JP2003082118A - 電子ディスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィルム - Google Patents
電子ディスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィルムInfo
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Abstract
電子ディスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネ
ル用または太陽電池用基板フィルムを提供する。 【解決手段】 分子内に下記一般式(1)で表される基
を有するセルロース誘導体、該セルロース誘導体の加水
分解重縮合物、または該セルロース誘導体と加水分解重
縮合が可能な反応性金属化合物との共重合物、を主成分
とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムである
ことを特徴とする電子ディスプレイ素子用、電子光学素
子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィルム。
一般式(1) −Si(R)3-n(OR’)n(式中、
R,R’は水素原子または一価の置換基を表わし、nは
1〜3の整数を表す。)
Description
に関し、より詳しくは電子ディスプレイ素子用、電子光
学素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィル
ムに関する。
等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、C
MOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽
電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気
透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし、最
近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、そ
れらの基板用として、割れやすく比較的重いガラスに対
し、屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるよ
うになった。そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボ
ネートあるいは特開平5−142525号公報に記載の
ポリエーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせた
プラスチック基板が提案され一部で採用されるようにな
ってきた。しかしながら、高価であったり、透過率や複
屈折等の光学的性質が充分でない等の理由で普及の妨げ
になっていた。また、これらの基板フィルムは波長分散
特性が負であるため、複屈折を利用した表示方法を採用
している、例えば、STN、VAあるいはIPSモード
の液晶パネルにおいては可視光の全波長域で偏光の補償
ができず、表示色の色ずれの原因となっていた。また、
有機EL表示素子においてはコントラストの低下を起こ
していた。
例えばセルロースアセテートなどのセルロース誘導体が
挙げられ、液晶表示素子の偏光板の保護フィルムとして
好適に用いられているが、これらは機械的強度に乏し
く、生産時に引っかき傷がついたり、裂けてしまうとい
う問題があった。また有機EL表示素子等の電子ディス
プレイ素子用基板上に透明導電膜を形成するためには、
180℃でも変形しない程度の耐熱性が必要であった。
の目的は、電子ディスプレイ素子用、電子光学素子用、
タッチパネル用または太陽電池用に、透明性・耐熱性・
表面硬度が高く、複屈折が少なく、軽くしなやかな基板
フィルムを提供することであり、本発明の第二の目的
は、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネ
ルにおいて色ずれの小さい電子ディスプレイ素子用基板
フィルムを提供することである。
記の構成によって達成される。
基を有するセルロース誘導体、該セルロース誘導体の加
水分解重縮合物、または該セルロース誘導体と加水分解
重縮合が可能な反応性金属化合物との共重合物、を主成
分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムであ
ることを特徴とする電子ディスプレイ素子用、電子光学
素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィル
ム。
ステル誘導体であることを特徴とする1項記載の電子デ
ィスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用ま
たは太陽電池用基板フィルム。
(2)で表されるシランカップリング剤を、セルロース
誘導体に付加または縮合させて得られたことを特徴とす
る1項または2項記載の電子ディスプレイ素子用、電子
光学素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィ
ルム。
を置換している官能基が炭素数2〜4のアシル基である
ことを特徴とする1〜3項の何れか1項記載の電子ディ
スプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用また
は太陽電池用基板フィルム。
おいて、原料となるセルロース誘導体の例としては酢酸
セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、シアノエチルセルロースなどが
挙げられるが、好ましくはセルロースエステル誘導体で
あり、例えば酢酸セルロースであるトリアセチルセルロ
ース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セ
ルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロ
ースアセテートブチレート(CAB)等である。
中、R,R’は水素原子または一価の置換基を表わし、
好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル
基、エチル基である。nは1〜3の整数であり、好まし
くはn=3である。
される基を有するセルロース誘導体(以下セルロース誘
導体(A)という)、該セルロース誘導体(A)の加水
分解重縮合物(以下セルロース誘導体(B)という)、
または該セルロース誘導体(A)と加水分解重縮合が可
能な反応性金属化合物との共重合物(以下セルロース誘
導体(C)という)(これら、セルロース誘導体
(A)、(B)、(C)を合わせて、単に本発明のセル
ロース誘導体という)を、主成分とする有機−無機ポリ
マーハイブリッドフィルムを用いた電子ディスプレイ素
子用、電子光学素子用、タッチパネル用または太陽電池
用基板フィルムに関するものである。
中、R,R’は水素原子または一価の置換基を表わし、
好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル
基、エチル基である。nは1〜3の整数であり、好まし
くはn=3である。Xは水酸基と付加または縮合可能な
基を表し、例えばイソシアナート基、チオシアナート
基、エポキシ基、ビニル基、無水コハク酸残基などが挙
げられるが、好ましくはイソシアナート基である。Lは
XとSiをつなぐ2価の連結基を表し、例えば置換また
は無置換のアルキレン基、アリーレン基、アルキレンオ
キシ基などが挙げられるが、好ましくは無置換のアルキ
レン基である。
原料のセルロース誘導体と、前記一般式(2)で表され
るシランカップリング剤を、付加または縮合させること
により得られるセルロース誘導体である。
る、前記一般式(1)で表される基を有するセルロース
誘導体(A)またはそれらから誘導されるセルロース誘
導体(BまたはC)が用いられる。
溶な溶媒(例えばアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキソラン、塩化メチレンなどが挙
げられ、またこれらの混合溶媒でもよい)に溶解しガラ
ス板上にフィルム厚みが100μmになるように流延し
乾燥させたフィルムを作製し、波長600nmにおける
面内リターデーション値R(600)を波長450nm
における面内リターデーション値R(450)で除した
値が1より大きいものをいう。
は、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複
屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにお
いては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコン
トラストが良好である。
てはセルロースエステルが挙げられ、好ましくは、セル
ロース誘導体の水酸基の水素が炭素数2〜4のアシル基
から選ばれる基で置換基されているものである。セルロ
ースエステルの置換度としてはアセチル置換度をX、プ
ロパノイルおよびブタノイル置換度をYとしたとき1.
