JP2003085966A - 磁気メモリ装置の読み出し回路 - Google Patents
磁気メモリ装置の読み出し回路Info
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Abstract
モリ装置に適し、回路規模を小さくでき、かつ、寄生容
量の影響を受けにくい読み出し回路を提供する。 【解決手段】参照セル50と、参照セル50にソースが
接続されバイアス電圧V biasがゲートに印加されるトラ
ンジスタ51と、磁気抵抗素子11にソースが接続され
バイアス電圧Vbiasがゲートに印加されるトランジスタ
52とを設ける。参照セル50を流れる電流を参照電流
IREFとし、磁気抵抗素子11を流れる電流をセル電流
IMTJとして、トランジスタ53,54からなるカレン
トミラー回路により、参照電流IREFとセル電流IMTJと
の差電流に応じた電圧を出力端子55に発生させる。
Description
置の読み出し回路に関し、特に、磁気抵抗素子を用いた
メモリセルを有する磁気メモリ装置に適した読み出し回
路に関する。
化の方向や磁化の有無などによってその電気抵抗が変化
する磁気抵抗効果が知られており、そのときの電気抵抗
値の変化率を磁気抵抗比(MR比;Magneto-Resistance
Ratio)という。磁気抵抗比が大きい材料としては、巨
大磁気抵抗(GMR;Giant Magneto-Rsistance)材料
や超巨大磁気抵抗(CMR;Colossal Magneto-Resista
nce)材料があり、これらは一般に、金属、合金、複合
酸化物などである。例えば、Fe,Ni,Co,Gd,
Tbおよびこれらの合金や、LaXSr1-XMnO9,L
aXCa1-XMnO9などの複合酸化物などの材料があ
る。また一般に、強磁性体は、外部から印加された磁場
によってその強磁性体内に発生した磁化が外部磁場を取
り除いた後にも残留する(これを残留磁化という)、と
いう特性を有している。
いてその強磁性体の残留磁化を利用すれば、磁化方向や
磁化の有無により電気抵抗値を選択して情報を記憶する
不揮発性メモリを構成することができる。このような不
揮発性メモリは、磁気メモリ(MRAM(磁気ランダム
アクセスメモリ);Magnetic Random Access Memory)
と呼ばれている。
くは、巨大磁気抵抗材料の強磁性体の残留磁化で情報を
記憶しており、磁化方向の違いによって生じる電気抵抗
値の変化を検出することにより、記憶した情報を読み出
す方式を採用している。また、書込み用配線に電流を流
して誘起される磁場により強磁性体メモリセルの磁化方
向を変化させることで、メモリセルに情報を書き込み、
また、その情報を書き換えることができる。
絶縁膜(トンネル電流が流れる程度の厚さの電気絶縁
膜)を2つの強磁性体層で挟んだ構造をもつトンネル磁
気抵抗素子(TMR;Tunnel Magneto-Resistance、あ
るいはMTJ;Magnetic TunnelJunction)が、高い磁
気抵抗変化率(MR比)を備えており、もっとも実用化
に近いデバイスとして期待されている。このようなメモ
リセルとして、従来、2つの面内磁化膜の間にトンネル
絶縁膜を挟み込んだ構成のものが検討されていた。しか
しながら、面内磁化膜を使用したメモリセルの場合、メ
モリセルの微小化に伴って、MR比が低下し、必要な書
き込み電流が増加し、また、動作点(メモリセルの磁気
特性を示すヒステリシスループ)の移動が起こるなど
の、解決すべき課題があることが分かっている。これに
対し、本願出願人は、特開平11−213650号公報
において、2枚の垂直磁化膜の間にトンネル絶縁膜であ
る非磁性層を挟み込んだ構成のものを提案した。垂直磁
化膜を使用することにより、メモリセルを微小化した場
合であっても、MR比の低下や書き込み電流の増加が抑
えられ、また、ヒステリシスループにおけるシフトも抑
えられ、優れた特性を有するメモリセルが得られるよう
になる。
成の一例を示す回路図である。
された磁気抵抗素子(メモリ素子)11と、磁気抵抗素
