JPH08277162A - 高ジルコニア溶融耐火物 - Google Patents
高ジルコニア溶融耐火物Info
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- JPH08277162A JPH08277162A JP7104587A JP10458795A JPH08277162A JP H08277162 A JPH08277162 A JP H08277162A JP 7104587 A JP7104587 A JP 7104587A JP 10458795 A JP10458795 A JP 10458795A JP H08277162 A JPH08277162 A JP H08277162A
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Abstract
物の提供。 【構成】 ZrO2 の含有量が85〜96重量%であ
り、SiO2 の含有量が3〜8重量%であり、Al2 O
3 の含有量が0.1〜2重量%であり、B2 O3 の含有
量が0.05〜3重量%であり、BaOとSrOとMg
Oの含有量が合わせて0.05〜3重量%であり、Na
2 Oの含有量が0.05重量%以上であり、かつNa2
OとK2 Oの含有量が合わせて0.05〜1重量%であ
り、P2 O5 の含有量が0.2重量%以下であり、Fe
2 O3 とTiO2 の含有量が合わせて0.3重量%以下
であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物と、化
学成分として、ZrO2 の含有量が90〜95重量%で
あり、SiO2 の含有量が3〜5.5重量%であり、A
l2 O3 の含有量が0.1〜1.5重量%であり、B2
O3 の含有量が0.05〜2重量%である。
Description
ジルコニア溶融耐火物に関し、特に昇温時の熱膨張によ
って表面剥離を起こさない特徴、さらに高温までの昇温
と降温が繰り返される条件下で長時間加熱されても亀裂
を発生しない特徴、さらに高電気抵抗であるという特徴
を同時に備えた高ジルコニア溶融耐火物に関する。
りZrO2 (ジルコニア、あるいは酸化ジルコニウム)
を多量に含む溶融耐火物が多用されている。この理由
は、ZrO2 (ジルコニア)が溶融ガラスに対して特に
耐食性の大きい金属酸化物だからである。例えば、この
ような溶融耐火物として、ZrO2 を34〜41重量%
含むAl2 O3 −ZrO2 −SiO2 質溶融耐火物(以
下、AZS系耐火物という)や、ZrO2 を80重量%
以上含む高ジルコニア溶融耐火物などが使用されてい
る。
O2 (ジルコニア)の含有量が高いこと、組織が緻密で
あるということから、あらゆる種類の溶融ガラスに対し
て大きな耐食性を持っている。さらに、溶融ガラスと界
面に反応層を作らないという性質を持つので、ガラス中
にストーンやコードを発生させることがないという特徴
を持つ。こういった理由で高品質のガラスを製造するの
に特に適している。
の大部分を占める単斜晶系ジルコニア結晶と、これを取
り巻く少量のガラス相にある。一般に、溶融耐火物は高
温で溶融状態の組成物を鋳型に流し込んでゆっくり室温
まで冷却する方法によって作られる。ジルコニア結晶
は、1150℃付近で急激な体積変化を伴って単斜晶系
と正方晶系の可逆的な変態を起こすことが良く知られて
いる。
ア溶融耐火物を得るためには、この変態に伴う体積変化
をいかにしてガラス相に吸収させるかが大きな課題であ
る。
ろとガラス相の改善について提案がされている。一般に
高ジルコニア溶融耐火物はZrO2 とAl2 O3 とSi
O2を主原料とし、その他に少量の副原料を使用する。
2 の全ては副原料と溶け合ってガラス相の大部分を形成
する。またZrO2 の少量もこのガラス相に溶け込んで
いる。したがって副原料はAl2 O3 とSiO2 とガラ
ス相を形成し易い成分が選ばれる。このような副原料の
代表的な成分はNa2 Oである。
従来よりガラス相を改善するために副原料の種類と、そ
の添加量を調整することが行われる。
では、SiO2 (シリカ、あるいは二酸化珪素ともい
う)を1〜4重量%、SiO2 の含有量に対するAl2
O3 (アルミナ、あるいは酸化アルミニウムともいう)
の含有量の比(Al2 O3 /SiO2 )を0.5〜1.
0とし、CaO(酸化カルシウム)とMgO(酸化マグ
ネシウム)を僅かに添加した組成を提案している。
報では、P2 O5 (五酸化二リン)を添加しガラス相を
軟らかくする技術を提案している。
ス相の改善であるが、最近、電気溶融炉に対応できるよ
うな、高電気抵抗を持った高ジルコニア溶融耐火物も求
められるようになってきた。
62−59576号公報では、導電性の良いアルカリ金
属酸化物の含有量を減少させ、代わりにP2 O5 とB2
O3(三酸化二ホウ素)の添加を提案している。
は、Na2 O(酸化ナトリウム)に代えて、イオン半径
の大きいK2 O(酸化カリウム),Rb2 O(酸化ルビ
ジウム),Cs2 Oなどのアルカリ金属酸化物やアルカ
リ土類金属酸化物の添加を提案している。
もアルカリ土類金属酸化物の添加を提案している。
サイクルに対する抵抗性の向上も求められるようになっ
てきた。熱サイクルに対する抵抗性とは、製品に対しゆ
っくりとした昇温および冷却の熱負荷を繰り返してかけ
た際の、製品内部の経時変化に対する抵抗性である。熱
サイクルに対する抵抗性の小さなものは、内部に化学変
化を生じ、それが容積変化を伴って亀裂を生じる。
公報では、P2 O5 の含有量を極端に制限することを提
案している。
物においては、作製時に割れのない耐火物を得ること
や、高い電気抵抗を有する耐火物を得ることや、熱サイ
クルに対する抵抗性に優れた耐火物を得ることを目的と
して数多くの改善提案がなされてきた。
コニア溶融耐火物は数々の技術的問題点を乗り越えて発
達したが、多様なガラス溶解炉に、大規模に用いられる
ようになって、新たに、かつ深刻な問題点がでてきた。
を使用したガラス溶解炉は、築炉後の昇温途中で高ジル
コニア溶融耐火物のコーナー部分が割れて飛んだり、炉
内面として使用された高ジルコニア溶融耐火物の表面の
一部が貝殻状となって剥がれたりする事故や、さらに重
大な例としては、ペービングタイルとして使用された高
ジルコニア溶融耐火物がほぼ全域にわたって爆発的に割
れて飛散する事故が起きている。
部が本体から分離する現象を総称して剥離と呼称する。
いせいか、使用方法の未熟さに起因するものとして全く
気付かれていなかった。
融耐火物の昇温時の破損事故は、注意深い観察によると
炉の設計が適切であり、また昇温速度も比較的ゆっくり
