JP2003086524A - 気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
気相成長装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法Info
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Abstract
分布を確保できる気相成長装置を提供する。 【解決手段】 気相成長装置1においては、ガス導入口
21A,21Bからの原料ガスG1、G2が、堤部材2
3の外周面23bに当たって上面側に乗り上げた後、サ
セプタ12上の基板Wの主表面に沿って流れる。ガス導
入口21A,21Bと堤部材23との間には、幅方向W
Lにおいて水平基準線HSLに対し左右に振り分けた形
にて、ガス案内部材24R,24Lが配置されている。
ガス案内部材24R,24Lには、基板Wに向かう原料
ガスG1、G2の流れを、幅方向WLにて仕切るガス案
内部材側仕切板34R,34Lが設けられている。ガス
案内部材側仕切板34R,34Lは、ガス案内部材24
R,24Lにおける原料ガスGの流れ方向上流側の端に
その一端が位置し、他端が原料ガスGの流れ方向上流側
から下流側の端への中途に位置し、かつ幅方向WLにお
いて水平基準線HSLに対し左右対称に、各々堤部材2
3の外周面23bに向かって延びる形態にて配置されて
いる。
Description
板の主表面にシリコン単結晶薄膜を気相成長させるため
の気相成長装置と、それを用いて実現されるシリコンエ
ピタキシャルウェーハの製造方法に関するものである。
板」と略称することがある)の主表面に、気相成長法に
よりシリコン単結晶薄膜(以下、単に「薄膜」あるいは
「エピタキシャル層」と略称する)を形成したシリコン
エピタキシャルウェーハ(以下、単に「エピタキシャル
ウェーハ」と略称することがある)は、バイポーラIC
やMOS−IC等の電子デバイスに広く使用されてい
る。そして、電子デバイスの微細化等に伴い、素子を作
りこむエピタキシャルウェーハ主表面のフラットネスに
対する要求がますます厳しくなりつつある。フラットネ
スに影響を及ぼす因子としては、基板の平坦度と薄膜の
膜厚分布とがある。ところで、近年、例えば直径が20
0mmないしそれ以上のエピタキシャルウェーハの製造
においては、複数枚のウェーハをバッチ処理する方法に
代えて、枚葉式気相成長装置が主流になりつつある。こ
れは、反応容器内に1枚の基板を水平に回転保持し、反
応容器の一端から他端へ原料ガスを略水平かつ一方向に
供給しながら薄膜を気相成長させるものである。
て、形成される薄膜の膜厚均一化を図る上で重要な因子
として、反応容器内における原料ガスの流量あるいは流
量分布がある。枚葉式気相成長装置においては、通常、
ガス供給管を介して反応容器の一端部に形成されたガス
導入口から原料ガスが供給され、基板表面に沿って原料
ガスが流れた後、容器他端側の排出口から排出される構
造となっている。このような構造の場合、ガス流量はガ
ス導入口もしくはその延長線上において局所的に高くな
りやすく、ガス流方向に対し水平に直交する向き(以
下、幅方向という)に流量のムラが生じやすい問題があ
る。これを解消するために、従来より、ガス導入口の下
流側に多数の孔を形成した分散板を設けたり、あるいは
ガス流を幅方向に仕切る仕切板を設けたりした装置が提
案されている。
は、ガス導入口からの原料ガスを、基板を支持するサセ
プタの周囲に配置された堤部材の外周面に向けて流し、
堤部材を乗り越えさせる形で基板の表面に原料ガスを供
給する装置の構成が開示されている。この方法の主旨
は、原料ガス流を堤部材の外周面に当てることで分散さ
せ、流量のムラを解消しようというものである。
015号公報の装置の場合、堤部材の外周面に当たった
原料ガスは、堤部材を乗り越えようとする流れと、外周
面に沿って横方向に向かおうとする流れとを生ずる形に
なる。この場合、その横方向の流れにより、堤部材の外
周面ひいては上記の幅方向に沿って原料ガスが均等に分
散することが、流量ムラを解消する上で重要である。し
かしながら、堤部材の外周面形状によっては原料ガスが
必ずしも幅方向に均等に分散せず、流れに偏りを生じて
しまうことがある。特に、図7に示すように、堤部材の
外周面23bの形状が円筒面状である場合、幅方向WL
における両端付近は、外周面23bが大きく傾斜してい
るため、当たったガスGが外側へ逃げやすく、流量ムラ
ひいては膜厚の不均一を生じやすい問題がある。
ながら、良好な膜厚分布を確保できる気相成長装置と、
それを用いたエピタキシャルウェーハの製造方法とを提
供することにある。
を解決するために本発明の気相成長装置の第1構成は、
シリコン単結晶基板の主表面にシリコン単結晶薄膜を気
相成長させる気相成長装置であって、水平方向における
第一端部側にガス導入口が形成され、同じく第二端部側
にガス排出口が形成された反応容器本体を有し、シリコ
ン単結晶薄膜形成のための原料ガスがガス導入口から反
応容器本体内に導入され、該反応容器本体の内部空間に
て略水平に回転保持されるシリコン単結晶基板の主表面
に沿って原料ガスが流れた後、ガス排出口から排出され
るように構成され、内部空間内にて回転駆動される円盤
状のサセプタ上にシリコン単結晶基板が配置される一
方、サセプタを取り囲むとともに、上面が該サセプタの
上面と一致する位置関係にて堤部材が配置され、さら
に、ガス導入口は堤部材の外周面に対向する形にて開口
し、該ガス導入口からの原料ガスが、堤部材の外周面に
当たって上面側に乗り上げた後、サセプタ上のシリコン
単結晶基板の主表面に沿って流れるように構成され、か
つ、反応容器本体の第一端部からサセプタの回転軸線と
直交して第二端部に至る原料ガスの流れ方向に沿った仮
想的な中心線を水平基準線とし、該水平基準線と回転軸
線との双方に直交する方向を幅方向と定義したときに、
ガス導入口からの原料ガスを堤部材の外周面に向けて導
くガス案内部材が、幅方向において水平基準線に対し左
右に振り分けた形にてガス導入口と堤部材との間に配置
され、ガス案内部材の内側に形成されたガス案内空間の
各々に原料ガスの流れを幅方向にて仕切るガス案内部材
