JP4232465B2 - 有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法 - Google Patents

有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル用の透明導電性フィルムとして好適な有機−無機ハイブリッドフィルムおよび該フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等の電子ディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、CMOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし、最近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、それらの基板用として割れやすく比較的重いガラスに対し屈曲性に富み割れにくく軽量な基板が求められるようになった。そこでポリエーテルスルホン、ポリカーボネートあるいは特開平5−142525号公報に記載のポリエーテルスルホンとアクリル系基板を張り合わせたプラスチック基板が提案され一部で採用されるようになったが、価格が高価であったり透過率や複屈折等の光学的性質が充分でない等の理由で普及の妨げになっていた。また、これらの基板フィルムは波長分散特性が負であるため、複屈折を利用した表示方法を採用しており、例えば、STN、VAあるいはIPSモードの液晶パネルにおいては可視光の全波長域で偏光の補償ができず、表示色の色ずれの原因となり、また、有機EL表示素子においてはコントラストの低下を起こしていた。
【0003】
最近、特許文献1(特開2000−122038号公報)において、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂に対し金属酸化物をナノスケールで混合・相溶させる有機−無機ポリマーハイブリッドという手法によって、耐熱性を向上させたプラスチックフィルムが開示されている。これらの有機−無機ハイブリッドフィルムとしては、また、本願発明者らによる2001年9月11日出願、特願2001−274792等もあり、これらのフィルムは耐熱性に優れ、複屈折等の光学的性質にも優れているため、液晶表示素子、有機EL素子等の電子ディスプレイフィルムに用いられる防湿性フィルム、導電性フィルムとしては、ガラス等に代わる好ましいポリマーフィルムである。しかしながらこれらのフィルムを溶剤キャスト法(流延法)によって得るようとする場合、製膜条件により、形成されるフィルムのヘイズ値が高く濁ったフィルムを与える、また透過率が低い等の問題があり、またこれらの特性にバラツキが生じたりする等の問題があった。又、用いる溶剤によっては、沸点が高いために、乾燥時間が長く、生産性が低いという課題や、有機−無機ハイブリッドフィルムの原料の溶解液(ドープ)が経時でゲル化し、塗布、製膜出来なくなるといった課題を有していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−122038号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、透過率が高く、かつヘイズが少なく、安定した光学的性能を得ることが出来る、有機高分子と金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる耐熱性能に優れた有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法を得ることにある。又、ポットライフが長く、製膜速度の速い有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下(1)〜()の手段により達成される。
(1)溶剤キャスト法によるセルロースエステルと金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法であって、前記セルロースエステルおよび金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を、密閉容器内において、溶剤の沸点以上の温度で加熱する工程を含む有機無機ハイブリッドフィルムの製造方法において、溶剤が、炭素数4以下のアルコールと前記アルコールより低い沸点を有する有機溶媒を含有する混合溶剤であり、かつ、前記加熱する工程の温度が60℃以上であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(2)前記溶剤中の、炭素数4以下のアルコールと、前記アルコールより低い沸点を有する有機溶媒の混合比率が、質量比で5:95〜20:80の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(3)前記溶剤が、エタノールと塩化メチレンの混合溶剤であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(4)前記金属アルコキシドが、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
一般式(1) R 4−n Si(OR′)
(式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
(5)前記(4)に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法により得られる透明フィルムであって、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物を下記一般式(2)で表した時、一般式(2)で表される無機高分子化合物の質量の総和が、前記透明フィルム全体に対して40質量%未満であることを特徴とする透明フィルム。
一般式() R4−niO n/2
(式中、Rは水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
(6)波長590nmでの面内リターデーション値をR (590)、波長480nmでの面内リターデーション値をR (480)としたとき、その比(R (480)/R (590))が0.8以上1.0未満であることを特徴とする前記(5)に記載の透明フィルム。
