JP3836617B2 - ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法 - Google Patents

ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版、印刷校正用カラープルーフ、液晶ディスプレイ用カラーフィルターレジスト、半導体素子の集積回路用レジスト、配線板やグラビア製版に用いられる銅エッチング用レジストに使用可能なポジ型感光性組成物、更に感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銀塩マスクフィルムを介して紫外光照射・現像することによりポジ画像を形成しうるポジ型感光性組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及び感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物を含んだ系が知られている。この系では、o−キノンジアジド基含有化合物が吸収可能な紫外光を照射することによりジアゾ部分が分解し最終的にカルボン酸が生成することによって、感光性組成物のアルカリ可溶性が増加し、即ち露光部分のみがアルカリ現像液に溶解することによって画像が形成するものと考えられている。従って、この系は感光性組成物中の成分が光化学変化を伴うものであり、しかも、紫外光に感受性(以下、「UV感受性」と略す)を有するものである。
これに対し、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、銀塩マスクフィルムを使用せずデジタル画像情報から、レーザー光あるいはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光または感熱ダイレクト製版システムが注目されている。
【0003】
特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザーを用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光や版材コストの面から、その実現が強く望まれていた。レーザー感光を利用した画像形成方法に関する技術として化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合せた技術が散見される様になった。例えば特開平6−43633号明細書には特定なスクアリウム色素に光酸発生剤およびバインダー等を組合せたポジ型感光材料が開示されている。
また、赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂およびノボラック樹脂を含む感光層を半導体レーザー等により像状に露光し平版印刷版を作製する技術が提案されており(特開平7−20629号公報)、更に、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン化合物を用いる技術も開示されている(特開平7−271029号公報)。
【0004】
しかしながら、これらの技術の感光材料はUV感受性を有するため白色灯下での取扱い性に問題がある。
又、熱分解による化学変化を伴う画像形成に関連して特開平7−285275号公報には、結着剤と、光を吸収し熱を発生する物質と、熱分解性でありかつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質(以下、本願明細書に於ては、「熱分解性溶解抑止剤」と略す)を含む画像記録材料が開示されている。該公報には、熱分解性溶解抑止剤として、オニウム塩、ジアゾニウム塩又はキノンジアジド化合物を用いることが記載されているが、これらはいずれもUV感受性を有することが広く知られており、白色灯下での取扱い性に問題がある。更に、同公報には、樹脂のエステルの概念に含まれる化合物として、ピロガロールアセトン樹脂等のある種の樹脂のキノンジアジドスルホン酸エステルが記載されている。
しかしながら、同公報に記載の樹脂のエステルは、キノンジアジド化合物の一種として記載されているにすぎない。
一方、UV感受性を有さず、実質的に化学変化を伴わない画像形成材料としては、例えば下記のものがある。
【0005】
まず、特開平9−43847号公報においては赤外線の照射により加熱して感光材の結晶性を変化させるレジスト材およびそれを利用したパターン形成方法が開示されている。
また、本出願人は、先に光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂という光化学的変化を期待しえない単純な系で化学変化以外の変化でポジ画像を形成する感光性組成物を提案した(特願平9−268512号)。
【0006】
このような効果が主として光化学変化以外の変化によっておこることは、例えば一旦光照射を行った本発明の感光性組成物を50℃付近で24時間加温した場合、露光直後には増加した露光部のアルカリ可溶性が、しばしば露光前に近い状態へ戻るという可逆現象がみられることからも推察でき、更に、用いている感光性組成物自体のガラス転移温度(又は軟化点)と該可逆現象の難易度との関係を調べた結果、前記転移温度が低い程、同可逆現象が起こり易い傾向が認められたことも前述の機構を裏付けるものである。
【0007】
上記感光性組成物がこのようなポジ画像を形成する理由は必ずしも明らかではないが、光熱変換物質によって吸収された光エネルギーが、熱に変換され、その熱を受けた部分のアルカリ可溶性樹脂がコンフォメーション変化等の何らかの化学変化以外の変化を起こし、その部分のアルカリ可溶性が高まることによって、アルカリ現像液により画像が形成されるものと考えられている。
【0008】
更に該出願に於て、本出願人は該組成物の溶解抑止剤としてスルホン酸エステル類等を提案した。
しかしながら、これらの組成物は感度、露光部と未露光部の溶解度の差に起因する現像ラチチュード、感光性層の膜強度、耐刷性の点で更に改善が望まれるものである。
又、上記と類し、UVに感受性を有さない感光性組成物としてWO97/39894には、600nm以上のレーザー光照射及びアルカリ水溶液現像によりポジ画像を形成しうる平版印刷版が記載され、例えば、ノボラック樹脂、ある種のIR吸収剤及びエチルp−トルエンスルフォネートを含有する感光層を有する平版印刷版をレーザー露光することによりポジ画像を形成することが示されている。しかしながら、我々の検討の結果、該公報に記載のスルホン酸エステルを用いた場合、ポジ画像が形成されるものの、膜強度が弱く耐刷性が不十分であることが判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度が高く、画線部の耐薬性が高く、感光性層の膜強度が高く高い耐刷性を発現するポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法を提供することにあり、さらには、近赤外レーザーに対して高感度なポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ型画像形成方法を提供することにある。
更に、本発明は、白色灯下での取扱い性の良好なポジ型感光性平版印刷版を提供することにある。
更に印刷時、非画線部に汚れのないポジ型感光性平版印刷版を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像形成に、実質的に化学変化を伴わず(即ち、感光性組成物の成分としてキノンジアジド化合物の如き、光又は熱で分解する化合物を含まず)、アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質を主成分とするポジ型感光性組成物において、アルカリ可溶性樹脂中のフェノール性水酸基の一部をエステル化することにより、かかるポジ型感光性組成物からなる層を支持体上に有するポジ型感光性平版印刷版が、優れた耐刷性を有することを見出したものである。
【0011】
更に、上記アルカリ可溶性樹脂のエステルの部分に特定のエステルを選択した場合には、耐刷性の効果に加え、印刷時の汚れが抑制されることを見出したものである。
即ち、本発明の要旨は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)及び光熱変換物質(b)を含有し、感光性組成物の成分として光又は熱で分解する化合物を含有しないポジ型感光性組成物に於て、
