JP2003082014A - グラフトコポリマーの製造方法 - Google Patents
グラフトコポリマーの製造方法Info
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- JP2003082014A JP2003082014A JP2001277205A JP2001277205A JP2003082014A JP 2003082014 A JP2003082014 A JP 2003082014A JP 2001277205 A JP2001277205 A JP 2001277205A JP 2001277205 A JP2001277205 A JP 2001277205A JP 2003082014 A JP2003082014 A JP 2003082014A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高分子重合開始剤を用いるグラフトコポリマ
ーの製造方法において、高いグラフト効率を維持したま
ま、重合速度を大幅に向上させたグラフトコポリマーの
製造方法を提供する。 【解決手段】 分子鎖中にアルコキシアミン基が懸垂し
た高分子重合開始剤とラジカル重合性不飽和モノマーと
を反応させるグラフトコポリマーの製造方法において、
重合活性触媒としてブレンステッド酸もしくはアシル化
剤を使用するこを特徴とするグラフトコポリマーの製造
方法。
ーの製造方法において、高いグラフト効率を維持したま
ま、重合速度を大幅に向上させたグラフトコポリマーの
製造方法を提供する。 【解決手段】 分子鎖中にアルコキシアミン基が懸垂し
た高分子重合開始剤とラジカル重合性不飽和モノマーと
を反応させるグラフトコポリマーの製造方法において、
重合活性触媒としてブレンステッド酸もしくはアシル化
剤を使用するこを特徴とするグラフトコポリマーの製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子主鎖中にアル
コキシアミン基が懸垂(ペンダント)している高分子重
合開始剤(以下、高分子重合開始剤と略記する。)を用
い、高いグラフト効率でグラフトポリマーを得ることが
可能で、しかも重合速度を大幅に向上させたグラフトポ
リマーの製造方法およびそれにより得られるグラフトポ
リマーに関する。
コキシアミン基が懸垂(ペンダント)している高分子重
合開始剤(以下、高分子重合開始剤と略記する。)を用
い、高いグラフト効率でグラフトポリマーを得ることが
可能で、しかも重合速度を大幅に向上させたグラフトポ
リマーの製造方法およびそれにより得られるグラフトポ
リマーに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子重合開始剤を得た後、ラジカル重
合性不飽和モノマーと反応させる種々のグラフトコポリ
マーの製造方法は既にいくつか開示されている(特開昭
60−89452号公報等)。
合性不飽和モノマーと反応させる種々のグラフトコポリ
マーの製造方法は既にいくつか開示されている(特開昭
60−89452号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術に開示されている方法では、重合温度を下げる
とグラフト効率は良いが、反応速度が遅く生産性が悪く
なり、一方、重合温度を上昇させると、生産性は高くな
るが、グラフト効率が低下するという問題点があった。
本発明の目的は、高分子重合開始剤を用いるグラフトコ
ポリマーの製造方法において、高いグラフト効率を維持
したまま、重合速度を大幅に向上させたグラフトコポリ
マーの製造方法およびそれにより得られるグラフトポリ
マーを提供することにある。
従来技術に開示されている方法では、重合温度を下げる
とグラフト効率は良いが、反応速度が遅く生産性が悪く
なり、一方、重合温度を上昇させると、生産性は高くな
るが、グラフト効率が低下するという問題点があった。
本発明の目的は、高分子重合開始剤を用いるグラフトコ
ポリマーの製造方法において、高いグラフト効率を維持
したまま、重合速度を大幅に向上させたグラフトコポリ
マーの製造方法およびそれにより得られるグラフトポリ
マーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合速度
が飛躍的に速く、しかもグラフト効率が高いグラフトコ
ポリマーの製造方法を開発することを目的に鋭意検討し
た結果、重合活性触媒として特定の重合活性触媒を用い
ることにより、上記の目的が達成される事を見いだし本
発明を完成するに至った。
が飛躍的に速く、しかもグラフト効率が高いグラフトコ
ポリマーの製造方法を開発することを目的に鋭意検討し
た結果、重合活性触媒として特定の重合活性触媒を用い
ることにより、上記の目的が達成される事を見いだし本
発明を完成するに至った。
【0005】第1の発明は分子鎖中にアルコキシアミン
基が懸垂した高分子重合開始剤とラジカル重合性不飽和
モノマーとを反応させるグラフトコポリマーの製造方法
において、重合活性触媒としてブレンステッド酸もしく
はアシル化剤を使用することを特徴とするグラフトコポ
リマーの製造方法である。第2の発明は、ラジカル重合
性ビニル基およびアルコキシアミン基の両方を同一分子
内に有する化合物とラジカル重合性不飽和モノマーとを
共重合することにより高分子重合開始剤を得る第1の工
程と、さらにラジカル重合性不飽和モノマーとを反応さ
せる第2の工程とからなるグラフトコポリマーの製造方
法において、第2の工程に重合活性触媒としてブレンス
テッド酸もしくはアシル化剤を使用することを特徴とす
るグラフトコポリマーの製造方法である。
基が懸垂した高分子重合開始剤とラジカル重合性不飽和
モノマーとを反応させるグラフトコポリマーの製造方法
において、重合活性触媒としてブレンステッド酸もしく
はアシル化剤を使用することを特徴とするグラフトコポ
リマーの製造方法である。第2の発明は、ラジカル重合
性ビニル基およびアルコキシアミン基の両方を同一分子
内に有する化合物とラジカル重合性不飽和モノマーとを
共重合することにより高分子重合開始剤を得る第1の工
程と、さらにラジカル重合性不飽和モノマーとを反応さ
せる第2の工程とからなるグラフトコポリマーの製造方
法において、第2の工程に重合活性触媒としてブレンス
テッド酸もしくはアシル化剤を使用することを特徴とす
るグラフトコポリマーの製造方法である。
【0006】第3の発明は、アルコキシアミン基が下記
式(1)のアルコキシアミン基であることを特徴とする
第1の発明または第2の発明のグラフトコポリマーの製
造方法である。
