JP2003086803A - 薄膜半導体素子の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体素子の製造方法

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JP2003086803A
JP2003086803A JP2001271463A JP2001271463A JP2003086803A JP 2003086803 A JP2003086803 A JP 2003086803A JP 2001271463 A JP2001271463 A JP 2001271463A JP 2001271463 A JP2001271463 A JP 2001271463A JP 2003086803 A JP2003086803 A JP 2003086803A
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thin film
insulating film
manufacturing
metal
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JP2001271463A
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Hiroo Maenaka
博雄 前中
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜の
絶縁耐圧の低下を防止し、且つ、製造工程数を少なくす
る。 【解決手段】 絶縁基板21の上面にCr等からなる金
属膜31を成膜する。次に、アルカリ溶液処理を施し、
金属膜31の表面状態を改善する。次に、金属膜31を
パターニングすると、ゲート電極22が形成される。次
に、その上面全体に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜
23を成膜する。この場合、ゲート電極22の表面状態
は改善されているので、ゲート電極22の表面状態に起
因するゲート絶縁膜23の絶縁耐圧の低下を防止するこ
とができる。この結果、ゲート電極22の表面に陽極酸
化膜を形成して、ゲート絶縁膜23の絶縁耐圧の低下を
防止する場合と比較して、製造工程数を少なくすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タ等の薄膜半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体素子の1つとして、薄膜トラ
ンジスタが知られている。図10は従来の薄膜トランジ
スタの一例の断面図を示したものである。この薄膜トラ
ンジスタでは、ガラス等からなる絶縁基板1の上面にC
rからなるゲート電極2を含むゲート配線(図示せず)
が形成されている。ゲート電極2を含むゲート配線の表
面には陽極酸化膜3が形成され、その上面全体には窒化
シリコンからなるゲート絶縁膜4が形成されている。こ
の場合、陽極酸化膜3は、ゲート電極2を含むゲート配
線の表面状態に起因するゲート絶縁膜4の絶縁耐圧の低
下を防止するためのものである。
【0003】ゲート電極2上におけるゲート絶縁膜4の
上面の所定の箇所には真性アモルファスシリコンからな
る半導体薄膜5が形成されている。半導体薄膜5の上面
ほぼ中央部には窒化シリコンからなるチャネル保護膜6
が形成されている。チャネル保護膜6の上面両側および
その両側における半導体薄膜5の上面にはn型アモルフ
ァスシリコンからなるオーミックコンタクト層7、8が
形成されている。オーミックコンタクト層7、8の各上
面およびゲート絶縁膜4の上面の各所定の箇所にはAl
やCr等からなるソース電極9およびドレイン電極10
が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
ような薄膜トランジスタでは、ゲート絶縁膜4の絶縁耐
圧の低下を防止するために、ゲート電極2を含むゲート
配線の表面に陽極酸化膜3を形成しているので、陽極酸
化処理を行うこととなる。しかしながら、例えば、ゲー
ト配線の一端部に接続された接続パッドの表面に陽極酸
化膜を形成しないというように、局部的に陽極酸化膜を
形成しない場合には、この陽極酸化膜を形成しない部分
をフォトレジスト膜で覆い、この状態で陽極酸化処理を
行うことになるので、フォトレジスト膜形成工程、その
パターン工程およびその剥離工程が必要となり、製造工
程数が多くなってしまうという問題があった。この発明
の課題は、ゲート絶縁膜等の絶縁膜の絶縁耐圧の低下を
