JP2003092092A - 二次電池とその製法 - Google Patents

二次電池とその製法

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JP2003092092A
JP2003092092A JP2001283282A JP2001283282A JP2003092092A JP 2003092092 A JP2003092092 A JP 2003092092A JP 2001283282 A JP2001283282 A JP 2001283282A JP 2001283282 A JP2001283282 A JP 2001283282A JP 2003092092 A JP2003092092 A JP 2003092092A
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Japan
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secondary battery
insulating resin
battery
film
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JP2001283282A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Higuchi
洋 樋口
Tatsuji Mino
辰治 美濃
Shuji Ito
修二 伊藤
Satoshige Nanai
識成 七井
Hiromu Matsuda
宏夢 松田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二次電池は電池内部への水分侵入、集電体と
封止材との密着性、固体電解質の結晶化、集電体の短絡
により電池特性を著しく低下させ、電池寿命を短くする
という課題がある。 【解決手段】 正極と固体電解質1と負極との積層体を
挟持した、第1集電体2および第2集電体3の少なくと
も一方を被覆し、前記被覆部の周縁部を芳香性ポリエス
テルを成分として有する電気絶縁性樹脂4で封止する構
成の電池において、封止材に液晶ポリマーシートを用い
水分遮断性を確保する。さらに、高温、高湿時において
も密着性を保つため、液晶ポリマーに空孔5、6を設け
た。さらに、熱融着における固定電解質の結晶化を急速
冷却により制御した。さらに、短絡は液晶ポリマーに絶
縁材料を混練するとともに、前記材料に空孔を設けるこ
とにより防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寿命劣化、ならび
に製造時の短絡を改善した二次電池とその製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、モバイルPCなどの小型且つ高
機能なデバイスの急激な需要の伸びに伴って、小型高容
量な電源としてリチウムポリマー二次電池や全固体全固
体リチウム二次電池などの開発が求められている。これ
までに考案された全て全固体リチウム二次電池は、内部
に水と反応すると電池性能を大幅に低下させる金属リチ
ウム、リチウムイオン、固体電解質を内部にもっている
ため、水分を内部に浸透させないためのパッケージが不
可欠である。
【0003】既に考案されたリチウムポリマー二次電池
のパッケージ方法としては、全芳香族ポリエステルを含
むフィルムを外装材とする薄膜リチウム電池(特開平9
−77884号公報)、合成樹脂を外装材の接着に用い
るもの(特開平2000−195474号公報)、絶縁
リングを一体化した金属蓋と金属ケースを用いるもの
(特開平57−67287号公報)が、端子板を外装体
としてその周縁をマレイン酸変性ポリプロピレン/高密
度ポリプロピレン・マレイン酸変性ポリプロピレンの2
種3層ラミネートフィルムで密封する(特開昭62−2
96361号公報)、同様にしてポリエチレン樹脂で密
封する(特開平04−206366号公報)のように封
口材に特殊な樹脂をもちいることを特徴とするものや、
外装板を兼ねる集電体の周縁に樹脂を塗布し熱融着する
ことによって密封するもの(特開平01−167949
号公報)等のように、接着方法に特徴を持つものがあ
る。
【0004】一方、全固体全固体リチウム二次電池のパ
ッケージ方法に関しては、水分遮断性に優れた基板上に
電池を形成した後、端子となる集電体の一部を除く全て
の電池部分を水分遮断性に優れた樹脂を成膜する(US
P5561004)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の二次電池では、電池内部への水分の侵入、集電体と封
止材との密着性、固体電解質の結晶化、第1と第2の集
電体の短絡、により電池特性を著しく低下させ、電池寿
命を短く制限するという課題を有していた。既にあるパ
ッケージ方法において水分が浸入する経路は、水分遮断
性に優れたフィルム内部ではなく、樹脂などで電池の周
縁を接着した接合部分であり、この部分の水分遮断性を
向上させることが第1の課題である。この対策として、
特開平9−77884号公報から全芳香族ポリエステル
を含む樹脂を用いることが提案されている。この中で、
全芳香族ポリエステルはフィルム状に加工された状態で
電池全体を内包する外装材として用いられており、熱融
