JP2003088308A - ダマ発生抑制剤とその用途 - Google Patents

ダマ発生抑制剤とその用途

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JP2003088308A JP2001280681A JP2001280681A JP2003088308A JP 2003088308 A JP2003088308 A JP 2003088308A JP 2001280681 A JP2001280681 A JP 2001280681A JP 2001280681 A JP2001280681 A JP 2001280681A JP 2003088308 A JP2003088308 A JP 2003088308A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶解する際にダマ発生を起こして分散性の悪
い粉末のダマ発生を抑制して分散性を改善するために、
分散性の悪い粉末に対して固結、着色などの悪影響を与
えず、幅広い用途に、安心して使用できるダマ発生抑制
剤を確立、それを用いてダマ発生を抑制して分散性を改
善する方法及びダマ発生を抑制して分散性が改善された
粉末混合物を提供する。 【解決手段】 粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を50w/w%以上含有するとともに、38μm以
下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当該粉末
がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶粉末を
主構成成分とするダマ発生抑制剤。非還元性糖質はα、
α−トレハロース、ネオトレハロース、環状四糖及びシ
クロデキストリンから選ばれる。更に該ダマ発生抑制剤
を10乃至100%の割合で共存含有させることにより
ダマ発生抑制し分散性を改善する方法及び該ダマ発生抑
制剤含有粉末混合物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末を水系媒体に
溶解する際にダマ発生を起こして分散性の悪い粉末のダ
マ発生を抑制して、その分散性を改善するためのダマ発
生抑制剤とその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】食品、化粧品、医薬品等の分野におい
て、水などの溶媒、牛乳などの液体、ヨーグルト、ジャ
ムなど高水分の半固状物等の水系媒体に分散溶解させる
際に、ダマ、即ち、「ままこ」の発生を起こし、分散性
の悪い粉末が種々ある。具体的には、均質で、粒径が5
3μm以下、とりわけ、38μm以下の粉末からできて
いる、例えば、小麦粉や抹茶などの農産物粉末、酵母エ
キスや肉エキスなどの調味料粉末、ワサビや芥子などの
香辛料粉末、着色料や乳化剤などの粉末、又は、水など
に溶解したときに粘性を呈するプルラン粉末、デキスト
ラン粉末、各種ガム類粉末などの水溶性高分子類等はダ
マ発生を起こし易いことが知られている。
【0003】ダマ発生を抑制して粉末の分散性を良く
し、分散溶解時の作業性を改善するための方法として、
これまでに多くの提案が成されている。例えば、機械
的な方法、粉末を造粒、顆粒化する方法、粉末表面
を被覆する方法、粉末の構成成分を変更する方法、
他の粉末と混合する方法などである。
【0004】機械的な方法としては、例えば、特開平
8−283418号公報で開示されている技術、即ち、
撹拌翼を高速回転させるなどして溶解時のダマ発生を抑
制するか、又は、一度発生したダマを機械力により分散
することが提案されている。しかし、この方法を用いる
には、大きい設備と高エネルギーが必要となり、更に、
高速回転することにより溶解液が発泡し易いなどの欠点
がある。
【0005】造粒、顆粒化する方法としては、微粉末
にバインダーとして各種の結合剤や溶液を加え、微粒子
同士を結合させることで粒径を大きくすることが提案さ
れている。粉末は粒径の小さいほど溶解性は良好である
ものの、粒子の沈降性、湿潤性、分散性が良くなく、造
粒、顆粒化することで、それらの改善、向上を図ること
により、ダマ発生を抑制することができることから、多
くの粉末に応用されている。しかし、この方法を採用す
るには、造粒、顆粒化するための設備、エネルギー、時
間、労力などを多く必要とするとともに、結合剤や溶液
を添加することにより、場合によっては粉末成分が変性
し易いなどの欠点がある。
【0006】粉末表面を被覆する方法としては、例え
ば、特開昭61−134319号公報で開示されている
技術、即ち、単糖、オリゴ糖、糖アルコールなどでダマ
発生を起こして分散性の悪い粉末を被覆することが提案
されている。しかし、この方法を用いるには、対象とす
る粉末が限定され、安定で非常に微細な粉末が必要であ
ったり、液状のものを使うには被覆と乾燥に時間とエネ
ルギーを要したり、被覆した糖質のために粉末同士が固
結したり、更に、固結に伴って保存性や溶解性不良を招
き易いなどの欠点がある。
【0007】粉末の構成成分を変更する方法として
は、例えば、特開平9−275911号公報で開示され
ている技術、即ち、大豆蛋白成分を乾燥して粉末製品を
製造するに際し、低温溶解性に優れ、且つ「ままこ」が
形成されない水分散性、流動性の良好な粉末とするため
に、乾燥前の大豆蛋白成分を含む溶液中の固形分100
重量部に対して、澱粉部分分解物を2乃至40重量部溶
解含有させたのち粉末化することが提案されている。し
かし、この方法を用いるには、処理対象とするものが限
定され、更に、アミノ酸等を含むなど相手によっては、
還元性を持つ澱粉部分分解物との間で化学反応を起こし
易いなどの欠点がある。
【0008】他の粉末と混合する方法としては、例え
ば、特開平11−18698号公報で開示されている技