子11に一端が接続するスイッチ素子12とを備えてい
る。スイッチ素子12は、典型的にはMOS(Metal-Oxi
de-Semiconductor)電界効果トランジスタによって構成
されており、その他端は接地されている。このようなメ
モリセルが複数個、2次元にマトリクス状に配置するこ
とにより、メモリセルアレイを構成している。ここで図
示横方向の並びを行、縦方向の並びを列と呼ぶことにす
ると、図示したものでは、メモリセルアレイにおける3
行×3列分の領域が示されている。各行ごとに行方向に
延びるビット線BL1〜BL3が設けられ、各列ごとに
列方向に延びるワード線WL1〜WL3が設けられてい
る。各メモリセルにおいて、磁気抵抗素子11の一端は
対応する行のビット線に接続し、スイッチ素子12のゲ
ートは対応する列のワード線に接続する。
ータの書き込みを行うための書き込み線WWL1〜WW
L3であり、この書き込み線は、列ごとに設けられてい
る。図示した例では書き込み線WWL1〜WWL3は列
の他端で折り返す構成となっており、列ごとに設けられ
た書き込み回路13により、所定の書き込み電流が流さ
れるようになっている。各書き込み回路13には、電源
回路14から、書き込み電流を生成するための電流が供
給される。
面図である。図では、列方向に並ぶ2個のメモリセルが
示されている。
成されるとともに、スイッチ素子12のドレイン領域3
2及びソース領域33が設けられ、ドレイン領域32及
びソース領域33に挟まれた領域において、ゲート絶縁
膜34を介して、スイッチ素子12のゲート電極を兼ね
るワード線35(図4におけるワード線WL1〜WL3
に対応)が形成されている。図示した例では、2個のス
イッチ素子12がソース領域33を兼用する形態となっ
ており、このようなスイッチ素子12を覆うように、層
間絶縁膜36,37及び38がこの順で設けられてい
る。層間絶縁膜38は、特に薄く形成されている。ソー
ス領域33は、プラグ39を介して、層間絶縁膜36上
に形成された接地線40に接続し、ドレイン領域32
は、プラグ41を介して、層間絶縁膜38上に形成され
た磁気抵抗素子11に下面に接続している。磁気抵抗素
子11は、図示した例では、特開平11−213650
号公報に記載されたような、2層の垂直磁化膜の間に非
磁性層であるトンネル絶縁膜を挟持した構成のものであ
る。また、層間絶縁膜38の下には、層間絶縁膜37に
彫り込まれるように、書き込み線42(図4における書
き込み線WWL1〜WWL3に対応)が形成されてい
る。隣接する磁気抵抗素子11間の領域を埋めるように
層間絶縁膜43が形成されており、磁気抵抗素子11の
上面は、層間絶縁膜43上に形成されて図示左右方向に
延びるビット線44(図4におけるビット線BL1〜B
L3に対応)に接続している。さらに、層間絶縁膜43
やビット線44を覆うように、保護膜を兼ねる層間絶縁
膜45が形成されている。
モリセルへのデータの書き込みは、データを書き込もう
とするメモリセル(選択されたメモリセル)が属する列
の書き込み線に、書き込み値(“0”または“1”)に
応じた極性の書き込み電流を流して書き込み磁界を発生
するとともに、そのメモリセルが属する行のビット線に
アシスト電流を流してアシスト磁界を発生させ、書き込
み磁界とアシスト磁界との和磁界によって、選択された
メモリセルのみにデータが書き込まれるようにして行わ
れる。選択された行のビット線にアシスト電流を流すた
めに、各ビット線の一端には、電源回路14とそのビッ
ト線を接続するためのスイッチ素子15が設けられ、他
端には、その他端でビット線を接地するためのスイッチ
素子16が設けられている。スイッチ素子15,16
は、典型的には、MOS電界効果トランジスタによって
構成される。
ビット線BL1〜BL3の一端には、読み出し回路20
が設けられている。読み出し回路20は、ワード線WL
1〜WL3によって選択された列のメモリセルからその
メモリセルに書き込まれたデータを読み出すものであ
る。具体的には、スイッチ素子15,16の全てをオフ
状態とし、ワード線によって特定の列のスイッチ素子1
