JP4296815B2 - 液晶表示素子用偏光子保護フィルム、液晶表示素子用偏光板、及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子用の偏光板に関し、耐熱性、寸法安定性に優れ、特に大画面表示素子とした時の白抜けの少ない液晶表示素子用偏光子保護フィルム、及び液晶表示素子用偏光板、それを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶画像表示装置の形成に用いられる偏光板は、通常偏光機能を有する二色性染料で着色し一軸延伸されたポリビニルアルコールからなる偏光子に、トリアセチルセルロース(TACともいう)からなる偏光板用保護フィルム2枚を粘着材層を介して両側より貼り合わせることにより製造されている。該偏光版はディスプレイに用いることから光学特性に優れていることはもちろん、製造環境、使用環境から耐熱性も兼ね備えていなければならない。さらに従来の偏光板は、上記のように三層構造を有し、その材料特性から寸法安定性に乏しく、特に高温又は高温高湿環境下では、収縮や膨潤による寸法変化が大きく、該偏光板の寸法変化に伴って生じた応力を、粘着剤層で吸収、緩和することができない。
【0003】
すなわち、上層のTACフィルムは湿度や熱により収縮や膨潤が起こりやすいが、下層のTACフィルムは粘着剤層を介して液晶セルに強固に貼付されており、しかも該粘着剤層が伸縮に対する追従性が悪いために、湿度や熱により収縮や膨潤が起こりにくい。その結果、下層のTACフィルムから上層のTACフィルムに光が通過する際、直線的に進まなくなり、いわゆる白抜け現象が起こるなど、好ましくない事態を招来する。特に液晶表示素子が大画面化した際にこの現象が顕著に見られた。このような問題を解決するために、従来粘着剤に可塑剤を添加することで、適度に軟らかくし、応力緩和性を付与することが行われている。しかしながら、可塑剤を含む粘着剤においては、該可塑剤がブリードアウトしたり、あるいはそれにより偏光板を剥離した際に、被着体を汚染することがあるなどの問題が生じる。
【0004】
そこで、接着剤層としてシリコーン接着剤層を設けた接着剤層付偏光板(例えば、特許文献1参照。)が、また、(A)質量平均分子量が100万以上の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、その100質量部当たり、(B)質量平均分子量が1,000〜10,000の(メタ)アクリル酸エステル系オリゴマー5〜100質量部及び(C)2官能性架橋剤を含む架橋剤成分0.001〜50質量部を含む粘着剤組成物を、基材シートの少なくとも片面に上記粘着剤組成物からなる層を設けてなる粘着シート及びシート状光学部材の少なくとも片面に上記粘着剤組成物からなる層を設けてなる粘着性光学部材が開示されて(例えば、特許文献2参照。)いるがその効果は十分ではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−194531号公報 (特許請求の範囲)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−335767号公報 (特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は液晶表示素子用の寸法安定性に優れ、耐熱性が高く、優れた光学特性を有する偏光板、特に大画面とした場合にも白抜けの少ない偏光板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0009】
1.セルロースエステルと、1.0%〜20%の酸触媒の存在下で加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解重縮合物を主成分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる液晶表示素子用偏光子保護フィルムであり、該フィルム中にドメインを有し、その慣性半径の質量比分布の最大が0.5〜100nmであることを特徴とする液晶表示素子用偏光子保護フィルム。但し、1.0%〜20%の酸触媒の存在下とは、前記重縮合可能な反応性金属化合物の量に対して、酸触媒が1.0%〜20%存在することをいう。
【0010】
2.液晶表示素子用偏光子保護フィルム中のドメイン慣性半径の質量比分布の最大が1〜75nmであることを特徴とする前記1に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
【0011】
3.液晶表示素子用偏光子保護フィルム中のドメイン慣性半径の質量比分布の最大が1〜30nmであることを特徴とする前記1又は2に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
【0012】
4.反応性金属化合物の金属種に4価の金属を含んでいることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
【0013】
5.4価の金属が、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記4に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
【0014】
6.加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である金属の、前記反応性金属化合物中におけるモル含有率が50%以上であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
【0015】
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる液晶表示素子用偏光子保護フィルムを用いた液晶表示素子用偏光板。
【0016】
8.前記7に記載の液晶表示素子用偏光板で構成されていることを特徴とする液晶表示素子。
【0017】
本発明を更に詳しく説明する。上記構成のフィルムを用いることにより、耐熱性、寸法安定性に優れ、特に大画面表示素子とした時の白抜けの少ない液晶表示素子用偏光子保護フィルム、及び液晶表示素子用偏光板、液晶表示素子を得ることが可能である。
【0018】
