JP3825178B2 - ポジ型平版印刷用原版 - Google Patents

ポジ型平版印刷用原版 Download PDF

Info

Publication number
JP3825178B2
JP3825178B2 JP19295598A JP19295598A JP3825178B2 JP 3825178 B2 JP3825178 B2 JP 3825178B2 JP 19295598 A JP19295598 A JP 19295598A JP 19295598 A JP19295598 A JP 19295598A JP 3825178 B2 JP3825178 B2 JP 3825178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
lithographic printing
novolak resin
weight
pigments
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19295598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000025352A (ja
Inventor
幾生 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP19295598A priority Critical patent/JP3825178B2/ja
Publication of JP2000025352A publication Critical patent/JP2000025352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3825178B2 publication Critical patent/JP3825178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷マスターとして使用できるポジ型平版印刷用原版に関するものであり、特にコンピュータ等のディジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用のポジ型平版印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
【0003】
従来公知のダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型感光性画像形成材料においては、アルカリ水溶液可溶性樹脂として、例えば特開平7−285275号公報にノボラック樹脂が用いられている。特開平7−285275号公報に開示されているポジ型感光性画像形成材料は、ノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂に、光を吸収して熱を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジアジド化合物類等のようなポジ型感光性化合物を添加したものであり、該ポジ型感光性化合物が、画像部ではアルカリ水溶液可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働き、非画像部では熱により溶解阻止能を発現しなくなり、現像により除去され得るようになって、画像が形成される。
【0004】
また、WO97/39894やEP0823327A2に記載されているポジ型感光性画像形成材料は、光を吸収して熱を発生する物質と、熱によりアルカリ水溶液可溶性が変化する樹脂とからなるものであり、画像部ではアルカリ水溶液溶解性が低く、非画像部では熱によりアルカリ水溶液可溶性が高くなり、現像により除去され得るようになって、画像が形成される。
【0005】
従来の平版印刷用原版において、ノボラック樹脂は、溶解阻止剤と強く相互作用するため、露光部と非露光部とで現像液に対する溶解性の差が大きくなること、インキ受容性に優れること等の理由から、特に好ましく用いられている。そして、赤外線レーザ用ポジ型感光性画像形成材料についても、同様の理由からノボラック樹脂を用いることが好ましい。
【0006】
溶融状態のポジ型感光性画像形成材料を適当な支持体上に塗布し、乾燥・固化し、感光層を形成することにより、平版印刷用原版が作製さるが、ノボラック樹脂を用いたポジ型感光性画像形成材料では、平版印刷用原版作製後の経時により、感度が低下するという経時安定性の問題があり、かかる問題の解消が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、経時による感度低下を抑えた、即ち経時安定性に優れたポジ型平版印刷用原版を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ノボラック樹脂を用いたポジ型感光性画像形成材料の経時による感度の低下は、平版印刷版原版作製後、経時によるノボラック樹脂のエントロピー緩和により、ノボラック樹脂からなる感光層の収縮が起こり、感光層の溶解性が低下するためであると推定されることを突き止めた。エントロピー緩和は、ガラス転移点(Tg)が低い樹脂ほど起こりやすいため、ガラス転移点(Tg)の高い樹脂、あるいは、ガラス転移点(Tg)の高い成分を多く含む樹脂を用いることが経時安定性向上に対しては望まれる。
【0009】
本発明者らの鋭意研究の結果、ガラス転移点(Tg)が十分に高く、エントロピー緩和が起こりにくい、即ちポジ型感光性画像形成材料に用いた場合の経時安定性に優れたノボラック樹脂としては、その重量平均分子量が5,000以上であることが最適であることを見出し、本発明を完成するに到った。なお、ノボラック樹脂の重量平均分子量の上限としては、余りに高くし過ぎると得られるポジ型感光性画像形成材料の感度が低下してしまい、また製造適性の観点より10,000以下とすることが必要である。
【0010】
即ち本発明は、少なくとも、重量平均分子量が7,500〜9,500のノボラック樹脂と、光を吸収して熱を発生する物質とを含有することを特徴とするポジ型感光性画像形成材料、および、該ポジ型感光性画像形成材料からなる感光層を支持体上に形成したことを特徴とするポジ型平版印刷用原版である。
【0011】
ノボラック樹脂の重量平均分子量としては、例えば既述の公知文献特開平7−285275号公報において、本発明の範囲を含むより広い範囲が記載されているが、本発明は、特にこれを7,500〜9,500の範囲にすることが、保管上通常考えられる状態における経時での安定性に顕著な効果があることを突き止めたことに特徴がある。上記文献を含むあらゆる文献において、経時安定性に対するノボラック樹脂の重量平均分子量の適正範囲については言及されていない。実際、上記文献を含むあらゆる文献において、実施例等として用いられているノボラック樹脂は、全て重量平均分子量が5,000未満である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[ノボラック樹脂]
本発明にバインダーとして使用されるノボラック樹脂は、重量平均分子量が7,500〜9,500の範囲である。一般に用いられるノボラック樹脂よりも高分子量のものを用いることにより、ガラス転移点(Tg)が高くなり、経時によるエントロピー緩和が抑制され、得られるポジ型感光性画像形成材料、およびこれを用いたポジ型平版印刷用原版の経時安定性が向上する。一方、ノボラック樹脂の重量平均分子量を余りに高くし過ぎると、得られるポジ型感光性画像形成材料の感度が低下してしまい、また製造適性の観点からもある程度以上の高分子量のノボラック樹脂の製造は困難であり、具体的には10,000以下が適当な値となる。
