JP2002278082A - 感光性平版印刷版の画像形成方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の画像形成方法

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JP2002278082A
JP2002278082A JP2001080020A JP2001080020A JP2002278082A JP 2002278082 A JP2002278082 A JP 2002278082A JP 2001080020 A JP2001080020 A JP 2001080020A JP 2001080020 A JP2001080020 A JP 2001080020A JP 2002278082 A JP2002278082 A JP 2002278082A
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Akio Kasakura
暁夫 笠倉
Etsuko Hino
悦子 檜野
Naohide Ogita
尚秀 荻田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像工程での現像液の循環系の不良を的確に
検知し安定した現像を可能とした、感光性平版印刷版の
画像形成方法であって、特に、感光性平版印刷版を赤外
レーザー光によって直接露光してポジ型平版印刷版を製
造するに好適な感光性平版印刷版の画像形成方法を提供
する。 【構成】 支持体表面に感光性組成物の層が形成された
感光性平版印刷版を画像露光した後、現像液の温度を調
節するための温度調節装置、及び現像液を循環するため
の液循環装置を備えた現像槽に導入し現像液に浸漬させ
て現像して画像を形成するにおいて、前記現像槽に一定
距離以上離間した少なくとも2ケ所に複数の温度センサ
ーを設置すると共に、該複数の温度センサー間で検知さ
れた温度が所定温度以上乖離したときに、前記温度調節
装置及び液循環装置への通電を遮断する機構、並びに、
前記平版印刷版の現像槽への導入を遮断する機構を備え
た現像工程にて現像する、感光性平版印刷版の画像形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
の画像形成方法に関し、更に詳しくは、現像工程での現
像液の循環系の不良を的確に検知し安定した現像を可能
とした画像形成方法であって、特に、感光性平版印刷版
を赤外レーザー光によって直接露光してポジ型平版印刷
版を製造するに好適な感光性平版印刷版の画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ画像処理技術の進歩に伴
い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出
力を行わずに、レーザー光により、直接画像を形成する
CTP(Computer to Plate)システ
ムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーや
YAGレーザー等を用いるCTPシステムは、製版工程
の短縮化、作業時の環境光、及び製版コスト等の面か
ら、その実用化が急速に進みつつある。
【0003】これに対して、CTPシステム用の平版印
刷版として、赤外レーザー光を用い、支持体表面に主と
して化学変化以外の変化により露光部の現像液に対する
溶解性を増大させることによってポジ画像を形成する感
光性組成物層を有する感光性平版印刷版が提案され(例
えば、特開平10−268512号、特開平11−84
657号、特開平11−174681号、特開平11−
194504号、特開平11−223936号等各公
報、WO97/39894号、WO98/42507号
等各明細書等参照。)、これらのポジ型感光性平版印刷
版は、従来のポジ型感光性平版印刷版が、典型的にはo
−キノンジアジド化合物の光分解という化学的変化によ
り露光部の現像液に対する溶解性を増大させることによ
ってポジ画像を形成していたのに対して、赤外吸収色素
等の赤外光を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹
脂等のアルカリ可溶性樹脂とを主な感光性成分とし、赤
外レーザー光の露光で発生する熱による樹脂の構造転移
等の物理的変化により露光部の現像液に対する溶解性を
増大させるものであり、o−キノンジアジド化合物のよ
うな白色光に感光する物質を含有させる必要がないこと
から、感光性平版印刷版を白色灯下でも取り扱えるとい
う利点を有する一方、概して現像ラチチュード(現像時
に露光部が完全に除去されるまでの時間と、非露光部の
残膜率が充分に確保される時間との差)が狭く、又、そ
のためもあって、現像液流の変化にも敏感であるという
現像上の弱点も有しているものであった。
【0004】一方、これらのポジ型感光性平版印刷版に
おいては、画像露光した後、通常、アルカリ現像液を循
環させた現像槽にベルトコンベア等で連続的に導入し、
20〜40℃程度に加温した現像液に浸漬することによ
り現像され画像が形成されるが、その際、時間の経過と
共に、現像液中のアルカリ成分に疲労が生じる等により
有効成分が変化したり、又、例えば露光部からの溶解物
の蓄積等によりスラッジ等が発生し、配管、ポンプ、フ
ィルター等の現像液循環系に不良箇所が生じる等によ
り、安定した現像が行えないという問題を抱えており、
前者有効成分の変化の点に対しては、現像補充液の補充
により問題の解決が図られ、一方、後者循環系の不良の
点に対しては、スラッジの原因物質となる不純物をキレ
ート剤の添加等により減じる方法や、感光性平版印刷版
の支持体としてのアルミニウム板の溶解を防止する添加
剤を添加する方法等の現像液組成上の工夫、或いは、配
管経路を太くしたり、ポンプ流入経路のフィルターを強
化する等の装置上の工夫等がなされてきた。しかしなが
ら、後者循環系の不良の点については、依然として市場
の要求を充分に満足させるには到っておらず、更に、循
環系の不良をフローセンサー等を用いて検知する方法等
も知られているが、検出精度上の問題等もあって実用化
には到っていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたものであって、現像工程での現像
液の循環系の不良を的確に検知し安定した現像を可能と
した、感光性平版印刷版の画像形成方法であって、特
に、感光性平版印刷版を赤外レーザー光によって直接露
光してポジ型平版印刷版を製造するに好適な感光性平版
印刷版の画像形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体表面に
感光性組成物の層が形成された感光性平版印刷版を画像
露光した後、現像液の温度を調節するための温度調節装
置、及び現像液を循環するための液循環装置を備えた現
像槽に導入し現像液に浸漬させて現像して画像を形成す
るにおいて、前記現像槽に一定距離以上離間した少なく
とも2ケ所に複数の温度センサーを設置すると共に、該
複数の温度センサー間で検知された温度が所定温度以上
乖離したときに、前記温度調節装置及び液循環装置への
通電を遮断する機構、並びに、前記平版印刷版の現像槽