上述のように、本発明のセルロースエステルフィルムを用いて偏光板用保護フィルムとし、後述の偏光膜の少なくとも一面に貼り合わせることによって液晶表示装置に有用な偏光板を得ることが出来る。偏光膜は、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系ポリマーの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させてヨウ素や二色性色素で染色したものを更に一軸延伸してから、ホウ素化合物のような架橋剤で耐水性処理を行ったものである。本発明の偏光板は、前述のように、本発明の偏光板用保護フィルム(有機−無機ポリマーハイブリッドフィルム、単に有機−無機ハイブリッドフィルムともいう)を前記偏光膜の少なくとも片面に張り合わせたものである。偏光膜の作製と偏光膜への張り合わせ方の1例を示すと、2枚の偏光板用保護フィルムの各々の片面に接着剤液としてのポリビニルアルコール水溶液を塗布して、その面に、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬してから更に一軸延伸した偏光膜をサンドウィッチして貼り合わせる。接着剤液としては、ポリビニルアルコール水溶液、ポリビニルブチラール溶液等のポリビニルアルコール系の接着剤液やブチルアクリレートなどのビニル重合系ラテックス等を挙げることが出来るが、好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液である。
【0019】
本発明の偏光板に用いる有機−無機ハイブリッド液晶表示素子用偏光子保護フィルムはそのフィルム中にドメインを有する。ドメインとは周囲と密度が異なる領域である。本発明においてフィルム中にドメインが存在するか否かは透過型電子顕微鏡観察や小角X線散乱測定により知ることができる。
【0020】
本発明において有機−無機ハイブリッドフィルム中のドメインサイズの測定は透過型電子顕微鏡観察、X線小角散乱測定により得ることができる。好ましいのはX線小角散乱測定により求める方法である。X線小角散乱法の詳細については例えばX線回折ハンドブック第3版(理学電機株式会社2000年発行)を参照することができる。よく知られているように試料中に電子密度の異なる領域が存在すると入射X線方向に散漫な散乱が観測される。この散乱は散乱角0〜5°程度の範囲に観測されるため、これらの散乱は小角散乱と呼ばれる。この散乱曲線に対し、GuinierプロットあるいはFankuchen法を用いてドメインのサイズを測定する。
【0021】
本発明における有機−無機ハイブリッドフィルム中のドメインサイズは球形換算での慣性半径の質量比の最大が0.5〜100nm、好ましくは1〜75nmさらに好ましくは1〜30nmである。以下、本明細書ではこの球形換算での慣性半径の質量比の最大をドメインサイズを称するが、ドメインサイズがこの範囲にあることにより透明性・耐熱性が高く、複屈折が少なく、軽くしなやかな基板フィルムを得ることが可能である。
【0022】
ドメインサイズを本発明の範囲内とするためには有機ポリマーに添加する無機化合物の種類、反応を促進するための触媒を適宜選択し、フィルムの製造にかかわるプロセスを最適にすることで達成できる。具体的には反応を急速に行わせればドメインサイズは大きくなり、その逆に反応を温和に進めればドメインサイズは小さくなる。
【0023】
〈有機−無機ポリマーハイブリッド〉
有機−無機ポリマーハイブリッド(または有機−無機ポリマーコンポジットまたはゾル・ゲル法などと呼ばれる手法が用いられるが、本発明では有機−無機ポリマーハイブリッドと呼称する)とは、有機ポリマーと無機化合物を組み合わせて、双方の特性を持った材料を合成する考え方であるが、有機ポリマーと無機化合物は相溶性に乏しいため、単純に両者を混合するだけでは有用な材料を得ることが難しい。近年になって、無機物を金属アルコキシドのような液体状態から合成する手法が開発されるにいたり、溶液プロセスによって光の波長以下(〜約750nm以下)のナノスケールで有機物と無機物を混合することが可能となり、光学的にも透明で有用な材料が得られるようになってきている。
【0024】
本発明においても、鋭意検討した結果、有機ポリマーであるセルロース誘導体の光学特性や柔軟性に、無機化合物である金属酸化物の安定性、耐熱性を付与することによって、上記課題を達成する基材フィルムを得ることができた。
【0025】
〈有機ポリマー〉
本発明においては、波長分散特性が正である、セルロースエステルが有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの有機ポリマーとして用いられる。
【0026】
正の波長分散特性とは、該有機ポリマーを可溶な溶媒(例えばアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、塩化メチレンなどが挙げられ、またこれらの混合溶媒でもよい)に溶解してガラス板上にフィルム厚みが100μmになるように流延し乾燥させたフィルムを作製し、波長600nmにおける面内リターデーション値R(600)を波長450nmにおける面内リターデーション値R(450)で除した値が1より大きいものをいう。
【0027】
波長分散特性が正の基板フィルムにおいては、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれがなく、良好である。
【0028】
波長分散特性が正であるセルロースエステルの例としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテートなどが挙げられる。
【0029】
上記セルロースエステル類であれば本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドには好ましく用いられるが、より好ましくはセルロースエステルの置換度が、アセチル置換度をX、酢酸以外の酸による置換度をYとしたとき1.0<X+Y<2.8かつ0<X<2.8であるものである。X+Yが1.0以下だと複屈折が大きく、透明性・樹脂の溶解性が低下するためである。一方X+Yが2.8以上では反応性金属化合物の加水分解重縮合物と水素結合を形成しうるセルロース上の水酸機の密度が少なく、有機材料と無機材料の間の相互作用が弱まって高温時の弾性率が低下し流動しやすくなるためである。好ましいセルロースエステルとしては、置換度が2.7である酢酸セルロースが挙げられる。