【0013】
また、経時安定性の観点からは、重量平均分子量が上記範囲中にあることのみならず、低分子量成分の割合を少なくすることがより好ましい。具体的には、本発明に使用されるノボラック樹脂中、分子量1,000以下の割合が20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0014】
本発明に使用されるノボラック樹脂としては、従来公知のノボラック樹脂が挙げられ、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−またはm−/p−、m−/o−、o−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂など、クレゾールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0015】
本発明に使用されるノボラック樹脂は、従来公知のノボラック樹脂の合成方法により合成することができる。以下に、本発明に使用されるノボラック樹脂の合成例を挙げる。
【0016】
<合成例1>
m−クレゾール60.0g、p−クレゾール40.0g、37%ホルマリン水溶液45.0g、およびシュウ酸0.05gを三つ口フラスコに仕込み、湯浴中で攪拌しながら110℃まで昇温し、リフラックスしながら4時間反応させた。次に、200℃まで昇温して水を除き、さらに1〜2mmHgまで減圧して未反応モノマーを除去し、ノボラック樹脂Aを合成した。
得られたノボラック樹脂Aの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)を用いて測定したところ、5,200であった。
【0017】
<合成例2>
反応時間を4時間から5時間に延ばしたことを除いて、合成例1と同様にしてノボラック樹脂Bを合成した。得られたノボラック樹脂Bの重量平均分子量を、合成例1と同様に測定したところ、7,000であった。
【0018】
<合成例3>
反応時間を4時間から6時間に延ばしたことを除いて、合成例1と同様にしてノボラック樹脂Cを合成した。得られたノボラック樹脂Cの重量平均分子量を、合成例1と同様に測定したところ、9,500であった。
【0019】
<合成例4>
m−クレゾール20.0g、p−クレゾール20.0g、フェノール60.0g、37%ホルマリン水溶液50.0g、およびシュウ酸0.05gを三つ口フラスコに仕込み、湯浴中で攪拌しながら110℃まで昇温し、リフラックスしながら6時間反応させた。次に、200℃まで昇温して水を除き、さらに1〜2mmHgまで減圧して未反応モノマーを除去し、ノボラック樹脂Dを合成した。得られたノボラック樹脂Dの重量平均分子量を、合成例1と同様に測定したところ、8,000であった。
【0020】
<合成例5>
p−クレゾール50.0g、フェノール50.0g、37%ホルマリン水溶液50.0g、およびシュウ酸0.05gを三つ口フラスコに仕込み、湯浴中で攪拌しながら110℃まで昇温し、リフラックスしながら5時間反応させた。次に、200℃まで昇温して水を除き、さらに1〜2mmHgまで減圧して未反応モノマーを除去し、ノボラック樹脂Eを合成した。得られたノボラック樹脂Eの重量平均分子量を、合成例1と同様に測定したところ、7,500であった。
【0021】
上記ノボラック樹脂は、ポジ型感光性画像形成材料(以下、単に「画像形成材料」という場合がある)全固形分中好ましくは30〜99重量%、好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは50〜90重量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性の高分子化合物の添加量が30重量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、99重量%を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。なお、後述の[本発明におけるノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂]を本発明における上記ノボラック樹脂と混合したものをバインダーとして、本発明における画像形成材料を得る場合、バインダー全体として、画像形成材全固形分中の含有量が、前記範囲であることが望ましい。
【0022】
[本発明におけるノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂]
本発明においては、上記ノボラック樹脂がバインダーとして必須であるが、その他のアルカリ可溶性樹脂と混合して用いることもできる。
本発明における上記ノボラック樹脂と混合して用いることができる他のアルカリ可溶性樹脂(以下、単に「他のアルカリ可溶性樹脂」という)としては、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に開示されているようなフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂、特開平2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有するアクリル樹脂や、ウレタン系の樹脂等、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物が挙げられる。
【0023】
ウレタン系の樹脂としては、特開昭63−124047号公報、同63−261350号公報、同63−287942号公報、同63−287943号公報、同63−287944号公報、同63−287946号公報、同63−287947号公報、同63−287948号公報、同63−287949号公報、特開平1−134354号公報、同1−255854号公報に記載されているものが好ましく用いられる。
【0024】
本発明において、他のアルカリ可溶性樹脂として、特に好ましくは、(a−1)フェノール性水酸基、(a−2)スルホンアミド基、(a−3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物が挙げられ、例えば以下のものが例示される。
【0025】
(a−1)フェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を用いることができる。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、あるいは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物を挙げることができる。フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。
かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、1種類以上あるいは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
(a−2)スルホンアミド基を有する高分子化合物としては、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物を挙げることができる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2 −と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
このような化合物としては、例えば、下記一般式(1)〜(5)で示される化合物が挙げられる。
