JP2003084449A - 感光性平版印刷版の製版方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製版方法

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JP2003084449A
JP2003084449A JP2001274509A JP2001274509A JP2003084449A JP 2003084449 A JP2003084449 A JP 2003084449A JP 2001274509 A JP2001274509 A JP 2001274509A JP 2001274509 A JP2001274509 A JP 2001274509A JP 2003084449 A JP2003084449 A JP 2003084449A
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lithographic printing
making
acid
photosensitive lithographic
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JP2001274509A
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Inventor
Etsuko Hino
悦子 檜野
Toshiaki Yokoo
敏明 横尾
Akio Kasakura
暁夫 笠倉
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持体表面にポジ型感光性組成物の層を有す
る感光性平版印刷版を、画像露光した後、自動現像機で
アルカリ成分と界面活性剤成分とを含有する現像液によ
って現像処理し製版した後、自動現像機の稼働を停止
し、再稼働して現像処理を再開するにおいて、安定した
現像処理を長時間にわたって、且つ簡便に行うことがで
きる、感光性平版印刷版の製版方法を提供する。 【構成】 現像液におけるアルカリ成分の設定濃度より
高濃度のアルカリ成分と、界面活性剤成分とを含有する
現像補充液を、予め設定された単位時間当たりの基準補
充量と稼働停止時間との積により算出される補充量未満
の量で補充する感光性平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体表面にポジ
型感光性組成物の層を有する感光性平版印刷版を、画像
露光した後、自動現像機で現像処理して製版する感光性
平版印刷版の製版方法に関し、特に、波長域650〜
1,300nmの範囲の光、就中、半導体レーザーやY
AGレーザー等のレーザー光により直接画像を形成し製
版するに好適なポジ型感光性平版印刷版の製版方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ画像処理技術の進歩に伴
い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出
力を行わずに、レーザー光により直接画像を形成するC
TP(Computer to Plate)システム
が注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやY
AGレーザー等を用いるCTPシステムは、製版工程の
短縮化、作業時の環境光、及び製版コスト等の面から、
その実用化が急速に進みつつある。
【0003】これに伴い、CTPシステム用の平版印刷
版として、近年、赤外レーザー光を用い、主として化学
変化以外の変化により露光部の現像液に対する溶解性を
増大させることによってポジ画像を形成する感光性組成
物の層を支持体表面に有する感光性平版印刷版が提案さ
れている(例えば、特開平10−268512号、特開
平11−84657号、特開平11−174681号、
特開平11−194504号、特開平11−22393
6号等各公報、WO97/39894号、WO98/4
2507号等各明細書等参照。)。
【0004】これらのポジ型感光性平版印刷版は、従来
のポジ型感光性平版印刷版が、典型的にはo−キノンジ
アジド化合物の光分解という化学的変化により露光部の
現像液に対する溶解性を増大させることによってポジ画
像を形成していたのに対して、赤外吸収色素等の赤外光
を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアル
カリ可溶性樹脂とを主な感光性成分とし、赤外レーザー
光の露光で発生する熱による樹脂の構造転移等の物理的
変化により露光部の現像液に対する溶解性を増大させる
ものであり、o−キノンジアジド化合物のような白色光
に感光する物質を含有させる必要がないことから、感光
性平版印刷版を白色灯下でも取り扱えるという利点を有
する一方、概して現像ラチチュード(現像時に露光部が
完全に除去されるまでの時間と、非露光部の残膜率が充
分に確保される時間との差)が狭く、又、そのためもあ
って、現像液の組成変化にも敏感であるという現像上の
弱点も有しているものであった。
【0005】これに対して、これらのポジ型感光性平版
印刷版において、露光部と非露光部とのコントラストを
向上させること等を目的として、現像液に界面活性剤を
添加する方法(例えば、特開平11−327163号公
報等参照。)が有効であることが知られている。
【0006】一方、ポジ型感光性平版印刷版において
は、画像露光した後、通常、アルカリ現像液を循環させ
た自動現像機に導入し、現像液に浸漬することにより現
像処理し製版されるが、その際、自動現像機の稼働によ
る現像処理に伴う露光部からの溶解物の蓄積等により、
処理面積に応じて現像液中のアルカリ成分や界面活性剤
成分が劣化する(ここで、この劣化を「処理疲労」と言
う。)ことが知られ、更に、この現像処理による処理疲
労とは独立に、自動現像機の稼働時及び稼働停止時の経
時により、空気中の二酸化炭素が現像液中に溶け込んで
現像液中のアルカリ成分が劣化する(ここで、この劣化
を「経時疲労」と言う。)ことが知られており、これら
の処理疲労及び経時疲労により有効成分の濃度が低下
し、安定した現像が行えなくなるという傾向がある。
【0007】そして、これらの処理疲労及び経時疲労に
対して、従来より、現像補充液でアルカリ成分や界面活
性剤成分を補充する方法が採られており、その際の現像
補充液の補充量は、処理疲労に対する、自動現像機の稼
働時における現像処理面積に比例させた補充量と、経時
疲労に対する、稼働時及び稼働停止時における単位時間
当たりの補充量と稼働及び稼働停止時間との積による補
充量との和で設定することができ、通常の平日間補充に
おいては、例えば夜間の稼働停止時等も含めて、ほぼ適
正な補充がなされるが、例えば、土曜日と日曜日をはさ
む等、稼働停止時間が長時間にわたる場合には、補充過
多となって、往々にしてオーバー現像が生じるという問
題があった。
【0008】一方、処理疲労、及び稼働時の経時疲労に
対する補充量の補正方法としては、例えば、特開平6−
51532号公報には、基準補充量を一時的補充量で補
正した量で現像補充液を補充する方法が、又、特開平8
−220772号公報には、現像機周辺の環境条件を測
定し、その測定値に応じて単位時間当たりの現像補充液
の補充量を変更する方法等が知られているが、稼働停止
時の経時疲労に対する補充量については、稼働停止時間
のみを考慮することで処理され、その補正方法について
は知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたものであって、支持体表面にポジ
型感光性組成物の層を有する感光性平版印刷版を、画像
露光した後、自動現像機でアルカリ成分と界面活性剤成
分とを含有する現像液によって現像処理し製版した後、
自動現像機の稼働を停止し、再稼働して現像処理を再開
するにおいて、安定した現像処理を長時間にわたって、
且つ簡便に行うことができる、感光性平版印刷版の製版
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体表面に
ポジ型感光性組成物の層を有する感光性平版印刷版を、
画像露光した後、自動現像機でアルカリ成分と界面活性
剤成分とを含有する現像液によって現像処理し製版した
後、自動現像機の稼働を停止し、再稼働して現像処理を
再開するにおいて、現像液におけるアルカリ成分の設定
濃度より高濃度のアルカリ成分と、界面活性剤成分とを
含有する現像補充液を、予め設定された単位時間当たり
の基準補充量と稼働停止時間との積により算出される補
充量未満の量で補充する感光性平版印刷版の製版方法、
を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、ポジ型感光性組
成物としては、特に限定されるものではなく、従来公知
の組成物を用いることができるが、特に、画像露光光源
の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質とアルカリ可
溶性樹脂とを含有する組成物が好ましく、その光熱変換
物質としては、画像露光光源の光を吸収して熱に変換し