とした範囲、例えば1時間当たり5℃〜10℃である場
合にも起きていた。
の形状により差があるが、実用の炉では多様の形状の耐
火物を使用せざるを得なく、昇温速度を極端に遅くして
も全ての剥離現象を防止することはできなかった。
物の多くは昇温に耐えられず加熱面に剥離現象を起こし
た。一般にガラス溶解炉では稼働中に起こった耐火物の
事故は稼働中に補修することができない特徴を持つ。ま
た一回の稼働時間が数年に及ぶので昇温初期の事故は被
害が大きい。
の溶融耐火物、例えばAZS系耐火物、コランダム系耐
火物、α−βアルミナ系耐火物、ムライト系耐火物を使
用した場合には、そのような事故が起こらない。したが
って、前述の破損事故は、高ジルコニア溶融耐火物に特
有な現象であると考えられる。
された場合は、特に片面から加熱される場合が多いの
で、昇温による剥離現象が著しい。このような剥離によ
る破損が起きた部分では、製品の厚みが局部的に薄くな
る。深刻な場合は、厚みが最初の半分になり、設計時の
寿命を著しく短くする。同様に破損が耐火物の角部に生
じた場合は、隣り合う耐火物と作った目地部分に深い隙
間を生じる。この隙間に溶融ガラスが浸透し、そこで深
い侵食を起こすことによって炉全体の寿命を著しく短く
する。また、このような隙間は、ストーンやコードの発
生源となる。
は未だ発達途上にあり、次々と問題点を克服してきた
が、これらの改善点に加え、昇温時の剥離現象を克服し
ない限り大きな発展が望めないという問題に直面してい
る。
を克服し、ガラス溶解炉に適した高ジルコニア溶融耐火
物として、昇温時の熱膨張によって表面剥離を起こさな
い特徴、さらに高温で長時間、昇温、降温を繰り返して
も組織が安定な特徴(熱サイクルによる亀裂に対する抵
抗性が高いという特徴)、さらに高電気抵抗であるとい
う特徴を同時に備えた高ジルコニア溶融耐火物を提供す
ることである。
成分として、ZrO2 の含有量が85〜96重量%であ
り、SiO2 の含有量が3〜8重量%であり、Al2 O
3 の含有量が0.1〜2重量%であり、B2 O3 の含有
量が0.05〜3重量%であり、BaOとSrOとMg
Oの含有量が合わせて0.05〜3重量%であり、Na
2 Oの含有量が0.05重量%以上であり、かつNa2
OとK2 Oの含有量が合わせて0.05〜1重量%であ
り、P2 O5 の含有量が0.2重量%以下であり、Fe
2 O3 とTiO2 の含有量が合わせて0.3重量%以下
であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物を要旨
とする。
て、ZrO2 の含有量が90〜95重量%であり、Si
O2 の含有量が3〜5.5重量%であり、Al2 O3 の
含有量が0.1〜1.5重量%であり、B2 O3 の含有
量が0.05〜2重量%であり、BaOとSrOとMg
Oの含有量が合わせて0.05〜2重量%であり、Na
2 Oの含有量が0.05重量%以上であり、かつNa2
OとK2 Oの含有量が合わせて0.1〜0.6重量%で
あり、P2 O5 の含有量が0.1重量%以下であり、F
e2 O3 とTiO2 の含有量が合わせて0.3重量%以
下であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物を要
旨とする。
着目し、所定の範囲の大きさに制御された残留歪が表面
に残るように組成を改良した。同時に熱サイクルによる
亀裂の発生に対する抵抗性が大きいこと、および高電気
抵抗である特徴についても合わせ持つような新規な組成
に改良した。
融耐火物の表面に残留する残留応力は、80MPa以下
の引張応力または50MPa以下の圧縮応力であること
が好ましい。
ガラス相の膨張係数は30×10-7〜80×10-7/℃
であることが好ましい。
5〜0.55%であり、電気抵抗が150Ω・cm以上
であることが好ましい。
時、残留応力として圧縮応力が残る場合と、引張応力が
残る場合がある。
合、その一点に集中するような向きに力がかかる場合で
ある。逆に引張応力とは、その一点から外側へ発散する
ような向きに力がかかる場合をいう。
場合、それを一次圧縮応力とし、引張応力の場合、それ
を一次引張応力とする。また耐火物を炉壁に使用し、そ
の表面を加熱する時、表面に熱膨張のために、新たに圧
縮応力が発生する。この圧縮応力を二次圧縮応力とす
る。
えた場合、表面には一次圧縮応力または一次引張応力と
二次圧縮応力の合力が作用する。適当な範囲の大きさに
制御された一次圧縮応力と二次圧縮応力の合力は耐火物
を破壊することはない。
合力は、耐火物の破壊に対する抵抗力を上回り破壊が起
きる。このような破壊は外観上、耐火物の表面に垂直な
浅い亀裂が発生する以外に、内部に表面に平行な平面状
の亀裂が発生し最終的に剥離に至る。また、耐火物の角
が欠ける場合は、やはり耐火物の内部に面状の亀裂が発
生する。
じなかった耐火物を対象としているが、一方、製作時、
耐火物に過度の大きさの残留応力が発生する場合は、既
にその時点で破損が生じ、製品とはならない。
生する場合は、耐火物の表面から内部に向かって垂直な
亀裂が発生する。反対に過度に大きな圧縮応力が発生す
る場合は製品の表面から2〜4cmの層が外側へ膨張す
るように膨れ、内部の部分との境界面に幅の広い亀裂が
発生する。
ば、その特徴の1部として、残留応力が適当な範囲にあ
るので製作時に亀裂や角欠けを発生することがない。ま
た、この応力範囲が一次圧縮応力の場合、その大きさが
0〜50MPaに制御された範囲にあり、加熱を受けた
時、剥離を起こすことがない。また、一次引張応力の場
合は0〜80MPaに制御された範囲にあるので、同様
に加熱を受けた時に剥離現象を起こすことがない。
る。ZrO2 の含有量は、85〜96重量%、好ましく
は90〜95重量%である。ZrO2 が96重量%より
多い場合は、製作の際に亀裂を起こし、85重量%より
少ない場合は、使用の際に溶融ガラスに対する耐食性が
劣る。
しくは3〜5.5重量%である。SiO2 はガラス相を
形成するための必須成分である。3重量%より少ない場
合は、ガラス相を形成することができない。8重量%よ
り多い場合は、溶融ガラスに対する耐食性が劣る。
%、好ましくは0.1〜1.5重量%である。Al2 O
3 は一次引張応力を小さくする働きがある。言い換えれ
ば一次圧縮応力を大きくする働きがある。しかも溶融物
の流れを良くする性質がある。0.1重量%より少ない
場合は、十分に残留応力を小さくすることができない。
2重量%より多い場合は、過度に大きな一次圧縮応力と
なり、しかも安定したガラス相を形成できないので、製
作時に亀裂が発生する。
ア溶融耐火物の成分の中には添加すると一次引張応力を
