JP2003088308A - ダマ発生抑制剤とその用途 - Google Patents
ダマ発生抑制剤とその用途Info
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Abstract
い粉末のダマ発生を抑制して分散性を改善するために、
分散性の悪い粉末に対して固結、着色などの悪影響を与
えず、幅広い用途に、安心して使用できるダマ発生抑制
剤を確立、それを用いてダマ発生を抑制して分散性を改
善する方法及びダマ発生を抑制して分散性が改善された
粉末混合物を提供する。 【解決手段】 粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を50w/w%以上含有するとともに、38μm以
下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当該粉末
がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶粉末を
主構成成分とするダマ発生抑制剤。非還元性糖質はα、
α−トレハロース、ネオトレハロース、環状四糖及びシ
クロデキストリンから選ばれる。更に該ダマ発生抑制剤
を10乃至100%の割合で共存含有させることにより
ダマ発生抑制し分散性を改善する方法及び該ダマ発生抑
制剤含有粉末混合物を提供する。
Description
溶解する際にダマ発生を起こして分散性の悪い粉末のダ
マ発生を抑制して、その分散性を改善するためのダマ発
生抑制剤とその用途に関する。
て、水などの溶媒、牛乳などの液体、ヨーグルト、ジャ
ムなど高水分の半固状物等の水系媒体に分散溶解させる
際に、ダマ、即ち、「ままこ」の発生を起こし、分散性
の悪い粉末が種々ある。具体的には、均質で、粒径が5
3μm以下、とりわけ、38μm以下の粉末からできて
いる、例えば、小麦粉や抹茶などの農産物粉末、酵母エ
キスや肉エキスなどの調味料粉末、ワサビや芥子などの
香辛料粉末、着色料や乳化剤などの粉末、又は、水など
に溶解したときに粘性を呈するプルラン粉末、デキスト
ラン粉末、各種ガム類粉末などの水溶性高分子類等はダ
マ発生を起こし易いことが知られている。
し、分散溶解時の作業性を改善するための方法として、
これまでに多くの提案が成されている。例えば、機械
的な方法、粉末を造粒、顆粒化する方法、粉末表面
を被覆する方法、粉末の構成成分を変更する方法、
他の粉末と混合する方法などである。
8−283418号公報で開示されている技術、即ち、
撹拌翼を高速回転させるなどして溶解時のダマ発生を抑
制するか、又は、一度発生したダマを機械力により分散
することが提案されている。しかし、この方法を用いる
には、大きい設備と高エネルギーが必要となり、更に、
高速回転することにより溶解液が発泡し易いなどの欠点
がある。
にバインダーとして各種の結合剤や溶液を加え、微粒子
同士を結合させることで粒径を大きくすることが提案さ
れている。粉末は粒径の小さいほど溶解性は良好である
ものの、粒子の沈降性、湿潤性、分散性が良くなく、造
粒、顆粒化することで、それらの改善、向上を図ること
により、ダマ発生を抑制することができることから、多
くの粉末に応用されている。しかし、この方法を採用す
るには、造粒、顆粒化するための設備、エネルギー、時
間、労力などを多く必要とするとともに、結合剤や溶液
を添加することにより、場合によっては粉末成分が変性
し易いなどの欠点がある。
ば、特開昭61−134319号公報で開示されている
技術、即ち、単糖、オリゴ糖、糖アルコールなどでダマ
発生を起こして分散性の悪い粉末を被覆することが提案
されている。しかし、この方法を用いるには、対象とす
る粉末が限定され、安定で非常に微細な粉末が必要であ
ったり、液状のものを使うには被覆と乾燥に時間とエネ
ルギーを要したり、被覆した糖質のために粉末同士が固
結したり、更に、固結に伴って保存性や溶解性不良を招
き易いなどの欠点がある。
は、例えば、特開平9−275911号公報で開示され
ている技術、即ち、大豆蛋白成分を乾燥して粉末製品を
製造するに際し、低温溶解性に優れ、且つ「ままこ」が
形成されない水分散性、流動性の良好な粉末とするため
に、乾燥前の大豆蛋白成分を含む溶液中の固形分100
重量部に対して、澱粉部分分解物を2乃至40重量部溶
解含有させたのち粉末化することが提案されている。し
かし、この方法を用いるには、処理対象とするものが限
定され、更に、アミノ酸等を含むなど相手によっては、
還元性を持つ澱粉部分分解物との間で化学反応を起こし
易いなどの欠点がある。
ば、特開平11−18698号公報で開示されている技
術、即ち、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の分散
性を改善するために、粒径が149μm篩下のエリスリ
トール結晶粉末、粒径は小さいほど少量で効果があるこ
とから75μm篩下の粒径を持つ結晶粉末を、添加量と
しては5乃至90重量%混合することが提案されてい
る。しかしながら、本発明者等が別途検討したところ、
粒径が53μm以下の小さい粒子を60%以上含有する
粉末同士を混合したものでは、構成成分を違えてもダマ
発生の抑制は困難であることが判明した。加えて、エリ