得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650
〜1,300nmの範囲に吸収極大を有する光吸収色素
が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域
の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸
収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含
まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成
させる作用のない化合物である。
【0012】本発明におけるこれらの光吸収色素として
は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子が
ポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のもので
あり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポ
リメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広
義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系
(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、イ
ンドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシ
アニン系)、オキサゾール系(所謂、オキサシアニン
系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウ
ム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリ
メチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所
謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン
系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム
系、チアピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメ
チン系色素が好ましく、特に、インドール系色素が好ま
しい。
【0013】又、その他に、アミニウム系色素、イミニ
ウム系色素、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色
素、アントラキノン系色素等も代表的なものとして挙げ
られ、中で、アミニウム系色素、イミニウム系色素が好
ましい。
【0014】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記光熱変換物質の含有割合は、1〜70重量%で
あるのが好ましく、2〜60重量%であるのが更に好ま
しく、2〜50重量%であるのが特に好ましい。
【0015】又、本発明において、そのアルカリ可溶性
樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹
脂、ポリビニルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を
有するアクリル酸誘導体の共重合体等が挙げられ、中
で、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、又はポリビニルフ
ェノール樹脂が好ましく、特に、ノボラック樹脂が好ま
しい。
【0016】ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフ
トール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノー
ル−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも
1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデ
ヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒ
ドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた
樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール類
としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−
キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケ
トン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0017】特に、m−クレゾール:p−クレゾール:
2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾル
シノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜5
0:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール
類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾー
ルの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜6
0の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合
体が好ましく、又、後述する如く本発明における感光性
組成物は溶解抑止剤を含有していてもよく、その場合、
m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノー
ル:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合
がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜2
0:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:
m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で
10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類
と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0018】前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量(MW )が、1,000〜15,000
のものが好ましく、1,500〜10,000のものが
更に好ましい。
【0019】又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重
縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外
は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明におい
ては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノー
ル類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン
類が好ましく、又、同様の重量平均分子量(MW )のも
のが好ましい。
【0020】又、ポリビニルフェノール樹脂は、例え
ば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、
トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、
ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェ
ニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン
等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環
に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭
素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよ
い。)の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又は
カチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂であっ
て、中で、本発明においては、ベンゼン環に炭素数1〜
4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロ
キシスチレン類の重合体が好ましく、特に、無置換のベ
ンゼン環のヒドロキシスチレン類の重合体が好ましい。
又、重量平均分子量(MW )が、1,000〜100,
000のものが好ましく、1,500〜50,000の
ものが更に好ましい。
【0021】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、50〜99
重量%であるのが好ましく、60〜98重量%であるの
が更に好ましく、70〜98重量%であるのが特に好ま
しい。
【0022】又、本発明において、好ましいとする、前
記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性樹脂を含有するポ
ジ型感光性組成物には、露光部と非露光部のアルカリ現
像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、赤外領域
の光で分解されない溶解抑止剤が含有されていてもよ
い。
【0023】その溶解抑止剤としては、例えば、特開平
10−268512号及び特開平11−288089号
各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、
燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族
ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、
芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル
類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載さ
れている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨
格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色
素、特開平11−143076号公報に詳細に記載され
ている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラク
トン骨格を有する塩基発色性色素等を挙げることができ
る。
【0024】更に、溶解抑止剤として、例えば、ポリエ
チレングリコール類、ポリエチレングリコールポリプロ
ピレングリコールブロックコポリマー類、ポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレング
リコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールア
ルキルアミノエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル及
びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビタン脂
肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ソルビット脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオ
キサイド付加物類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル
及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル類等の非イオン性界面活性剤が挙げ
られる。
【0025】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以下であ
るのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に
好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好まし
い。
【0026】又、本発明において、好ましいとする、前
記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性樹脂を含有するポ
ジ型感光性組成物には、アンダー現像性の付与等、現像
性の改良を目的として、好ましくはpKaが2以上の有
機酸及びその有機酸の無水物が含有されていてもよい。
【0027】その有機酸及びその無水物としては、例え
ば、特開昭60−88942号、特開昭63−2760
48号、特開平2−96754号各公報等に記載された
ものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマ
ロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグ
ルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグ
ルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピル
グルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族
不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン
酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセ
ンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,
4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒ
ドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トル
イル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル
酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、
アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水
マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シク
ロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水
物を挙げることができる。
【0028】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記有機酸及びその無水物の含有割合は、30重量
%以下であるのが好ましく、0.01〜20重量%であ
るのが更に好ましく、0.1〜10重量%であるのが特
に好ましい。
【0029】又、本発明において、好ましいとする、前
記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性樹脂を含有するポ
ジ型感光性組成物には、露光及び現像後の後加熱により
前記アルカリ可溶性樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品
性、耐刷性等を付与することを目的として、前記アルカ
リ可溶性樹脂を架橋させる作用を有する架橋剤が含有さ
れていてもよい。
【0030】その架橋剤としては、代表的には、官能基
としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したア
ルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少
なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的に
は、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミ
ン〔三井サイテック社製、サイメル300シリーズ
(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル
混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテッ
ク社製、サイメル1100シリーズ(2)等〕、グリコ
ールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル
樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ
(3)等〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げ
られる。
【0031】これらの中で、複素環構造、特に含窒素複
素環構造を有するメラミン誘導体が好ましく、得られる
平版印刷版の保存性やインキ着肉性等の面から、メラミ
ン誘導体中のメチロール基とアルコキシメチル基の合計