着や接着剤による外装材端面の密封処理が提案されてい
る。しかし、この構造では、外装材が樹脂フィルムであ
り、水分の浸入防止が十分でないために、電池寿命が短
くなる。また特開平2000−195474号公報から
は、外装材を金属フィルムとしその外周部分を、全芳香
族ポリエステルを含む樹脂で接着する方法が提案されて
いる。しかしながら、全芳香族ポリエステルは金属との
化学的接着力が弱いという課題がある。第2の課題は、
全芳香族ポリエステルと集電体の構成成分である金属と
の密着である。密着性が悪いと、熱衝撃性、高温高湿度
環境における使用において電池の寿命が短くなる。
【0006】第3の課題は、熱融着する場合の加熱によ
って電池性能が低下させないことである。
【0007】熱融着法を用いる場合に、融着温度が30
0℃程度と比較的高くなるため、全固体電池の構成要素
である固体電解質のほとんどの材質においてガラス転移
温度を超え、結晶化が起こることから、電池の出力電流
を減少させる。
【0008】第4の課題は、正負極の出力端子を兼ねる
集電体、本発明ではフィルム、の短絡である。短絡には
二つのケースがあって、ひとつは、フィルム同士を接着
した場合であり、他方はパッケージ後に切断する場合で
ある。正極、負極の2枚の端子板を兼ねるフィルムの間
に全固体リチウム二次電池を挟み周辺を液晶ポリマーで
密封した後にカッターやレーザー等で切断する場合、切
断面で端子板の変形が発生して短絡する可能性が高い。
【0009】本発明は従来の課題を解決するためになさ
れ、その目的とするところは二次電池における寿命の早
期劣化の改善および集電体の短絡防止手段を施した二次
電池とその製法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め本発明の二次電池は、 正極と固体電解質と負極との
積層体を挟持した、第1集電体および第2集電体の少な
くとも一方を被覆し、前記被覆部の周縁部を芳香性ポリ
エステルを成分として有する電気絶縁性樹脂で封止した
ことを特徴とする。
【0011】このとき、第1集電体と第2集電体とはフ
ィルム形状を有し、前記フィルム上での電気絶縁性樹脂
で封止した封止部の幅(W)と、前記フィルム面に対す
る前記電気絶縁性樹脂の厚さ(T)を、5≦W/T≦1
000、0.2mm≦W≦20mmとすることが有効で
ある。
【0012】また、封止部は空隙部を有することが有効
であり、空隙部は一定間隔で配置した複数の孔状部を有
し、前記孔状部の直径(d)と、前記孔状部の中心間の
間隔(L)とは、2d≦L≦3mmであることが望まし
い。
【0013】さらに、封止剤は、電気絶縁性樹脂に、ジ
ルコニア、アルミナ、マグネシア、チタニア、シリカの
少なくとも1つを10〜60重量%含むことが有効であ
る。
【0014】また、固体電解質は、(Li2S)x(Si
2y(Li3PO41-x-yもしくは(Li4SiO4x
(Li3PO41-x、Li3PO3-xxの単一物もしくは
混合物であり、電気絶縁性樹脂により第1集電体および
第2集電体を固定する工程において、前記電気絶縁性樹
脂を軟化溶融させた後、100〜150℃/秒の温度範
囲で急速冷却することを特徴とする製法を用いることが
出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】前記従来の第1の課題を解決する
本発明に係る二次電池は、正極と固体電解質と負極との
積層体を挟持した、第1集電体および第2集電体の少な
くとも一方を被覆し、前記被覆部の周縁部を芳香性ポリ
エステルを成分として有する電気絶縁性樹脂で封止した
電池において、電池の外装材の大部分を金属フィルムと
し、フィルムの端面同士の接着樹脂として全芳香族系ポ
リエステルを有する絶縁物層を使用することである。
【0016】前記電池において、封止材となる全芳香族
系ポリエステル(以下、液晶ポリマー)は、芳香族系ポ
リエステルが直鎖状かつ並行に整列した構造を持つた
め、水分遮断特性、耐熱性、強靭性、耐熱性に優れてい
る。さらに、熱膨張係数が第1及び第2のフィルムに添
加する遷移金属のそれに近く、さらに添加物によって微
調整が可能であるために、応力剥離を発生しにくいとい
う特徴があり、接着材料として良好なものである。しか
しながら、液晶ポリマーはそれ自身と金属との化学的接
着力が弱い。これは、金属原子と化学的に結合する側鎖
を持っていないためである。従って、図1(a)は集電
体フィルム2および3と絶縁樹脂4の密着強度が熱衝撃
試験などの点で必ずしも十分な構造ではないが、温度条
件を限定する等、使用条件限定した下で使用可能な電池
パッケージとすることができる。
【0017】本発明では第1および第2の集電体を構成
するフィルムにおいて、パッケージ端面における接着幅
Wと第1及び第2の集電体フィルムを固定する全芳香族
系ポリエステルを主成分とする絶縁樹脂の厚さTの関係
が、5≦W/T≦1000であり、この範囲内でも、前
記、接着幅Wは0.2mm≦W≦20mmの範囲である
ことが好ましい。なお、W/T値が1000を上回ると
電池面積に占める接着面積の割合が大きくなり、電池の
エネルギー密度が大幅に低下するので好ましくない。
【0018】図1(c)及び図1(d)は前述の、接着
幅Wと絶縁材料の厚さTの関係を説明するものである。
固体電解質1を第1の集電体フィルム2としてのステン