側仕切板が設けられた気相成長装置において、ガス案内
部材側仕切板は、ガス案内部材における原料ガスの流れ
方向上流側の端にその一端が位置し、ガス案内部材にお
ける原料ガスの流れ方向上流側の端から下流側の端への
中途にその他端が位置し、かつ幅方向において水平基準
線に対し左右対称に、各々堤部材の外周面に向かって延
びる形態にて配置されることを特徴とする。
成長装置の第2構成は、シリコン単結晶基板の主表面に
シリコン単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置であ
って、水平方向における第一端部側にガス導入口が形成
され、同じく第二端部側にガス排出口が形成された反応
容器本体を有し、シリコン単結晶薄膜形成のための原料
ガスがガス導入口から反応容器本体内に導入され、該反
応容器本体の内部空間にて略水平に回転保持されるシリ
コン単結晶基板の主表面に沿って原料ガスが流れた後、
ガス排出口から排出されるように構成され、内部空間内
にて回転駆動される円盤状のサセプタ上にシリコン単結
晶基板が配置される一方、サセプタを取り囲むととも
に、上面が該サセプタの上面と一致する位置関係にて堤
部材が配置され、さらに、ガス導入口は堤部材の外周面
に対向する形にて開口し、該ガス導入口からの原料ガス
が、堤部材の外周面に当たって上面側に乗り上げた後、
サセプタ上のシリコン単結晶基板の主表面に沿って流れ
るように構成され、かつ、反応容器本体の第一端部から
サセプタの回転軸線と直交して第二端部に至る原料ガス
の流れ方向に沿った仮想的な中心線を水平基準線とし、
該水平基準線と回転軸線との双方に直交する方向を幅方
向と定義したときに、ガス導入口からの原料ガスを堤部
材の外周面に向けて導くガス案内部材が、幅方向におい
て水平基準線に対し左右に振り分けた形にてガス導入口
と堤部材との間に配置され、ガス案内部材の内側に形成
されたガス案内空間の各々に原料ガスの流れを幅方向に
て仕切るガス案内部材側仕切板が設けられた気相成長装
置において、ガス案内部材側仕切板によって仕切られた
ガス案内空間内を流通する原料ガスを水平基準線側に招
き寄せるガイド部材が、幅方向において水平基準線に対
し左右対称に、かつ各々堤部材の外周面に向かって延び
る形態にて配置されることを特徴とする。
成長装置の第3構成は、シリコン単結晶基板の主表面に
シリコン単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置であ
って、水平方向における第一端部側にガス導入口が形成
され、同じく第二端部側にガス排出口が形成された反応
容器本体を有し、シリコン単結晶薄膜形成のための原料
ガスがガス導入口から反応容器本体内に導入され、該反
応容器本体の内部空間にて略水平に回転保持されるシリ
コン単結晶基板の主表面に沿って原料ガスが流れた後、
ガス排出口から排出されるように構成され、内部空間内
にて回転駆動される円盤状のサセプタ上にシリコン単結
晶基板が配置される一方、サセプタを取り囲むととも
に、上面が該サセプタの上面と一致する位置関係にて堤
部材が配置され、さらに、ガス導入口は堤部材の外周面
に対向する形にて開口し、該ガス導入口からの原料ガス
が、堤部材の外周面に当たって上面側に乗り上げた後、
サセプタ上のシリコン単結晶基板の主表面に沿って流れ
るように構成され、かつ、反応容器本体の第一端部から
サセプタの回転軸線と直交して第二端部に至る原料ガス
の流れ方向に沿った仮想的な中心線を水平基準線とし、
該水平基準線と回転軸線との双方に直交する方向を幅方
向と定義したときに、ガス導入口からの原料ガスを堤部
材の外周面に向けて導くガス案内部材が、幅方向におい
て水平基準線に対し左右に振り分けた形にてガス導入口
と堤部材との間に配置され、ガス案内部材の内側に形成
されたガス案内空間の各々に原料ガスの流れを幅方向に
て仕切るガス案内部材側仕切板が、幅方向において水平
基準線に対し左右対称に設けられた気相成長装置におい
て、ガス案内部材側仕切板は、ガス案内部材における原
料ガスの流れ方向上流側の端から下流側の端への中途
に、欠落領域を有することを特徴とする。
製造方法は、上記の気相成長装置の反応容器内にシリコ
ン単結晶基板を配置し、該反応容器内に原料ガスを流通
させてシリコン単結晶基板上にシリコン単結晶薄膜を気
相エピタキシャル成長させることによりエピタキシャル
ウェーハを得ることを特徴とする。
おいても、ガス導入口からの原料ガスが堤部材の外周面
に当たって上面側に乗り上げるので、原料ガス流は上記
幅方向へ分散する。その際、堤部材の外周面上の特定位
置に原料ガスが極端に集中して当たる不具合が生じない
よう、基板に向かう原料ガスの流れを、ガス案内部材側
仕切板により仕切る。
材側仕切板がガス案内部材の内部で途切れた形とされて
いるので、その途切れた部分よりも下流側では、幅方向
への原料ガスの流通が可能である。これにより、原料ガ
スを堤部材の外側に到達する以前に水平基準線側に招き
寄せておくことが可能となる。すなわち、堤部材の外周
面に沿って外側へ逃げようとする原料ガスの割合を減じ
ることができ、幅方向の流量ムラを抑制することができ
るので、より均一な膜厚分布の薄膜を得ることができ
る。このような作用と効果は、上記した第3構成につい
ても全く同様に述べることができる。
線側へ招き寄せるためのガイド部材が、より直接的な手
段として設けられており、第1構成と同様、堤部材の外
周面に沿って外側へ逃げようとする原料ガスの割合を減
じることができ、幅方向の流量ムラを抑制することがで
きる。
位置関係にて堤部材が配置され」とは、堤部材の上面と
サセプタの上面とが完全に一致することを必ずしも意味
するのではなく、例えば2mm程度までの位置の違いは
一致しているとみなす。
付の図面に基づき説明する。図1〜図4は、本発明に係
る気相成長装置1の一例を模式的に示すものである。図
1はその側面断面図、図2は図1の原料ガス導入部付近
の拡大図、図3は図1の要部を取り出して示す平面図、
図4は、気相成長装置1の主要構成部材である堤部材2
3の詳細説明図である。この気相成長装置1は、図1に
示すように、水平方向における第一端部31側にガス導
入口21が形成され、同じく第二端部32側にガス排出
