JP2003089582A - 高ジルコニア溶融耐火物及びその製造方法 - Google Patents

高ジルコニア溶融耐火物及びその製造方法

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    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/43Use of materials for furnace walls, e.g. fire-bricks

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇温時の剥離現象を起こさず、残存膨張率が
小さく、溶融ガラスに対する発泡性が低い高ジルコニア
溶融耐火物とその製造方法を提供する。 【解決手段】 化学成分として、ZrO2が86〜96
重量%であり、SiO2が3〜10重量%であり、Al2
3が0.5〜2重量%である鋳造物で形成されてい
る。鋳造物の鋳込み表面が取り除かれている。その取り
除かれて残った表面が鋳込み表面における残留応力より
も小さい。たとえば、表面の残留応力が20MPa以下
の張力または10MPa以下の圧縮力である。そのよう
にするために、鋳造物の鋳込み表面から15mm以上を
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス溶融炉の製作
に適した高ジルコニア溶融耐火物とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶融耐火物は、原料を溶融し、溶融物を
所定形状の鋳型に流し込み、これを徐冷することによっ
て製造される。従って、溶融耐火物は、焼成法による耐
火物とは組織及び製法が異なる非常に緻密な耐火物とし
て知られている。
【0003】このような溶融耐火物の中で、ジルコニア
を多く含む高ジルコニア溶融耐火物は、ジルコニアの結
晶(バッデライト)と僅かのガラス相からなり、あらゆ
る種類の溶融ガラスに対する耐食性に極めて優れてお
り、溶融ガラスとの界面に反応層を作らないという性質
を持つことから、ガラス中にストーンやコードを発生さ
せることがないという特徴を持つ。こういった理由で、
高ジルコニア溶融耐火物は高品質のガラスを製造するの
に特に適している。
【0004】高ジルコニア溶融耐火物は、その大部分を
占める単斜晶系ジルコニア結晶と、これを取り巻く少量
のガラス相からなる。ジルコニア結晶は1150℃付近
で急激な体積変化を伴って単斜晶系と正方晶系の可逆的
な変態を起こすことがよく知られている。
【0005】それゆえ、製作の際に亀裂のない高ジルコ
ニア溶融耐火物を得るためには、この変態に伴う体積変
化をいかにしてガラス相に吸収させるかが大きな課題で
ある。この課題を解決するために、従来、いろいろとガ
ラス相の改善について提案がなされている。
【0006】しかしながら、高ジルコニア溶融耐火物
は、熱衝撃に弱く、操炉初期の10℃/時間以下の熱上
げの際に、比較的低い温度(300〜600℃)で剥離
が生じることがあった。
【0007】さらに、高ジルコニア溶融耐火物は溶融ガ
ラスに対して泡を発生させる欠点があった。そして、初
期発泡をさけるために、レンガ周囲に被覆して使用され
る白金薄と接触すると、白金を劣化させることもあっ
た。
【0008】これらの欠点を解消するために、種々の改
良がなされてきた。例えば、特開平6−183832号
公報では、MgOを加えることによって熱衝撃性と発泡
性を改善している。また、特公平4−4271号公報で
は、原料中に含まれるFeやCuなどの不純物を少なく
することによって、発泡性を改善している。また、特開
平8−277162号公報では、ガラス相の膨張係数を
低下させ、残留応力の適正化を図り、剥離を生じないよ
うに改善している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】高ジルコニア溶融耐火
物はその表面に大きな残留応力を残存させていることが
多く、熱衝撃に対して亀裂を発生したり、炉に使用され
る際に、炉内側の片面が加熱されることになり、操炉初
期の昇温途中で剥離が生じ、耐火物の小片が炉内に飛散
する事故が起きていた。
【0010】高ジルコニア溶融耐火物は、製作の際に、