レス箔および第2の集電体フィルム3としてのステンレ
ス箔でそれぞれ被覆してなり、周縁部を絶縁樹脂4にて
密着する構成の電池における接着幅Wと絶縁材料の厚さ
Tの関係を示した。
【0019】さらに、第1および第2のフィルムと絶縁
材料の密着性を向上させるために、すなわち、ヒートシ
ョック試験に耐えうる密着性について検討したところ、
前述のフィルムと絶縁材料との熱膨張係数を一致させる
方策が不可欠であるが、本発明では、前述の対策ととも
に、さらに、フィルム上の接着面となる部分に一定の間
隔で孔を空けておくことで、熱による膨張を空孔が吸収
するアブソーバーの役割を果たすように、フィルムを貫
通するように液晶ポリマーを形成させ接着力を向上させ
ることを提案している。
【0020】さらに、フィルム上の接着面となる部分は
以下に述べる関係を導いた。すなわち、一定の間隔に形
成された空孔の直径(d)と、前記空孔と空孔との中心
間隔(L)との関係は、2d≦L≦3mmであるときに
その効果がある。図6には空孔の直径(d)と、前記空
孔と空孔との中心間隔(L)の関係を示す。
【0021】さらに、前出の空孔は短絡を防止する効果
を兼ね備え持つ。
【0022】さらに、芳香族ポリエステルを有する断熱
材料は短絡を防止するために、ジルコニア、アルミナ、
マグネシア、チタニア、シリカあるいはこれらの混合物
を含み、その添加量が10〜60wt%であるときに最
大の絶縁効果を発揮する。
【0023】さらに、Li3PO3NやLi2S−SiS2
−Li3PO4などのアモルファス状固体電解質のLiイ
オン伝導度を著しく低下させ、電池の出力電流を減少さ
せる。液晶ポリマーを熱融着する際に必要な温度は、2
50〜340℃程度と比較的高い。一方、高いLiイオ
ン伝導度を要求される固体電解質材料には、非晶質なも
のが多く、耐熱温度が250〜300℃程度と低い。例
えば、酸素系固体電解質としての、Li3PO3Nやアモ
ルファスLi3PO4−Li4SiO4、硫黄系固体電解質
としてのLi2S−SiS2、Li2S−P25、Li2
−B23のリチウムイオン伝導性硫化物ガラス状固体電
解質や、これらのガラスにLiIなどのハロゲン化リチ
ウム、Li3PO4のリチウム酸素酸塩等を添加したもの
は、非晶質状態でのLiイオン伝導度はそれぞれ10-5
〜10-4Scm-1、10-4〜10 -3S/cm程度の値を
示すのに対して、結晶状態ではその100分の1から1
000分の1に低下する。
【0024】結晶化は材料のガラス転移温度を超えた状
態で発生し、徐冷する間に成長することから、期待され
る電池性能が得られなかった。結晶化を回避するための
本発明の手段は、急速冷却することである。
【0025】さらに、本発明では急速冷却におけるその
冷却速度について少なくとも50℃/秒程度が必要であ
り、望ましくは100〜150℃/秒であることを導い
た。
【0026】さらに、液晶ポリマーを熱融着する第1お
よび第2の集電体を構成する2枚のフィルムが電池の相
異なる電極の集電極となる場合は、フィルム同士が接触
することによって両極が短絡して電池として十分機能し
なくなる。本発明では、液晶ポリマーに絶縁性フィラー
を添加することによってこの問題をクリアしている。
【0027】図1及び図2は、本発明の実施例による電
池の一形態例である。図1(a)、図1(b)は、固体
電解質1を、集電体フィルム2及び集電体フィルム3で
挟み、固体電解質1の周囲で、集電体フィルム2及び集
電体フィルム3を、液晶ポリマーを含む絶縁樹脂4で接
着し、且つ固体電解質1を内部に密封した電池の断面図
である。集電体フィルム2及び集電体フィルム3の材質
は銅、ステンレス等、導電性と水分遮断性を兼ね備えた
材質である必要がある。
【0028】また、全固体リチウム二次電池の正負極の
向きには制限がないが、電池の相異なる電極が、集電体
フィルム2と集電体フィルム3にそれぞれ接触するよう
に正負極が表裏に分離された形状であることが望まし
い。図1(a)は、集電体フィルム2,集電体フィルム
3と絶縁樹脂4の密着強度が熱衝撃試験などの点で必ず
しも十分な構造ではないが、温度条件を限定する等、使
用条件限定した下で使用可能な電池パッケージとするこ
とができる。
【0029】図1(c)、図1(d)は、それぞれ図1
(b)の構造における集電体フィルム2、集電体フィル
ム3が、水分遮断性を確保するために絶縁樹脂4の接着
する部分の幅Wの位置を示している。図1(b)におけ
る4の厚さをT、図1(c)及び図1(d)における絶
縁材料4による接着部分の幅をWとするとき、5≦W/
T≦1000となるようにそれぞれの大きさを決定して
いる。なお、W/T値が1000を上回ると、電池面積
に占める接着面積の割合が大きくなり、電池のエネルギ
ー密度が大幅に低下する。
【0030】絶縁材料4の液晶ポリマーとしては、例え
ば化1、化2、化3、化4のような同種あるいは異種の
芳香族カルボン酸、芳香族ジオール、ヒドロキシ芳香族
カルボン酸などの剛直高分子の共重合体を構成する材料
を主成分とすることが必要である。この構造の化合物と
しては、例えば、ベクトラ(商品名、製造:ポリプラス
チックス株式会社、販売:株式会社クラレ)、やエコノ
ール(商品名、製造:住友化学株式会社)、VICTR
EX SPR(商品名、製造ICIジャパン株式会社)