口36が形成された反応容器本体2を有する。薄膜形成
のための原料ガスGは、ガス導入口21から反応容器本
体2内に導入され、該反応容器本体2の内部空間5にて
略水平に回転保持される基板Wの主表面に沿う方向に沿
って流れた後、ガス排出口36から排出管7を経て排出
されるように構成されている。
単結晶薄膜を気相成長させるためのものであり、SiH
Cl3、SiCl4、SiH2Cl2、SiH4等のシ
リコン化合物の中から選択される。原料ガスGには、ド
ーパンドガスとしてのB2H 6あるいはPH3や、希釈
ガスとしてのH2、N2、Ar等が適宜配合される。ま
た、薄膜の気相成長処理に先立って基板前処理(例えば
自然酸化膜や付着有機物の除去処理)を行う際には、H
Cl、HF、ClF3、NF3等から適宜選択された腐
蝕性ガスを希釈ガスにて希釈した前処理用ガスを反応容
器本体2内に供給するか、または、H2雰囲気中で高温
熱処理を施す。
空間5には、垂直な回転軸線Oの周りにモータ13によ
り回転駆動される円盤状のサセプタ12が配置され、そ
の上面に形成された浅い座ぐり12b内に、シリコンエ
ピタキシャルウェーハを製造するための基板Wが1枚の
み配置される。すなわち、該気相成長装置1は水平枚葉
型気相成長装置として構成されている。座ぐり12bの
深さは、基板Wの厚さよりも大きくするか、サセプタの
上面12aが基板Wの上面とほぼ面一となるように調整
することができる。基板Wは、例えば直径が100mm
あるいはそれ以上のものである。また、基板Wの配置領
域に対応して容器本体2の上下には、基板加熱のための
赤外線加熱ランプ11が所定間隔にて配置されている。
プタ12を取り囲むように堤部材23が配置されてい
る。図2に示すように、堤部材23は、その上面23a
がサセプタ12の上面12a(ひいては基板Wの主表
面)と略一致する位置関係にて配置される。図1に示す
ように、ガス導入口21は、堤部材23の外周面23b
に対向する形にて開口しており、該ガス導入口21から
の原料ガスGは、図2あるいは図4に示すように、堤部
材23の外周面23bに当たって上面23a側に乗り上
げた後、サセプタ12上の基板Wの主表面に沿って流れ
るようになっている。本実施形態では、堤部材23の外
周面23bは、サセプタ12の形状に対応した円筒面状
とされている。なお、堤部材23の内周縁に沿って、板
状に形成された均熱用の予熱リング22が配置され、そ
の内側に配置されるサセプタ12の上面12aが、該予
熱リング22の上面22aと略同一面となっている。
の第一端部31からサセプタ12の回転軸線Oと直交し
て第二端部32に至る原料ガスGの流れ方向に沿った仮
想的な中心線を水平基準線HSLとして定める。また、
図3に示すように、該水平基準線HSLと回転軸線Oと
の双方に直交する方向を幅方向WLとして定義する。本
実施形態の気相成長装置1には、ガス導入口21からの
原料ガスGを堤部材23の外周面23bに向けて導く1
対のガス案内部材24R,24Lが、幅方向WLにおい
て水平基準線HSLに対し左右に振り分けた形にてガス
導入口21(図1)と堤部材23との間に配置され、ガ
ス案内部材24R,24Lの内側に形成されたガス案内
空間24S,24Sの各々に原料ガスGの流れを幅方向
WLにおいて仕切るガス案内部材側仕切板34R,34
Lが設けられている(図3、図4)。
側仕切板34R,34Lは、ガス案内部材24の原料ガ
スGの流れ方向上流側の端にその一端が位置し、ガス案
内部材24における原料ガスGの流れ方向上流側の端か
ら下流側の端への中途にその他端が位置し、かつ幅方向
WLにおいて水平基準線HSLに対し左右対称に、各々
堤部材23の外周面23bに向かって延びる形態にて配
置されている。すなわち、ガス案内部材24のガスの流
れ方向下流側においては幅方向WLにガス案内部材側仕
切板34R,34Lが存在しない領域が形成され、ガス
案内空間24S,24Sのそれぞれに個別に導入された
原料ガスGの幅方向WLへの流通が可能とされている。
ガス案内部材24における原料ガスGの流れ方向上流側
の端と下流側の端とを結ぶ中間位置に、その端が位置す
るように配置される形態がより望ましい形として例示で
きる。
部材23の外周面23bとの対向面は、該外周面23b
に対応した円筒面状に形成されている。また、幅方向W
Lにおいて、左右のガス案内部材24R,24Lの間に
は、位置決め用のスペーサ33が反応容器本体2に対し
て一体的に設けられている。この位置決め用のスペーサ
も一種の仕切り板として機能していると見ることもでき
る。
左側の仕切板34Lとのそれぞれに個別に対応してガス
導入口21A,21Bが形成されている。具体的には、
原料ガスGは、ガス配管50を経て各ガス導入口21
A,21Bから内部空間5に導かれる。本実施形態で
は、ガス配管50は、幅方向WLにおける内側領域にガ
スを供給する内側配管53と、同じく外側領域にガスを
供給する外側配管51とに分岐し、各々原料ガスの流量
を、マスフローコントローラ(MFC)52,54によ
り独立に制御できるようにしている。ここで、MFC5
2、54の代わりに手動バルブを使用してもよい。ま
た、内側配管53及び外側配管51は、それぞれ分岐配
管56,56及び分岐配管55,55にさらに分れ、水
平基準線HSLに対して両側にそれぞれ内側ガス導入口
21A,21A及び外側ガス導入口21B,21Bを開
口している。
ガス案内空間24Sが形成されたガス案内部材24は、
ガス導入口21と堤部材23との間に配置されており、
ガス導入口21A,21Bからの原料ガスG1,G
2は、このガス案内空間24Sを経て堤部材23の外周
面23bに向けて導かれる。ガス案内部材側仕切板34
R,34Lはこのガス案内空間24Sに設けられる形と
なっている。図4に示すように、ガス案内部材24は、
ガス導入口21側と堤部材23側とにそれぞれ開口する
横長状断面を有する石英製の筒であり、ガス案内部材側
仕切板34R,34Lは、互いに略平行に配置された上
面板24aと下面板24bとの上端面と下端面とが各々
溶接される形、もしくは点支持される形にて配置されて
いる。ガス案内部材側仕切板34R,34Lが一体化さ
れたガス案内部材24を、反応容器本体2に対して着脱
可能に配置することで、例えばガス案内部材側仕切板3