【0030】
本発明に用いられるセルロース誘導体の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独であるいは任意の割合で混合使用することが出来るが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
【0031】
セルロースエステルフィルムの分子量が大きいと弾性率が大きくなるが、分子量を上げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが好ましく、100,000〜200,000のものが更に好ましい。
【0032】
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。本発明で用いられるセルロースエステルはMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
【0033】
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
【0034】
〈無機化合物〉
次に有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムを構成する、無機化合物である金属化合物について説明する。
【0035】
本発明において金属とは、「周期表の化学」岩波書店、斎藤一夫著、p.71記載の金属すなわち半金属性原子を含む金属である。
【0036】
本発明に用いられる加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物としては例えば金属アルコキシド、反応性の金属ハロゲン化物が挙げられ、好ましくは金属種が4価の金属のものであり、より好ましくは金属種がケイ素、ジルコニウム、チタンおよびゲルマニウムから選ばれるものであって、なかでも特に好ましくはケイ素である。これらの金属化合物で、加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である金属が、金属化合物中におけるモル含有率が50%以上であることが好ましい。加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である金属以外に共存することが望ましい加水分解可能な金属化合物としては、基材フィルムの透湿度を低減する観点から、加水分解されない置換基で該金属1原子当たり1つまたは2つ、あるいは3つ置換されている化合物が挙げられる。このような加水分解されない置換基を有する金属化合物の添加量としては、添加される金属化合物の50モル含有率以下が好ましい。
【0037】
このような加水分解されない置換基としては、置換または無置換のアルキル基、または置換または無置換のアリール基が好ましく該アルキル基またはアリール基の置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(たとえばフラン、チオフェン、ピリジン等)アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基、フッ素原子含有アルキル基またはフッ素原子含有アリール基等が挙げられる。
【0038】
このような重縮合可能な反応性金属化合物は、中心金属をM、その原子数をq、加水分解されない置換基をX、その置換基数をp、加水分解可能な置換基をY、その置換基数をrとすると、理想的には下記一般式(1)のように反応が完結し、金属酸化物が得られる。
【0039】
一般式(1) XpMqYr→XpMqOr/2
このように反応が完結したと仮定した、XpMqOr/2の質量を、本発明では有機−無機ポリマーハイブリッド材料の無機物の含有量として算出する。
【0040】
有機−無機ポリマーハイブリッド材料の無機物の含有量としては、有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの全質量に対して、0.1〜40質量%が好ましい。無機物の添加量が0.1質量%より少ないと有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムの物性改良効果が認められなくなり、40質量%を越えると有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムが脆くなってしまうためである。
【0041】
本発明に用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、加水分解可能な置換基が金属1原子当たり2個ある化合物、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、バリウムイソプロポキシド、カルシウムエトキシド、銅エトキシド、マグネシウムエトキシド、マンガンメトキシド、ストロンチウムイソプロポキシド、すずエトキシド、亜鉛メトキシエトキシド等が挙げられる。
【0042】
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり3個である化合物、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン、メチルトリイソシアナートシラン、フェニルトリイソシアナートシラン、ビニルトリイソシアナートシラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルマトラン、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、ビスマスt−ペントキシド、クロムイソプロポキシド、エルビウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシド、インジウムメトキシエトキシド、鉄エトキシド、ランタンイソプロポキシド、ネオジウムメトキシエトキシド、プラセオジムメトキシエトキシド、サマリウムイソプロポキシド、バナジウムトリイソブトキシドオキシド、イットリウムイソプロポキシド等が挙げられる。
【0043】