スリトールは甘味度が比較的高く、エリスリトールを小
さい粒径の粉末までに粉砕する時に乾燥水分を0.05
重量%以下に調整しておく必要があるなどの欠点があ
る。
溶解する際に、従来技術では多種の粉末に対して適用で
き、安心してダマ発生を抑制して分散性を改善するには
不充分であり、より幅広く適用することのできるダマ発
生を抑制して分散性を改善できる技術の確立が待たれ
る。
にダマ発生を起こして分散性の悪い粉末のダマ発生を抑
制して分散性を改善するために、分散性の悪い粉末に対
して固結、着色などの悪影響を与えず、幅広い用途に、
安心して使用できるダマ発生抑制剤を確立することを第
一の課題とし、それを用いたダマ発生を抑制して分散性
を改善する方法を確立することを第二の課題とし、ダマ
発生を抑制して分散性の改善された粉末混合物を提供す
ることを第三の課題とするものである。
題を解決する目的で、ダマ発生を抑制して粉末の分散性
を改善するとともに、安定な粉末混合物を作成すること
ができ、且つ、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の
構成成分や出来た粉末混合物に対して悪影響を与えない
ことを重点に、糖質の利用、とりわけ、グルコースを構
成糖とする糖質の結晶粉末に着目し、鋭意研究を続けて
きた。
元性糖質、とりわけ、α,α−トレハロース、ネオトレ
ハロース(α,β−トレハロース)、環状四糖およびシ
クロデキストリンで特定の粒径を持つ結晶粉末を共存含
有させることにより、溶解時のダマ発生を抑制して粉末
の分散性を改善できることを新たに見出し、新規なダマ
発生抑制剤を確立するとともに、それを用いたダマ発生
の抑制方法並びにダマ発生を抑制して分散性の改善され
た粉末混合物を確立することにより、本発明を完成する
に至った。
下の粒子を50w/w%(以下、本明細書では、w/w
%を単に%と略記する。)以上含有するとともに、38
μm以下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当
該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶
粉末を主構成成分とするダマ発生抑制剤を確立するとと
もに、当該ダマ発生抑制剤をダマ発生を起こして分散性
の悪い粉末に対して10乃至100%の割合で共存含有
させることによりダマ発生抑制し分散性を改善する方法
を確立し、併せて当該ダマ発生抑制剤を共存含有しダマ
発生を抑制して分散性の改善された粉末混合物を確立し
て本発明を完成させた。
分散性の悪い粉末(以下、本明細書では、ダマ発生を起
こして分散性の悪い粉末を単に分散性の悪い粉末と略記
することもある。)には、各種の粉末食品や、調味料、
酸味料、高甘味度甘味料、着色料、着香料、乳化剤、強
化剤、増粘安定剤などの粉末添加剤、更には、無機ある
いは有機の化粧品、医薬品、農薬、工業品などの粉末原
材料などがある。粉末食品としては、例えば、ココア、
小麦粉、米粉、抹茶などの植物粉末、果汁粉末、タンパ
ク質、コーヒー、酵母エキスなどの動植物から抽出した
物を乾燥した粉末、粉末牛乳、粉末卵、及びこれら各種
粉末の混合調製物などが挙げられる。
するために用いられるダマ発生抑制剤は、粒径が53μ
mを越え150μm以下の粒子を50%以上含有するも
のが好適である。ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末
に共存含有させる粉末の粒径が150μmよりも大き
く、且つ、粉末中に含まれる粒径の大きい粒子の割合が
高くなると、ダマ発生を抑制して分散性を改善する効果
が十分に得られないばかりでなく、ダマ発生を起こして
分散性の悪い粉末との粉末混合物を調製したとき、粒度
および嵩比重の違いから、お互いに分離を起こし易くな
り、ダマ発生を抑制して分散性を改善する効果が益々得
られなくなる。そこで、ダマ発生を抑制して分散性を改
善するために共存含有させる粉末は、粒径が53μmを
越え150μm以下の粒子を50%以上、望ましくは、
60%以上含有する粉末であり、更に望ましくは、粒径
が53μmを越え150μm下の粒子を95%以上含有
する粉末が好適である。
生抑制剤に含まれる微粉末、とりわけ、粒径が38μm
以下の粒子の混在が、ダマの抑制効果に大きく悪影響す
ることを見出したことである。換言すれば、均質で、粒
径が38μm以下の微細な粒子を多量に含んでいる粉末
は、それ自身がダマを発生しやすい性質を有しているこ
とを見出した。本発明が対象とするダマを起こし易い粉
末の多くがこの中に含まれている。
は、先に述べた粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を50%以上含有させるのに加えて、粒径が38μ
m以下の粒子を20%未満、更に望ましくは、15%未
満に減少させる必要がある。これまでに提案された、糖
質粉末を共存含有させることでダマ発生を抑制して分散
性を改善できるというものは、使用する糖質粉末の粒径
に関して、上限のみが規定されており、下限の必要性に
着目したものはなかった。
は、特定の粒径を持ち、且つ、それらの粒子を一定の割
合で含有している粉末であって、しかも、粉末自体が水
系媒体に対して溶解性を有するものが好適である。これ
