JP3946941B2 - ポジ型感光性平版印刷版及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポジ型感光性平版印刷版に関する。更に詳しくは、650〜1300nmの波長域の光線、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等を用いた直接製版に好適なポジ型感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光あるいはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光または感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザーを用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光や版材コストの面から、その実現が強く望まれていた。
【0003】
一方、従来より、レーザー感光または感熱を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を利用し色材画像を形成する方法ならびに平版を作成する方法などが知られている。例えば、化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合せた技術として、特開平6−43633号明細書には特定なスクアリリウム色素に光酸発生剤およびバインダー等を組合せた感光材料が開示されている。また、更にこれに類する技法として赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂およびノボラック樹脂を含む感光層を半導体レーザー等により像状に露光し平版印刷版を作製する技術が提案されており(特開平7−20629号明細書)、更に、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン化合物を用いる技術も開示されている(特開平7−271029号公報)。かかる技術は、光酸発生剤、潜伏性ブレンステッド酸等を含有し、画像形成に化学変化が関与するもので、かつUV光に感受性を有するため、白色灯下での取り扱い性に難点を有する。
【0004】
一方、特開平9−43847号公報においては赤外線の照射により加熱して感光材の結晶性を変化させるレジスト材およびそれを利用したパターン形成方法が開示されている。又、特開平10−268512には、光熱変換物質と主として化学変化以外の変化によってアルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物を含有するポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版が開示されている。これらのポジ型感光性組成物に関する技術は、画像形成に化学変化が関与せず、樹脂等の組成物成分のコンフォメーション変化が関与すると考えられ、露光部、未露光部におけるコントラスト(溶解性差)が不充分であり、その結果、非画線部が充分に除去されなかったり、画線部の残膜率が不十分となることがあった。更に平版印刷版として必ずしも充分な耐刷力を有していなかった。
【0005】
又、例えば特開2000−105454には、ノボラック樹脂と光熱変換物質を含むポジ型感光性組成物に、界面活性剤を含有すること、好ましく、HLB8以上、特に好ましくはHLB10以上の非イオン性界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を添加することにより,画線部の残膜率が向上することが記載され、HLB11.5以上の界面活性剤を使用した例が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者の検討によれば、感光性組成物に界面活性剤を含有するこの方法においても、現像ラチチュード(現像時に露光部が完全に除去される迄の時間と、現像時も未露光部の残膜率が十分に確保される時間の差)が依然狭く、実用上は、現像処理における非画線部の除去と、画線部の高い残膜率を同時に実現するという点においては更に改善が必要であることが分かった。
【0007】
一方、本出願人は、先に、現像時間適正幅、耐刷性、耐薬品性、保存性の改善された感光性印刷版として、光熱変換物質と、アルカリ可溶性樹脂とを含有する感光層を有し、未露光状態で該感光層のアルカリ現像液に対する溶解速度が表面から下層部に向かって大となるように構成されてなるポジ型感光性平版印刷版、即ち、感光層表層部が溶解性が低く、感光層内部の溶解性が表層部より高いポジ型感光性平版印刷版、及びその製造方法を提案した(特願平11−322190号)。
【0008】
本発明の目的は、実用的観点で、更に現像ラチチュードが改善され、非画線部の除去と、画線部の高い残膜率を同時に実現する新規なポジ型感光性平版印刷版を供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、前記公知のポジ型感光性平版印刷版の場合、界面活性剤のHLBが8以上、好ましく10以上と高い方が良いと認識されていたのに対して、前述の感光層表層部の溶解性が低く、感光層内部の溶解性が表層部より高いポジ型感光性平版印刷版の感光層の場合には、HLB10未満の界面活性剤を含有することにより、現像ラチチュードが更に改善されることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、支持体上に、(A)光熱変換物質、及び(B)アルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成物層を有する感光性平版印刷版において、該感光性組成物層の溶解速度が、V2 /V1 ≧2.5の関係を満足し(但し、V1 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から10%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度を、V2 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から80%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度V2 を表す)、かつ、感光層が(C)界面活性剤としてHLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有することを特徴とするポジ型感光性平版印刷版に存する。