防止し、且つ、製造工程数を少なくすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板上に金属膜を成膜し、前記金属膜の表面に表面
状態改善処理を施し、前記金属膜をパターニングして金
属パターンを形成し、前記金属パターンを含む前記基板
上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上に半導体薄膜を形成
することを特徴とするものである。請求項2に記載の発
明は、請求項1に記載の発明において、前記表面状態改
善処理は前記金属膜の表面にアルカリ溶液処理を施すこ
とにより行うことを特徴とするものである。請求項3に
記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記絶
縁膜は、純水を用いた接触角が前記金属膜の成膜直後、
または金属パターン形成直後とほぼ同じ値の状態で形成
することを特徴とするものである。請求項4に記載の発
明は、請求項1に記載の発明において、前記絶縁膜は、
純水を用いた接触角が10゜未満の状態で形成すること
を特徴とするものである。請求項5に記載の発明は、請
求項1に記載の発明において、前記金属膜はCr、T
a、Ti、Mo、Cuのいずれかにより成膜することを
特徴とするものである。請求項6に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、前記金属パターンはゲート
電極を含む配線であることを特徴とするものである。請
求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明におい
て、前記絶縁膜はゲート絶縁膜であることを特徴とする
ものである。請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記絶縁膜は窒化シリコンからなるこ
とを特徴とするものである。請求項9に記載の発明は、
請求項1に記載の発明において、前記絶縁膜の膜厚は4
000Å程度であることを特徴とするものである。請求
項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明におい
て、前記絶縁膜の膜厚は2500Å程度であることを特
徴とするものである。請求項11に記載の発明は、請求
項1記載の発明において、前記半導体素子は薄膜トラン
ジスタであることを特徴とするものである。請求項12
に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記
半導体素子はフォトセンサであることを特徴とするもの
である。そして、この発明によれば、基板上に成膜され
た金属膜の表面に表面状態改善処理を施しているので、
その後に、金属膜をパターニングしてなる金属パターン
を含む基板上に絶縁膜を形成しても、金属パターンの表
面状態に起因する絶縁膜の絶縁耐圧の低下を防止するこ
とができ、従って従来のフォトレジスト膜形成等のフォ
トリソグラフィ工程を含む陽極酸化処理工程が不要とな
り、製造工程数を少なくすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施形態にお
ける製造方法により製造された薄膜トランジスタの断面
図を示したものである。この薄膜トランジスタでは、ガ
ラス等からなる絶縁基板21の上面にCr、Ta、T
i、Mo、Cu等からなるゲート電極22を含むゲート
配線(図示せず)が形成され、その上面全体に窒化シリ
コンからなるゲート絶縁膜23が形成されている。
【0007】この場合、ゲート電極22を含むゲート配
線の表面には陽極酸化膜は形成されていない。ただし、
後で説明するように、ゲート絶縁膜23を形成する前
に、ゲート電極22を含むゲート配線の表面に表面状態
改善処理が施されており、これによりゲート電極22を
含むゲート配線の表面状態に起因するゲート絶縁膜23
の絶縁耐圧の低下が防止されている。
【0008】ゲート電極22上におけるゲート絶縁膜2
3の上面の所定の箇所には真性アモルファスシリコンか
らなる半導体薄膜24が形成されている。半導体薄膜2
4の上面ほぼ中央部には窒化シリコンからなるチャネル
保護膜25が形成されている。チャネル保護膜25の上
面両側およびその両側における半導体薄膜24の上面に
はn型アモルファスシリコンからなるオーミックコンタ
クト層26、27が形成されている。オーミックコンタ
クト層26、27の各上面およびゲート絶縁膜23の上
面の各所定の箇所にはAlやCr等からなるソース電極
28およびドレイン電極29が形成されている。
【0009】次に、図1に示す薄膜トランジスタの製造
方法について、図2を参照して説明する。まず、図2