【0027】
【化1】
Figure 0003825178
【0028】
式中、X1 、X2 はそれぞれ−O−又は−NR7 −を示す。R1 、R4 はそれぞれ水素原子又は−CH3 を表す。R2 、R5 、R9 、R12、R16はそれぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。R3 、R7 、R13は水素原子、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、R6 、R17は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。R8 、R10、R14は水素原子又は−CH3 を表す。R11、R15はそれぞれ単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。Y1 、Y2 はそれぞれ単結合または−CO−を表す。
【0029】
具体的には、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0030】
(a−3)活性イミド基を有する高分子化合物は、下記式で表される活性イミド基を分子内に有するものであり、この高分子化合物としては、1分子中に、下記の式で表わされる活性イミノ基と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物を挙げることができる。
【0031】
【化2】
Figure 0003825178
【0032】
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0033】
さらに、他のアルカリ可溶性樹脂としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、及び活性イミド基を有する重合性モノマーのうちの2種以上を重合させた高分子化合物、或いはこれら2種以上の重合性モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物を使用することができる。
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーに、スルホンアミド基を有する重合性モノマー及び/又は活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら成分の配合重量比は50:50から5:95の範囲にあることが好ましく、40:60から10:90の範囲にあることが特に好ましい。
【0034】
他のアルカリ可溶性樹脂が前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、アルカリ可溶性を付与するモノマーは10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないことがある。
【0035】
前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマー成分としては、例えば、下記(1)〜(12)に挙げるモノマーを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
(1)例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0036】
他のアルカリ可溶性樹脂が、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体あるいは共重合体の場合、重量平均分子量が2000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。さらに好ましくは、重量平均分子量が5000〜300000で、数平均分子量が800〜250000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
【0037】
これら他のアルカリ可溶性樹脂は、それぞれ1種類あるいは2種類以上を組み合わせてもよく、本発明におけるノボラック樹脂に対し、0.05/1〜1/0.1の割合で用いることが好ましく、より好ましくは0.1/1〜1/0.2である。
【0038】
[光を吸収して熱を発生する物質]
本発明では、光を吸収して熱を発生する物質として、種々の顔料もしくは染料を添加することができる。
顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0039】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0040】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0041】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると感光層の均一性の点で好ましくない。
【0042】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0043】
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。
本発明において、これらの顔料、もしくは染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
【0044】
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられる。また、赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料、米国特許5,380,635号に記載のジヒドロペリミジンスクアリリウム染料等を挙げることができる。
【0045】
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物、Epolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125、Epolight IV −62A等は特に好ましく用いられる。
【0046】
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの顔料もしくは染料は、画像形成材料全固形分中0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量%の割合で添加することができる。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると、得られる感光層の均一性が失われ、感光層の耐久性が悪くなる。
これらの染料もしくは顔料は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、後述の熱分解性でありかつ分解しない状態では該結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質を含む層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
【0047】
〔その他の成分〕
本発明において感光性画像形成材料には、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。例えばオニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することは、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点では、好ましい。