術、即ち、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の分散
性を改善するために、粒径が149μm篩下のエリスリ
トール結晶粉末、粒径は小さいほど少量で効果があるこ
とから75μm篩下の粒径を持つ結晶粉末を、添加量と
しては5乃至90重量%混合することが提案されてい
る。しかしながら、本発明者等が別途検討したところ、
粒径が53μm以下の小さい粒子を60%以上含有する
粉末同士を混合したものでは、構成成分を違えてもダマ
発生の抑制は困難であることが判明した。加えて、エリ
スリトールは甘味度が比較的高く、エリスリトールを小
さい粒径の粉末までに粉砕する時に乾燥水分を0.05
重量%以下に調整しておく必要があるなどの欠点があ
る。
【0009】これまで述べてきたように、種々の粉末を
溶解する際に、従来技術では多種の粉末に対して適用で
き、安心してダマ発生を抑制して分散性を改善するには
不充分であり、より幅広く適用することのできるダマ発
生を抑制して分散性を改善できる技術の確立が待たれ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶解する際
にダマ発生を起こして分散性の悪い粉末のダマ発生を抑
制して分散性を改善するために、分散性の悪い粉末に対
して固結、着色などの悪影響を与えず、幅広い用途に、
安心して使用できるダマ発生抑制剤を確立することを第
一の課題とし、それを用いたダマ発生を抑制して分散性
を改善する方法を確立することを第二の課題とし、ダマ
発生を抑制して分散性の改善された粉末混合物を提供す
ることを第三の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する目的で、ダマ発生を抑制して粉末の分散性
を改善するとともに、安定な粉末混合物を作成すること
ができ、且つ、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の
構成成分や出来た粉末混合物に対して悪影響を与えない
ことを重点に、糖質の利用、とりわけ、グルコースを構
成糖とする糖質の結晶粉末に着目し、鋭意研究を続けて
きた。
【0012】その結果、グルコースを構成糖とする非還
元性糖質、とりわけ、α,α−トレハロース、ネオトレ
ハロース(α,β−トレハロース)、環状四糖およびシ
クロデキストリンで特定の粒径を持つ結晶粉末を共存含
有させることにより、溶解時のダマ発生を抑制して粉末
の分散性を改善できることを新たに見出し、新規なダマ
発生抑制剤を確立するとともに、それを用いたダマ発生
の抑制方法並びにダマ発生を抑制して分散性の改善され
た粉末混合物を確立することにより、本発明を完成する
に至った。
【0013】即ち、粒径が53μmを越え150μm以
下の粒子を50w/w%(以下、本明細書では、w/w
%を単に%と略記する。)以上含有するとともに、38
μm以下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当
該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶
粉末を主構成成分とするダマ発生抑制剤を確立するとと
もに、当該ダマ発生抑制剤をダマ発生を起こして分散性
の悪い粉末に対して10乃至100%の割合で共存含有
させることによりダマ発生抑制し分散性を改善する方法
を確立し、併せて当該ダマ発生抑制剤を共存含有しダマ
発生を抑制して分散性の改善された粉末混合物を確立し
て本発明を完成させた。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明でいうダマ発生を起こして
分散性の悪い粉末(以下、本明細書では、ダマ発生を起
こして分散性の悪い粉末を単に分散性の悪い粉末と略記
することもある。)には、各種の粉末食品や、調味料、
酸味料、高甘味度甘味料、着色料、着香料、乳化剤、強
化剤、増粘安定剤などの粉末添加剤、更には、無機ある
いは有機の化粧品、医薬品、農薬、工業品などの粉末原
材料などがある。粉末食品としては、例えば、ココア、
小麦粉、米粉、抹茶などの植物粉末、果汁粉末、タンパ
ク質、コーヒー、酵母エキスなどの動植物から抽出した
物を乾燥した粉末、粉末牛乳、粉末卵、及びこれら各種
粉末の混合調製物などが挙げられる。
【0015】本発明のダマ発生を抑制して分散性を改善
するために用いられるダマ発生抑制剤は、粒径が53μ
mを越え150μm以下の粒子を50%以上含有するも
のが好適である。ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末
に共存含有させる粉末の粒径が150μmよりも大き
く、且つ、粉末中に含まれる粒径の大きい粒子の割合が
高くなると、ダマ発生を抑制して分散性を改善する効果
が十分に得られないばかりでなく、ダマ発生を起こして
分散性の悪い粉末との粉末混合物を調製したとき、粒度
および嵩比重の違いから、お互いに分離を起こし易くな
り、ダマ発生を抑制して分散性を改善する効果が益々得
られなくなる。そこで、ダマ発生を抑制して分散性を改
善するために共存含有させる粉末は、粒径が53μmを
越え150μm以下の粒子を50%以上、望ましくは、
60%以上含有する粉末であり、更に望ましくは、粒径
が53μmを越え150μm下の粒子を95%以上含有
する粉末が好適である。
【0016】また、本発明の特徴の一つとして、ダマ発
生抑制剤に含まれる微粉末、とりわけ、粒径が38μm
以下の粒子の混在が、ダマの抑制効果に大きく悪影響す
ることを見出したことである。換言すれば、均質で、粒
径が38μm以下の微細な粒子を多量に含んでいる粉末
は、それ自身がダマを発生しやすい性質を有しているこ
とを見出した。本発明が対象とするダマを起こし易い粉
末の多くがこの中に含まれている。
【0017】従って、本発明のダマ発生抑制剤として
は、先に述べた粒径が53μmを越え150μm以下の
粒子を50%以上含有させるのに加えて、粒径が38μ