への導入を遮断する機構を備えた現像工程にて現像す
る、感光性平版印刷版の画像形成方法、を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明での感光性平版印刷版にお
ける支持体表面に形成された感光性組成物層を構成する
感光性組成物としては、アルカリ現像性を有するもので
あれば特に限定されるものではなく、具体的には、例え
ば、ネガ型としては、ジアゾ樹脂を含有する組成物、エ
チレン性不飽和化合物と光重合開始剤を含有する光重合
性組成物、赤外吸収色素の如き光熱変換物質とアルカリ
可溶性樹脂と該樹脂の架橋剤と光酸発生剤を含有する組
成物等が挙げられ、又、ポジ型としては、キノンジアジ
ド基含有化合物とアルカリ可溶性樹脂を含有する組成
物、赤外吸収色素の如き光熱変換物質とアルカリ可溶性
樹脂を含有する組成物等が挙げられる。中でも、本発明
においては、感光性組成物層が、光熱変換物質とアルカ
リ可溶性樹脂を含有するポジ型の感光性組成物からなる
場合において、優れた効果を発現することができるので
特に好ましい。
【0008】本発明において感光性組成物として好まし
いとする、光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂を含有す
るポジ型感光性組成物における光熱変換物質としては、
画像露光光源の光を吸収して熱に変換し得る化合物であ
れば特に限定されないが、波長域650〜1,300n
mの範囲の一部又は全部に吸収帯を有する光吸収色素が
特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の
光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収
しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含ま
れるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成さ
せる作用のない化合物である。
【0009】本発明において、これらの光吸収色素とし
ては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子
がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のもの
であり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、
ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、
広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン
系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、
インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオ
シアニン系)、オキサゾール系(所謂、オキサシアニン
系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウ
ム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリ
メチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所
謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン
系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム
系、チアピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメ
チン系色素が好ましい。
【0010】又、その他に、アミニウム系色素、イミニ
ウム系色素、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色
素、アントラキノン系色素等も代表的なものとして挙げ
られ、中で、アミニウム系色素、イミニウム系色素が好
ましい。
【0011】本発明で好ましいとするポジ型感光性組成
物における前記光熱変換物質の含有割合は、1〜70重
量%であるのが好ましく、2〜60重量%であるのが更
に好ましく、3〜50重量%であるのが特に好ましい。
【0012】又、本発明において感光性組成物として好
ましいとする、光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂を含
有するポジ型感光性組成物におけるアルカリ可溶性樹脂
としては、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポ
リビニルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有する
アクリル酸誘導体の共重合体等が挙げられ、中で、ノボ
ラック樹脂、レゾール樹脂、又はポリビニルフェノール
樹脂が好ましく、特に、ノボラック樹脂が好ましい。
【0013】ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフ
トール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノー
ル−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも
1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデ
ヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒ
ドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた
樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール類
としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−
キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケ
トン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0014】特に、m−クレゾール:p−クレゾール:
2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾル
シノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜5
0:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール
類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾー
ルの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜6
0の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合