オニウム塩としてはジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げる事ができる。
【0048】
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974) 、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980) 、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307 (1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J. V. Crivello et al, Polymer J. 17, 73 (1985)、J. V. Crivello et al. J. Org. Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789 (1984) 、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (1985) 、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5) ,1141(1981)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979) 、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同410,201号、同339,049 号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307 (1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047 (1979) に記載のセレニウム塩、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)に記載のアルソニウム塩等が挙げられる。
【0049】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0050】
オニウム塩の添加剤の添加量は、画像形成材料全固形分中好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
本発明において添加剤とバインダーは、同一層へ含有させることが好ましい。
【0051】
また、更に感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類および有機酸類の画像形成材料全固形分中に占める割合は、0.05〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0052】
また、本発明における画像形成材料中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の画像形成材料中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0053】
本発明における画像形成材料中には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号および同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0054】
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、画像形成材料全固形分中0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合で添加することができる。
更に本発明の画像形成材料中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0055】
本発明における画像形成材料は、通常上記各成分を溶媒に溶かして塗布液を作製し、これを適当な支持体上に塗布することにより形成され、このようにして感光層を形成することにより本発明のポジ型平版印刷用原版を製造することができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。塗布液中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、ポジ型平版印刷用原版についていえば、一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光層の皮膜特性は低下する。
【0056】
本発明における画像形成材料の塗布液中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、感光層全固形分中0.01〜1重量%さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0057】
本発明に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0058】
本発明において支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において支持体として特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明において支持体に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明において支持体に用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0059】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0060】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号および第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、または電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0061】
本発明のポジ型平版印刷用原版は、支持体上にポジ型感光性画像形成材料を設けたものであるが、必要に応じてその間に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0062】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、画像形成材料の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2 が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2 である。上記の被覆量が2mg/m2 よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2 より大きくても同様である。
【0063】
上記のようにして作製されたポジ型平版印刷用原版は、通常、像露光、現像処理を施される。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。
本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0064】
本発明のポジ型平版印刷用原版の現像液および補充液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0065】
これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物(M2 O)の比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭57−7427号公報に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0066】
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の平版印刷版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。現像液および補充液には、現像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で、必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0067】
更に現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液および補充液を用いて現像処理された平版印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷版として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0068】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、平版印刷版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、平版印刷版を搬送する装置と各処理液槽およびスプレー装置とからなり、露光済みの平版印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって平版印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0069】
本発明のポジ型平版印刷用原版を画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行われる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行う方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
【0070】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニング処理する場合には、該バーニング処理前に、特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
【0071】
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当である。
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0072】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行われている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合には、ガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0073】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0074】
<実施例1>
〔基板(支持体)の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、乾燥し、さらに、下記下塗り液を塗布し、塗膜を90℃で1分乾燥した。乾燥後の塗膜の塗布量は10mg/m2 であった。
【0075】
下塗り液の組成
・β−アラニン 0.5g
・メタノール 95 g
・水 5 g
【0076】
得られた基板に以下の感光液を乾燥後の塗布量が1.8g/m2 になるよう塗布し、感光層を形成して平版印刷用原版を得た。
【0077】
感光液の組成
・前記合成例のノボラック樹脂 1.0 g
・シアニン染料A 0.2 g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフタレ
ンスルホン酸アニオンにした染料 0.02g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本イン
キ化学工業(株)製) 0.05g
・メチルエチルケトン 10 g
・1−メトキシ−2−プロパノール 7 g
シアニン染料A
【0078】
【化3】
Figure 0003825178
【0079】
<実施例2>
ノボラック樹脂を前記合成例のノボラック樹脂Dに代えた以外は、実施例1と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0080】
<実施例3>
ノボラック樹脂を前記合成例5のノボラック樹脂に代えた以外は、実施例1と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0083】
<比較例1>
1)比較ノボラック樹脂a(比a)の合成
m−クレゾール60.0g、p−クレゾール40.0g、37%ホルマリン水溶液45.0g、およびシュウ酸0.05gを三つ口フラスコに仕込み、湯浴中で攪拌しながら110℃まで昇温し、リフラックスしながら3時間反応させた。次に、200℃まで昇温して水を除き、さらに1〜2mmHgまで減圧して未反応モノマーを除去し、比較ノボラック樹脂aを合成した。
得られた比較ノボラック樹脂aの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)を用いて測定したところ、4,000であった。
【0084】
2)平版印刷用原版の作製
ノボラック樹脂Aを上記ノボラック樹脂aに代えた以外は、実施例1と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0085】
<比較例2>
1)比較ノボラック樹脂b(比b)の合成
反応時間を3時間から10時間に延ばしたことを除いて、比較例1の比較ノボラック樹脂aと同様にして比較ノボラック樹脂bを合成した。得られた比較ノボラック樹脂bの重量平均分子量を、比較例1と同様に測定したところ、15,000であった。
【0086】
2)平版印刷用原版の作製
ノボラック樹脂を上記ノボラック樹脂bに代えた以外は、実施例1と同様にして平版印刷用原版を得た。
<実施例
実施例1と同様にして得た支持体に、下記組成の感光液を乾燥後の塗布量が1.8g/m2 になるよう塗布し、感光層を形成して平版印刷用原版を得た。
【0087】
感光液の組成
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
メタクリル酸メチル、アクリロニトリル共重合体(仕込
みモル比:35/30/30、重量平均分子量58,0
00) 0.7 g
・前記合成例のノボラック樹脂 0.3 g
・前記シアニン染料A 0.2 g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03 g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフタ
レンスルホン酸アニオンにした染料 0.02 g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本イ
ンキ化学工業(株)製) 0.05 g