2をオン状態とし、読み出し回路20側から対象とする
メモリセルの磁気抵抗素子11の抵抗値を読み出し、そ
の結果に基づいて“0”及び“1”のいずれが記録され
ているかを判定する。この場合、磁気抵抗素子11の抵
抗値の絶対値を測定するのではなく、たとえば読み出し
回路20内に参照セルを設け、その参照セルと磁気抵抗
素子11の抵抗との大小を比較して“0”及び“1”の
いずれであるかを判定する。参照セルには、磁気抵抗素
子11において記録値が“0”のときの抵抗値と記録値
が“1”であるときの抵抗値との中間となる抵抗値が設
定されるようにする。そして、参照セルと磁気抵抗素子
11の双方に所定電流を流し、そのときに参照セル及び
磁気抵抗素子11の双方の両端に発生する電圧を検出
し、両者の電圧を比較することによって、参照セルの抵
抗値の方が大きいか、磁気抵抗素子11の抵抗値の方が
大きいかを判定し、磁気抵抗素子11に記録されたデー
タを判別する。
米国特許第6205073号明細書に記載されたものが
ある。この読み出し回路では、参照セルを流れる電流を
電圧値に変換し、また、磁気抵抗素子11を流れる電流
を電圧値に変換し、両方の電圧値の大小をコンパレータ
で判別することにより、磁気抵抗素子11に記録された
データを読み出すようにしている。
た従来の読み出し回路では、電流−電圧(I−V)変換
を参照セル側及び磁気抵抗素子側の両方で行っているの
で回路規模が大きくなりがちである。
モリ素子として用いる磁気メモリ装置に適し、回路規模
を小さくでき、かつ、寄生容量の影響を受けにくい読み
出し回路を提供することにある。
の読み出し回路は、磁気抵抗素子を有するメモリセルを
備えた磁気メモリ装置において、メモリセルに記録され
た情報を読み出す読み出し回路であって、参照セルと、
参照セルに所定の電圧を印加する第1の電圧印加手段
と、磁気抵抗素子に対して参照セルと同じ所定の電圧を
印加する第2の電圧印加手段と、第1の電圧印加手段に
よってその所定の電圧が印加されたことにより参照セル
を流れる電流を参照電流とし、第2の電圧印加手段によ
ってその所定の電圧が印加されたことにより磁気抵抗素
子を流れる電流をセル電流として、参照電流とセル電流
との差電流に応じて電圧を発生する検出手段と、を有す
る。
するメモリセルに記録された情報を読み出す磁気メモリ
装置の読み出し回路において、参照セルに一つの電流供
給端子が接続され、前記メモリセルに別の電流供給端子
が接続された電流ミラー回路を有し、前記参照セルを流
れる参照電流と選択されたメモリセルの磁気抵抗素子を
流れるセル電流との差電流を検出することにより情報を
読み出すことを特徴とするものである。そして、検出端
子が前記別の電流供給端子側に設けられ、前記参照セル
に流れる参照電流のミラー電流と、前記セル電流との差
電流を検出するようにすることも好ましいものである。
或いは、検出端子が前記一つの電流供給端子側に設けら
れ、前記参照セルに流れる参照電流と、前記選択された
メモリセルの磁気抵抗素子に流れるセル電流のミラー電
流との差電流を検出することも好ましいものである。更
に、前記電流ミラー回路は、トランジスタを介して前記
参照セル及び前記メモリセルに接続されていて、前記ト
ランジスタのゲート電圧を演算増幅器で制御することも
好ましいものである。
流(参照電流)とメモリセルアレイ中の選択された磁気
抵抗素子を流れる電流(セル電流)との差電流を検出し
てこれを電流−電圧変換し、変換された電圧に基づいて
磁気抵抗素子(メモリ素子)に記録されたデータを判別
する。具体的には、参照セル及び磁気抵抗素子にほぼ同
一の電圧を印加し、そのときの参照セルの電流(参照電
流)と磁気抵抗素子の電流(セル電流)の一方をカレン
トミラー回路の電流検出端子を流れる電流とし、他方を
カレントミラー回路の電流出力端子に流れるようにする
ことにより、参照電流とセル電流の大小関係に応じた電
圧出力が得られるようにしている。
電流側の両方で電流−電圧変換を行う従来の構成に比
べ、回路規模を小さくすることができる。また、本発明
の構成では、磁気抵抗素子にほぼ一定の電圧を加えてそ