なお、以下1〜9については参考とされる手段である。
【0007】
1.溶剤キャスト法による有機高分子と金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法であって、前記有機高分子および金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を、密閉容器内において、溶剤の沸点以上の温度で加熱する工程を含むことを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0008】
2.前記溶剤が、炭素数4以下のアルコールと、前記アルコールより低い沸点を有する有機溶媒を含有する混合溶剤であることを特徴とする前記1に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0009】
3.前記加熱工程の温度が60℃以上であることを特徴とする前記1または2に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0010】
4.前記溶剤中の、炭素数4以下のアルコールと、アルコールより低い沸点を有する有機溶媒の混合比率が、質量比で5:95〜20:80の範囲にあることを特徴とする前記2または3に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0011】
5.前記溶剤が、エタノールと塩化メチレンの混合溶剤であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0012】
6.前記有機高分子が、セルロースエステルであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0013】
7.前記金属アルコキシドが、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【0014】
一般式(1) R4-nSi(OR′)n
(式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
8.前記7に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法により得られる透明フィルムであって、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物を下記一般式(2)で表した時、一般式(2)で表される無機高分子化合物の質量の総和が、前記透明フィルム全体に対して40質量%未満であることを特徴とする透明フィルム。
【0015】
一般式(2) R4-nSiOn/2
(式中、Rは水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
9.波長590nmでの面内リターデーション値をR0(590)、波長480nmでの面内リターデーション値をR0(480)としたとき、その比(R0(480)/R0(590))が0.8以上1.0未満であることを特徴とする前記8に記載の透明フィルム。
【0016】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等の電子ディスプレイ素子用基板等に用いられる、有機高分子と金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる、耐熱性を高めた有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法に関するものであり、特に溶剤キャスト法(流延法)からなる有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法であって、前記有機高分子および金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を、密閉容器内において、溶剤の沸点以上の温度で加熱する工程を含むことを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法に関するものである。
【0017】
本発明において、有機高分子としては、複屈折の波長分散特性が正であるセルロースエステルが好ましく用いられる。
【0018】
複屈折の波長分散が正分散とは、溶媒キャスト法、例えば、該高分子を可溶な溶媒に溶解させてガラス板上にフィルム乾燥時の厚みが100μmになるように流延・乾燥させてフィルムを作製し、該高分子からなるフィルムの波長480nmにおける面内リターデーション値R0(480)を波長590nmにおける面内リターデーション値R0(590)で除した値が1より小さいものをいう。
【0019】
複屈折の波長分散が正の透明フィルムにおいては、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコントラストが良好である。
【0020】
従って、本発明に用いられるセルロースエステルとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等があげられる。
【0021】
また、主たる成分が前記セルロースエステルおよび前記アルコキシシランの加水分解中縮合物である透明フィルムにおいて用いられるセルロースエステルとしては、アセチルセルロースが好ましく、特に、セルロースエステルの置換度を、アセチル基による置換度をX、アルコキシシリル基を有する官能基による置換度をYとして表した場合に、下記の式(1)、(2)を満たすセルロースエステルであることが好ましい。
式(1) 0<Y≦1.5
式(2) 1.0<X+Y≦2.9
これはX+Yが1.0以上2.9以下の範囲のものが樹脂の溶解性が高く、高濃度のドープを作製でき、製膜・乾燥時により有利だからである。また、透明フィルムの網目構造が密となりすぎ、もろいフィルムとなってしまうことを避けるためには、Yは1.5以下が好ましい。
【0022】
セルロースを形成するグルコースユニットは、結合できる3つの水酸基を有しており、例えば、セルローストリアセテートにおいて、グルコースユニットの3個の水酸基全てがアセチル基が結合している場合には、アセチル基による置換度は3.0である。
【0023】
これらアシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することが出来る。
【0024】
本発明に用いられるセルロース誘導体の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独であるいは任意の割合で混合使用することが出来るが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
【0025】
セルロース誘導体の分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが、得られるフィルムの弾性率と、ドープの粘度や製膜速度の観点から好ましく、100,000〜200,000のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロース誘導体はMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
【0026】
セルロース誘導体の平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
【0027】
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
【0028】
本発明においては、主たる成分が、前記セルロースエステルと、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物を主たる成分とする無機高分子がこのましい。ここで主たる成分とは、質量比率で、80%以上を前記セルロースエステルおよび前記アルコキシシランの加水分解中縮合物が占めることであり、好ましくは90%以上である。主たる成分以外にも後述するような可塑剤、マット剤などの添加剤が含まれていても良い。
【0029】
一般式(1)
(R)4-nSi(OR′)n
式中、R′はアルキル基であり、Rは水素原子または1価の置換基を表し、nは3または4を表す。
【0030】
R′で表されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の基があげられ、置換基を有していてもよく、置換基としてはアルコキシシランとしての性質を示すものであれば特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基等により置換されていてもよいが、より好ましくは非置換のアルキル基であり、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0031】
Rで表される1価の置換基としては、アルコキシシランとしての性質を示す化合物であればよく、具体的にはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、芳香族複素環基、シリル基等があげられる。中でも好ましいのは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基である。また、これらはさらに置換されていてもよい。Rの置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、アセトキシ基等特にアルコキシシランとしての性質を損なわない種々の置換基があげられる。
【0032】
一般式(1)で表されるアルコキシシランの好ましい例として、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、
また、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、
さらに、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
また、これらの化合物が部分的に縮合した、多摩化学製シリケート40、シリケート45、シリケート48、Mシリケート51のような数量体のケイ素化合物でもよい。
【0034】
前記アルコキシシランは、加水分解重縮合が可能な珪素アルコキシド基を有しているため、これらのアルコキシシランを加水分解重縮合することによって、高分子化合物のネットワーク構造が形成され、該アルコキシシランまたは加水分解重縮合物をセルロースエステルの残留水酸基と縮合させることによって、セルロースエステルからなる有機高分子成分とアルコキシシランの加水分解重縮合により形成される高分子成分とが密な架橋構造を有する透明フィルムが得られ、該透明フィルムは、耐熱性が向上し、高温条件下においても変形しにくくなるという驚くべき効果が得られる。
【0035】
また透明フィルム中の有機金属化合物(アルコシキシラン加水分解重縮合物)の含有量としては、透明フィルムの全質量に対して、前記の一般式(2)(ちなみにRは前記一般式(1)におけるRと同義である)のように加水分解重縮合が完全に終了した形態をとっていると仮定した質量で、1〜40質量%が好ましい。透明フィルムが高温時に軟化しにくくなるためには金属酸化物の添加量が1質量%以上であることが好ましく、また、透明フィルムの網目構造が密となりすぎ、もろいフィルムとなってしまうことを避けるには、金属酸化物の添加量が透明フィルムの40質量%以下であることが好ましい。
【0036】
〈加水分解触媒〉
本発明の透明フィルムにおいて、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランは、必要に応じて水・触媒を加えて加水分解を起こさせて縮合反応を促進してもよい。
【0037】
しかしフィルムのヘイズ、平面性、製膜速度、溶剤リサイクルなどの生産性の観点から、水分はドープ濃度の0.01%以上2.0%以下の範囲内とすることが好ましい。
【0038】
疎水的な有機金属化合物に水を添加する場合には、有機金属化合物と水が混和しやすいように、メタノール、エタノール、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒が共存していることが好ましい。また、セルロース誘導体のドープに有機金属化合物を添加する際に、ドープからセルロース誘導体が析出しないよう、該セルロース誘導体の良溶媒も含まれていることが好ましい。
【0039】