として既に販売されている。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】本発明では集電体フィルム2及び集電体フ
ィルム3には、その周辺部分に絶縁樹脂4との密着性を
向上させるための空孔5及び空孔6が中心間隔3mm以
下の間隔で設けてある。空孔5及び空孔6は、ヒートシ
ョック試験などに耐えうるだけの密着性を確保するため
のものである。
【0036】絶縁材料4には、集電体フィルム2と集電
体フィルム3が短絡することを防止するための絶縁性フ
ィラーが10〜60体積%の範囲で混入されている。材
質は、アルミナ、マグネシア、チタニア、シリカ等の高
融点絶縁物であり、Liと反応しないものが好ましい。
【0037】熱融着の温度は、絶縁樹脂4の融解温度で
きまるが、本発明では、液晶ポリマーを主成分とするも
のであるので250〜340℃程度の温度まで加熱する
必要がある。固体電解質1が結晶化する温度まで加熱す
る必要がある場合は、冷水を内部循環させたローラなど
に接触させることによって急速冷却させる必要がある。
【0038】図2(a)は、複数個の固体電解質11
を、集電体フィルム12の上に作製あるいは設置し、さ
らにその上に集電体フィルム13をおいて、前記13を
包みこむように前出のフィルム12を折り曲げ、フィル
ム12の周囲を、全芳香族ポリエステルを含む絶縁樹脂
14で接着した電池の断面図である。集電体フィルム1
2及び集電体フィルム13の材質は銅、ステンレス等、
導電性と水分遮断性を兼ね備えた材質である必要があ
る。また、全固体リチウム二次電池の正負極の向きには
制限がないが、電池の相異なる電極が、集電体フィルム
12と集電体フィルム13にそれぞれ接触するように正
負極が表裏に分離された形状であることが望ましい。絶
縁樹脂14は、共重合体からなる液晶ポリマーである。
【0039】図2(b)、図2(c)は、それぞれ図2
(a)の構造における集電体フィルム12および集電体
フィルム13が、水分遮断性を確保するために絶縁樹脂
14の接着する部分の幅Wの位置を示している。図2
(a)における絶縁樹脂14の厚さをT、図2(b)及
び図2(c)における絶縁材料14による接着部分の幅
をWとするとき、5≦W/T≦1000となるようにそ
れぞれの大きさを決定している。なお、W/T値が10
00を上回ると、電池面積に占める接着面積の割合が大
きくなり、電池のエネルギー密度が大幅に低下する。
【0040】絶縁材料14には、電池周囲になる部分に
は密着性を向上させるために空孔15及び空孔16が中
心間隔3mm以下の間隔で設けてある。空孔15及び空
孔16は、ヒートショック試験などに耐えうるだけの密
着性を確保するためのものであるので、電池の使用条件
によっては必要がない。
【0041】絶縁材料14には、集電体フィルム12と
集電体フィルム13が短絡することを防止するための絶
縁性フィラーが10〜60体積%の範囲で混入されてい
る。材質は、アルミナ、マグネシア、チタニア、シリカ
等の高融点絶縁物であり、Liと反応しないものが好ま
しい。
【0042】熱融着の温度は、絶縁樹脂14の融解温度
できまるが、液晶ポリマーを主成分とするものであるの
で250〜340℃程度の温度まで加熱する必要があ
る。
【0043】固体電解質11が結晶化する温度まで加熱
する必要がある場合は、冷水を内部循環させたローラな
どに接触させることによって急速冷却させる必要があ
る。
【0044】図3〜図5は、集電体フィルム22を用い
て、電池を一括量産する場合の電池の製造過程を示して
いる。なお、図3には図示していないが、集電体フィル
ムにそれぞれ接触する固体電解質の正負極の向きには制
限がないが、電池の相異なる電極が、集電体フィルムに
それぞれ接触するように正負極が表裏に分離された形状
であることが望ましい。それでは図3〜図5を順に説明
する。
【0045】図3(a)において、集電体フィルム22
の上に、複数個の全固体リチウム二次電池21を、集電
体フィルム22が正極となるように作製あるいは配置す
る。
【0046】図3(b)において、全固体リチウム電池
21の周囲の集電体フィルム22に、密着性確保のため
に図6に示す、空孔25と切断時短絡防止のための空孔
27を設ける。絶縁樹脂24による接着幅Wは、全固体
リチウム二次電池21から空孔25までの距離とする
(図6)。
【0047】図6に示す空孔25は中心間隔3mm以下
の間隔で設けてある。これは、ヒートショック試験など
に耐えうるだけの密着性を確保するためのものであるの
で、電池の使用条件によっては必要がない。
【0048】図4(a)において、全固体リチウム電池
21を形成していない集電体フィルム22の上面に、液
晶ポリマーを含む絶縁樹脂24を載せる。絶縁樹脂24
は、全固体リチウム二次電池21にあたる部分を予めく
り貫いておく。絶縁樹脂24は共重合体を主成分とする
液晶ポリマーであり、短絡することを防止するための絶
縁性フィラーが10〜60体積%の範囲で混入されてい
る。絶縁フィラーの材質は、アルミナ、マグネシア、チ
タニア、シリカ等の高融点絶縁物であり、Liと反応し
ないものが好ましい。
【0049】図4(b)において、集電体フィルム23
を絶縁樹脂24の上に載せ、熱融着によって絶縁樹脂2
4を融解させて集電体フィルム22と集電体フィルム2
3とを密着させ、全固体リチウム二次電池21を内部に
密封する。
【0050】集電体フィルム23には、予め密着性確保