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)、フェノール性水酸基の一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂(a−1)を含有するポジ型感光性組成物に存する。
【0012】
他の要旨は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基の一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂、非エステル化アルカリ可溶性樹脂及び光熱変換物質を含有するポジ型感光性組成物において、紫外光に実質的に感受性を有しない事を特徴とするポジ型感光性組成物に存する。
他の要旨は、支持体上に上記ポジ型感光性組成物からなる層を有するポジ型感光性平版印刷版に存する。
【0013】
更に、他の要旨は、該ポジ型感光性平版印刷版を、650〜1300nmの波長域のレーザー光により露光した後、アルカリ現像液で現像してポジ画像を形成するポジ画像形成方法に存する。
感光性組成物の樹脂成分中のフェノール性水酸基のエステル化率(元来樹脂中に存在するフェノール性水酸基全体に対する、エステル化されたフェノール性水酸基の割合)が通常1〜40%である場合、耐刷性及び印刷時の汚れが抑制される効果がより高まる。また、エステル化率が2〜30%である場合に更に好ましく、5〜15%が特に好ましい。
【0014】
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のエステル化率を上記範囲に設定したポジ型感光性組成物を得ようとする際に、アルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基を全体的に一定の割合でエステル化されたものを使用することもできるが、実質的にエステル化されていないアルカリ可溶性樹脂と、一定の割合(通常、エステル化率1〜40%)でエステル化されたアルカリ可溶性樹脂とを混合して使用することもでき、通常後者の方が組成物の製造が容易であるので、以下、実質的にエステル化されていないアルカリ可溶性樹脂と、エステル化されたアルカリ可溶性樹脂とを混合した場合を例にとって本発明を詳細に説明する。
【0015】
本明細書においては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)のフェノール性水酸基の一部がエステル化された樹脂(a−1)を、「エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)」と称す。また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基が実質的にエステル化されていない樹脂を、「非エステル化アルカリ可溶性樹脂」と称す。
【0016】
まず、非エステル化アルカリ可溶性樹脂について説明すると、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂であれば公知のいずれも使用できるが、より具体的にはノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、フェノール性の水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体等が挙げられるが、これらのうちノボラック樹脂、レゾール樹脂またはポリビニルフェノール樹脂が好ましい。さらに好ましくは、ノボラック樹脂またはポリビニルフェノール樹脂であり、特に好ましくはノボラック樹脂である。非エステル化アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常1,000〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜200,000である。
【0017】
ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケトン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0018】
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒド及びパラアルデヒドを使用してもよい。ノボラック樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)測定によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、GPC測定による重量平均分子量をMwと略す)が好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは1,500〜50,000、特に好ましくは2,000〜20,000のものが用いられる。
【0019】
ノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、より好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、及び3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と重縮合したノボラック樹脂が挙げられる。
【0020】
中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒド類の中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。尚、本発明の感光性組成物は、更に溶剤抑止剤を含んでいても良く、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。
【0021】
ポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独または2種以上の重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンあるいはC1 〜C4 のアルキル置換基等の置換基を有していてもよく、従ってポリビニルフェノール類としては、芳香環にハロゲン又はC1 〜C4 のアルキル置換基を有していても良いポリビニルフェノールが挙げられる。
【0022】
ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換基を有していてもよいヒドロキシスチレン類を単独で又は2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合することにより得られる。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加を行なったものでもよい。
ポリビニルフェノール樹脂のMwは、好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。
以上のノボラック樹脂またはポリビニルフェノール樹脂のMwが、上記範囲よりも小さいと十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと非露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、パターンが得られない傾向にある。
【0023】
また、レゾール樹脂はノボラック樹脂合成において酸触媒を用いる替わりにアルカリ触媒を用いる以外他は同様にして得ることができ、ノボラック樹脂と同様の好ましい分子量、縮重合モノマー組成のものが好ましい。
該非エステル化アルカリ可溶性樹脂の配合率は、感光性組成物中の全固形分に対して通常、10〜95重量%、好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは40〜90重量%である。
尚、本発明の組成物は本発明の性能を損わない範囲で、フェノール性水酸基を有さないアルカリ可溶性樹脂を含むことが可能である。
【0024】