ここで触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、りん酸、12タングスト(VI)りん酸、12モリブド(VI)りん酸、けいタングステン酸等の無機酸、酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。酸を添加しゾル・ゲル反応が進行した後に塩基を加え中和しても良い。塩基を加え中和する場合、乾燥工程前でのアルカリ金属の含有量が5000ppm未満である事が好ましい(ここでアルカリ金属とは、イオン状態のものを含む)。又、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫などの金属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩などを併用してもよい。
【0040】
また触媒として、このような酸類の代りに、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなど、DBU(ジアザビシクロウンデセン−1)、DBN(ジアザビシクロノネン)などのビシクロ環系アミン、アンモニア、ホスフィン、アルカリ金属アルコキシド、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の塩基を用いることができる。
【0041】
このような、酸またはアルカリ触媒の添加量としては特に制限はされないが、好ましくは重縮合可能な反応性金属化合物の量に対して質量で1.0%〜20%が好ましい。また、酸及び塩基の処理を複数回併用しても良い。触媒を中和してもよいし揮発性の触媒は減圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去しても良い。触媒の除去が簡便である、イオン交換樹脂のような固体触媒を使用しても良い。
【0042】
なお金属化合物の加水分解重縮合は、塗布前の溶液状態で反応を完結させても良いし、フィルム状に流延してから反応を完結させても良いが塗布前に反応を完結させるのが良い。用途によっては反応は完全に終了しなくても良いが、できれば完結していたほうがよい。
【0043】
本発明において、有機−無機ハイブリッドフィルムは、前記有機高分子、好ましくはセルロース誘導体を溶解した溶液、および前記金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を混合して、セルロース誘導体中に含まれる水酸基を金属アルコキシド或いはその重縮合物と反応させ、有機−無機ハイブリッドポリマーからなる溶液(ドープ)を調製し、その後、溶剤キャスト法、即ち、該ハイブリッドポリマーからなる溶液(ドープ)を、連続走行しているエンドレス支持体(以下、エンドレスベルト、流延ベルト、あるいは単にベルトともいう)上に、ダイスから均一な膜厚で流延し、エンドレス支持体上で剥離可能な膜強度となるまで乾燥させた後、形成された膜を支持体から剥離し、さらに完全に乾燥させて巻取る方法により、製造するものである。
【0044】
〈溶剤〉
本発明の、多糖類誘導体および有機金属化合物またはその加水分解重縮合物を溶解するドープを形成するための溶剤としては、基材上に流延しフィルムを形成させるた後に溶剤を蒸発させる溶剤キャスト法で製膜するため、揮発性の溶媒が好ましく、かつ、触媒や有機金属化合物等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないものが好ましい。またこのような溶媒を2種以上混合して用いても良い。また、セルロース誘導体と有機金属化合物を各々別の溶媒に溶解した後に混合しても良く、前記ドープを形成するための溶媒としては以下のものがあげられる。
【0045】
ここで、以下、上記セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
【0046】
良溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレンなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチルおよび塩化メチレン等、後述の貧溶媒である炭素原子数1〜4のアルコールよりも低沸点の有機溶媒が好ましく、より好ましくは、沸点が60℃以下の塩化メチレン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、アセトンであり、最も好ましくは塩化メチレンである。
【0047】
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましく、通常は前記良溶媒と貧溶媒である前記アルコール類との混合溶剤が好ましい。これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上にセルロース誘導体のドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、ウェブを丈夫にし金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロース誘導体の溶解を促進したりする役割もあるし、反応性金属化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
【0048】
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることが出来る。これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタノールが特に好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
【0049】
前記セルロースエステル類と前記金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を混合して、セルロースエステルを前記金属アルコキシドの加水分解重縮合物との架橋を形成した有機−無機ハイブリッドポリマーからなる溶液を、本発明においては、密閉容器内において、溶剤の沸点以上の温度で加熱することに特徴がある。溶剤の沸点以上の温度で加熱するには、密閉して、加圧容器中で行う必要があり、例えば、セルロースエステルのドープを加圧容器中に密閉して、ドープの形成に用いられる塩化メチレン等の溶媒の沸点よりも高い温度で加熱することに特徴がある。
【0050】