00<X+Y<2.85かつ0<X<2.85であるも
のが好ましく、本発明のセルロースエステルは、このよ
うなセルロースエステルに一般式(1)の基を導入した
ものである。
学」岩波書店 斎藤一夫著 p.71記載の金属すなわ
ち半金属性原子を含む金属である。
な反応性金属化合物としては、例えば金属アルコキシ
ド、反応性の金属ハロゲン化物が挙げられ、好ましくは
金属種が4価の金属のものであり、より好ましくは金属
種がケイ素、ジルコニウム、チタンおよびゲルマニウム
から選ばれるものである。特に好ましい金属種はケイ素
である。
な反応性金属化合物で、加水分解可能な置換基が該金属
1原子当たり2個である化合物の例としては、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラ
ン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラ
ン、ジクロロジエチルシラン等が挙げられる。
3個である化合物の例としてはメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ
イソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリ
ブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフル
オロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメト
キシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ト
リメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルト
リクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が挙げら
れる。
水分解可能な置換基が該金属1原子当たり4個である化
合物(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、テトラエトキシチタン、テトラn−ブトキシジ
ルコン、テトラエトキシゲルマン等)を加水分解重縮合
時に共存させるのが好ましい。
水分解可能な置換基が該金属1原子当たり3個である化
合物及び加水分解可能な置換基が該金属1原子当たり2
個である化合物のその他の置換基としては、置換または
無置換のアルキル基、または置換または無置換のアリー
ル基が好ましく該アルキル基またはアリール基の置換基
としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基
等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル
基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニ
ル基、ナフチル基等)、複素環基(例えばフラン、チオ
フェン、ピリジン等)アルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノ
キシ基等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミ
ノ基、アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基等が挙
げられる。
物を加水分解重縮合時に共存させてもよい。
原子含有アリール基を表わす。X1は、加水分解可能な
基を表わし、nは1〜3の整数を表す。)前記一般式
(3)で表される化合物としては、(例えば、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、
ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロ
デシル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフル
オロプロピル)トリクロロシラン、ペンタフルオロフェ
ニルプロピルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ
−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシ
ラン等)が挙げられる。
めの有機ポリマーに対し無機高分子をハイブリッドする
ことが必須であり、いわゆる有機−無機ポリマーハイブ
リッドまたは有機−無機ポリマーコンポジットまたはゾ
ル・ゲル法などと呼ばれる手法が用いられる。
加水分解重縮合可能な反応性金属化合物の溶液に、ゾル
・ゲル法を適用し加水分解重縮合をおこなわせるため、
好ましくは酸触媒を加え、加水分解を起こさせることに
より縮合反応を促進する。この組成物を基材上に押し出
しあるいは流延し乾燥し、その後、必要なら、熱処理、
紫外線処理或いはプラズマ処理等を行うことにより、三
次元架橋の進んだ基板フィルムを得ることが出来る。こ
こで、通常触媒としては塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、
酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用
いられる。酸を添加しゾル・ゲル反応が進行した後に塩
基を加え中和しても良い。塩基を加え中和する場合、乾
燥工程前でのアルカリ金属の含有量が5000ppm未
満である事が好ましい(ここでアルカリ金属とは、イオ
ン状態のものを含む)。又、ルイス酸、例えばゲルマニ
ウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫などの金
属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩
などを併用してもよい。
前の溶液状態で反応を完結させても良いし、フィルム状
に流延してから反応を完結させても良いが塗布前に反応
を完結させるのが良い。用途によっては反応は完全に終
了しなくても良いが、できれば完結していたほうが良
い。
に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
など、DBU(ジアザビシクロウンデセン−1)、DB
N(ジアザビシクロノネン)などのビシクロ環系アミ
ン、アンモニア、ホスフィン等の塩基を用いることがで
きる。さらに、酸及び塩基の処理を複数回併用しても良
い。
圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去しても良
い。
水分解重縮合可能な反応性金属化合物は溶剤に溶解され
るが、溶剤としては、水混和性の有機溶媒が用いられ
る。基材上に流延し、フィルムを形成させる場合、押し
出しあるいは流延後に溶剤を蒸発させる必要性があるた
め、揮発性の溶媒が好ましく、かつ、反応性金属化合物
や触媒等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないも
のであり、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。ま
た、本発明のセルロース誘導体(A)と、加水分解重縮
合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に
混合しても良い。
良い。水混和性の溶媒の例としてはエチルアルコール、
メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、メトキシメチルアルコール、メチルセ
ロソルブなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメチルイミダ
ゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホ
ランなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、TH
F、メチルエチルケトンおよびアセトンが好ましい。
0μm〜1mm程度の任意のものを作製できるが30〜
500μmが好ましい。
基板、太陽電池用基板は、必要に応じてその表面に金属
酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、有機物重合体等の
皮膜を形成してもよく、これらは積層されていても良
い。ITOなどの透明導電膜の反対の面にこうした皮膜
を形成することによりITOなどの透明導電膜の形成に
よるフィルムの表裏での吸湿性や内部応力の差による反
りを解消することが出来るが、表裏両面に皮膜を形成し
ても良い。こうした皮膜の形成により、より優れた水蒸
気透過性の低減ができる。こうした膜に使用される金属
酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物としてはケイ素、ジ
ルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミ
ニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ス
ズ、ニオブから選ばれる1種類以上の元素の酸化物ある
いは窒化物、酸窒化物が挙げられ、酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、窒化ケイ素が特に好ましい。金属酸化物、
金属窒化物、金属酸窒化物は例えば、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等によって製膜
することができる。
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
ym.Sci.,58,1263−1274(199
5)に記載の合成法を参考に合成を行った。ジアセチル
セルロース(ダイセル化学工業製、酢酸セルロースL−
50、以下DACと略)36.93gを、脱水テトラヒ
ドロフラン(以下THFと略)258.54gに60℃
に加熱還流・攪拌しながら溶解させ、3−イソシアナー
トプロピルトリエトキシシラン(以下IPTESと略)
3.72gを滴下し、さらに触媒として二ラウリン酸ジ
ブチルすずを脱水THFで10質量%に調整した溶液を
2.85g滴下し、そのまま5時間加熱還流しながら攪
拌した。5時間後に溶液の赤外吸収スペクトルを測定す
ると、IPTESのイソシアナート基に由来する、22
71cm-1の吸収が消失していることが確認できたた
め、加熱を止めて放冷し、3Lのヘキサン中に注いで再
沈殿させ、40.50gの白色個体を得た(収率99.
6%)。得られた白色固体の29Si−NMRスペクトル
を測定したところ、−45.25ppmに単一の吸収が
見られた。また、13C−NMRスペクトルを測定したと
ころ、163.07ppmにアミドカルボニルの吸収が
見られ、目的のセルロース1が得られていることを確認
した。
たセルロース1の20.0gを脱水THF180gに溶
解させ、セルロース1の10%溶液を作製した。
0%溶液3.65g、テトラエトキシシラン(以下TE
OSと略)0.41g、0.25%希塩酸を0.14g
を加え、8分間室温で攪拌し、直径7.5cmのフッ素
樹脂製のシャーレに撒き、軽くフタをして2日間室温で
放置した。2日後に溶媒がほぼ揮発したところで30分
間真空ポンプで乾燥させ、無色透明の基板フィルム1を
得た。乾燥後の厚みは100μmであった。
lビーカー中に、セルロース1の10%溶液4.00