式(1)のアルコキシアミン基であることを特徴とする
第1の発明または第2の発明のグラフトコポリマーの製
造方法である。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1〜R6はそれぞれ独立に選択さ
れるものであり、水素、炭化水素基(-R7)、エステル基
(-COOR8)、アルコキシ基(-OR9)またはホスホネート基(-
PO(OR10)2)のいずれかを表す(ここで、R7〜R10はそれ
ぞれ独立した炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状の飽
和または不飽和の炭化水素基を表す)。また、R3とR6
が互いに連結した炭素数4〜12の環式構造を形成して
もよい。ただし、環式構造の場合には、未置換または、
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、アセトキ
シル基、ベンゾイルオキシ基、メトキシ基もしくはオキ
ソ基のいずれかで置換されたものである。)
れるものであり、水素、炭化水素基(-R7)、エステル基
(-COOR8)、アルコキシ基(-OR9)またはホスホネート基(-
PO(OR10)2)のいずれかを表す(ここで、R7〜R10はそれ
ぞれ独立した炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状の飽
和または不飽和の炭化水素基を表す)。また、R3とR6
が互いに連結した炭素数4〜12の環式構造を形成して
もよい。ただし、環式構造の場合には、未置換または、
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、アセトキ
シル基、ベンゾイルオキシ基、メトキシ基もしくはオキ
ソ基のいずれかで置換されたものである。)
【0009】第4の発明は、ブレンステッド酸が有機ス
ルホン酸類、有機カルボン酸類、酸性りん酸エステル類
からなる群から選ばれる少なくとも1種、アシル化剤が
酸無水物および酸塩化物からなる群から選ばれる少なく
とも1種である第1ないし第3のいずれか1つの発明の
グラフトコポリマーの製造方法である。
ルホン酸類、有機カルボン酸類、酸性りん酸エステル類
からなる群から選ばれる少なくとも1種、アシル化剤が
酸無水物および酸塩化物からなる群から選ばれる少なく
とも1種である第1ないし第3のいずれか1つの発明の
グラフトコポリマーの製造方法である。
【0010】第5の発明は、ブレンステッド酸もしくは
アシル化剤の添加量がアルコキシアミン基1モルに対し
て0.1〜10モルの割合である第1ないし第4のいず
れか1つの発明のグラフトコポリマーの製造方法であ
る。
アシル化剤の添加量がアルコキシアミン基1モルに対し
て0.1〜10モルの割合である第1ないし第4のいず
れか1つの発明のグラフトコポリマーの製造方法であ
る。
【0011】第6の発明は、第1の発明ないし第5の発
明のいずれか1の発明のグラフトコポリマーの製造方法
により得られるグラフトコポリマーである。
明のいずれか1の発明のグラフトコポリマーの製造方法
により得られるグラフトコポリマーである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。前記高分子重合開始剤を得る方法
としては、特に限定はされないが、下記2種の方法が好
ましい方法である。一つは、あらかじめ高分子量体を合
成した後、ラジカル反応あるいはイオン反応によって、
この分子内にアルコキシアミン基を導入し、高分子開始
剤を得る方法である。そして、もう1つの方法は、ラジ
カル重合性ビニル基およびアルコキシアミン基の両方を
同一分子内に有する化合物(以下、ビニル基含有アルコ
キシアミンと略記する。)と、他のラジカル重合性不飽
和モノマーとを共重合することにより高分子重合開始剤
を得る方法である。これらの内、後者の方法は容易に、
かつ定量的に高分子重合開始剤を製造することができる
点で好ましい方法である。以下、この方法について詳述
する。
いて詳細に説明する。前記高分子重合開始剤を得る方法
としては、特に限定はされないが、下記2種の方法が好
ましい方法である。一つは、あらかじめ高分子量体を合
成した後、ラジカル反応あるいはイオン反応によって、
この分子内にアルコキシアミン基を導入し、高分子開始
剤を得る方法である。そして、もう1つの方法は、ラジ
カル重合性ビニル基およびアルコキシアミン基の両方を
同一分子内に有する化合物(以下、ビニル基含有アルコ
キシアミンと略記する。)と、他のラジカル重合性不飽
和モノマーとを共重合することにより高分子重合開始剤
を得る方法である。これらの内、後者の方法は容易に、
かつ定量的に高分子重合開始剤を製造することができる
点で好ましい方法である。以下、この方法について詳述
する。
【0013】ビニル基含有アルコキシアミンとしては、
例えば、2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,
6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2
−(4’−ビニルフェニル)エタノール、2−(2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノール、
2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テ
トラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(3’
−ビニルフェニル)エタノール、2−t−ブトキシ−1
−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−t−ブトキシ−1−(4’−ヒドロキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−t−ブトキシ−1−(4’−アセトキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−t−ブトキシ−1−(1’,1’,3’,3’
−テトラメチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−2−
イソインドリルオキシ)−1−(4’−イソプロペニル
フェニル)エタン、2−ベンゾイルオキシ−1−
(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペ
リジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、