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる近赤外光熱変換物質(以下、単に光熱変換物質という)は、画像露光時の光照射により熱を発生する物質であれば特に限定されないが、より具体的には、波長域650〜1300nmの一部又は全部に吸収帯を有する有機または無機の顔料、有機色素、金属などが挙げられる。具体的には、例えば、カーボンブラック,黒鉛;チタン、クロム等の金属;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化タングステン等の金属酸化物;チタンカーバイド等の金属炭化物;金属ホウ化物;特開平4−322219号公報に記載されている無機黒色顔料、アゾ系のブラック顔料、「リオノールグリーン2YS」、「緑色顔料7」等の黒または緑の有機顔料が挙げられる。そして、上記のカーボンブラックとしては、三菱化学社の商品である「MA−7」、「MA−100」、「MA−220」、「#5」、「#10」、「#40」、デグッサ社の商品である「カラーブラックFW2」、「FW20」、「プリンテックスV」等が挙げられる。
【0025】
また、「特殊機能色素」(池森・柱谷編集、1986年、(株)シーエムシー発行)、「機能性色素の化学」(桧垣編集、1981年、(株)シーエムシー発行)、「色素バンドブック」(大河・平嶋・松岡・北尾編集、講談社発行)、日本感光色素研究所が1995年に発行したカタログ、Exciton Inc.が1989年に発行したレーザー色素カタログ等に記載の近赤外領域に吸収を有する色素が挙げられる。
更には、特開平2−2074号、同2075、同2076、特開平3−97590号、同97591号、同63185号、同26593号、同97589号の各公報に記載された有機色素等が挙げられる。更に、特願平10−93179号、同10−163444号、同10−222567号に記載の近赤外光熱変換物質も挙げられる。
【0026】
又、本発明における好ましい近赤外光熱変換物質としては、近赤外シアニン系色素であり、これは、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n で結合された骨格を有する、広義の所謂シアニン系色素を言い、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、イミノシクロヘキサジエン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等の各種色素が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、イミノシクロヘキサジエン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系が好ましい。
【0027】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化5】
Figure 0003836617
【0029】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオン。〕
【0030】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0031】
【化6】
Figure 0003836617
【0032】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオン。〕
【0033】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
又、イミノシクロヘキサジエン系色素としては、特に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0034】
【化7】
Figure 0003836617
【0035】
〔式(III) 中、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、アルキル基を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよい。X- は対アニオン。〕
【0036】
ここで、式(III) 中のR9 及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は(IVc) で表されるものが好ましい。
【0037】
【化8】
Figure 0003836617
【0038】
〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオン。〕
【0039】
ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) のL4 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III) で表されるイミノシクロヘキサジエン系色素、及び前記一般式(IVa〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素の具体例を以下に示す。
【0040】
【化9】
Figure 0003836617
【0041】
【化10】
Figure 0003836617
【0042】
【化11】
Figure 0003836617
【0043】
【化12】
Figure 0003836617
【0044】
【化13】
Figure 0003836617
【0045】
【化14】
Figure 0003836617
【0046】
【化15】
Figure 0003836617
【0047】
【化16】
Figure 0003836617
【0048】
【化17】
Figure 0003836617
【0049】
【化18】
Figure 0003836617
【0050】
【化19】
Figure 0003836617
【0051】
【化20】
Figure 0003836617
【0052】
前記における対アニオンX- を具体的に示すに、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、BF4 - 、PF6 - 等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、有機ホウ酸の様な有機酸アニオンを挙げることができる。
特に、有機ホウ酸アニオンを対イオンに有する色素は、塗布溶剤に対する溶解性に優れる為、塗布溶液の製造が容易になると共に、低沸点の溶剤を使用可能なため、未乾燥感光性層の塗布ラインローラー等への貼り付き等の発生を抑制出来、高速塗布が可能となり、高い生産性を得ることができる。
具体的にこのような、有機ホウ酸アニオンとしては、下記式(L)で示されるものが挙げられる。
【0053】
【化21】
Figure 0003836617
【0054】
(式中、RQ1〜RQ4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい炭素数4〜15の複素環基を表わす。)
さらに具体的にはR。1〜RQ4がそれぞれ、−CH3 、−C25 、−C37 、−C49 、−C49 −t、
【0055】
【化22】
Figure 0003836617
【0056】
等を挙げることができる。
また、その他上記のシアニン色素以外の好ましい具体例としては、
S−1 ニグロシン色素:Colour Index Solvent Black 5
S−2 ニグロシン色素:Colour Index Solvent Black 7
S−3 ニグロシン色素:Colour Index Acid Black 2
S−4 カーボンブラック;MA−100(三菱化学社製)
S−5 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マテリアル社製)
S−6 一酸化チタン;チタンブラック12S(三菱マテリアル社製)
を挙げることが出来る。
【0057】
これらの光熱変換物質は、本発明の感光性組成物の全固型分に対して配合率は、0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%である。
本発明の感光性組成物は、前述の如く主として化学変化以外の変化に起因して画像形成を行うものであり、又、UV感受性を有さない(即ち、白色灯下での取扱いが可能である)ことを前提とする。従って、本発明の感光性組成物は、キノンジアジド化合物を含有しない。