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトライソシアナートシラン、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn−ブトキシド、テトラクロロチタン、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、テトラメトキシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、テトライソプロポキシゲルマン、テトラn−ブトキシゲルマン、セリウムt−ブトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムn−ブトキシド、テルルエトキシド等が挙げられる。
【0044】
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり5個である化合物としては、例えば、モリブデンエトキシド、ニオブエトキシド、ニオブn−ブトキシド、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルn−ブトキシド、タングステン(V)エトキシド等が挙げられる。
【0045】
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり6個である化合物としては、例えば、タングステン(VI)エトキシド、タングステン(VI)フェノキシド等が挙げられる。
【0046】
また、本発明に用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、分子種内に2つの金属原子を持つダブル金属アルコキシドと呼ばれる化合物でも良い。このようなダブル金属アルコキシドとしては、例えば、ゲレスト社製のアルミニウム銅アルコキシド、アルミニウムチタンアルコキシド、アルミニウムイットリウムアルコキシド、アルミニウムジルコニウムアルコキシド、バリウムチタンアルコキシド、バリウムイットリウムアルコキシド、バリウムジルコニウムアルコキシド、インジウムスズアルコキシド、リチウムニッケルアルコキシド、リチウムニオブアルコキシド、リチウムタンタルアルコキシド、マグネシウムアルミニウムアルコキシド、マグネシウムチタンアルコキシド、マグネシウムジルコニウムアルコキシド、ストロンチウムチタンアルコキシド、ストロンチウムジルコニウムアルコキシド等が挙げられるが、少なくとも、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムのいずれかの金属が含まれているものが好ましい。
【0047】
〈加水分解触媒〉
本発明の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムにおいて無機化合物である、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は、必要に応じて水・触媒を加えて加水分解を起こさせて縮合反応を促進する。
【0048】
しかしフィルムのヘイズ、平面性、製膜速度、溶剤リサイクルなどの生産性の観点から、水分はドープ濃度の0.01%以上2.0%以下の範囲内とすることが好ましい。
【0049】
疎水的な加水分解重縮合可能な反応性金属化合物に水を添加する場合には、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物と水が混和しやすいように、メタノール、エタノール、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒も添加されていることが好ましい。また、セルロース誘導体のドープに加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を添加する際に、ドープからセルロース誘導体が析出しないよう、該セルロース誘導体の良溶媒も添加されていることが好ましい。
【0050】
ここで触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。酸を添加しゾル・ゲル反応が進行した後に塩基を加え中和しても良い。塩基を加え中和する場合、乾燥工程前でのアルカリ金属の含有量が5000ppm未満である事が好ましい(ここでアルカリ金属とは、イオン状態のものを含む)。又、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫などの金属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩などを併用してもよい。
【0052】
このような、酸触媒の添加量は、重縮合可能な反応性金属化合物の量に対して1.0%〜20%である。また、酸の処理を複数回併用しても良い。触媒を中和してもよいし揮発性の触媒は減圧で除去してもよいし、分液水洗等により除去しても良い。
【0053】
尚、金属化合物の加水分解重縮合は、塗布前の溶液状態で反応を完結させても良いし、フィルム状に流延してから反応を完結させても良いが塗布前に反応を完結させるのが良い。用途によっては反応は完全に終了しなくても良いが、できれば完結していたほうが良い。
【0054】
〈製膜〉
本発明のセルロースエステルおよび加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は溶剤に溶解されるが、基材上に流延しフィルムを形成させる際に押し出しあるいは流延後に溶剤を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒が好ましく、かつ、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないものであり、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。また、有機ポリマーと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に混合しても良い。
【0055】
溶媒の例としてはエチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、メトキシメチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、塩化メチレンなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、エチルアルコール、メチルエチルケトン、アセトンおよび塩化メチレンが好ましい。