小さくする成分が含まれている。また、これらとは別
に、添加すると一次圧縮応力を小さくする成分も含まれ
ている。一次引張応力を小さくする成分を少しずつ耐火
物に添加していくと、一次引張応力は徐々に小さくな
り、やがて0となる。さらに添加すると一次圧縮応力に
転ずる。逆に一次圧縮応力を小さくする成分を徐々に添
加すると一次圧縮応力から一次引張応力に転ずる作用を
持つ。
%、好ましくは0.05〜2重量%である。B2 O3 は
ガラス相、特に硼珪酸ガラスを形成するために必須の成
分である。0.05重量%より少ない場合は、安定した
ガラス相ができないので製作時に亀裂が発生する。3重
量%より多い場合は、残留応力として一次引張応力を過
度に大きくし、製作時に亀裂が発生する。同様に、過度
に添加する時の弊害として、高ジルコニア溶融耐火物に
吸湿性を持たせ、それによりH3 BO4 を形成し風化を
生じて耐火物組織に悪い影響を与えるという現象を生じ
る。
トロンチウム),MgOの含有量は、合計で0.05〜
3重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。これ
らのアルカリ土類酸化物はガラス相を安定化する働きが
ある。0.05重量%より少ない場合は、安定なガラス
相を形成できない。また、これらは高温で揮発量が少な
いという特徴を持つ。このため、溶解時の正確な成分調
整が容易であったり、高温で使用時も、ガラス相から揮
発することがないので、いつまでもガラス相を安定に保
つことができる。それゆえ、ジルコンなどの結晶を生成
することがなく、熱サイクルに対して強い抵抗性を持
つ。
必須成分であるが、合計の含有量が3重量%より多い場
合は、残留応力として一次引張応力を過度に大きくする
働きがあり、製作時に亀裂を発生させる。
も1種類を含有すれば良いが、2種類以上の任意のもの
を組み合わせて含有しても良い。しかし、それぞれの性
質やガラス相の中での安定性を考慮すると、少なくとも
BaOを含有させることが好ましい。つまり、1種類を
使用する場合は、BaOを優先的に含有させ、2種類以
上を含有する場合は、BaOとSrO、あるいはBaO
とMgO、あるいはBaOとSrOとMgOを組み合わ
せて含有させると効果的である。また、MgOに代えて
ZnOを使用することもできる。ZnOはガラス相の膨
張係数を制御するのに有効であるが、1重量%を越えて
含有すると、ZnO・Al2 O3 の結晶を形成して、ガ
ラス相を失透させて亀裂を生じる。
ガラス、例えばフォトマスク、ブラウン管ガラス、液晶
用ガラスなどに含まれている場合が多い。したがって、
電子用ガラスの溶解炉に本発明の耐火物を使用した場
合、溶融ガラスと耐火物のガラス相の両方に同じ成分が
含まれることから、イオンの拡散が起こりにくく、耐火
物の侵食が遅くなるという利点を持つ。
より好ましくは0.1重量%以下である。
きがあり、さらにガラス相を軟らかくするため、製作時
に割れがない耐火物を作るためには有効である。しか
し、B2 O3 と同時に多量に添加すると低融点ガラスを
形成し化学的な耐久性を極端に低下させる性質がある。
こういった理由から0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下が良い。
が吸湿性を帯び易く、その結果緻密な耐火物を作りにく
い。さらに熱サイクルに対する抵抗性を低下させる性質
がある。
ルコニア溶融耐火物がP2 O5 を含有すると耐火物の熱
サイクルに対する抵抗が低下するとしているが、本発明
のようにB2 O3 やBaOやMgOを同時に添加する場
合、0.2重量%を越えなければ、熱サイクルに対する
抵抗が低下しない効果がある。その理由は、ガラス相の
中でP2 O5 がB2 O3 やBaOやMgOと同時に存在
すると、P2 O5 が揮発しにくくなって成分が変化しな
いためと推定される。
であり、かつNa2 OとK2 Oを合わせた含有量が、
0.05〜1重量%、好ましくは0.05〜0.6重量
%である。これらのアルカリ金属酸化物は、B2 O3 と
同様に極めて安定な硼珪酸ガラスを形成するとともに残
留応力として一次引張応力を小さくする働きがある。し
かし、Na2 OとK2 Oの合量が1重量%より多い場合
は、過度に一次圧縮応力を大きくし、その結果、熱サイ
クルに対する抵抗性を低下させる。
前述のAl2 O3 がある。しかし、その含有量には制限
がある。それゆえ、Na2 OとK2 Oを添加せずにAl
2 O3 だけを含有せしめる場合は、B2 O3 やアルカリ
土類金属酸化物で発生する一次引張応力を十分に小さく
できない。Na2 OやK2 Oの利用は、この点からも重
要である。ただしNa2 Oを含有せずにK2 Oだけを含
有する場合は、一次引張応力を小さくすることができな
い。
に、一次引張応力を小さくするためにNa2 OとK2 O
の適切な合計量が必要とされるが、高電気抵抗の耐火物
を作るためには、それぞれについて、適当な範囲の含有
量が重要である。
a2 Oの含有量とK2 Oの含有量をそれぞれについて、
0.05〜0.95重量%の範囲内にすることが好まし
い。最も効果の大きいのは、Na2 OとK2 Oを等モル
比で含有することである。
炉に使用する耐火物の電気抵抗は操業温度、例えば15
00℃で120Ω以上が好ましいといわれている。本発
明においてNa2 OとK2 Oの含有量を合計で0.05
〜1.0の範囲にするとこの条件を満たすことができ
る。さらにNa2 OとK2 Oの合計含有量を0.05〜
1.0の範囲にする場合、1500℃で150Ω以上の
高電気抵抗を得ることができる。
純物として混入する。しかしこれらの成分は製作時の亀
裂の発生に影響すること、これらを含んだ耐火物はガラ
スを汚染することなどの理由から含有量は合わせて0.
3重量%を越えてはならない。また、これらの成分は圧
縮応力を増加する作用を持つので、こういった見地から
も0.3%以下に制御されなくてはならない。
残留応力が得られ、その結果、加熱時に剥離現象を起こ
さない。この適当な範囲は80MPa以下の一次引張応
力、または50MPa以下の一次圧縮応力であり、より
好ましくは、60MPa以下の一次引張応力、または3
0MPa以下の一次圧縮応力である。
物の膨張係数について説明する。高ジルコニア溶融耐火
物全体の膨張係数はガラス相と結晶相の膨張係数に影響
される。これらのうち結晶相はジルコニアだけであり量
もほぼ一定であるので、この部分が全体の膨張係数に及
ぼす影響は一定である。そのためガラス相の膨張係数の
変動が耐火物全体の膨張係数の変動として現れる。一
方、膨張係数の大きさが最終的に耐火物の表面の残留応
力の大きさを決める関係にある。それゆえ、耐火物の組