の際のセル電流を検出する構成であるため、回路におい
て電圧が大きく変動する部分が少なく、寄生容量があっ
たとしてもその充放電が起こりにくいので、寄生容量の
影響を軽減することができ、高速での読み出し動作が可
能となる。
態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の
実施の一形態の読み出し回路の構成を示す回路図であ
る。ここでは、図4に示した構成においてメモリセルア
レイの1行分のメモリセルからビット線44を介してデ
ータを読み出す読み出し回路20として、本実施の形態
の読み出し回路を説明する。
けられている。参照セル50は、磁気抵抗素子11にお
いて記録値が“0”のときの抵抗値と記録値が“1”で
あるときの抵抗値との中間となる抵抗値を有するもので
ある。例えば、メモリセルの各磁気抵抗素子11と同一
プロセスで参照用の磁気抵抗素子を4個形成し、このう
ち2個を直列に接続して一方に“1”を他方に“0”を
記録し、残りの2個も直列に接続して一方に“1”を他
方に“0”を記録し、このように直列接続されたものを
相互に並列に接続することによって、ここで使用できる
参照セル50を得ることができる。参照セル50の一端
には、NチャネルMOS電界効果トランジスタ51のソ
ースが接続しており、参照セル50の他端は接地してい
る。
には、複数のメモリセルが接続しており、各メモリセル
において、磁気抵抗素子11の一端がビット線44に接
続し、磁気抵抗素子11の他端とスイッチ素子12の一
端が相互に接続し、スイッチ素子12の他端が接地され
ている。このようなビット線44に、この読み出し回路
に設けられたもう1つのNチャネルMOS電界効果トラ
ンジスタ52のソースが接続している。Nチャネルトラ
ンジスタ51,52は同一の電気的特性を有しており、
これらのNチャネルトランジスタ51,52のゲートに
は、同一の所定のバイアス電圧Vbiasが印加されてい
る。
1としては、2層の強磁性体層間に非磁性層を挟み込ん
だものであって、強磁性体層における磁化の方向に応じ
て二値の情報を記録し、記録された情報に応じて電気抵
抗値が変化するものが使用される。特に、非磁性層がト
ンネル絶縁膜であるものが好ましく使用される。各強磁
性体層は、面内磁化膜であってもよいが、垂直磁化膜で
あることが好ましい。
ネルMOS電界効果トランジスタ53のドレインが接続
し、トランジスタ52のドレインには、もう1つのPチ
ャネルMOS電界効果トランジスタ54のドレインが接
続している。これらPチャネルトランジスタ53,54
のソースは、電源Vccに接続している。また、Pチャネ
ルトランジスタ53,54のゲートは、相互に接続する
とともに、Pチャネルトランジスタ53のドレインに接
続している。Pチャネルトランジスタ53及び54は、
同一の電気的特性を有するものであって、カレントミラ
ー回路を構成している。このカレントミラー回路におい
ては、Pチャネルトランジスタ53のドレインが電流検
出端子となり、Pチャネルトランジスタ54のドレイン
が電流出力端子となる。Pチャネルトランジスタ54の
ドレインから、この読み出し回路の出力端子55が引き
出されている。
る。ここで、ビット線44につながるメモリセルのうち
1つのメモリセルにおいてスイッチ素子12がオン状態
となり、そのオン状態のメモリセルの磁気抵抗素子11
に記録されたデータを読み出すものとする。そこで、そ
の磁気抵抗素子11を流れるセル電流をIMTJと表し、
参照セル50を流れる参照電流をIREFと表すことにす
る。また、参照セル50の抵抗値をRREFで表し、磁気
抵抗素子11の抵抗値をRMTJと表す。
トにはバイアス電圧Vbiasが印加されていることによ
り、これらトランジスタ51,52のしきい値電圧をV
thとすると、トランジスタ51,52のドレインの電位
は、それぞれ、Vbias−(Vth+Veff1)及びVbias−
(Vth+Veff2)で表される。ここで、Veff1及びVef
f2は電流に応じて変化する部分であるが、実際には、
及びセル電流IMTJは、それぞれ、