他の要旨は、支持体上に、(A)光熱変換物質、(B)アルカリ可溶性樹脂及び(C)界面活性剤としてHLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有するポジ型感光性組成物からなる層を形成した後、感光層表面から極性基を有する化合物を拡散させることを特徴とする上記感光性平版印刷版の製造方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第1成分である(A)光熱変換物質について述べる。これら光熱変換物質としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの近赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0012】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)n で結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、オキサゾール系(所謂、オキサシアニン系)、アミノベンゼン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系、アミニウム系、イモニウム系、フタロシアニン系、アントラキノン系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、アミノベンゼン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系、アミニウム系、イモニウム系色素が好ましい。
【0013】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0016】
又、インドール系、ベンゾチアゾール系色素及びベンゾオキサゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基、硫黄原子又は酸素原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
ここで、式(II)中のR3 及びR4 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0019】
又、アミノベンゼン系色素としては、特に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】
〔式(III) 中、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、アルキル基を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
ここで、式(III) 中のR9 及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0022】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は(IVc) で表されるものが好ましい。
【0023】
【化4】
【0024】
〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Y3 及びY4 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) のL4 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0025】
更に、アミニウム系、及びイモニウム系色素としては、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有するものが好ましく、特に、下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0026】
【化5】
【0027】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、及びR22は各々独立して、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を示し、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(─)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のキノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0028】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(III) 、(IVa〜c)、及び(Va 〜b)における対アニオンX- としては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、及び、BF4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0029】
以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III) で表されるアミノベンゼン系色素、前記一般式(IVa〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるアミニウム系又はイモニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
これらの熱変換物質の本発明のポジ型感光性組成物中における含有割合は、重量比で通常0.5〜30%、好ましくは1〜20%,更に好ましくは2〜10%、特に3〜10%である。特に、HLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとの組み合わせにおいては、光熱変換物質の含有量を比較的高くすることが可能であり、その結果、感度、現像ラチチュードが特に改善される点で好ましい。
【0042】
