JP2003082066A - 積層板用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板

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JP2003082066A
JP2003082066A JP2001276354A JP2001276354A JP2003082066A JP 2003082066 A JP2003082066 A JP 2003082066A JP 2001276354 A JP2001276354 A JP 2001276354A JP 2001276354 A JP2001276354 A JP 2001276354A JP 2003082066 A JP2003082066 A JP 2003082066A
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epoxysilane
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prepreg
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Toshimitsu Fukase
利光 深瀬
Tetsuya Mori
哲也 森
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ジアミン類を硬化剤とし、且つガラス
転移温度以上の高温領域に於ける、弾性率の低下を抑制
し、線膨張係数(α2)の変化が小さくして、耐熱性と
接合信頼性に優れた積層板を得ることの出来る、エポキ
シ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、芳香族ジアミン、硬化促
進剤、アルカリ性水溶液、及び一般式(1)で表される
エポキシシランを、必須成分とし、また、エポキシシラ
ンの添加量を、数式(1)により計算されたSiO2
有率が、10wt%以上20wt%以下の範囲になるように
定める。式中、R1はCH3またはC25基、mは0〜8
の整数、Mwはエポキシシランの分子量、χはエポキシ
シランの添加量、yは溶剤を除く全ワニス固形分の重量
である。SiO2含有率 = {60(1+m)/Mw}
× χ/y (1) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高弾性率且つ耐熱
性に優れた有機無機ハイブリッド型の積層板用エポキシ
樹脂組成物、プリプレグ及びこれを用いて作成される積
層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器、通信機器、計算機、コ
ンピューターなどに使用されているプリント配線板は、
パッケージの軽薄短小化の流れを受けて、配線密度の高
密度化や高集積化が進展している。また、環境問題への
配慮から、従来の錫−鉛共晶半田接合から、鉛フリー半
田接合への転換が急ピッチに進められている。それに伴
い、後者は前者と比較して使用温度が高くなるため、プ
リント配線板には、更なる高耐熱・高弾性率化や線膨張
係数(以下、αと略す)の低減等の高信頼性化が求めら
れることになった。
【0003】従来からのプリント配線板用積層板に使用
される樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリビスマレイ
ミド樹脂などが利用されている。その中でも特にエポキ
シ樹脂は、耐熱性、接着性、機械強度、成形性、コスト
の面でバランスが取れており、広く用途展開が図られて
いる。しかしながら、半田接合温度は、錫−鉛共晶半田
の230℃から、鉛フリー半田の260℃と高温になる
ため、ガラス転移温度(以下、Tgと略す)が約150
℃程度の従来のエポキシ樹脂積層板では、一層の弾性率
低下を引き起こし、またTg以降の線膨張係数(以下、
α2と略す)が大きい故に、電子部品類の基板接合の著
しい信頼性低下を招くものが多くなった。
【0004】この欠点を補う手法として、無機充填剤を
多く配合し、硬化物の弾性率を高めたり、エポキシ樹脂
の官能基数を増やして架橋密度を上げたり、エポキシ樹
脂に嵩高い置換基を導入し硬化物の構造を立体制御し
て、可能な限りゴム状領域に移行する温度(Tg)を高
める等の手法が取られて来たが、何れの場合に於いても
根本的な解決には至っていない。
【0005】一方、エポキシ樹脂硬化物の欠点を改良す
る目的で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラエ
チレンペンタミン(以下、TEPAと略す)の系に、ア
ルコキシシランをゾルゲル反応を用いて化学結合させる
手法がこれ迄に報告されている。関西大の越智らは、ポ
リマーフロンティア21(2000年)で、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂にTEPA、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン(以下、γ−GPSと略す)
を一度に作用させる、所謂In−Situ法により、動
的粘弾性測定に於いてTgが消滅し、弾性率の減少が殆
どない硬化物が得られるが、しかし、硬化剤が芳香族ア
ミン類や酸無水物系の場合は、前述の様な硬化物が得ら
れないと報告している。一般に、TEPAを含む脂肪族
アミン類は、エポキシ樹脂との反応性が高く、それ故に
一液化と保存安定性に難点が有り、積層板への適用が不
可能という欠点を有している。
【0006】また、第9回ポリマー材料フォーラムフォ
ーラム講演要旨集(2000年)で、荒川化学の合田ら
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の二級水酸基に、
メトキシシランオリゴマーを化学結合させて得られたシ
ラン変性エポキシ樹脂に、硬化剤を当量配合して硬化さ
せることで、動的粘弾性測定に於いてTgが消失し、弾
性率の減少が殆どない硬化物が得られると報告してい
る。また、同様な手法を用いたものに、特開2000−
281756号公報、特開2000−281965号公
報、特開2000−290350号公報なども報告され
ている。これらの場合には一液化は可能になるが、しか
し、エポキシ樹脂の二級水酸基が必須成分となるため、
二級水酸基を持たないエポキシ樹脂には適用が出来ない
という点で、材料設計に制約を受ける欠点を有してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
様な事情に鑑み、特にTgを上回る高温部領域での弾性
率低下を抑制し、線膨張係数(α2)の低減化により、
電子部品類と基板接合の信頼性を改善したエポキシ樹脂
積層板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、既に報告
した特願2001−091433号と同様にして、硬化
剤が芳香族ジアミンの場合は、アルカリ性水溶液を併用
添加し、且つエポキシシランが数式(1)で得られるS
iO2含有率で10wt%以上、20wt%以下の範囲内で
添加することが効果的であることを見出した。なお、本
発明に於いて、アルカリ性水溶液以外の、例えば、水や
酸性水溶液を併用添加の場合には同様の効果が得られな
かった。従って、芳香族ジアミン類の場合には、水素イ
オン濃度(以下、pHと略す)がアルカリ性を示す範囲
の水溶液の添加が必須条件で、この条件下にて、Tgを
上回る高温部でも硬化物の弾性率低下を抑制し、且つα
2の低減化を兼ね備えた硬化物を得られることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、エポキシ樹脂、芳香族ジア
ミン、硬化促進剤、アルカリ性水溶液、及び一般式
(1)で表されるエポキシシランを必須成分とし、さら
にはエポキシシランの添加量を、数式(1)により計算
されたSiO2含有率が、10wt%以上20wt%以下の
範囲になるように定めたことを特徴とする積層板用エポ
キシ樹脂組成物である。
【0010】
【化2】 式中、R1はCH3またはC25基で、mは0〜8の整数
を表す。
【0011】 SiO2含有率 = {60(1+m)/Mw} × χ/y (1) 式中、Mwはエポキシシランの分子量、χはエポキシシ
ランの添加量、yは溶剤を除く全ワニス固形分の重量
で、mは部分縮合型アルコキシシランの基数を表す。
【0012】またさらには、前記のエポキシ樹脂組成物
を、積層板用基材に含浸、乾燥して得られるプリプレ
グ、および、このプリプレグを、1枚または複数枚重
ね、その一方または両方の面に銅箔を重ねて、加圧・加
熱して一体に成形してなることを特徴とする積層板であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いるエポキシ樹脂とし
ては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アル
キル置換型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン
置換型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、アルキル置換型ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ハロゲン置換型ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、
シクロペンタジエン型エポキシ樹脂等がある。
【0014】本発明に用いる芳香族ジアミンとしては、
3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,
6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメ
チル−p―フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシ
チレン、4,4'−メチレンジ−o−トルイジン、4,4'
−メチレンジ−2,6−キシリレン、4,4'−メチレン
−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジ
アミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'
−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジ
フェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスル
フォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,
4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノ
ジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3'−ジアミノビ
フェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェ
ニル、3,3'−ジメトキシベンジジン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス−(p−β−アミノ−