・γ−ブチロラクトン 5 g
・メチルエチルケトン 7 g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6 g
【0088】
<実施例
ノボラック樹脂を前記合成例のノボラック樹脂に代えた以外は、実施例と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0089】
<実施例
ノボラック樹脂Cを前記合成例のノボラック樹脂に代えた以外は、実施例と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0092】
<比較例3>
ノボラック樹脂を比較例1の比較ノボラック樹脂aに代えた以外は、実施例と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0093】
<比較例4>
ノボラック樹脂を比較例2の比較ノボラック樹脂bに代えた以外は、実施例と同様にして平版印刷用原版を得た。
【0094】
〔平版印刷版の性能評価〕
前記のようにして作製した実施例1〜、および比較例1〜4の各平版印刷版について、下記の基準により性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0095】
・初期感度
得られた平版印刷版を作製後直ちに、出力500mW,波長830nm、ビーム径17μm(1/e2 )の半導体レーザを用いて主走査速度5m/秒にて露光した後、富士写真フイルム(株)製現像液DP−4、リンス液FR−3(1:7)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム(株)製:「PSプロセッサー900VR」)を用いて現像した。その際、DP−4は1:8で希釈したものを使用し、その現像液にて得られた非画像部の線幅を測定し、その線幅に相当するレーザーの照射エネルギーを求めて、これを初期感度とした。
【0096】
・経時後感度
得られた平版印刷版を温度45℃、湿度75%の環境下に3日間放置した後、上記(初期感度)の項で説明した方法と同様にしてレーザーの照射エネルギーを求めて、これを経時後感度とした。
【0097】
・経時安定性(感度低下)
以上で得られた初期感度と経時後感度との差、即ち感度低下の度合いを経時安定性の評価指標とした。
【0098】
【表1】
Figure 0003825178
【0099】
表1に示す結果より、ノボラック樹脂の分子量が低いほど初期感度が高いが、経時安定性も低下することがわかる。そのなかで、重量平均分子量5,000〜10,000の範囲のものが初期および経時後ともに感度が十分であり、実用上極めて良好な経時安定性を有することがわかる。
【0100】
【発明の効果】
本発明よれば、経時による感度低下を抑えた、即ち経時安定性に優れたポジ型平版印刷用原版を提供することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に、少なくとも、重量平均分子量が7,500〜9,500のノボラック樹脂と、光を吸収して熱を発生する物質とを含有する感光性画像形成材料からなる感光層を形成したことを特徴とするポジ型平版印刷用原版。
JP19295598A 1998-07-08 1998-07-08 ポジ型平版印刷用原版 Expired - Fee Related JP3825178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19295598A JP3825178B2 (ja) 1998-07-08 1998-07-08 ポジ型平版印刷用原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19295598A JP3825178B2 (ja) 1998-07-08 1998-07-08 ポジ型平版印刷用原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000025352A JP2000025352A (ja) 2000-01-25
JP3825178B2 true JP3825178B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=16299816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19295598A Expired - Fee Related JP3825178B2 (ja) 1998-07-08 1998-07-08 ポジ型平版印刷用原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3825178B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4563556B2 (ja) * 2000-07-13 2010-10-13 コダック株式会社 ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000025352A (ja) 2000-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3779444B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP3996305B2 (ja) ポジ型平版印刷用材料
JP3842471B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP2003162045A (ja) 平版印刷用原板
JP4137345B2 (ja) 平版印刷版原版
JP3836581B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP4171254B2 (ja) 樹脂組成物
JP4085006B2 (ja) 平版印刷版用原版
JP4202612B2 (ja) 平版印刷版原版
JP2003149799A (ja) 赤外線レーザ用平版印刷版
JP2004125877A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JP2003066607A (ja) 赤外線レーザ用平版印刷版
JP3842446B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP3881326B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP4401103B2 (ja) 画像記録材料
JP3825178B2 (ja) ポジ型平版印刷用原版
JP3920451B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP2004061947A (ja) 平版印刷版原版
JP3662737B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP4179754B2 (ja) 平版印刷版原版
JP4098923B2 (ja) 画像記録材料
JP3971063B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びそれを用いた平版印刷版
JP3999506B2 (ja) 平版印刷用原板
JP3773176B2 (ja) 平版印刷用原板
JP4041620B2 (ja) 画像記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees