JP2003093187A - 座席シート - Google Patents

座席シート

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JP2003093187A
JP2003093187A JP2001291954A JP2001291954A JP2003093187A JP 2003093187 A JP2003093187 A JP 2003093187A JP 2001291954 A JP2001291954 A JP 2001291954A JP 2001291954 A JP2001291954 A JP 2001291954A JP 2003093187 A JP2003093187 A JP 2003093187A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着座シートの高さ調整操作時における操作性
の向上、騒音発生の防止、部品点数および組立工数の削
減、設計自由度の向上、入力側部材の復帰動作を円滑に
する。 【解決手段】 クラッチユニットは、自動車の座席シー
トにおける着座シートのシート高さ調整装置に組み込ま
れ、外輪1には操作レバーが結合され、出力軸12は着
座シートの上下移動機構の回動部材に連結される。操作
レバーからの正逆両回転方向の入力トルクは、第1クラ
ッチ部15および内輪13を介して出力軸12に伝達さ
れる。これにより、着座シートが上下移動する。一方、
着座シートからの逆入力トルクは、第2クラッチ部16
によって正逆両回転方向にロックされる。これにより、
着座シートの高さ位置が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の乗員室等
に装備される座席シートに関する。
【0002】
【従来技術】例えば、自動車の座席シートにおける着座
シートのシート高さ調整装置では、着座シートからの荷
重(シート自重および着座者の体重等)を支持するため
のブレーキ部を出力側機構に設け、該ブレーキ部の入力
軸に操作部材から正方向又は逆方向の入力トルクを入力
することによって着座シートの高さ調整を行うと共に、
操作部材を開放した状態での着座シートの位置をブレー
キ部で保持することによって着座シートの高さ位置に変
動が生じないようにしている。この場合、操作後の操作
部材の位置もブレーキ部によって保持されるので、操作
部材としてノブ(円形状の握り)を使用し、ノブの回転
操作によってブレーキ部に入力トルクを入力する構成に
している。このような構成の座席シートとして、例えば
特開2000−190762号公報に記載された構成が
知られており、図30および図31はその主要部を示し
ている。
【0003】図30に示すように、ロアレール111に
アッパレール113がスライド自在に装着され、アッパ
レール113にフロントリンク331およびリアリンク
335を介してロアアーム121が連結される。着座シ
ートはロアアーム121に装着され、フロントリンク3
31およびリアリンク335のリンク動作に伴って昇降
する。
【0004】また、ロアアーム121の略中央部にドリ
ブンギヤ371が回動自在に枢着され、ドリブンギヤ3
71の一端がリアリンク335のアーム部335aに連
結リンク377を介して連結される。ドリブンギヤ37
1のギヤ部は減速ギヤ機構のピニオン281と噛合し、
ピニオン281へは、減速ギヤ機構のギヤ283を介し
て、ブレーキ機構401のピニオン403からトルクが
入力される。
【0005】図31に示すように、ブレーキ機構401
は、ストッパケース448内に、ストッパケース448
の内壁に圧接するようにトーションスプリング449を
装着した後、コア450と一体となったハンドル軸45
1をストッパケース448内に挿入し、コア450の切
欠き450aの側端部450b、450cをトーション
スプリング449の両端のフック部449a、449b
に当接可能とし、その後、ピニオン403の爪部452
をフック部449a、449b間に配置し、ピニオン4
03をハンドル軸451の一端に挿通することにより構
成されている。
【0006】そして、ハンドル軸451の他端にはセレ
ーションが刻設されたセレーション部451aが設けら
れ、セレーション部451aにリフト操作ハンドル43
9が取り付けられ、止輪447でもって抜け止めがなさ
れている。
【0007】リフト操作ハンドル439を操作すると、
その回動方向で決まる何れかのフック部449a若しく
は449bに、コア450の側端部450b若しくは4
50cが当接し、それを巻き込んでトーションスプリン
グ449の外径が縮まり、ストッパケース448の内壁
との圧接が解除され、トーションスプリング449はコ
ア450と共に回転し、コア450の側端部450b又
は側端部450cがピニオン403の爪部452を押し
てピニオン403が回転する。
【0008】そして、ピニオン403からのトルクが減
速ギヤ機構のギヤ283およびピニオン281を介して
ドリブンギヤ371に入力され、ドリブンギヤ371が
時計方向又は反時計方向に揺動する。これにより、リア
リンク335が回動し、フロントリンク331およびリ
アリンク335がリンク動作を行って、ロアアーム12
1および着座シートが昇降する。一方、ピニオン403
から回動力を受けた際には、トーションスプリング44
9の外径が広がり、ストッパケース448の内壁への圧
接力がより増大し、ピニオン403は回転しない。従っ
て、ロアアーム121および着座シートはその位置を保
持する。
【0009】さらに、上記公報記載の座席シートには、
フロントチルト調整装置、すなわち、着座者の大腿部を
支持する着座シートの前部を、着座者の体格や好みなど
に応じて傾斜調整するための装置も装備されている。こ
のフロントチルト調整装置は次のようなものである。ク
ッションフレームは、前部クッションフレーム221と
後部クッションフレーム201とで構成され(前部クッ
ションフレーム221と後部クッションフレーム201
との間に弾性部材、例えば複数のSばねが橋渡し状に設
けられ、前部クッションフレーム221、後部クッショ
ンフレーム201、及び複数のSばね251によってク
ッションパッド521が支持される。)、前部クッショ
ンフレーム221はロアアーム121にピン503を介
して回動自在に枢着される。また、前部クッションフレ
ーム221には、上述したブレーキ機構401と同一構
成のブレーキ機構601が装着され、その出力軸側のピ
ニオン511が、ロアアーム121の先端部に設けられ
た歯501と噛合する。ブレーキ機構601のチルト操
作ハンドル(ブレーキ機構401のリフト操作ハンドル
439と同様のハンドル)を操作すると、ピニオン51
1が回転し、これにより、前部クッションフレーム22
1がロアアーム121に対してピン503を中心に回動
して、その位置が調整される。また、前部クッションフ
レーム221の調整後の位置がブレーキ機構601によ
って保持される。
【0010】また、シート高さ調整装置の操作部材とし
てレバーを使用し、レバーとブレーキ部との間にラチェ
ット機構を設けて、レバーの揺動操作によるトルク入力
と、操作後のレバーの自動復帰とを可能にしたものあ
る。このような構成の座席シートとして、例えば特開2
000−280799号公報に記載された構成が知られ
ており、図32および図33はその主要部を示してい
る。
【0011】図32に示すように、ロアレール110に
アッパレール120がスライド自在に装着され、アッパ
レール120にフロントリンク210およびリアリンク
220を介してロアアーム130が連結される。着座シ
ートはロアアーム130に装着され、フロントリンク2
10およびリアリンク220のリンク動作に伴って昇降
運動する。
【0012】また、ロアアーム130の略中央部にギヤ
アーム240が回動自在に枢着され、ギヤアーム240
の一端がリアリンク220のアーム部にリンク250を
介して連結される。ギヤアーム240のセクタギヤ部2
41は減速ギヤ機構の小径ギヤ232と噛合し、小径ギ
ヤ232へは、減速ギヤ機構の大径ギヤ231を介し
て、ピニオン315からトルクが入力される。ピニオン
315へは、ハンドル機構300のハンドル301か
ら、ヒンジピン310およびブレーキ機構400を介し
てトルクが入力される。尚、ハンドル機構300および
ブレーキ機構400はロアアーム130の背面側に設け
られる。
【0013】図33に示すように、ロアアーム130に
設けられたブレーキ機構400を覆うように、ベースプ
レート320が配設される。ブレーキ機構400とベー
スプレート320との間に挿入されるハンドル301の
中間部が、ピン321を用いてベースプレート320に
回転可能に取り付けられる。
【0014】ハンドル301の一方の端部側には、樹脂
製の取手309が取り付けられる。ヒンジピン310は
ブレーキ機構400を挿通し、外部に突出し、ベースプ
レート320に形成された穴に回転可能に嵌合してい
る。
【0015】ハンドル301の他方の端部には、ハンド
ル301の回転中心であるピン321を中心とする円弧
状の長穴303が形成され、この長穴303にブレーキ
機構400から突出したヒンジピン310が遊嵌してい
る。
【0016】ハンドル301とブレーキ機構400との
間のヒンジピン310には、セレーション等の手段によ
りラチェット330が固着されている。ヒンジピン31
0には、ベースプレート320に当接可能なEリング3
60が係合しヒンジピン310のロアアーム130方向
の抜け止めがなされる。
【0017】ベースプレート320には、それらの一方
の端部側がラチェット330を挟むように設けられたポ
ール340、340’の中間部がピン341、341’