例えば、2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,
6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2
−(4’−ビニルフェニル)エタノール、2−(2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノール、
2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テ
トラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(3’
−ビニルフェニル)エタノール、2−t−ブトキシ−1
−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−t−ブトキシ−1−(4’−ヒドロキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−t−ブトキシ−1−(4’−アセトキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−t−ブトキシ−1−(1’,1’,3’,3’
−テトラメチル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−2−
イソインドリルオキシ)−1−(4’−イソプロペニル
フェニル)エタン、2−ベンゾイルオキシ−1−
(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペ
リジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、
【0014】2−(4’−メチルベンゾイルオキシ)−
1−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−
ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)
エタン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1
−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラ
メチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(3’−ビ
ニルフェニル)エタン、2−(2’−エトキシエチルオ
キシカルボニルオキシ)−1−(4’−メトキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−メチル−2’,2’,6’,6’−テトラメチ
ル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニル
フェニル)エタン、2−(2’−エチルヘキシルオキシ
カルボニルオキシ)−1−(2’,2’,6’,6’−
テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−ビニルフェニル)エタン、2−(4’−t−ブ
チルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)−1−
(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペ
リジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−ベンゾイルオキシ−2’,2’,6’,6’−
テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−ビニルフェニル)エタン、2−イソプロピルオ
キシカルボニルオキシ−1−(2’,2’,6’,6’
−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−イソプロペニルフェニル)エタン、2−イソプ
ロピルオキシカルボニルオキシ−1−(2’,2’,
5’,5’−テトラメチル−1’−ピロリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−イソ
プロピルオキシカルボニルオキシ−1−(ジ−t−ブチ
ルニトロキシル)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(N-t-ブチル-N-(1’-フェニル-2’-メチルプロピ
ル)ニトロキシル)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−(N-t-ブチル-N-(1’-ジエチルホスホノ-
2’、2’-ジメチルプロピル)ニトロキシル)−2−
(4’−ビニルフェニル)エタノールなどが挙げられ
る。
1−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−
ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)
エタン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1
−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラ
メチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(3’−ビ
ニルフェニル)エタン、2−(2’−エトキシエチルオ
キシカルボニルオキシ)−1−(4’−メトキシ−
2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリ
ジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−メチル−2’,2’,6’,6’−テトラメチ
ル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニル
フェニル)エタン、2−(2’−エチルヘキシルオキシ
カルボニルオキシ)−1−(2’,2’,6’,6’−
テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−ビニルフェニル)エタン、2−(4’−t−ブ
チルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)−1−
(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペ
リジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(4’−ベンゾイルオキシ−2’,2’,6’,6’−
テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−ビニルフェニル)エタン、2−イソプロピルオ
キシカルボニルオキシ−1−(2’,2’,6’,6’
−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−
(4’−イソプロペニルフェニル)エタン、2−イソプ
ロピルオキシカルボニルオキシ−1−(2’,2’,
5’,5’−テトラメチル−1’−ピロリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−イソ
プロピルオキシカルボニルオキシ−1−(ジ−t−ブチ
ルニトロキシル)−1−(4’−ビニルフェニル)エタ
ン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−
(N-t-ブチル-N-(1’-フェニル-2’-メチルプロピ
ル)ニトロキシル)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−(N-t-ブチル-N-(1’-ジエチルホスホノ-
2’、2’-ジメチルプロピル)ニトロキシル)−2−
(4’−ビニルフェニル)エタノールなどが挙げられ
る。
【0015】ラジカル重合性不飽和モノマーは、目的と
するグラフトポリマーの幹ポリマーを構成するのに適し
たものの中から適宜選択することができ、特に制限はな
い。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メトキシスチレン、o−クロロスチレ
ン、N,N−ジメチル−p−アミノメチルスチレン、p
−アセトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、ジ
ビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物類;メチル
(メタ)アクリレート(ここでメチル(メタ)アクリレ
ートという表記はメチルメタクリレートおよびメチルア
クリレートの両方を含んでいる。以下化合物が変わって
も同様である。)、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート
類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ケイ皮酸メ
チル、ケイ皮酸エチルなどの不飽和モノカルボン酸エス
テル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフ
ルオロブチル(メタ)アクリレートなどのフルオロアル
キル(メタ)アクリレート類;トリメチルシロキサニル
ジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス
(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル(メタ)ア
クリレート、ジ(メタ)アクロイルプロピルジメチルシ
リルエーテルなどのシロキサニル化合物類;エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレ
ングリコールのモノ−、またはジ−(メタ)アクリレー
ト類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル
(メタ)アクリレート類;シアノエチル(メタ)アクリ
レート、シアノプロピル(メタ)アクリレートなどのシ
アノアルキル(メタ)アクリレート類、およびアクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアノ化合物
類;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
窒素含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルア
ミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;クロト
ン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシ
プロピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピルなどの不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;(メ
タ)アリルアルコールなどの不飽和アルコール類;(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和
(モノ)カルボン酸類;(無水)マレイン酸、フマル
酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ポ
リカルボン酸(無水物)類;およびこれらのモノ、ジエ
ステル類;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物類などが
挙げられる。このラジカル重合性不飽和モノマーは、そ
れぞれ単独で、または2種類以上を混合して用いること
ができる。
するグラフトポリマーの幹ポリマーを構成するのに適し
たものの中から適宜選択することができ、特に制限はな
い。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メトキシスチレン、o−クロロスチレ
ン、N,N−ジメチル−p−アミノメチルスチレン、p
−アセトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、ジ
ビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物類;メチル
(メタ)アクリレート(ここでメチル(メタ)アクリレ
ートという表記はメチルメタクリレートおよびメチルア
クリレートの両方を含んでいる。以下化合物が変わって
も同様である。)、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート
類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ケイ皮酸メ
チル、ケイ皮酸エチルなどの不飽和モノカルボン酸エス
テル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフ
ルオロブチル(メタ)アクリレートなどのフルオロアル
キル(メタ)アクリレート類;トリメチルシロキサニル
ジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス
(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル(メタ)ア
クリレート、ジ(メタ)アクロイルプロピルジメチルシ
リルエーテルなどのシロキサニル化合物類;エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレ
ングリコールのモノ−、またはジ−(メタ)アクリレー
ト類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル
(メタ)アクリレート類;シアノエチル(メタ)アクリ
レート、シアノプロピル(メタ)アクリレートなどのシ
アノアルキル(メタ)アクリレート類、およびアクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアノ化合物
類;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
窒素含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルア
ミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;クロト
ン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシ
プロピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピルなどの不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;(メ
タ)アリルアルコールなどの不飽和アルコール類;(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和
(モノ)カルボン酸類;(無水)マレイン酸、フマル
酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ポ
リカルボン酸(無水物)類;およびこれらのモノ、ジエ
ステル類;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物類などが
挙げられる。このラジカル重合性不飽和モノマーは、そ
れぞれ単独で、または2種類以上を混合して用いること
ができる。
【0016】本発明におけるビニル基含有アルコキシア
ミンとラジカル重合性不飽和モノマーの共重合(以下、
第一段目重合と略記する。)は、塊状重合、懸濁重合、
溶液重合および乳化重合などの公知の重合方法によって
容易に行なうことができ、ラジカル重合性不飽和モノマ
ーの種類、重合温度、所望される高分子重合開始剤の分
子量などによって適宜選択することができる。
ミンとラジカル重合性不飽和モノマーの共重合(以下、
第一段目重合と略記する。)は、塊状重合、懸濁重合、
溶液重合および乳化重合などの公知の重合方法によって
容易に行なうことができ、ラジカル重合性不飽和モノマ
ーの種類、重合温度、所望される高分子重合開始剤の分
子量などによって適宜選択することができる。
【0017】重合温度は、0〜120℃であることが好
ましく、20〜100℃であることがより好ましい。重
合温度が0℃未満では、重合速度が遅いため重合完結ま
でに長時間を要するので経済的に不利である。重合温度
が120℃を越える場合、アルコキシアミン基の分解が
顕著になり、結果として次のグラフト重合の制御が困難
になり、グラフト効率が低下したり、ゲルが発生したり
するので好ましくない。
ましく、20〜100℃であることがより好ましい。重
合温度が0℃未満では、重合速度が遅いため重合完結ま
でに長時間を要するので経済的に不利である。重合温度
が120℃を越える場合、アルコキシアミン基の分解が
顕著になり、結果として次のグラフト重合の制御が困難
になり、グラフト効率が低下したり、ゲルが発生したり
するので好ましくない。
【0018】高分子重合開始剤の分子量は、グラフトコ
ポリマーに対する要求特性に応じて適宜設計することが
できる。ただし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により測定されるスチレン換算の分子量
として、数平均分子量が3,000〜500,000の
範囲である事が好ましく、さらに5,000〜400,
000の範囲である事がより好ましい。高分子重合開始
剤の分子量が3,000未満であると、グラフトポリマ
ーを形成させた場合に幹ポリマーとしての物性が十分発
現できなくなる傾向がある。一方、分子量が500,0
00を越えると溶融状態あるいは溶液状態での粘度が高
くなり、高分子重合開始剤ないしグラフトコポリマーの
製造時の作業性が悪くなる傾向にあるので好ましくな
い。
ポリマーに対する要求特性に応じて適宜設計することが
できる。ただし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により測定されるスチレン換算の分子量
として、数平均分子量が3,000〜500,000の
範囲である事が好ましく、さらに5,000〜400,
000の範囲である事がより好ましい。高分子重合開始
剤の分子量が3,000未満であると、グラフトポリマ
ーを形成させた場合に幹ポリマーとしての物性が十分発
現できなくなる傾向がある。一方、分子量が500,0
00を越えると溶融状態あるいは溶液状態での粘度が高
くなり、高分子重合開始剤ないしグラフトコポリマーの
製造時の作業性が悪くなる傾向にあるので好ましくな
い。
【0019】本発明において、高分子重合開始剤の分子
鎖中に懸垂するアルコキシアミン基は、前記式(1)で
表される構造のアルコキシアミン基が好ましいものであ
る。式中、R1〜R6はそれぞれ独立に選択される、水
素、炭化水素基(-R7)、エステル基(-COOR8)、アルコキ
シ基(-OR9)またはホスホネート基(-PO(OR10)2)を表す
(ここで、R7〜R10はそれぞれ独立した炭素数1〜8の直
鎖、分岐または環状の飽和または不飽和の炭化水素基、
例えばアルキル基、フェニル基等を表す)。
鎖中に懸垂するアルコキシアミン基は、前記式(1)で
表される構造のアルコキシアミン基が好ましいものであ
る。式中、R1〜R6はそれぞれ独立に選択される、水
素、炭化水素基(-R7)、エステル基(-COOR8)、アルコキ
