JP4563556B2 - ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版 - Google Patents

ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いられるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に使用される、主として近赤外線領域の光に対して高感度なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版に関し、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポジ型感光性組成物としては、例えば、光照射によりインデンカルボン酸を生じアルカリ可溶性となるo−キノンジアジド基含有化合物、o−ニトロベンジルエステル基を有する有機高分子物質、或いは、光により酸を発生する化合物(光酸発生剤)と酸により加水分解を生じアルカリ可溶性となる化合物との組成物、加熱により溶解性を増す特定重合体化合物を含む組成物(特公昭46−27919号公報)等が知られている。
【0003】
一方、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光或いはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光又は感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザー等を用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光、及び版材コスト等の面から、その実現が強く望まれている。
【0004】
近年、レーザー感光又は感熱を利用した画像形成方法として化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合わせた技術が散見され、例えば、特開平6−43633号公報には、特定のスクアリリウム系色素、光酸発生剤、及びバインダーを含む画像形成材料が、又、特開平7−20629号公報には、赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂、及びノボラック樹脂を含む画像形成材料が、又、特開平7−271029号公報には、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン系化合物を用いた画像形成材料が、更に、特開平7−285275号公報には、結着剤、光を吸収し熱を発生する物質、及び熱分解性でありかつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質を含む画像形成材料が、それぞれ開示されている。
【0005】
又、これら従来の技術が、紫外線領域の光に対しても感応し、白色蛍光灯下における取扱時に反応が進行してしまい、そのため安定した品質のものが得られ難いという問題があるのに対して、特開平9−43847号公報には、アルカリ現像液に対して難溶性の樹脂と赤外線吸収剤を含有し、赤外線照射等により加熱されて結晶性を変化させてアルカリ可溶性となるが紫外線照射では変化しないポジ型組成物が、又、WO97/39894号明細書には、水性現像可能なポリマーと該ポリマーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱により水性現像性が向上するが紫外線照射では変化しない熱感受性のポジ型組成物が、それぞれ開示されている。
【0006】
これら特開平9−43847号公報及びWO97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物は、露光により化学変化を生じる化合物を含有しその化学変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめる前述の従来技術における組成物とは異なり、化学変化以外の変化によって溶解性に差異を生ぜしめるものであると共に、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないため、白色蛍光灯下における取扱性に優れる等の利点を有する。
【0007】
しかしながら、本発明者の検討によれば、前述の従来技術は、露光後に加熱処理を要するネガ型感光性組成物においては、その処理条件によって得られる画像が必ずしも安定していない欠点を有する。又、露光後の加熱処理を要しないポジ型感光性組成物においては、感度、及び画像部(非露光部)と非画像部(露光部)とのコントラストが不十分で、その結果、非画像部が十分に除去されなかったり、画像部の残膜率が十分に保持されない等の問題を有しており、特に、化学変化以外の変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめるような、特開平9−43847号公報及びWO97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物においては、その傾向が顕著であることが判明した。
【0008】
これに対して、本願出願人は、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含有せず、近赤外線領域の光に対する光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂という光化学的変化を期待し得ない単純な系で、前述の問題を解消したポジ画像を形成できる感光性組成物が得られることを見い出した(特開平10−268512号公報)。
【0009】
該特開平10−268512号公報には、アルカリ可溶性樹脂としてノボラック樹脂やアクリル酸誘導体の共重合体が開示されているが、具体的にはノボラック樹脂を使用した例が示されているにすぎない。
又、特開平10−282643号公報には、光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成物が更に有機酸を含むことで未露光部の残膜率が改善されることが開示され、ノボラック樹脂に有機酸としてポリアクリル酸を併用した例が示されているが、感光層の更なる高感度化を考慮すると、残膜率の更なる改善が望まれる。
【0010】
一方、特開平11−44956号公報には、光を吸収して熱を発生する物質及び、フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂とスルホンアミド基、フェノール性水酸基含有アクリルアミド等の特定の共重合成分を含む共重合体とを50:50〜5:95の範囲で含む赤外線レーザー用ポジ型感光性組成物によれば画像強度が向上し現像ラチチュードが改善することが記載され、ノボラック樹脂とアクリルアミド等を共重合成分とするある種のアクリル系共重合体を併用した例等も示されている
しかしながら、感度と残膜率の点で、今だ不十分である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、紫外線領域の光に対しては感応せず、白色蛍光灯下における取扱性に優れると共に、感度、耐薬品性、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れ、画像部の残膜率も十分に保持されるポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルエステル系樹脂を、ノボラック樹脂に対して含有するポジ型感光性組成物ならびにそれを支持体上に設けてなるポジ型感光性平版印刷版により上記目的が達成されることを見い出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)ノボラック樹脂、(B)ポリビニルエステル系樹脂及び(C)光熱変換物質を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物及び支持体上に該ポジ型感光性組成物からなる層を有する感光性平版印刷版を要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明のポジ型感光性組成物における(A)成分としてのノボラック樹脂は、フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂として、この種感光性組成物のバインダー樹脂に慣用されているものであって、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類の少なくとも1種を、酸性触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。尚、本発明のポジ型感光性組成物は後述する溶剤抑止剤を含有することが好ましく、その場合は、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0014】