成、膨張係数、表面の残留応力は互いにある関係にある
といえる。しかしこの関係を数式で表現することは困難
である。
得るためのガラス相の膨張係数を次のように規定する。
すなわち、ガラス相の膨張係数は30×10-7〜80×
10-7/℃の範囲が好ましく、より好ましくは40×1
0-7〜70×10-7/℃の範囲である。これによって、
諸特性、特に0.2℃/分程度の早い昇温速度でも剥離
現象を起こさない優れた高ジルコニア溶融耐火物を作る
ことができる。
ア溶融耐火物に含まれる化学成分とそれらの含有量を示
す。
重量%未満の含有量を示し、実質的に含まないことを意
味する。また、「≦0.3」は、0.3重量%以下の含
有量を示す。また、Fe2 O3 とTiO2 については、
それらの合計の含有量を示す。
のようにして製造された。
得られた人工ジルコニアを用意し、この人工ジルコニア
に、Al2 O3 ,SiO2 ,B2 O3 ,Na2 O,K2
O,BaO,SrO,MgOなどを粉末原料として各実
施例の所定の割合で加え、これらを混合した後、アーク
電気炉で溶融し、用意した鋳型に鋳造しバイヤーアルミ
ナの粉末中に埋没して室温になるまで徐冷した。このよ
うにして表1の化学成分を有する各実施例の高ジルコニ
ア溶融耐火物を製造した。
内寸法が100×150×350mmで、その上部に内
寸法140×235×200mmの押し湯部分を一体に
接続したものである。
って押し湯部分から切り離して試験に使用した。そし
て、このような製品を各組成について複数個ずつ製作し
た。得られた試験耐火物はいずれも外観上亀裂もなく、
また切断面にも引け巣が観察されなかった。
験、熱サイクル試験、残留応力測定、熱膨張率測定を行
った。
用耐火物を、そのままの状態で試験片として利用し、用
意した電気炉の上に150×350mmの面を上にして
3個を隙間のないように並列にならべ、それらの周囲を
断熱材で囲った。なお、この電気炉の炉床は耐火断熱煉
瓦で構成されていた。次に試験片の上方に抵抗発熱体が
位置するように設けた炉蓋をかぶせ、150×350m
mの面を加熱した。このようにして、一回に3個ずつの
試験片を試験した。
常温から1000℃まで昇温する速度を0.1℃/分の
場合と0.2℃/分の場合の2種類に設定した。この時
の試験片の加熱面の破損の有無、つまり片面加熱時の破
損の有無を観察した。その結果を表2に示す。表2にお
いて、記号「◎」は全く亀裂も剥離も発生しなかったこ
とを示す。記号「○」は、少し表面に亀裂が発生したが
剥離しなかったことを示す。記号「×」は剥離が発生し
たことを示す。
験片にして150×350mmの表面における6箇所の
測定点の残留応力について、歪ゲージを使った穿孔法に
よって測定した。
対策」(米谷茂著、養賢堂発行)に記載のSOETE,
VANCROMBURGGE法に基づいている。まず、
試験片の150×350mmの1面を約1mm深さまで
研磨した。研磨した面を観察し、歪ゲージを接着するの
に支障となるような気孔にエポキシ樹脂を充填して、平
滑な面とした。
3枚の歪ゲージ(共和電業製ストレインゲージKFC−
5−C1−11)をエポキシ樹脂で張り付けた。歪ゲー
ジは長方形であり、この長手方向の中心線が互いに45
度の角度となるように張り付けた。そして、この中心線
が交わる位置に、直径25mmの貫通する孔を開けた。
孔を開けた後、測定機(ミネベア株式会社製デジタル多
点静ひずみ測定機DPU−100B)によって歪ゲージ
の歪を読み取った。この歪の測定値から計算式を用い
て、残留応力を算出した。
が圧縮応力の場合は、その得られた測定値のうち絶対値
の最大値に記号「+」をつけて示し、引張応力の場合
は、その絶対値の最大値に記号「−」を付けて示す。
定した。まず分析機器であるEPMAによって試験耐火
物のガラス相の化学成分を分析した。EPMAは電子線
を試料に照射して、そこから発生する固有X線を分光
し、微小部分の化学組成を求める装置である。得られた
分析値をもとにして、分析したガラス相の化学成分と全
く同じ化学成分となるように試薬を配合し、次いでこの
配合物を白金ルツボ中で加熱溶融し、徐冷してガラス状
固化物を得た。このようにして得たガラス状固化物を測
定に適した形に加工して膨張係数を測定した。測定方法
は、JIS R3102(ガラスの平均線膨張径数の試
験方法)を使用した。その結果を表1に示す。
うにして行った。まず、試験耐火物から30×40×4
0mmの大きさの試験片を切り出した。次に、電気炉中
で1250℃に60分間保持した後、800℃に60分
間保持した。これを1回として20回繰り返した。そし
て、各試料について亀裂の有無を観察した。その結果を
表2に示す。表2において記号「◎」は亀裂が発生しな
かったことを示し、記号「×」は亀裂が発生したことを
示す。
℃における電気抵抗を測定した。その結果を表1に示
す。
14の組成を示す。各比較例について実施例と同じ手順
で試験耐火物を作り、同様の試験を行った。比較例1〜
2は特開昭56−129675の組成に相当し、比較例
3〜5は特開平3−28175の組成に相当し、比較例
6,7は特開昭63−285173の組成に相当し、比
較例8〜11は特開平4−193766の組成に相当
し、比較例12〜14は特開昭62−59576の組成
に相当する。
力が圧縮応力の場合、いずれも50MPa以下であり、
また残留応力が引張応力の場合、いずれも80MPa以
下であった。
×10-7/℃〜80×10-7/℃範囲内であった。
に小さな範囲の残留応力を示すので、片面加熱試験で
0.1℃/分の昇温速度で加熱を受けて膨張しても耐火
物を破壊する程度の圧縮応力には到達しないので全く剥
離現象を起こすこともなかった。
2,14〜16,18,20,21は残留応力が30M
Pa以下の圧縮応力または50MPa以下の引張応力を
示し、0.2℃/分の非常に早い昇温速度でも全く剥離
現象を起こさなかった。
例2〜4,8,9,13,17,19は表面に少し亀裂
が発生したが剥離には至らなかった。この程度はガラス
溶解炉で十分使用することができる。したがって本発明
の権利範囲である。
でも亀裂を起こさなかった。特に実施例7,14はP2
O5 を0.1%含有し、同様に実施例13は0.2%含
有しているがどちらも熱サイクルによる亀裂の発生はな
かった。
ると熱サイクルにより亀裂を発生するとされていたが、
本発明の組成ではBaO,SrO,MgOなどのアルカ
リ土類金属酸化物がガラス相に入るためP2 O5 の弊害
がなくなった。
00℃の電気抵抗はいずれも120Ω・cm以上と非常
に高い値を示した。特に実施例1,3,5〜6,8〜1
3,16,18,21はNa2 OとK2 Oの合計が0.