次に、本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第2成分であるアルカリ可溶性樹脂(以下、高分子または樹脂と称することがある)(B)について説明する。該アルカリ可溶性樹脂は、基本的には、上記(A)成分の光熱変換物質との組み合せに於て、露光部と未露光部が主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性に差を生じうる高分子であり、当然該高分子自体が、主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物である場合を含む。このような高分子としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル酸誘導体の共重合体等のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられるが、これらのうちノボラック樹脂を含有するのが好ましい。
【0043】
ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケトン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0044】
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒド及びパラアルデヒドを使用してもよい。ノボラック樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)測定によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、GPC測定による重量平均分子量をMwと略す)は、好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,500〜10,000のものが用いられる。
【0045】
ノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、より好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、及び3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と重縮合したノボラック樹脂が挙げられる。
【0046】
中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒド類の中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。尚、後述する如く、本発明の感光性組成物は、更に溶解抑止剤を含んでいても良く、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。
【0047】
ノボラック樹脂以外の樹脂としては、例えば特開2000−105454号公報に記載のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独でも混合して用いても良い。
上述の樹脂のうち、特に、ノボラック樹脂を含有するのが感度・現像ラチチュードの点で好ましい。ポジ型感光性組成物中におけるこれら樹脂の含有割合は重量比で好ましくは50%〜99%であり、より好ましくは60%〜99%、特に好ましくは70〜98%である。
【0048】
本発明に用いられる感光層中には、第3の成分として(C)HLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有する必要がある。好ましくは、HLBは9以下である。HLBが10未満の場合、詳しくは後述する、感光層表面近傍の溶解性が低く感光層内部の溶解性が表面近傍より高い本発明のポジ型感光性平版印刷版(以下、傾斜型のポジ型感光性平版印刷版ということがある)において、特に現像ラチチュードが広くなり、現像性が改善される効果を有する。
【0049】
その理由の詳細は、以下のように推定している。
即ち、傾斜型ポジ型感光性平版印刷版は、後述のように、好適には、水分のような極性の化合物を感光層の表面から供給し、かつある温度に加温して保持することにより、
(1)感光層の表層部においては、ノボラック樹脂のようなアルカリ可溶性樹脂が、その水酸基と水との間で水素結合により現像液に溶解しずらいコンフォメーションを形成している。
(2)他方、感光層の表層より深い支持体に近い部分では、高い溶解性を維持している。
(3)露光により、露光部の感光層表層部の該コンフォメーションが現像液に溶解しやすい構造に変化することにより、溶解性が向上し、
(4)露光部と未露光部の現像液に対する溶解性の差が大となる
と推定してる。かかる傾斜型ポジ型感光性平版印刷版では、特にHLBが10未満、即ち、疎水性の高い界面活性剤を含有することにより、感光層の深部に水のような極性の化合物が浸透・拡散されるのを抑制し、よって、レーザー露光により発生する熱が十分に達するより表層のみが現像液に対する溶解性が低くなるため、露光部と未露光部の溶解性差がより大となり、現像ラチチュードが拡大されると推定される。
【0050】
HLBの下限は特に限定されないが、好ましくは3以上である。
【0051】
本発明のポジ型感光性組成物中におけるHLB10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの含有量は少な過ぎると本発明の効果が小さく、また多過ぎるとレーザー光に感応する成分が少なくなり、却って残膜率が減少するため、通常の含有量は重量比で0.5〜20%、好ましくは1〜10%、特に好ましくは2〜8%である。尚、本発明の感光性組成物層中には、その性能を損なわない範囲で、例えば、特開2000−105454号公報に記載の上記以外の界面活性剤を併用しても良い。
【0052】
本発明の感光性組成物層中には、上記成分(A)と成分(B)の混合物のアルカリ現像液に対する溶解性を減少させる性質を有する溶解抑止剤を含有することができる。本発明に用いられる溶解抑止剤としては、特開平10−268512号公報、特開平11−288089号公報等に記載のスルホン酸エステル、リン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミンおよび芳香族エーテル化合物、トリアリールメタン骨格を有する化合物を挙げることができる。また、特開平11−190903号公報等に記載のラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色色素も挙げることができる。