を用いて回動可能に設けられている。
【0018】各ポール340、340’の一方の端部側
には、ラチェット330に噛合可能な歯343、34
3’が形成される。また、各ポール340、340’の
他方の端部側には、ハンドル301に形成されたポール
当接部305、305’が当接可能なハンドル当接部3
47、347’が形成される。
【0019】さらに、各ポール340,340’の他方
の端部側には、ロアアーム130側に折曲された折曲部
345、345’が形成され、一方の端部が折曲部34
5に他方の端部が折曲部345’に係止されたスプリン
グ350によって、ポール340、340’は、歯34
3、343’がラチェット330より離れる方向に付勢
され、各ポール340、340’のハンドル当接部34
7、347’は、ハンドル301のポール当接部30
5、305’に当接する。
【0020】この時、ハンドル301の長穴303の略
中間位置に、ヒンジピン310が位置している。ブレー
キ機構400の外周を巻回するように設けられたスプリ
ング390の端部391、392は、ハンドルの301
の取手309から離れる方向に延出している。
【0021】ハンドル301の取手309側と反対側の
ベースプレート320には、折曲してスプリング390
の端部391、392間に位置する折曲部323が形成
されている。
【0022】また、ロアアーム130上には、スプリン
グ390の端部391、392間に位置するスプリング
フック395が取り付けられている。
【0023】ブレーキ機構400は、ハンドル301か
らの回転力に対しては、ヒンジピン310を回転可能と
し、ピニオン315からの回転力に対しては、ヒンジピ
ン310の回転を拘束する機能をもったものである。こ
こでは、ブレーキ機構400の構造の説明は省略する。
【0024】例えば、図33において、ハンドル301
の取手309を上方に引き上げると、ハンドル301は
ピン321を中心に回転する。そうすると、ハンドル3
01のポール当接部305がポール340のハンドル当
接部347を押し、ポール340はスプリング350の
付勢力に抗してピン341を中心に回転し、ポール34
0の歯343がラチェット330に係合する。略同時
に、ハンドル301の長穴303の上部端部がヒンジピ
ン310に当接し、これ以降は、ハンドル301の回転
中心はヒンジピン310となり、ハンドル301の回転
は、ラチェット330を介して、ラチェット330が固
着されたヒンジピン310に伝達され、ヒンジピン31
0が時計方向に回転する。この時、ベースプレート32
0もヒンジピン310を中心に回転し、折曲部323が
スプリング390の端部392を押し、スプリング39
0を縮径方向へ弾性変形させる。
【0025】ヒンジピン310が時計方向に回転する
と、図32において、ピニオン315が反時計方向に回
転し、これにより、ロアーアーム130はアッパレール
120に対して下降する。そして、所望の高さになった
時点で、ハンドル301の取手309への操作力を解除
すると、スプリング390の弾性復元力によって、ベー
スプレート320、ハンドル301は中立位置に回転復
帰する。さらに、スプリング350の弾性復元力によ
り、ハンドル301は、その長穴303の略中間位置に
ヒンジピン310が位置するまで回転復帰する。尚、図
32において、ハンドル301の取手309を下方へ押
し下げた場合は、上記とは逆の動作を行う。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】特開2000−190
762号公報に記載された座席シートでは、着座シート
(ロアアーム121)を最下位置と最上位置との間で昇
降移動させるのに、操作ノブ(操作ハンドル439)を
回転操作するが、通常、自動車のドアと座席シートとの
間の間隔部は狭く、操作者はこの狭い間隔部に手を入れ
て操作ノブを一定量回転させ、一旦持ち替えて、さらに
操作ノブを回転させるという操作を繰り返さなければな
らない。そのため、操作性が良くないという問題点があ
る。また、円形状の操作ノブでは、操作力を軽くしよう
とするとノブ外径を大きくする必要があるが、操作者が
握って操作することができるノブ外径には限度がある。
そのため、操作力が重くなる傾向にある。これらの問題
点は、シート高さ調整装置のみならず、フロントチルト
調整装置にも該当する。一方、特開2000−2807
99号公報に記載された座席シートでは、操作レバー
(ハンドル301)を揺動操作して一旦手を離すと、ス
プリング390の弾性復元力によって操作レバーが中立
位置に復帰するが、その際、ポール340、340’の
歯がラチェット330の歯の上を滑るので、滑り音が発
生するという問題がある。また、スプリング390の端
部391、392が外部に露出しているため、操作レバ
ーの揺動操作時に、端部391、392がシートの表皮
やバッド等に引っ掛かり、表皮やバッド等の傷付き、操
作性の悪化につながる可能性がある。また、上記2件の
公報に記載された座席シートでは、スプリングの圧接力
でブレーキ力を与える構造のブレーキ機構を採用してお
り、強いブレーキ力は期待できない。そのため、着座シ
ート側からの逆入力トルクがドリブンギヤ(セクタギ
ヤ)からブレーキ機構のピニオンに直接入力されると、
その逆入力トルクがブレーキトルクよりも大きくなって
着座シートの位置を保持できなくなる可能性があり、こ
れを防止するために、ドリブンギヤ(セクタギヤ)とブ
レーキ機構のピニオンとの間に減速ギヤ機構(図30の
ギヤ283及びピニオン281、図32の大径ギヤ23
1及び小径ギヤ232)を介装して、ブレーキ機構のピ
ニオンに入力される逆入力トルクを減少させている。し
かしながら、このような減速ギヤ機構を介装することに
より、操作部材の操作によるピニオンの回転量に対しド
リブンギヤの回転量が減少するため、操作回数が多くな
って、操作性が良くないという問題点がある。また、減
速ギヤ機構を配置する必要があることで、部品点数が増
加すると共に(減速ギヤ機構自身に加え、例えば、減速
ギヤ機構のピニオンとドリブンギヤとの噛み合い保持の
ため、減速ギヤ機構の軸方向移動を規制するプレートな
ども必要になる。)、組立工数も増加するという問題点
がある。さらに、減速ギヤ機構が存在することで、操作
部材及びドリブンギヤのレイアウトが制約され、設計上
の自由度が小さくなるという問題点もある。さらに、上
記のスプリング(トーションスプリング)は軸方向に長
さ(巻き長さ)を持つため、両端に円周方向逆向きの捻
り力を与えると、その弾性力がモーメント力となって弾
性力を支持する部材に作用する。そのため、当該部材に
偏心や傾きを生じて周囲の他部材との間に摩擦を生じ、
この時の摩擦損失により、捻りトルクの不足を招いて操
作レバーの円滑な復帰動作に支障を来たす可能性があ
る。本発明の目的は、シートの位置調整操作時の操作性
が良く、しかも騒音発生のない座席シートを提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、部品点数が少ないため
構造が簡単で、設計自由度の高い座席シートを提供する
ことにある。
【0027】本発明の更なる目的は、クラッチユニット
の弾性部材に改良を加えることにより、入力側部材を確
実に中立位置に復帰可能とすることを主目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、操作部材からのトルク入力によってシー
トの位置調整を行うシート調整装置を有する座席シート
において、シート調整装置は、操作部材としての操作レ
バーと、シートの所要部位を調整移動可能とする移動機
構と、操作レバーと移動機構の回動部材との間に介在す
るクラッチユニットとを備え、クラッチユニットは、操
作レバーに結合される入力側部材と、移動機構の回動部
材に連結される出力側部材と、入力側部材と出力側部材
との間のトルク伝達経路に介在する制御部材と、回転が
拘束される静止側部材と、入力側部材と制御部材との間
に設けられた第1クラッチ部と、静止側部材と出力側部
材との間に設けられた第2クラッチ部と、入力側部材に
入力された入力トルクで弾性力を蓄積し、入力トルクの
開放に伴い、蓄積した弾性力で入力側部材を中立位置に
復帰させる弾性部材とを備え、入力側部材の入力トルク
を第1クラッチ部および制御部材を介して出力側部材に
伝達し、出力側部材からの逆入力トルクを第2クラッチ
部を介して静止側部材との間でロックするように構成さ
れ、かつ、弾性部材が有端リング状の板ばねで形成され
ている構成を提供する。
【0029】ここで、上記の「シート調整装置」には、
着座シートの高さを調整するシート高さ調整装置、着座
シートの前部を傾斜調整するフロントチルト調整装置、
着座シートの前後位置を調整するシートスライド調整装
置、背もたれシートを傾斜調整するシート傾斜調整装置
が含まれる。
【0030】上記構成において、操作レバーからの入力
トルクはクラッチユニットの第1クラッチ部および制御
部材を介して出力側部材に伝達され、これにより移動機
構の回動部材が回動してシートが調整移動し、シートか
らの逆入力トルクはクラッチユニットの第2クラッチ部
を介して静止側部材との間でロックされ、これによりシ
ートの位置が保持される。したがって、操作レバーの操
作によってシートの位置を調整することができ、また、
調整後のシートの位置を保持することができる。また、
入力側部材と制御部材との間に第1クラッチ部を設けて
いるので、シートの位置調整後に、操作レバー(及び入
力側部材)を中立位置(入力トルクが入力される前の位
置)に復帰させることが可能であり、その場合でも復帰
時の動作が円滑でラチェット機構のような騒音発生の問
題も生じない。