酸素が理論値より少ない不飽和酸化物になりやすく、強
い還元性の組成になりやすい。
【0011】また、高ジルコニア溶融耐火物の中には、
不純物として含まれるFe23,CuO,TiO2が還
元されて金属として存在することがある。
【0012】これらの理由により、高ジルコニア溶融耐
火物は、溶融ガラスに泡を発生させやすい。
【0013】また、耐火物を使用する際に、耐火物を白
金で巻いて使用することがある。
【0014】一方、耐火物の原料であるジルコニアに不
純物として含まれるP205が、耐火物の中に、Pとし
て存在することがある。このPは、白金と反応して低融
点の合金を作り、白金を脆くさせ、変質させる。
【0015】本発明の目的は、このような従来の問題点
を克服し、昇温時に剥離現象を起こさず、残存膨張率が
小さく、溶融ガラスに対する発泡性が低い高ジルコニア
溶融耐火物とその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段を例示
すると、請求項1〜5に記載の高ジルコニア溶融耐火物
とその製造方法である。
【0017】本発明の好ましい解決手段による高ジルコ
ニア溶融耐火物は、ガラス溶解炉に適した高ジルコニア
溶融耐火物であり、残留応力を極めて小さい範囲に抑え
た特徴、残存膨張を低く抑え、寸法変化の少ない特徴、
また、溶融ガラスに対して発泡性の少ない特徴を持つ高
ジルコニア溶融耐火物である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、耐火物の表面に残る
残留応力に着目し、耐火物の表面に残る残留応力が極め
て小さい範囲の残留応力となるように改良した。さら
に、溶融ガラスに対して低発泡性であるように改良し
た。また、熱サイクルによる亀裂の発生に対する抵抗性
が大きい特徴を併せ持つように改良した。
【0019】従来の高ジルコニア溶融耐火物は、製作の
際に、耐火物表面に残留応力として大きな圧縮応力ある
いは引張応力が残っていた。
【0020】圧縮応力とは、耐火物のある一点を考えた
場合、その一点に集中する方向にかかった力であり、引
張応力とは、その一点から外側に発散する方向にかかっ
た力をいう。
【0021】また、耐火物を炉壁に使用し、その表面を
加熱するとき、表面に熱膨張のために新たに圧縮応力が
発生する。この圧縮応力は圧縮型熱応力である。
【0022】耐火物を炉壁に使用して加熱した場合、表
面には残留応力と圧縮型熱応力の合力が作用する。この
合力が小さければ耐火物を破壊する事はない。しかし、
合力が耐火物の破壊に対する抵抗力を上回れば破壊が起
きる。このような破壊は耐火物の内部に表面に平行な平
面上の亀裂が発生し、最終的に剥離に至る。
【0023】製作の際に亀裂や角欠けが発生すること、
あるいは加熱を受けたときに剥離が発生することを防止
するためには、高ジルコニア溶融耐火物の残留応力が小
さい方が好ましく、表面における残留応力が20MPa
以下の張力または10MPa以下の圧縮力であることが
好ましい。
【0024】高ジルコニア溶融耐火物の各種溶融ガラス
に対する発泡性は、少ないほど好ましく、ガラスの品質
を考えると10個/cm2以下であることが好ましい。
最近は特に、高品質のガラスが要求されるようになり、
各種溶融ガラスに対する発泡性は、特に好ましくは1個
/cm2以下である。
【0025】次に本発明の各成分の役割について説明す
る。
【0026】ZrO2の含有量は86〜96重量%、好
ましくは87〜95重量%である。ZrO2が96重量
%よりも多い場合は、製作の際に剥離をおこし、86重
量%未満であると使用の際溶融ガラスに対する耐食性が
劣る。SiO2の含有量は、3〜10重量%、好ましく
は3〜8重量%である。SiO2はガラス相を形成する
ための必須成分である。3重量%未満の場合は、ガラス
相を形成することができない。10重量%より多い場合
は溶融ガラスに対する耐食性が劣る。
【0027】Al23の含有量は0.5〜2重量%であ
る。Al23は残留圧縮応力を大きくする働きと、残留
引張応力を小さくする働きがある。そして、Al23
溶融物の流れを良くする性質もある。また、ジルコニア
の溶融時の還元性を抑える性質もある。0.5重量%未
満では、これらの効果がない。2重量%より多い場合は