のための空孔26と切断時短絡防止のための空孔27を
設ける。空孔26は中心間隔3mm以下の間隔で設けて
ある。これは、ヒートショック試験などに耐えうるだけ
の密着性を確保するためのものであるので、電池の使用
条件によっては必要がない。
【0051】熱融着の温度は、絶縁樹脂24の融解温度
できまるが、液晶ポリマーを主成分とするものであるの
で250〜340℃程度の温度まで加熱する必要があ
る。
【0052】全固体リチウム二次電池21のひとつの構
成要素である固体電解質が結晶化する温度まで加熱する
必要がある場合は、冷水を内部循環させたローラなどに
接触させることによって急速冷却させる必要がある。
【0053】図5(a)に示す29は複数個作製した全
固体リチウム電池21を切り離すための切断ラインであ
る。集電体フィルム22及び集電体フィルム23にそれ
ぞれ設けた空孔26及び空孔27は、図5に示すように
必ず重なってラインを形成しており、全固体リチウム二
次電池21には必ず1本以上の空孔27及び28で形成
される周回経路がある。切断ライン29は、空孔27及
び空孔28で形成される経路上にあり、この部分で切断
しても、電池の正負極は短絡することがない。
【0054】なお、固体電解質1および固体電解質1
1、全固体リチウム二次電池21の固体電解質部は、結
晶質のものと非晶質のものがあり、Liイオン伝導率が
高く電池として好ましい硫黄系固体電解質は非晶質なも
のが多いことから、これらを用いる場合には熱融着後に
急速冷却することが必要であるが、結晶質なものを用い
る場合は、特に急速冷却する必要がない。
【0055】また、空孔(5,6,15,16,25,
26,27,28)を設ける方法は、例えば、せん断装
置により機械的に打ち抜く方法、QスイッチYAGレー
ザーによって掃引する方法があるが、本発明実施上の制
限はなく、これに限定されない。
【0056】
【実施例】実施例1では、図2における絶縁樹脂13が
液晶ポリマーを含む樹脂である場合の全固体リチウム二
次電池の長寿命化を、それ以外の樹脂を用いた従来例と
の比較により示す。
【0057】(実施例1〜4、比較例1〜7)液晶ポリ
マーを用いることによる水分遮断効果を、他の材質と比
較することによって示す。図1(b)における集電体フ
ィルム2としてのステンレス箔(16mm×16mm、
厚さ15μm)の上に、銅箔(厚さ20μm)、LiC
oO2層(厚さ2μm)、Li3PO3N層(2μm)、
カーボン層(厚さ3μm)、銅層(厚さ1μm)からな
る10mm×10mmの全固体リチウム二次電池を、銅
箔を下にして設置する。
【0058】次に、固体電解質1にあたる部分をくり抜
いた絶縁樹脂シート4(16mm×16mm、厚さ50
μm、絶縁フィラーの材質:ジルコニア(粒径40μ
m、添加量40体積%))をフィルム2の上に被せ、さ
らにフィルム3としてのステンレス箔(16mm×16
mm、厚さ15μm)を被せる。
【0059】上記、積層物は積みあがった状態のままヒ
ートローラーに掛けて、300℃に3秒間加熱して、融
解させた直後に、内部を20℃の水が循環するコールド
ローラーにかけて1秒以内に100℃以下に急速冷却さ
せて、固体電解質1を密封し全固体リチウム二次電池パ
ックを得る。このときの接着幅Wは3mm、熱融着後の
絶縁樹脂の厚さTは40μm(W/T=75)とした。
【0060】上記手段により得られた絶縁樹脂シート4
(16mm×16mm、厚さ50μm)としての材質
が、 (実施例1)液晶ポリマーとしてのベクトラNP−50
(クラレ製) (比較例1)ポリイミド、 (比較例2)ポリフェニレンスルフィド、 (比較例3)ポリエステル、 (比較例4)エバール、 (比較例5)ポリビニリデンクロリド、 (比較例6)ポリエステル である全固体リチウム二次電池をそれぞれ作製した。こ
れら電池を環境温度20℃で、充電は0.2Cレートで
4.2Vまで、放電は引き続き0.2Cレートで3Vま
で行い、初期の放電容量を測定、その後再度0.2Cレ
ートで4.2Vまで充電し、60℃、95%の高温高湿
度環境での加速劣化試験(試験時間100時間)を実施
し、初期の放電特性との比較を行った。結果を表1に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】容量維持率の違いから、液晶ポリマーの水
分遮断特性が発揮されていることが分かる。さらに、W
/T値による水分遮断特性の違いを調べるため、絶縁樹
脂の厚さTを40μm一定として、接着幅Wが (実施例2)5000μm(W/T=125)、 (実施例3)1000μm(W/T=25) (実施例4)200μm(W/T=5)、 (比較例7)160μm(W/T=4) とするシートを作製し、同様に60℃、95%の高温高
湿度環境での加速劣化試験(試験時間100時間)を実
施し、初期の放電特性との比較を行った。結果を表2に
示す。放電容量の測定方法は、実施例1と同一である。
【0063】
【表2】
【0064】W/T値が5を下回るあたりから性能維持
率が下がり始めている。
【0065】(実施例5〜8、比較例8〜11)空孔5
及び空孔6による集電体フィルム2および集電体フィル
ム3と絶縁樹脂4の密着性改善効果を、空孔なし及び空
孔間隔を変えた場合のヒートショック試験結果との比較
によって示す。空孔列は、図1(b)における集電体フ
ィルム2及び集電体フィルム3としてのステンレス箔