【0031】また、操作レバーの操作(入力側部材の回
転)に伴って弾性部材に捻りトルクを与えても、その弾
性力の作用点が捻りコイルばねのように軸方向の位置ず
れを伴うことがない。そのため、弾性力を支持する他部
材にモーメント力が作用することはなく、当該部材の偏
心・傾斜等を抑制して他部材との摩擦によるトルクロス
を最小限に抑えることができ、これより操作レバー(入
力側部材)を確実に中立位置に復帰させることが可能と
なる。
【0032】上記構成において、第1クラッチ部は、入
力側部材からの入力トルクを制御部材に伝達する係合子
と、係合子を保持するポケットを備え、入力トルクの開
放時に弾性部材の弾性力で係合子を介して入力側部材に
復帰力を与える保持器とを有する構成とするのが望まし
い。
【0033】この第1クラッチ部は、入力側部材と制御
部材との間に楔隙間を形成しており、入力トルクの作用
時には、この楔隙間に係合子を係合させて入力側部材か
ら制御部材にトルクを伝達する。その一方、入力トルク
の開放時には、蓄積された弾性力によって保持器に復帰
方向の回動力が働き、係合子が保持器に押されて入力側
部材を復帰方向に押圧する。そうすると、入力側部材が
開放されているので、係合子、保持器、および入力側部
材が制御部材に対して回転し、中立位置に復帰する。こ
の時、出力側部材の回動位置はそのまま維持されている
ので、以上の操作の繰り返しによって、出力側部材に各
操作ごとの回動量を重畳的に蓄積することができる。
【0034】以上の構成においては、弾性部材の両端
に、保持器および静止側部材と係合可能な係合部を形成
し、一端の係合部と他端の係合部とを円周方向の対向位
置に設けることにより、弾性力の開放に伴うモーメント
力の発生を防止することができる。従って、弾性力を支
持する部材、例えば保持器の偏心・傾きを防止し、摩擦
損失による捻りトルクのロスを軽減することができる。
【0035】この場合、弾性部材の両端近傍に、応力の
調整部を設けると、弾性変形後の弾性部材内部の応力分
布を均一化することができ、応力分布のアンバランスに
よる疲労寿命の低下等を回避することができる。
【0036】弾性部材として、二以上の板ばねを重ねた
ものを使用すれば、板ばねの枚数を変更することで、任
意の弾性力を得ることができ、使用条件や用途等に適合
した弾性力を容易に確保することができる。
【0037】入力側部材は、クラッチ部を構成するカム
面を有する第1薄肉部材と、トルクを入力するための操
作部材が取り付けられる第2薄肉部材とを相対回転不能
に結合して構成するのが望ましい。
【0038】このような構成によれば、入力側部材が、
第1薄肉部材と第2薄肉部材との二つの部材に分離され
て加工を施されることになるため、冷間鍛造等により一
体成型される場合に比して、加工が容易化されて製造コ
ストが安価になる。また、第1薄肉部材と第2薄肉部材
とは、それぞれの役割に応じた最小限の肉厚を確保すれ
ば良く、冷間鍛造等により一体成型される場合のような
無駄な肉部が存在しないため、入力側部材ひいてはクラ
ッチユニットの軽量化を図ることが可能となる。しか
も、第1薄肉部材はクラッチ部の構成要素であるカム面
を有しているのに対して、第2薄肉部材は操作部材との
取付部を有しているため、要求される剛性或いは強度等
の特性が両部材で相違している。従って、材質や加工条
件或いは処理条件を第1薄肉部材と第2薄肉部材とで相
違させることができ、両部材のそれぞれの要求特性に無
駄なく対応しつつ、加工や熱処理等を施すことが可能と
なる。ここでの「薄肉部材」は、入力側部材を一体成型
した場合の肉厚よりも薄い部材であることを意味する。
【0039】この場合、第1薄肉部材と第2薄肉部材の
結合は、第2薄肉部材の端部(保持器の軸方向移動を規
制する端部)内周を、第1薄肉部材の端部の外周側に配
置した状態で行うのが望ましい。これにより、第2薄肉
部材の厚み分だけクラッチユニットの軸方向寸法をコン
パクト化することができ、あるいはユニットの軸方向幅
の増大を抑えつつ、当該厚み分だけ係合子の軸方向長さ
を延長してクラッチ部のトルク剛性を向上させることが
可能となる。本発明の座席シートは、シートの位置調整
を操作レバーの揺動操作によって行うことができるの
で、従来シートに比べて操作性が良く、しかも騒音発生
の問題もない。また、従来シートに比べて部品点数が少
ないため構造が簡単で、設計自由度が高く、特に小型車
や大衆車用に極めて有用である。上記の効果は、特に、
上述の構成をシート高さ調整装置及び/又はフロントチ
ルト調整装置に適用した場合に顕著に発揮される。前者
の場合、移動機構として、着座シートをフロア側に設け
られる部材に対して昇降自在に支持する四節リンク機構
と、クラッチユニットの出力側部材の回動動作を四節リ
ンク機構のリンク動作に変換するためのギヤ機構とを有
する構成を採用することができる。そして、より具体的
には、上記のギヤ機構を、クラッチユニットの出力側部
材に連結されたピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛合
し、ピニオンギヤの回動に伴う揺動動作によって四節リ
ンク機構にリンク動作力を与えるセクタギヤとを有する
ものとすることができ、これにより、前述した従来構成
における減速ギヤ機構を省略して、部品点数および組立
工数を削減し、設計自由度を高めることが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
【0041】図1は、本発明の実施形態に係る自動車の
座席シートのシート高さ調整装置(41:図28及び図
29参照)に組み込まれるクラッチユニットの入力側部
分を示している。同図に示すように、このクラッチユニ
ットの入力側部分は、入力側部材としての外輪1と、制
御部材としての内輪2と、係合子としての複数のローラ
3と、ローラ3を保持する保持器4と、保持器4に装着
された弾性部材5とを主要な要素として構成される。
【0042】外輪1は、図2に示す第1薄肉部材1A
と、図3に示す第2薄肉部材1Bとから構成され、この
両薄肉部材1A,1Bは、鋼板をプレス成型することに
より製作されたものである。なお、必要ならば例えば、
第2薄肉部材1Bを樹脂等の成型品で構成してもよい。
【0043】第2薄肉部材1Aは、内周に複数のカム面
1Aaが円周方向等間隔に形成されたドラム部1Ab
と、ドラム部1Abの一端部より内径側に延出された内
径フランジ部1Acと、ドラム部1Abの他端部より外
径側に延出された外径フランジ部1Adとを備える。
【0044】各カム面1Aaは、円周方向中央部が深
く、その中央部から円周方向両側に向って傾斜状に浅く
なっている。内径フランジ部1Acは、保持器4を軸方
向の一方に抜け止め規制すると共に、外輪1の内輪2に
対する同軸性を保持する役割を果たすものである。
【0045】外径フランジ部1Adには、第2薄肉部材
1Bとの結合に供せられる複数(図例では6つ)の嵌合
溝1Aeが形成されると共に、外径端より軸方向に沿っ
てドラム部1Abと反対側に延出された複数(図例では
3つ)のストッパ爪1Afが形成されている。これらの
ストッパ爪1Afは、第1薄肉部材1Aの一側方(図1
(a)の右側方)に配設されて回転が拘束される静止側
部材7(図8(a)参照)の図示しないストッパ突起部
と回転方向に係合することにより、外輪1の回動が所定
範囲に規制されるようになっている。
【0046】第1薄肉部材1Aの全部又はカム面1Aa
に対しては、例えば、浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入
れ焼戻し、高周波焼入れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の
熱処理(表面硬化処理)が施される。
【0047】第2薄肉部材1Bには、図3に示すよう
に、外径端より軸方向に沿って第1薄肉部材1A側に延
出された複数(図例では6つ)の嵌合爪1Baが形成さ
れており、これらの嵌合爪1Baが図4に示すように第
1薄肉部材1Aの嵌合溝1Aeに嵌合圧入されることに
より、両薄肉部材1A,1Bの相対回転及び軸方向相対
移動が規制されている。そして、この状態の下で、嵌合
爪1Baが、その外周に装着される操作部材としての操
作レバー6の凹凸部と回転方向に係合することにより、
操作レバー6の外輪1に対する相対回転が規制されるよ
うになっている。なお、図例では、2つの短尺な爪1B
bが形成されているが、これらの爪1Bbは第1薄肉部
材1Aとの結合に供せられるものではない(回転方向規
制のみの役割を果たすものである)。
【0048】第2薄肉部材1Bの外径側端部には、軸方
向に沿って第1薄肉部材1A側に延出された複数(図例
では2つ)のバーリング部1Bcが形成されると共に、
これらのバーリング部1Bcにはそれぞれ、ボルト挿通
穴(又はネジ穴)1Bdが形成され、これらの穴1Bd
を通じて操作レバー6がねじ結合されることにより、操
作レバー6の外輪1に対する軸方向相対移動が規制され
る。
【0049】従って、操作レバー6を回動操作すること
により、第1薄肉部材1Aと第2薄肉部材1Bとが一体
回転し、これにより操作レバー6からの入力トルクが外
輪1に入力される。また、内輪2は、外輪1(第1薄肉
部材1A)のカム面1Aaとの間に楔隙間を形成する円
周面2aを備えており、図示されない出力部材に連結さ
れている。
【0050】この構成によれば、入力側部材としての外
輪1が、第1薄肉部材1Aと第2薄肉部材1Bとの二つ
の部材に対して、プレス加工を施ことにより製作された
ものであるため、外輪1が仮に冷間鍛造等により一体成
型される場合と比較して、加工が容易化されて製造コス
トが安価になると共に、外輪1ひいてはクラッチユニッ