4R,34Lの位置を変更したい場合には、ガス案内部
材24の交換により簡単に対応することができる。
図16及び図17に示すように、堤部材23の外周面2
3bには、水平基準線HSLに対し左右対称に振り分け
た形にて、原料ガスGの流れを幅方向WLにおける複数
個所にて仕切る堤部材側仕切板35R,35Lが配置さ
れている。原料ガスG1,G2は、堤部材23の上面2
3aに乗り上げる際に幅方向WLに逃げやすく、流量分
布にムラを生じやすい。そこで、前述したガス案内部材
側仕切板34R,34Lとともに、堤部材側仕切板35
R,35Lを設けることにより、原料ガスG1,G2の
幅方向WLへ流れていく割合を減じ、幅方向WLにおけ
る流量分布にムラを生じにくくしている。
方向WLにおいて水平基準線HSLに関し左右対称に各
々1箇所ずつ配置することができる。例えば、図5
(b)に示すような形で生じようとする内側のガス流G
1の外方向への逃げを、図5(a)に示すように左右の
堤部材側仕切板35R,35Lにより挟み込むことで効
果的に防止ないし抑制できる。これら堤部材側仕切板3
5R,35Lの水平基準線HSLからの距離dは、例え
ばガス案内部材24に設けられたガス案内部材側仕切板
34R,34Lの水平基準線HSLからの距離Dに等し
く設定されるとよい(図3参照)。すなわち、図3、図
6、図8、図9、図16及び図17に示すように、水平
基準線HSLと平行かつ幅方向WLに垂直な同一平面の
面内に堤部材側仕切板35R,35Lとガス案内部材側
仕切板34R,34Lとが配置される。
ガスGの流れ方向上流側の端に一端が位置し、上流側の
端から下流側の端への中間位置に他端が位置するガス案
内部材側仕切板34R,34Lを使用したとき、堤部材
側仕切板35R,35Lは、ガス案内部材側仕切板34
R,34Lよりも外側に5mm以内の範囲で配置しても
よい(図13参照)。堤部材側仕切板35R,35L
を、ガス案内部材側仕切板34R,34Lの位置よりも
水平基準線HSLに関し少しだけ外側に配置することに
より、内側のガス流G1を堤部材側仕切板35R,35
Lで少しだけ外側に流すことができるので、図14に示
すように、ウェーハ中心と外周部の略中間位置における
膜厚を厚くすることができる。その結果、図15に示す
ように膜厚分布は、堤部材側仕切板35R,35Lを、
ガス案内部材側仕切板34R,34Lよりも1mm以上
2.5mm以下外側に配置したときに好適となるが、2
mm外側に配置したときに最も良くなる。ところが、堤
部材側仕切板35R,35Lを、ガス案内部材側仕切板
34R,34Lに比べて5mmより外側に配置すると、
水平基準線HSLから同じ距離に配置した場合に比べ
て、膜厚分布が逆に悪くなってしまう。
に、堤部材23の上面23aの外周縁部を、ガス案内部
材24との対向区間において凹状に切り欠くことにより
弓形の切欠部23kが形成されている。図1に示すよう
に、反応容器本体2は、下部ケース3と上部ケース4と
からなり、堤部材23は下部ケース3の内周面に沿って
配置されている。図2に示すように、切欠部23kの底
面23cは、ガス案内部材24の下面板24bの内面の
延長に略一致する形となっており、ガス案内面の役割を
果たす。そして、原料ガスGは切欠部23kの側面23
bに当たって上面23aに乗り上げる。なお、上部ケー
ス4には、堤部材23の上面23aに対向する第一面4
aと、切欠部23kの側面23bに対向する第二面4b
と、同じく底面23cに対向する第三面4cとを有する
段部4dを有し、切欠部23kとの間にクランク状の断
面を有するガス通路51を形成している。図4に示すよ
うに、堤部材側仕切板35R,35Lは、ガス通路51
に対応したL字状(あるいは上面23a側まで延びるク
ランク状形態としてもよい)に形成されている。この構
造によると、原料ガスGの流れが、L字型の狭いガス通
路51を通過することにより横方向につぶれやすくな
り、流量分布の極端な偏りを生じにくくすることができ
る。
A,21Bとガス案内部材24R,24Lとの間には、
分散板26が配置されている。図4あるいは図6に示す
ように、分散板26は、ガス案内部材24R,24Lの
開口部に対応した横長に形成されており、長手方向に沿
って所定の間隔で複数のガス流通孔26aが形成されて
いる。なお、ガス流通孔26aは、ガス案内部材側仕切
板34R,34Lと干渉しない位置に形成されている。
一方、図3に示すように、堤部材23とガス排出口36
との間には、排出側ガス案内部材25が配置されてい
る。
説明する。図1〜4に示すように、サセプタ12上に基
板Wをセットし、必要に応じ自然酸化膜除去等の前処理
を行った後、基板Wを回転させながら赤外線加熱ランプ
11により所定の反応温度に加熱する。その状態で、各
ガス導入口21A,21Bから原料ガスGを所定の流速
にて導入する。
内部材側仕切板34R,34Lの間を通る内側ガス流G
1と、同じく外側を通る外側ガス流G2とに仕切られ
て、さらに堤部材23の外周面23bに向けて流れる。
外周面23bに当たったガス流G1及びG2は、堤部材
23の上面23aに乗り上げて、基板Wの主表面に沿っ
て流れ、排出側ガス案内部材25を経て排出管7に集め
られ、排出される。
内部材側仕切板70R,70Lがガス案内部材24R,
24Lの内部を完全に仕切る場合を考えると、外側ガス
流G 2は堤部材23の円筒面状の外周面23bに対し、
幅方向WLにおける端部の大きく傾いた面に当たるの
で、外側に大きく逃げる形となる。他方、内側ガス流G
1は、幅方向WLにおける中央付近の、それほど傾斜の
強くない位置にて外周面23bに直角に近い形態にて当
たることと、ガス案内部材側仕切板70R,70L及び
堤部材側仕切板35R,35Lにより外側への逃げが抑
制されることから、直進しようとする傾向が強くなる。
その結果、ガス流量の幅方向WLにおける分布には、図
8(b)に示すように、ガスの直進傾向が強いガス案内
部材側仕切板70R,70Lの間の領域においては第一
の高流量部H1が、横方向に逃げたガスが集中する左右
の端部付近には第二の高流量部H2が現われ、それらの
間の区間には谷状の低流量部L1が現われる。流量分布
は、水平基準線HSLに関してほぼ左右対称となるか
ら、軸線O周りに回転する基板の主表面上において右側