数に対するアルコキシメチル基数の割合が70%以上、
特には90%以上であるメラミン誘導体が好ましい。か
かるメラミン誘導体は、メラミン誘導体に特定量のホル
ムアルデヒド及びアルコールを酸性条件下で反応させる
公知の方法により得ることができる。
【0032】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記架橋剤の含有割合は、20重量%以下であるの
が好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、
5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0033】更に、本発明において、好ましいとするポ
ジ型感光性組成物には、前記成分以外に、例えば、染
料、顔料、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、
感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いら
れる各種の添加剤が、20重量%以下、好ましくは10
重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0034】本発明におけるポジ型感光性組成物は、通
常、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗
布液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させる
ことにより、支持体表面にポジ型感光性組成物の層とし
て形成され、感光性平版印刷版とされる。
【0035】ここで、その支持体としては、アルミニウ
ム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、
銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属
板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を
貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプ
ラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中
で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸
溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立
て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じ
て封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がよ
り好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS
B0601に規定される平均粗さRaで、通常0.3〜
1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度であ
る。
【0036】又、その溶剤としては、使用成分に対して
十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等
のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、
ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレー
ト、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶
剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が
挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に
対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0037】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は、乾
燥膜厚として、通常、1〜3μm、好ましくは1〜2μ
m、乾燥重量として、通常、13〜30mg/dm2
好ましくは16〜28mg/dm2 の範囲とする。尚、
その際の乾燥温度としては、例えば、60〜170℃程
度、好ましくは70〜150℃程度、乾燥時間として
は、例えば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜
5分間程度が採られる。
【0038】本発明の感光性平版印刷版の製版方法は、
前記支持体表面に前記ポジ型感光性組成物の層が形成さ
れた感光性平版印刷版の該感光性組成物層を画像露光し
た後、自動現像機でアルカリ成分と界面活性剤成分とを
含有する現像液によって現像処理することからなる。
【0039】ここで、感光性組成物層を画像露光する光
源としては、カーボンアーク、水銀灯、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステン
ランプ、ハロゲンランプや、HeNeレーザー、アルゴ
ンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザ
ー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源
が挙げられるが、特に、波長域650〜1,300nm
の範囲のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に、
小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザー等の固
体レーザーが好ましい。
【0040】尚、レーザー光源は、通常、レンズにより
集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物
層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性
組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザ
ービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存すること
がある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワー
メーターにより測定したレーザービームの単位時間当た
りのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面に
おけるレーザービームのスポット面積(cm2)で除す
ることにより求めることができる。
【0041】本発明において、光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすること
が特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明で
の感光性組成物層の感度特性を向上させ得、走査露光時
間を短くすることができるので実用的に大きな利点とな
る。
【0042】又、本発明において、レーザー光源により
画像露光する場合、外面ドラム走査露光、内面ドラム走
査露光、平面走査露光等の各露光方式を用いることがで
きる。
【0043】感光性組成物層を画像露光した後、現像処
理に用いる現像液としては、露光部と非露光部との溶解
性等の差で現像し得るアルカリ成分を含有する現像液で
あればよいが、親水性の面から、アルカリ成分としてア
ルカリ金属の水酸化物とアルカリ金属の珪酸塩とを含有
する水溶液であるのが好ましく、そのアルカリ金属の珪
酸塩が、二酸化珪素としての含有量で0.5〜10重量
%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に
対する二酸化珪素のモル濃度(〔SiO2 〕)の比
(〔SiO2 〕/〔M〕)が0.1〜2.0であるのが
好ましく、二酸化珪素としての含有量で1〜8重量%で
あり、且つ、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪
素のモル濃度の比が0.2〜1.5、中でも0.3〜
1.2であるのが更に好ましい。又、非画像部の抜け性
等の面から、そのpHは12.0〜14.0であるのが
好ましく、12.8〜13.8であるのが更に好まし
い。
【0044】ここで、アルカリ成分としてのアルカリ金
属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、及び水酸化リチウム等が挙げられ、又、アルカリ
金属の珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム、及び珪酸リチウム等が挙げられる。
【0045】又、本発明における現像液は、現像条件の
幅を安定して広げ得る等の点から、ノニオン性、アニオ