【0053】
又、本発明の感光層中には、熱の作用によりアルカリ可溶性樹脂を架橋し得る作用を有する化合物(以下、熱架橋性化合物と略すことがある)を含有していても良い。熱架橋化合物を感光層中に含有させた場合には、露光後に後加熱処理を行うことによって、アルカリ可溶性樹脂を架橋することができ、その結果、耐薬品性、耐刷性を向上させることができる。かかる熱架橋性化合物としては、通常150℃〜300℃に加熱することによりアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物が挙げられる。
【0054】
熱架橋性化合物としては、熱架橋性を有する含窒素化合物が挙げられ、好ましくは、アミノ基を含有する化合物であり、より具体的には例えば、官能基としてメチロール基、それのアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも二個有するアミノ化合物が挙げられる。アミノ基を有する化合物の中でも、構造中に複素環構造、特に含窒素複素環構造を有するのが好ましく、メラミン骨格を有する化合物が好ましい。具体的は、例えば、かかる熱架橋性化合物としては、特開平11−202481号公報に記載の熱架橋性化合物等が挙げられる。
【0055】
なお、本発明の感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば染料、顔料、塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を含有することも可能である。又、発色の原因がカチオンまたはアニオンの非極在化によるイオン性色素を含むことも可能であり、具体的にはシアニン色素、アズレニウム色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、オキサジン色素、アジン色素、ピリリウム色素、チオピリウム色素、ピオローゲン色素、キサンテン色素、ローダシアニン色素、スチリル色素等が挙げられる。尚、かかるイオン性色素としては、光熱変換物質として使用されうる色素とは区別されるものであり吸収極大(λmax )が700nm以下にある色素である。これらのうち好ましいものはその構造中にトリフェニルメチル基を部分構造として有するトリフェニルメタン色素であり、具体的にはC.I.No.で表わすと、C.I.BasicViolt3、C.I.BasicBlue5、C.I.BasicGreen1、C.I.BasicBlue26、C.I.AcidBlue1、C.I.solventBlue2、C.I.BasicBlue7等が挙げられ、東京化成(株)製クリスタルバイオレット、住友化学(株)製PrimocyanineBxconc.、保土谷化学(株)製AizenDiamondGreenGH、AizenVictoriaBlueBH、AizenBrilliantAcidPureBlueVH、アイゼンビクトリアピアブルーBOH、BASF製VictoriaBlue4RBase等が挙げられる。
【0056】
本発明の感光性平版印刷版は、上記成分(A)の光熱変換物質、成分(B)のアルカリ可溶性樹脂及び成分(C)のHLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、更には、必要に応じて、溶解抑止剤、その他の添加剤を適当な溶媒に溶解し、支持体上に塗布・乾燥することにより得られる。溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらにはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して通常重量比として1〜20倍程度の範囲である。
【0057】
本発明に使用する感光性組成物を用いた感光層を設ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等のシート等が挙げられる。このうち好ましいのはアルミニウム板である。本発明の感光性平版印刷版の支持体としては、塩酸または硝酸溶液中での電解エッチングまたはブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されているアルミニウム板を用いることがより好ましい。
【0058】
支持体表面の粗面度に関しては、一般的に、表面粗さRaの値で示される。これは表面粗度計を用いて測定することができる。本発明において用いられる支持体としてはその平均粗さRaとして0.3〜1.0μmのアルミニウム板が好ましく、更に、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。本支持体は必要に応じ、更に有機酸化合物による表面処理を施して用いることができる。
【0059】
本発明に使用する感光性組成物を支持体表面に設ける際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いることが可能である。
感光層の膜厚は、1〜3μm、重量膜厚で13〜30mg/dm2 が好ましく、更に好ましくは1〜2μm、16〜28mg/dm2 が好ましい。
【0060】
支持体上に上記感光液を塗布して、最終的に形成される本発明の感光性平版印刷版の感光層は、感光層表層部の溶解性が低く、感光層内部の溶解性が表層部より高い、即ちV2 /V1 ≧2.5(但し、V1 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から10%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度を、V2 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から80%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度V2 を表す)を満足する必要がある(尚、以下、該条件を満足することを、「溶解速度が傾斜している」と表現することがある。又V2 とV1 を「傾斜度」と表現することがある。)。溶解速度が上記の関係を満足する場合、感光層表層部と内部の、アルカリ現像液に対する溶解速度差に起因して上記現像ラチチュードが拡大し、更に、上記本発明の界面活性剤を含有することによる現像ラチチュード改善効果が顕著となる。