過度に大きな残留圧縮応力となり、また、安定したガラ
ス相を形成できないので、製作の際に亀裂が発生する。
【0028】Na2OとK2Oを合わせた含有量は0.0
5〜0.3重量%である。これらのアルカリ金属酸化物
は極めて安定な硼珪酸ガラスを形成すると共に残留引張
応力を小さくする働きがある。しかし、Na2OとK2
の合量が0.3重量%を越える場合は過度に残留圧縮応
力が大きくなる。
【0029】B23の含有量は0.2〜0.9重量%で
あることが好ましい。B23はガラス相を形成するため
に必須の成分である。0.2重量%未満であると、安定
したガラス相ができにくい。0.9重量%を越えると還
元性を増加させガラスに対する発泡性を増大する。
【0030】BaO,SrO,CaOは合量で0.7〜
2.1重量%であることが好ましい。これらのアルカリ
土類金属酸化物はガラス相を安定化する働きがある。B
aO,SrO,CaOが0.7重量%未満では残留圧縮
応力を大きくし、加熱時に剥離を発生させる。2.1重
量%を越えると、残留引張応力を過度に大きくする働き
があり、製作の際に亀裂を発生させる。
【0031】Fe23,CuO,TiO2は、製作の際
に不純物として混入する。これらの成分は、製作時の亀
裂の発生に影響したり、ガラスを汚染したり、溶融時に
還元されて溶融ガラスに泡を発生させたりする原因とな
る。これらの理由から、Fe 23,CuO,TiO2
含有量は合わせて0.2重量%を越えてはならない。
【0032】P25は実質的に含まれないようにする。
25は、耐火物の製作の際に、還元されてP元素とな
り、白金を劣化させる原因となる。
【0033】前述のような本発明の組成によれば、極め
て小さい範囲の残留応力の耐火物が得られる。その結
果、熱上時の熱衝撃に対して剥離を起こさないようにな
る。
【0034】特に、Na2OとK2Oの合計を0.05〜
0.3重量%とし、B23を0.2〜0.9重量%と
し、BaOとSrOとCaOの合計量を0.7〜2.1
重量%とすることにより、更に小さい範囲の残留応力を
有し、かつ、発泡性に極めて優れた耐火物が得られる。
【0035】耐火物表面における残留応力を小さくする
ために、耐火物の鋳込表面を除去することが有効である
ことが究明した。
【0036】耐火物の表面に引張力または圧縮力が存在
すると、内部に圧縮力または引張力が存在する。これが
残留応力である。本発明者は、耐火物の表面を除去する
ことにより、残留応力を小さくすることを究明したので
ある。
【0037】除去する厚みは、耐火物の大きさにもよる
が、15mm以上が好ましい。15mm以上除去するこ
とにより、大幅に残留応力を小さくすることが可能であ
る。15mm未満では残留応力を十分小さくすることが
困難である。
【0038】耐火物の鋳込表面の全面を表面除去する必
要はない。
【0039】除去する面は多いほど効果が大きいが、1
面以上を除去すればよい。除去する一面は炉内に使用さ
れる面であることが好ましい。
【0040】ここで念のために説明すると、高ジルコニ
ア溶融耐火物は、製作方法の特性から、一つの面は押し
湯部分を切断した面となるため、この一つの面以外に、
除去する面を1以上とする。換言すれば、押し湯部分を
切断した面を含めれば、2面以上を除去する。
【0041】鋳込表面を除去する方法としては、切断ま
たは研削が好ましい。
【0042】耐火物の鋳込表面を除去することにより、
残留応力を小さくすることができる他に、溶融ガラスに
対する発泡性も改善できる。発泡の原因の一つとして、
耐火物による還元が考えられる。高ジルコニア溶融耐火
物は、製作の際にカーボンの鋳型に鋳造されて、耐火物
表面が強く還元される。この強く還元された耐火物表面
を除去すれば、発泡性が改善できる。
【0043】従って、耐火物は、溶融ガラスと接する炉
内面である1面を除去するのが特に好ましい。
【0044】図1〜4は、いろいろな鋳込面の除去形態
を示す。図中、一点鎖線が除去面で、斜線部分が除去部
分である。
【0045】図1〜4において、いずれの形態も、製品
部分1は押し湯部分2から一点鎖線で示す除去面3のと
ころで切り離される。
【0046】図1の形態においては、製品部分1の1面
(炉内に使用される面)が15mm以上切断、研削およ
び/または研摩されて、斜線部分4が除去され、除去面
1aが残る。