(A)に示すように、ガラス等からなる絶縁基板21の
上面にCr、Ta、Ti、Mo、Cu等からなる金属膜
31を成膜する。次に、金属膜31の表面にアルカリ溶
液処理を施し、金属膜31の表面状態を改善する。すな
わち、金属膜31の表面状態は、後で説明するように、
成膜後から時間の経過に伴い悪化するが、アルカリ溶液
処理を施すと、成膜直後の状態に戻され、その後時間が
経過してもほとんど変化しない。
【0010】次に、金属膜31をエッチングしてパター
ニングすると、図2(B)に示すように、ゲート電極2
2を含むゲート配線(図示せず)が形成される。次に、
その上面全体に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜2
3、真性アモルファスシリコン膜32および窒化シリコ
ン膜を連続して成膜し、次いで窒化シリコン膜をエッチ
ングしてパターニングし、チャネル保護膜25を形成す
る。次に、その上面全体にn型アモルファスシリコン膜
33を成膜する。
【0011】次に、n型アモルファスシリコン膜33お
よび真性アモルファスシリコン膜32をエッチングして
パターニングすると、図2(C)に示すように、半導体
薄膜24およびオーミックコンタクト層26、27が形
成される。次に、その上面全体にAlやCr等からなる
金属膜34を成膜する。次に、金属膜34をエッチング
してパターニングすると、図1に示すように、ソース電
極28およびドレイン電極29が形成される。
【0012】このように、この薄膜トランジスタの製造
方法では、絶縁基板21上に成膜された金属膜31の表
面にアルカリ溶液処理を施してその表面状態を改善して
いるので、その後に、金属膜31をパターニングしてな
るゲート電極22等を含む絶縁基板21上にゲート絶縁
膜23を形成しても、ゲート電極22等の表面状態に起
因するゲート絶縁膜23の絶縁耐圧の低下を防止するこ
とができる。従って、従来のフォトレジスト膜形成等の
フォトリソグラフィ工程を含む陽極酸化処理工程が不要
となり、製造工程数を少なくすることができる。
【0013】次に、上記表面状態改善処理の実験結果に
ついて説明する。まず、図2(A)を参照して説明する
と、ガラス基板21の上面にCrからなる金属膜31を
成膜しただけのもの、すなわち、アルカリ溶液処理を施
さないものを用意した。そして、金属膜31の表面状態
の成膜後の経時変化を当該表面に対する純水の接触角と
して調べたところ、図3に示す結果が得られた。
【0014】この図3から明らかなように、金属膜31
の表面に対する純水の接触角は、成膜直後から急激に上
昇し、成膜から約25時間経過した後において60°程
度の付近で収束する。従って、アルカリ溶液処理を施さ
ない場合には、金属膜31の表面状態は、成膜直後から
急激に悪化し、成膜後から約25時間経過した後におい
てある悪化状態に収束する。
【0015】そこで、次に、図2(A)を参照して説明
すると、ガラス基板21の上面にCrからなる金属膜3
1を成膜し、この成膜から25時間経過した後に、金属
膜31の表面にアルカリ溶液処理を施したものを用意し
た。アルカリ溶液処理は、試料をアルカノールアミン1
0〜20%、グライコールエーテル30〜40%および
純水40〜50%の溶液中(温度28℃)に100秒程
度浸漬する方法で行った。こようなアルカリ溶液処理を
行うと、金属膜31表面の異物および自然酸化膜が除去
される。図4は、アルカリ溶液処理後の金属膜31の表
面状態を示すもので、処理後の経過時間と純水を用いた
接触角(゜)との関係を示す。
【0016】この図4から明らかなように、金属膜31
の表面に対する純水の接触角は、約5°程度の成膜直後
の状態に戻され、その後時間が経過してもほとんど変化
しない。アルカリ溶液処理後は、時間が経過しても接触
角が変化せず、良好な状態を維持しているのは、金属膜
31表面に亜酸化膜が形成されている為と推測される。
このように、アルカリ溶液処理を施した場合には、金属
膜31の表面状態は、成膜直後の状態に戻され、その後
時間が経過してもほとんど変化せず、改善されているこ
とが分かる。
【0017】次に、上記表面状態改善処理を施した薄膜
トランジスタの絶縁破壊試験結果について説明する。ま
ず、図2(A)を参照して説明すると、ガラス基板21
の上面にCrからなる金属膜31を成膜し、この成膜か
ら25時間経過した後に、アルカリ溶液処理を施し、次
いで図2(B)を参照して説明すると、窒化シリコンか
らなるゲート絶縁膜23を膜厚4000Å程度に成膜
し、以下、上記製造工程を経て製造した薄膜トランジス
タ(以下、本発明薄膜トランジスタという。)を用意し
た。