の高流量部H1,H2及び低流量部L1に、左側の高流
量部H1,H2及び低流量部L1が重なり、形成される
エピタキシャル層の厚さ分布には、図8(a)に示すよ
うに、ガス流量分布に対応した大きなムラが発生するこ
ととなる。
実施形態の気相成長装置1において、ガス案内部材側仕
切板34R,34Lは、ガス案内部材24R,24Lの
原料ガスGの流れ方向上流側の端にその一端が位置し、
ガス案内部材24R,24Lの原料ガスGの流れ方向上
流側の端と下流側の端とを結ぶ線の概ね中間に他端が位
置するように配置されている。この形態において、内側
ガス流G1の流速が外側ガス流G2の流速よりも大きい
場合、流体力学的な効果により外側ガス流G2は、内側
ガス流G1寄りに招き寄せられる。すなわち、ガス案内
空間24Sの幅方向WLにおける外側に導入され、そこ
を流通する外側ガス流G2の一部は、ガス案内部材側仕
切板34R,34Lが存在しない開放空間部を流通して
内側ガス流G1と混ざりあったのち、堤部材23に到達
する。このような流れの変化に伴い、全体として外側ガ
ス流G2は、ガス流通経路が完全に仕切られているとき
(図8参照)よりも内側(水平基準線HSLより)寄り
の流量を増加させる。結果として、図9(b)に示すよ
うに基板中央付近がガス流量の最も多い領域となる。そ
して、このようなガス流量分布のもとで、軸線O周りに
回転する基板の主表面上にエピタキシャル成長を行なう
と、図9(a)に示すように、形成されるエピタキシャ
ル層の厚さ分布はより均一なものとなる。
することにより、図9(c)に示した形態と同様の理由
から、外側ガス流G2の流れを内よりに変化させること
ができる。図16に示す形態は、前述した中間位置より
も下流側に延ばしたガス案内部材側仕切板72R,72
Lを採用した例である。ガス案内部材側仕切板72R,
72Lは、ガス案内部材24R,24Lにおける原料ガ
スの流れ方向上流側の端にその一端が位置し、上流側の
端と下流側の端とを結ぶ中間位置よりも下流側にその他
端が位置するように配置されている。
案内部材側仕切板72R,72Lの端は、前記水平基準
線と平行かつ該仕切板の延長方向に関し、ガス案内部材
24R,24Lの下流側の端から5mmより離れて位置
することが望ましい。なぜならば、図16中に示す距離
c1を種々調整することにより、基板Wに気相成長され
るエピタキシャル層の膜厚分布を最適化することができ
るが、距離c1が5mm以下になると、外側ガス流G2
を水平基準線HSL側に十分に招き寄せることができな
くなり、エピタキシャルウェーハ中心部の膜厚が薄くな
ってくるからである。
R,24Lにおける原料ガスGの流れ方向上流側の端か
ら下流側の端への中途に、欠落領域LEを有するガス案
内部材側仕切板80R,80Lを配置した形態を説明す
る図である。この形態によれば、欠落領域LEを通じ
て、外側ガス流G2を水平基準線HSL側に招き寄せる
ことができる。もちろん、ガス案内部材24R,24L
における原料ガスGの流れ方向上流側の端と下流側の端
とを結ぶ中間位置よりも下流側に、欠落領域LEを形成
する形態、中間位置から始まって下流側の端よりも上流
側で途切れるように欠落領域LEを形成する形態、のい
ずれの形態も採用することができる。図17(a)に示
す距離c2で表される欠落領域LEの広さを調整するこ
とにより、エピタキシャル層の膜厚分布を比較的簡単に
最適化することができる。また、図17(b)に示すよ
うに、欠落領域LEを2箇所以上に形成することなど、
欠落領域LEの形成位置や形成個数を種々調整すること
により、エピタキシャル層の膜厚分布を最適化すること
ができる。欠落領域LEは、厚さ方向の貫通孔としても
よいが図17(a)に示す実施形態では、ガス案内部材
側仕切板80Rが、上流側部分34Rと下流側部分76
Rとに分割されることによって生じる隙間として形成さ
れている(ガス案内部材側仕切板80L側も同様)。上
流側部分34R,34Lは、図9(c)に示したガス案
内部材側仕切板そのものであり、上流側の端にその一端
が位置し、中間位置に他端が位置するものである。他
方、下流側部分76R,76Lは、上流側部分34R,
34Lから距離c2だけ離れて配置されている。
水平基準線HSL寄りに変化させて、原料ガスGが堤部
材23において左右に逃げようとすることを抑制するた
めの他の形態として、さらに図10に示すような形態を
例示できる。図10(a)または図10(b)に示す形
態においては、ガス案内部材側仕切板70R,70Lに
よって仕切られたガス案内空間24S,24S内を流通
する原料ガスGを水平基準線HSL側に招き寄せるガイ
ド部材134R,134L及び135R,135Lが、
幅方向WLにおいて水平基準線HSLに対し左右対称
に、かつ各々堤部材23の外周面23bに向かって延び
る形態にて配置されている。それらガイド部材134
R,134L及び135R,135Lは板状をなし、原
料ガスGの流れ方向における下流側の端134h及び1
35hが、上流側の端134j及び135jよりも幅方
向WLにおいて水平基準線HSL寄りに配置され、かつ
ガス案内部材側仕切板70R,70Lよりも水平基準線
HSLから離れた位置に配置されている。
も、前述した形態と同様に、堤部材23の外周面23b
に、水平基準線HSLに対し左右対称に振り分けた形に
て、原料ガスGの流れを幅方向WLにて仕切る堤部材側
仕切板35R,35Lを設けることができる。
Gを堤部材23の外周面23bに向けて導くガス案内部
材24が、前記幅方向において前記水平基準線に対し左
右に振り分けた形にて、ガス導入口21と堤部材23と
の間に配置され、ガス案内部材24の内側に形成された
ガス案内空間24S,24Sの各々にガス案内部材側仕
切板70R,70Lとガイド部材134R,134L及
び135R,135Lとが配置される。
内部材24L,24Rのガス入り口側の端からガス出口
側の端に至る傾斜した長いガイド部材134L,134
Rをそれぞれ1枚のみ使用していたが、図10(b)に
示すように、ガス流方向の中間位置からガス出口側の端
に至る傾斜した短い仕切板135L,135Rを設けて
もよい。この実施形態では、このような仕切板135
L,135Rを幅方向WLにおいて所定の間隔で複数枚