(16mm×16mm、厚さ15μm)の周縁より1m
mの部分に、NdドープYAGレーザーを光源(出力2
0W)とするレーザースクライブを照射することによっ
て作製する。このときの空孔径と空孔間隔はそれぞれ、 (比較例8)空孔径0.5mm、0.8mm (実施例5)空孔径0.5mm、1mm (実施例6)空孔径0.5mm、3mm (比較例9)空孔径0.5mm、4mm (実施例7)空孔径1mm、2mm (実施例8)空孔径1mm、3mm (比較例10)空孔径1mm、4mm (比較例11)空孔径1mm、5mm であり、さらに、図1(a)の構造の例として (比較例12)空孔をあけない ものも準備した。
【0066】集電体フィルム2の上に、銅箔(厚さ20
μm)、LiCoO2層(厚さ2μm)、Li3PO3
層(2μm)、カーボン層(厚さ3μm)、銅層(厚さ
1μm)からなる10mm×10mmの全固体リチウム
二次電池を、銅箔を下にして設置する。
【0067】次に、固体電解質1にあたる部分をくり抜
いたシート状の絶縁樹脂4としての液晶ポリマー(16
mm×16mm、厚さ50μm、絶縁フィラーの材質:
ジルコニア(粒径40μm、添加量40体積%))を集
電体フィルム2の上に被せ、さらに集電体フィルム3と
してのステンレス箔(16mm×16mm、厚さ15μ
m)を被せる。
【0068】上記、集積物は積みあがった状態のままヒ
ートローラーに掛けて300℃に3秒間加熱して、絶縁
樹脂シート4を融解させた直後に、内部を20℃の水が
循環するコールドローラーにかけて1秒以内に100℃
以下に急速冷却させて、固体電解質1を密封し全固体リ
チウム二次電池パックを得る。このときの接着幅Wは2
mm、熱融着後の絶縁樹脂の厚さTは40μm(W/T
=50)とした。
【0069】放電容量を測定した後、湿度95%雰囲気
下で図9の温度変化を加える熱衝撃テストを20サイク
ル行った後、再び放電容量を測定し、容量維持率を測定
した。表3はその結果である。放電容量の測定方法は、
実施例1と同一である。
【0070】
【表3】
【0071】表3が示すように、空孔なしの場合では容
量が著しく減少しているが、空孔間隔3mm以下の範囲
では容量が99%程度維持されている。ただ、空孔径d
に対してL≦2dの範囲でもやや容量が減少する傾向が
みられた。空孔が多すぎたために本発明の密着性向上効
果が弱くなったものと考えられる。
【0072】(比較例13、14)集電体フィルム2及
び集電体フィルム3と絶縁樹脂4を熱融着することによ
り優れた水分遮断特性が得られることを、接着剤による
接着したものとの比較によって示す。試料の作製方法
は、接着方法が異なることを除いて実施例1と同一であ
る。接着方法が、 (実施例1)実施例1と同一の熱融着 (比較例13)エポキシ樹脂接着剤 (比較例14)アクリル樹脂径接着剤 である場合について実施した。接着における乾燥・放置
中は、露点−60℃のドライ雰囲気中で保管することと
した。
【0073】放電容量を測定した後、60℃、95%の
高温高湿度環境での加速劣化試験(試験時間100時
間)を実施し、初期の放電特性との比較を行った。結果
を表4に示す。放電容量の測定方法は、実施例1と同一
である。
【0074】
【表4】
【0075】表4から、接着剤による固定を行った場合
は、接着剤自身の水分透過特性が影響して実用的な全固
体リチウム二次電池を構成することは難しいことが予想
され、熱融着による接着が優れた接着方法であることが
分かる。
【0076】(実施例9〜11、比較例15〜17)熱
融着の後に急速冷却することによって、全固体リチウム
二次電池の放電容量が高く維持されることを、自然放冷
した場合と比較することによって示す。
【0077】試料の作製方法は、電池の固体電解質の材
質と熱融着後の冷却方法を除いて実施例1と同一であ
る。
【0078】電池の固体電解質の材質と熱融着後の冷却
方法はそれぞれ、 (実施例9)固体電解質がLi3PO3N、急速冷却、 (比較例15)固体電解質がLi3PO3N、自然放冷、 (実施例10)固体電解質がLi2S−SiS2−Li3
PO4、急速冷却、 (比較例16)固体電解質がLi2S−SiS2−Li3
PO4、自然放冷、 (実施例11)固体電解質がLi4SiO4−Li3
4、急速冷却、 (比較例17)固体電解質がLi4SiO4−Li3
4、自然放冷、 とし、出来た試料の放電容量を測定した。正極活物質重
量当たりの放電容量結果を表5に示す。放電容量の測定
方法は、環境温度20℃で、充電は0.2Cレートで
4.2Vまで、放電は3C放電で3Vまで行った。
【0079】
【表5】
【0080】表5の結果から、熱融着後の急速冷却によ
る効果は明確である。固体電解質の結晶化によってLi
イオン伝導度が低下するのを抑制することができたため
であると思われる。
【0081】(実施例12〜16)絶縁性フィラーの材
質として、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、チタニ
ア、シリカが有効であることを示す。
【0082】試料の作製方法は、絶縁性フィラーの材質
とその添加量を除き、実施例1と同一であり、以下に示
す処方にて各々20個ずつ作製した。絶縁性フィラーの