本発明の有機−無機ハイブリッドフィルムにおいては、高温でも軟化しなくなるように、有機高分子であるセルロースエステルと、無機高分子であるシリカの間に化学結合が生成する必要があるが、通常シリカのシラノール基と、セルロースエステルの水酸基から珪酸エステル基を生成する反応には高い温度が必要であることが判明した。しかしながら前述の通り、製膜、乾燥速度の観点からは溶剤の沸点は低い方が好ましいため、かかる手法を本発明者らは考案した。
【0051】
ドープ形成のための溶剤は、通常は、例えば、良溶媒である塩化メチレンとエタノール等の貧溶媒との混合溶媒が用いられるが、良溶媒は、エタノール等アルコール類に比べ沸点が低いが、この場合、沸点の低い溶媒に対し、これよりも高い温度で処理する必要がある。処理温度としては、好ましくは60〜150℃であり、処理時間としては2時間以上が好ましい。
【0052】
更に、本発明の熱処理を行ってから、溶剤キャスト法によりフィルムを形成すると、フィルム形成後にヘイズ値が小さくなり、透過率も高くなった安定した光学特性を有するフィルムが得られるという驚くべき効果が得られた。
【0053】
これらドープを構成する溶媒については、後述するが、好ましい貧溶媒としては、炭素数4以下のアルコールが好ましく、炭素数4以下のアルコールと、前記アルコールより低い沸点を有する良溶媒とからなる混合溶剤であることが好ましく、さらに、前記溶剤中の、炭素数4以下のアルコールと、アルコールより低い沸点を有する良溶媒の混合比率が、質量比で5:95〜20:80の範囲にあり、前記沸点の低い溶媒は、塩化メチレンであることが好ましい。また、アルコールとしてはエタノールが特に好ましい。
【0054】
また、アルコールは、シラノール基とセルロースエステルのヒドロキシル基との反応と競合するため、前記セルロースエステル類と前記金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解したドープ液において、前記加温によって、前記金属アルコキシドの加水分解重縮合物のシラノール基とセルロースエステル類との縮合反応が進行しすぎることによるゲル化を防止するものと考えられる。
【0055】
好ましい温度としては従って、60℃以上、150℃以下であり、さらに好ましくは80℃以上、130℃以下である。処理時間としては、2時間以上が好ましい。この温度領域において、前記シラノール基と水酸基の反応が、活性化されると考えられる。従って、良溶媒は塩化メチレンのように通常アルコール類よりも低い沸点を有するものが選ばれるので、通常の常圧条件(大気圧)では、これらアルコール類よりも低沸点の良溶媒を含むドープの温度を、この沸点以上の温度で加熱出来ない。従って、本発明においては、オートクレーブ等の加圧用密閉容器を用いて、前記60℃以上、150℃以下の温度となるようにドープを加温する。それにより、シリカとセルロースエステルが相分離することによるフィルムのヘイズが上昇してしまう問題を、加圧容器において、低沸点の溶媒の常圧における沸点以上の温度で加温し、ゲル化しない程度に両者を反応させることが出来るため、解決することが出来た。
【0056】
このように、本発明に係わる有機−無機ハイブリッドポリマーを含有する溶液を、良溶媒、貧溶媒からなる混合溶剤の沸点以上の温度で加温する、即ち、加圧状態(密閉状態で加熱することで)で、透明な、透過率の高い、ヘイズの少ないフィルムとなる。
【0057】
本発明において、これらの透明フィルムは前記波長480nmにおける面内リターデーション値R0(480)を波長590nmにおける面内リターデーション値R0(590)で除した値、R0(480)/R0(590)が0.8以上、1.0未満であることが好ましい。
【0058】
〈添加剤〉
本発明における透明フィルムには、例えば、特開2002−62430号などに記載されているような、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリターデーションを調整するリターデーション調整剤等を含有させても良いが、これら低分子添加剤はフィルムのガラス転移温度を下げるためなるべく添加しないことが好ましい。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0060】
実施例1
〈セルロースエステルの置換度測定〉
ASTM D817−96に基づき、下記のようにして置換度DSを求めた。乾燥したセルロースエステル1.90gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。攪拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水100mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5mol/L硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行なった。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSa=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+(1−56.06×TA)×(X/AC)}
DSx=DSa×(X/AC)
DS=DSa+DSx
A:試料滴定量(ml)
B:0.51mol/L硫酸の力価
W:試料質量(g)
TA:全有機酸量(mol/g)
X/AC:イオンクロマトグラフで測定した酢酸(AC)と酢酸以外の酸(X)とのモル比
DSa:酢酸による置換度
DSx:酢酸以外の酸による置換度
上記手法により、本発明の実施例で用いる市販のセルロースエステルの置換度DSを測定した結果を下記に示す。
ジアセチルセルロース(ダイセル化学工業製、L−50)、DS=2.33
トリアセチルセルロース(ダイセル化学工業製、LT−55)、DS=2.80
〈合成例1〉
J.Appl.Polym.Sci.,58,1263−1274(1995)に記載の合成法を参考に合成を行った。
【0061】
ジアセチルセルロース(以下DACと略、ダイセル化学工業製、L−50)36.93gを、脱水テトラヒドロフラン(以下THFと略)258.54gに溶解後、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン(以下IPTESと略)3.72g(15mmol)を滴下し、さらに触媒として二ラウリン酸ジブチルすずを0.29g滴下し、そのまま5時間過熱還流しながら攪拌した。