トの軽量化を図ることが可能となる。
【0051】また、第1薄肉部材1Aはクラッチ部の構
成要素であるカム面1Aaを有しているのに対して、第
2薄肉部材1Bは操作レバー6との結合部である嵌合爪
1Baを有しており、要求される剛性或いは硬度が両部
材1A,1Bで相違しているが、第1薄肉部材1Aに対
してのみ表面硬化処理(熱処理)を施すことにより、そ
れぞれの要求特性に無駄なく対応することができる。
【0052】保持器4は円筒状をなし、図5に示すよう
に、ローラ3を収容する複数(例えば10個)の窓形の
ポケット4aと、円周方向に離隔した一対の開口部4b
を備える。両開口部4bは周囲を閉じた窓形であり、両
開口部4bには後述する弾性部材5の係合部5a1、5
a2がそれぞれ挿入される。(図8(a)参照)。
【0053】保持器4の材質は特に問わないが、この実
施形態では、保持器4を合成樹脂材料、例えばポリアミ
ド66(PA66)にグラスファイバーを30重量%配
合した合成樹脂材料の射出成形品としている。
【0054】第1クラッチ部8は、外輪1の第1薄肉部
材1Aのカム面1Aaと、内輪2の円周面2aと、カム
面1Aaと円周面2aとの間に介在するローラ3と、ロ
ーラ3を保持する保持器4と、弾性部材5とを主要な要
素として構成されている。また、カム面1Aa、円周面
2a,及びローラ3によってロック手段が構成され、保
持器4及び弾性部材5によって復帰手段が構成されてい
る。
【0055】弾性部材5は、図6に示すように、ステン
レス鋼等の金属製帯板材を丸めて有端リング状の板ばね
5A,5Bを形成し、この二つの板ばね5A,5Bを重
ね合わせることによって構成される。内径側の板ばね5
Aの両端部のうち、軸方向一方側には、それぞれの先端
部分を内径側に折り曲げて係合部5a1,5a2が形成
される。両係合部5a1,5a2は、円周方向に所定間
隔で対向していて、それぞれ保持器4の開口部4bに挿
入される。また、内径側板ばね5Aの両端部の軸方向他
方側には、それぞれ先端部分を外径側に折り曲げて係止
部5b1が形成される。この係止部5b1は、外径側の
板ばね5Bの両端部を係止し、板ばね5Bの脱落や円周
方向の位相ずれを規制する役割を有する。図7に示すよ
うに、両係止部5b1を互いに離反する方向にさらに折
り曲げ、傾斜角θを鋭角にすれば、かかる規制機能をさ
らに強化することができる。
【0056】弾性部材5を組付ける場合には、図8
(a){なお、図8(a)(b)では、図面の簡略化の
ため、外径側の板ばね5Bの図示を省略している。}に
示すように、一対の係合部5a1,5a2間の間隔を円
周方向に押し広げた状態で、係合部5a1,5a2をそ
れぞれ保持器4の開口部4bに挿入し、係合部5a1,
5a2を開口部4bの円周方向の側面4b1,4b2に
それぞれ係合させる。両側面4b1,4b2の外径側に
は、静止側部材7に設けた係止部7aが配置されてお
り、同図(a)に示す保持器4の中立位置では、弾性部
材5の係合部5a1,5a2は何れもこの係止部7aに
よっても係止される。以上の組付けにより、保持器4が
弾性部材5を介して静止側部材7に回転方向に連結され
る。
【0057】この状態から、同図(b)に示すように、
保持器4が例えば静止側部材に対して時計方向に相対回
転した場合には、弾性部材5の係合部5a1,5a2の
うち、時計方向(回転方向前方)に位置する係合部5a
1が保持器4の側面4b1に押されて時計方向に弾性変
位する。この時点において、弾性部材5の反時計方向
(回転方向後方)に位置する係合部5a2は、静止側部
材7の係止部7aに係止されている。これにより、弾性
部材5は、係合部5a1,5a2の間隔が押し広げられ
る方向に弾性的に撓み、その撓み量に応じた弾性力が弾
性部材5に蓄積される。この後、保持器4に作用する回
動力が解除されたされた場合には、弾性部材5の弾性力
によって、保持器4が同図(a)に示す中立位置に復帰
する。
【0058】なお、保持器4が同図(a)に示す状態か
ら反時計方向に相対回転した場合には、弾性部材5の反
時計方向の係合部5a2が保持器4の側面4b2に押さ
れて反時計方向に弾性変位し、上記とは逆の動作によっ
て弾性部材5に弾性力が蓄積される。
【0059】ところで、図8(b)に示すように保持器
4を回動させた状態では、弾性部材5の全周で応力分布
が不均一化し、弾性部材4が不規則に撓んで好ましくな
い影響を受けるおそれがある。これを防止するため、図
9(a)(b)に示すように、板ばね5A,5Bの両端
部近傍には、応力調整部5cを形成するのが望ましい。
応力調整部5cは、部分的にばね剛性を弱めるもので、
例えば同図(a)に示すように板ばね5Aに孔を形成し
たり、あるいは同図(b)に示すように、板ばね5Bの
軸方向両側部を切除することにより構成することができ
る。何れの応力調整部5cを採用する場合でも、板ばね
5A,5Bの端部への接近側ほど板ばねの軸方向断面積
を減少させる。
【0060】図9(a)(b)では、応力調整部5cと
して内径側の板ばね5Aに孔を、外径側の板ばね5Bに
切除部を形成しているが、これとは逆に内径側の板ばね
5Aに切除部を、外径側の板ばね5Bに孔を形成するこ
ともできる[図10(a)(b)参照]。この場合、双
方の板ばね5A,5Bに同種の応力調整部5cを形成し
ても構わない(双方に孔を形成し、あるいは双方に切除
部を形成する)。但し、双方の応力調整部5cを孔とし
た場合、この孔を介して弾性部材5の内径側と外径側が
連通状態となり、シール性(弾性部材5の内径側への異
物の噛み込み等)の低下を招くので、少なくとも何れか
一方(より望ましくは外径側)の板ばねの応力調整部5
cとして切除部を採用するのが望ましい。なお、応力調
整部5cは、上述のように双方の板ばね5A,5Bに設
ける他、何れか一方の板ばねにのみ設けることもでき
る。
【0061】次に、図11〜図13を参照しながら、第
1クラッチ部8の動作について説明する。尚、図11〜
図13において、弾性部材5および静止側部材7は模式
化され、概念的に示されている。また、操作レバー6も
記載が省略されている。
【0062】図11は、第1クラッチ部8の中立位置を
示している(図8(a)に示す状態)。中立位置におい
て、ローラ3はカム面1Aaの中央部に位置し、カム面
1Aaと円周面2aとの間に形成される正逆両方向の楔
隙間からそれぞれ離脱する。ローラ3の直径は、カム面
1Aaの中央部と円周面2aとの間の半径方向距離より
も若干小さく設定されており、ローラ3とカム面1Aa
の中央部および円周面2aとの間には半径方向隙間があ
る。また、出力側から内輪2に入力される逆入力トルク
は、後述する第2クラッチ部16によって正逆両方向に
ロックするようにしている。従って、内輪2は、操作レ
バー6(外輪1)から入力される入力トルクに対しての
み回動動作を行い、出力側から逆入力トルクが入力され
ても回動せず、その位置を保持する。
【0063】図12は、操作レバー6を回動操作して、
外輪1に入力トルクを入力した時の状態を示している。
例えば、同図において、外輪1に反時計方向の入力トル
クが入力されると、外輪1の回動に伴い、カム面1Aa
がローラ3に対して反時計方向に相対移動して、ローラ
3が楔隙間に係合する(噛み込む)。これにより、外輪
1からの入力トルクがローラ3を介して内輪2に伝達さ
れ、外輪1、ローラ3、保持器4、及び内輪2が一体と
なって反時計方向に回動する。尚、この回動の最大量
は、静止側部材7のストッパ突起部と外輪1のストッパ
爪1Afとによって規制される。そして、保持器4の回
動に伴って弾性部材5が撓み、その撓み量に応じた弾性
力fが蓄積される。
【0064】図13は、操作レバー6(外輪1)を開放
した時の状態を示している。弾性部材5に蓄積された弾
性力fによって、保持器4に時計方向の回動力が働き、
ローラ3が保持器4に押されてカム面1Aaを押圧す
る。そうすると、外輪1が開放されているので、ローラ
3、保持器4、及び外輪1が内輪2に対して時計方向に
回転して、図11に示す中立位置に復帰する。また、内
輪2は、図12の回動操作によって与えられた回動位置
をそのまま維持する。従って、図12の回動操作を繰り
返し行った場合では、内輪2に各回動操作ごとの回動量
が重畳的に蓄積される。
【0065】尚、図11〜図13において、外輪1に時
計方向の入力トルクが入力された場合も、上記と同様の
動作を行う(動作の向きは逆)。また、内輪側から入力
トルクを入力する構成とすることもでき、その場合、内
輪の外周にカム面を設け、外輪の内周に円周面を設け
る。
【0066】図14に比較例を示す。このクラッチユニ
ットの入力側部分では、弾性部材5’として、捻りコイ
ルばねからなるセンタリングばねが使用されている。セ
ンタリングばね5’は、図15(a)(b)に示すよう
に、複数の巻き部の両端にそれぞれ内径側に屈曲する係
合部5a1’,5a2’を有するもので、両係合部5a
1’,5a2’は軸方向でずれた位置にある。
【0067】このセンタリングばね5は、保持器4’の
外周に装着される。保持器4’は、図16(a)(b)
に示すように、複数のポケット4a’の他、一方の端面
の円周方向二箇所に深さの異なる軸方向切欠き状の被係
合部4b’を備えている。センタリングばね5’の両係
合部5a1’,5a2’は、それぞれ被係合部4b’に
係止され、被係合部4b’の周面のうち、相手側の被係
合部に近接する円周方向の側面4b1’、4b2’と係
合する。そして、図15(d)に示すように保持器4’
の相対回転により、センタリングばね5’が撓んで、そ
の撓み量に応じた弾性力がセンタリングばね5’に蓄積
される。
【0068】このように弾性部材として捻りコイルばね
5’を使用する場合、係合部5a1’,5a2’が軸方
向の位置ずれを有するため、保持器4’がばねから受け