【0058】
次に、本発明では、エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を必須成分として含有する必要がある。エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を含有することによって、感光性層の膜強度の向上が得られたことから、このエステル化アルカリ可溶性樹脂(即ち、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂であって、該フェノール性水酸基の一部がエステル化された樹脂)を、以下「膜強度向上剤」と称することがある。
エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)のエステル部分としては、スルホン酸化合物又はカルボン酸化合物が好ましい。エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を構成するフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、フェノール性の水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体等が挙げられるが、これらのうちノボラック樹脂、レゾール樹脂またはポリビニルフェノール樹脂が好ましい。
【0059】
中でもフェノール類及びアルデヒドまたはケトンの重縮合樹脂とカルボン酸化合物又はスルホン酸化合物とのエステル化合物が膜強度向上剤として好ましい。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモール等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログルシン等の三価フェノール等が挙げられる。前記アルデヒドとしてはホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのうち好ましいものはホルムアルデヒド及びベンズアルデヒドである。前記ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
【0060】
前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−、p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられる。
前記膜強度向上剤を構成するフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の分子量(Mw)は通常1,000〜50,000、好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上であり、20,000以下が好ましく、特には10,000以下が好ましい。
又、前記膜強度向上剤のフェノール性水酸基に対するスルホン酸又はカルボン酸化合物のエステル化率(OH基1個に対する反応率)は、1〜40%が好ましく、より好ましいのは3〜35%であり、特に好ましいのは15〜35%である。
【0061】
スルホン酸又はカルボン酸化合物としては、置換基を有していてもよいC1-15アルキルスルホン酸、置換基を有していてもよいC5-20のアリールスルホン酸、置換基を有していてもよいキノンスルホン酸、置換基を有していてもよいC4 〜C20の複素環スルホン酸又はこれらに対応するカルボン酸等のスルホン酸化合物又はカルボン酸化合物が挙げられる。
より好ましくは、置換基としてアルキル基、カルボン酸基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基をその構造中に有していても良い1〜3核のアリールスルホン酸化合物、1〜3核のキノンスルホン酸化合物又はこれらのカルボン酸化合物が挙げられる。特に、上記置換基を有していてもよい1〜2核のアリールスルホン酸又は2〜3核のキノンスルホン酸の場合、耐刷性、耐薬性向上効果の点で有利である。
エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を構成する好適なスルホン酸エステル基(R−SO3 −)は、Rが下記一般式QP1 〜QP9 で表される構造を有する基が挙げられる。
【0062】
【化23】
Figure 0003836617
【0063】
(式中、X1 は水素原子またはアルキル基を表し、X2 は水素原子または水酸基を表し、X3
【0064】
【化24】
Figure 0003836617
【0065】
または−N=N−Y2 を表し、X4 は水素原子またはアルキル基を表す。また、Y1 は独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表すが、少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。Y2 は置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い複素環基、アルケニル基、置換基を有していても良いアシル基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基を表す。)
【0066】
上記に於けるアルキルの炭素数は1〜15、好ましくは1〜6であり、アリール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜12であり、複素環基の炭素数は4〜20、好ましくは4〜10であり、アルケニル基の炭素数は2〜10、好ましくは2〜6であり、アシル基の炭素数は2〜15、好ましくは2〜10であり、アルコキシカルボニル基の炭素数は2〜15、好ましくは2〜10である。
【0067】
さらに具体的に本発明で使用されるエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)の例を以下に挙げる。尚、後述の印刷時の耐汚れ性を考慮した場合には、o−キノンジアジド基を非感光化した樹脂として、後に例示の化合物が好ましい例として挙げられる。しかしながら、本発明のエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)はこれら化合物に限定されるものではない。
【0068】
【化25】
Figure 0003836617
【0069】
m−クレゾールとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がW1 で置換されている(反応率30%)化合物(Mw3000)。
フェノールとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がW1 で置換されている(反応率30%)化合物(Mw2000)。
m−レゾルシンとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がW1 で置換されている(反応率20%)化合物(Mw3000)。
ここで
【0070】
【化26】
Figure 0003836617
【0071】
【化27】
Figure 0003836617
【0072】
【化28】
Figure 0003836617
【0073】
を示し、
【0074】
【化29】
Figure 0003836617
【0075】
基を表わす。
上記エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)のうち、スルホン酸化合物をピロガロールアセトン樹脂と反応させて得られるものが平版印刷版に使用した場合の耐刷性、耐薬性向上の点で特に好ましい。
また、エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)の配合率は、感光性組成物の全固形分に対して0.5〜100重量%、好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。
【0076】
本発明の膜強度向上剤を含有することにより、ポジ型感光性組成物の現像時における露光部(非画像部)の抜け性や画像部の膜減りの改善、及び感光性層の膜強度向上による耐刷性が改善される理由としては、例えば、次の様な機構に依るのではないかと推定している。