【0018】また、比較のために、ガラス基板21の上
面にCrからなる金属膜31を成膜し、この成膜から2
5時間経過した後に、アルカリ溶液処理を施さずに、窒
化シリコンからなるゲート絶縁膜23を膜厚4000Å
程度に成膜し、以下、上記製造工程を経て製造した薄膜
トランジスタ(以下、比較薄膜トランジスタという。)
を用意した。
【0019】そして、本発明薄膜トランジスタの絶縁破
壊試験を行ったところ、図5に示す結果(ヒストグラ
ム)が得られ、比較薄膜トランジスタの絶縁破壊試験を
行ったところ、図6に示す結果が得られた。ただし、図
5および図6において、横軸は電界強度(MV/cm)
を表し、縦軸は頻度(%)を表している。
【0020】さて、図6に示す比較薄膜トランジスタの
場合には、電界強度0.5MV/cm)以下において、
絶縁破壊の発生頻度は約5%である。これに対し、図5
に示す本発明薄膜トランジスタの場合には、電界強度
0.5MV/cm)以下において、絶縁破壊の発生は確
認されなかった。従って、本発明薄膜トランジスタの場
合には、アルカリ溶液処理により、ゲート絶縁膜23の
絶縁破壊が抑制されていることが分かる。
【0021】次に、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜
23の膜厚を2500Å程度として、上記と同様の絶縁
破壊試験を行ったところ、本発明薄膜トランジスタの場
合には、図7に示す結果が得られ、比較薄膜トランジス
タの場合には、図8に示す結果が得られた。
【0022】さて、図8に示す比較薄膜トランジスタの
場合には、電界強度0.5MV/cm以下において、絶
縁破壊の発生頻度は約10%である。これに対し、図7
に示す本発明薄膜トランジスタの場合には、電界強度
0.5MV/cm以下において、絶縁破壊の発生は確認
されなかった。従って、本発明薄膜トランジスタの場合
には、ゲート絶縁膜23をある程度薄膜化しても、アル
カリ溶液処理により、ゲート絶縁膜23の絶縁破壊が抑
制されていることが分かる。
【0023】なお、図3に示すアルカリ溶液処理を施さ
ない場合には、金属膜31を成膜して0.5時間経過後
には、純水を用いた接触角は10゜以上となっている
が、一旦、アルカリ溶液処理を施した場合には、図4に
示すように、純水を用いた接触角は10゜未満を維持す
るので、このように、純水を用いた接触角が10゜未満
の状態で、絶縁膜を形成するようにしても本発明の効果
を得ることができる。
【0024】ところで、比較薄膜トランジスタの電界強
度0.5MV/cm以下における絶縁破壊の発生頻度
は、図6に示すもの(ゲート絶縁膜23の膜厚4000
Å程度)の場合には約5%であるのに対し、図8に示す
もの(ゲート絶縁膜23の膜厚2500Å程度)の場合
には約10%とその約2倍である。一方、本発明薄膜ト
ランジスタの場合には、ゲート絶縁膜23の膜厚に関係
なく、電界強度0.5MV/cm)以下における絶縁破
壊の発生は確認されなかったのであるから、絶縁破壊抑
制効果はゲート絶縁膜23の膜厚が薄いときほど顕著で
あるといえる。
【0025】なお、上記において、純水による接触角は
Crの場合、約5゜であるが、この接触角は、材質によ
り相違するものであり、要は、アルカリ溶液処理によ
り、金属膜の成膜直後またはパターン形成直後と接触角
がほぼ同じとなるような表面状態に改善した上、絶縁膜
を形成すればよい。また、上記実施形態では、金属膜を
基板上に直接金属膜を成膜するものであるが、これに限
らず、基板上に絶縁膜や金属膜等の下地膜または中間膜
を形成し、該下地膜上または中間膜上に金属膜を形成す
る場合にも適用可能である。すなわち、本発明にいう基
板上とは、直接および間接を問わず、基板の上方を意味
するものである。
【0026】また、上記実施形態では、この発明を逆ス
タガー型の薄膜トランジスタに適用した場合について説
明したが、これに限らず、ダブルゲート型の薄膜トラン
ジスタや薄膜トランジスタ以外の薄膜半導体素子にも適
用することができる。
【0027】次に、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ
の一例を、図9を参照して説明する。ガラス基板41の
上面にはCr等の遮光性金属からなるボトムゲート電極
42を含むボトムゲート配線(図示せず)が形成され、
その上面全体には窒化シリコンからなるボトムゲート絶
縁膜43が形成されている。この場合、ボトムゲート電
極42を含むボトムゲート配線の表面状態は、アルカリ
溶液処理により、改善されている。従って、ボトムゲー
ト電極42を含むボトムゲート配線の表面状態に起因す
るボトムゲート絶縁膜43の絶縁耐圧の低下が防止され