シ基(-OR9)またはホスホネート基(-PO(OR10)2)を表す
(ここで、R7〜R10はそれぞれ独立した炭素数1〜8の直
鎖、分岐または環状の飽和または不飽和の炭化水素基、
例えばアルキル基、フェニル基等を表す)。
【0020】また、R3とR6が互いに連結した炭素数4
〜12の環式構造を形成してもよい。ただし、環式構造
の場合には、未置換または、炭素数1〜4のアルキル
基、ヒドロキシル基、アセトキシル基、ベンゾイルオキ
シ基、メトキシ基もしくはオキソ基のいずれかで置換さ
れたものである。
〜12の環式構造を形成してもよい。ただし、環式構造
の場合には、未置換または、炭素数1〜4のアルキル
基、ヒドロキシル基、アセトキシル基、ベンゾイルオキ
シ基、メトキシ基もしくはオキソ基のいずれかで置換さ
れたものである。
【0021】第一段目重合が完結した後、高分子重合開
始剤は、そのままで、あるいは溶媒留去または再沈殿な
どの精製工程を経た後に、本発明のグラフトコポリマー
の重合(以下、第二段目重合と略記する。)に供され
る。その際、第二段目の重合においては、最初にアルコ
キシアミン基が、安定なニトロキシドラジカルと炭素ラ
ジカルに開裂する。その後、炭素ラジカルは、系中のラ
ジカル重合性不飽和モノマーとの付加重合反応を進行さ
せて生長ポリマーラジカルとなる。一方、ニトロキシド
ラジカルはラジカル重合性不飽和モノマーとの付加重合
反応をすることなく、生長ポリマーラジカルとの間で、
再結合と再開裂を繰り返して重合反応の速度に影響を与
えている。いわゆるリビング的なラジカル重合により第
二段目重合を進行させる働きがある。
始剤は、そのままで、あるいは溶媒留去または再沈殿な
どの精製工程を経た後に、本発明のグラフトコポリマー
の重合(以下、第二段目重合と略記する。)に供され
る。その際、第二段目の重合においては、最初にアルコ
キシアミン基が、安定なニトロキシドラジカルと炭素ラ
ジカルに開裂する。その後、炭素ラジカルは、系中のラ
ジカル重合性不飽和モノマーとの付加重合反応を進行さ
せて生長ポリマーラジカルとなる。一方、ニトロキシド
ラジカルはラジカル重合性不飽和モノマーとの付加重合
反応をすることなく、生長ポリマーラジカルとの間で、
再結合と再開裂を繰り返して重合反応の速度に影響を与
えている。いわゆるリビング的なラジカル重合により第
二段目重合を進行させる働きがある。
【0022】このようなリビング的な重合においては、
この生長末端の解離平衡が重合速度に対して重要なポイ
ントとなっており、生長ポリマーラジカルとニトロキシ
ドラジカルとが十分な解離平衡を形成する必要がある。
この点から、より好ましいアルコキシアミン基の構造と
しては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキ
シル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−1−オキシル、4−アセトキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−
ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル
ピロリジン−1−オキシル、1,1,3,3−テトラメ
チルイソインドリン−2−オキシル、ジ−t−ブチルニ
トロキシド、N−t−ブチル−N−(1−フェニル−2−
メチルプロピル)ニトロキシド、N−t−ブチル−N−
(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)
ニトロキシド等が挙げられる。
この生長末端の解離平衡が重合速度に対して重要なポイ
ントとなっており、生長ポリマーラジカルとニトロキシ
ドラジカルとが十分な解離平衡を形成する必要がある。
この点から、より好ましいアルコキシアミン基の構造と
しては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキ
シル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−1−オキシル、4−アセトキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−
ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル
ピロリジン−1−オキシル、1,1,3,3−テトラメ
チルイソインドリン−2−オキシル、ジ−t−ブチルニ
トロキシド、N−t−ブチル−N−(1−フェニル−2−
メチルプロピル)ニトロキシド、N−t−ブチル−N−
(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)
ニトロキシド等が挙げられる。
【0023】高分子重合開始剤一分子当たりに懸垂した
アルコキシアミン基の平均個数は、所望される個数に依
存して適宜選択することができるが、好ましくは2〜2
00個の範囲、さらに好ましくは3〜100個の範囲で
ある。
アルコキシアミン基の平均個数は、所望される個数に依
存して適宜選択することができるが、好ましくは2〜2
00個の範囲、さらに好ましくは3〜100個の範囲で
ある。
【0024】アルコキシアミン基の個数が少ない場合に
は、幹ポリマーの分子量に対する枝ポリマーの分子量を
相対的に十分に大きくすることによって、グラフトコポ
リマーとしての効果を発現させることが可能であるが、
アルコキシアミン基の平均個数が2よりも少ない場合に
は、アルコキシアミン基を分子内に有さない高分子量体
が生成しやすくなるうえ、グラフトポリマーの物性が十
分に発現できなくなる傾向にあるので好ましくない。一
方、平均個数が200個よりも多いと、幹ポリマーとし
ての物性が十分に発現できなくなる傾向にあるので好ま
しくない。
は、幹ポリマーの分子量に対する枝ポリマーの分子量を
相対的に十分に大きくすることによって、グラフトコポ
リマーとしての効果を発現させることが可能であるが、
アルコキシアミン基の平均個数が2よりも少ない場合に
は、アルコキシアミン基を分子内に有さない高分子量体
が生成しやすくなるうえ、グラフトポリマーの物性が十
分に発現できなくなる傾向にあるので好ましくない。一
方、平均個数が200個よりも多いと、幹ポリマーとし
ての物性が十分に発現できなくなる傾向にあるので好ま
しくない。
【0025】また本発明において、第二段目重合は、高
分子重合開始剤、ラジカル重合性不飽和モノマーおよび
重合活性触媒を含む混合物を加熱することにより行われ
る。熱的作用により、前述のように、ニトロキシドラジ