らの条件を満足するものとしてグルコースを構成糖と
し、且つ、非還元性の糖質が有利に利用できる。
種々のものが知られており、グルコースを唯一の構成糖
とする非還元性ホモオリゴ糖としては、α,α−トレハ
ロース並びにその異性体、末端にα,α−トレハロー
ス、ネオトレハロース構造を有する直鎖オリゴ糖、更に
は、グルコース残基数が4個以上からなる各種の環状オ
リゴ糖が存在する。ダマ発生を抑制して分散性を改善す
るために用いるものとしては、上記の各条件を満足し、
且つ、安価で、大量に入手できるα,α−トレハロー
ス、ネオトレハロース(α、β−トレハロース)、環状
四糖およびシクロデキストリン(以下、本明細書では、
グルコースを構成糖とする非還元性糖質であるα,α−
トレハロース、ネオトレハロース(α、β−トレハロー
ス)、環状四糖およびシクロデキストリンを単に非還元
性糖質と略記することもある。)が好適である。
説明する。α,α−トレハロースは、グルコースが2
個、α,α−1,1で結合した非還元性の糖質であり、
甘味度は砂糖の約45%と低い。更に、α,α−トレハ
ロース含水結晶は吸湿性が低く、高湿度の中で放置して
も安定である。また、α,α−トレハロース含水結晶
は、脆い性質を有しており、粉砕しやすい特質を有して
いる。含水結晶を粉砕して得られる粉末も、結晶と同様
に、吸湿性は低く、高湿度の中で放置しても安定であ
る。α,α−トレハロース製品としては、現在、高純度
含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標
『トレハ』)が販売されており、必要に応じて、これを
粉砕、分級して本発明で利用することができる。
ス)は、α,α−トレハロースの異性体の1種であり、
グルコースが2個、α,β−1,1で結合した非還元性
の糖質であり、甘味度は砂糖の約1/3と低い。更に、
ネオトレハロース含水結晶は吸湿性が低く、高湿度の中
で放置しても安定である。また、結晶を粉砕して得られ
る粉末も、結晶と同様に、吸湿性は低く、高湿度の中で
放置しても安定である。本糖質は、本出願人が特許第3
082094号公報で示した方法によれば、乳糖と澱粉
を原料として、酵素法を用いて容易に製造することがで
きる。市販品としては、試薬が商品名『ネオトレハロー
ス』((株)林原生物化学研究所製造)として販売され
ており、必要に応じて、これを粉砕、分級して本発明で
利用することができる。
ク等によって『カーボハイドレートリサーチ』、第32
9巻、655乃至665頁(2000年)に記載されて
いるように、グルコースが4個、α−1,3とα−1,
6結合で、環状に繋がった非還元性の糖質である。本糖
質は、本出願人が特願2000−234937号明細書
で示した方法により、澱粉から酵素糖化法を用いて製造
し、その性質を解明したところ、甘味度は低く、含水結
晶は吸湿性が低く安定であり、必要に応じて、これを粉
砕、分級して本発明で利用することができる。
1,4結合で環状に繋がった非還元性の糖質であり、甘
味度は低く、含水結晶は吸湿性が低く安定である。主な
ものとしてはα、β、γ−シクロデキストリンがある。
本糖質は、糖転移酵素であるシクロデキストリン グル
カノトランスフェラーゼを作用させることにより、澱粉
から酵素糖化法を用いて製造することができる。市販品
としては、グルコースがそれぞれ6個、7個、8個環状
に繋がった、商品名『α−シクロデキストリン』、『β
−シクロデキストリン』、『γ−シクロデキストリン』
((株)林原生物化学研究所製造)が販売されており、
必要に応じて、これを粉砕、分級して本発明で利用する
ことができる。
発生抑制剤に対して、グルコースを構成成分とする非還
元性糖質の結晶粉末を90%以上含有することをいう。
具体的には、グルコースを構成成分とする非還元性糖質
の結晶粉末が、実質的に非還元性であって、これを含有
するダマ発生抑制剤と、分散性の悪い粉末との粉末混合
物を作成し保存する際に、得られる粉末混合物が吸湿し
て固結したり、変色したりしない粉末となるものであれ
ばよく、通常、グルコースを構成糖とする非還元性糖質
を90%以上含有する結晶粉末、望ましくは、当該非還
元性糖質を95%以上含有する結晶粉末が好適であり、
他の糖質を含有してもよい。
を改善する効果を損なわない範囲内であれば、グルコー
スを構成成分とする非還元性糖質の結晶粉末以外にも、
必要に応じて、他の糖質粉末や糖質結晶粉末、更には、
流動性促進剤、固結防止剤、強化剤、安定化剤などとし
て、ミネラル、アミノ酸、有機酸塩、ポリフェノール、
シュガーエステルなどを適量、望ましくは、10%未満
の範囲で共存含有させることも随意である。例えば、
α,α−トレハロースを主構成成分とし、これに、例え
ば、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、茶ポリ
フェノール、酵素処理ルチンなどのフラボノイド等を含
有させた後、芥子粉末、わさび粉末、抹茶などに適量混
合し、その分散溶解を容易にするとともに、それらの粉
末の色調、風味を安定に保持させることも有利に実施す
ることができる。
悪い粉末に対して共存含有させる方法としては、一般的
には、分散性の悪い粉末にあらかじめ調製した特定の粒
径を持つ非還元性糖質結晶粉末を混合することにより達