る荷重の作用点P,Qも軸方向でずれた位置にあり、こ
れより保持器4’にはモーメントM(図16(a)参
照)が作用する。このモーメント荷重により、保持器
4’と、その内周に嵌合した部材(図1では出力側部材
2)との間の摩擦が大きくなるため、弾性力による入力
側部材1の復帰トルクが減少し、中立位置への復帰が阻
害される可能性がある。また、被係合部4b’の深さが
異なるため、P点に比べて肉厚の薄いQ点付近で応力が
過大となり、保持器4’が破損するおそれもある。
【0069】これに対し、弾性部材5として図6〜図1
0に示す有端リング状の板ばね5A,5Bを使用すれ
ば、係合部5a1,5a2の位置を軸方向で揃えること
ができる。そのため、保持器4にモーメント荷重が作用
することはなく、従って、回動操作後の復帰トルクが高
められ、外輪1や操作レバー6の中立位置への復帰を確
実に行うことができる。
【0070】以上の効果を確認するため、図1に示すク
ラッチユニットの入力側部分(本発明品)と図14に示
すクラッチユニットの入力側部分(比較品)について、
それぞれ弾性部材の単体での発生トルク、および操作レ
バー6の復帰力を測定し、摩擦損失分を演算したとこ
ろ、比較品では、発生トルクが170[N・cm]、復
帰力が60[N・cm]で、摩擦損失分が110[N・
cm]になったが、本発明品では、発生トルクが110
[N・cm]、復帰力が80[N・cm]で、摩擦損失
分が20[N・cm]となり、復帰トルクの摩擦損失を
大幅に軽減できることが確認できた。
【0071】また、弾性部材5として有端リング状の板
ばね5A,5Bを使用した場合、保持器4に形成する開
口部4bを同一寸法とすることができるので、開口部4
b周辺に極端な薄肉部分が生じることはなく、従って、
保持器4の強度を向上させることができる。
【0072】なお、弾性部材5としての板ばねの使用数
は、必要とされる復帰トルクに応じて定めることができ
る。従って、上述のように二枚使用する他、一枚のみ、
あるいは三枚以上を重ねて使用することもできる。この
ように板ばねの使用数を増減することで復帰トルクの調
整も容易に行うことができる。
【0073】以上に説明した入力側部分は、例えば図1
7に態様で出力側部分とユニット化され、これによりク
ラッチユニットが構成される。
【0074】同図に示すクラッチユニットは、入力側部
材としての外輪1と、出力側部材としての出力軸12
と、制御部材としての内輪13と、静止側部材としての
外輪14と、外輪1と内輪13との間に設けられた第1
クラッチ部15と、外輪14と出力軸12との間に設け
られた第2クラッチ部16とを主要な要素として構成さ
れる。尚、ユニット化に際して、上述した入力側部分の
内輪2は同図に示す内輪13に形態が変更されている。
上述した入力側部分の第1クラッチ部8と同図に示す第
1クラッチ部15とは同様のものである。上述した入力
側部分の外輪1はそのままの形態で使用しても良いが、
この実施形態では以下に説明する変更を加えている。
【0075】入力側部材としての外輪1は、上述した入
力側部分と同様に、第1薄肉部材1Aと第2薄肉部材1
Bとで構成される。上述した入力側部分では、両部材1
A,1Bの内径側端部は、図1〜図4からも明らかなよ
うに軸方向に密着させていたが、このクラッチユニット
では、第2薄肉部材1Bの端部内周1Beを第1薄肉部
材1Aの外周、より詳細には内径フランジ部1Acの外
周に配置し、両部材1A,1Bの端面1Ag,1Bgを
半径方向で同一平面に配置している。また、このクラッ
チユニットでは、ワッシャ28と第1薄肉部材1Aの端
面との間に、波型ばねや皿ばねからなる弾性体29を介
在させることにより、外輪1に軸方向の予圧を付与する
構成を付加している。
【0076】これ以外の外輪1の構成は、図2〜図4に
示すものと同一の構成であるので、その部品単体として
の図示及びその説明を省略すると共に、以下に示すクラ
ッチユニットの説明に際しては、図2〜図4及びこれら
に付されている符号を使用する。また、保持器4及び弾
性部材5の構成についても、上述の図5〜図10に示す
ものと同一の構成であるので、その部品図としての図示
及びその説明を省略すると共に、以下に示すクラッチユ
ニットの説明に際しては、図5〜図10並びにこれらに
付されている符号を使用する。
【0077】図18は、出力側部材としての出力軸12
を示している。出力軸12は、一端側にジャーナル部1
2a、中央側に大径部12b、他端側に連結部12cを
備えている。ジャーナル部12aは、後述する内輪(1
3:図19参照)のラジアル軸受面(13a1)に挿入
される。大径部12bの外周には、複数(例えば8つ)
のカム面12b1が円周方向に等間隔で形成される。各
カム面12b1は、出力軸12の軸心を中心とする円に
対して弦をなす平坦面状に形成される。また、大径部1
2bの一端側部分には軸方向の複数(例えば8つ)のピ
ン孔12b3が円周所定間隔に形成される。これらピン
孔12b3には内輪(13)のピン(13b1)が挿入
される。また、大径部12bの他端側部分には環状凹部
12b4が形成される。この環状凹部12b4には後述
する摩擦部材(19:図22参照)が圧入され、また、
環状凹部12b4の内周壁12b5は、後述する固定側
板(17:図21参照)のラジアル軸受面(17e2)
に挿入されるジャーナル面になる。連結部12cには、
他の回動部材を連結するための歯型12c1が形成され
る。
【0078】出力軸12は、例えば、肌焼鋼、機械構造
用炭素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形さ
れ、浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波
焼入れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施
される。この実施形態では、出力軸12を形成する鋼材
として肌焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM42
0)を使用し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを
行って、表層部の表面硬さを57〜62HRCに調整し
ている。なお、出力軸12は、鋼材の削出し品とするこ
ともできる。
【0079】図19は、制御部材としての内輪13を示
している。内輪13は、筒状部13aと、筒状部13a
の一端から外径側に延びたフランジ部13bと、フラン
ジ部13bの外径端から軸方向の一方に延びた複数(例
えば8本)の柱部13cとを主体として構成される。筒
状部13aは、出力軸12のジャーナル部12aに外挿
され、かつ、外輪1の内部に内挿される。筒状部13a
の他端側部分の内周には、出力軸12のジャーナル部1
2aをラジアル方向に支持するラジアル軸受面13a1
が形成され、筒状部13aの他端側部分の外周には、外
輪1のカム面1Aaとの間に正逆両回転方向に楔隙間を
形成する円周面13a2が形成される。フランジ部13
bには、軸方向の一方に突出した複数(例えば8つ)の
ピン13b1が円周方向に所定間隔で形成される。これ
らピン13b1は、出力軸12のピン孔12b3にそれ
ぞれ挿入される。また、円周方向に隣接した柱部13c
間には、軸方向の一方に向かって開口したポケット13
c1が形成され、これらポケット13c1に後述する第
2クラッチ部(16:図24参照)のローラ(30)と
板ばね(31)が収容される。ローラ(30)と板ばね
(31)を、ポケット13c1の軸方向の開口部から該
ポケット13c1内に組み入れることができるので、組
立作業が容易である。
【0080】内輪13は、例えば、肌焼鋼、機械構造用
炭素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形さ
れ、浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波
焼入れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施
される。この実施形態では、内輪13を形成する鋼材と
して肌焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM420)
を使用し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行っ
て、表層部の表面硬さを57〜62HRCに調整してい
る。なお、内輪13は、鋼材の削出し品、鋼鈑(例えば
冷間圧延鋼鈑)のプレス成形品とすることもできる。
【0081】図20は、静止側部材としての外輪14を
示している。外輪14は、半径方向に延びたフランジ部
14aと、フランジ部14aの外径端から軸方向の一方
に延びた筒状部14cと、筒状部14cの一端から外径
側に突出した鍔部14dとを主体として構成される。フ
ランジ部14aには、軸方向の他方に突出した複数(例
えば2つ)のストッパ部14a1が円周方向に所定間隔
で配列形成される。これらストッパ部14a1は、外輪
1のストッパ爪1Afと回転方向に係合して、外輪1の
回動範囲を規制する。また、フランジ部14aには、軸
方向の他方に突出した一対の係止部14a2と、複数
(例えば2つ)の装着部14a3とが形成され、一対の
係止部14a2の円周方向外側面には、第1クラッチ部
(15)の弾性部材5の係合部5a1、5a2がそれぞ
れ係止される(図8参照)。また、装着部14a3の外
周には、弾性部材5が装着される。
【0082】筒状部14cの内周には、出力軸12のカ
ム面12b1との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成す