体が好ましく、又、後述する如く本発明における感光性
組成物は溶解抑止剤を含有していてもよく、その場合、
m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノー
ル:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合
がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜2
0:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:
m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で
10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類
と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0015】前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量(MW )が、1,000〜15,000
のものが好ましく、1,500〜10,000のものが
更に好ましい。
【0016】又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重
縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外
は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明におい
ては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノー
ル類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン
類が好ましく、又、同様の重量平均分子量(MW )のも
のが好ましい。
【0017】又、ポリビニルフェノール樹脂は、例え
ば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、
トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、
ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェ
ニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン
等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環
に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭
素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよ
い。)の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又は
カチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂であっ
て、中で、本発明においては、ベンゼン環に炭素数1〜
4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロ
キシスチレン類の重合体が好ましく、特に、無置換のベ
ンゼン環のヒドロキシスチレン類の重合体が好ましい。
又、重量平均分子量(MW )が、1,000〜100,
000のものが好ましく、1,500〜50,000の
ものが更に好ましい。
【0018】本発明で好ましいとするポジ型感光性組成
物における前記アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、50
〜99重量%であるのが好ましく、60〜98重量%で
あるのが更に好ましく、70〜97重量%であるのが特
に好ましい。
【0019】又、本発明において感光性組成物として好
ましいとする、前記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性
樹脂を含有するポジ型感光性組成物には、露光部と非露
光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる
目的で、赤外領域の光で分解されない溶解抑止剤が含有
されていてもよい。
【0020】その溶解抑止剤としては、例えば、特開平
10−268512号及び特開平11−288089号
各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、
燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族
ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、
芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル
類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載さ
れている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨
格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色
素、特開平11−143076号公報に詳細に記載され
ている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラク
トン骨格を有する塩基発色性色素等を挙げることができ
る。
【0021】更に、溶解抑止剤として、例えば、ポリエ
チレングリコール類、ポリエチレングリコールポリプロ
ピレングリコールブロックコポリマー類、ポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレング
リコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールア
ルキルアミノエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル及
びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビタン脂
肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ソルビット脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオ
キサイド付加物類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル
及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル類等の非イオン性界面活性剤が挙げ
られる。
【0022】本発明で好ましいとするポジ型感光性組成
物における前記溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以
下であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるの
が更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好
ましい。
【0023】又、本発明において感光性組成物として好
ましいとする、前記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性
樹脂を含有するポジ型感光性組成物には、アンダー現像
性の付与等、現像性の改良を目的として、好ましくはp
Kaが2以上の有機酸及びその有機酸の無水物が含有さ
れていてもよい。
【0024】その有機酸及びその無水物としては、例え
ば、特開昭60−88942号、特開昭63−2760
48号、特開平2−96754号各公報等に記載された
ものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマ
ロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグ
ルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグ
ルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピル
グルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族
不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン
酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセ
ンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,
4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒ
ドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トル
イル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル
酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、
アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水
マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シク
ロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水
物を挙げることができる。
【0025】本発明で好ましいとするポジ型感光性組成
物における前記有機酸及びその無水物の含有割合は、3
0重量%以下であるのが好ましく、0.01〜20重量
%であるのが更に好ましく、0.1〜10重量%である
のが特に好ましい。
【0026】又、本発明において感光性組成物として好
ましいとする、前記光熱変換物質と前記アルカリ可溶性
樹脂を含有するポジ型感光性組成物には、露光及び現像
後の後加熱により前記アルカリ可溶性樹脂を架橋させて
ポジ画像に耐薬品性、耐刷性等を付与することを目的と
して、前記アルカリ可溶性樹脂を架橋させる作用を有す
る架橋剤が含有されていてもよい。
【0027】その架橋剤としては、代表的には、官能基
としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したア
ルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少
なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的に
は、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミ
ン〔三井サイアナミッド社製、サイメル300シリーズ
(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル
混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナ
ミッド社製、サイメル1100シリーズ(2)等〕、グ
リコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウ
リル樹脂(三井サイアナミッド社製、サイメル1100
シリーズ(3)等〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂
等が挙げられる。
【0028】これらの中で、複素環構造、特に含窒素複
素環構造を有するメラミン誘導体が好ましく、得られる
平版印刷版の保存性やインキ着肉性等の面から、メラミ
ン誘導体中のメチロール基とアルコキシメチル基の合計
数に対するアルコキシメチル基数の割合が70%以上、
特には90%以上であるメラミン誘導体が好ましい。か
かるメラミン誘導体は、メラミン誘導体に特定量のホル
ムアルデヒド及びアルコールを酸性条件下で反応させる
公知の方法により得ることができ、前記アルコキシメチ
ル基の割合は13C−NMRにより測定し特定することが
できる。
【0029】本発明において感光性組成物として好まし
いとするポジ型感光性組成物には、前記成分以外に、例
えば、染料、顔料、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度
改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通
常用いられる各種の添加剤が、更に20重量%以下、好
ましくは10重量%以下の範囲で含有されていてもよ
い。
【0030】本発明において感光性組成物は、通常、前
記各構成成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布
液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させるこ
とにより、支持体表面に感光性組成物の層として形成さ
れ、感光性平版印刷版とされる。
【0031】ここで、その支持体としては、アルミニウ
ム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、
銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属
板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を
貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプ
ラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中
で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸
溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立