成できる。必要に応じて、分散性の悪い粉末やその粉末
の粉砕前の固形物と非還元性糖質の結晶とを予め混合
し、次いで、粉砕機にかけて粉砕し、非還元性糖質の粒
径が53μmを越え150μm以下の粒子を50%以上
含有するとともに、38μm以下の粒子を20%未満含
有する結晶粉末とすることにより、共存含有させること
もできる。
型、水平円筒型、垂直スクリュー型、二重円錐型混合機
等を用いる方法が挙げられる。粉砕方法としては、粉砕
後の粉末の粒径が53μmを越え150μm以下の粒子
を50%以上含有するように、ピンミル、パワーミル、
ハンマーミル、スクリーンミル、振動ボールミル、ジェ
ット粉砕器等を1種又は2種以上を組み合わせて用いる
方法が挙げられる。
共存含有量としては、分散性の悪い粉末重量に対して非
還元性糖質の結晶粉末を、共存比で、10%乃至100
%、望ましくは、20%乃至80%の割合で共存含有さ
せるのが好適である。含有量が少ないとダマ発生を抑制
して分散性を改善する効果が十分に得られず、逆に多く
なり過ぎると、分散性は改善されるものの、非還元性糖
質が持つ特性が粉末混合物を原材料として製造される製
品に強く現れ、例えば、含有させる結晶粉末は糖質であ
るために甘味度が強くなりすぎるなど、場合によっては
不都合なことになる。更に、非還元性糖質の結晶粉末の
含有量が増大するに従って、相対的に粉末混合物中に含
まれる目的成分の含量が減少することから、必要量に見
合う量を確保しようとすれば、一度に溶解する粉末混合
物の量を多くしなければならず、かえって作業効率を悪
くすることにもなる。
に本発明の特定の粉末を持つ非還元性糖質結晶粉末を主
構成成分とするダマ発生抑制剤を共存含有させた本発明
の粉末混合物は、ダマ発生を抑制して分散性の改善され
た性質を有し、溶解性が向上する。本発明を実施するこ
とにより、分散性の悪い粉末を各種製品の原材料に用い
て溶解液を調製するとき、その作業性を改善し、溶解作
業に要する時間を短縮することができる。とりわけ、食
品分野においては、本発明のダマ発生抑制剤は安定な糖
質であり、甘味度も低く、ダマ発生を抑制して分散性を
改善した混合粉末に過剰な甘味を与えることもなく利用
できる。よって、本発明のダマ発生抑制剤は幅広い用途
が期待できる。
性を改善することによる溶解性の向上効果について、具
体的な実験例を用いて詳しく説明する。
に及ぼすα,α−トレハロース結晶粉末の粒度の影響>
ダマ発生を起こし易い粉末の分散溶解時間に及ぼすα,
α−トレハロース結晶粉末の粒度の違いによる影響を検
討するための粉末混合物は、次のようにして調製した。
ダマを発生し分散性の悪い粉末としてポリペプトン〈細
粒〉(日本製薬(株)製)12gと、ポリペプトン重量
に対して25%に相当する、粒度の異なるα,α−トレ
ハロース結晶粉末3gとを200ml容のスチロールサ
ンプル瓶に入れ、30回、約30cmの巾で、手で持っ
て激しく振とうし、均一な粉末混合物を得、これを25
℃の室内で1週間保存した。
ハロース結晶粉末は、高純度含水結晶トレハロース
((株)林原商事販売、登録商標『トレハ』)をそのま
ま用い、又は、これをピンミルで粉砕して得られた結晶
微粉末をそのまま用い、更には、粉砕して得られた結晶
微粉末を、新JIS規格の300μm、150μm、1
06μm、75μm、53μmおよび38μm目開きの
ふるいを組合わせて使用し、分級し、特定範囲の粒径を
持つ結晶粉末としたものである。試験に使用したα,α
−トレハロース結晶粉末は、新JIS規格の300μ
m、150μm、106μm、75μm、53μmおよ
び38μmの目開きの各ふるいを用いて粒度分布を求め
た。試験は、α,α−トレハロース結晶の微粒子含有量
の多いもの順にNo.1〜No.12とし、対照とし
て、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のものをN
o.13とした。
子を入れた100ml容のガラス製トールビーカーに、
40℃のイオン交換水50mlを入れ、池本理化(株)
製スターラー上で、ダイアル”5”で撹拌を行った。こ
の撹拌状態の下、上記の各粉末混合物3.75g(溶解
するポリペプトン重量が3.0gとなるように)および
対照のα,α−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプ
トン3gをそれぞれ計量し、それぞれを一度に投入し、
各粉末混合物が分散し、ダマがなくなって粉末が完全に
溶解するまでに要したそれぞれの時間を測定した。ダマ
発生を抑制して溶解性を改善する効果があると判断した
基準は、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のものに
比べて溶解に要した時間が70%以下に短縮されたとき
とした。溶解性試験の結果は、表1に示した。
α,α−トレハロース結晶粉末無含有の試験No.13
のポリペプトンは、完全に分散溶解するまでに445秒
を要した。一方、粒度の異なるα,α−トレハロース結
晶粉末を共存含有するNo.1乃至No.12の粉末混
合物が完全に分散溶解するまでに要した時間は、α,α
−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプンの場合と比