m以下の粒子を20%未満、更に望ましくは、15%未
満に減少させる必要がある。これまでに提案された、糖
質粉末を共存含有させることでダマ発生を抑制して分散
性を改善できるというものは、使用する糖質粉末の粒径
に関して、上限のみが規定されており、下限の必要性に
着目したものはなかった。
【0018】上記のように、本発明のダマ発生抑制剤
は、特定の粒径を持ち、且つ、それらの粒子を一定の割
合で含有している粉末であって、しかも、粉末自体が水
系媒体に対して溶解性を有するものが好適である。これ
らの条件を満足するものとしてグルコースを構成糖と
し、且つ、非還元性の糖質が有利に利用できる。
【0019】グルコースを構成糖とする非還元性糖質は
種々のものが知られており、グルコースを唯一の構成糖
とする非還元性ホモオリゴ糖としては、α,α−トレハ
ロース並びにその異性体、末端にα,α−トレハロー
ス、ネオトレハロース構造を有する直鎖オリゴ糖、更に
は、グルコース残基数が4個以上からなる各種の環状オ
リゴ糖が存在する。ダマ発生を抑制して分散性を改善す
るために用いるものとしては、上記の各条件を満足し、
且つ、安価で、大量に入手できるα,α−トレハロー
ス、ネオトレハロース(α、β−トレハロース)、環状
四糖およびシクロデキストリン(以下、本明細書では、
グルコースを構成糖とする非還元性糖質であるα,α−
トレハロース、ネオトレハロース(α、β−トレハロー
ス)、環状四糖およびシクロデキストリンを単に非還元
性糖質と略記することもある。)が好適である。
【0020】以下、当該非還元性糖質について具体的に
説明する。α,α−トレハロースは、グルコースが2
個、α,α−1,1で結合した非還元性の糖質であり、
甘味度は砂糖の約45%と低い。更に、α,α−トレハ
ロース含水結晶は吸湿性が低く、高湿度の中で放置して
も安定である。また、α,α−トレハロース含水結晶
は、脆い性質を有しており、粉砕しやすい特質を有して
いる。含水結晶を粉砕して得られる粉末も、結晶と同様
に、吸湿性は低く、高湿度の中で放置しても安定であ
る。α,α−トレハロース製品としては、現在、高純度
含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標
『トレハ』)が販売されており、必要に応じて、これを
粉砕、分級して本発明で利用することができる。
【0021】ネオトレハロース(α,β−トレハロー
ス)は、α,α−トレハロースの異性体の1種であり、
グルコースが2個、α,β−1,1で結合した非還元性
の糖質であり、甘味度は砂糖の約1/3と低い。更に、
ネオトレハロース含水結晶は吸湿性が低く、高湿度の中
で放置しても安定である。また、結晶を粉砕して得られ
る粉末も、結晶と同様に、吸湿性は低く、高湿度の中で
放置しても安定である。本糖質は、本出願人が特許第3
082094号公報で示した方法によれば、乳糖と澱粉
を原料として、酵素法を用いて容易に製造することがで
きる。市販品としては、試薬が商品名『ネオトレハロー
ス』((株)林原生物化学研究所製造)として販売され
ており、必要に応じて、これを粉砕、分級して本発明で
利用することができる。
【0022】環状四糖は、ゲイル エム ブラッドブル
ク等によって『カーボハイドレートリサーチ』、第32
9巻、655乃至665頁(2000年)に記載されて
いるように、グルコースが4個、α−1,3とα−1,
6結合で、環状に繋がった非還元性の糖質である。本糖
質は、本出願人が特願2000−234937号明細書
で示した方法により、澱粉から酵素糖化法を用いて製造
し、その性質を解明したところ、甘味度は低く、含水結
晶は吸湿性が低く安定であり、必要に応じて、これを粉
砕、分級して本発明で利用することができる。
【0023】シクロデキストリンは、グルコースがα−
1,4結合で環状に繋がった非還元性の糖質であり、甘
味度は低く、含水結晶は吸湿性が低く安定である。主な
ものとしてはα、β、γ−シクロデキストリンがある。
本糖質は、糖転移酵素であるシクロデキストリン グル
カノトランスフェラーゼを作用させることにより、澱粉
から酵素糖化法を用いて製造することができる。市販品
としては、グルコースがそれぞれ6個、7個、8個環状
に繋がった、商品名『α−シクロデキストリン』、『β
−シクロデキストリン』、『γ−シクロデキストリン』
((株)林原生物化学研究所製造)が販売されており、
必要に応じて、これを粉砕、分級して本発明で利用する
ことができる。
【0024】本発明でいう主構成成分であるとは、ダマ
発生抑制剤に対して、グルコースを構成成分とする非還
元性糖質の結晶粉末を90%以上含有することをいう。
具体的には、グルコースを構成成分とする非還元性糖質
の結晶粉末が、実質的に非還元性であって、これを含有
するダマ発生抑制剤と、分散性の悪い粉末との粉末混合
物を作成し保存する際に、得られる粉末混合物が吸湿し
て固結したり、変色したりしない粉末となるものであれ
ばよく、通常、グルコースを構成糖とする非還元性糖質
を90%以上含有する結晶粉末、望ましくは、当該非還
元性糖質を95%以上含有する結晶粉末が好適であり、
他の糖質を含有してもよい。
【0025】また、本発明のダマ発生を抑制して分散性
を改善する効果を損なわない範囲内であれば、グルコー
スを構成成分とする非還元性糖質の結晶粉末以外にも、
必要に応じて、他の糖質粉末や糖質結晶粉末、更には、
流動性促進剤、固結防止剤、強化剤、安定化剤などとし
て、ミネラル、アミノ酸、有機酸塩、ポリフェノール、
シュガーエステルなどを適量、望ましくは、10%未満
の範囲で共存含有させることも随意である。例えば、
α,α−トレハロースを主構成成分とし、これに、例え
ば、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、茶ポリ
フェノール、酵素処理ルチンなどのフラボノイド等を含
有させた後、芥子粉末、わさび粉末、抹茶などに適量混
合し、その分散溶解を容易にするとともに、それらの粉