【0047】図2の形態においては、製品部分1の2面
(炉内に使用される面と、それとは反対側の面)が、そ
れぞれ15mm以上、切断、研削および/または研摩さ
れて、斜線部分5,6が除去され、除去面1a,1bが
残る。
【0048】図3の形態においては、縦方向の一点鎖線
で示すように、製品部分1の長手方向の中心に切断によ
る切り込みが入れられて、2つに分割される。そして、
その切り込みを入れて形成された面が除去面1aとな
る。この場合、製品部分1は、半分の形のものが2つ形
成されることになる。
【0049】図4の形態においては、縦方向の2本の一
点鎖線で示すように、製品部分1の長手方向に2本の切
断切り込みを入れて、3つの部分に分割し、両側の部分
の1面を除去面1a,1bとし、真中の部分(図4の斜
線部分)を除去する。この場合も、2つの製品部分1が
形成される。
【0050】次に本発明による高ジルコニア溶融耐火物
の残存膨張率について説明する。
【0051】残存膨張率とは室温から1500℃付近ま
で昇温した後、室温まで冷却したときに生じる膨張率で
あり、ジルコニアの1000〜1200℃付近の単斜晶
系と正方晶系の変態温度を通過したときの大きな膨張、
収縮変化を経た時の膨張率である。
【0052】高ジルコニア鋳造耐火物の残存膨張率は、
小さい方が好ましい。大きすぎると、使用中に耐火物の
組み直しが必要になることがある。この理由により、高
ジルコニア鋳造耐火物の残存膨張率は、1.0%以下で
あることが好ましい。
【0053】
【実施例】実験例1〜12の高ジルコニア溶融耐火物
は、次のようにして製造した。
【0054】ジルコンサンドを脱珪して得られたジルコ
ニア原料に、SiO2、Al23、Na2O、K2O、B2
3、その他の粉末原料を所定の割合で加え、これらを
混合後、アーク電気炉で溶融し、用意した鋳型で鋳造
し、鋳造物を徐冷材粉末の中に埋没して室温まで徐令す
る。
【0055】鋳型はカーボン製で、製品部分に対応する
部分の内寸法が100×300×350mmで、その上
部に内寸法が140×235×350mmの押し湯部分
用の部分を一体に接続したものである。
【0056】冷却後、鋳造物の製品部分1を押し湯部分
2から切り離して使用する。
【0057】得られた試験耐火物はいずれも外観上亀裂
は無かった。
【0058】表1は、実験例1〜12の高ジルコニア溶
融耐火物に含まれる化学成分及び特性を示す。
【0059】
【表1】 表1において、化学成分の割合を表す欄の「−」は、
0.05重量%未満を示し、実質的に含まないことを意
味している。残留応力の測定は各耐火物から100×3
00×300mmの大きさの引け巣のない試験片を切り
出し、試験片の300×300mmの面における6箇所
の測定点の残留応力について、歪みゲージを使った穿孔
法によって測定した。(上段に示す) また、残留応力の大きい試験片について300×300
mmの片面の表面を15mm除去して測定した。(下段
に示す) この測定方法は、米谷茂著「残留応力の発生と対策」
(養賢堂発行)に記載のSOETE,VANCROMB
URGGE法に基づいている。
【0060】まず、試験片300×300mmの1面
(炉内に使用される面)を研磨して、平滑な面とした。
【0061】次に、この平滑な面(炉内に使用される
面)に測定点1箇所につき3枚の歪みゲージ(共和電業
製のストレインゲージKFC−5−C1−11)を、中
心線が互いに120度の角度となるように張り付けた。
そして、この中心線が交わる位置に直径25mmの貫通
穴を開けた。穴を開ける前後の歪みを、歪み測定装置
(共和電業製の歪み測定装置UCAM−2PC)によっ
て測定した。この歪みの測定値から計算式を用いて残留
応力を算出した。残留応力が圧縮の場合は、「+」を付
けて示し、引張の場合は、「−」を付けて示す。
【0062】耐熱衝撃性は次の方法で試験した。すなわ
ち、各耐火物から100×300×300mmの大きさ
の引け巣のない試験片を切り出し、試験片の300×3
00mmの面を電気抵抗発熱体を用いて加熱した。昇温
速度は、100℃/時間で、1500℃まで昇温し、1
500℃で2時間保持した。発生した亀裂及び剥離を観
察した。その結果を表1に示す。記号「◎」は亀裂が発
生しなかったことを示し、記号「×」は亀裂が発生した