べ、いずれも短縮されたが、その効果はα,α−トレハ
ロース結晶粉末の性状、特に粒度の違いにより大きく異
なっていた。
が強く、ダマ発生が認められないか、少ししか認められ
ず、完全に溶解するまでに要した時間がα,α−トレハ
ロース結晶粉末無含有のポリペプトンの場合と比べて7
0%以下に短縮された粉末混合物は、高純度含水結晶ト
レハロース『トレハ』を粉砕して得られた比較的大きい
結晶粉末を含有する試験No.6の粉末混合物、並びに
粉砕した結晶粉末を分級して得た、特定範囲の粒径が比
較的大きい粒子を含むα,α−トレハロース結晶粉末を
含有する試験No.5、No.7、No.8、No.9
およびNo.10の粉末混合物であった。
スを粉砕して得た粒径が比較的小さい結晶粉末を含有す
る試験No.3の粉末混合物、並びに粉砕した結晶粉末
を分級して得た、特定範囲の粒径が比較的小さい粒子を
含むα,α−トレハロース結晶粉末を含有する試験N
o.1、No.2およびNo.4の粉末混合物では、い
ずれの場合も、完全に分散溶解するまでに要する時間
を、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプト
ンの場合と比べて70%以下に短縮させるまでには至ら
なかった。
レハロースを含有する試験No.12および高純度含水
結晶α,α−トレハロースを粉砕した結晶粉末を分級し
て得た、特定範囲の粒径が大きい粒子を含む、α,α−
トレハロース結晶粉末を含有する試験No.11の粉末
混合物では、いずれの場合も、完全に分散溶解するまで
に要する時間を、α,α−トレハロース結晶粉末無含有
のポリペプトンの場合と比べて70%以下に短縮させる
までには至らなかった。
分散性を改善し、分散溶解時間の短縮に及ぼす効果が大
きく、完全に溶解するまでに要する時間をα,α−トレ
ハロース結晶粉末無含有のポリペプトンの場合に比べ
て、70%以下に短縮させることができるα,α−トレ
ハロース結晶粉末の粒径およびその含有割合は、53μ
mを越え150μm以下の粒子を50%以上含有すると
ともに、38μm以下の粒子を20%未満含有する結晶
粉末が好適であることが明らかとなり、とりわけ、53
μmを越え150μ以下の粒子を60%以上、更には、
95%以上含有する結晶粉末が好適であった。
ース結晶粉末とを含有する粉末混合物は、構成成分の均
質性を失わせたことから、ダマ発生を抑制して分散性を
改善し、分散溶解時間に及ぼす効果が大きくなるのでは
と期待して試験してみたものの、その効果は意外にも小
さく、完全に溶解するまでに要する時間をα,α−トレ
ハロース結晶粉末無含有の場合に比べて70%以下に短
縮させるに至らなかった。
に及ぼす非還元性糖質結晶粉末の混合比の影響>ダマ発
生を起こし易い粉末の分散溶解時間に及ぼす非還元性糖
質結晶粉末の共存比の影響を検討するための粉末混合物
は、実験1に準じて、次のようにして調製した。ダマを
発生して分散性の悪い粉末としてポリペプトン〈細粒〉
(日本製薬(株)製)10gと、ポリペプトン重量に対
して、グルコースを構成糖とする非還元性糖質をそれぞ
れ、1%、5%、10%、20%、60%、80%、1
00%、120%となるように計量し、200ml容の
スチロールサンプル瓶に入れ、30回、約30cmの巾
で、手で持って激しく振とうし、均一な粉末混合物を
得、25℃の室内で1週間保存した。
ハロース結晶粉末は、実験1で調製し、試験No.10
で使用した粒径が53μmを越え150μm以下の粒子
を100%含有するα,α−トレハロース結晶粉末を用
いた。ネオトレハロース結晶粉末およびα−シクロデキ
ストリン結晶粉末は市販の商品名『ネオトレハロー
ス』、『α−シクロデキストリン』(いずれも(株)林
原生物化学研究所製造)を粉砕、分級して調製した粒径
が53μmを越え150μm以下の粒子を100%含有
するものを用いた。環状四糖結晶粉末は同じ出願人によ
る特願2001−234937号明細書に記載した実施
例A−3およびA−5の方法に準じて澱粉から調製した
環状四糖の結晶(純度99.5%)を粉砕、分級して調
製した粒径が53μmを越え150μm以下の粒子を1
00%含有するものを用いた。各種の粉末混合物の溶解
性試験は、実験1と同様に、溶解するポリペプトン重量
が3.0gとなるように行い、結果は表2に示した。
糖質結晶粉末無含有の試験No.33のポリペプトン
は、完全に分散溶解するまでに445秒を要した。一
方、α,α−トレハロース結晶粉末を含有する試験N
o.1乃至No.8の粉末混合物、ネオトレハロース結
晶粉末を含有する試験No.9乃至No.16の粉末混
合物、環状四糖結晶粉末を含有する試験No.17乃至
No.24の粉末混合物、及びα−シクロデキストリン
結晶粉末を含有する試験No.25乃至No.32の粉
末混合物のいずれも、完全に分散溶解するまでに要した
時間は、非還元性糖質結晶粉末無含有のポリペプトンの
場合と比べていずれも短縮された。しかしながら、その
効果は非還元性糖質結晶粉末の共存含有量により異な
り、共存比が低いと粉末混合物の溶解性の改善効果は小
さく、完全に分散溶解するまでに要した時間は、非還元
性糖質結晶粉末無含有のポリペプトンの場合と比べて、
あまり短縮できなかった。即ち、試験No.1およびN