末の色調、風味を安定に保持させることも有利に実施す
ることができる。
【0026】本発明の非還元性糖質結晶粉末を分散性の
悪い粉末に対して共存含有させる方法としては、一般的
には、分散性の悪い粉末にあらかじめ調製した特定の粒
径を持つ非還元性糖質結晶粉末を混合することにより達
成できる。必要に応じて、分散性の悪い粉末やその粉末
の粉砕前の固形物と非還元性糖質の結晶とを予め混合
し、次いで、粉砕機にかけて粉砕し、非還元性糖質の粒
径が53μmを越え150μm以下の粒子を50%以上
含有するとともに、38μm以下の粒子を20%未満含
有する結晶粉末とすることにより、共存含有させること
もできる。
【0027】混合方法としては、通常の方法、即ち、V
型、水平円筒型、垂直スクリュー型、二重円錐型混合機
等を用いる方法が挙げられる。粉砕方法としては、粉砕
後の粉末の粒径が53μmを越え150μm以下の粒子
を50%以上含有するように、ピンミル、パワーミル、
ハンマーミル、スクリーンミル、振動ボールミル、ジェ
ット粉砕器等を1種又は2種以上を組み合わせて用いる
方法が挙げられる。
【0028】本発明で用いる非還元性糖質の結晶粉末の
共存含有量としては、分散性の悪い粉末重量に対して非
還元性糖質の結晶粉末を、共存比で、10%乃至100
%、望ましくは、20%乃至80%の割合で共存含有さ
せるのが好適である。含有量が少ないとダマ発生を抑制
して分散性を改善する効果が十分に得られず、逆に多く
なり過ぎると、分散性は改善されるものの、非還元性糖
質が持つ特性が粉末混合物を原材料として製造される製
品に強く現れ、例えば、含有させる結晶粉末は糖質であ
るために甘味度が強くなりすぎるなど、場合によっては
不都合なことになる。更に、非還元性糖質の結晶粉末の
含有量が増大するに従って、相対的に粉末混合物中に含
まれる目的成分の含量が減少することから、必要量に見
合う量を確保しようとすれば、一度に溶解する粉末混合
物の量を多くしなければならず、かえって作業効率を悪
くすることにもなる。
【0029】以上述べてきたように、分散性の悪い粉末
に本発明の特定の粉末を持つ非還元性糖質結晶粉末を主
構成成分とするダマ発生抑制剤を共存含有させた本発明
の粉末混合物は、ダマ発生を抑制して分散性の改善され
た性質を有し、溶解性が向上する。本発明を実施するこ
とにより、分散性の悪い粉末を各種製品の原材料に用い
て溶解液を調製するとき、その作業性を改善し、溶解作
業に要する時間を短縮することができる。とりわけ、食
品分野においては、本発明のダマ発生抑制剤は安定な糖
質であり、甘味度も低く、ダマ発生を抑制して分散性を
改善した混合粉末に過剰な甘味を与えることもなく利用
できる。よって、本発明のダマ発生抑制剤は幅広い用途
が期待できる。
【0030】以下に、本発明のダマ発生を抑制して分散
性を改善することによる溶解性の向上効果について、具
体的な実験例を用いて詳しく説明する。
【0031】
【実験1】<ダマ発生を起こし易い粉末の分散溶解時間
に及ぼすα,α−トレハロース結晶粉末の粒度の影響>
ダマ発生を起こし易い粉末の分散溶解時間に及ぼすα,
α−トレハロース結晶粉末の粒度の違いによる影響を検
討するための粉末混合物は、次のようにして調製した。
ダマを発生し分散性の悪い粉末としてポリペプトン〈細
粒〉(日本製薬(株)製)12gと、ポリペプトン重量
に対して25%に相当する、粒度の異なるα,α−トレ
ハロース結晶粉末3gとを200ml容のスチロールサ
ンプル瓶に入れ、30回、約30cmの巾で、手で持っ
て激しく振とうし、均一な粉末混合物を得、これを25
℃の室内で1週間保存した。
【0032】粉末混合物の調製に使用したα,α−トレ
ハロース結晶粉末は、高純度含水結晶トレハロース
((株)林原商事販売、登録商標『トレハ』)をそのま
ま用い、又は、これをピンミルで粉砕して得られた結晶
微粉末をそのまま用い、更には、粉砕して得られた結晶
微粉末を、新JIS規格の300μm、150μm、1
06μm、75μm、53μmおよび38μm目開きの
ふるいを組合わせて使用し、分級し、特定範囲の粒径を
持つ結晶粉末としたものである。試験に使用したα,α
−トレハロース結晶粉末は、新JIS規格の300μ
m、150μm、106μm、75μm、53μmおよ
び38μmの目開きの各ふるいを用いて粒度分布を求め
た。試験は、α,α−トレハロース結晶の微粒子含有量
の多いもの順にNo.1〜No.12とし、対照とし
て、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のものをN
o.13とした。
【0033】溶解性試験は、35mmのスターラー回転
子を入れた100ml容のガラス製トールビーカーに、
40℃のイオン交換水50mlを入れ、池本理化(株)
製スターラー上で、ダイアル”5”で撹拌を行った。こ
の撹拌状態の下、上記の各粉末混合物3.75g(溶解
するポリペプトン重量が3.0gとなるように)および
対照のα,α−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプ
トン3gをそれぞれ計量し、それぞれを一度に投入し、
各粉末混合物が分散し、ダマがなくなって粉末が完全に
溶解するまでに要したそれぞれの時間を測定した。ダマ
発生を抑制して溶解性を改善する効果があると判断した
基準は、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のものに
比べて溶解に要した時間が70%以下に短縮されたとき
とした。溶解性試験の結果は、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、対照の
α,α−トレハロース結晶粉末無含有の試験No.13
のポリペプトンは、完全に分散溶解するまでに445秒
を要した。一方、粒度の異なるα,α−トレハロース結
晶粉末を共存含有するNo.1乃至No.12の粉末混
合物が完全に分散溶解するまでに要した時間は、α,α