ン性、或いは両性界面活性剤等の界面活性剤成分を含有
するものであり、その含有量としては、0.001〜1
重量%であるのが好ましく、0.005〜0.5重量%
であるのが更に好ましい。
【0046】ここで、ノニオン性界面活性剤としては、
例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等の
ポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセ
チルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエー
テル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリ
エチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラ
デシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリ
コールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコ
ールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコー
ルアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチ
レングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、
ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポ
リエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレング
リコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、
モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリ
セリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステア
リン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオ
レイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリ
セリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサ
イド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステ
アリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モ
ノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等
のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレン
オキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テト
ラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビ
ット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪
酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類等を挙
げることができる。
【0047】又、アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリル硫
酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等アルキル硫
酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナト
リウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、
ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級
アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸
エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル
塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン
酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩
類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウ
ム等のアルキル燐酸エステル塩類、ラウリルエーテル硫
酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリ
ルエーテル硫酸アンモニウムのポリエチレンオキサイド
付加物、ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンの
ポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル硫
酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付
加物等のアルキルフェニルエーテル硫酸塩のポリエチレ
ンオキサイド付加物類、ラウリルエーテル燐酸ナトリウ
ムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテ
ル燐酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフ
ェニルエーテル燐酸ナトリウムのポリエチレンオキサイ
ド付加物等のアルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエ
チレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
【0048】又、両性界面活性剤としては、例えば、N
−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチル
アンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N
−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,
N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモ
ニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキ
シメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−
アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチ
ルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリ
ン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン
−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン
類等を挙げることができる。
【0049】以上の界面活性剤の中で、本発明において
は、ノニオン性界面活性剤としての前記各種のポリエチ
レングリコール誘導体類、前記各種のポリエチレンオキ
サイド付加物類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、
アニオン性界面活性剤としてのアルキル燐酸エステル塩
類、アルキルエーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド
付加物類、アルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエチ
レンオキサイド付加物類、及び、両性界面活性剤として
のベタイン型化合物類が好ましく、ノニオン性界面活性
剤とししての前記各種のポリエチレンオキサイド付加物
類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、アニオン性界
面活性剤としてのアルキル燐酸エステル塩類、アルキル
エーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類が特
に好ましい。
【0050】尚、本発明における現像液には、前記アル
カリ成分、前記界面活性剤成分の外に、必要に応じて、
更に、硬水軟化剤、pH調整剤、消泡剤等の添加剤を、
好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.