o.2の共存比が5%以下のα,α−トレハロース結晶
粉末を含有する粉末混合物、試験No.9およびNo.
10の共存比が5%以下のネオトレハロース結晶粉末を
含有する粉末混合物、試験No.17およびNo.18
の共存比が5%以下の環状四糖結晶粉末を含有する粉末
混合物、並びに試験No.25およびNo.26の共存
比が5%以下のα−シクロデキストリン結晶粉末を含有
する各粉末混合物では、完全に分散溶解するまでに要し
た時間を、非還元性糖質結晶粉末無含有のポリペプトン
の場合と比べて、共存70%以下に短縮させるまでには
至らなかった。試験No.3乃至No.8の共存比が1
0%以上のα,α−トレハロース結晶粉末を含有する粉
末混合物、試験No.11乃至No.16の共存比が1
0%以上のネオトレハロース結晶粉末を含有する粉末混
合物、試験No.19乃至No.24の共存比が10%
以上の環状四糖結晶粉末を含有する粉末混合物、試験N
o.27乃至No.32の共存比が10%以上のα−シ
クロデキストリン結晶粉末を含有する粉末混合物では、
溶解性の改善効果が大きくなり、完全に分散溶解するま
でに要した時間は、非還元性糖質の結晶粉末無含有のポ
リペプトンの場合と比べて70%以下に短縮され、とり
わけ、これらの非還元性糖質を共存比20%以上にした
ものは、50%以下と大幅に短縮された。
験No.24、並びに試験No.32の非還元性糖質結
晶粉末の共存比が120%となると改善効果自体は大き
いものの、非還元性糖質結晶粉末の共存含有量の増加に
対する、分散溶解に要する時間の短縮幅は非常に小さ
く、より多く含有させることによる効果の向上はほとん
ど見られなかった。
効果が大きく、完全に溶解するまでに要する時間を、非
還元性糖質無含有のポリペプトンの場合に比べて、70
%以下に短縮させることができる非還元性糖質結晶粉末
の必要な共存比は10%以上であり、50%以下に短縮
させることができる非還元性糖質結晶粉末の必要な共存
比は、20%以上であり、100%までが効果的である
ことが明らかとなった。
は、α,α−トレハロース結晶粉末が最も分散溶解時間
に及ぼす効果が大きく、α−シクロデキストリン結晶粉
末の効果が最も小さかった。
とで、ダマ発生が抑制され、分散性が改善された粉末混
合物を容易に調製することができ、これまで分散性の悪
い粉末の溶解に要していた作業時間を大幅に短縮するこ
とができ、産業上も価値のあるものといえる。
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
レハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレ
ハ』)をピンミルを使用して粉砕し、粒径が38μm以
下を5%、38を越えて53μm以下を13%、53μ
mを越えて150μm以下を75%、150μmを越え
る粒子を7%含有するダマ発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
α,α−トレハロースを含有することから、粉末食品の
ための固結防止、風味改善剤などとしても有利に利用で
きる。
レハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレ
ハ』)をピンミルを使用して粉砕し、53μmと150
μmの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μm
を越えて150μm以下の粒子を100%含有するダマ
発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
製したα,α−トレハロース結晶粉末24重量部に対し
て市販の乳酸カルシウム(白石カルシウム(株)販売、
商品名『エルカル』)1重量部含有させた炭酸カルシウ
ムを含有するダマ発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、カルシウムを含むことからミネラル強化剤、色調安
定剤、pH調整剤などとしても有利に利用できる。
製したα,α−トレハロース結晶粉末98重量部に対し
て市販の茶ポリフェノール(三井農林(株)販売、商品
名『ポリフェノン』)1重量部および糖転移ルチン(東
洋精糖(株)販売、商品名『αGルチン』)1重量部を
含有するダマ発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、ポリフェノール、糖転移ルチンを含むことから鮮度
保持剤、色調安定剤などとしても有利に利用できる。
オトレハロース』((株)林原生物化学研究所製造)を
パワーミルおよびピンミルを使用して粉砕し、53μm
と150μmの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が
53μmを越えて150μm以下の粒子を100%含有
するダマ発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
は同じ出願人による特願2000−234937号明細
書に記載した実施例A−3およびA−5の方法に準じて
澱粉から調製した環状四糖の結晶(純度99.5%)を
ピンミルを使用して粉砕し、53μmと150μmの目
