の倒れはあるものの、そのプロファイルは概ね上記基準位置から小さな範囲内とされて、略垂直な加工面が精度良く形成されて良好な仕上げ面であるのに対し、比較例ではこの加工面が基準位置から大きく突出するように傾斜しており、加工深さが深くなるほどエンドミル本体の首下部分が大きく倒れ込んでおり、加工面にビビリの発生も見られたことが分かる。また、上記実施例と同じエンドミルで深い閉塞された溝切削を実施したところ問題なく加工できたが、上記比較例とは逆に、切上げ長さMが1.05mmとされて、切上げ長さMと刃長Lとの差M−Lも0.05×D(外径Dに対して0.05×D)と実施例に対して小さく0.1×D未満の範囲とされた以外は実施例と同様の寸法を有する他の比較例のエンドミルで同様の深彫り加工を行おうとしたところ、刃長Lを超えた深さになってくると切削抵抗が上昇しはじめ、ついには首下部分に折損が生じた。
本発明の一実施形態を示すエンドミル本体1の側面図である。 図1に示した実施形態のエンドミル本体1先端の拡大側面図である。 本発明の実施例による深彫り加工の垂直加工面の垂直度を示す図である。 本発明の実施例に対する比較例による深彫り加工の垂直加工面の垂直度を示す図である。
符号の説明
1 エンドミル本体
2 シャンク部
3 首部
4 切刃部
5 切屑排出溝
8 外周刃(切刃)
O エンドミル本体の回転軸線
T 切削時のエンドミル本体の回転方向
D 外周刃5の外径
d 首部3の外径
L 外周刃5の刃長
M 切刃部4先端からの切屑排出溝5の軸線O方向における切上げ長さ
N 切刃部4の先端から首部3とシャンク部2との境界までの軸線O方向における首下長さ
θ 外周刃5に付されたバックテーパのテーパ角

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の後端部がシャンク部とされるとともに、このシャンク部よりも先端側には該シャンク部よりも小径の首部を介して切刃部が設けられ、この切刃部から上記首部先端にかけての上記エンドミル本体外周には切屑排出溝が形成されて、この切屑排出溝の上記切刃部における外周側辺稜部に切刃が形成され、この切刃の外径Dが上記首部の外径よりも大径とされたエンドミルであって、該切刃の上記軸線方向における刃長Lが上記外径Dに対して0.2×D〜0.8×Dの範囲とされるとともに、上記切刃部先端からの上記切屑排出溝の上記軸線方向における切上げ長さMは、上記外径D以上で、かつこの切上げ長さMと上記切刃の刃長Lとの差M−Lが0.1×D〜1.0×Dの範囲とされていることを特徴とするエンドミル。
  2. 上記切刃部の先端から上記首部とシャンク部との境界までの上記軸線方向における首下長さNが上記切刃の外径Dに対して5×D以上とされていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  3. 上記切刃の外径Dが4mm以下とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンドミル。
  4. 上記切刃には0.5°〜5.0°のバックテーパが付されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエンドミル。
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