前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に重量平均分子量という)が、好ましくは1,500〜20,000、更に好ましくは2,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜12,000のものが用いられる。重量平均分子量が前記範囲よりよりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、前記範囲よりも大きいとアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、非画像部の抜けが不十分となってレジストのパターンが得られにくくなる傾向となる。
【0015】
次に本発明組成物の第2の必須成分である(B)ポリビニルエステル系樹脂について説明する。ポリビニルエステル系樹脂とは、ビニルエステル、即ち、化学構造的にはビニルアルコールと酸類とのエステル結合を有する化合物(ビニルエステル類)の重合体もしくは共重合体を意味する。該酸類としてはスルホン酸やホスホン酸等も含まれるが好ましいものは、カルボン酸類、即ち、脂肪族系カルボン酸、芳香族系カルボン酸及び芳香族環を含むカルボン酸である。従って、ポリビニルエステル系樹脂としては、ビニルアルコールとカルボン酸類とのエステルであるビニルカルボン酸の重合体もしくは共重合体であるポリビニルカルボン酸エステル系樹脂が好ましい。カルボン酸類を具体的に例示するに、脂肪族系カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、クロル酢酸、ラウリル酸、ステアリン酸、クロトン酸、オレイン酸等が挙げられる。芳香族系もしくは芳香環を含むカルボン酸の例としては、例えば、安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、桂皮酸等が挙げられる。
【0016】
本発明のポリビニルエステル系樹脂としては、これらのカルボン酸類の各ビニルエステルの一種もしくは二種以上から誘導される樹脂としてそれ単独で用いることもできるし、それらの樹脂二種以上を併用することもできる。尚、上記のビニルエステル類の内、重合体の特性、調製し易さ、コスト等を考慮するに、酢酸ビニルエステルが有利であり、成分(B)のポリビニルエステル系樹脂としては、酢酸ビニルエステルの重合体又は共重合体であるポリ酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
【0017】
又、該ビニルエステルは単独重合体としても極めて有効であるがビニルエステルと他の単量体との共重合体として用いた場合、単独重合体とは異なる物性、例えば現像性、耐薬品性、耐刷性等の特性を変更、修飾することができる為、有用である。好ましい該単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、アレイミド、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、エチレン、クロルエチレンを挙げることができる。これらの単量体を用いてビニル共重合体を調製する場合、共重合体中のビニルエステル以外の単量体の共重合比は50モル%未満が好ましい。それは、50モル%以上の場合、通常、ビニルエステルを用いる効果が不充分となるからである。
【0018】
上記の中でも、成分(B)は、ポリ酢酸ビニルである場合残膜率が良好で好ましい。
尚、本発明に用いるポリビニルエステル系樹脂のGPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは、5,000〜5000,000の範囲であり、より好ましくは10,000〜300,000、特に好ましくは10,000〜200,000である。該分子量が過小であると膜物性が劣り、過大の場合現像性が不利となる傾向が見られる。
【0019】
本願の(A)ノボラック樹脂と(B)ポリビニルエステル系樹脂との配合比率は特に限定されないが、好ましくは重量比でノボラック樹脂が99〜65%、ポリビニルエステル系樹脂が1〜35%の範囲において使用する。ポリビニルエステル系樹脂の配合比率が過小の場合、残膜率の改善効果が十分に認められず、過大の場合、現像性の低下を招き露光部の抜けが不良となる傾向がある。更に好ましくは、重量比で、ノボラック樹脂が98〜70%、ポリビニルエステル系樹脂が2〜30%更に好ましくは前者が95〜70%、後者が5〜30%の範囲で用いられる。
【0020】
尚、本発明の感光性組成物には、本発明の性能を損わない範囲で本発明のノボラック樹脂及びポリビニルエステル系樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。
次に、本発明のポジ型感光性組成物における(C)成分について述べる。これら光熱変換物質としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの近赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0021】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)n で結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、オキサゾール系(所謂、オキサシアニン系)、アミノベンゼン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系、アミニウム系、イモニウム系、フタロシアニン系、アントラキノン系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、アミノベンゼン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系、アミニウム系、イモニウム系色素が好ましい。
【0022】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0023】
【化1】
Figure 0004563556
【0024】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0025】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0026】
又、インドール系、ベンゾチアゾール系色素及びベンゾオキサゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0027】
【化2】
Figure 0004563556
【0028】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基、硫黄原子又は酸素原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0029】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0030】
又、アミノベンゼン系色素としては、特に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0031】
【化3】
Figure 0004563556
【0032】
〔式(III) 中、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、アルキル基を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0033】
ここで、式(III) 中のR9 及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0034】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は(IVc) で表されるものが好ましい。