−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプンの場合と比
べ、いずれも短縮されたが、その効果はα,α−トレハ
ロース結晶粉末の性状、特に粒度の違いにより大きく異
なっていた。
【0036】ダマ発生を抑制して分散性を改善する効果
が強く、ダマ発生が認められないか、少ししか認められ
ず、完全に溶解するまでに要した時間がα,α−トレハ
ロース結晶粉末無含有のポリペプトンの場合と比べて7
0%以下に短縮された粉末混合物は、高純度含水結晶ト
レハロース『トレハ』を粉砕して得られた比較的大きい
結晶粉末を含有する試験No.6の粉末混合物、並びに
粉砕した結晶粉末を分級して得た、特定範囲の粒径が比
較的大きい粒子を含むα,α−トレハロース結晶粉末を
含有する試験No.5、No.7、No.8、No.9
およびNo.10の粉末混合物であった。
【0037】一方、高純度含水結晶α,α−トレハロー
スを粉砕して得た粒径が比較的小さい結晶粉末を含有す
る試験No.3の粉末混合物、並びに粉砕した結晶粉末
を分級して得た、特定範囲の粒径が比較的小さい粒子を
含むα,α−トレハロース結晶粉末を含有する試験N
o.1、No.2およびNo.4の粉末混合物では、い
ずれの場合も、完全に分散溶解するまでに要する時間
を、α,α−トレハロース結晶粉末無含有のポリペプト
ンの場合と比べて70%以下に短縮させるまでには至ら
なかった。
【0038】更に、未粉砕の高純度含水結晶α,α−ト
レハロースを含有する試験No.12および高純度含水
結晶α,α−トレハロースを粉砕した結晶粉末を分級し
て得た、特定範囲の粒径が大きい粒子を含む、α,α−
トレハロース結晶粉末を含有する試験No.11の粉末
混合物では、いずれの場合も、完全に分散溶解するまで
に要する時間を、α,α−トレハロース結晶粉末無含有
のポリペプトンの場合と比べて70%以下に短縮させる
までには至らなかった。
【0039】以上の試験結果より、ダマ発生を抑制して
分散性を改善し、分散溶解時間の短縮に及ぼす効果が大
きく、完全に溶解するまでに要する時間をα,α−トレ
ハロース結晶粉末無含有のポリペプトンの場合に比べ
て、70%以下に短縮させることができるα,α−トレ
ハロース結晶粉末の粒径およびその含有割合は、53μ
mを越え150μm以下の粒子を50%以上含有すると
ともに、38μm以下の粒子を20%未満含有する結晶
粉末が好適であることが明らかとなり、とりわけ、53
μmを越え150μ以下の粒子を60%以上、更には、
95%以上含有する結晶粉末が好適であった。
【0040】ポリペプトンと微粒子のα,α−トレハロ
ース結晶粉末とを含有する粉末混合物は、構成成分の均
質性を失わせたことから、ダマ発生を抑制して分散性を
改善し、分散溶解時間に及ぼす効果が大きくなるのでは
と期待して試験してみたものの、その効果は意外にも小
さく、完全に溶解するまでに要する時間をα,α−トレ
ハロース結晶粉末無含有の場合に比べて70%以下に短
縮させるに至らなかった。
【0041】
【実験2】<ダマ発生を起こし易い粉末の分散溶解時間
に及ぼす非還元性糖質結晶粉末の混合比の影響>ダマ発
生を起こし易い粉末の分散溶解時間に及ぼす非還元性糖
質結晶粉末の共存比の影響を検討するための粉末混合物
は、実験1に準じて、次のようにして調製した。ダマを
発生して分散性の悪い粉末としてポリペプトン〈細粒〉
(日本製薬(株)製)10gと、ポリペプトン重量に対
して、グルコースを構成糖とする非還元性糖質をそれぞ
れ、1%、5%、10%、20%、60%、80%、1
00%、120%となるように計量し、200ml容の
スチロールサンプル瓶に入れ、30回、約30cmの巾
で、手で持って激しく振とうし、均一な粉末混合物を
得、25℃の室内で1週間保存した。
【0042】粉末混合物の調製に使用したα,α−トレ
ハロース結晶粉末は、実験1で調製し、試験No.10
で使用した粒径が53μmを越え150μm以下の粒子
を100%含有するα,α−トレハロース結晶粉末を用
いた。ネオトレハロース結晶粉末およびα−シクロデキ
ストリン結晶粉末は市販の商品名『ネオトレハロー
ス』、『α−シクロデキストリン』(いずれも(株)林
原生物化学研究所製造)を粉砕、分級して調製した粒径
が53μmを越え150μm以下の粒子を100%含有
するものを用いた。環状四糖結晶粉末は同じ出願人によ
る特願2001−234937号明細書に記載した実施
例A−3およびA−5の方法に準じて澱粉から調製した
環状四糖の結晶(純度99.5%)を粉砕、分級して調
製した粒径が53μmを越え150μm以下の粒子を1
00%含有するものを用いた。各種の粉末混合物の溶解
性試験は、実験1と同様に、溶解するポリペプトン重量
が3.0gとなるように行い、結果は表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果から明らかなように、非還元性
糖質結晶粉末無含有の試験No.33のポリペプトン
は、完全に分散溶解するまでに445秒を要した。一
方、α,α−トレハロース結晶粉末を含有する試験N
o.1乃至No.8の粉末混合物、ネオトレハロース結
晶粉末を含有する試験No.9乃至No.16の粉末混
合物、環状四糖結晶粉末を含有する試験No.17乃至
No.24の粉末混合物、及びα−シクロデキストリン
結晶粉末を含有する試験No.25乃至No.32の粉
末混合物のいずれも、完全に分散溶解するまでに要した
時間は、非還元性糖質結晶粉末無含有のポリペプトンの
場合と比べていずれも短縮された。しかしながら、その
効果は非還元性糖質結晶粉末の共存含有量により異な
り、共存比が低いと粉末混合物の溶解性の改善効果は小
さく、完全に分散溶解するまでに要した時間は、非還元
性糖質結晶粉末無含有のポリペプトンの場合と比べて、
あまり短縮できなかった。即ち、試験No.1およびN
o.2の共存比が5%以下のα,α−トレハロース結晶
粉末を含有する粉末混合物、試験No.9およびNo.