1〜0.5の範囲にあり、他の諸特性を全て同時に満た
しながら150Ω・cm以上の高電気抵抗を示した。
6,18,20,21はガラス相の膨張係数が40×1
0-7/℃〜70×10-7/℃の範囲であり、0.2℃/
分の非常に早い昇温速度でも全く剥離を起こさなかっ
た。
特性の全てを同時に満たしているわけではなかった。
クル試験では亀裂を発生しなかったが、片面加熱試験で
剥離現象を起こした。また比較例1〜2,6,7は熱サ
イクル試験および、片面加熱試験の両方で剥離と亀裂を
起こした。また12〜14は片面加熱試験では問題なか
ったが熱サイクル試験で亀裂を発生した。
のではない。例えば、高ジルコニア溶融耐火物の表面を
研磨したり、切断したりしたものも権利範囲に含む。一
般にこのような加工によって表面の残留応力は幾分減少
する傾向にある。
の場合、製作時に亀裂が発生しない高ジルコニア溶融耐
火物が得られることは勿論であるが、片面加熱時に剥離
現象が発生しないこと、熱サイクル時に亀裂が発生しな
いこと、高電気抵抗であることなどの高ジルコニア溶融
耐火物に求められる特性を全て同時に満たすことができ
る。
だ原料を使用しても熱サイクルで亀裂を起こすことがな
い。したがって原料が安価であるという利点を有する。
ジルコニア溶融耐火物に関し、特に昇温時の熱膨張によ
って表面剥離を起こさない特徴、さらに高温までの昇温
と降温が繰り返される条件下で長時間加熱されても亀裂
を発生しない特徴、さらに高電気抵抗であるという特徴
を同時に備えた高ジルコニア溶融耐火物に関する。
りZrO2(ジルコニア、あるいは酸化ジルコニウム)
を多量に含む溶融耐火物が多用されている。この理由
は、ZrO2(ジルコニア)が溶融ガラスに対して特に
耐食性の大きい金属酸化物だからである。例えば、この
ような溶融耐火物として、ZrO2を34〜41重量%
含むAl2O3−ZrO2−SiO2質溶融耐火物(以
下、AZS系耐火物という)や、ZrO2を80重量%
以上含む高ジルコニア溶融耐火物などが使用されてい
る。
O2(ジルコニア)の含有量が高いこと、組織が緻密で
あるということから、あらゆる種類の溶融ガラスに対し
て大きな耐食性を持っている。さらに、溶融ガラスと界
面に反応層を作らないという性質を持つので、ガラス中
にストーンやコードを発生させることがないという特徴
を持つ。こういった理由で高品質のガラスを製造するの
に特に適している。
の大部分を占める単斜晶系ジルコニア結晶と、これを取
り巻く少量のガラス相にある。一般に、溶融耐火物は高
温で溶融状態の組成物を鋳型に流し込んでゆっくり室温
まで冷却する方法によって作られる。ジルコニア結晶
は、1150℃付近で急激な体積変化を伴って単斜晶系
と正方晶系の可逆的な変態を起こすことが良く知られて
いる。
ア溶融耐火物を得るためには、この変態に伴う体積変化
をいかにしてガラス相に吸収させるかが大きな課題であ
る。
ろとガラス相の改善について提案がされている。一般に
高ジルコニア溶融耐火物はZrO2とAl2O3とSi
O2を主原料とし、その他に少量の副原料を使用する。
2の全ては副原料と溶け合ってガラス相の大部分を形成
する。またZrO2の少量もこのガラス相に溶け込んで
いる。したがって副原料はAl2O3とSiO2とガラ
ス相を形成し易い成分が選ばれる。このような副原料の
代表的な成分はNa2Oである。
従来よりガラス相を改善するために副原料の種類と、そ
の添加量を調整することが行われる。
では、SiO2(シリカ、あるいは二酸化珪素ともい
う)を1〜4重量%、SiO2の含有量に対するAl2
O3(アルミナ、あるいは酸化アルミニウムともいう)
の含有量の比(Al2O3/SiO2)を0.5〜1.
0とし、CaO(酸化カルシウム)とMgO(酸化マグ
ネシウム)を僅かに添加した組成を提案している。
報では、P2O5(五酸化二リン)を添加しガラス相を
軟らかくする技術を提案している。
ス相の改善であるが、最近、電気溶融炉に対応できるよ
うな、高電気抵抗を持った高ジルコニア溶融耐火物も求
められるようになってきた。
62−59576号公報では、導電性の良いアルカリ金
属酸化物の含有量を減少させ、代わりにP2O5とB2
O3(三酸化二ホウ素)の添加を提案している。
は、Na2O(酸化ナトリウム)に代えて、イオン半径
の大きいK2O(酸化カリウム),Rb2O(酸化ルビ
ジウム),Cs2Oなどのアルカリ金属酸化物やアルカ
リ土類金属酸化物の添加を提案している。
もアルカリ土類金属酸化物の添加を提案している。
サイクルに対する抵抗性の向上も求められるようになっ
てきた。熱サイクルに対する抵抗性とは、製品に対しゆ
っくりとした昇温および冷却の熱負荷を繰り返してかけ
た際の、製品内部の経時変化に対する抵抗性である。熱
サイクルに対する抵抗性の小さなものは、内部に化学変
化を生じ、それが容積変化を伴って亀裂を生じる。
公報では、P2O5の含有量を極端に制限することを提
案している。
物においては、作製時に割れのない耐火物を得ること
や、高い電気抵抗を有する耐火物を得ることや、熱サイ
クルに対する抵抗性に優れた耐火物を得ることを目的と
して数多くの改善提案がなされてきた。
コニア溶融耐火物は数々の技術的問題点を乗り越えて発
達したが、多様なガラス溶解炉に、大規模に用いられる
ようになって、新たに、かつ深刻な問題点がでてきた。
を使用したガラス溶解炉は、築炉後の昇温途中で高ジル
コニア溶融耐火物のコーナー部分が割れて飛んだり、炉
内面として使用された高ジルコニア溶融耐火物の表面の
一部が貝殻状となって剥がれたりする事故や、さらに重
大な例としては、ペービングタイルとして使用された高
ジルコニア溶融耐火物がほぼ全域にわたって爆発的に割
れて飛散する事故が起きている。
部が本体から分離する現象を総称して剥離と呼称する。
いせいか、使用方法の未熟さに起因するものとして全く
気付かれていなかった。
融耐火物の昇温時の破損事故は、注意深い観察によると
炉の設計が適切であり、また昇温速度も比較的ゆっくり
とした範囲、例えば1時間当たり5℃〜10℃である場
合にも起きていた。
の形状により差があるが、実用の炉では多様の形状の耐
火物を使用せざるを得なく、昇温速度を極端に遅くして
も全ての剥離現象を防止することはできなかった。
物の多くは昇温に耐えられず加熱面に剥離現象を起こし
た。一般にガラス溶解炉では稼働中に起こった耐火物の
事故は稼働中に補修することができない特徴を持つ。ま
た一回の稼働時間が数年に及ぶので昇温初期の事故は被
害が大きい。
の溶融耐火物、例えばAZS系耐火物、コランダム系耐
火物、α−βアルミナ系耐火物、ムライト系耐火物を使
用した場合には、そのような事故が起こらない。したが
って、前述の破損事故は、高ジルコニア溶融耐火物に特
有な現象であると考えられる。
された場合は、特に片面から加熱される場合が多いの
で、昇温による剥離現象が著しい。このような剥離によ
る破損が起きた部分では、製品の厚みが局部的に薄くな
る。深刻な場合は、厚みが最初の半分になり、設計時の
寿命を著しく短くする。同様に破損が耐火物の角部に生
じた場合は、隣り合う耐火物と作った目地部分に深い隙
間を生じる。この隙間に溶融ガラスが浸透し、そこで深
い侵食を起こすことによって炉全体の寿命を著しく短く
する。また、このような隙間は、ストーンやコードの発
生源となる。