ている。
【0028】ボトムゲート電極42上におけるボトムゲ
ート絶縁膜43の上面の所定の箇所には真性アモルファ
スシリコンからなる半導体薄膜44が形成されている。
半導体薄膜44の上面ほぼ中央部には窒化シリコンから
なるチャネル保護膜45が形成されている。チャネル保
護膜45の上面両側およびその両側における半導体薄膜
44の上面にはn型アモルファスシリコンからなるオー
ミックコンタクト層46、47が形成されている。オー
ミックコンタクト層46、47の各上面およびゲート絶
縁膜43の上面の各所定の箇所にはAlやCr等からな
るソース電極48およびドレイン電極49が形成されて
いる。
【0029】その上面全体には窒化シリコンからなるト
ップゲート絶縁膜50が形成されている。半導体薄膜4
4上におけるトップゲート絶縁膜50の上面の所定の箇
所にはITO等の透明な金属からなるトップゲート電極
51を含むトップゲート配線(図示せず)が形成されて
いる。その上面全体には窒化シリコンからなるオーバー
コート膜52が形成されている。
【0030】そして、このダブルゲート型の薄膜トラン
ジスタでは、ボトムゲート電極42、ボトムゲート絶縁
膜43、半導体薄膜44、ソース電極48、ドレイン電
極49等によってボトムゲート型薄膜トランジスタが構
成され、トップゲート電極51、トップゲート絶縁膜5
0、半導体薄膜44、ソース電極48、ドレイン電極4
9等によってトップゲート型薄膜トランジスタが構成さ
れている。
【0031】次に、このダブルゲート型の薄膜トランジ
スタを、一例として、指紋を読み取るためのフォトセン
サ(光電変換薄膜トランジスタ)として使用する場合に
ついて説明する。まず、前提として、ガラス基板41上
には多数のダブルゲート型の薄膜トランジスタが2次元
的に配置され、ガラス基板1の下面側に平面型光源(図
示せず)が配置されている。
【0032】さて、ソース電極48とドレイン電極49
との間に正電圧(例えば+5V)が印加された状態にお
いて、ボトムゲート電極42に正電圧(例えば+10
V)が印加されると、半導体薄膜44にチャネルが形成
され、ドレイン電流が流れる。この状態で、トップゲー
ト電極51にボトムゲート電極42の電界によるチャネ
ルを消滅させるレベルの負電圧(例えば−20V)が印
加されると、トップゲート電極51からの電界がボトム
ゲート電極42の電界によるチャネル形成に対してそれ
を妨げる方向に働き、チャネルがピンチオフされる。
【0033】一方、平面型光源の上面から出射された光
がガラス基板41、オーバーコート膜52等を透過し、
この透過光がオーバーコート膜52の上面に押し付けら
れた指(図示せず)に下方から照射される。すると、押
し付けられた指の指紋の凸部(隆線)に対応する部分で
光が反射され、指の指紋の凹部(降線)に対応する部分
で光が散乱される。これにより、指の指紋の凹凸に応じ
て光学的に明暗の強調された指紋画像光が得られる。こ
の指紋画像光はオーバーコート膜52、透明な金属から
なるトップゲート電極51等を透過して半導体薄膜44
の両電極48、49間の上面に入射される。
【0034】半導体薄膜44の上面に光が入射される
と、半導体薄膜44の上面側に電子−正孔対が誘起され
る。この電子−正孔対は半導体薄膜44のチャネル領域
に蓄積され、トップゲート電極51の電界を打ち消す。
このため、半導体薄膜44にチャネルが形成され、ドレ
イン電流が流れる。このドレイン電流は半導体薄膜44
への入射光量に応じて変化する。これにより、指の指紋
が読み取られる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、基板上に成膜された金属膜の表面に表面状態改善処
理を施しているので、その後に、金属膜をパターニング
してなる金属パターンを含む基板上に絶縁膜を形成して
も、金属パターンの表面状態に起因する絶縁膜の絶縁耐
圧の低下を防止することができ、従って従来のフォトレ
ジスト膜形成等のフォトリソグラフィ工程を含む陽極酸
化処理工程が不要となり、製造工程数を少なくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における製造方法により
製造された薄膜トランジスタの断面図。
【図2】(A)〜(C)はそれぞれ図1に示す薄膜トラ
ンジスタの各製造工程を説明するために示す断面図。
【図3】アルカリ溶液処理を施さない場合の金属膜の表
面状態(純水の接触角)の成膜後の経時変化を示す図。
【図4】アルカリ溶液処理を施した場合の金属膜の表面
状態(純水の接触角)のアルカリ溶液処理後の経時変化
を示す図。
【図5】本発明薄膜トランジスタ(ゲート絶縁膜の膜厚