10の共存比が5%以下のネオトレハロース結晶粉末を
含有する粉末混合物、試験No.17およびNo.18
の共存比が5%以下の環状四糖結晶粉末を含有する粉末
混合物、並びに試験No.25およびNo.26の共存
比が5%以下のα−シクロデキストリン結晶粉末を含有
する各粉末混合物では、完全に分散溶解するまでに要し
た時間を、非還元性糖質結晶粉末無含有のポリペプトン
の場合と比べて、共存70%以下に短縮させるまでには
至らなかった。試験No.3乃至No.8の共存比が1
0%以上のα,α−トレハロース結晶粉末を含有する粉
末混合物、試験No.11乃至No.16の共存比が1
0%以上のネオトレハロース結晶粉末を含有する粉末混
合物、試験No.19乃至No.24の共存比が10%
以上の環状四糖結晶粉末を含有する粉末混合物、試験N
o.27乃至No.32の共存比が10%以上のα−シ
クロデキストリン結晶粉末を含有する粉末混合物では、
溶解性の改善効果が大きくなり、完全に分散溶解するま
でに要した時間は、非還元性糖質の結晶粉末無含有のポ
リペプトンの場合と比べて70%以下に短縮され、とり
わけ、これらの非還元性糖質を共存比20%以上にした
ものは、50%以下と大幅に短縮された。
【0045】一方、試験No.8、試験No.16、試
験No.24、並びに試験No.32の非還元性糖質結
晶粉末の共存比が120%となると改善効果自体は大き
いものの、非還元性糖質結晶粉末の共存含有量の増加に
対する、分散溶解に要する時間の短縮幅は非常に小さ
く、より多く含有させることによる効果の向上はほとん
ど見られなかった。
【0046】この試験結果より、分散溶解時間に及ぼす
効果が大きく、完全に溶解するまでに要する時間を、非
還元性糖質無含有のポリペプトンの場合に比べて、70
%以下に短縮させることができる非還元性糖質結晶粉末
の必要な共存比は10%以上であり、50%以下に短縮
させることができる非還元性糖質結晶粉末の必要な共存
比は、20%以上であり、100%までが効果的である
ことが明らかとなった。
【0047】また、試験した4種の非還元性糖質の中で
は、α,α−トレハロース結晶粉末が最も分散溶解時間
に及ぼす効果が大きく、α−シクロデキストリン結晶粉
末の効果が最も小さかった。
【0048】以上の実験結果から、本発明を応用するこ
とで、ダマ発生が抑制され、分散性が改善された粉末混
合物を容易に調製することができ、これまで分散性の悪
い粉末の溶解に要していた作業時間を大幅に短縮するこ
とができ、産業上も価値のあるものといえる。
【0049】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
【0050】
【実施例A−1】<ダマ発生抑制剤>高純度含水結晶ト
レハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレ
ハ』)をピンミルを使用して粉砕し、粒径が38μm以
下を5%、38を越えて53μm以下を13%、53μ
mを越えて150μm以下を75%、150μmを越え
る粒子を7%含有するダマ発生抑制剤を調製した。
【0051】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
α,α−トレハロースを含有することから、粉末食品の
ための固結防止、風味改善剤などとしても有利に利用で
きる。
【0052】
【実施例A−2】<ダマ発生抑制剤>高純度含水結晶ト
レハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレ
ハ』)をピンミルを使用して粉砕し、53μmと150
μmの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μm
を越えて150μm以下の粒子を100%含有するダマ
発生抑制剤を調製した。
【0053】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
【0054】
【実施例A−3】<ダマ発生抑制剤>実施例A−2で調
製したα,α−トレハロース結晶粉末24重量部に対し
て市販の乳酸カルシウム(白石カルシウム(株)販売、
商品名『エルカル』)1重量部含有させた炭酸カルシウ
ムを含有するダマ発生抑制剤を調製した。
【0055】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、カルシウムを含むことからミネラル強化剤、色調安
定剤、pH調整剤などとしても有利に利用できる。
【0056】
【実施例A−4】<ダマ発生抑制剤>実施例A−2で調
製したα,α−トレハロース結晶粉末98重量部に対し
て市販の茶ポリフェノール(三井農林(株)販売、商品
名『ポリフェノン』)1重量部および糖転移ルチン(東
洋精糖(株)販売、商品名『αGルチン』)1重量部を
含有するダマ発生抑制剤を調製した。
【0057】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、ポリフェノール、糖転移ルチンを含むことから鮮度
保持剤、色調安定剤などとしても有利に利用できる。
【0058】
【実施例A−5】<ダマ発生抑制剤>市販の商品名『ネ
オトレハロース』((株)林原生物化学研究所製造)を
パワーミルおよびピンミルを使用して粉砕し、53μm
と150μmの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が
53μmを越えて150μm以下の粒子を100%含有
するダマ発生抑制剤を調製した。
【0059】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
【0060】
【実施例A−6】<ダマ発生抑制剤>環状四糖結晶粉末
は同じ出願人による特願2000−234937号明細
書に記載した実施例A−3およびA−5の方法に準じて
澱粉から調製した環状四糖の結晶(純度99.5%)を
ピンミルを使用して粉砕し、53μmと150μmの目
開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μmを越えて