【0035】
【化4】
Figure 0004563556
【0036】
〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Y3 及びY4 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0037】
ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) のL4 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0038】
更に、アミニウム系、及びイモニウム系色素としては、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有するものが好ましく、特に、下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0039】
【化5】
Figure 0004563556
【0040】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、及びR22は各々独立して、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を示し、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(─)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0041】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のキノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0042】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(III) 、(IVa〜c)、及び(Va 〜b)における対アニオンX- としては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、及び、BF4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0043】
以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III) で表されるアミノベンゼン系色素、前記一般式(IVa〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるアミニウム系又はイモニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0044】
【化6】
Figure 0004563556
【0045】
【化7】
Figure 0004563556
【0046】
【化8】
Figure 0004563556
【0047】
【化9】
Figure 0004563556
【0048】
【化10】
Figure 0004563556
【0049】
【化11】
Figure 0004563556
【0050】
【化12】
Figure 0004563556
【0051】
【化13】
Figure 0004563556
【0052】
【化14】
Figure 0004563556
【0053】
【化15】
Figure 0004563556
【0054】
【化16】
Figure 0004563556
【0055】
以上説明した光熱変換物質の本発明の組成物への添加量は成分(A)と(B)の樹脂成分の総量に対し0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜12重量%である。
【0056】
尚、本発明のポジ型感光性組成物には、前記三成分の他に、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、(A)ノボラック樹脂、(B)ポリビニルエステル系樹脂及び(C)光熱変換物質からなる混合物のアルカリ現像液に対する溶解性を低下させる溶解抑止剤を含有するのが好ましい。かかる溶解抑止剤は、具体的には(A)成分の前記ノボラック樹脂と水素結合を形成して該樹脂の溶解性を低下させると推定される化合物であり、又、かかる溶解抑止剤は、近赤外線領域の光を殆ど吸収せず、近赤外線領域の光で分解されないのが好ましい。
【0057】
その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、同じく特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を兼ねた酸発色性色素、同じく特開2000−105454号公報に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0058】
本発明のポジ型感光性組成物における前記溶解抑止剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0〜30重量%であるのが更に好ましく、0〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0059】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じて、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0060】
本発明のポジ型感光性組成物における前記着色剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0061】
本発明のポジ型感光性組成物には、前記成分以外に、例えば、塗布性改良剤、現像性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等の通常用いられる各種の添加剤が更に、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0062】
尚、本発明のポジ型感光性組成物は、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びキノンジアジド化合物を含有しないことにより、紫外光に対して実質的に感受性を有さない。より具体的には、360〜450nmの波長の光による照射の前後で、アルカリ現像液に対する溶解性に有意差を生ぜず、実用的な意味での画像形成機能を有さないことを意味する。
換言すれば、本発明でのポジ型感光性組成物は、白色蛍光灯(三菱電機(株)製36W白色蛍光灯ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36)下、400ルクスの光強度において10時間放置しても、アルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じない性質を有するものである。尚、溶解性に実質的有意差を生じないとは、10時間放置の前後で、アルカリ現像液に対する溶解性がほとんど変化しないことを意味する。
本発明の前記ポジ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶媒に溶解した溶液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥することにより、支持体表面に感光性組成物層が形成されたポジ型感光性平版印刷版とされる。
【0063】
ここで、その溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、酢酸、あるいはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0064】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、3〜70mg/dm2、好ましくは5〜50mg/dm2、特に好ましくは10〜30mg/dm2の範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜170℃程度、好ましくは40〜150℃程度が採られる。
【0065】
尚、本発明の効果を一層確実ならしめるために、例えば、40〜100℃程度、好ましくは40〜70℃程度の温度で、1分〜50時間程度、好ましくは30分〜20時間程度の加熱処理を施すことが好ましい。