【0061】
又、上記V2 /V1 は、好ましくは、3以上、更に好ましくは4以上である。該値が大きいほど、現像ラチチュード改善効果が顕著となる。尚、上記V2 /V1 は、現像時間を10秒ごとに設定して所定の回数の現像を行い、未露光部の現像前後の反射濃度を測定して、縦軸に反射濃度から求めた残膜率、横軸に現像時間をプロットし、残膜90%となる現像時間(S1 )及び残膜20%となる現像時間(S2 )を求め、それぞれの現像時間の比S2/S1から算出できる。即ち、感光性組成物膜厚の表面から10%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度(V1)は残膜90%となる時間(S 1 )と、同じく表面から80%迄の溶解速度(V2)は残膜率20%となる時間(S2)から、式V 2 /V 1 =8×S 1 /S 2 を用いて算出できる。ここで、アルカリ現像液は、6倍希釈した富士写真フィルム社製PS版用現像液DP−4(希釈後の濃度として、水酸化ナトリウム0.17重量%、水酸化カリウム3.1重量%、二酸化珪素2重量%、ナトリウム塩換算のラウリン酸塩0.0006重量%、重量平均分子量700のポリエチレングリコール0.002重量%)、現像温度は28℃である。尚、本発明の上記V2/V1と界面活性剤を含有することによる現像ラチチュードの拡大の詳細は不明であるが、以下のように推定している。
【0062】
即ち、本発明のポジ型感光性平版印刷版においては、感光層のアルカリ現像液に対する溶解速度を実質的に表面近傍のみ集中的に抑止する一方、レーザーで赤外光を露光することにより感光層表面近傍の溶解抑止効果が効率よく失われる。したがって、露光部は表面近傍の溶解性が向上し、もともと溶解性の比較的高い感光層内部と同様に現像除去される。これに対して、未露光部は感光層表面部の溶解抑止効果が維持されている。その結果、画像のコントラスト,現像ラチチュードが著しく改善されると考えられる。
【0063】
つまり、例えば、後述するエージング等の感光層の処理により、感光層表面近傍はアルカリ可溶性樹脂のコンホメーション、高分子鎖の絡み方などに起因してアルカリ現像液に解けにくい構造となり、アルカリ現像液に対する溶解速度の抑止効果を大きくすることが可能であるが、感光層が界面活性剤としてHLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有する場合には、エージング処理時に感光層表面から供給される水などの極性分子の感光層内部への拡散が抑制され、従って、感光層表面近傍の溶解抑止効果を表層部に集中させることが可能であると考えられる。そして、露光により発生する熱で、アルカリ現像液に溶けにくい構造となっていたアルカリ可溶性樹脂がより溶解しやすい構造に変化し、もともと表層近傍にくらべ溶解性が抑止されていないより下層の感光層と共に溶解されることとなる。
【0064】
このことは、次の点からも説明される。感光層表面は光吸収色素が照射光を吸収しやすく、露光直後には感光層表面がより高温で熱が逃げにいのに対して、支持体に近い下層部ほど発生する熱が少なくかつ、アルミニウム支持体等支持体の熱伝導率の関係で熱が逃げやすいと考えられる。従って,後述の製造工程におけるエージング処理において、露光による熱でアルカリ可溶性樹脂のコンフォメーションが変化するのに十分な温度に昇温可能な表面近傍だけを硬膜化することが出来れば、感光層はレーザー露光によって効率よくアルカリ可溶化される。逆に、感光層全体或いはより支持体に近い下層部分を硬膜化してしまうと、下層部は露光による発熱の効率が低いため可溶化が十分なされず、現像時の抜け不良及び現像ラチチュードを狭める原因となる。
【0065】
感光性平版印刷版の感光層を、上記溶解速度の関係を満足するものとする好ましい方法としては、上述の如く、感光層に特定の界面活性剤を存在させると共に、感光液を塗布した後の処理工程を工夫することが挙げられる。
即ち、感光液を塗布した感光性平版印刷版は、通常まず乾燥工程に移される。この乾燥工程と次に説明する加熱下に保持する工程(以下、エージング工程と称することがある)は、連続して行っても良いし、分けて行っても良い。従って、連続して行う場合、乾燥工程とエージング工程の区切りが曖昧になる場合があるので、これらを連続して行う場合には、感光層表面から極性基を有する化合物を拡散させる工程をエージング工程とし、拡散を行う前までを乾燥工程として区別する。
【0066】
乾燥工程における温度は、感光層の出来上がりのガラス転移温度(Tg)に影響してくる。本発明の感光層を作製するには、乾燥後のTgは50℃以上が好ましく70℃以上が更に好ましく、80℃以上が特に好ましい。また、120℃以下が好ましく110℃以下が更に好ましく、100℃以下が特に好ましい。また、このようなTgの感光層を得るには、乾燥温度は好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上であり、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、特に好ましくは60℃以下である。
【0067】
次に、エージング工程について説明する。エージング工程においては、感光性組成物が塗布され乾燥されたポジ型感光性平版印刷版の感光層中に、感光層の表面から極性基を有する化合物を拡散させる方法により、溶解速度が傾斜した単層の感光層を製造することができる。拡散を行うには、エージング温度条件で拡散すべき化合物が一定量以上気化していることが望ましいので、好ましくは沸点が200℃以下の化合物であり、更に好ましくは沸点が150℃以下の化合物であり、また、好ましくは沸点が50度以上、更に好ましくは沸点が70度以上である。分子量は150以下が好ましく、100以下が更に好ましい。分子内に有する極性基としては、水酸基、カルボキシル基、ケトン基、アルデヒド基、エステル基が好ましく、水酸基が最も好ましい。また、具体的な化合物としては水が最も好ましい。
【0068】
水の拡散(以下単に水拡散という)を行う方法としては、湿気を含有する雰囲気に接触させる方法が好ましく、湿気を含有する雰囲気に接触する方法としては、通常絶対湿度0.007kg/kg’以上、好ましくは、0.018kg/kg’以上、また好ましくは0.5kg/kg’以下、更に好ましくは0.2kg/kg’以下の雰囲気で好ましくは10時間以上、更に好ましくは16〜32時間処理される。