【0056】
得られる基板フィルムの厚さとしては、10μm〜1mm程度の任意のものを作製できるが30μm〜500μmが好ましい。
【0057】
〈添加剤〉
本発明における有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムには、例えば、特開2002−62430号などに記載されているような、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリタ−デーションを調整するリタ−デーション調整剤等を含有させても良い。
【0058】
本発明の有機−無機ハイブリッド液晶表示素子用偏光子保護フィルムは公知の液晶表示素子用偏光子に好適に用いられる。更に本発明の有機−無機ハイブリッド液晶表示素子用偏光子保護フィルムを用いた偏光子を用いた液晶表示素子は大画面表示としたときにも白抜けが少なく優れた表示性能を示す。これら液晶表示素子用偏光板及び液晶表示素子の構成、製造方法特に制限はなくは公知のものを利用することができる。
【0059】
本発明の偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものがあげられる。ポリビニルアルコールの重合度は、1000〜10000程度、ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。前記ポリビニルアルコール系フィルム中には可塑剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオールおよびその縮合物等があげられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン。エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられる。可塑剤の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20質量%以下とするのが好適である。前記ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、ヨウ素染色処理が施され、さらには、ホウ酸処理が施される。また前記処理の施されたポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥されて偏光子となる。なお、ポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)中におけるヨウ素の含有量は、偏光子が良好な偏光度を示すように、通常、0.5〜5質量%程度、好ましくは1〜3質量%となるように調整するのが好ましい。一軸延伸処理における延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できるが乾式延伸法を用いるのが好ましい。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等があげられる。延伸は多段で行うこともできる。前記延伸手段において、未延伸フィルムは、通常、加熱状態とされる。通常、未延伸フィルムは30〜150μm程度のものが用いられる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、延伸倍率は2〜7倍程度、好ましくは3〜6.5倍、さらに好ましくは3.5〜6倍とするのが望ましい。延伸フィルムの厚さは5〜40μm程度が好適である。ヨウ素染色処理は、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液に浸漬することにより一般に行われる。ヨウ素溶液として、ヨウ素水溶液を用いる場合には、ヨウ素および溶解助剤として例えばヨウ化カリウム等によりヨウ素イオンを含有させた水溶液などが用いられる。ヨウ素濃度は0.01〜0.5質量%程度、好ましくは0.02〜0.4質量%であり、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10質量%程度、さらには0.02〜8質量%で用いるのが好ましい。ヨウ素染色処理にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。ヨウ素染色処理にあたっては、ヨウ素溶液の濃度、ポリビニルアルコール系フィルムのヨウ素溶液への浸漬温度、浸漬時間等の条件を調整することによりポリビニルアルコール系フィルムにおけるヨウ素含有量が前記範囲になるように調整する。ヨウ素染色処理は、一軸延伸処理の前、一軸延伸処理中、一軸延伸処理の後の何れの段階で行ってもよい。ホウ酸処理は、ホウ酸水溶液へポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。ホウ酸水溶液中のホウ酸濃度は、2〜15質量%程度、好ましくは3〜10質量%である。ホウ酸水溶液中には、ヨウ化カリウムによりヨウ素イオンを含有させることができる。ヨウ化カリウムを含有するホウ酸水溶液は、着色の少ない偏光子、即ち可視光のほぼ全波長域に亘って吸光度がほぼ一定のいわゆるニュートラルグレーの偏光子を得ることができる。ホウ酸処理にあたり、ホウ酸水溶液の温度は例えば50℃以上、好ましくは50〜85℃の範囲である。浸漬時間は、通常、100〜1200秒間、好ましくは150〜600秒間、さらに好ましくは200〜500秒程度である。ホウ酸処理を施す段階は、ヨウ素染色処理の後である。また、ホウ酸処理は一軸延伸中または延伸後に行われる。
【0060】
前記有機−無機ハイブリッドフィルムの偏光子を接着させない面(前記塗布層を設けない面)には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フイルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フイルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。
【0061】
前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100質量部に対して一般的に2〜50質量部程度であり、5〜25質量部が好ましいである。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