配置している。いずれの形態においても、幅方向WLに
おいて外側に逃げようとするガス流Gが、ガイド部材1
34L,134R及び135R,135Lにより内側に
招き寄せられるので、図8(b)のような高流量部H2
や低流量部L1が形成されにくくなり、ガス流量分布の
均一化を図ることができる。
0mmのシリコン単結晶基板Wを、図1〜図4に示す気
相成長装置1内に配置した。なお、左右のガス案内部材
側仕切板34R,34Lの設置領域は、図9(c)に示
すように、ガス案内部材24R,24Lの原料ガス流れ
方向上流側の端から下流側の端に至る中間の位置までと
した。これにより、その中間位置から堤部材23に至る
までの領域は幅方向WL方向へのガスの流通が可能とさ
れる。
ず、赤外線加熱ランプ11(図1)に通電して基板Wの
温度を1100℃に昇温し、水素雰囲気中で基板W表面
の自然酸化膜を除去した。その後、基板Wの温度を11
00℃に保持したまま内側ガス導入口21A及び外側ガ
ス導入口21Bから原料ガスとしてトリクロロシランガ
スを含有する水素ガスを流通して、基板W上にシリコン
単結晶薄膜を気相エピタキシャル成長させた。内側ガス
導入口21Aと外側ガス導入口21Bとの供給流量比
は、内側ガス導入口21Aからの供給流量を高めに保ち
ながら種々に変えてシリコン単結晶薄膜の成長を行い、
膜厚分布が最適となるものを選択するようにした。
において、図8(c)に示すように、ガス案内部材側仕
切板70R,70Lを、ガス案内部材24R,24Lの
原料ガスの流れ方向上流側の端と下流側の端とにまたが
ってその内部を完全に仕切る形態に配置し、上記実施例
1と同様の手順にてシリコンエピタキシャルウェーハを
作製した。
タキシャルウェーハの、直径方向の膜厚分布プロファイ
ルをFT−IR法により測定し、グラフにプロットし
た。測定結果を図11に示す。本発明の実施例1である
図11(a)は、比較例1である図11(b)よりも膜
厚の位置的な変動、特にウェーハ中央部の平坦性が向上
し、より均一な分布が得られていることがわかる。実施
例1において、そのガス案内部材側仕切板34R,34
Lの構成によると、該仕切板34R,34Lの外側から
内側へガスが流れ込むようになり、ウェーハ中心の膜厚
が厚くなる。そこで、キャリアガスとして使用する水素
ガスの流量を、従来膜厚分布に最適の条件であった40
slm(standard liter/min;1atm、0℃ におけ
る1分間あたりの流量をリットルで表示した単位)から
25slmに下げることにより、図11(a)の膜厚分
布を得た。すなわち、実施例1に示す構造のガス案内部
材側仕切板34R,34Lを使用することにより、キャ
リアガスの使用量を削減することができる。
L,24Rにおける仕切板とガイド部材とを、図10
(b)に示す態様に変更し、実施例1と同様の気相成長
装置1を使用して実施例1と同様の手順にてシリコン単
結晶薄膜を気相エピタキシャル成長させ、エピタキシャ
ルウェーハを得た。得られたエピタキシャルウェーハの
膜厚分布プロファイルを示すグラフを図12に示す。本
実施例2においては、先に示した実施例1の図11
(a)ほどではないものの、比較例1(図11(b)参
照)よりも膜厚の位置的な変動、特にウェーハの中央部
の平坦性が向上し、厚さ分布のより均一なウェーハが得
られた。
R,35Lを、図13に示すようにガス案内部材側仕切
板34R,34Lよりも外側に種々の距離に配置し、実
施例1と同様の気相成長装置1を使用して実施例1と同
様の手順にてシリコン単結晶薄膜を気相エピタキシャル
成長させ、エピタキシャルウェーハを得た。得られたエ
ピタキシャルウェーハの膜厚分布プロファイルから、膜
厚分布(膜厚のばらつきの度合い)を見積もった。結果
を図15に示す。図14は堤部材側仕切板35R,35
Lの移動距離が2mmの形態での膜厚分布プロファイル
である。堤部材側仕切板35R,35Lを2mm外側に
移動させた形態において、膜厚分布が最も改善された。
堤部材側仕切板35R,35Lの移動距離が5mmを超
えると、全く移動させない形態、すなわち図6に示す形
態よりも膜厚分布が悪化した。また、堤部材側仕切板3
5R,35Lの移動距離が2mmの場合、キャリアガス
の流量が20slmのときに膜厚分布が最小になった。
このキャリアガスの流量は、実施例1の流量よりもさら
に5slm少ない。すなわち、堤部材側仕切板35R,
35Lを少しだけ外側に配置することにより、キャリア
ガスの使用量をさらに削減することができる。
1のサセプタ12の座ぐり12bの深さは、シリコン単
結晶基板Wの厚さよりも若干小さいものに統一した。
において、図8(c)に示すように、従来のガス案内部
材側仕切板70R,70Lを配置し、座ぐり12bの深
さをシリコン単結晶基板Wの厚さよりも若干小さくした
サセプタ12、あるいは若干大きくしたサセプタ12を
使用して、実施例1と同様の手順によりエピタキシャル
ウェーハを作製した。ただし、エピタキシャル層の厚さ
は、6μmを目標値に設定した。そして、得られたエピ
タキシャルウェーハの膜厚分布を測定した。その結果を
図18に示す。図18(a)は座ぐり12bの深さを基
板Wの厚さよりも若干小さくした場合、図18(b)は
座ぐり12bの深さを基板Wの厚さよりも若干大きくし
た場合の膜厚分布を示す。
り12bの深さが基板Wの厚さよりも若干大きいサセプ
タ12を使用することにより、エピタキシャル層の周辺
部において、膜厚の局部的な増加を抑制できることが判
る。また、エピタキシャル層の最大膜厚値をtmax、同
じく最小膜厚値をtminとし、100×(tmax−tmi
n)/(tmax+tmin)で定義される値をエピタキシャ
ル層の膜厚分布(±%)としたとき、図18(a)のプ
ロファイルから±0.58(%)、図18(b)のプロ
ファイルから±0.42(%)という値がそれぞれ導出
された。つまり、座ぐり12bの深さを基板Wの厚さよ
りもやや大きくすることにより、エピタキシャル層の膜
厚分布が改善された。
基板Wの厚さよりも若干大きいサセプタ12を使用し、
ガス案内部材側仕切板を図16あるいは図17に示す形
態に変更して、実施例1と同様の手順にてシリコン単結
晶薄膜を気相エピタキシャル成長させ、エピタキシャル