005〜3重量%の濃度で含有させることができる。
【0051】そして、本発明の感光性平版印刷版の製版
方法は、前記アルカリ成分と前記界面活性剤成分とを含
有する現像液によって自動現像機で現像処理し製版した
後、自動現像機の稼働を停止し、再稼働して現像処理を
再開するにおいて、現像液におけるアルカリ成分の設定
濃度より高濃度のアルカリ成分と、界面活性剤成分とを
含有する現像補充液を、予め設定された単位時間当たり
の基準補充量と稼働停止時間との積により算出される補
充量未満の量で補充することを必須とし、算出されるこ
の補充量以上では、本発明の目的を達成することができ
ない。
【0052】ここで、現像補充液のアルカリ成分濃度
は、現像液のアルカリ成分の設定濃度より高濃度とし、
現像補充液におけるアルカリ成分濃度[A1 (重量
%)]を、現像液のアルカリ成分の設定濃度[A0 (重
量%)]に対して下記式(I) を満足する濃度とするのが
好ましく、下記式(II)を満足する濃度とするのが更に好
ましく、下記式(III) を満足する濃度とするのが特に好
ましい。
【0053】 1.001A0 ≦A1 ≦5A0 (I) 1.005A0 ≦A1 ≦4A0 (II) 1.01A0 ≦A1 ≦3A0 (III)
【0054】又、現像補充液の界面活性剤成分濃度は、
必ずしも、現像液の界面活性剤成分の設定濃度より高濃
度とする必要はなく、現像補充液における界面活性剤成
分濃度[S1 (重量%)]を、現像液の界面活性剤成分
の設定濃度[S0 (重量%)]に対して下記式(IV)を満
足する濃度とするのが好ましく、下記式(V) を満足する
濃度とするのが更に好ましく、下記式(VI)を満足する濃
度とするのが特に好ましい。
【0055】 0.8S0 ≦S1 ≦10S0 (IV) 0.9S0 ≦S1 ≦5S0 (V) S0 ≦S1 ≦3S0 (VI)
【0056】そして、自動現像機を再稼働して現像処理
を再開するにおいて、その現像補充液について、例え
ば、現像液と現像補充液のアルカリ成分や界面活性剤成
分の種類や濃度、及びそれら成分の現像液と現像補充液
間の濃度差、更には、自動現像機の設置環境下における
空気中の二酸化炭素濃度等によって予め設定された単位
時間当たりの基準補充量と稼働停止時間との積によって
算出される量を、通常、補充量として用いるのに対し
て、本発明においては、その算出される補充量未満の量
で補充するものであり、現像補充液の補充量〔X(m
l)〕を、下記式(VII) に従って算出される量とするの
が好ましい。
【0057】 X(ml)=Y(ml/hr)×T(hr)×k (VII) 〔ここで、Xは補充量(ml)、Yは予め設定された単
位時間当たりの基準補充量(ml/hr)、Tは稼働停
止時間(hr)、kは稼働停止時間の長さに逆比例させ
て決定される定数であり、0<k<1である。〕
【0058】ここで、前記式(VII) における単位時間当
たりの基準補充量〔Y(ml/hr)〕は、本発明者等
の実験によると、通常の現像液におけるアルカリ成分濃
度においては、空気中の二酸化炭素の濃度に対して指数
関数的に漸増させるのが好ましく、例えば、空気中の二
酸化炭素濃度〔Z(ppm)〕に対して下記式(VIII)に
よりその最適値を求めることができる。
【0059】 Y(ml/hr)=a〔exp(bZ)〕 (VIII)
【0060】尚、前記式(VIII)において、a及びbは、
感光性組成物の組成、現像液の組成、現像補充液の組
成、及び現像条件等によって定まる定数であり、本発明
者等の実験によると、aは0.01超過10未満の範
囲、特には0.08超過5未満の範囲とするのが好まし
く、又、bは0超過1未満の範囲、特には0.0001
超過0.02未満の範囲とするのが好ましい。
【0061】又、本発明においては、自動現像機の現像
液容量が比較的小さい、例えば30L以下、特には25
L以下の場合に好適であり、単位時間当たりの基準補充
量としては、10〜300ml/hr、更には20〜2
00ml/hr、特には30〜150ml/hrの範囲
であるのが好ましい。
【0062】又、前記式(VII) における定数〔k〕は、
稼働停止時間の長さに逆比例させて決定され、本発明者
等の実験によると、稼働停止時間に対して指数関数的に
漸減させるのが好ましく、例えば、稼働停止時間〔T
(hr)〕に対して下記式(IX)によりその最適値を求め
ることができる。
【0063】k=c〔exp(−dT)〕 (IX)
【0064】尚、前記式(IX)において、c及びdは、感
光性組成物の組成、現像液の組成、現像補充液の組成、
及び現像条件等によって定まる正の定数であり、本発明
者等の実験によると、cは1超過5未満の範囲、特には
1超過2未満の範囲とするのが好ましく、又、dは0.