カルと生長ポリマーラジカルとの間で、再結合と再開裂
を繰り返しながら重合反応が進行する。いわゆるリビン
グ的な重合により第二段目重合が行なわれる。その際、
重合活性触媒はこの再結合、再開裂の解離平衡に作用す
ることにより、生長ラジカル濃度を最適にコントロール
し、重合が活性化されて重合速度が高められる。
分子重合開始剤、ラジカル重合性不飽和モノマーおよび
重合活性触媒を含む混合物を加熱することにより行われ
る。熱的作用により、前述のように、ニトロキシドラジ
カルと生長ポリマーラジカルとの間で、再結合と再開裂
を繰り返しながら重合反応が進行する。いわゆるリビン
グ的な重合により第二段目重合が行なわれる。その際、
重合活性触媒はこの再結合、再開裂の解離平衡に作用す
ることにより、生長ラジカル濃度を最適にコントロール
し、重合が活性化されて重合速度が高められる。
【0026】本発明の第二段目重合で使用されるラジカ
ル重合性不飽和モノマーの種類としては、ラジカル重合
能を有すれば、特に制約されないため第一段目重合で使
用されるラジカル重合性不飽和モノマーと同一範囲のも
のが使用可能である。但し、その際、グラフトコポリマ
ーとしての機能を発揮できるように、第一段目重合で使
用されるラジカル重合性不飽和モノマーとは適宜種類を
変えて第二段目重合で使用されるラジカル重合性不飽和
モノマーの種類を選択する。
ル重合性不飽和モノマーの種類としては、ラジカル重合
能を有すれば、特に制約されないため第一段目重合で使
用されるラジカル重合性不飽和モノマーと同一範囲のも
のが使用可能である。但し、その際、グラフトコポリマ
ーとしての機能を発揮できるように、第一段目重合で使
用されるラジカル重合性不飽和モノマーとは適宜種類を
変えて第二段目重合で使用されるラジカル重合性不飽和
モノマーの種類を選択する。
【0027】またこれらの内で、グラフトコポリマー中
の枝ポリマーの分子量を増大させたり、所望の分子量分
布に制御する等の観点から、スチレン、p−メチルスチ
レン、m−メトキシスチレン、o−クロロスチレン等の
スチレン系モノマー単独、あるいは少なくとも一種類以
上のスチレン系モノマーを含むラジカル重合性不飽和モ
ノマーを用いることが好ましい。
の枝ポリマーの分子量を増大させたり、所望の分子量分
布に制御する等の観点から、スチレン、p−メチルスチ
レン、m−メトキシスチレン、o−クロロスチレン等の
スチレン系モノマー単独、あるいは少なくとも一種類以
上のスチレン系モノマーを含むラジカル重合性不飽和モ
ノマーを用いることが好ましい。
【0028】また第二段目重合において用いられる上記
のラジカル重合性不飽和モノマーの添加割合(ラジカル
重合性不飽和モノマー/アルコキシアミン基)は、モル
比で、5〜5,000である事が好ましく、10〜1,
000である事がさらに好ましい。5未満では、枝ポリ
マーの分子量が短すぎるため、枝ポリマーの物性が十分
に発揮できなくなる傾向にあるので好ましくない。一
方、5,000を超える場合、グラフト効率が低下する
傾向にあるので好ましくない。
のラジカル重合性不飽和モノマーの添加割合(ラジカル
重合性不飽和モノマー/アルコキシアミン基)は、モル
比で、5〜5,000である事が好ましく、10〜1,
000である事がさらに好ましい。5未満では、枝ポリ
マーの分子量が短すぎるため、枝ポリマーの物性が十分
に発揮できなくなる傾向にあるので好ましくない。一
方、5,000を超える場合、グラフト効率が低下する
傾向にあるので好ましくない。
【0029】本発明に用いられる重合活性触媒として、
ブレンステッド酸もしくはアシル化剤が使用される。ブ
レンステッド酸としては、有機スルホン酸類、有機カル
ボン酸類、酸性りん酸エステル類が好適に使用される。
ブレンステッド酸もしくはアシル化剤が使用される。ブ
レンステッド酸としては、有機スルホン酸類、有機カル
ボン酸類、酸性りん酸エステル類が好適に使用される。
【0030】例えば、メタンスルホン酸、プロパンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類;酢
酸、酪酸、オクタン酸、ラウリン酸、安息香酸、p−メ
チル安息香酸、フタル酸などの有機カルボン酸類;りん
酸ジメチル、りん酸ジエチル、りん酸プロピル、りん酸
ジプロピル、りん酸ブチル、りん酸ジブチル、りん酸オ
クチル、りん酸ジオクチル、りん酸ラウリル、りん酸フ
ェニル、りん酸ジフェニルなどの酸性りん酸エステル類
などを挙げることができる。
ホン酸、トルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類;酢
酸、酪酸、オクタン酸、ラウリン酸、安息香酸、p−メ
チル安息香酸、フタル酸などの有機カルボン酸類;りん
酸ジメチル、りん酸ジエチル、りん酸プロピル、りん酸
ジプロピル、りん酸ブチル、りん酸ジブチル、りん酸オ
クチル、りん酸ジオクチル、りん酸ラウリル、りん酸フ
ェニル、りん酸ジフェニルなどの酸性りん酸エステル類
などを挙げることができる。
【0031】アシル化剤としては、酸無水物類または酸
塩化物類が好適に使用される。例えば、無水酢酸、プロ
ピオン酸無水物、無水こはく酸、安息香酸無水物、無水
フタル酸などの酸無水物類;塩化アセチル、塩化トリク
ロロアセチル、塩化ラウロイル、塩化ベンゾイルなどの
酸塩化物類などを挙げることができる。以上の重合活性
触媒は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。
塩化物類が好適に使用される。例えば、無水酢酸、プロ
ピオン酸無水物、無水こはく酸、安息香酸無水物、無水
フタル酸などの酸無水物類;塩化アセチル、塩化トリク
ロロアセチル、塩化ラウロイル、塩化ベンゾイルなどの
酸塩化物類などを挙げることができる。以上の重合活性
触媒は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。
【0032】ブレンステッド酸もしくはアシル化剤の添
加割合(重合活性触媒/アルコキシアミン基)は、モル
比で、0.1〜10である。さらには、モル比が0.2
〜5であることが好ましく、0.3〜3であることが最
も好ましい。0.1未満では、重合速度の顕著な上昇が
見られず、10を超えた場合、更なる重合速度の増加は
見られず、グラフト効率が著しく低下する傾向にある。
また、重合活性触媒であるブレンステッド酸とアシル化
剤を併用した場合、それぞれの単独使用と比較して、グ
ラフト効率を低下させることなく更に重合速度を増加さ
せることができるのでより好ましい。
加割合(重合活性触媒/アルコキシアミン基)は、モル
比で、0.1〜10である。さらには、モル比が0.2