ことを示す。
【0063】残存膨張率は、5×5×20mmの試料片
を切り出し、加熱前の試料片の長さを計測し、室温〜1
500℃の間の昇降温サイクルを5回繰り返した後の長
さの測定値から算出した。
【0064】発泡性は次の方法で試験した。すなわち、
各耐火物の鋳造面から15mm内部の3箇所から直径5
0mm、厚さ15mmの大きさの試験片を切り出し、こ
の試験片上に内径35mm、厚さ15mmのアルミナ質
リングを乗せて、その中央に各種ガラスA〜E10gを
のせて昇温し、1350℃で16時間保持した。冷却
後、試験片の中央部分の15×15mmのガラスに残っ
た泡を数えて、この数をcm2あたりの数に換算して、
発泡性を評価した。その結果を表1の上段に示 す。A
はソーダライムガラス、Bは硼珪酸ガラス、CはTVブ
ラウン管ガラス、DはPDPガラス、EはLCDガラス
である。
【0065】また、同様にして測定した、鋳造面から5
mm内部の試験片の泡の数を、下段に示す。
【0066】
【発明の効果】前述の実験例1〜12の測定結果からも
理解されるように、本発明によれば、高ジルコニア溶融
耐火物は、片面加熱時に剥離現象が発生しない特性、残
存膨張が1%以下である特性、各種溶融ガラスに対して
発生する泡を少なくできる特性、などの諸特性をすべて
同時に満たすことができる。したがって、本発明の高ジ
ルコニア溶融耐火物を使用すれば、安全操業のできるガ
ラス溶融炉が得られ、高品質のガラス製品が製造可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例による耐火物の製造方法
を示す。
【図2】本発明の他の実施例による耐火物の製造方法を
示す。
【図3】本発明のさらに他の実施例による耐火物の製造
方法を示す。
【図4】本発明のさらに他の実施例による耐火物の製造
方法を示す。
【符号の説明】
1 製品部分 2 押し湯部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 公男 東京都中央区日本橋久松町4番4号 糸重 ビル 東芝モノフラックス株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA01 AA04 AA05 AA06 AA11 AA12 AA21 AA28 AA30 BA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分として、ZrO2が86〜96
    重量%であり、SiO2が3〜10重量%であり、Al2
    3が0.5〜2重量%である鋳造物で形成されてお
    り、鋳造物の複数の鋳込み表面の少くとも1つの表面が
    除去されており、その除去されて残った表面の残留応力
    が20MPa以下の張力または10MPa以下の圧縮力
    であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物。
  2. 【請求項2】 化学成分として、ZrO2が87〜95
    重量%であり、SiO2が3〜10重量%であり、Al2
    3が0.5〜2重量%であり、Na2OとK 2Oの合計
    が0.05〜0.3重量%であり、B23が0.2〜
    0.9重量%であり、BaOとSrOとCaOの合計量
    が0.7〜2.1重量%以下であり、Fe23とCuO
    とTiO2の合計が0.2重量%以下であることを特徴
    とする高ジルコニア溶融耐火物。
  3. 【請求項3】 表面の残留応力が20MPa以下の張力
    または10MPa以下の圧縮力であることを特徴とする
    請求項2に記載の高ジルコニア溶融耐火物。
  4. 【請求項4】 化学成分として、ZrO2が86〜96
    重量%であり、SiO2が3〜10重量%であり、Al2
    3が0.5〜2重量%である鋳造物を作 り、その鋳
    造物の鋳込み表面から15mm以上を除去することを特
    徴とする高ジルコニア溶融耐火物の製造方法。
  5. 【請求項5】 除去方法が切断または研削あるいは研摩
    である請求項4に記載の高ジルコニア溶融耐火物の製造
    方法。
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