は未だ発達途上にあり、次々と問題点を克服してきた
が、これらの改善点に加え、昇温時の剥離現象を克服し
ない限り大きな発展が望めないという問題に直面してい
る。
を克服し、ガラス溶解炉に適した高ジルコニア溶融耐火
物として、昇温時の熱膨張によって表面剥離を起こさな
い特徴、さらに高温で長時間、昇温、降温を繰り返して
も組織が安定な特徴(熱サイクルによる亀裂に対する抵
抗性が高いという特徴)、さらに高電気抵抗であるとい
う特徴を同時に備えた高ジルコニア溶融耐火物を提供す
ることである。
成分として、ZrO2の含有量が85〜96重量%であ
り、SiO2の含有量が3〜8重量%であり、Al2O
3の含有量が0.1〜2重量%であり、B2O3の含有
量が0.05〜3重量%であり、BaOとSrOとMg
Oの含有量が合わせて0.05〜3重量%であり、Na
2Oの含有量が0.05重量%以上であり、かつNa2
OとK2Oの含有量が合わせて0.05〜1重量%であ
り、P2O5の含有量が0.2重量%以下であり、Fe
2O3とTiO2の含有量が合わせて0.3重量%以下
であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物を要旨
とする。
て、ZrO2の含有量が90〜95重量%であり、Si
O2の含有量が3〜5.5重量%であり、Al2O3の
含有量が0.1〜1.5重量%であり、B2O3の含有
量が0.05〜2重量%であり、BaOとSrOとMg
Oの含有量が合わせて0.05〜2重量%であり、Na
2Oの含有量が0.05重量%以上であり、かつNa2
OとK2Oの含有量が合わせて0.1〜0.6重量%で
あり、P2O5の含有量が0.1重量%以下であり、F
e2O3とTiO2の含有量が合わせて0.3重量%以
下であることを特徴とする高ジルコニア溶融耐火物を要
旨とする。
着目し、所定の範囲の大きさに制御された残留歪が表面
に残るように組成を改良した。同時に熱サイクルによる
亀裂の発生に対する抵抗性が大きいこと、および高電気
抵抗である特徴についても合わせ持つような新規な組成
に改良した。
融耐火物の表面に残留する残留応力は、80MPa以下
の引張応力または50MPa以下の圧縮応力であること
が好ましい。
ガラス相の膨張係数は30×10−7〜80×10−7
/℃であることが好ましい。
5〜0.55%であり、電気抵抗が150Ω・cm以上
であることが好ましい。
時、残留応力として圧縮応力が残る場合と、引張応力が
残る場合がある。
合、その一点に集中するような向きに力がかかる場合で
ある。逆に引張応力とは、その一点から外側へ発散する
ような向きに力がかかる場合をいう。
場合、それを一次圧縮応力とし、引張応力の場合、それ
を一次引張応力とする。また耐火物を炉壁に使用し、そ
の表面を加熱する時、表面に熱膨張のために、新たに圧
縮応力が発生する。この圧縮応力を二次圧縮応力とす
る。
えた場合、表面には一次圧縮応力または一次引張応力と
二次圧縮応力の合力が作用する。適当な範囲の大きさに
制御された一次圧縮応力と二次圧縮応力の合力は耐火物
を破壊することはない。
合力は、耐火物の破壊に対する抵抗力を上回り破壊が起
きる。このような破壊は外観上、耐火物の表面に垂直な
浅い亀裂が発生する以外に、内部に表面に平行な平面状
の亀裂が発生し最終的に剥離に至る。また、耐火物の角
が欠ける場合は、やはり耐火物の内部に面状の亀裂が発
生する。
じなかった耐火物を対象としているが、一方、製作時、
耐火物に過度の大きさの残留応力が発生する場合は、既
にその時点で破損が生じ、製品とはならない。
生する場合は、耐火物の表面から内部に向かって垂直な
亀裂が発生する。反対に過度に大きな圧縮応力が発生す
る場合は製品の表面から2〜4cmの層が外側へ膨張す
るように膨れ、内部の部分との境界面に幅の広い亀裂が
発生する。
ば、その特徴の1部として、残留応力が適当な範囲にあ
るので製作時に亀裂や角欠けを発生することがない。ま
た、この応力範囲が一次圧縮応力の場合、その大きさが
0〜50MPaに制御された範囲にあり、加熱を受けた
時、剥離を起こすことがない。また、一次引張応力の場
合は0〜80MPaに制御された範囲にあるので、同様
に加熱を受けた時に剥離現象を起こすことがない。
る。ZrO2の含有量は、85〜96重量%、好ましく
は90〜95重量%である。ZrO2が96重量%より
多い場合は、製作の際に亀裂を起こし、85重量%より
少ない場合は、使用の際に溶融ガラスに対する耐食性が
劣る。
しくは3〜5.5重量%である。SiO2はガラス相を
形成するための必須成分である。3重量%より少ない場
合は、ガラス相を形成することができない。8重量%よ
り多い場合は、溶融ガラスに対する耐食性が劣る。
%、好ましくは0.1〜1.5重量%である。Al2O
3は一次引張応力を小さくする働きがある。言い換えれ
ば一次圧縮応力を大きくする働きがある。しかも溶融物
の流れを良くする性質がある。0.1重量%より少ない
場合は、十分に残留応力を小さくすることができない。
2重量%より多い場合は、過度に大きな一次圧縮応力と
なり、しかも安定したガラス相を形成できないので、製
作時に亀裂が発生する。
ア溶融耐火物の成分の中には添加すると一次引張応力を
小さくする成分が含まれている。また、これらとは別
に、添加すると一次圧縮応力を小さくする成分も含まれ
ている。一次引張応力を小さくする成分を少しずつ耐火
物に添加していくと、一次引張応力は徐々に小さくな
り、やがて0となる。さらに添加すると一次圧縮応力に
転ずる。逆に一次圧縮応力を小さくする成分を徐々に添
加すると一次圧縮応力から一次引張応力に転ずる作用を
持つ。
%、好ましくは0.05〜2重量%である。B2O3は
ガラス相、特に硼珪酸ガラスを形成するために必須の成
分である。0.05重量%より少ない場合は、安定した
ガラス相ができないので製作時に亀裂が発生する。3重
量%より多い場合は、残留応力として一次引張応力を過
度に大きくし、製作時に亀裂が発生する。同様に、過度
に添加する時の弊害として、高ジルコニア溶融耐火物に
吸湿性を持たせ、それによりH3BO4を形成し風化を
生じて耐火物組織に悪い影響を与えるという現象を生じ
る。
トロンチウム),MgOの含有量は、合計で0.05〜
3重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。これ
らのアルカリ土類酸化物はガラス相を安定化する働きが
ある。0.05重量%より少ない場合は、安定なガラス
相を形成できない。また、これらは高温で揮発量が少な
いという特徴を持つ。このため、溶解時の正確な成分調
整が容易であったり、高温で使用時も、ガラス相から揮
発することがないので、いつまでもガラス相を安定に保
つことができる。それゆえ、ジルコンなどの結晶を生成
することがなく、熱サイクルに対して強い抵抗性を持
つ。
必須成分であるが、合計の含有量が3重量%より多い場
合は、残留応力として一次引張応力を過度に大きくする
働きがあり、製作時に亀裂を発生させる。
も1種類を含有すれば良いが、2種類以上の任意のもの
を組み合わせて含有しても良い。しかし、それぞれの性
質やガラス相の中での安定性を考慮すると、少なくとも
BaOを含有させることが好ましい。つまり、1種類を
使用する場合は、BaOを優先的に含有させ、2種類以