【0062】
5時間後に溶液の赤外吸収スペクトルを測定すると、IPTESのイソシアナート基に由来する、2271cm-1の吸収が消失していることが確認できたため、加熱を止めて放冷し、3Lのメタノール中に注いで再沈殿させ、40.50gの白色個体を得た(収率99.6%)。得られた白色固体の29Si−NMRスペクトルを測定したところ、−45.25ppmに単一の吸収が見られた。また、13C−NMRスペクトルを測定したところ、163.07ppmにアミドカルボニルの吸収が見られ、目的のセルロースエステル1が得られていることを確認した。得られたセルロースエステル1の置換度は、アセチル基=2.33、トリエトキシシリルプロピルアミドカルボニル基=0.10だった。
【0063】
〈透明フィルム101〜104の作製〉
テトラエトキシシラン4.16g(20mmol)と塩化メチレン2.08g、エタノール2.08gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0064】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラエトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム101とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0065】
同様に、それぞれ加熱温度を100℃、70℃、40℃と変えて、それぞれ本発明の透明フィルム102、103、比較例の透明フィルム104とした。
【0066】
〈透明フィルム105〜108の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0067】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム105とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0068】
同様に、それぞれ加熱温度を100℃、70℃、40℃と変えて、それぞれ本発明の透明フィルム106、107、比較例の透明フィルム108とした。
【0069】
〈透明フィルム109〜112の作製〉
テトラエトキシシラン2.08g(10mmol)、メチルトリエトキシシラン1.59g(9mmol)と塩化メチレン1.84g、エタノール1.84gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.60g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0070】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム109とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0071】
同様に、それぞれ加熱温度を100℃、70℃、40℃と変えて、それぞれ本発明の透明フィルム110、111、比較例の透明フィルム112とした。
【0072】
〈透明フィルム113〜114の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0073】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で2時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム113とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0074】
同様に、加熱時間を1時間と変えて、本発明の透明フィルム114とした。
得られた上記フィルム101〜114について、透過率、ヘイズを評価した。
【0075】
〈透過率・ヘイズの測定〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0076】
【表1】
Figure 0004232465
【0077】
ドープを調製後、高い温度で加温処理したものほど透過率、ヘイズが良好であることがわかる。一方40℃で処理をした比較例のフィルムでは、透過率が低く、ヘイズも大きい好ましくないフィルムであった。
【0078】
また、加熱処理時間は1時間ではあまり効果がなく、2時間以上の加熱によって光学特性の好ましいフィルムが得られることがわかった。
【0079】
実施例2
〈ドープ201〜206の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、メタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0080】
メタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却し、ドープ201を得た。
【0081】
同様に、混合溶媒中のメタノール(沸点65℃)の代わりに、エタノール(沸点78℃)、イソプロパノール(沸点83℃)、t−ブタノール(沸点83℃)、1,3−ジオキソラン(沸点74℃)と変えて、それぞれ本発明のドープ202、203、204、比較例のドープ205とした。また、混合溶媒ではなくアセトン単独溶媒でドープを作製し、比較例のドープ206とした。
【0082】
ドープ201〜204はガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム201〜204とした。フィルムの厚みは100μmだった。しかしドープ205および206は加熱処理によってゲル化してしまい、ドープを塗布して製膜することができなかった。
【0083】
〈ドープ207〜210の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0084】
エタノールと塩化メチレンが質量比で4:96の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却し、ドープ207を得た。
【0085】