t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル
−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチ
ル−4−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノ
ナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス
(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミ
ノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キ
シリレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジ
ン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、メチレ
ンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メ
トキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メ
チルヘプタメチレンジアミン、4,4'−ジメチルヘプタ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、デカ
メチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニルスルフォン、などを挙げることが出
来る。中でも、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、
4,4'−ジアミノジフェニルエタン、3,3'−ジアミノ
ジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフ
ォン、4,4−ジアミノジフェニルエーテルが好まし
い。上記のジアミンは、単独で用いても良く、2種以上
を組み合わせて使用しても良い。
【0015】本発明に用いるエポキシシランは、一般式
(1)中のOR1基がメトキシ基またはエトキシ基であ
る。 例えば、 OR1基がメトキシ基で部分縮合型アル
コキシシラン基数のm=0のものは、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン(γ−GPSと略す)であ
り、m=1〜8のものはシリカ部分縮合型エポキシシラ
ンと称することにした。そして、m=9以上のものは、
エポキシ樹脂との相溶性が悪くなり不適である。また、
エポキシシランの添加量は、数式(1)に依って計算さ
れたSiO2含有率に於いて、10wt%以上、20wt%
以下の範囲内で添加する事が好ましい。10wt%未満の
場合は、Tgを上回る高温部での硬化物の弾性率低下の
抑制効果が期待出来ない。一方、20wt%以上添加する
場合は、硬化物の表面硬度は強くなるが、それ以外は脆
くなり所望の機械強度が得られないので好ましくない。
【0016】本発明で使用するアルカリ性水溶液の種類
は、特に限定されないが、例えば、アンモニア水溶液、
水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等で有
り、また、添加量は濃度が5〜20%とした場合には、
加えるエポキシシラン100重量部に対して0.1〜5
重量部が好ましい。更に好ましくは0.5〜3重量部で
ある。0.1重量部よりも少ない場合は、エポキシシラ
ン中のアルコキシシランの加水分解反応が促進されない
ため好ましくない。また、5重量部よりも多い場合は、
エポキシシラン中のアルコキシシランの加水分解反応が
促進され過ぎて、エポキシ基との同時反応(In−Si
tu重合法)が損なわれたり、過剰のアルカリ性水溶液
が硬化物中に残存する事により信頼性の低下を招く恐れ
があるために好ましくない。
【0017】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物は、
上記以外に必要に応じて、硬化促進剤、溶剤、無機充填
剤などを添加できる。
【0018】本発明で用いる硬化促進剤の種類及び添加
量は、特に限定されていないが、例えば、種類はトリス
ジメチルアミノメチルフェノール(TAP)、イミダゾ
ール誘導体、トリフェニルフォスフィン(TPP)、D
BU塩等が挙げられる。また、添加量は、エポキシ樹脂
100重量部に対し0.1〜5重量部が好ましく、更に
好ましくは、0.5〜3重量部である。添加量が0.1重
量部よりも少ない場合は、所望の硬化促進作用効果が得
られない恐れが有る。また、5重量部よりも多い場合に
は、ポットライフが短くなり過ぎて保存安定性が損なわ
れ、且つ作業性の低下を招く恐れがある。
【0019】また、粘度調整或いは均一分散混合等の目
的で、必要に応じて溶剤を一種または二種以上を組み合
わせて使用しても良い。溶剤の種類は特に限定されない
が、例えば、N,N−ジメチルフォルムアミド、1,4−
ジオキサン、ジメチルスルフォキシド等の極性溶媒、n
−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤、ブチルアセテート、ベンジルアセテー
ト等のエステル系溶剤、メチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、メ
チルセロソルブアセテート、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール等の他価アルコール系及びその誘導体