る円周面14c1が形成される。鍔部14dには、複数
(例えば6つ)の切欠き部14d1が円周方向に所定間
隔で形成される。切欠き部14d1は、後述する固定側
板(17)の加締部(17c:図21参照)と適合す
る。
【0083】外輪14は、例えば、肌焼鋼、機械構造用
炭素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形さ
れ、浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波
焼入れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施
される。この実施形態では、外輪14を形成する鋼材と
して肌焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM420)
を使用し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行っ
て、表層部の表面硬さを57〜62HRCに調整してい
る。なお、外輪14は、鋼材の削出し品、鋼鈑(例えば
冷間圧延鋼鈑)のプレス成形品とすることもできる。
【0084】図21は、外輪14に固定される固定側板
17を示している。固定側板17は、半径方向に延びた
フランジ部17aと、フランジ部17aの外径端から外
径側に突出した複数(例えば4つ)のブラケット部17
bと、フランジ部17aの外径端から軸方向の一方に突
出した複数(例えば6つ)の加締部17cと、フランジ
部17aに穿設された複数(例えば8つ)の係合孔17
a1と、フランジ部17aの内径端から軸方向の一方に
突出したボス部17eとを主体として構成される。4つ
のブラケット部17bは円周方向に所定間隔で形成さ
れ、それぞれに中空ピン状の加締部17b1が一体(又
は別体)に形成される。6つの加締部17cは円周方向
に所定間隔で形成され、それぞれ、二股状に分岐した一
対の爪部17c1を備えている。この加締部17cを外
輪14の切欠き部14d1に装着し、一対の爪部17c
1を円周方向の相反する方向に加締めて鍔部14dに当
接させることにより、外輪14の固定側板17に対する
軸方向相対移動および回転方向相対移動を防止すること
ができる。加締部17b1は、相手側部材の取付け穴に
加締固定される。
【0085】ボス部17eの内周には、ラジアル軸受面
17e2が形成される。ボス部17eは出力軸12の環
状凹部12b4に挿入され、ボス部17eの外周と環状
凹部12b4の外周壁との間に後述する摩擦部材(1
9:図22参照)が装着される。係合孔17a1は摩擦
部材(19)の凸部(19a)と回転方向に係合して、
摩擦部材(19)の固定側板17に対する相対回転を防
止する。ボス部17eのラジアル軸受面17e2は、環
状凹部12b4のジャーナル面12b5に外挿され、ジ
ャーナル面12b5をラジアル方向に支持する。
【0086】固定側板17は、例えば、冷間圧延鋼鈑等
の鋼鈑材からプレス加工によって成形される。この実施
形態では、固定側板17を形成する鋼板材として冷間圧
延鋼鈑(例えばSPCE)を使用している。また、加締
部17c及び17b1を加締加工する際の加工性等に配
慮して、熱処理は施していない。なお、加締部17c及
び17b1等の加締加工を行う部位に防炭処理(又は防
炭防窒処理)を施して、浸炭焼入れ焼戻し(又は浸炭窒
化焼入れ焼戻し)を行っても良い。
【0087】図22は、制動手段としての摩擦部材19
を示している。この実施形態において、摩擦部材19は
リング状のもので、その一方の端面には複数(例えば8
つ)の凸部19aが円周方向に所定間隔で形成される。
凸部19aは、固定側板17の係合孔17a1と回転方
向に係合して、摩擦部材19の固定側板17に対する相
対回転を防止する。
【0088】摩擦部材19は、ゴムや合成樹脂等の弾性
材料で形成され、例えば出力軸12の環状凹部12b4
の外周壁に締代をもって圧入される。摩擦部材19の外
周と環状凹部12b4の外周壁との間に生じる摩擦力に
よって、出力軸12に回転方向の制動力(摩擦制動力)
が与えられる。この制動力(制動トルク)の大きさは、
出力軸12に入力される逆入力トルクの大きさを勘案し
て適宜設定すれば良いが、逆入力トルクの還流現象を効
果的に防止する観点から、想定される逆入力トルクと同
程度の大きさに設定するのが好ましい。シート高さ調整
装置の場合では、着座シートに着座者が着座した状態で
出力軸12に作用する逆入力トルクと同程度(例えば1
0〜60kgf.cm)の大きさに設定するのが良い。
この実施形態のように、制動手段として摩擦部材19を
用いると、制動力を摩擦部材19の締代調整によって設
定し、また変更できるという利点がある。
【0089】摩擦部材19の材質は特に問わないが、こ
の実施形態では、摩擦部材19を合成樹脂材料、例えば
ポリアセタール(POM)にグラスファイバーを30重
量%配合した合成樹脂材料の射出成形品としている。
【0090】図23(図17のB−B断面)は、第1ク
ラッチ部15を示している。第1クラッチ部15は、外
輪1に設けられた複数(例えば10個)のカム面1Aa
と、内輪13に設けられた円周面13a2と、カム面1
Aaと円周面13a2との間に介在する係合子としての
複数(例えば9個)のローラ20と、ローラ20を保持
する保持器4(図5参照)と、保持器4を外輪(14)
に回転方向に連結する弾性部材5(図6参照)とを主要
な要素として構成される。カム面1Aa、円周面13a
2、及びローラ20によってロック手段が構成され、保
持器4および弾性部材5によって復帰手段が構成され
る。この実施形態において、カム面1Aaは円周面13
a2との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成する。ま
た、外輪1には操作レバー23が結合され、操作レバー
23から外輪1に正方向又は逆方向の入力トルクが入力
される。また、外輪1の内周と内輪13(筒状部13
a)の外周との間の空間部、特にカム面1Aaと円周面
13a2との間にグリースが封入されている。
【0091】この第1クラッチ部15の作用について
は、既述の図11〜図13に基づく説明事項と実質的に
同一であるため、これらの各図における対応する構成要
素の符号に括弧を付してその説明を省略する。
【0092】図24(図17のA−A断面)は、第2ク
ラッチ部16を示している。第2クラッチ部16は、外
輪14に設けられた円周面14c1と、出力軸12に設
けられた複数(例えば8つ)のカム面12b1と、各カ
ム面12b1と円周面14c1との間に介在する係合子
としての一対(例えば総数8対)のローラ30と、一対
のローラ30間に介在する弾性部材、例えば断面N字形
の板ばね31と、内輪13の柱部13cと、内輪13の
ピン13b1および出力軸12のピン孔12b3とを主
要な要素として構成される。カム面12b1、円周面1
4c1、一対のローラ30、および板ばね31によって
ロック手段が構成され、一対のローラ30の円周方向両
側に位置する内輪13の柱部13cによってロック解除
手段が構成され、内輪13のピン13b1および出力軸
12のピン孔12b3によってトルク伝達手段が構成さ
れる。なお、この実施形態において、板ばね31はステ
ンレス鋼(例えばSUS301CPS−H)で形成し、
熱処理としてテンパー処理を施している。また、外輪1
4の内周と出力軸12(大径部12b)の外周との間の
空間部、特にカム面12b1と円周面14c1との間に
グリースが封入されている。
【0093】図25に拡大して示すように、中立位置に
おいて、一対のローラ30は板ばね31によって、それ
ぞれ、カム面12b1と円周面14c1との間に形成さ
れる正逆両回転方向の楔隙間の方向に押圧される。この
時、内輪13の各柱部13cと各ローラ30との間には
それぞれ回転方向隙間δ1が存在する。また、内輪13
のピン13b1と出力軸12のピン孔12b3との間に
は正逆両回転方向にそれぞれ回転方向隙間δ2が存在す
る。回転方向隙間δ1と回転方向隙間δ2とは、δ1<
δ2の関係を有する。回転方向隙間δ1の大きさは、例
えば0〜0.4mm(第2クラッチ部16の軸心を中心
として0〜1.5°)程度、回転方向隙間δ2の大きさ
は、例えば0.4〜0.8mm(第2クラッチ部16の
軸心を中心として1.8〜3.7°)程度である。
【0094】同図に示す状態で、例えば、出力軸12に
時計方向の逆入力トルクが入力されると、反時計方向
(回転方向後方)のローラ30がその方向の楔隙間と楔
係合して、出力軸12が外輪14に対して時計方向にロ
ックされる。出力軸12に反時計方向の逆入力トルクが
入力されると、時計方向(回転方向後方)のローラ30
がその方向の楔隙間と楔係合して、出力軸12が外輪1
4に対して反時計方向にロックされる。従って、出力軸
12からの逆入力トルクは、第2クラッチ部16によっ
て正逆両回転方向にロックされる。
【0095】図26は、外輪1からの入力トルク(同図
で時計方向)が第1クラッチ部15を介して内輪13に
入力され、内輪13が同図で時計方向に回動を始めた初
期状態を示している。回転方向隙間がδ1<δ2に設定
されているため、先ず、内輪13の反時計方向(回転方
向後方)の柱部13cがその方向(回転方向後方)のロ
ーラ30と係合して、これを板ばね31の弾性力に抗し
て時計方向(回転方向前方)に押圧する。これにより、
反時計方向(回転方向後方)のローラ30がその方向の
楔隙間から離脱して、出力軸12のロック状態が解除さ
れる。従って、出力軸12は時計方向に回動可能とな
る。
【0096】内輪13がさらに時計方向に回動すると、