同様に、それぞれ混合溶媒の比率を12:88、16:84、24:76と変えて、それぞれ本発明のドープ208、209、210とした。またドープ206〜209はガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム207〜210とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0086】
〈ドープ211〜213の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)とぎ酸エチル1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0087】
エタノールとぎ酸エチルが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却し、ドープ211を得た。
【0088】
同様にドープの良溶媒であるぎ酸エチル(沸点54℃)を酢酸メチル(沸点56℃)、アセトン(沸点56℃)に代えることで、それぞれ本発明のドープ212、213とした。またドープ211〜213はガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム211〜213とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0089】
〈ポットライフの評価〉
上記実施例にて得られたドープ201〜204、207〜213について、一部を密閉容器にとり室温で保存して、ゲル化して流動性がなくなり、塗布できなくなるまでの時間を評価した。
【0090】
〈透過率・ヘイズの測定〉
上記実施例にて得られた透明フィルム201〜204、207〜213の透過率とヘイズを、東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0091】
【表2】
Figure 0004232465
【0092】
表2より、ドープにアルコールを含む場合はドープが安定化され、加熱によってゲル化がおこらないことがわかる。このようなゲル化を抑え、ポットライフを向上させる効果は、2級以下のアルコールの際に顕著であった。また、最終的に得られるフィルムの光学特性は、貧溶媒として1級アルコールを用いた場合が最も良かった。また、貧溶媒の比率には適当な領域があり、アルコールが5%〜20%の範囲にあるドープで製膜したフィルムが、ヘイズも低く好ましいフィルムであった。
【0093】
また、良溶媒として塩化メチレン以外にもぎ酸エチル、酢酸メチル、アセトンなどを用いても良好なフィルムが得られた。
【0094】
実施例3
〈本発明の透明フィルム301の作製〉
テトラメトキシシラン6.08g(40mmol)と塩化メチレン3.04g、エタノール3.04gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を1.44g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0095】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、DAC(L−50)12.0gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム301とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0096】
〈本発明の透明フィルム302の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0097】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、トリアセチルセルロース(ダイセル化学工業製、LT−55)を12.0g溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、テフロン(R)製のるつぼにドープを移し、SUS403製のジャケットで密閉した後、130℃で3時間加熱を行った。加熱終了後30℃まで冷却した後、加圧容器から取りだし、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム302とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0098】
〈本発明の透明フィルム303の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と塩化メチレン1.52g、エタノール1.52gを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
【0099】
エタノールと塩化メチレンが質量比で8:92の混合溶媒60mlに、合成例1で合成したセルロースエステル1を12.0g溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、本発明の透明フィルム303とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0100】
〈比較例の透明フィルム304の作製〉
エタノール6.0gと塩化メチレン68.5gの混合溶媒に、DAC(L−50)10.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、比較例の透明フィルム304とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0101】
〈比較例の透明フィルム305の作製〉
エタノール6.0gと塩化メチレン68.5gの混合溶媒に、トリアセチルセルロース(LT−55)10.0gを溶解後、ガラス板上にギャップ巾1000μmのドクターブレードで製膜し、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、比較例の透明フィルム305とした。フィルムの厚みは100μmだった。
【0102】
〈比較例の透明フィルム306〉
フィルム厚100μmのポリエーテルスルホンフィルムである住友ベークライト(株)製「スミライト FS−1300」を比較例の透明フィルム306とした。
【0103】
〈比較例の透明フィルム307〉