150μm以下の粒子を100%含有するするダマ発生
抑制剤を調製した。
【0061】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
【0062】
【実施例A−7】<ダマ発生抑制剤>実施例A−2で調
製したα,α−トレハロース結晶粉末1重量部に対して
実施例A−6で調製した環状四糖結晶粉末1重量部含有
させたα,α−トレハロース結晶粉末と環状四糖結晶粉
末とを等量含有するダマ発生抑制剤を調製した。
【0063】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。
【0064】
【実施例A−8】<ダマ発生抑制剤>市販の商品名『α
−シクロデキストリン』((株)林原生物化学研究所製
造)をピンミルを使用して粉砕し、53μmと150μ
mの目開きのふるいを用いて分級し、粒径が53μmを
越えて150μm以下の粒子を100%含有するダマ発
生抑制剤を調製した。
【0065】本品は、ダマ発生を起こし易い粉末に10
%以上、望ましくは20%以上100%以下の範囲で共
存含有させることにより、ダマ発生を抑制して分散溶解
に要する時間を短縮することができる。また、本品は、
実施例A−1と同様に、粉末食品のための固結防止、風
味改善剤などとしても有利に利用できる。更に、本品
は、α−シクロデキストリンを含むことから不安定な物
質の安定化剤、保持剤などとしても有利に利用できる。
【0066】
【実施例B−1】<乳化剤粉末混合物>市販の乳化剤
(シュガーエステルS−1670)(三菱化学フーズ
(株)製)2重量部と、実施例A−1で調製したダマ発
生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0067】本粉末混合物は、吸湿性がなく、水に溶解
するときにダマ発生がなく、乳化剤を短時間で分散溶解
することができる。本品は、各種の加工食品を製造する
ときの乳化剤等として利用するのに好適である。
【0068】
【実施例B−2】<乳化剤粉末混合物>市販の乳化剤
(シュガーエステルS−1670)(三菱化学フーズ
(株)製)5重量部と、実施例A−5で調製したダマ発
生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0069】本粉末混合物は、吸湿性がなく、水に溶解
するときにダマ発生がなく、乳化剤を短時間で分散溶解
することができる。本品は、各種の加工食品を製造する
ときの乳化剤等として利用するのに好適である。
【0070】
【実施例B−3】<小麦粉粉末混合物>市販の小麦粉5
重量部と、実施例A−2で調製したダマ発生抑制剤1重
量部を万能混合機60DM−rrs(三英製作所製)に
入れ、3分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0071】本粉末混合物は、吸湿性、着色性がなく、
小麦粉が持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダ
マ発生がなく、小麦粉を短時間で分散することができ
る。本品は、麺類、ケーキ類、菓子類など各種食品の原
材料等として利用するのに好適である。
【0072】
【実施例B−4】<酵母エキス粉末混合物>市販の酵母
エキス(アサヒビール食品(株)製、ミーストS)4重
量部と、実施例A−6で調製したダマ発生抑制剤1重量
部を万能混合機5DM−R(三英製作所製)に入れ、3
分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0073】本粉末混合物は、着色性がなく、酵母エキ
スが持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発
生が少なく、酵母エキスを短時間で分散溶解することが
できる。本品は、たれ、つゆ、菓子類を始めとする各種
食品の原材料等として利用するのに好適である。
【0074】
【実施例B−5】<はったい粉粉末混合物>大麦を煎っ
た後パワーミル及びピンミルを用いて粉砕して調製した
はったい粉3重量部と、実施例A−8で調製したダマ発
生抑制剤2重量部を万能混合機5DM−R(三英製作所
製)に入れ、1分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0075】本粉末混合物は、吸湿性がなく、はったい
粉が持つ本来の風味を有し、水に溶解するとき、ダマ発
生がなく、はったい粉を短時間で分散することができ
る。本品は、そのまま熱湯に溶いて食することも、更に
は、和菓子などの原材料として利用するのにも好適であ
る。
【0076】
【実施例B−6】<プルラン粉末混合物>市販のプルラ
ン((株)林原商事販売、商品名『プルランPF−20
微粉』)2重量部と、実施例A−1で調製したダマ発生
抑制剤1重量部を万能混合機60DM−rrs(三英製
作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を調製し
た。
【0077】本粉末混合物は、吸湿性がなく、水に溶解
するときにダマ発生が少なく、プルランを短時間で分散
溶解することができる。本品は、粘性を必要とする調味
料などの食品や化粧品、医薬品などの原材料として利用
するのに好適である。
【0078】
【実施例B−7】<脱脂粉乳粉末混合物>市販の脱脂粉
乳(雪印乳業(株)販売)3重量部と、実施例A−2で
調製したダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−
R(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物
を調製した。
【0079】本粉末混合物は、着色性がなく、脱脂粉乳
が持つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発生
がなく、脱脂粉乳を短時間で分散溶解することができ
る。本品は、加工乳、発酵乳、ヨーグルト、練乳、菓子