ウェーハを作製した。そして、それらのエピタキシャル
ウェーハの膜厚分布を測定した。結果を図19に示す。
ただし図19(a)は、図16に示す形態において距離
c1を10mmに設定し、なおかつ水素ガスの導入量を
30slmに調整した場合であり、図19(b)は距離
c1を5mmに設定した場合であり、図19(c)は、
図17(a)に示す形態において中間位置から始まる欠
落領域LEの距離c2を5mmに設定した場合である。
0mmとしたときに得られたエピタキシャルウェーハ
は、膜厚分布が±0.25(%)という極めて良好な結
果であった。一方、距離c1を5mmとして作製したエ
ピタキシャルウェーハの膜厚分布(図19(b))は、
エピタキシャルウェーハ中心部の膜厚が薄い図18
(b)のプロファイルに類似しており、外側ガス流G2
を中心側に十分招き寄せることができないことが判明し
た。これらの結果より、図16に示す形態においては、
距離c1を5mmより大きくした場合に、外側ガス流G
2を水平基準線HSL側に効果的に招き寄せることがで
きるといえる。
中間位置から始まる欠落領域LEの距離c2を5mmに
設定して作製したエピタキシャルウェーハの膜厚分布
(図19(c))は、図19(a)に示す結果ほどの改
善は見られなかったが、エピタキシャルウェーハの中心
部における膜厚の大きなうねりは消失しており、外側ガ
ス流G2を内側に招き寄せる効果がある。
図。
視図。
板の配置形態を説明する図。
明する図。
を説明する図。
達成される効果を説明する図。
仕切板の配置形態を示す平面模式図。
ャルウェーハの膜厚分布を示すグラフ。
の膜厚分布を示すグラフ。
図。
に移動させて得られるエピタキシャルウェーハの膜厚分
布を示すグラフ。
の変化を示すグラフ。
説明する図。
説明する図。
エピタキシャルウェーハの膜厚分布を示すグラフ。
して得られるエピタキシャルウェーハの膜厚分布を示す
グラフ。
6R,76L,80R,80L ガス案内部材側仕切板 35R,35L 堤部材側仕切板 36 ガス排出口 134L,134R,135L,135R ガイド部材 134h ガイド部材134L,134Rの下流側の端 134j ガイド部材134L,134Rの上流側の端 135h ガイド部材135L,135Rの下流側の端 135j ガイド部材135L,135Rの上流側の端 W 基板 G 原料ガス O 回転軸線 HSL 水平基準線 WL 幅方向 LE ガス案内部材側仕切板の欠落領域
Claims (15)
- 【請求項1】 シリコン単結晶基板の主表面にシリコン
単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置であって、 水平方向における第一端部側にガス導入口が形成され、
同じく第二端部側にガス排出口が形成された反応容器本
体を有し、シリコン単結晶薄膜形成のための原料ガスが
前記ガス導入口から前記反応容器本体内に導入され、該
反応容器本体の内部空間にて略水平に回転保持される前
記シリコン単結晶基板の前記主表面に沿って前記原料ガ
スが流れた後、前記ガス排出口から排出されるように構
成され、 前記内部空間内にて回転駆動される円盤状のサセプタ上
に前記シリコン単結晶基板が配置される一方、前記サセ
プタを取り囲むとともに、上面が該サセプタの上面と一
致する位置関係にて堤部材が配置され、 さらに、前記ガス導入口は前記堤部材の外周面に対向す
る形にて開口し、該ガス導入口からの前記原料ガスが、
前記堤部材の外周面に当たって上面側に乗り上げた後、
前記サセプタ上の前記シリコン単結晶基板の主表面に沿
って流れるように構成され、 かつ、前記反応容器本体の前記第一端部から前記サセプ
タの回転軸線と直交して前記第二端部に至る前記原料ガ
スの流れ方向に沿った仮想的な中心線を水平基準線と
し、該水平基準線と前記回転軸線との双方に直交する方
向を幅方向と定義したときに、前記ガス導入口からの前
記原料ガスを前記堤部材の外周面に向けて導くガス案内
部材が、前記幅方向において前記水平基準線に対し左右
に振り分けた形にて前記ガス導入口と前記堤部材との間
に配置され、前記ガス案内部材の内側に形成されたガス
案内空間の各々に前記原料ガスの流れを前記幅方向にて
仕切るガス案内部材側仕切板が設けられた気相成長装置
において、 前記ガス案内部材側仕切板は、前記ガス案内部材におけ
る前記原料ガスの流れ方向上流側の端にその一端が位置
し、前記ガス案内部材における前記原料ガスの流れ方向
上流側の端から下流側の端への中途にその他端が位置
し、かつ前記幅方向において前記水平基準線に対し左右
対称に、各々前記堤部材の外周面に向かって延びる形態
にて配置されることを特徴とする気相成長装置。 - 【請求項2】 前記ガス案内部材側仕切板は、前記ガス
案内部材における前記原料ガスの流れ方向上流側の端と
下流側の端とを結ぶ中間位置に、前記他端が位置するよ
うに配置されることを特徴とする請求項1記載の気相成
長装置。 - 【請求項3】 前記ガス案内部材側仕切板は、前記ガス
案内部材における前記原料ガスの流れ方向上流側の端と
下流側の端とを結ぶ中間位置よりも下流側に前記他端が
位置するように配置されることを特徴とする請求項1記
載の気相成長装置。 - 【請求項4】 前記ガス案内部材側仕切板の前記他端
は、前記水平基準線と平行かつ該仕切板の延長方向に関
し、前記ガス案内部材の下流側の端から5mmより離れ
て位置することを特徴とする請求項3記載の気相成長装
置。 - 【請求項5】 シリコン単結晶基板の主表面にシリコン
単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置であって、 水平方向における第一端部側にガス導入口が形成され、
同じく第二端部側にガス排出口が形成された反応容器本
体を有し、シリコン単結晶薄膜形成のための原料ガスが
前記ガス導入口から前記反応容器本体内に導入され、該
反応容器本体の内部空間にて略水平に回転保持される前
記シリコン単結晶基板の前記主表面に沿って前記原料ガ
スが流れた後、前記ガス排出口から排出されるように構
成され、 前記内部空間内にて回転駆動される円盤状のサセプタ上
に前記シリコン単結晶基板が配置される一方、前記サセ
プタを取り囲むとともに、上面が該サセプタの上面と一