図27に示すように、内輪13のピン13b1が出力軸
12のピン孔12b3と時計方向に係合する。これによ
り、内輪13からの時計方向の入力トルクがピン13b
1およびピン孔12b3を介して出力軸12に伝達さ
れ、出力軸12が時計方向に回動する。外輪1に反時計
方向の入力トルクが入力された場合は、上記とは逆の動
作で出力軸12が反時計方向に回動する。従って、外輪
1からの正逆両回転方向の入力トルクは、第1クラッチ
部15、内輪13、およびトルク伝達手段としてのピン
13b1およびピン孔12b3を介して出力軸12に伝
達され、出力軸12が正逆両回転方向に回動する。な
お、内輪13からの入力トルクがなくなると、板ばね3
1の弾性復元力によって図25に示す中立位置に復帰す
る。
【0097】上述した外輪1、出力軸12、内輪13、
外輪14、第1クラッチ部15、第2クラッチ部16、
固定側板17および摩擦部材19を図17に示す態様で
アッセンブリすると、図17に示すクラッチユニットが
完成する。外輪1には例えば樹脂製の操作レバー23が
結合され、出力軸12は図示されていない出力側機構の
回動部材(例えば図29に示すピニオンギヤ41g)に
連結される。また、固定側板17は図示されていないケ
ーシング等の固定部材に加締部17b1で加締固定され
る。なお、外輪1は、第2薄板部材1Bの外側に装着さ
れたワッシャ(又はナット)28と外輪14のフランジ
部14aとの間で軸方向の両側に抜け止め規制される。
【0098】第1クラッチ部15において、弾性部材5
は外輪1(第1薄肉部材1A)のストッパ爪1Afの内
周に収容され、外輪1の一方の端面と外輪14のフラン
ジ部14aとの間で軸方向の両側に抜け止め規制され
る。また、保持器4およびローラ20は、外輪1の内径
フランジ部1Acと外輪14のフランジ部14aとの間
で軸方向の両側に抜け止め規制される。第1クラッチ部
15の保持器4、ローラ20、および弾性部材5が外輪
1の内部に収容されており、入力側部分に突出した部分
がない。また、保持器4が内輪13の円周面13a2に
外挿され、保持器4の回動が内輪13の円周面13a2
によって案内されるので、回動時の保持器4の傾きがな
く、円滑なクラッチ動作が可能である。
【0099】第2クラッチ部16は、外輪14と固定側
板17とで囲まれた空間部に径方向および軸方向にコン
パクトに収められている。また、ロック解除手段として
の柱部13cと、トルク伝達手段としてのピン13b1
が内輪13に一体に設けられているので、部品点数が少
なく、構造も簡単である。また、柱部13c間のポケッ
ト13c1が軸方向の一方(固定側板17側)に開口し
た形状であるため、出力軸12、内輪13、外輪14等
をアッセンブリした後、ローラ30と板ばね31を、ポ
ケット13c1の軸方向の開口部から該ポケット13c
1内に組み入れることができ、組立作業が容易である。
【0100】さらに、出力軸12を内輪13のラジアル
軸受面13a1と固定側板17のラジアル軸受面17e
2によって両持ち的に支持する構造であるため、出力軸
12の回動動作が安定し、しかも第1クラッチ部15お
よび第2クラッチ部16に偏荷重が作用しにくく、円滑
なクラッチ動作が可能である。
【0101】しかも、入力側部材としての外輪1が、第
1薄肉部材1Aと第2薄肉部材1Bとの2つの部材に対
して、プレス加工を施ことにより製作されたものである
ため、加工が容易化されて製造コストが安価になると共
に、外輪1ひいてはクラッチユニットの軽量化を図るこ
とが可能となる。
【0102】また、第1薄肉部材1Aと第2薄肉部材1
Bとでは、要求される剛性或いは硬度が相違している
が、第1薄肉部材1Aに対してのみ表面硬化処理(熱処
理)を施すことにより、それぞれの要求特性に無駄なく
対応することができる。
【0103】図28は、自動車の乗員室に装備される座
席シート40を示している。座席シート40は着座シー
ト40aと背もたれシート40bとで構成され、着座シ
ート40aの高さHを調整するシート高さ調整装置4
1、背もたれシート40bの傾斜θを調整するシート傾
斜調整装置42、および着座シート40aの前後位置L
を調整するシートスライド調整装置(図示省略)を備え
ている。着座シート40aの高さHの調整はシート高さ
調整装置41の操作レバー41aによって行い、背もた
れシート40bの傾斜θの調整はシート傾斜調整装置4
2の操作レバー42aによって行い、着座シート40a
の前後位置Lの調整はシートスライド調整装置の操作レ
バー(図示省略)によって行う。上述したクラッチユニ
ットは、例えばシート高さ調整装置41に組込まれる。
【0104】図29(a)は、シート高さ調整装置41
の一構造例を概念的に示している。フロア側に設けられ
たシートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材
41b1(図30のアッパレール113に対応する。)
にリンク部材41c、41dの一端がそれぞれ回動自在
に枢着され、リンク部材41c、41dの他端がそれぞ
れ着座シート40aに回動自在に枢着される(図30の
ロアアーム121に対応する部位に枢着される。)。こ
れにより、着座シート40aがスライド可動部材41b
1に対して四節リンク機構で昇降自在に支持される。セ
クターギヤ41fは、例えば着座シート40aに回動自
在に枢着され(図30のロアアーム121に対応する部
位に枢着される。)、支点(ピン)41f1回りに揺動
可能である。また、セクターギヤ41fは、リンク部材
41eを介してリンク部材41cの他端に回動自在に枢
着される。この実施形態では、リンク部材41c及び4
1dを有する四節リンク機構と、セクターギヤ41f及
びこれに直接噛合するピニオンギヤ41gからなるギヤ
機構と、セクターギヤ41fを四節リンク機構のリンク
部材41cに連結するリンク部材41eとによって、着
座シート40aの昇降移動機構が構成される。上述した
クラッチユニットXは、固定側板17を介して着座シー
ト40aの適宜の部位(例えば、図30のロアアーム1
21に対応する部位)に固定され、その外輪1に例えば
樹脂製の操作レバー41a(図23における操作レバー
23に相当)が結合され、出力軸12に昇降移動機構の
回動部材、この実施形態ではピニオンギヤ41gが連結
される。
【0105】例えば、図29(b)において、操作レバ
ー41aを反時計方向(上側)に揺動操作すると、その
方向の入力トルクがクラッチユニットXを介してピニオ
ンギヤ41gに伝達され、ピニオンギヤ41gが反時計
方向に回動する。そして、ピニオンギヤ41gと噛合す
るセクターギヤ41fが時計方向に揺動して、リンク部
材41cの他端をリンク部材41eを介して引っ張る。
その結果、リンク部材41cとリンク部材41dが共に
起立して、着座シート40aの座面が高くなる。すなわ
ち、クラッチユニットXの出力軸12の回動動作が、ピ
ニオンギヤ41gを介してセクターギヤ41fの揺動動
作に変換され、このセクターギヤ41fの揺動動作がリ
ンク部材31eを介して四節リンク機構のリンク動作に
変換される。このようにして、着座シート40aの高さ
Hを調整した後、操作レバー41aを開放すると、操作
レバー41aが第1クラッチ部15の弾性部材5の弾性
力(弾性復元力)によって時計方向に回動して元の位置
(中立位置)に戻る。なお、操作レバー41aを時計方
向(下側)に揺動操作した場合は、上記とは逆の動作に
よって、着座シート41aの座面が低くなる。また、高
さ調整後に操作レバー41aを開放すると、操作レバー
41aが反時計方向に回動して元の位置(中立位置)に
戻る。
【0106】上記構成のシート高さ調整装置41によれ
ば、操作レバー41aの揺動操作のみで着座シート40
aの高さHを調整することができるので操作性が良く、
しかも、高さ調整後の着座シート40aの高さ位置を自
動的に保持することができる。また、高さ調整後に操作
レバー41aを開放すると、操作レバー41aを中立位
置に自動復帰させることができ、その場合でも復帰時の
動作が円滑でラチェット機構のような騒音発生の問題も
生じない。また、第2クラッチ部16は、着座シート4
0aからの逆入力トルクに対して、ローラ30とカム面
12b1及び円周面14c1との楔係合力によって回転
拘束力を与えるので、前述した従来のブレーキ機構に比
べて、大きな回転拘束力(ブレーキ力)を与えることが
できる。そのため、従来構成における減速ギヤ機構を省
略して、セクターギヤ41fをピニオンギヤ41gに直
接噛合させることができる。これにより、操作性を向上
させ、部品点数および組立工数を削減し、設計自由度を
高めることが可能となる。さらに、摩擦部材19によっ
て出力軸12に回転方向の制動力を与えているので、操
作レバー41aの操作時における逆入力トルクの還流現
象がなく(又は少なく)、安定した調整操作が可能であ
る。
【0107】尚、上記のシート高さ調整装置41では、
セクタギヤ41fの揺動動作によるリンク動作力をリン
ク部材41cに入力する構成にしているが、セクタギヤ
41fを他のリンク部材を介してリンク部材41dに連
結し、セクタギヤ41fの揺動動作によるリンク動作力
をリンク部材41dに入力する構成としても良い。ま
た、上記構成のクラッチユニットXは、図30に示すよ
うなフロントチルト調整装置に用いることもできる。こ
の場合、クラッチユニットXは前部クッションフレーム
(221)に装着し、その出力軸側のピニオン(51
1)を、ロアアーム(121)の先端部に設けられた歯
(501)と噛合させる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シートの位置調整操作時の操作性が良く、しかも騒音発
生がなく、かつ、部品点数が少ないため構造が簡単で、