即ち、非エステル化アルカリ可溶性樹脂及びエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を含有する感光性組成物に於て、該エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が該非エステル化アルカリ可溶性樹脂と水素結合により架橋し、感光性層中にこれら結合のマトリックス構造を形成するものと考えられる。これら結合によるマトリックス効果は、感光性層のアルカリ水溶液に対する溶解性が低下することによって確めることができる。
【0077】
かかる架橋は、通常上記非エステル化アルカリ可溶性樹脂と膜強度向上剤を単に混合することでは形成されずらく、通常熱処理を行うことにより形成が促進され、それに伴う感光性層の溶解性の低下、感光性層の耐刷性の向上、スクラッチ傷欠陥の低下から確認される。
熱処理は、通常、感光性組成物を支持体等に塗布した後の乾燥時に行なわれ、感光性層の溶解性、耐刷性、スクラッチ傷欠陥の防止効果等の性能を満たすような温度と時間を適宜選定すればよい。好ましくは、40〜100℃の範囲であり、温度が下がるに伴い熱処理時間を延ばし、具体的には、100℃近傍では1〜30分間であるが、40℃近傍では5〜50時間の範囲が好ましい。
【0078】
著しく熱処理が高温度或いは長時間である場合には、感光性層の溶解性が下がりすぎ、現像不良を生じ、また反対に著しく熱処理が低温度或いは短時間である場合には、感光性層の溶解性が過多になり現像時の画像溶解、スクラッチ傷の発生、耐刷性の低下が起こりやすい。
本発明の感光性組成物がポジ型像形成性を高めるメカニズムの詳細は不明であるが、高い溶解抑制効果を発生させる該水素結合によるマトリックス構造が、光照射時に、光吸収により発生した熱による水素結合の緩和または解離により、アルカリ剤の浸入を容易にさせ、高い溶解抑制効果を消失する為、高いコントラストのポジ画像を形成すると共に、広い現像ラチチュードを与えるものと推定される。
【0079】
また高分子量のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂骨格を有する膜強度向上剤は、低分子量のものに比べ強固な水素結合によるマトリック構造を形成させる機能と、高い膜強度向上効果が得られると推定される。
一方、膜強度向上剤としては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂とアリールスルホン酸とのエステルに相当する樹脂であり、かつ、エステルを構成する部分構造、即ち、アリールスルホン酸の芳香環又は芳香環の置換基が親水性の基で置換されている場合、上記耐刷性、耐薬品性に加え、印刷時の非画線部の汚れを抑制する効果(耐汚れ性)を有するため好ましい。かかる親水性の基としては、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、カルボン酸基等が挙げられ、中でも芳香環上に少なくとも水酸基を有するのが好ましく、特に芳香環上に水酸基とアミノ基を有するのが好ましい。該アミノ基は置換基を有していてもよい。かかるエステルを構成する部分構造中に親水性の基を有することにより、感光層の露光部分のアルカリ現像液への溶解性が上述のコンフォメーションの変化と相まって、促進されると推定される。
【0080】
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂とアリールスルホン酸とのエステルであり、かつエステルを構成する部分構造に親水性の基を有する樹脂としては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、1,2−ベンゾキノンジアジド−スルホン酸、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸等の従来公知のo−キノンアジドスルホン酸とのエステルに相当する構造を有する樹脂のo−キノンジアジド基部分を反応させることによりo−キノンジアジド基を変性し、結果としてエステルを構成する部分構造中に親水性基を導入するのが合成のしやすさ、製造コストの点で有利である。
【0081】
尚、上記o−キノンジアジド基の変性とは、具体的にはo−キノンジアジド基を、通常、300〜450nm程度の波長の光を吸収してインデンカルボン酸を生成する光反応を起こさない化合物に変性すること(即ち、非感光化すること)であり、もはやキノンジアジド基を有さない。上記非感光化は、o−キノンジアジド基を公知のカップリング反応または脱窒素反応により変性することにより行なわれる。
【0082】
特に、ノボラック樹脂、より具体的にはフェノール類及びアルデヒド又はケトンとの重縮合樹脂と、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステルに相当する構造、更に好ましくはピロガロールアセトン樹脂と1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸又は1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステルに相当する構造を有する樹脂を非感光化することにより水酸基を導入した樹脂が合成上、及び上記耐刷性、耐薬品性、耐汚れ性の点で有利である。
【0083】
尚、上記非感光化はSaul Patal編集,“The Chemistry of diazonium and diazo groups Partl”1978,John Wiley & Sons社出版、Saul Patal編集,“The Chemistry of diazonium anddiazo groups Part2”,1978,John Wiley& Sons社出版、Viadimir V.Ershov et al.編集“Quinone Diazides”,1981,Elsevier Scientific Publishing Company社出版,W.Ried and M.Butz,Liebigs Ann.Chem.,716,190(1968);W.Ried and A.Keemann,Liebigs Ann.Chem.,689,145(1965),E.Bamberger,Marie Baum and Leo Schlein,J.Prakt.Chem.,266(1923),E.Bamberger,and S.Wildi,J.Prakt.Chem.,278(1923)等に記載されている公知の方法を用いて行なうことが出来る。このような非感光性化反応の具体例としては、各種酸、アルカリ、金属触媒等を用いた下記のような反応を挙げることが出来る。
【0084】
【化30】
Figure 0003836617
【0085】
【化31】
Figure 0003836617
【0086】
【化32】
Figure 0003836617
【0087】
【化33】
Figure 0003836617
【0088】
o−キノンジアジド基を含む上述の樹脂の非感光化で得られる樹脂の好ましいものを以下に示す。
(1)樹脂のo−キノンジアジド基と下記一般式(A)又は(B)で表わされる活性水素を有する化合物(非芳香族カップラー)とのカップリング反応生成物
【0089】
【化34】
Figure 0003836617
【0090】
(式中、RA1〜RA3は、アルキル基、水素原子、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表わすが、RA1〜RA3のうち少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。
【0091】
【化35】
Figure 0003836617
【0092】
(式中、RA1,RA3は式(A)記載のものと同じ、RA5は式(A)中のRA3が表わすもの及び置換基を有していてもよいアミノ基を表わす。)
【0093】
(2)樹脂のo−キノンジアジド基と、染料便覧(有機合成化学協会編、昭和34年、丸善(株)出版)、“ORGAMC INTERMEDIATES”,(大東化学工業(株)社、カタログ)等に記載の少なくとも水酸基又はニトロ基を有し、更に置換基を有していてもよい1〜3核のアリール化合物(芳香族カップラー)とのカップリング反応物。