上を含有する場合は、BaOとSrO、あるいはBaO
とMgO、あるいはBaOとSrOとMgOを組み合わ
せて含有させると効果的である。また、MgOに代えて
ZnOを使用することもできる。ZnOはガラス相の膨
張係数を制御するのに有効であるが、1重量%を越えて
含有すると、ZnO・Al2O3の結晶を形成して、ガ
ラス相を失透させて亀裂を生じる。
ガラス、例えばフォトマスク、ブラウン管ガラス、液晶
用ガラスなどに含まれている場合が多い。したがって、
電子用ガラスの溶解炉に本発明の耐火物を使用した場
合、溶融ガラスと耐火物のガラス相の両方に同じ成分が
含まれることから、イオンの拡散が起こりにくく、耐火
物の侵食が遅くなるという利点を持つ。
より好ましくは0.1重量%以下である。
きがあり、さらにガラス相を軟らかくするため、製作時
に割れがない耐火物を作るためには有効である。しか
し、B2O3と同時に多量に添加すると低融点ガラスを
形成し化学的な耐久性を極端に低下させる性質がある。
こういった理由から0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下が良い。
が吸湿性を帯び易く、その結果緻密な耐火物を作りにく
い。さらに熱サイクルに対する抵抗性を低下させる性質
がある。
ルコニア溶融耐火物がP2O5を含有すると耐火物の熱
サイクルに対する抵抗が低下するとしているが、本発明
のようにB2O3、BaO、SrO、MgOを同時に添
加する場合、0.2重量%を越えなければ、熱サイクル
に対する抵抗が低下しない効果がある。その理由は、ガ
ラス相の中でP2O5がB2O3、BaO、SrO、M
gOと同時に存在すると、P2O5が揮発しにくくなっ
て成分が変化しないためと推定される。
であり、かつNa2OとK2Oを合わせた含有量が、
0.05〜1重量%、好ましくは0.05〜0.6重量
%である。これらのアルカリ金属酸化物は、B2O3と
同様に極めて安定な硼珪酸ガラスを形成するとともに残
留応力として一次引張応力を小さくする働きがある。し
かし、Na2OとK2Oの合量が1重量%より多い場合
は、過度に一次圧縮応力を大きくし、その結果、熱サイ
クルに対する抵抗性を低下させる。
前述のAl2O3がある。しかし、その含有量には制限
がある。それゆえ、Na2OとK2Oを添加せずにAl
2O3だけを含有せしめる場合は、B2O3やアルカリ
土類金属酸化物で発生する一次引張応力を十分に小さく
できない。Na2OやK2Oの利用は、この点からも重
要である。ただしNa2Oを含有せずにK2Oだけを含
有する場合は、一次引張応力を小さくすることができな
い。
に、一次引張応力を小さくするためにNa2OとK2O
の適切な合計量が必要とされるが、高電気抵抗の耐火物
を作るためには、それぞれについて、適当な範囲の含有
量が重要である。
a2Oの含有量とK2Oの含有量をそれぞれについて、
0.05〜0.95重量%の範囲内にすることが好まし
い。最も効果の大きいのは、Na2OとK2Oを等モル
比で含有することである。
炉に使用する耐火物の電気抵抗は操業温度、例えば15
00℃で120Ω以上が好ましいといわれている。本発
明においてNa2OとK2Oの含有量を合計で0.05
〜1.0の範囲にするとこの条件を満たすことができ
る。さらにNa2OとK2Oの合計含有量を0.05〜
1.0の範囲にする場合、1500℃で150Ω以上の
高電気抵抗を得ることができる。
純物として混入する。しかしこれらの成分は製作時の亀
裂の発生に影響すること、これらを含んだ耐火物はガラ
スを汚染することなどの理由から含有量は合わせて0.
3重量%を越えてはならない。また、これらの成分は圧
縮応力を増加する作用を持つので、こういった見地から
も0.3%以下に制御されなくてはならない。
残留応力が得られ、その結果、加熱時に剥離現象を起こ
さない。この適当な範囲は80MPa以下の一次引張応
力、または50MPa以下の一次圧縮応力であり、より
好ましくは、60MPa以下の一次引張応力、または3
0MPa以下の一次圧縮応力である。
物の膨張係数について説明する。高ジルコニア溶融耐火
物全体の膨張係数はガラス相と結晶相の膨張係数に影響
される。これらのうち結晶相はジルコニアだけであり量
もほぼ一定であるので、この部分が全体の膨張係数に及
ぼす影響は一定である。そのためガラス相の膨張係数の
変動が耐火物全体の膨張係数の変動として現れる。一
方、膨張係数の大きさが最終的に耐火物の表面の残留応
力の大きさを決める関係にある。それゆえ、耐火物の組
成、膨張係数、表面の残留応力は互いにある関係にある
といえる。しかしこの関係を数式で表現することは困難
である。
得るためのガラス相の膨張係数を次のように規定する。
すなわち、ガラス相の膨張係数は30×10−7〜80
×10−7/℃の範囲が好ましく、より好ましくは40
×10−7〜70×10−7/℃の範囲である。これに
よって、諸特性、特に0.2℃/分程度の早い昇温速度
でも剥離現象を起こさない優れた高ジルコニア溶融耐火
物を作ることができる。
ア溶融耐火物に含まれる化学成分とそれらの含有量を示
す。
05重量%未満の含有量を示し、実質的に含まないこと
を意味する。また、「≦0.3」は、0.3重量%以下
の含有量を示す。また、Fe2O3とTiO2について
は、それらの合計の含有量を示す。
のようにして製浩された。
得られた人工ジルコニアを用意し、この人工ジルコニア
に、Al2O3,SiO2,B2O3,Na2O,K2
O,BaO,SrO,MgOなどを粉末原料として各実
施例の所定の割合で加え、これらを混合した後、アーク
電気炉で溶融し、用意した鋳型に鋳造しバイヤーアルミ
ナの粉末中に埋没して室温になるまで徐冷した。このよ
うにして表1〜3の化学成分を有する各実施例の高ジル
コニア溶融耐火物を製造した。
内寸法が100×150×350mmで、その上部に内
寸法140×235×200mmの押し湯部分を一体に
接続したものである。
って押し湯部分から切り離して試験に使用した。そし
て、このような製品を各組成について複数個ずつ製作し
た。得られた試験耐火物はいずれも外観上亀裂もなく、
また切断面にも引け巣が観察されなかった。
験、熱サイクル試験、残留応力測定、熱膨張率測定を行
った。
用耐火物を、そのままの状態で試験片として利用し、用
意した電気炉の炉床の上に150×350mmの面を上
にして3個を隙間のないように並列にならべ、それらの
周囲を断熱材で囲った。なお、この電気炉の炉床は耐火
断熱煉瓦で構成されていた。次に試験片の上方に抵抗発
熱体が位置するように設けた炉蓋をかぶせ、150×3
50mmの面を加熱した。このようにして、一回に3個
ずつの試験片を試験した。
常温から1000℃まで昇温する速度を0.1℃/分の
場合と0.2℃/分の場合の2種類に設定した。この時
の試験片の加熱面の破損の有無、つまり片面加熱時の破
損の有無を観察した。その結果を表1〜3に示す。表1
〜3において、記号「◎」は全く亀裂も剥離も発生しな
かったことを示す。記号「○」は、少し表面に亀裂が発
生したが剥離しなかったことを示す。記号「×」は剥離
が発生したことを示す。
験片にして150×350mmの表面における6箇所の
測定点の残留応力について、歪ゲージを使った穿孔法に
よって測定した。
対策」(米谷茂著、養賢堂発行)に記載のSOETE,