設計自由度の高い座席シートを提供することができる。
【0109】また、入力側部材に復帰動作を与えるため
の弾性部材として有端リング状の板ばねを使用している
ので、弾性力の作用点を円周方向の対向位置に配置する
ことができる。そのため、入力側部材の回動中は、クラ
ッチ部の弾性力を支持する部材にモーメント荷重が作用
することはなく、従って、当該部材と他部材との摩擦に
よる復帰トルクのロスを減少させることができ、入力側
部材を確実に中立位置に復帰させることができる。
【0110】また、第1および第2薄肉部材からなる入
力側部材において、第2薄肉部材の端部内周を、第1薄
肉部材の端部の外周側に配置することにより、軸方向の
所要スペースを削減できる。従って、クラッチユニッ
ト、ひいてはシート調整装置のコンパクト化を図ること
ができる。また、係合子の長さの延長が可能となるの
で、クラッチ部のトルク剛性を向上させて作動安定性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッチユニットの入力側部分を示す縦断側面
図{図1(a)}、図1(a)のB−B断面図{図1
(b)}である。
【図2】入力側部材の第1薄肉部材を示す斜視図{図2
(a)}、縦断側面図{図2(b)}、正面図{図2
(c)}である。
【図3】入力側部材の第2薄肉部材を示す斜視図{図3
(a)}、縦断側面図{図3(b)}、正面図{図3
(c)}である。
【図4】入力側部材を示す単体斜視図である。
【図5】保持器を示す斜視図である。
【図6】弾性部材を示す斜視図である。
【図7】図6に示す弾性部材のうち、内径側の板ばねを
示す斜視図である。
【図8】弾性部材の作用を示す正面図で、(a)図は中
立状態を、(b)図は入力トルクが入力された状態を示
す。
【図9】弾性部材の他例を示す斜視図で、(a)図は内
径側の板ばねを、(b)図は外径側の板ばねを示す。
【図10】弾性部材の他例を示す斜視図で、(a)図は
内径側の板ばねを、(b)図は外径側の板ばねを示す。
【図11】第1クラッチ部の動作を概念的に説明する模
式図である。
【図12】第1クラッチ部の動作を概念的に説明する模
式図である。
【図13】第1クラッチ部の動作を概念的に説明する模
式図である。
【図14】弾性部材として捻りコイルばねを使用した比
較例を示す縦断面図である。
【図15】比較例の捻りコイルばねを示す側面図{図1
5(a)}、正面図{図15(b)}、その作用を示す
正面図{図15(c)、(d)}である。
【図16】比較例の保持器を示す斜視図{図16
(a)}、および図16(a)中の矢視b方向から見た
斜視図である。
【図17】クラッチユニットの全体構成を示す縦断側面
図である。
【図18】出力軸を示す正面図{図18(a)}、図1
8(a)のB−B線断面図{図18(b)}である。
【図19】内輪(制御部材)を示す正面図{図19
(a)}、図19(a)のB−B線断面図{図19
(b)}、要部拡大図{図19(c)}である。
【図20】外輪(静止側部材)を示す正面図{(図20
(a)}、図20(a)のB−B線断面図{図13
(b)}である。
【図21】固定側板を示す正面図{図21(a)}、図
21(a)のB−B線断面図{図21(b)}である。
【図22】摩擦部材(制動手段)を示す正面図{図22
(a)}、縦断側面図{図22(b)}である。
【図23】第1クラッチ部を示す図17のB−B線断面
図である。
【図24】第2クラッチ部を示す図17のA−A線断面
図である。
【図25】第2クラッチ部の作用を示す部分拡大正面図
である(中立位置)。
【図26】第2クラッチ部の作用を示す部分拡大正面図
である(ロック解除時)。
【図27】第2クラッチ部の作用を示す部分拡大正面図
である(トルク伝達時)。
【図28】自動車の座席シートを示す概念図である。
【図29】図29(a)はシート高さ調整装置の一構造
例を示す概念図、図29(b)はその要部拡大図であ
る。
【図30】従来の座席シートの要部側面図である。
【図31】図30の座席シートにおけるブレーキ機構の
分解斜視図である。
【図32】従来の他の座席シートの要部側面図である。
【図33】図32の座席シートにおけるハンドル機構の
側面図である。
【符号の説明】
1 外輪(入力側部材) 1A 第1薄肉部材 1Aa カム面 1Ae 嵌合溝(溝部) 1B 第2薄肉部材 1Ba 嵌合爪 2 内輪(制御部材) 2a 円周面 3 ローラ(係合子) 4 保持器 4a ポケット 4b 開口部 5 弾性部材 5A 板ばね 5B 板ばね 5a1 係合部 5a2 係合部 5b1 係止部 6 操作レバー 8 クラッチ部 12 出力軸(出力側部材) 13 内輪(制御部材) 14 外輪(静止側部材) 15 第1クラッチ部 16 第2クラッチ部 23 操作レバー(操作部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 昌弘 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 (72)発明者 川合 正浩 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 3B087 BA16 BB25 3B091 HA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作部材からのトルク入力によってシー
    トの位置調整を行うシート調整装置を有する座席シート
    において、前記シート調整装置は、前記操作部材として
    の操作レバーと、シートの所要部位を調整移動可能とす
    る移動機構と、前記操作レバーと前記移動機構の回動部
    材との間に介在するクラッチユニットとを備え、 前記クラッチユニットは、前記操作レバーに結合される
    入力側部材と、前記移動機構の回動部材に連結される出
    力側部材と、前記入力側部材と出力側部材との間のトル
    ク伝達経路に介在する制御部材と、回転が拘束される静
    止側部材と、前記入力側部材と制御部材との間に設けら
    れた第1クラッチ部と、前記静止側部材と出力側部材と
    の間に設けられた第2クラッチ部と、前記入力側部材に
    入力された入力トルクで弾性力を蓄積し、入力トルクの
    開放に伴い、蓄積した弾性力で入力側部材を中立位置に
    復帰させる弾性部材とを備え、前記入力側部材の入力ト
    ルクを第1クラッチ部および制御部材を介して出力側部
    材に伝達し、前記出力側部材からの逆入力トルクを第2
    クラッチ部を介して静止側部材との間でロックするよう
    に構成され、かつ、前記弾性部材が有端リング状の板ば
    ねで形成されていることを特徴とする座席シート。
  2. 【請求項2】 前記第1クラッチ部が、前記入力側部材
    からの入力トルクを制御部材に伝達する係合子と、該係
    合子を保持するポケットを備え、入力トルクの開放時に
    前記弾性部材の弾性力で係合子を介して入力側部材に復
    帰力を与える保持器とを有する請求項1記載の座席シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材の両端に、保持器および静
    止側部材と係合可能な係合部を設けると共に、一端の係
    合部と他端の係合部とを円周方向の対向位置に設けた請
    求項1又は2記載の座席シート。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材の両端近傍に、応力の調整
    部を設けた請求項3記載の座席シート。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材が、二以上の板ばねを重ね
    たものである請求項1から4の何れかに記載の座席シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記入力側部材を、前記第1クラッチ部
    を構成するカム面を有する第1薄肉部材と、前記操作レ
    バーが取り付けられる第2薄肉部材とを相対回転不能に
    結合して構成した請求項1から5の何れかに記載の座席
    シート。
  7. 【請求項7】 前記第2薄肉部材の端部内周を、前記第
    1薄肉部材の端部の外周側に配置した請求項6記載の座
    席シート。
  8. 【請求項8】 前記入力側部材と制御部材との間に摩擦
    体を介在させた請求項1から7の何れかに記載の座席シ
    ート。
  9. 【請求項9】 前記シート調整装置は、着座シートの高
    さを調整するシート高さ調整装置である請求項1から8
    の何れかに記載の座席シート。
  10. 【請求項10】 前記移動機構は、前記着座シートをフ
    ロア側に設けられる部材に対して昇降自在に支持する四
    節リンク機構と、前記クラッチユニットの出力側部材の
    回動動作を前記四節リンク機構のリンク動作に変換する
    ためのギヤ機構とを有する請求項9記載の座席シート。
  11. 【請求項11】 前記ギヤ機構は、前記クラッチユニッ
    トの出力側部材に連結されたピニオンギヤと、前記ピニ
    オンギヤと噛合し、前記ピニオンギヤの回動に伴う揺動
    動作によって前記四節リンク機構にリンク動作力を与え
    るセクタギヤとを有する請求項10記載の座席シート。
  12. 【請求項12】 前記シート調整装置は、着座シートの
    前部を傾斜調整するフロントチルト調整装置である請求
    項1から8の何れかに記載の座席シート。
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