ミラー回路が構成されていることから、適切な抵抗を介
して出力端子55を適切な電圧源を接続した場合には、
参照電流IREFとセル電流IMTJとの差電流が出力端子5
5に流れることになる。この場合の差電流は、参照電流
IREFとセル電流IMTJとの大小関係に応じて、流れる方
向が反転するものである。ここでは、このような差電流
を出力端子55から取り出すことはせずに、出力端子5
5をハイインピーダンスで受けてその電位を測ることと
する。すると、差電流に相当する電流は出力端子55を
流れることはできず、その代わり、参照電流IREFとセ
ル電流IMTJのどちらが大きいかに応じて、出力端子5
5の電位は、電源電圧Vccに近い電位かそうでない電位
かのいずれかとなる。具体的には、参照電流IREFの方
がセル電流IMTJより大きい場合(参照セル50の抵抗
値RREFの方が磁気抵抗素子11の抵抗値RMTJより小さ
い場合)に、出力端子55の電位は高いほうの電位、す
なわち電源電圧Vccに近いほうの電位となる。したがっ
て、図1に示す回路によれば、出力端子55の電位をモ
ニタすることによって、メモリセルアレイ中の選択され
たメモリセルの磁気抵抗素子11に記録された二値のデ
ータを電圧信号として読み出すことができる。
との差電流の極性に応じた電圧値が得られるようになっ
ており、参照電流とセル電流の双方について電流−電圧
変換を行う場合に比べて回路規模を小さくすることがで
きる。特に、この回路構成では、精密な電圧比較を行う
ためのコンパレータが不要となっている。また、磁気抵
抗素子11にほぼ一定の電圧(Vbias−(Vth+
Veff2))を加えてその際のセル電流を検出する構成で
あるため、回路において電圧が大きく変動する部分が少
なく、寄生容量があったとしてもその充放電が起こりに
くいので、寄生容量の影響を軽減することができる。
て、図2を用いて説明する。上述した第1の実施の形態
の読み出し回路の場合、Nチャネルトランジスタ51,
52の特性のばらつき、特にしきい値電圧のばらつきに
より、参照セル50と磁気抵抗素子11に印加される電
圧がばらつき、そのために磁気抵抗素子11からのデー
タの読み出しマージンが小さくなるおそれがある。垂直
磁化膜を用いた磁気抵抗素子の場合はMR比がおおきい
のでそれほどの問題とはならないが、面内磁化膜を用い
た磁気抵抗素子の場合、メモリセルの微小化とともにM
R比が小さくなるので、読み出しマージンが小さくなる
ことは、正常な読み出しを行う上での妨げとなりうる。
そこでこの第2の実施の形態では、トランジスタ51,
52の特性の差によらず、同一電圧が参照セル50及び
磁気抵抗素子11に印加される構成とした。
み出し回路は、図1に示した第1の実施の形態の回路に
対し、演算増幅器(差動増幅器)56,57を付加した
構成のものである。図2において、図1に示したものと
同一の構成要素には、同一の参照符号が付与されてい
る。バイアス電圧Vbiasは、Nチャネルトランジスタ5
1,52のゲートに印加される代わりに、演算増幅器5
6,57の非反転入力端子に供給されている。演算増幅
器56の出力端子はトランジスタ51のゲートに接続
し、演算増幅器57の出力端子はトランジスタ52のゲ
ートに接続している。また、演算増幅器56の反転入力
端子はトランジスタ51のソースに接続し、演算増幅器
57の反転入力端子はトランジスタ52のソースに接続
している。
れているようにトランジスタ51,52のソースの電位
はバイアス電圧Vbaisに一致し、その結果、参照電流I
REFとセル電流IMTJは、それぞれ、
ように、この読み出し回路では、トランジスタ51,5
2のしきい値VthやVref1,Vref2の影響を受けること
なく、参照セル50及び磁気抵抗素子11に対して、バ
イアス電圧Vbiasに等しい同一の電圧を印加できるよう
になり、そのため、磁気抵抗素子11からの読み出しマ
ージンを大きくすることが可能である。その他の点につ
いては、上述した第1の実施の形態と同様である。
て説明した。本発明の読み出し回路は、面内磁化膜を用
いた磁気抵抗素子をメモリ素子として用いる磁気メモリ