【0094】
(3)酸又はアルカリ存在下アルコール等の水酸基を有する化合物と共に脱窒素反応を誘起させて得られる水酸基又はアルコキシ基を置換基として有する化合物(脱窒素化反応物)。
該カップラーの具体例を例示する。
【0095】
【化36】
Figure 0003836617
【0096】
【化37】
Figure 0003836617
【0097】
【化38】
Figure 0003836617
【0098】
耐汚れ性を考慮した場合、特にエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)がノボラック樹脂と、スルホン酸化合物とのエステルであり、スルホン酸エステルのエステル(R−SO3 −)のRが下記式であるのが特に好ましい。
【0099】
【化39】
Figure 0003836617
【0100】
(式中、Zは独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表すが、少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。
本発明で使用されるo−キノンジアジド基を非感光化した樹脂の例を以下に挙げるが、本発明の非感光性化されたo−キノンジアジド誘導体はこれら化合物に限定されるものではない。
【0101】
【化40】
Figure 0003836617
【0102】
【化41】
Figure 0003836617
【0103】
m−クレゾールとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がXWで置換されている(反応率30%)化合物(Mw3000)。
m−クレゾールとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がXVで置換されている(反応率30%)化合物(Mw3000)。
フェノールとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がXWで置換されている(反応率30%)化合物(Mw2000)。
m−レゾルシンとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がXVで置換されている(反応率20%)化合物(Mw3000)。
m−レゾルシンとホルムアルデヒドとの重縮合ノボラック樹脂の水酸基がXWで置換されている(反応率20%)化合物(Mw3000)。
ここで
【0104】
【化42】
Figure 0003836617
【0105】
【化43】
Figure 0003836617
【0106】
以上説明したエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を、非エステル化アルカリ可溶性樹脂と併用して本発明に用いる場合、エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)と、非エステル化アルカリ可溶性樹脂との重量比は、好ましくは1:1〜1:100、更に好ましくは1:2〜1:50である。このように併用した結果、ポジ型感光性組成分中のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の全フェノール性水酸基が通常1〜40%エステル化されたものが用いられるが、エステル化率としては、好ましくは2〜30%、更に好ましくは5〜15%である。
また、上記範囲のエステル化率であれば、ポジ型感光性組成物中の樹脂成分を全体的にエステル化したものも用いることができる。
【0107】
さらに、本発明のポジ型感光性組成物中には、露光部分と未露光部分の溶解性の差をさらに増大する目的で、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)と水素結合を形成し、該アルカリ可溶性樹脂の溶解性を低下させる機能を有する、近赤外光による吸収を実質有さず即ち、近赤外光の1%以下の吸収効率を有し、近赤外光で光分解されないある種の溶解抑制剤を含有させることが出来る。
【0108】
本発明に使用される溶解抑制剤としては、特願平9−205789号記載の酸無水物、スルホン酸エステル、リン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル、特願平9−301915号記載のノニオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、特願平9−291880号記載の酸発色性色素、特願平9−301915号記載の塩基発色性色素等を挙げることが出来る。これら溶解抑制剤の配合率としては感光性組成物の全固形分に対して、0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。
【0109】
また、感光性層中には、必要に応じ、光熱変換物質以外の着色材料を含有させることが出来る。着色材料としては、顔料または染料が使用され、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、クリスタルバイオレットラクトン等が挙げられる。なお、上記の( )内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0110】
該着色材料を含む場合、その配合率は全感光性層組成物の固形分に対して0〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
尚、本発明の感光性組成物は、UV感受性を有さず、白色灯下での取扱い性が良好であるから、上記の任意の添加成分としては、UV光に感受性を有さない成分を選択する必要がある。尚、感光性組成物がUV感受性を有さないとは、UV光、特に360〜450nmの領域の光の照射によっても露光部が実質的にアルカリ可溶性とならない性質を有する、即ち、アルカリ現像液に対する溶解性に有意差を生じないことを意味する。
【0111】
さらに具体的には、白色蛍光灯(三菱電機社製36W白灯蛍光灯ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36)下、400ルックスの光強度の光照射下において10時間放置しても、ポジ型感光性組成物(ポジ感光体の感光性層)の溶解性が変化しない。
本発明に使用するポジ型感光性組成物は、通常、上記各成分を適当な溶媒に溶解して用いられる。溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらにはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して通常重量比として1〜20倍程度の範囲である。
【0112】
なお、本発明のポジ型感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を含有することも可能である。
本発明の感光性組成物は支持体上に塗設して感光性平版印刷版として有利に使用できる。支持体表面に感光性層を設ける際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いることが可能である。その乾燥条件としては、例えば60〜170℃、5秒〜10分間、好ましくは70〜150℃、10秒〜5分間が採用される。
【0113】
感光性層の膜厚は、通常0.3〜7μm、好ましくは0.5〜5μm、更に好ましくは1.0〜3μmである。
本発明に使用する感光性組成物を用いた感光層を設ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等のシート等が挙げられる。感光性平版印刷版用の支持体としては、塩酸または硝酸溶液中での電解エッチングまたはブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されているアルミニウム板を用いることがより好ましい。
支持体としてアルミニウム支持体を用いる場合、従来印刷版用として公知のいずれでも可能であり、例えば、JIS規格で、A1000系(純アルミニウム)、A3000(Al−Mn)系、A5000(Al−Mg)系等が挙げられる。
【0114】