て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じ
て封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がよ
り好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS
B0601に規定される平均粗さRaで、通常0.3〜
1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度であ
る。
【0032】又、その溶剤としては、使用成分に対して
十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等
のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、
ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレー
ト、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶
剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が
挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に
対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0033】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は、乾
燥膜厚として、通常、1〜3μm、好ましくは1〜2μ
m、乾燥重量として、通常、13〜30mg/dm2
好ましくは16〜28mg/dm2 の範囲とする。尚、
その際の乾燥温度としては、例えば、60〜170℃程
度、好ましくは70〜150℃程度、乾燥時間として
は、例えば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜
5分間程度が採られる。
【0034】本発明の感光性平版印刷版の画像形成方法
は、前記支持体表面に前記感光性組成物の層が形成され
た感光性平版印刷版の該感光性組成物層を画像露光した
後、現像液の温度を調節するための温度調節装置、及び
現像液を循環するための液循環装置を備えた現像槽に導
入し現像液に浸漬させて現像して画像を形成することか
らなる。
【0035】ここで、感光性組成物層を画像露光する光
源としては、カーボンアーク、水銀灯、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステン
ランプ、ハロゲンランプや、HeNeレーザー、アルゴ
ンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザ
ー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源
が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱により
画像形成させる場合には、波長域650〜1,300n
mの範囲のレーザー光を発生する光源が好ましく、特
に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザー等
の固体レーザーが好ましい。
【0036】尚、レーザー光源は、通常、レンズにより
集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物
層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性
組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザ
ービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存すること
がある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワー
メーターにより測定したレーザービームの単位時間当た
りのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面に
おけるレーザービームのスポット面積(cm2)で除す
ることにより求めることができる。
【0037】本発明において、光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすること
が特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明で
の感光性組成物層の感度特性を向上させ得、走査露光時
間を短くすることができるので実用的に大きな利点とな
る。
【0038】又、本発明において、レーザー光源により
画像露光する場合、外面ドラム走査露光、内面ドラム走
査露光、平面走査露光等の各露光方式を用いることがで
きる。
【0039】感光性組成物層を画像露光した後、現像処
理に用いる現像液としては、露光部と非露光部との溶解
性等の差で現像し得るアルカリ現像液であればよいが、
親水性の面から、アルカリ剤としてアルカリ金属の水酸
化物とアルカリ金属の珪酸塩とを含有する水溶液である
のが好ましく、そのアルカリ金属の珪酸塩が、二酸化珪
素としての含有量で0.5〜10重量%であり、且つ、
アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に対する二酸化珪素
のモル濃度(〔SiO2 〕)の比(〔SiO2〕/
〔M〕)が0.1〜2.0であるのが好ましく、二酸化
珪素としての含有量で1〜8重量%であり、且つ、アル
カリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比
が0.8〜2.0であるのが更に好ましい。又、非画像
部の抜け性等の面から、そのpHは12.0〜14.0
であるのが好ましく、12.8〜13.8であるのが更
に好ましい。
【0040】ここで、アルカリ剤としてのアルカリ金属
の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等が挙げられ、又、アルカリ金属の
珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸
リチウム等が挙げられる。
【0041】又、本発明におけるアルカリ現像液は、現
像条件の幅を安定して広げ得る等の点から、ノニオン
性、アニオン性、或いは両性界面活性剤を含有するもの
であるのが好ましく、その含有量としては、0.001
〜1重量%であるのが好ましく、0.005〜0.5重
量%であるのが更に好ましい。
【0042】ここで、ノニオン性界面活性剤としては、
ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチ
レングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエー
テル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポ
リエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレン
グリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコー
ルアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプ
ロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリ
コールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエ
ーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオ
クチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニ
ルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキ
ルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリ
コール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリ
ン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコー
ル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオ
レイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリ
ル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン
酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイ
ン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリ
ン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド
付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリ
ン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオ
レイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソ
ルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキ
サイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラス
テアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビッ
ト、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸
エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類等を挙
げることができる。
【0043】又、アニオン性界面活性剤としては、ラウ
リン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ステアリル硫酸ナトリウム等アルキル硫酸エステ
ル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、
ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリル
アルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコー
ル硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステル
ナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベン
ゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン
酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等
のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ラウ
リル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のア
ルキル燐酸エステル塩類、ラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテ
ル硫酸アンモニウムのポリエチレンオキサイド付加物、
ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンのポリエチ
レンオキサイド付加物等のアルキルエーテル硫酸塩のポ
リエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等の
アルキルフェニルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサ
イド付加物類、ラウリルエーテル燐酸ナトリウムのポリ
エチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル燐酸塩
のポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエ
ーテル燐酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物
等のアルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエチレンオ
キサイド付加物類等を挙げることができる。
【0044】又、両性界面活性剤としては、N−ラウリ
ル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニ
ウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボ
キシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒ
ドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、
N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチ
ル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキ
ル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N
−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−
ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類等を
挙げることができる。
【0045】以上の界面活性剤の中で、本発明において
は、ノニオン性界面活性剤としての前記各種のポリエチ