【0069】
処理温度は、湿度を精度良く制御することを目的として管理し、好ましくは、30℃以上、更に好ましくは40℃以上、また、好ましくは100℃以下、更に好ましくは80℃以下、特に好ましくは75℃以下が採用される。
水拡散によって、溶解速度が傾斜した単層の感光層を効率よく製造するに方法としては、例えば、支持体上に感光性組成物を塗布した後、エージング工程において、水分含有量が1〜10重量%である保護材と重ね合わた状態で、加熱下に保持する方法が挙げられる。これにより、感光層中に拡散反応する水分を保護材から効率よく供給することができる。 本発明に保護材を用いる場合は、水分を含有できるものであればいずれも利用で可能であるが、通常シート状のものが用いられ、吸湿、脱湿に優れたものが好ましく、パルプ等のセルロース、セルロースアセテート等の半合成繊維、木綿、絹等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、塩酸ゴム、ポリイミド、ポリウレタン等の合成のゴム或いは樹脂を用いることができ、これらを繊維状で、或いは連続気泡性発泡体の形状で、和紙、洋紙、合成紙、混抄紙等の紙質として、或いは織布、不織布、発泡シートとして用いることができる。またこれらと他のシート状材料とを積層したものも使用できる。加熱はドライヤー等の熱風によるもの、又は温度制御された雰囲気での加熱、遠赤外線加熱装置、マイクロ波加熱装置等を用いることができる。
【0070】
本発明の感光性平版印刷版を画像露光する光源としては光熱変換物質が所期の目的を達成しうるものであれば良いが650〜1300nmの近赤外レーザー等の光線を発生する光源が好ましく、例えばルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED、その他の固体レーザー等を挙げることが出来、特に小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらのレーザー光源により、通常、走査露光後、現像液にて現像し画像を有する平版印刷版を得ることができる。
【0071】
また、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光材表面を走査するが、それに感応する本発明のポジ型平版印刷版の感度特性(mJ/cm2 )は感光材表面で受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )は、版面上でのレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を光パワーメーターにより測定し、また感光材表面におけるビーム径(照射面積;cm2 )を測定し、単位時間当たりのエネルギー量を照射面積で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を超える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光材を感光させて測定することもできる。
【0072】
本発明に用いられる光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2以上であることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上であることが更に好ましい。光強度が上記の範囲であれば、本発明のポジ型平版印刷版の感度特性が向上し、走査露光時間が短くすることができ実用的に大きな利点が得られる。
【0073】
本発明の感光性平版印刷版の現像に用いる現像液としては特にアルカリ水溶液を主体とするアルカリ現像液が好ましい。上記アルカリ現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液をアルカリ現像液として用いる。
【0074】
中でもアルカリ金属の水酸化物とアルカリ金属の珪酸塩とを含有しているものがアルカリ塩の水に対する溶解度が優れ、現像液の調液が容易な点で好ましい。また、アルカリ金属の珪酸塩が、二酸化珪素としての含有量で0.1〜1.5重量%であり、かつ、アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に対する二酸化珪素のモル濃度(〔SiO2〕)の比(〔SiO2〕/〔M〕)で0.1〜1.5であるのが更に好ましく、二酸化珪素としての含有量で0.2〜3重量%であり、かつ、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比で0.2〜1.0であるのが特に好ましい。
【0075】
また、現像液のpHは12以上であるものが好ましく、12.5〜14.0であるものが更に好ましい。
又、アルカリ現像液は、両性界面活性剤を含むのが好ましい。
両性界面活性剤としては、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−アンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型化合物類等を挙げることができる。
【0076】
以上の界面活性剤の中で、特にベタイン型化合物類が好ましい。
両性界面活性剤を含有する現像液を用いることによって、塗膜量の残存率が良好となり、しかも耐スクラッチ性が向上する。
また、現像液に両性界面活性剤を含有することにより、感度、現像速度の向上、現像液の現像処理能力(感光層の現像処理面積)の向上、現像液の経時劣化の抑制が認められる傾向がある。又、該現像液中に必要に応じアニオン性界面活性剤等やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0077】
尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常も好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度でなされる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1)