開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μmを越えて
150μm以下の粒子を100%含有するするダマ発生
抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
製したα,α−トレハロース結晶粉末1重量部に対して
実施例A−6で調製した環状四糖結晶粉末1重量部含有
させたα,α−トレハロース結晶粉末と環状四糖結晶粉
末とを等量含有するダマ発生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
−シクロデキストリン』((株)林原生物化学研究所製
造)をピンミルを使用して粉砕し、53μmと150μ
mの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μmを
越えて150μm以下の粒子を100%含有するダマ発
生抑制剤を調製した。
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、α−シクロデキストリンを含むことから不安定な物
質の安定化剤、保持剤などとしても有利に利用できる。
(シュガーエステルS−1670)(三菱化学フーズ
(株)製)2重量部と、実施例A−1で調製したダマ発
生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
するときにダマ発生がなく、乳化剤を短時間で分散溶解
することができる。本品は、各種の加工食品を製造する
ときの乳化剤等として利用するのに好適である。
(シュガーエステルS−1670)(三菱化学フーズ
(株)製)5重量部と、実施例A−5で調製したダマ発
生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
するときにダマ発生がなく、乳化剤を短時間で分散溶解
することができる。本品は、各種の加工食品を製造する
ときの乳化剤等として利用するのに好適である。
重量部と、実施例A−2で調製したダマ発生抑制剤1重
量部を万能混合機60DM−rrs(三英製作所製)に
入れ、3分間混合し、粉末混合物を調製した。
小麦粉が持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダ
マ発生がなく、小麦粉を短時間で分散することができ
る。本品は、麺類、ケーキ類、菓子類など各種食品の原
材料等として利用するのに好適である。
エキス(アサヒビール食品(株)製、ミーストS)4重
量部と、実施例A−6で調製したダマ発生抑制剤1重量
部を万能混合機5DM−R(三英製作所製)に入れ、3
分間混合し、粉末混合物を調製した。
スが持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発
生が少なく、酵母エキスを短時間で分散溶解することが
できる。本品は、たれ、つゆ、菓子類を始めとする各種
食品の原材料等として利用するのに好適である。
た後パワーミル及びピンミルを用いて粉砕して調製した
はったい粉3重量部と、実施例A−8で調製したダマ発
生抑制剤2重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、1分間混合し、粉末混合物を調製した。
粉が持つ本来の風味を有し、水に溶解するとき、ダマ発
生がなく、はったい粉を短時間で分散することができ
る。本品は、そのまま熱湯に溶いて食することも、更に
は、和菓子などの原材料として利用するのにも好適であ
る。
ン((株)林原商事販売、商品名『プルランPF−20
微粉』)2重量部と、実施例A−1で調製したダマ発生
抑制剤1重量部を万能混合機60DM−rrs(三英製
作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製し
た。
するときにダマ発生が少なく、プルランを短時間で分散
溶解することができる。本品は、粘性を必要とする調味
料などの食品や化粧品、医薬品などの原材料として利用
するのに好適である。
乳(雪印乳業(株)販売)3重量部と、実施例A−2で
調製したダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−
R(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物
を調製した。
が持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発生
がなく、脱脂粉乳を短時間で分散溶解することができ
る。本品は、加工乳、発酵乳、ヨーグルト、練乳、菓子
類を始めとする各種食品の原材料等として利用するのに
好適である。
(SB食品(株)販売)9重量部と、実施例A−4で調
製したダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R
(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を
調製した。
つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発生がな
く、芥子粉末を短時間で分散することができ、更に、α
−シクロデキストリンの効果により芥子の香りの保持時