001超過1未満の範囲、特には0.002超過0.1
未満の範囲とするのが好ましい。そして、そのkの値と
しては、自動現像機の現像液容量が大きくなるに従って
1に近づけることが好ましいが、0.9以下とするのが
好ましく、0.8以下とするのが更に好ましく、0.7
以下とするのが特に好ましい。
【0065】又、本発明においては、稼働停止時間とし
ては15時間以上であるとき、本発明の効果を顕著に発
現することができることから好ましく、20時間以上で
あるのが更に好ましく、40時間以上であるのが特に好
ましい。
【0066】尚、本発明においては、通常の現像方法に
従って、前記処理疲労に対して、現像処理面積より算出
される量の現像補充液の補充、及び、前記経時疲労に対
して、稼働時及び稼働停止時における単位時間当たりの
補充量と稼働及び稼働停止時間との積により算出される
量の現像補充液の補充が、別になされてもよいことは勿
論である。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び
比較例に用いたポジ型感光性平版印刷版、その画像露光
方法、並びに、用いた現像液及び現像補充液は以下の通
りのものである。
【0068】<ポジ型感光性平版印刷版>アルミニウム
板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.
5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中で、温度28
℃、電流密度60A/dm2 、処理時間40秒の条件で
電解エッチング処理を行った。次いで水洗後、4重量%
の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、12秒間のデス
マット処理を施し、水洗後、20重量%硫酸溶液中で、
温度20℃、電流密度3.5A/dm2 、処理時間1分
の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で
20秒間熱水封孔処理を行い、水洗、乾燥して平版印刷
版支持体用のアルミニウム板を作製した。表面粗度計
(小坂研究所社製「SE−3DH」)によるこの板表面
の平均粗さRaは0.6μmであった。
【0069】得られたアルミニウム板支持体表面に、光
熱変換物質として、下記構造(a)のインドール系色素
10重量部、アルカリ可溶性樹脂として、フェノール/
m−クレゾール/p−クレゾール=20/50/30
(モル比)の混合フェノールをホルムアルデヒドで重縮
合したノボラック樹脂(MW 4,000)100重量
部、溶解抑止剤として、ラクトン骨格を有する下記構造
(b)の酸発色性色素10重量部、及び、ノボラック樹
脂と5−ヒドロキシ−6−ジアセチルメチリデンヒドラ
ジノ−ナフタレンスルホン酸とのエステル縮合物10重
量部、並びに、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソ
ルビット(日光ケミカルズ社製「GO−4」)4重量
部、有機酸として、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸6重量部、架橋剤として、メトキシメチル化メラミン
(三井サイテック社製「サイメルC−300」)1重量
部、及び、塗布性改良剤として、フッ素系界面活性剤
(旭硝子社製「サーフロンS−381」)0.0025
重量部とを、メチルセロソルブ735重量部、エチルセ
ロソルブ184重量部に溶解した塗布液をコーターを用
いて塗布し、90℃で2分間乾燥させた後、55℃で1
6時間の後加熱処理を施すことにより、乾燥膜厚が2.
1g/m2 のポジ型感光性組成物の層を有するポジ型感
光性平版印刷版を作製した。
【0070】
【化1】
【0071】<画像露光方法>前記で得られたポジ型感
光性平版印刷版を、波長830nmの半導体レーザーを
光源とする露光装置(大日本スクリーン社製、「PTR
−8000」)を用いて、115mj/cm2 の露光量
で画像露光した。
【0072】<現像液及び現像補充液>次表1の組成の
現像液及び現像補充液を調製した。
【0073】
【表1】
【0074】尚、表1において、「NIKKOL DL
P10」は、日光ケミカルズ社製アニオン性界面活性剤
のポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウ
ム、「パイオニンA15」は、竹本油脂社製アニオン性
界面活性剤のオレイン酸高度硫酸化油、「アモーゲン
K」は、第一工業製薬社製両性界面活性剤のベタイン型
化合物、「NIKKOL NP15」は、日光ケミカル
ズ社製ノニオン性界面活性剤のポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルである。又、珪酸カリウムは、日本
化学工業社製のA珪酸カリウム(SiO2 相当26.5
重量%、K2 O相当13.5重量%)であり、アルカリ
成分濃度とは、そのSiO2 と水酸化カリウム(KO
H)の重量として算出したものである。
【0075】実施例1〜3、比較例1〜3 自動現像機(三菱化学社製「MD−910」)を用い、
その現像槽に前記の現像液23リットルを仕込み、モデ