g、メチルトリエトキシシラン(以下MeTEOSと
略)0.40g、0.25%希塩酸を0.14gを加
え、8分間室温で攪拌し、直径7.5cmのフッ素樹脂
製のシャーレに撒き、軽くフタをして2日間室温で放置
した。2日後に溶媒がほぼ揮発したところで30分間真
空ポンプで乾燥させ、無色透明の基板フィルム2を得
た。乾燥後の厚みは100μmであった。
lビーカー中に、セルロース1の10%溶液4.50
g、0.25%希塩酸を0.14gを加え、8分間室温
で攪拌し、直径7.5cmのフッ素樹脂製のシャーレに
撒き、軽くフタをして2日間室温で放置した。2日後に
溶媒がほぼ揮発したところで30分間真空ポンプで乾燥
させ、無色透明の基板フィルム3を得た。乾燥後の厚み
は100μmであった。
チルセルロースの10%アセトン溶液2.0gをガラス
板上に流延し乾燥させ基板フィルム4を得た。乾燥後の
厚みは100μmであった。
ム厚50μmのポリエーテルスルホンフィルムである住
友ベークライト(株)製“スミライト FS−130
0”を比較の基板フィルム5とした。
00μmのポリカーボネートフィルムである帝人(株)
製“ピュアエース”を比較の基板フィルム6とした。
00μmのポリノルボルネンフィルムである日本ゼオン
(株)製“ゼオノアZ1420R”を比較の基板フィル
ム7とした。
3および比較例の基板フィルム4〜7について光透過率
(可視光)、ヘイズ、ガラス転移温度、表面硬度を評価
した。評価結果を下記表1に示す。尚、光透過率は及び
ヘイズは東京電色(株)製TURBIDITY MET
ER T−2600DAで測定した。複屈折は王子計測
機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで測
定し、フィルム面内のX方向、Y方向の屈折率の差に厚
み(nm)を乗じた値で表した。また、ガラス転移温度
(Tg)はレオメトリクス社製固体粘弾性測定装置RS
A−IIの引っ張りモードで測定した。また表面硬度はJ
IS鉛筆硬度法試験(K5400)に従って行った。評
価は鉛筆の芯の硬度、6H〜2Bで表した。
性・透過率・複屈折は十分であるが、表面硬度が低く好
ましくない。また比較例の基板フィルム5は高い耐熱性
を有しているが、透過率が低く、複屈折も大きく好まし
くない。また比較例の基板フィルム6、7は耐熱性が十
分でない。これに対し本発明の基板フィルム1〜3はい
ずれも透明性が高く、耐熱性も十分であり、複屈折が小
さく好ましいことが明らかとなった。なかでも基板フィ
ルム2、3は、元のセルロース樹脂(DAC)に比べて
大幅に表面硬度が向上しており、傷がつきにくく好まし
いフィルムであることが明らかとなった。
ら偏光板をはがし、試料の基板フィルム1〜7を載せ、
更に取り除いた偏光板を再び載せて、試料の基板フィル
ムが無い場合との色ずれの度合いを比較したところ、比
較例の基板フィルム6を載せたものは色ずれが大きく好
ましくなかったのに対し、本発明の基板フィルム1〜3
を載せたものは色ずれが小さく好ましいことが明らかと
なった。
移温度が高く、表面硬度が高く、複屈折が小さい電子デ
ィスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用ま
たは太陽電池用基板フィルムを提供することができた。
また、複屈折を利用した表示方法を採用している表示素
子にも適した電子ディスプレイ素子用、電子光学素子
用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィルムを提
供することができた。また複屈折を利用した表示方法を
採用している液晶パネルにおいて色ずれの小さい電子デ
ィスプレイ素子用基板フィルムを提供する事ができた。
Claims (4)
- 【請求項1】 分子内に下記一般式(1)で表される基
を有するセルロース誘導体、該セルロース誘導体の加水
分解重縮合物、または該セルロース誘導体と加水分解重
縮合が可能な反応性金属化合物との共重合物、を主成分
とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムである
ことを特徴とする電子ディスプレイ素子用、電子光学素
子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フィルム。 一般式(1) −Si(R)3-n(OR’)n (式中、R,R’は水素原子または一価の置換基を表わ
し、nは1〜3の整数を表す。) - 【請求項2】 前記セルロース誘導体がセルロースエス
テル誘導体であることを特徴とする請求項1記載の電子
ディスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用
または太陽電池用基板フィルム。 - 【請求項3】 前記セルロース誘導体が、下記一般式
(2)で表されるシランカップリング剤を、セルロース
誘導体に付加または縮合させて得られたことを特徴とす
る請求項1または2記載の電子ディスプレイ素子用、電
子光学素子用、タッチパネル用または太陽電池用基板フ
ィルム。 一般式(2) X−L−Si(R)3-n(OR’)n (式中、Xは水酸基と付加または縮合可能な基、LはX
とSiをつなぐ2価の連結基、R,R’は水素原子また
は一価の置換基を表わし、nは1〜3の整数を表す。) - 【請求項4】 前記セルロース誘導体の水酸基の水素を
置換している官能基が炭素数2〜4のアシル基であるこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の電子デ
ィスプレイ素子用、電子光学素子用、タッチパネル用ま
たは太陽電池用基板フィルム。
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