4000Å程度)の絶縁破壊試験結果を示す図。
【図6】比較薄膜トランジスタ(ゲート絶縁膜の膜厚4
000Å程度)の絶縁破壊試験結果を示す図。
【図7】本発明薄膜トランジスタ(ゲート絶縁膜の膜厚
2500Å程度)の絶縁破壊試験結果を示す図。
【図8】比較薄膜トランジスタ(ゲート絶縁膜の膜厚2
500Å程度)の絶縁破壊試験結果を示す図。
【図9】この発明を適用し得るダブルゲート型の薄膜ト
ランジスタの一例の断面図。
【図10】従来の薄膜トランジスタの一例の断面図。
【符号の説明】
21 絶縁基板 22 ゲート電極 23 ゲート絶縁膜 24 半導体薄膜 25 チャネル保護膜 26、27 オーミックコンタクト層 28 ソース電極 29 ドレイン電極 31 金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA09 BB02 BB04 BB13 BB14 BB16 BB17 CC05 DD22 DD23 DD63 EE03 EE17 HH20 5F110 AA12 AA16 CC07 DD02 EE02 EE04 EE30 EE48 FF03 GG02 GG15 GG35 HK03 HK04 HK09 HK16 HK21 NN12 NN24 QQ09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に金属膜を成膜し、前記金属膜の
    表面に表面状態改善処理を施し、前記金属膜をパターニ
    ングして金属パターンを形成し、前記金属パターンを含
    む前記基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上に半導体
    薄膜を形成することを特徴とする薄膜半導体素子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、前記表
    面状態改善処理は前記金属膜の表面にアルカリ溶液処理
    を施すことにより行うことを特徴とする薄膜半導体素子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、前記絶
    縁膜は、純水を用いた接触角が前記金属膜の成膜直後、
    または金属パターン形成直後とほぼ同じ値の状態で形成
    することを特徴とする薄膜半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発明において、前記絶
    縁膜は、純水を用いた接触角が10゜未満の状態で形成
    することを特徴とする薄膜半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発明において、前記金
    属膜はCr、Ta、Ti、Mo、Cuのいずれかにより
    成膜することを特徴とする薄膜半導体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の発明において、前記金
    属パターンはゲート電極を含む配線であることを特徴と
    する薄膜半導体素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の発明において、前記絶
    縁膜はゲート絶縁膜であることを特徴とする薄膜半導体
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の発明において、前記絶
    縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とする薄膜半導
    体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の発明において、前記絶
    縁膜の膜厚は4000Å程度であることを特徴とする薄
    膜半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の発明において、前記
    絶縁膜の膜厚は2500Å程度であることを特徴とする
    薄膜半導体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の発明において、前記半
    導体素子は薄膜トランジスタであることを特徴とする薄
    膜半導体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の発明において、前記
    半導体素子はフォトセンサであることを特徴とする薄膜
    半導体素子の製造方法。
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