等が挙げられる。
【0020】さらに、粘度調整或いはチキソ性付与等の
目的に応じて、無機充填剤を組み合わせても良い。無機
充填剤の種類については特に限定されていないが、例え
ば、各種金属の炭酸塩や硫酸塩、アルミナ、無定型シリ
カまたは球状シリカ、酸化チタン、チタン酸カリウム、
タルク等が挙げられ、これらを一種または二種以上を併
用することが出来る。無機充填剤の添加量は、本発明に
於ける該組成物が液状で流動性を損なわない範囲であれ
ば特に限定されるものではない。
【0021】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物は、
上記成分を混合し、攪拌機等にて充分に混練後使用する
ことが望ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約される
ものではない。各樹脂組成物よりプリプレグおよび銅張
積層板を調製し、特性評価のため弾性率および線膨張係
数の温度変化を測定したが、測定方法はそれぞれ下記の
通りとし、測定結果はまとめて図1(弾性率)、および
図2(線膨張係数)に示した。以下、部は重量部を表す
ものとする。
【0023】[弾性率の評価方法]銅張積層板を塩化第
二鉄でエッチング処理して、銅箔を完全に除去した後、
40℃に設定した乾燥機にて十分に乾燥して水分を除去
し、これを室温に戻した後、所定の大きさに切断して試
験片とした。この試験片を用いて、動的粘弾性測定装置
(オリエンテック社製レオバイブロン、引っ張り法、周
波数:100Mz、測定温度範囲:−150℃〜260
℃、昇温速度:2℃/分)により、弾性率の変化を測定
した。
【0024】[線膨張係数の測定方法]上記と同様に処
理し、所定の大きさに切断して得られた試験片を用い
て、熱機械分析測定装置(セイコーインスツルメント社
製TMA/120C型、押し法、荷重:5g、昇温速
度:5℃/分、温度範囲:−50〜300℃)により、
線膨張係数の挙動を測定した。
【0025】(実施例1)ブロモ化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP−5
047−B75)100部、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(大日本インキ化学社製、エピクロンN−6
90−70M)19部、及びγ−GPS(東レ・ダウコ
ーニングシリコーン社製、SH−6040)192部を
ビーカーに取り、マグネチックスターラーで10分間撹
拌混合した後、10%水酸化カリウム水溶液(以下、K
OHaqと記す)1部を、スポイトによりゆっくりと滴
下した。その後、加えられたKOHaqの水滴が完全に
消えるまで4時間撹拌混合した。次に、4,4−ジアミ
ノジフェニルスルフォン(以下、DDSと略す)の40
%N,N−ジメチルフォルムアミド(以下、DMFと略
す)溶液172部と、2P4MZ(四国化成工業社製)
の10%DMF溶液1部をスポイトで滴下し、更に30
分間撹拌を行って、SiO2含有率が14wt%のエポキ
シ樹脂組成物を得た。
【0026】得られたエポキシ樹脂組成物を、ガラスク
ロス(旭シュエーベル社製、AS707AW)に十分に
含浸させ、150℃に設定した熱風循環式乾燥機内で5
分間乾燥して溶剤を除去し、プリプレグを得た。このプ
リプレグを6枚重ねて、18μm厚の銅箔2枚の間に挟
み、電熱プレスの熱盤間に挿入して、面圧4MPaの条
件で150℃で30分間、更に、面圧10MPaに昇圧
して185℃で1時間加熱・加圧し、エポキシ樹脂銅張
積層板を調製し、特性評価に供した。
【0027】(実施例2)実施例1において、γ−GP
Sの使用量192部を162部に減らし、DDSの40
%DMF溶液172部を、4,4−ジアミノジフェニル
メタン(以下、DDMと略す)の40%DMF溶液10
9部に代えた以外は、すべて実施例1と同様にして、S
iO2含有率が14wt%のエポキシ樹脂組成物を調製
し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製して、特性評価に供
した。
【0028】(実施例3)実施例1において、γ−GP
S 192部を、トリメトキシシラン部分濃縮型γ−G
PS(信越シリコーン社製、X−41−1053、m=
5)62部に代え、DDSの40%DMF溶液の使用量
172部を45部に減らした以外は、すべて実施例1と
同様にして、SiO2含有率が14wt%のエポキシ樹脂
組成物を調製し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製して、
特性評価に供した。
【0029】(比較例1)実施例1において、γ−GP
SおよびKOHaqを添加せず、その処理工程を省くと
共に、DDSの40%DMF溶液の使用量172部を3
4部に減らした以外は、すべて実施例1と同様にして、
SiO2含有率が0wt%のエポキシ樹脂組成物を調製
し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製して、特性評価に供
した。
【0030】(比較例2)実施例1において、KOHa
q 1部の代わりに、純水 1部を用いた以外は、すべて
実施例1と同様にして、SiO2含有率が14wt%のエ
ポキシ樹脂組成物を調製し、エポキシ樹脂銅張積層板を
調製して、特性評価に供した。
【0031】(比較例3)実施例1において、KOHa
q 1部の代わりに、10%塩酸 1部を用いた以外は、
すべて実施例1と同様にして、SiO2含有率が14wt
%のエポキシ樹脂組成物を調製し、エポキシ樹脂銅張積