類を始めとする各種食品の原材料等として利用するのに
好適である。
【0080】
【実施例B−8】<芥子粉末混合物>市販の芥子粉末
(SB食品(株)販売)9重量部と、実施例A−4で調
製したダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R
(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を
調製した。
【0081】本粉末混合物は、吸湿性がなく、芥子が持
つ本来の風味を有し、水に溶解するときにダマ発生がな
く、芥子粉末を短時間で分散することができ、更に、α
−シクロデキストリンの効果により芥子の香りの保持時
間が延長される。本品は、練り芥子として料理に、更
に、惣菜類を始めとする各種食品の原材料等として利用
するのに好適である。
【0082】
【実施例B−9】<昆布粉末混合物>市販の乾燥昆布を
パワーミルを用いて粉砕して調製した昆布粉末1重量部
と、実施例A−7で調製したダマ発生抑制剤1重量部昆
布粉末を万能混合機5DM−R(三英製作所製)に入
れ、2分間混合し、粉末混合物を調製した。
【0083】本粉末混合物は、吸湿性がなく、昆布が持
つ本来の風味を有し、温水に溶解するとき、ダマ発生が
なく、昆布粉末を短時間で分散することができる。本品
は、昆布茶として飲料に、更に、調味料や和洋菓子など
の原材料として利用するのに好適である。
【0084】
【実施例B−10】<抹茶粉末混合物>市販の抹茶粉末
(三井農林(株)販売)8重量部と、実施例A−3で調
製したダマ発生抑制剤2重量部を万能混合機5DM−R
(三英製作所製)に入れ、2分間混合し、粉末混合物を
調製した。
【0085】本粉末混合物は、吸湿性がなく、水に溶解
するときにダマ発生がなく、抹茶を短時間で分散するこ
とができ、更に、本品はα,α−トレハロースおよびカ
ルシウムの効果により抹茶本来の色調、風味がよく保持
される。また、本粉末混合物は、抹茶として飲料に、更
に、アイスクリーム、カキ氷、各種洋和菓子類、麺類を
始めとする各種食品の原材料等として抹茶本来の色調、
風味付けに利用するのに好適である。
【0086】
【実施例B−11】<炭酸カルシウム粉末混合物>市販
の炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)販売)、商品
名『コロカルソ』9重量部と、実施例A−1で調製した
ダマ発生抑制剤1重量部を万能混合機5DM−R(三英
製作所製)に入れ、3分間混合し、粉末混合物を調製し
た。
【0087】本粉末混合物は、吸湿性がなく、水に溶解
するときにダマ発生がなく、炭酸カルシウムを短時間で
分散することができる。本品は、栄養強化剤として各種
食品への強化剤、水質の硬度剤、制酸剤などとして利用
するのに好適である。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末の分散
性を容易に改善し、溶解性を向上することができる。そ
れを解決するための方法としては、ダマ発生を起こして
分散性の悪い粉末に対して、粒径が53μmを越え15
0μm以下の粒子を50%以上含有するとともに、38
μm以下の粒子を20%未満含有する粉末で、且つ、当
該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質結晶粉
末を主構成成分とするダマ発生抑制剤を確立し、これ
を、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末重量に対し
て、共存比で10%乃至100%共存含有させることに
より、溶解時の分散性を改善した粉末混合物とすること
で、簡単で、安価にダマ発生を抑制して分散性が優れ、
吸湿性、着色性のない粉末混合物を製造することができ
る。しかも、ここで使用する非還元性糖質は低甘味であ
り、吸湿性が低いなど安定なことから、ダマ発生を起こ
して分散性の悪い粉末に対して悪影響を与えることも少
ない。
【0089】従って、本発明の確立は、ダマ発生を起こ
して分散性の悪い粉末に対する悪影響を懸念することな
く、分散性の改善された粉末混合物を容易に製造できる
ことから、本発明の方法を応用できる範囲は広く、食
品、化粧品、医薬品、化学品などの業界を初めとする産
業界に与える工業的意義は極めて大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が53μmを越え150μm以下の
    粒子を50w/w%以上含有するとともに、38μm以
    下の粒子を20w/w%未満含有する粉末で、且つ、当
    該粉末がグルコースを構成糖とする非還元性糖質の結晶
    を主構成成分とすることを特徴とするダマ発生抑制剤。
  2. 【請求項2】 粒径が53μmを越え150μm以下の
    粒子を60w/w%以上含有することを特徴とする請求
    項1記載のダマ発生抑制剤。
  3. 【請求項3】 グルコースを構成糖とする非還元性糖質
    が、α,α−トレハロース、ネオトレハロース(α,β
    −トレハロース)、環状四糖およびシクロデキストリン
    から選ばれる1種又は2種以上の糖質であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のダマ発生抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のダマ
    発生抑制剤を、ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末に
    対して、10乃至100w/w%の割合で共存含有させ
    ることを特徴とするダマ発生抑制方法。
  5. 【請求項5】 ダマ発生を起こして分散性の悪い粉末
    に、請求項1乃至3のいずれかに記載のダマ発生抑制剤
    を、請求項4記載の方法で共存含有させ、得られるダマ
    発生を抑制して分散性が改善された粉末混合物。
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