フィルム厚100μmのポリカーボネートフィルムである帝人(株)製「ピュアエース(R)」を比較例の透明フィルム307とした。
【0104】
〈比較例の透明フィルム308〉
フィルム厚100μmのポリノルボルネンフィルムであるJSR(株)製「アートン(R)」を比較例の透明フィルム308とした。
【0105】
〈ガラス転移温度の測定〉
本発明のセルロースエステル類のガラス転移温度は、走査型示差熱量計(DSC)の測定では、不明確で測定されないことが多いため、動的粘弾性測定(DMA)にて求めた。
【0106】
レオメトリックス社製固体粘弾性測定装置RSA−IIを用い、周波数100Hz、引っ張りモードにて室温から250℃まで掃引し、各透明フィルムの貯蔵弾性率E’(Pa)、損失弾性率E”(Pa)、またその比(E”/E’)であるtanδを測定し、このtanδが極大値をとる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
【0107】
〈複屈折、波長分散特性の測定〉
王子計測機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで測定し、各透明フィルムの面内のX方向、Y方向の屈折率の差に、厚みを50μmと仮定して乗じた値を複屈折(nm)として表した。
【0108】
また、480nmにおけるリターデーション値R0(480)及び590nmにおけるリターデーション値R0(590)を、同様にKOBRA−21ADHを用いて測定し、下式のように480nmでの複屈折値と590nmでの複屈折値の比を計算し、複屈折の波長分散を評価した。
【0109】
P=R0(480)/R0(590)
〈透過率・ヘイズの測定〉
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0110】
【表3】
Figure 0004232465
【0111】
比較例の透明フィルム307、308はtanδのピーク温度(ガラス転移温度)が低く好ましくない。また透明フィルム307は面内複屈折も大きく好ましくない。
【0112】
また比較例の透明フィルム304、305はtanδのピーク温度は200℃を越えており、高いガラス転移温度を有しているが、ガラス転移点以後の温度では急激に貯蔵弾性率が低下して材料が軟化しており好ましくない。
また透明フィルム306は耐熱性は高いが複屈折の波長分散が逆分散であり好ましくない。
【0113】
これに対し、本発明の透明フィルム105は、ジアセチルセルロース等とほぼ同じガラス転移温度であるが、ガラス転移点を越えた後の250℃においても貯蔵弾性率が770MPaと、ガラス状態に近い弾性率を保持しており耐熱性が高い透明フィルムであった。また、複屈折の波長分散も正分散であり(P<1.0)、好ましい透明フィルムであった。
【0114】
同様に透明フィルム109、301〜303においても、250℃において410〜940MPa程度の貯蔵弾性率を有しており、また複屈折の波長分散も正分散であり好ましい透明フィルムであった。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、透過率が高く、かつヘイズ少なく、安定した光学的性能を得ることができる、有機高分子と金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる耐熱性に優れた有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法が提供でき、また、ドープのゲル化を防ぎ、乾燥時間が速く生産性の高い有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法を考案できた。

Claims (6)

  1. 溶剤キャスト法によるセルロースエステルと金属アルコキシドの加水分解重縮合物からなる有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法であって、前記セルロースエステルおよび金属アルコキシドの加水分解重縮合物とを溶解する溶液を、密閉容器内において、溶剤の沸点以上の温度で加熱する工程を含む有機無機ハイブリッドフィルムの製造方法において、溶剤が、炭素数4以下のアルコールと前記アルコールより低い沸点を有する有機溶媒を含有する混合溶剤であり、かつ、前記加熱する工程の温度が60℃以上であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  2. 前記溶剤中の、炭素数4以下のアルコールと、前記アルコールより低い沸点を有する有機溶媒の混合比率が、質量比で5:95〜20:80の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  3. 前記溶剤が、エタノールと塩化メチレンの混合溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  4. 前記金属アルコキシドが、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
    一般式(1) R 4−n Si(OR′)
    (式中、R、R′は水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
  5. 請求項4に記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法により得られる透明フィルムであって、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物を下記一般式(2)で表した時、一般式(2)で表される無機高分子化合物の質量の総和が、前記透明フィルム全体に対して40質量%未満であることを特徴とする透明フィルム。
    一般式() R4−niO n/2
    (式中、Rは水素原子または一価の置換基を表し、nは3または4である。)
  6. 波長590nmでの面内リターデーション値をR (590)、波長480nmでの面内リターデーション値をR (480)としたとき、その比(R (480)/R (590))が0.8以上1.0未満であることを特徴とする請求項5に記載の透明フィルム。
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