レングリコール誘導体類、前記各種のポリエチレンオキ
サイド付加物類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、
アニオン性界面活性剤としてのアルキル燐酸エステル塩
類、アルキルエーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド
付加物類、アルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエチ
レンオキサイド付加物類、及び、両性界面活性剤として
のベタイン型化合物類が好ましく、ノニオン性界面活性
剤とししての前記各種のポリエチレンオキサイド付加物
類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、アニオン性界
面活性剤としてのアルキル燐酸エステル塩類、アルキル
エーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類が特
に好ましい。
【0046】尚、本発明におけるアルカリ現像液には、
前記アルカリ剤、前記界面活性剤の外に、必要に応じ
て、更に、硬水軟化剤、pH調整剤、消泡剤等の添加剤
を含有させることができる。これらの添加剤は、アルカ
リ現像液中に、好ましくは0.001〜5重量%、特に
好ましくは0.005〜3重量%の濃度で含有させるこ
とができる。
【0047】本発明において、前記現像液を用いた現像
処理は、前記画像露光により露光部を感光させた版を、
現像液の温度を調節するためのヒーター及び温度調節機
構等からなる温度調節装置、並びに現像液を循環するた
めのポンプ及び液流路に設けたフィルター等からなる液
循環装置を備えた現像槽に連続的に導入し、通常10〜
60℃、好ましくは20〜40℃の範囲の温度に調節さ
れ、循環された前記現像液中に、通常5〜120秒、好
ましくは10〜90秒の時間浸漬させ、例えばポジ型に
あっては非画像部に当たる露光部を溶解させることによ
りなされる。
【0048】そして、本発明の感光性平版印刷版の画像
形成方法においては、前記現像槽の現像液への浸漬によ
る現像工程は、前記現像槽に一定距離以上離間した少な
くとも2ケ所に複数の温度センサーを設置すると共に、
該複数の温度センサー間で検知された温度が所定温度以
上乖離したときに、前記温度調節装置及び液循環装置へ
の通電を遮断する機構、並びに、前記感光された平版印
刷版の現像槽への導入を遮断する機構を備えていること
を必須とする。
【0049】ここで、現像槽に設置する温度センサーと
しては、例えば、アルメル−クロメル熱電対、鉄−コン
スタンタン熱電対、白金測温抵抗体、サーミスター等の
従来公知のものが用いられ、これらは、ステンレス等の
耐アルカリ性且つ熱伝導性の保護管等で覆った状態で用
いるのが好ましい。尚、複数用いられるセンサーは、各
センサー間で正確な温度検知がなされるべく校正されて
いる必要がある。
【0050】又、これらの複数の温度センサーの現像槽
への設置位置としては、少なくとも2ケ所で現像槽内の
温度分布を検出する目的が果たせる位置であれば特に限
定されるものではないが、基本的には、例えば、液面か
ら好ましくは50mm以内、更に好ましくは20mm以
内の1ケ所、及び、底面から好ましくは50mm以内、
更に好ましくは20mm以内の他の1ケ所という、上下
位置に設置するのが好ましく、壁面から好ましくは50
mm以内、更に好ましくは20mm以内の1ケ所、及
び、対向する壁面から好ましくは50mm以内、更に好
ましくは20mm以内の他の1ケ所という、左右位置に
も設置するのが更に好ましい。
【0051】又、それらの複数の温度センサー間で検知
された現像液温度として、最高温度と最低温度との差が
所定温度以上、好ましくは5.0℃以上、更に好ましく
は3.0℃以上乖離したときに、前記温度調節装置及び
液循環装置への通電を遮断する機構を設けると共に、前
記感光版の現像槽への導入を遮断する機構を設ける。こ
の場合、前記感光版の現像槽への導入を遮断する機構と
しては、例えば、ベルトコンベアによって搬送されてく
る感光版をインプットセンサー等により検知しベルトコ
ンベア駆動ローラを駆動させて現像槽へ導入するシステ
ムにおいて、センサー等により検知しても駆動ローラを
駆動させない機構、或いは、感光版をベルトコンベア上
に搬出しない機構、等を用いればよい。尚、これらの遮
断機構と共に、例えばコントロールパネル等に警告を発
するようにするのが好ましい。
【0052】本発明において、前記現像工程を経た印刷
版には、通常、水洗水槽に導入し、印刷版を槽中の水洗
水に浸漬する方法、印刷版面に槽上で水洗水をシャワー
又はスプレー等により液滴状で供給する方法等による水
洗工程が付される。尚、その際の水洗水の温度は、通常
10〜40℃、好ましくは20〜30℃、水洗時間は、
通常2〜120秒、好ましくは10〜45秒とする。
【0053】尚、本発明において、前記現像後のポジ画
像に耐薬品性、耐刷性等を付与することを目的として、
例えば、150〜300℃程度の温度で後加熱処理を施
すこともできる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0055】実施例、比較例 アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水
酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行
った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中
で、温度28℃、電流密度60A/dm2 、処理時間4
0秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで水洗
後、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、1
2秒間のデスマット処理を施し、水洗後、20重量%硫
酸溶液中で、温度20℃、電流密度3.5A/dm2
処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、8
0℃の熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、水洗、乾燥
して平版印刷版支持体用のアルミニウム板を作製した。
表面粗度計(小坂研究所社製「SE−3DH」)による
この板表面の平均粗さRaは0.6μmであった。
【0056】得られたアルミニウム板支持体表面に、光
熱変換物質として、下記構造のインドール系色素10重
量部、アルカリ可溶性樹脂として、フェノール/m−ク
レゾール/p−クレゾール=20/50/30(モル
比)の混合フェノールをホルムアルデヒドで重縮合した
ノボラック樹脂(MW 4,000)100重量部、溶解
抑止剤として、ラクトン骨格を有する下記構造の酸発色
性色素10重量部、及びテトラオレイン酸ソルビットの
ポリエチレンオキサイド付加物(日光ケミカルズ社製
「GO−4」)4重量部、有機酸として、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸6重量部、架橋剤として、メト