材質とその添加量は、 (実施例12)ジルコニア、40体積% (実施例13)アルミナ、40体積% (実施例14)マグネシア、40体積% (実施例15)チタニア、40体積% (実施例16)シリカ、40体積% である。出来た試料の短絡不良率を測定したが、不良は
発生しなかった。
【0083】(実施例17〜20、比較例18〜22)
絶縁性フィラーの材質として、ジルコニア、アルミナ、
マグネシア、チタニア、シリカが有効であることと、絶
縁性フィラーの絶縁樹脂シートに対する必要添加量が1
0〜60体積%であることを示す。
【0084】試料の作製方法は、絶縁性フィラーの材質
とその添加量を除き、実施例1と同一であり、以下に示
す処方にて各々20個ずつ作製した。絶縁性フィラーの
材質とその添加量は、 (比較例18)添加しない (比較例19)5体積% (比較例20)8体積% (実施例17)10体積% (実施例18)20体積% (実施例19)50体積% (実施例20)60体積% (比較例21)65体積% (比較例22)70体積% である。出来た試料の短絡不良率を測定し、さらに各処
方によって正常にできた試料1個に対して放電容量を測
定した後、実施例1で行った60℃、95%の高温高湿
度環境での加速劣化試験(試験時間100時間)を行
い、再び放電容量を測定して、容量維持率を算出した。
表7はその結果である。放電容量の測定方法は、実施例
1と同一である。
【0085】
【表6】
【0086】短絡不良率は添加量が少ないほど高く、ま
た容量維持率は添加量が多いほど低下する傾向が見ら
れ、短絡不良が発生せずに容量維持率を高く保つために
は、絶縁フィラーの添加量を10〜60体積%の間に保
つことが必要であることが分かる。絶縁フィラー添加量
の増加による容量維持率の低下は、フィラーと液晶ポリ
マーの界面が増加したことやフィラー同士の接触による
界面の連続化によって、水分侵入経路が増加したことに
よると思われる。
【0087】(実施例21、比較例23)集電体フィル
ム22及び集電体フィルム23を用いて複数の全固体リ
チウム二次電池を作製した場合に、最終的に必要となる
切断分離工程において発生する短絡不良対策として、絶
縁樹脂シート24に絶縁フィラーを添加しておくことが
有効であることを示す。
【0088】図3(a)における集電体フィルム22と
してのステンレス箔(70mm×70mm、厚さ15μ
m)の上に、銅箔(厚さ20μm)、LiCoO2
(厚さ2μm)、Li3PO3N層(2μm)、カーボン
層(厚さ3μm)、銅層(厚さ1μm)からなる10m
m×10mmの全固体リチウム二次電池21(16個)
を、銅箔を下にして、互いに7mmの間隔をあけて設置
する(図3(b))。
【0089】実施例21のサンプルでは、集電体フィル
ム22及び集電体フィルム23には、図6、図7に示す
ようにそれぞれ密着性改善のための空孔25及び26、
切断時短絡防止のための空孔27,28がNdドープY
AGレーザーによるスクライブによって設けられてい
る。Xは空孔27及び28の幅を示す。
【0090】空孔25および空孔26の空孔径は0.3
mm、間隔は2mmである。空孔27および空孔28
は、各電池間の中央を等分するように幅1mm、長さ6
mmのカギ形状で、集電体フィルム22と集電体フィル
ム23が重ねあわされた時に図5のように空孔27およ
び空孔28が重なって、全固体リチウム電池21の周囲
を囲むようにしておく。
【0091】一方、比較例23では、空孔27および空
孔28を設けない。
【0092】次に、図4(a)において、全固体リチウ
ム電池21にあたる部分をくり抜いたシート状の絶縁樹
脂24(70mm×70mm、厚さ50μm、絶縁フィ
ラーの材質:ジルコニア(粒径40μm、添加量40体
積%))を集電体フィルム2の上に被せ、さらに図4
(b)において、集電体フィルム23としてのステンレ
ス箔(70mm×70mm、厚さ15μm)を被せる。
【0093】上記、集積物は積みあがった状態のままヒ
ートローラーに掛けて300℃に3秒間加熱して、絶縁
樹脂4を融解させた直後に、内部を20℃の水が循環す
るコールドローラーにかけて1秒以内に100℃以下に
急速冷却させて、電池1を密封し全固体リチウム二次電
池パックを得る。このときの接着幅Wは2mm、熱融着
後の絶縁樹脂の厚さTは40μm(W/T=50)とし
た。
【0094】図5(a)において、できあがった全固体
リチウム二次電池アレイシートの切断ライン29に沿っ
てカッターを入れて電池を分離し、図5(b)に示す全
固体リチウム電池パックを得る。切断ライン29は図8
に詳細に示すように、空孔27及び空孔28の何れかが
存在するラインである。比較例24では、空孔27およ
び空孔28は設けないが、電池間中央を切断した。
【0095】得られた電池16個について短絡不良の発
生数を調べたところ、実施例21の発生数ゼロに対し
て、比較例23は14個であった。切断によって、フィ
ルム22、23が鋭角に変形したことによって発生する
短絡現象が、空孔27および空孔28を設けたことによ
って防止できたものと思われる。
【0096】固体電解質としてLi3PO3N、Li2
−SiS2−Li3PO4、Li4SiO4−Li3PO4
用いた実施例を紹介したが、本発明の効果はこの限りで
はない。
【0097】
【発明の効果】正極活物質および負極活物質が固体電解
質を介してなる積層体に固定してなる第1および第2の
集電体の少なくとも一方を被覆してなり、周縁部を封止
材にて密着する構成の電池において水分遮断性は、集電