【0062】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、有機−無機ハイブリッドフィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。前記偏光子と有機−無機ハイブリッドフィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。
【0063】
前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60質量%の固形分を含有してなる。本発明の偏光板は、前記有機−無機ハイブリッドフィルムと偏光子を、前記接着剤を用いて貼り合わせることにより製造する。接着剤の塗布は、有機−無機ハイブリッドフィルム、偏光子のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着層を形成する。偏光子と有機−無機ハイブリッドフィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。接着層の厚さは、特に制限されないが、通常0.1〜5μm程度である。
【0064】
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フイルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
【0065】
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
【0066】
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40質量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
【0067】
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフイルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0068】
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や有機−無機ハイブリッドフィルムや光学フイルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0069】
本発明の偏光板または有機−無機ハイブリッドフィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フイルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に紬立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フイルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
【0070】
液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フイルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フイルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0072】
実施例1
〈本発明に使用するセルロース類の置換度の測定〉
各実施例において、セルロースエステル、溶液およびフィルムの化学的性質は以下のように測定した
〈アセチルセルロースの置換度(DS)〉
乾燥したアセチルセルロース1.9gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら1M/L水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間けん化した。60℃程度の熱水を100ml加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5M/L硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。下記式より置換度(DS)を計算した。
【0073】
TA=(B−A)×F/(1000×W)
TA:酢酸量(mol/g)
A:試料滴定量
B:空試験滴定量
F:0.5M/L硫酸の力価
W:試料質量
置換度(DS)=(162.14×TA)/(1−42.14×TA)
〈2つの酸により置換されたセルロースエステルの置換度(DS)〉
乾燥したセルロースエステル1.9gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら1M/L水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間けん化した。60℃程度の熱水を100ml加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5M/L硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、定法により有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度(DS)を計算した。
【0074】
TA=(B−A)×F/(1000×W)
TA:有機酸量(mol/g)
A:試料滴定量
B:空試験滴定量
F:0.5M/L硫酸の力価
W:試料質量
DSace=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+(1−MC×TA)×(SA/AC)}
DS=DSace+DSsec
DSsec=DSace×(SA/AC)
DSace:酢酸の置換度
DSsec:第2の酸の置換度
MC:第2の酸のアシル基から水素原子を除いた原子団の分子量(プロピオン酸の時は56.06)
SA/AC:イオンクロマトグラフ法で測定した酢酸(AC)と第2の酸(SA)とのモル比
〈基板フィルム101の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を60℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0075】