VANCROMBURGGE法に基づいている。まず、
試験片の150×350mmの1面を約1mm深さまで
研磨した。研磨した面を観察し、歪ゲージを接着するの
に支障となるような気孔にエポキシ樹脂を充填して、平
滑な面とした。
3枚の歪ゲージ(共和電業製ストレインゲージKFC−
5−C1−11)をエポキシ樹脂で張り付けた。歪ゲー
ジは長方形であり、この長手方向の中心線が互いに45
度の角度となるように張り付けた。そして、この中心線
が交わる位置に、直径25mmの貫通する孔を開けた。
孔を開けた後、測定機(ミネベア株式会社製デジタル多
点静ひずみ測定機DPU−100B)によって歪ゲージ
の歪を読み取った。この歪の測定値から計算式を用い
て、残留応力を算出した。
応力が圧縮応力の場合は、その得られた測定値のうち絶
対値の最大値に記号「+」をつけて示し、引張応力の場
合は、その絶対値の最大値に記号「−」を付けて示す。
定した。まず分析機器であるEPMAによって試験耐火
物のガラス相の化学成分を分析した。EPMAは電子線
を試料に照射して、そこから発生する固有X線を分光
し、微小部分の化学組成を求める装置である。得られた
分析値をもとにして、分析したガラス相の化学成分と全
く同じ化学成分となるように試薬を配合し、次いでこの
配合物を白金ルツボ中で加熱溶融し、徐冷してガラス状
固化物を得た。このようにして得たガラス状固化物を測
定に適した形に加工して膨張係数を測定した。測定方法
は、JIS R3102(ガラスの平均線膨張径数の試
験方法)を使用した。その結果を表1〜3に示す。
うにして行った。まず、試験耐火物から30×40×4
0mmの大きさの試験片を切り出した。次に、電気炉中
で1250℃に60分間保持した後、800℃に60分
間保持した。これを1回として20回繰り返した。そし
て、各試料について亀裂の有無を観察した。その結果を
表1〜3に示す。表1〜3において記号「◎」は亀裂が
発生しなかったことを示し、記号「×」は亀裂が発生し
たことを示す。
℃における電気抵抗を測定した。その結果を表1〜3に
示す。
1〜14の組成を示す。
り、同様の試験を行った。比較例1〜2は特開昭56−
129675の組成に相当し、比較例3〜5は特開平3
−28175の組成に相当し、比較例6,7は特開昭6
3−285173の組成に相当し、比較例8〜11は特
開平4−193766の組成に相当し、比較例12〜1
4は特開昭62−59576の組成に相当する。
力が圧縮応力の場合、いずれも50MPa以下であり、
また残留応力が引張応力の場合、いずれも80MPa以
下であった。
×10−7/℃〜80×10−7/℃範囲内であった。
に小さな範囲の残留応力を示すので、片面加熱試験で
0.1℃/分の昇温速度で加熱を受けて膨張しても耐火
物を破壊する程度の圧縮応力には到達しないので全く剥
離現象を起こすこともなかった。
2,14〜16,18,20,21は残留応力が30M
Pa以下の圧縮応力または50MPa以下の引張応力を
示し、0.2℃/分の非常に早い昇温速度でも全く剥離
現象を起こさなかった。
例2〜4,8,9,13,17,19は表面に少し亀裂
が発生したが剥離には至らなかった。この程度はガラス
溶解炉で十分使用することができる。したがって本発明
の権利範囲である。
でも亀裂を起こさなかった。特に実施例7,14はP2
O5を0.1%含有し、同様に実施例13は0.2%含
有しているがどちらも熱サイクルによる亀裂の発生はな
かった。
ると熱サイクルにより亀裂を発生するとされていたが、
本発明の組成ではBaO,SrO,MgOなどのアルカ
リ土類金属酸化物がガラス相に入るためP2O5の弊害
がなくなった。
00℃の電気抵抗はいずれも120Ω・cm以上と非常
に高い値を示した。特に実施例1,3,5〜6,8〜1
3,16,18,21はNa2OとK2Oの合計が0.
1〜0.5の範囲にあり、他の諸特性を全て同時に満た
しながら150Ω・cm以上の高電気抵抗を示した。
6,18,20,21はガラス相の膨張係数が40×1
0−7/℃〜70×10−7/℃の範囲であり、0.2
℃/分の非常に早い昇温速度でも全く剥離を起こさなか
った。
特性の全てを同時に満たしているわけではなかった。
クル試験では亀裂を発生しなかったが、片面加熱試験で
剥離現象を起こした。また比較例1〜2,6,7は熱サ
イクル試験および、片面加熱試験の両方で剥離と亀裂を
起こした。また12〜14は片面加熱試験では問題なか
ったが熱サイクル試験で亀裂を発生した。
のではない。例えば、高ジルコニア溶融耐火物の表面を
研磨したり、切断したりしたものも権利範囲に含む。一
般にこのような加工によって表面の残留応力は幾分減少
する傾向にある。
の場合、製作時に亀裂が発生しない高ジルコニア溶融耐
火物が得られることは勿論であるが、片面加熱時に剥離
現象が発生しないこと、熱サイクル時に亀裂が発生しな
いこと、高電気抵抗であることなどの高ジルコニア溶融
耐火物に求められる特性を全て同時に満たすことができ
る。
だ原料を使用しても熱サイクルで亀裂を起こすことがな
い。したがって原料が安価であるという利点を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】 化学成分として、ZrO2 の含有量が8
5〜96重量%であり、SiO2 の含有量が3〜8重量
%であり、Al2 O3 の含有量が0.1〜2重量%であ
り、B2 O3 の含有量が0.05〜3重量%であり、B
aOとSrOとMgOの含有量が合わせて0.05〜3
重量%であり、Na2 Oの含有量が0.05重量%以上
であり、かつNa2 OとK2 Oの含有量が合わせて0.
05〜1重量%であり、P2 O5 の含有量が0.2重量
%以下であり、Fe2 O3 とTiO2 の含有量が合わせ
て0.3重量%以下であることを特徴とする高ジルコニ
ア溶融耐火物。 - 【請求項2】 化学成分として、ZrO2 の含有量が9
0〜95重量%であり、SiO2 の含有量が3〜5.5
重量%であり、Al2 O3 の含有量が0.1〜1.5重
量%であり、B2 O3 の含有量が0.05〜2重量%で
あり、BaOとSrOとMgOの含有量が合わせて0.
05〜2重量%であり、Na2 Oの含有量が0.05重
量%以上であり、かつNa2 OとK2 Oの含有量が合わ
せて0.1〜0.6重量%であり、P2 O5 の含有量が
0.1重量%以下であり、Fe2 O3 とTiO2 の含有
量が合わせて0.3重量%以下であることを特徴とする
高ジルコニア溶融耐火物。 - 【請求項3】 表面における残留応力が80MPa以下
の張力、または50MPa以下の圧縮力であることを特
徴とする請求項1または請求項2記載の高ジルコニア溶
融耐火物。 - 【請求項4】 ガラス相の膨張係数が30×10-7/℃
〜80×10-7/℃であることを特徴とする請求項1な
いし請求項3のいずれか1項に記載の高ジルコニア溶融
耐火物。 - 【請求項5】 K2 Oの含有量が0.05重量%以上で
あり、電気抵抗が150Ω・cm以上であることを特徴
とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の
高ジルコニア溶融耐火物。
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