体フィルムを互いに接着する材料として液晶ポリマーを
主成分とする絶縁樹脂を用い、これとフィルムとの密着
性を向上させるためにフィルムに3mm以下の間隔で空
孔を設けることで確保できた。
【0098】液晶ポリマーによる接着に際して、熱融着
が水分遮断性に優れていることを示し、このとき発生す
る固体電解質のイオン伝導度低下の課題に対して、熱融
着後急速冷却を行うことが有効であることを示した。
【0099】また、液晶ポリマーに絶縁フィラーを添加
することによって、出力端子でもあるフィルム同士の短
絡を防ぐことが出来た。
【0100】さらに、フィルム上に複数の電池を形成し
た場合に、電池を分離する前の段階でフィルムに対して
空孔径製することによって、切断時の正負極の短絡不良
を抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である全固体リチウム二
次電池パッケージの断面と形状を示した図
【図2】本発明の第2の実施例である全固体リチウム二
次電池パッケージの断面と形状を示した図
【図3】本発明の他の実施例である全固体リチウム二次
電池パッケージの製造工法の第1の行程を示した図
【図4】本発明の他の実施例である全固体リチウム二次
電池パッケージの製造工法の第2の行程を示した図
【図5】本発明の他の実施例である全固体リチウム二次
電池パッケージの製造工法の第3の行程を示した図
【図6】本発明の第3の実施例である全固体リチウム二
次電池パッケージの第1の形状を示した図
【図7】本発明の第3の実施例である全固体リチウム二
次電池パッケージの第2の形状を示した図
【図8】本発明の第4の実施例である全固体リチウム二
次電池パッケージの形状を示した図
【図9】本発明の実施例である全固体リチウム二次電池
パッケージの製造条件を示した図
【符号の説明】
1 固体電解質 2,3 集電体フィルム 4 絶縁樹脂 5,6 空孔 11 固体電解質 12,13 集電体フィルム 14 絶縁樹脂 15,16 空孔 21 全固体リチウム二次電池 22,23 集電体フィルム 24 絶縁樹脂 25,26 空孔 27,28 空孔 29 切断ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 七井 識成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松田 宏夢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA02 BB04 CC06 DD14 DD21 FF03 GG08 HH02 JJ25 JJ27 KK04 5H017 AA04 AS06 BB11 CC03 DD06 EE01 EE04 HH08 5H029 AJ05 AJ15 AK03 AL06 AM12 BJ04 BJ12 CJ02 CJ03 CJ05 CJ22 DJ02 DJ03 DJ07 EJ01 EJ12 HJ01 HJ02 HJ03 HJ04 HJ06 HJ12 HJ14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と固体電解質と負極との積層体を挟
    持した、第1集電体および第2集電体の少なくとも一方
    を被覆し、前記被覆部の周縁部を芳香性ポリエステルを
    含む電気絶縁性樹脂で封止したことを特徴とする二次電
    池。
  2. 【請求項2】 第1集電体と第2集電体とはフィルム形
    状を有し、前記フィルム上での電気絶縁性樹脂で封止し
    た封止部の幅(W)と、前記フィルム面に対する前記電
    気絶縁性樹脂の厚さ(T)は、5≦W/T≦1000、
    0.2mm≦W≦20mmであることを特徴とする請求
    項1記載の二次電池。
  3. 【請求項3】 封止部は空隙部を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の二次電池。
  4. 【請求項4】 空隙部は一定間隔で配置した複数の孔状
    部を有し、前記孔状部の直径(d)と、前記孔状部の中
    心間の間隔(L)とは、2d≦L≦3mmであることを
    特徴とする請求項3記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 封止剤は、電気絶縁性樹脂に、ジルコニ
    ア、アルミナ、マグネシア、チタニア、シリカの少なく
    とも1つを10〜60重量%含むことを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の二次電池。
  6. 【請求項6】 固体電解質は、(Li2S)x(Si
    2y(Li3PO41-x- yもしくは(Li4SiO4x
    (Li3PO41-x、Li3PO3-xxの単一物もしくは
    混合物であり、電気絶縁性樹脂により第1集電体および
    第2集電体を固定する工程において、前記電気絶縁性樹
    脂を軟化溶融させた後、100〜150℃/秒の温度範
    囲で急速冷却することを特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載の二次電池の製法。
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