〈基板フィルム102の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を45℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0076】
〈基板フィルム103の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を35℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0077】
〈基板フィルム104の作製〉
メチルトリエトキシシラン0.24gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を45℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0078】
〈基板フィルム105の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、15.6質量%トリフルオロ酢酸のエタノール溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を45℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0079】
〈基板フィルム106の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、15.6質量%トリフルオロ酢酸のエタノール溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を60℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0080】
〈基板フィルム107の作製〉
テトラエトキシシラン0.21gをエタノール4.0gに溶解し攪拌しながら、5.7質量%リン酸水溶液を1.2g加えた。10分後この溶液を45℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0081】
〈基板フィルム108の作製〉
メチルトリエトキシシラン0.24gをエタノール2.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。3分後この溶液を45℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0082】
〈基板フィルム109の作製〉
メチルトリエトキシシラン0.24gをエタノール2.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g、水を0.1g加えた。3分後この溶液を60℃に保った12.5質量%のトリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を4時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0083】
〈基板フィルム110の作製〉
メチルトリエトキシシラン0.24gをエタノール2.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。10分後この溶液を35℃に保った12.5質量%のセルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル製)のアセトン溶液38.4gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を6時間加熱還流した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースアセテートプロピオネートの置換度は2.43だった。
【0084】
〈基板フィルム111の作製〉
メチルトリエトキシシラン0.24gをエタノール20.0gに溶解し攪拌しながら、12.7質量%塩酸水溶液を0.7g加えた。5分後この溶液を室温で10.0質量%のセルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル製)のメチルセロソルブ:塩化メチレン=1:1(質量比)の溶液74.0gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を1時間室温で攪拌した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは60μmだった。また、使用したセルロースアセテートプロピオネートの置換度は2.43だった。
【0085】
〈基板フィルム112の作製〉
チタンテトラn−プロポキシド70%プロパノール溶液0.31gを塩化メチレン7.0gに溶解し、この溶液を室温で10.0質量%のセルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル製)のメチルセロソルブ:塩化メチレン=1:1(質量比)の溶液74.0gに攪拌しながら加えた。得られた溶液を30分間30℃で攪拌した後、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは60μmだった。また、使用したセルロースアセテートプロピオネートの置換度は2.43だった。
【0086】
〈基板フィルム113の作製〉
トリアセチルセルロース(ダイセル化学製、LT55)のエタノール:塩化メチレンが質量比で16:84の混合溶媒38.4溶液を40℃で溶解し、ガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは50μmだった。また、使用したセルロースLT55の置換度は2.80だった。
【0087】
〈基板フィルム114の作製〉
10.0質量%のセルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル製)のメチルセロソルブ:塩化メチレン=1:1(質量比)の溶液をガラス板上に流延し乾燥させた。乾燥後の厚みは60μmだった。また、使用したセルロースアセテートプロピオネートの置換度は2.43だった。
【0088】
以上、作製した基板フィルムについて光透過率(可視光)、ドメインサイズ、寸法安定性を評価した。
【0089】
〈光透過率及びヘイズ〉