装置にも、垂直磁化膜を用いた磁気抵抗素子をメモリ素
子として用いる磁気メモリ装置にも、等しく適用できる
ものである。
として、MOS電界効果トランジスタを用いた構成を説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、そ
の他種類の電界効果型トランジスタを用いた場合にも適
用でき、さらには、バイポーラトランジスタを用いるこ
ともできる。また、トランジスタ51,52の導電型と
トランジスタ53,54の導電型とを逆にし、いわゆる
CMOS(相補性MOS)プロセスに適合した構成とし
た。更には、トランジスタの導電型と電位関係を逆転さ
せて、各実施形態の回路と等価な回路を構成することも
できる。
参照セル50とメモリセルの位置を入れ替えること、す
なわち、トランジスタ51,53の側に磁気抵抗素子1
1が接続され、トランジスタ52,54の側に参照セル
50が接続される構成とすることも、可能である。図3
は、図1に示す回路において、参照セル50とメモリセ
ル(磁気抵抗素子11)の位置を入れ替えた構成を示し
ている。位置を入れ替えたことにより、セル電流IMTJ
はトランジスタ51,53を通過し、参照電流IREFは
トランジスタ52,54を通過することになる。この回
路も、図1の回路と同様に動作するが、参照セル50の
抵抗値RREFと磁気抵抗素子11の抵抗値RMTJの大小関
係と、出力端子55に現れる電圧の大小関係との関係
が、図1に示す回路の場合とは逆になっている。
及び磁気抵抗素子にほぼ同一の電圧を印加し、そのとき
の参照セルの電流(参照電流)と磁気抵抗素子の電流
(セル電流)との差電流に基づいた電圧出力を得られる
ようにすることにより、従来の読み出し回路より回路規
模を小さくすることができるとともに、寄生容量の影響
を軽減することができ、より高速での読み出し動作が可
能となる、という効果がある。
示す回路図である。
を示す回路図である。
の構成を示す回路図である。
す回路図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 磁気抵抗素子を有するメモリセルに記録
された情報を読み出す磁気メモリ装置の読み出し回路で
あって、 前記参照セルと、 前記参照セルに所定の電圧を印加する第1の電圧印加手
段と、 前記磁気抵抗素子に対して前記所定の電圧を印加する第
2の電圧印加手段と、 前記第1の電圧印加手段によって前記所定の電圧が印加
されたことにより前記参照セルを流れる電流を参照電流
とし、前記第2の電圧印加手段によって前記所定の電圧
が印加されたことにより前記磁気抵抗素子を流れる電流
をセル電流として、前記参照電流と前記セル電流との差
電流に応じて電圧を発生する検出手段と、 を有する磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項2】 前記第1の電圧印加手段は、前記参照セ
ルに接続するソースと所定のバイアス電圧が印加される
ゲートとを有する第1のトランジスタを含み、 前記第2の電圧印加手段は、前記磁気抵抗素子に接続す
るソースと前記所定のバイアス電圧が印加されるゲート
とを有する第2のトランジスタを含む、 請求項1に記載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項3】 前記第1及び第2のトランジスタはほぼ
同一の電気的特性を有する請求項2に記載の磁気メモリ
装置の読み出し回路。 - 【請求項4】 前記第1の電圧印加手段は、 前記参照セルに接続するソースを有する第1のトランジ
スタと、 所定のバイアス電圧が印加される非反転入力端子と前記
第1のトランジスタのソースに接続する反転入力端子と
前記第1の絶縁トランジスタのゲートに接続する出力端
子とを有する第1の演算増幅器と、を含み、 前記第2の電圧印加手段は、 前記磁気抵抗素子に接続するソースを有する第2のトラ
ンジスタと、 前記所定のバイアス電圧が印加される非反転入力端子と
前記第2のトランジスタのソースに接続する反転入力端
子と前記第2のトランジスタのゲートに接続する出力端