キシメチル化メラミン(三井サイアナミッド社製「サイ
メルC−300」)1重量部、及び、塗布性改良剤とし
て、フッ素系界面活性剤(旭硝子社製「サーフロンS−
381」)0.0025重量部とを、メチルセロソルブ
735重量部、エチルセロソルブ184重量部に溶解し
た塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、90℃で2分
間乾燥させることにより、乾燥膜厚が2.1g/m2
ポジ型感光性組成物からなる層を有するポジ型感光性平
版印刷版を作製した。
【0057】
【化1】
【0058】一方、現像液として、珪酸カリウム21重
量部、水酸化カリウム3.1重量部、アニオン性界面活
性剤として、アルキルエーテル燐酸塩のポリエチレンオ
キサイド付加物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL
DLP10」)0.2重量部、及び両性界面活性剤とし
て、ベタイン型化合物(第一工業製薬社製「アモーゲン
K」)0.3重量部を、脱塩水76重量部に溶解したア
ルカリ現像液を調製した。
【0059】前記で得られたポジ型感光性平版印刷版
を、波長830nmの半導体レーザーを光源とするプレ
ートセッター(クレオサイテックス社製、「Trend
Setter 3244F」)を用いて、120mJ
/cm2 の露光量で175線、全面50%の平網露光し
た後、自動現像機(三菱化学社製「MT−1350
X」)を用い、駆動ローラで駆動したベルトコンベアに
よりその現像槽に連続的に導入して、温度調節装置によ
り35℃の温度に設定し、液循環装置によりフィルター
を通して循環させた前記アルカリ現像液に浸漬させ現像
処理を施すことによりポジ型平版印刷版を作製した。
【0060】その際、現像槽内の温度センサーは、全長
約520mm、左側壁(平版印刷版導入側)及び右側壁
(平版印刷版搬出側)深さ各約60mm、中央部深さ約
100mm、奥行約30mmの現像槽形状に対して、正
面図において、左側壁から20mm離間させた位置で、
液面から10mm(左上)と液面から60mm(左
下)、及び、右側壁から100mm離間させた位置で、
液面から10mm(右上)と液面から60mm(右
下)、の左上、左下、右上、右下の4ケ所、並びに、平
面図において、前壁面から10mm(前)、後壁面から
10mm(後)それぞれ離間させた2列の計8ケ所に、
温度センサーとしての白金側温抵抗体Pt100Ω(キ
ーエンス社製「TF−A31」)を、そのセンサー部を
SUS製、径3.2mm、長さ150mmの保護管で覆
い、ポリ塩化ビニル製槽壁面に貫通孔を開け保護管先端
の20mmが槽内に侵入するように挿入し固定すること
により設置した。そして、それらのセンサーの信号は、
モバイル型温度レコーダ(キーエンス社製「NR−10
00」)に入力するようにし、前記8ケ所の温度センサ
ー間で2.0℃以上乖離したときに、温度調節装置及び
液循環装置への通電を遮断すると共に、ベルトコンベア
駆動ローラの駆動を停止するようにセットした。
【0061】現像機の運転開始後、50分間において各
センサーが検知した温度は表1(a)の通り設定温度と
なり、現像を開始し、設定した浸漬時間12秒又は17
秒のいずれにおいても、網のムラ、画像のヤラレ、及び
溶解不良も発生せず、順調な現像処理が連続して可能で
あった。
【0062】一方、現像槽のフィルターとして、平版印
刷版を1800m2 現像処理した後のフィルターに取り
替え、温度センサー間の乖離温度による遮断機構をオフ
として、現像機の運転開始後、50分間において各セン
サーが検知した温度は表2(b)の通りとなった。この
後、現像を開始し、設定した浸漬時間12秒又は17秒
のいずれにおいても、網のムラ、画像のヤラレ、及び溶
解不良のいずれも発生し、実用に耐えないものであっ
た。
【0063】その後、引き続いて、温度センサー間の乖
離温度による遮断機構をオンとして、温度調節装置及び
液循環装置への通電を遮断すると共に、ベルトコンベア
駆動ローラの駆動を停止させ、フィルターを取り替えて
運転を再開し、設定した浸漬時間12秒又は17秒のい
ずれにおいても、網のムラ、画像のヤラレ、及び溶解不
良も発生せず、順調な現像処理が連続して可能となっ
た。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、現像工程での現像液の
循環系の不良を的確に検知し安定した現像を可能とし
た、感光性平版印刷版の画像形成方法であって、特に、
感光性平版印刷版を赤外レーザー光によって直接露光し
てポジ型平版印刷版を製造するに好適な感光性平版印刷
版の画像形成方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻田 尚秀 茨城県鹿島郡波崎町砂山14番地 三菱化学 メディア株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA06 BA09 EA04 GA08 GA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に感光性組成物の層が形成さ
    れた感光性平版印刷版を画像露光した後、現像液の温度
    を調節するための温度調節装置、及び現像液を循環する
    ための液循環装置を備えた現像槽に導入し現像液に浸漬
    させて現像して画像を形成するにおいて、前記現像槽に
    一定距離以上離間した少なくとも2ケ所に複数の温度セ
    ンサーを設置すると共に、該複数の温度センサー間で検
    知された温度が所定温度以上乖離したときに、前記温度
    調節装置及び液循環装置への通電を遮断する機構、並び
    に、前記平版印刷版の現像槽への導入を遮断する機構を
    備えた現像工程にて現像することを特徴とする、感光性
    平版印刷版の画像形成方法。
  2. 【請求項2】 複数の温度センサー間で検知される所定
    温度を5℃以上とする請求項1に記載の感光性平版印刷
    版の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 感光性組成物が、画像露光光源の光を吸
    収して熱に変換する光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂
    とを含有するポジ型のものである請求項1又は2に記載
    の感光性平版印刷版の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 光熱変換物質が赤外吸収色素を含み、ア
    ルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂を含む請求項3に記
    載の感光性平版印刷版の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 画像露光を、波長域650〜1,300
    nmの範囲のレーザー光により行う請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の感光性平版印刷版の画像形成方法。
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