【0066】
又、その支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がより好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS B0601に規定される平均粗さRa で、通常、0.3〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度とする。
【0067】
本発明でのポジ型感光性組成物層を画像露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱により画像形成させる場合には、650〜1300nmの近赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらの光源により、通常、走査露光した後、現像液にて現像し画像が形成される。
【0068】
尚、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワーメーターにより測定したレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面におけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0069】
本発明において、光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすることが特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明でのポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得る、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点となる。
【0070】
本発明の前記ポジ型感光性平版印刷版を画像露光したポジ型感光体の現像に用いる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤や、アルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0071】
尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度でなされる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0073】
実施例1〜6、比較例1,2
アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中で、温度25℃、電流密度60A/dm2 、処理時間30秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3A/dm2 、処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版支持体用のアルミニウム板を作製した。
【0074】
得られたアルミニウム板支持体表面に下記の試料感光液をワイヤーバーを用いて塗布し、85℃で2分間乾燥させた後、55℃で安定化させて塗膜量2.2g/m2のポジ型感光組成物層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製した。
試料感光液:
(A)ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール=50/30/20、重量平均分子量=9,000住友ジュレズ社製)・・・100重量部より下記(B)成分の配合量を差し引いた量
(B)ポリビニルエステル系樹脂・・・表−1の表中に配合樹脂及び配合量(重量部)として記載
(C)光熱変換物質:前記II−9・・・・3重量部
着色剤:エチルバイオレット・・・・・3重量部
溶媒:メチルセロソルブ・・・・・900重量部
【0075】
得られたポジ型感光性平版印刷版を回転ドラムに取り付け、ドラムを回転させながら、黄色灯下で、波長830nm、出力40mWの半導体レーザー(アプライドテクノ社製)を25μmのビームスポット径にて照射することにより走査露光し、次いで、アルカリ現像液(コニカ社製「SDR−1」の6倍希釈液)に28℃で浸漬した後、軽いこすりを加え現像を行った。
【0076】
この際、120mJ/cm2 及び240mJ/cm2 の露光エネルギー(感度)で露光し、現像時間を変えることで25μm幅のポジ画像を得た場合の残膜率を測定した。残膜率は大きい程良い成績を示している。
【0077】
尚、残膜率は、得られたポジ画像について、非露光部における現像前後の反射濃度を反射濃度計(マクベス社製「RD−514」)を用いて測定し、感光性組成物層形成前の支持体表面の反射濃度の値を差引いたそれぞれの値の比から残膜率(%)を求めた。
尚、配合樹脂の由来を表の下に記載した。
表の結果より、ポリビニルエステル系樹脂を含有することにおいて効果を有していることが理解される。
【0078】
【表1】
Figure 0004563556
【0079】
〔配合樹脂〕
VA−1:コーポニールNP−160(酢酸ビニル/アクリル酸エステル変性樹脂,日本合成化学社製)
VA−2:ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)=共重合比3/7,(東京化成工業社製)
VA−3:ゴーセニールM50−Y0(酢酸ビニル中重合樹脂,日本合成化学社製)
VA−4:ゴーセニールM35−X6(酢酸ビニル高重合樹脂,日本合成化学社製)
尚、前記で得られたポジ型感光性平版印刷版は、白色蛍光灯(三菱電機社製36W白色蛍光灯「ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36」)の400ルクスの光強度照射下に10時間放置した後、前記と同様の現像処理を行った場合、いずれの実施例及び比較例においても実質的な膜減りはなく、白色蛍光灯下における取扱性は良好であった。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線領域の光に対しては感応せず、白色蛍光灯下における取扱性に優れると共に、近赤外線領域の光に対して感応し、感度、耐薬品性、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れ、画像部の残膜率も十分に保持されるポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。

Claims (7)

  1. (A)ノボラック樹脂、(B)ポリビニルエステル系樹脂及び(C)光熱変換物質を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物から成る層を支持体上に有するポジ型感光性平版印刷版
  2. 該ノボラック樹脂と該ポリビニルエステル樹脂との重量比(%)が、99〜65:1〜35の範囲であることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性平版印刷版
  3. 該ポリビニルエステル系樹脂がポリビニルカルボン酸エステル系樹脂である請求項1又は2記載のポジ型感光性平版印刷版
  4. 該ポリビニルカルボン酸エステル系樹脂がポリ酢酸ビニル系樹脂である請求項3記載のポジ型感光性平版印刷版
  5. 該ポリ酢酸ビニル系樹脂がポリ酢酸ビニルである請求項4記載のポジ型感光性平版印刷版
  6. 該ポリ酢酸ビニル系樹脂が(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、マレイミド、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、エチレン、クロルエチレンからなる群選ばれた少なくとも一種と、酢酸ビニルとを共重合成分として含有する共重合体である請求項4記載のポジ型感光性平版印刷版
  7. (A)ノボラック樹脂、(B)ポリビニルエステル系樹脂及び(C)光熱変換物質から成る混合物のアルカリ現像液に対する溶解性を低下させる溶解抑止剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性平版印刷版
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