子とを有する第2の演算増幅器と、を含む、 請求項1に記載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項5】 前記検出手段は、電流検出端子及び電流
出力端子を有し前記電流検出端子及び前記電流出力端子
の一方から前記参照電流が流れ前記電流検出端子及び前
記電流出力端子の他方から前記セル電流が流れるカレン
トミラー回路を含む、請求項1に記載の磁気メモリ装置
の読み出し回路。 - 【請求項6】 前記検出手段は、電流検出端子及び電流
出力端子を有し前記電流検出端子及び前記電流出力端子
の一方から前記参照電流が流れ前記電流検出端子及び前
記電流出力端子の他方から前記セル電流が流れるカレン
トミラー回路を含む、請求項2乃至4のいずれか1項に
記載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項7】 前記カレントミラー回路は、 電源に接続するソースと前記電流検出端子に接続するド
レインと前記ドレインに接続するゲートとを有する第3
のトランジスタと、 前記電源に接続するソースと前記電流出力端子に接続す
るドレインと前記第3のトランジスタのゲートに接続す
る第4のトランジスタと、 を有する、請求項6に記載の磁気メモリ装置の読み出し
回路。 - 【請求項8】 前記磁気メモリ装置は、ビット線と、複
数のメモリセルとを備え、 前記各メモリセルごとに、前記磁気抵抗素子と当該メモ
リセルを選択するためのスイッチ素子とが、一端が前記
ビット線に接続し他端が接地するように、直列に設けら
れ、 前記セル電流が、前記ビット線を介し、選択されたメモ
リセルの磁気抵抗素子に流れる、請求項1乃至7のいず
れか1項に記載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項9】 前記磁気抵抗素子は、2層の強磁性体層
間に非磁性層を挟み込んだものであり、前記強磁性体層
における磁化の方向に応じて二値の情報を記録し、記録
された情報に応じて電気抵抗値が変化するものである、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気メモリ装置
の読み出し回路。 - 【請求項10】 前記非磁性層がトンネル絶縁膜である
請求項9に記載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項11】 前記各強磁性体層が垂直磁化膜である
請求項9または10に記載の磁気メモリ装置の読み出し
回路。 - 【請求項12】 磁気抵抗素子を有するメモリセルに記
録された情報を読み出す磁気メモリ装置の読み出し回路
において、 参照セルに一つの電流供給端子が接続され、前記メモリ
セルに別の電流供給端子が接続された電流ミラー回路を
有し、 前記参照セルを流れる参照電流と選択されたメモリセル
の磁気抵抗素子を流れるセル電流との差電流を検出する
ことにより情報を読み出すことを特徴とする磁気メモリ
装置の読み出し回路。 - 【請求項13】 検出端子が前記別の電流供給端子側に
設けられ、前記参照セルに流れる参照電流のミラー電流
と、前記セル電流との差電流を検出する請求項12に記
載の磁気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項14】 検出端子が前記一つの電流供給端子側
に設けられ、前記参照セルに流れる参照電流と、前記選
択されたメモリセルの磁気抵抗素子に流れるセル電流の
ミラー電流との差電流を検出する請求項12に記載の磁
気メモリ装置の読み出し回路。 - 【請求項15】 前記電流ミラー回路は、トランジスタ
を介して前記参照セル及び前記メモリセルに接続されて
いる請求項12に記載の磁気メモリ装置の読み出し回
路。 - 【請求項16】 前記トランジスタのゲート電圧を制御
するための演算増幅器が接続されている請求項15に記
載の磁気メモリ装置の読み出し回路。
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