支持体表面の粗面度に関しては、一般的に、表面粗さRaの値で示される。これは表面粗度計を用いて測定することができる。本発明において用いられる支持体としてはその平均粗さRaとして0.3〜1.0μmのアルミニウム板が好ましく、更に、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。
本支持体は、必要に応じ、更に有機酸化合物による表面処理を施して用いることができる。
【0115】
本発明のポジ型感光性組成物を画像露光する光源としてはキセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等のランプ光源、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられ、特に、光を吸収し、発生した熱により画像形成させる場合には、650〜1300nmの近赤外レーザー等の光線を発生する光源が好ましく、例えばルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED、その他の固体レーザー等を挙げることが出来、特に小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらのレーザー光源により、通常、走査露光後、現像液にて現像し画像を得ることができる。
【0116】
また、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光材表面を走査するが、それに感応する本発明のポジ型平版印刷版の感度特性(mJ/cm2 )は感光材表面で受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )は、版面上でのレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を光パワーメーターにより測定し、また感光材表面におけるビーム径(照射面積;cm2 )を測定し、単位時間当たりのエネルギー量を照射面積で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を超える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光材を感光させて測定することもできる。
【0117】
本発明に用いられる光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2 以上であることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上であることが更に好ましい。光強度が上記の範囲であれば、本発明のポジ型感光性組成物の感度特性が向上し、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点が得られる。
【0118】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1〜3
下記成分よりなる感光液を厚0.24mmの親水化砂目表面処理アルミニウム板上にワイヤーバーで塗布し、100℃にて1分間乾燥させた後、55℃で16時間加熱処理し平版印刷版を得た。塗膜量は2.5g/m2 であった。
【0119】
(感光液)
Figure 0003836617
[光熱変換物質]
【0120】
【化44】
Figure 0003836617
【0121】
[着色色材料]
SB−1 クリスタルバイオレットラクトン
【0122】
[エステル化アルカリ可溶性樹脂]
【化45】
Figure 0003836617
【0123】
【化46】
Figure 0003836617
【0124】
【化47】
Figure 0003836617
【0125】
次に、上記試料を830nmの半導体レーザーを光源とする感光性平版印刷版露光装置(クレオ社製Trend Setter 3244T)を用いて212線、3〜97%の網点画像を200mJ/cm2 の露光量にて画像露光し、次いでアルカリ性現像液(富士写真フィルム社製DP−4の6〜10倍希釈液)を用いて、28℃にて、3〜97%の網点画像を再現させた印刷版を作製した。
該印刷版を用いて以下に示す評価を行った。結果を表−Aに示す。
【0126】
[印刷耐性]
該印刷版を三菱重工社製印刷機ダイヤ1F−2、湿し水(日研化学社製アストロNo.1 マーク2(1%液,pH5,10℃)),インキ(東洋インキハイエコー紅),印刷紙(王子製紙OK特アート)を用いて50000枚印刷した後、該印刷版上のインクをプレートクリーナー(エスケー社製SKプレートクリーナー)で除去した後、印刷版表面にコニカ(株)製ガム(SGW)を塗布、12時間放置する処理(置き版処理)を行った後再び50000枚印刷を行った。
【0127】
印刷可能な印刷物枚数から印刷版の印刷耐性を評価した。
A 印刷枚数が5万枚以上
B 印刷枚数が3万枚以上5万枚未満
C 印刷枚数が1万枚以上3万枚未満
D 印刷枚数が1万枚未満
【0128】
[耐薬品性]
印刷版の一部を耐薬品性を見るために、松井洗い油(松井化学社製)に1分間浸漬した。画線部について浸漬部と未浸漬部の各反射濃度から、浸漬後の残膜率を求めた。
残膜率 現像後の画線部分の浸漬前後の反射濃度をマクベス社製反射濃度計にて測定して、下記の式にて算出した結果をA〜Dで示す。
【0129】
【数1】
Figure 0003836617
【0130】
A:残膜率100(%)
B:残膜率80以上100未満(%)
C:残膜率50以上80未満(%)
D:残膜率50%未満
【0131】
【表1】
Figure 0003836617
【0132】
特に上記比較例2との対比から添加剤として樹脂のエステルを用いた場合に、低分子化合物のエステルを用いた場合に比べ耐薬性、印刷耐性が著しく向上することがわかる。
[参考例]
実施例1の試料を、400ルックスの白色蛍光灯下に10時間放置した後、同様の製版を行った所、同様に印刷版が得られ、まったく同じの評価結果が得られた。
比較例4
添加剤として、前記TC−3を用いた以外実施例1と同様に作成した試料を実施例1と同様に評価したところ耐薬性印刷適性ともにAであった。
一方、同様にして別途作成した試料を、400ルックスの白色蛍光灯下に2時間放置し同様の製版を試みた所、試料感光性層がすべてアルカリ現像液に溶出し、印刷版を得ることが出来なかった。即ち、本比較例の試料は、白色蛍光灯下で取扱いが制限されることを示している。
【0133】
実施例8
実施例1と同様にして露光、現像して得られた印刷版の表面にコニカ(株)製ガム(SGW)を塗布、12時間放置した印刷版を実施例1と同様の方法により印刷を行い、500枚目の印刷物を目視観察したところ非画像部分にインクの付着が無い高品質の印刷物が得られた。
【0134】
参考例1
実施例5で得られた印刷版を用い実施例8と同様に印刷を行い、500枚目の印刷物を目視観察したところ非画像部分にインクの付着が認められた。
参考例2
実施例6で得られた印刷版を用い実施例8と同様に印刷を行い、500枚目の印刷物を目視観察したところ、非画線部にインクの付着が認められた。
【0135】
比較例5
比較例4で得られた白色蛍光灯下に放置前の印刷版を実施例8と同様に印刷を行い、500枚目の印刷物を目視観察したところ非画像部分にインクの付着が認められた。
実施例9〜12、比較例6
感光液を下記の組成に変えた以外実施例1と同様にして平版印刷版を得た。塗膜量は2.5g/m2 であった。
【0136】
(感光液)
Figure 0003836617
【0137】
得られた平版印刷版を実施例1と同様にして露光、現像し、同様にして印刷耐性を評価した。
印刷可能な印刷物枚数から印刷版の印刷耐性を評価した。
A 印刷枚数が10万枚
B 印刷枚数が5万枚以上10万枚未満
C 印刷枚数が1万枚以上5万枚未満
D 印刷枚数が1万枚未満
耐薬品性は実施例1と同様に評価した。結果を表−Bに示す。
【0138】
【表2】
Figure 0003836617
【0139】
【発明の効果】
本発明のエステル化アルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成物は、優れた感度特性を有し、しかも印刷版用の感光層として使用した場合画線部の耐薬性に優れ耐刷力に優れたポジ型感光性組成物、及びそれを用いた感光性平版印刷版を提供することができる。