間が延長される。本品は、練り芥子として料理に、更
に、惣菜類を始めとする各種食品の原材料等として利用
するのに好適である。
パワーミルを用いて粉砕して調製した昆布粉末1重量部
と、実施例A−7で調製したダマ発生抑制剤1重量部昆
布粉末を万能混合機5DM−R(三英製作所製)に入
れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
つ本来の風味を有し、温水に溶解するとき、ダマ発生が
なく、昆布粉末を短時間で分散することができる。本品
は、昆布茶として飲料に、更に、調味料や和洋菓子など
の原材料として利用するのに好適である。
(三井農林(株)販売)8重量部と、実施例A−3で調
製したダマ発生抑制剤2重量部を万能混合機5DM−R
(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を
調製した。
するときにダマ発生がなく、抹茶を短時間で分散するこ
とができ、更に、本品はα,α−トレハロースおよびカ
ルシウムの効果により抹茶本来の色調、風味がよく保持
される。また、本粉末混合物は、抹茶として飲料に、更
に、アイスクリーム、カキ氷、各種洋和菓子類、麺類を
始めとする各種食品の原材料等として抹茶本来の色調、
風味付けに利用するのに好適である。
の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)販売)、商品
名『コロカルソ』9重量部と、実施例A−1で調製した
ダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英
製作所製)に入れ、3分間混合し、粉末混合物を調製し
た。
するときにダマ発生がなく、炭酸カルシウムを短時間で
分散することができる。本品は、栄養強化剤として各種
食品への強化剤、水質の硬度剤、制酸剤などとして利用
するのに好適である。
によれば、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の分散
性を容易に改善し、溶解性を向上することができる。そ
れを解決するための方法としては、ダマ発生を起こして
分散性の悪い粉末に対して、粒径が53μmを越え15
0μm以下の粒子を50%以上含有するとともに、38
μm以下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当
該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質結晶粉
末を主構成成分とするダマ発生抑制剤を確立し、これ
を、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末重量に対し
て、共存比で10%乃至100%共存含有させることに
より、溶解時の分散性を改善した粉末混合物とすること
で、簡単で、安価にダマ発生を抑制して分散性が優れ、
吸湿性、着色性のない粉末混合物を製造することができ
る。しかも、ここで使用する非還元性糖質は低甘味であ
り、吸湿性が低いなど安定なことから、ダマ発生を起こ
して分散性の悪い粉末に対して悪影響を与えることも少
ない。
して分散性の悪い粉末に対する悪影響を懸念することな
く、分散性の改善された粉末混合物を容易に製造できる
ことから、本発明の方法を応用できる範囲は広く、食
品、化粧品、医薬品、化学品などの業界を初めとする産
業界に与える工業的意義は極めて大きい。
Claims (5)
- 【請求項1】 粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を50w/w%以上含有するとともに、38μm以
下の粒子を20w/w%未満含有する粉末で、且つ、当
該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶
を主構成成分とすることを特徴とするダマ発生抑制剤。 - 【請求項2】 粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を60w/w%以上含有することを特徴とする請求
項1記載のダマ発生抑制剤。 - 【請求項3】 グルコースを構成糖とする非還元性糖質
が、α,α−トレハロース、ネオトレハロース(α,β
−トレハロース)、環状四糖およびシクロデキストリン
から選ばれる1種又は2種以上の糖質であることを特徴
とする請求項1又は2記載のダマ発生抑制剤。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のダマ
発生抑制剤を、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末に
対して、10乃至100w/w%の割合で共存含有させ
ることを特徴とするダマ発生抑制方法。 - 【請求項5】 ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末
に、請求項1乃至3のいずれかに記載のダマ発生抑制剤
を、請求項4記載の方法で共存含有させ、得られるダマ
発生を抑制して分散性が改善された粉末混合物。
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