東京電色(株)製TURBIDITY METER T−2600DAで測定した。
【0090】
〈ドメインサイズ〉
以下の条件でX線小角散乱測定を行った。
【0091】
装置:理学電機製RINT2500/PC 小角広角X線回折装置
ターゲット:銅
出力:40kV−200mA
1stスリット:0.04mm
2ndスリット:0.03mm
受光スリット:0.1mm
散乱スリット:0.2mm
測定法:2θ FTスキャン法
測定範囲:0.1から6°
サンプリング:0.04°
計数時間:30秒
上記条件にて透過法で小角散乱測定を行った。得られたスペクトルに対し、空気散乱補正、スリット補正を行い、ギニエプロットにより粒径分布解析を行う。尚、慣性半径は球として求める。
【0092】
〈寸法安定性〉
鹸化前のセルロースエステルフィルムを23℃、55%RHの部屋で24時間調湿後、同部屋で、セルロースエステルフィルム表面に100mm間隔で2個の十文字の印を付けその寸法を正確に計りその距離をaとし、80℃、90%RHで50時間の熱処理を行い、再び23℃、55%RHの部屋で24時間調湿して2個の十文字の印の間の距離をカセトメーターで測定しその値をbとして、下記式により寸法安定性を寸法変化率として求めた。
【0093】
寸法変化率(%)=〔(b−a)/a〕×100
製膜したフィルム1〜15を、40℃の2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で60秒間表面鹸化処理を行い、3分間水洗して乾燥させて偏光板用保護フィルムを得た。別に120μmの厚さのポリビニルアルコールをヨウ素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に立て方向に延伸した偏光膜を用意した。この偏光膜の両面に上記表面鹸化処理したフィルムを完全鹸化型のポリビニルアルコール5質量%水溶液を粘着剤として貼り合わせ偏光板1〜15を作製した。
【0094】
〈白抜け〉
各々の偏光板から100mm×100mmの大きさの試料を2枚切り出し、80℃、90%RHの雰囲気に50時間曝した後、常温常湿の雰囲気でクロスニコルにより偏光板の縁に発生する白抜けの面積を全体の面積に対する面積比として観察して、下記のグレードで評価した。
A:白抜け部分が全くなかった
B:白抜けが全体の面積に対して2%未満
C:白抜け部分が全体の面積に対して2%以上5%未満
D:白抜け部分が全体の面積に対して5%以上10%未満
E:白抜け部分が全体の面積に対して10%以上あった。
【0095】
〈耐熱性〉
各々の偏光板を120℃の雰囲気下に120時間放置し、外観を観察し、耐熱性評価した。評価結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
表1から、本発明の試料は寸法安定性に優れ、白抜けもなく、耐熱性も良好であることが分かる。
【0098】
実施例2
上記方法で作製した偏光板を以下の要領で液晶表示パネルに組み込んだ。
【0099】
まず市販の液晶表示パネル(NEC製カラー液晶ディスプレイMultiSync LCD1525J 型名LA−1529HM)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた偏光板を貼り付けた。次いでシャープ(株)製液晶カラーモニターLL−T2020−Bの最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた偏光板を貼り付けた。両者を10000時間作動させた後、白抜けのレベルを評価した。評価基準は実施例1にしたがった。結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
表2から、本発明の試料を貼り付けた偏光板は、市販の液晶表示パネルに組み込んだ場合も、1万時間の作動に耐え、白抜けが生じないことが分かる。
【0102】
【発明の効果】
本発明により、液晶表示素子用の寸法安定性に優れ、耐熱性が高く、優れた光学特性を有する偏光板、特に大画面とした場合にも白抜けの少ない偏光板を提供することができた。
Claims (8)
- セルロースエステルと、1.0%〜20%の酸触媒の存在下で加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解重縮合物を主成分とする有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる液晶表示素子用偏光子保護フィルムであり、該フィルム中にドメインを有し、その慣性半径の質量比分布の最大が0.5〜100nmであることを特徴とする液晶表示素子用偏光子保護フィルム。但し、1.0%〜20%の酸触媒の存在下とは、前記重縮合可能な反応性金属化合物の量に対して、酸触媒が1.0%〜20%存在することをいう。
- 液晶表示素子用偏光子保護フィルム中のドメイン慣性半径の質量比分布の最大が1〜75nmであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
- 液晶表示素子用偏光子保護フィルム中のドメイン慣性半径の質量比分布の最大が1〜30nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
- 反応性金属化合物の金属種に4価の金属を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
- 4価の金属が、ケイ素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
- 加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である金属の、前記反応性金属化合物中におけるモル含有率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子用偏光子保護フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機−無機ポリマーハイブリッドフィルムからなる液晶表示素子用偏光子保護フィルムを用いた液晶表示素子用偏光板。
- 請求項7に記載の液晶表示素子用偏光板で構成されていることを特徴とする液晶表示素子。
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