特に、近赤外レーザー光に於て、上記特性に優れ、白色灯下での作業が可能なポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。更に耐刷性向上剤を選択することにより耐汚れ性の改良された平版印刷版を提供できる。

Claims (20)

  1. フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)及び光熱変換物質(b)を含有し、感光性組成物の成分として光又は熱で分解する化合物を含有しないポジ型感光性組成物に於て、
    前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a)が、フェノール性水酸基の一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂(a−1)を含有するポジ型感光性組成物。
  2. ポジ型感光性組成物のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂成分中のフェノール性水酸基が、1〜40%エステル化されたものである請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  3. 感光性組成物中のエステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)と、非エステル化アルカリ可溶性樹脂との重量比が、1:1〜1:100である、請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
  4. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)の重量平均分子量が、1,000以上50,000以下である請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  5. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基をスルホン酸化合物又はカルボン酸化合物でエステル化した構造を有する樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  6. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)を構成するフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂が、ノボラック樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  7. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基の10〜40%をエステル化した樹脂である請求項3〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  8. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基をスルホン酸化合物でエステル化した構造を有する樹脂であり、スルホン酸化合物が置換基としてアルキル基、カルボン酸基、水酸基、又は1〜3級アミノ基を有していても良い1〜3核のアリールスルホン酸、又は1〜3核のキノンスルホン酸である請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  9. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基をスルホン酸化合物でエステル化した構造を有する樹脂であり、スルホン酸エステル(R−SO3 −)のRが下記式の構造を有する請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0003836617
    (式中、X1 は水素原子またはアルキル基を表し、X2 は水素原子または水酸基を表し、X3
    Figure 0003836617
    または−N=N−Y2 を表し、X4 は水素原子またはアルキル基を表す。また、Y1 は独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表すが、少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。Y2 は置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い複素環基、アルケニル基、置換基を有していても良いアシル基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基を表す。)
  10. スルホン酸エステル(R−SO3 −)のRが下記式の構造を有する請求項9に記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0003836617
    (式中、Zは独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表すが、少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。
  11. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基を、置換基を有していても良いアリールスルホン酸化合物でエステル化した構造を有する樹脂であり、かつアリールスルホン酸の芳香環が親水性の基で置換されているか又はアリールスルホン酸の芳香環の置換基が親水性の基で置換されている請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  12. 親水性の基が、水酸基、置換されていても良いアミノ基及びカルボン酸基から選ばれる基である請求項11に記載のポジ型感光性組成物。
  13. アリールスルホン酸の芳香環が少なくとも水酸基で置換されている請求項11に記載のポジ型感光性組成物。
  14. エステル化アルカリ可溶性樹脂(a−1)が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂とo−キノンジアジドスルホン酸とのエステルのo−キノンジアジド基を、活性水素含有化合物とのカップリング反応又は脱窒素反応により水酸基が導入された樹脂である請求項13に記載のポジ型感光性組成物。
  15. o−キノンジアジド基の反応が下記式(A)の活性水素含有化合物とのカップリング反応である請求項14に記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0003836617
    (式中、RA1〜RA3は、水素原子、アルキル基、アリール基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基を表すが、少なくとも1つは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、カルボン酸基、シアノ基から選ばれた基を表す。)
  16. 非エステル化アルカリ可溶性樹脂が、ノボラック樹脂である請求項3〜15のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  17. 非エステル化アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が1,000〜1,000,000である請求項3〜16のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  18. 光熱変換物質(b)が近赤外吸収能を有するシアニン色素である請求項1〜17のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  19. 支持体上に、請求項1〜18のいずれかに記載のポジ型感光性組成物からなる層を有するポジ型感光性平版印刷版。
  20. 請求項19に記載の感光性平版印刷版を、650〜1300nmの波長域のレーザー光により露光した後、アルカリ現像液で現像してポジ画像を形成するポジ画像形成方法。
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