致する位置関係にて堤部材が配置され、 さらに、前記ガス導入口は前記堤部材の外周面に対向す
る形にて開口し、該ガス導入口からの前記原料ガスが、
前記堤部材の外周面に当たって上面側に乗り上げた後、
前記サセプタ上の前記シリコン単結晶基板の主表面に沿
って流れるように構成され、 かつ、前記反応容器本体の前記第一端部から前記サセプ
タの回転軸線と直交して前記第二端部に至る前記原料ガ
スの流れ方向に沿った仮想的な中心線を水平基準線と
し、該水平基準線と前記回転軸線との双方に直交する方
向を幅方向と定義したときに、前記ガス導入口からの前
記原料ガスを前記堤部材の外周面に向けて導くガス案内
部材が、前記幅方向において前記水平基準線に対し左右
に振り分けた形にて前記ガス導入口と前記堤部材との間
に配置され、前記ガス案内部材の内側に形成されたガス
案内空間の各々に前記原料ガスの流れを前記幅方向にて
仕切るガス案内部材側仕切板が、前記幅方向において前
記水平基準線に対し左右対称に設けられた気相成長装置
において、 前記ガス案内部材側仕切板は、前記ガス案内部材におけ
る前記原料ガスの流れ方向上流側の端から下流側の端へ
の中途に、欠落領域を有することを特徴とする気相成長
装置。 - 【請求項6】 前記欠落領域は、前記ガス案内部材にお
ける前記原料ガスの流れ方向上流側の端と下流側の端と
を結ぶ中間位置よりも下流側に形成されていることを特
徴とする請求項5記載の気相成長装置。 - 【請求項7】 前記欠落領域は、前記中間位置から始ま
って前記下流側の端よりも上流側で途切れるように形成
されていることを特徴とする請求項5記載の気相成長装
置。 - 【請求項8】 前記堤部材の外周面には、前記水平基準
線に対し左右対称に振り分けた形にて、前記原料ガスの
流れを前記幅方向における複数個所にて仕切る堤部材側
仕切板が配置されることを特徴とする請求項1ないし7
のいずれか1項に記載の気相成長装置。 - 【請求項9】 前記水平基準線と平行かつ前記幅方向に
垂直な同一平面の面内に前記堤部材側仕切板と前記ガス
案内部材側仕切板とが配置されることを特徴とする請求
項8記載の気相成長装置。 - 【請求項10】 前記堤部材の外周面には、前記水平基
準線に対し左右対称に振り分けた形にて、前記原料ガス
の流れを前記幅方向における複数個所にて仕切る堤部材
側仕切板が配置され、その堤部材側仕切板は、前記ガス
案内部材側仕切板よりも外側に5mm以内の範囲で配置
されることを特徴とする請求項2記載の気相成長装置。 - 【請求項11】 シリコン単結晶基板の主表面にシリコ
ン単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置であって、 水平方向における第一端部側にガス導入口が形成され、
同じく第二端部側にガス排出口が形成された反応容器本
体を有し、シリコン単結晶薄膜形成のための原料ガスが
前記ガス導入口から前記反応容器本体内に導入され、該
反応容器本体の内部空間にて略水平に回転保持される前
記シリコン単結晶基板の前記主表面に沿って前記原料ガ
スが流れた後、前記ガス排出口から排出されるように構
成され、 前記内部空間内にて回転駆動される円盤状のサセプタ上
に前記シリコン単結晶基板が配置される一方、前記サセ
プタを取り囲むとともに、上面が該サセプタの上面と一
致する位置関係にて堤部材が配置され、 さらに、前記ガス導入口は前記堤部材の外周面に対向す
る形にて開口し、該ガス導入口からの前記原料ガスが、
前記堤部材の外周面に当たって上面側に乗り上げた後、
前記サセプタ上の前記シリコン単結晶基板の主表面に沿
って流れるように構成され、 かつ、前記反応容器本体の前記第一端部から前記サセプ
タの回転軸線と直交して前記第二端部に至る前記原料ガ
スの流れ方向に沿った仮想的な中心線を水平基準線と
し、該水平基準線と前記回転軸線との双方に直交する方
向を幅方向と定義したときに、前記ガス導入口からの前
記原料ガスを前記堤部材の外周面に向けて導くガス案内
部材が、前記幅方向において前記水平基準線に対し左右
に振り分けた形にて前記ガス導入口と前記堤部材との間
に配置され、前記ガス案内部材の内側に形成されたガス
案内空間の各々に前記原料ガスの流れを前記幅方向にて
仕切るガス案内部材側仕切板が設けられた気相成長装置
において、 前記ガス案内部材側仕切板によって仕切られた前記ガス
案内空間内を流通する前記原料ガスを前記水平基準線側
に招き寄せるガイド部材が、前記幅方向において前記水
平基準線に対し左右対称に、かつ各々前記堤部材の外周
面に向かって延びる形態にて配置されることを特徴とす
る気相成長装置。 - 【請求項12】 前記ガイド部材は板状をなし、前記原
料ガスの流れ方向における下流側の端が上流側の端より
も前記幅方向において前記水平基準線寄りに配置され、
かつ前記ガス案内部材側仕切板よりも前記水平基準線か
ら離れた位置に配置されることを特徴とする請求項11
記載の気相成長装置。 - 【請求項13】 前記堤部材の外周面には、前記水平基
準線に対し左右対称に振り分けた形にて、前記原料ガス
の流れを前記幅方向にて仕切る堤部材側仕切板が配置さ
れることを特徴とする請求項11または12記載の気相
成長装置。 - 【請求項14】 前記ガス導入口からの前記原料ガスを
前記堤部材の外周面に向けて導くガス案内部材が、前記
幅方向において前記水平基準線に対し左右に振り分けた
形にて、前記ガス導入口と前記堤部材との間に配置さ
れ、前記ガス案内部材の内側に形成されたガス案内空間
の各々に前記ガス案内部材側仕切板と前記ガイド部材と
が配置されることを特徴とする請求項11ないし13の
いずれか1項に記載の気相成長装置。 - 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれか1項に
記載の気相成長装置の反応容器内に前記シリコン単結晶
基板を配置し、該反応容器内に前記原料ガスを流通させ
て前記シリコン単結晶基板上に前記シリコン単結晶薄膜
を気相エピタキシャル成長させることによりエピタキシ
ャルウェーハを得ることを特徴とするエピタキシャルウ
ェーハの製造方法。
Priority Applications (1)
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