ル的に、表2に示す時間、自動現像機の稼働を停止した
後、稼働し、表2に示す量の現像補充液に補充し、引き
続いて、前記露光方法で露光した感光層を有する平版印
刷版を、31℃の温度で15秒間浸漬することにより現
像処理を施した。その際、現像補充液の基準補充量は、
自動現像機の設置環境下における空気中の二酸化炭素濃
度から90ml/hrとし、表2に示すkの値は、自動
現像機の稼働停止時間〔T(hr)〕から、以下の式に
よりそれぞれ算出した。 k=1.2205exp(−0.0125T)
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、支持体表面にポジ型感
光性組成物の層を有する感光性平版印刷版を、画像露光
した後、自動現像機でアルカリ成分と界面活性剤成分と
を含有する現像液によって現像処理し製版した後、自動
現像機の稼働を停止し、再稼働して現像処理を再開する
において、安定した現像処理を長時間にわたって、且つ
簡便に行うことができる、感光性平版印刷版の製版方法
を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 笠倉 暁夫 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 AD03 CB17 CB29 CB52 CC20 FA03 FA17 2H096 AA07 BA09 BA16 BA20 EA04 GA08 GA09 GA11 GA22 GA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面にポジ型感光性組成物の層を
    有する感光性平版印刷版を、画像露光した後、自動現像
    機でアルカリ成分と界面活性剤成分とを含有する現像液
    によって現像処理し製版した後、自動現像機の稼働を停
    止し、再稼働して現像処理を再開するにおいて、現像液
    におけるアルカリ成分の設定濃度より高濃度のアルカリ
    成分と、界面活性剤成分とを含有する現像補充液を、予
    め設定された単位時間当たりの基準補充量と稼働停止時
    間との積により算出される補充量未満の量で補充するこ
    とを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 稼働停止時間が15時間以上である請求
    項1に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】 現像補充液の補充量〔X(ml)〕を、
    下記式(I) に従って算出される量とする請求項1又は2
    に記載の感光性平版印刷版の製版方法。 X(ml)=Y(ml/hr)×T(hr)×k (VII) 〔ここで、Xは補充量(ml)、Yは予め設定された単
    位時間当たりの基準補充量(ml/hr)、Tは稼働停
    止時間(hr)、kは稼働停止時間の長さに逆比例させ
    て決定される定数であり、0<k<1である。〕
  4. 【請求項4】 前記式(I) における稼働停止時間〔T
    (hr)〕が40時間以上であり、且つ、定数〔k〕が
    0.8以下である請求項3に記載の感光性平版印刷版の
    製版方法。
  5. 【請求項5】 現像補充液におけるアルカリ成分濃度
    [A1 (重量%)]を、現像液のアルカリ成分の設定濃
    度[A0 (重量%)]に対して下記式(II)を満足する濃
    度とする請求項1又は4のいずれかに記載の感光性平版
    印刷版の製版方法。 1.001A0 ≦A1 ≦5A0 (I)
  6. 【請求項6】 現像補充液における界面活性剤成分濃度
    [S1 (重量%)]を、現像液の界面活性剤成分の設定
    濃度[S0 (重量%)]に対して下記式(V)を満足する
    濃度とする請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性平
    版印刷版の製版方法。 0.8S0 ≦S1 ≦10S0 (IV)
  7. 【請求項7】 ポジ型感光性組成物が、画像露光光源の
    光を吸収して熱に変換する光熱変換物質とアルカリ可溶
    性樹脂とを含有する請求項1乃至6のいずれかに記載の
    感光性平版印刷版の製版方法。
  8. 【請求項8】 光熱変換物質が赤外吸収色素を含み、ア
    ルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂を含む請求項1乃至
    7のいずれかに記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  9. 【請求項9】 画像露光を、波長域650〜1,300
    nmの範囲のレーザー光により行う請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の感光性平版印刷版の製版方法。
JP2001274509A 2001-09-11 2001-09-11 感光性平版印刷版の製版方法 Pending JP2003084449A (ja)

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