層板を調製して、特性評価に供した。
【0032】(比較例4)実施例1において、γ−GP
S 192部を、トリメトキシシラン部分濃縮型γ−G
PS(信越シリコーン社製、X−41−1053)62
部に、またKOHaq 1部を純水 1部に代えると共
に、DDSの40%DMF溶液の使用量172部を45
部に減らした以外は、すべて実施例1と同様にして、S
iO2含有率が14wt%のエポキシ樹脂組成物を調製
し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製して、特性評価に供
した。
【0033】(比較例5)実施例1において、γ−GP
SおよびKOHaqを添加せず、その処理工程を省くと
共に、DDSの40%DMF溶液172部を、DDMの
40%DMF溶液25部に代えた以外は、すべて実施例
1と同様にして、SiO2含有率が0wt%のエポキシ樹
脂組成物を調製し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製し
て、特性評価に供した。
【0034】(比較例6)実施例1において、γ−GP
Sの使用量192部を162部に減らし、DDSの40
%DMF溶液172部を、DDMの40%DMF溶液1
09部に代えると共に、KOHaq 1部の代わりに、
純水 1部を用いた以外は、すべて実施例1と同様にし
て、SiO2含有率が14wt%のエポキシ樹脂組成物を
調製し、エポキシ樹脂銅張積層板を調製して、特性評価
に供した。
【0035】図1および図2にまとめた評価結果から明
らかなように、本発明によるエポキシ樹脂組成物を用い
て調製した実施例の積層板は、γ−GPS(エポキシシ
ラン)およびKOHaqを使用しない比較例1および比
較例5や、KOHaqの代わりに純水や塩酸を使用した
比較例2〜4および比較例6に比べて、いずれも高温に
おける弾性率の低下が少なく、線膨張係数の増加も少な
いことが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の有機無機ハイブリッド型のエポ
キシ樹脂組成物、それを積層板用基材に含浸して得られ
るプリプレグ、及びそのプリプレグを用いて作製した積
層板は、Tg以上の高温領域に於いても、弾性率の低下
を大幅に小さくすることができ、且つ線膨張係数(α
2)の変化も小さく、優れた耐熱性と、電子部品類と基
板との接合信頼性とを合せ持つプリント配線板用材料を
提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における、動的粘弾性評価で
得られた貯蔵弾性率(E')の変化を示す図である。
【図2】実施例及び比較例における、線膨張係数評価で
得られた寸法の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB17B AB33B AG00 AH03A AH06A AK51A BA02 BA07 CA02A DG11 DH01A EJ17 EJ42 EJ82A GB43 JA02 JJ03 4J036 AA01 AA02 AD07 AD08 AD09 AD21 AF06 AH01 DC02 DC03 DC04 DC05 DC10 DC13 DC14 DC40 DC46 DD07 FA09 FA10 FA11 FA12 HA12 JA08 KA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、芳香族ジアミン、硬化促
    進剤、アルカリ性水溶液、及び一般式(1)で表される
    エポキシシランを、必須成分とすることを特徴とする積
    層板用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 式中、R1はCH3またはC25基で、mは0〜8の整数
    を表す。
  2. 【請求項2】 エポキシシランの添加量を、数式(1)
    により計算されたSiO2含有率が、10wt%以上20w
    t%以下の範囲になるように定めたことを特徴とする、
    請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。 SiO2含有率 = {60(1+m)/Mw} × χ/y (1) 式中、Mwはエポキシシランの分子量、χはエポキシシ
    ランの添加量、yは溶剤を除く全ワニス固形分の重量
    で、mは部分縮合型アルコキシシランの基数を表す。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のエポキシ
    樹脂組成物を、積層板用基材に含浸、乾燥して得られる
    ことを特徴とするプリプレグ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のプリプレグを、1枚また
    は複数枚重ね、その一方または両方の面に銅箔を重ね
    て、加圧・加熱して一体に成形してなることを特徴とす
    る積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013239701A (ja) * 2007-02-14 2013-11-28 Sumitomo Bakelite Co Ltd キャリア材料付き層間絶縁膜およびこれを用いる多層プリント回路板
WO2022176448A1 (ja) * 2021-02-18 2022-08-25 住友ベークライト株式会社 熱硬化性樹脂組成物、パワーモジュール用基板およびパワーモジュール

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