陽極酸化、砂目立て処理したアルミニウム板上に、下記塗布溶液1及び2をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚2.1g/m2 となるように塗布、直後に温度60℃で3分間乾燥を行った。乾燥後,水分を4重量%含有する合紙を感光層面に重ね、さらにその上下に同様な版と合い紙を数十枚重ねて側面をテープで止め、温度60℃、湿度40%の恒温恒湿器で24時間処理し、感光性平版印刷版を得た。
〔塗布溶液1〕
近赤外線吸収剤(下記S−1) 4部
住友デュレズ製ノボラック樹脂SK−188 100部
(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール=50/30/20をホルムアルデヒドで縮合した樹脂(Mw=9400))
クリスタルバイオレットラクトン 10部
表−1記載の界面活性剤 4部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 5部
サイメル300(三井サイテック(株)製) 1部
メチルセルソルブ 800部
エチルセルソルブ 200部
【0079】
【化17】
【0080】
得られた感光性平版印刷版について、下記評価方法に従って評価した。その結果を表−1に示す。
〔評価方法〕
感光性平版印刷版をCreo社製レーザー露光機(Trendsetter)で113mJ/cm2 の強度で露光し、6倍に希釈した富士写真フィルム社製PS版用現像液DP−4を用いて28℃で現像し露光部の感光層が完全に溶解する時間t2を求めた。
【0081】
一方、未露光部の残膜率を求めるために、未露光の感光性平版印刷版を、6倍に希釈した富士写真フィルム社製PS版用現像液DP−4に28℃で浸漬し、現像前後の未露光部の反射濃度から未露光部の感光層の残膜率を求めた。現像時間に対する残膜率の変化から、未露光部の残膜率が90%になる時間t1を求めた。未露光部の90%膜保持時間t1と露光部溶解時間t2から下式により現像ラチチュードを求めた。
【0082】
現像ラチュード=(t1−t2)/t1t2が0に近いほど、即ちこの指数が大きいほど(但し、1未満)現像ラチチュードが広いということを意味する。また,未露光部の残膜率が90%の現像時間(S1)、20%の現像時間(S2)から、感光性組成物層の溶解速度比(V 2 /V 1 =8×S 1 /S 2 )を求めた。
【0083】
【表1】
【0084】
*1 15倍に希釈した富士写真フィルム社製PS版用現像液DP−4を用いた以外実施例1と同条件で露光、現像。
*2 160mJ/cm2 の強度で露光し、15倍に希釈した富士写真フィルム社製PS版用現像液DP−4を用いた以外実施例1と同条件で露光、現像。
尚、上記比較例2に於いて、現像液の希釈倍率が実施例より高いのは、希釈倍率が低い場合(高濃度の場合)、短時間で全て溶解することにより実質評価不能となるためである。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、本発明のポジ型感光性組成物は、これを用いたポジ型感光性平版印刷版の現像ラチチュードが広い性質を有し、特に650〜1300nmの露光源を用いるポジ型感光性平版印刷版として有用である。
Claims (10)
- 支持体上に、(A)光熱変換物質、及び(B)アルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成物層を有する感光性平版印刷版において、該感光性組成物層の溶解速度が、V2 /V1 ≧2.5の関係を満足し(但し、V1 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から10%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度を、V2 は、該感光性組成物層の未露光部における膜厚の表面から80%迄のアルカリ現像液に対する溶解速度V2 を表す)、かつ、感光性組成物層が(C)HLB10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有することを特徴とするポジ型感光性平版印刷版。
- V2 /V1 ≧4であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性平版印刷版。
- ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが9以下のHLBを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性平版印刷版。
- 感光性組成物中のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの含有量が2〜8重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版。
- 光熱変換物質が波長域650〜1300nmの一部又は全部に吸収帯を有する光吸収物質である請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版。
- 感光性組成物中の光熱変換物質の含有量が3〜12重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版。
- アルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版。
- 感光性組成物層が、紫外光に対して実質的に感受性を有さない請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版。
- 支持体上に、(A)光熱変換物質、(B)アルカリ可溶性樹脂及び(C)HLBが10未満のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有するポジ型感光性組成物からなる層を形成した後、感光層表面から極性基を有する化合物を拡散させることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製造方法。
- 極性を有する化合物が水であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
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