〜5であることが好ましく、0.3〜3であることが最
も好ましい。0.1未満では、重合速度の顕著な上昇が
見られず、10を超えた場合、更なる重合速度の増加は
見られず、グラフト効率が著しく低下する傾向にある。
また、重合活性触媒であるブレンステッド酸とアシル化
剤を併用した場合、それぞれの単独使用と比較して、グ
ラフト効率を低下させることなく更に重合速度を増加さ
せることができるのでより好ましい。
【0033】本発明において、第二段目重合は塊状重
合、懸濁重合、溶液重合及び乳化重合など公知の重合方
法によって行うことができ、モノマーの種類、重合温
度、所望されるグラフトコポリマーの分子量などによっ
て適宜選択することができる。
合、懸濁重合、溶液重合及び乳化重合など公知の重合方
法によって行うことができ、モノマーの種類、重合温
度、所望されるグラフトコポリマーの分子量などによっ
て適宜選択することができる。
【0034】第二段目重合に溶液重合を採用した場合、
ラジカル重合に対する阻害作用がなければ、いかなる種
類の溶媒も使用し得るが、その中でも重合に供するモノ
マーと相溶し、かつ高分子重合開始剤を溶解できる溶媒
を選択することが重合制御の点で有利である。
ラジカル重合に対する阻害作用がなければ、いかなる種
類の溶媒も使用し得るが、その中でも重合に供するモノ
マーと相溶し、かつ高分子重合開始剤を溶解できる溶媒
を選択することが重合制御の点で有利である。
【0035】溶媒の具体的な例としては、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
などのエステル系溶媒;メタノール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコールなどのアルコール系溶
媒;エチレングリコール、エチレングリコールジアセテ
ート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテートなどのエチレングリコール系溶
媒;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルなどのジエチレングリコール系溶媒;プロピレングリ
コール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
トなどのプロピレングリコール系溶媒が挙げられ、単独
あるいはそれらの混合物が用いられる。
シレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
などのエステル系溶媒;メタノール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコールなどのアルコール系溶
媒;エチレングリコール、エチレングリコールジアセテ
ート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテートなどのエチレングリコール系溶
媒;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルなどのジエチレングリコール系溶媒;プロピレングリ
コール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
トなどのプロピレングリコール系溶媒が挙げられ、単独
あるいはそれらの混合物が用いられる。
【0036】第二段目重合に懸濁重合を採用した場合、
分散剤として水溶性高分子の保護コロイド剤、難溶性無
機物を重合系に添加することができ、水溶性高分子の保
護コロイド剤が好ましい。水溶性高分子の保護コロイド
剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロースなどがあり、これらのうちポリ
ビニルアルコールが最も好ましい。
分散剤として水溶性高分子の保護コロイド剤、難溶性無
機物を重合系に添加することができ、水溶性高分子の保
護コロイド剤が好ましい。水溶性高分子の保護コロイド
剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロースなどがあり、これらのうちポリ
ビニルアルコールが最も好ましい。
【0037】重合温度は高分子重合開始剤に懸垂するア
ルコキシアミン基の開裂温度やラジカル重合性不飽和モ
ノマーの種類により適宜選択することができるが、60
〜160℃の範囲が好ましく、さらには90〜140℃
の範囲がより好ましい。重合の温度が60℃以下では、
アルコキシアミン基の分解速度が遅くなり、結果として
重合時間が長くなる傾向にあるので好ましくない。一
方、重合温度が160℃以上となると熱重合によりラジ
カル重合性不飽和モノマーのホモポリマーが生成する傾
向が強くなり、結果としてグラフト効率が低下するので
好ましくない。
ルコキシアミン基の開裂温度やラジカル重合性不飽和モ
ノマーの種類により適宜選択することができるが、60
〜160℃の範囲が好ましく、さらには90〜140℃
の範囲がより好ましい。重合の温度が60℃以下では、
アルコキシアミン基の分解速度が遅くなり、結果として
重合時間が長くなる傾向にあるので好ましくない。一
方、重合温度が160℃以上となると熱重合によりラジ
カル重合性不飽和モノマーのホモポリマーが生成する傾
向が強くなり、結果としてグラフト効率が低下するので
好ましくない。
【0038】重合時間については特に制限はなく、アル
コキシアミン基の種類や量、重合活性触媒の種類や量な
どに応じて適宜変更することが可能であるが、不必要に
長くすることは、工業的見地から不利益になる。重合反
応を実施する際に使用する反応容器は特に制限はなく、
ガラス製、ステンレス製反応容器などを適宜選択する。
使用するモノマーや溶媒の種類と重合温度の関係から、
反応圧力が高まる場合は、耐圧容器を使用することが好
ましい。
コキシアミン基の種類や量、重合活性触媒の種類や量な
どに応じて適宜変更することが可能であるが、不必要に
長くすることは、工業的見地から不利益になる。重合反
応を実施する際に使用する反応容器は特に制限はなく、
ガラス製、ステンレス製反応容器などを適宜選択する。
使用するモノマーや溶媒の種類と重合温度の関係から、
反応圧力が高まる場合は、耐圧容器を使用することが好
ましい。
【0039】原料の添加手順などについても特に制限は
ない。モノマー、高分子開始剤、重合活性触媒、必要に
応じて溶媒を加え、必要に応じて脱気、不活性ガスによ
る置換を行なったのち、所定の温度および時間に設定
し、反応を行なわせる。モノマー、溶媒、重合活性触媒
の添加は、目的に応じて、重合反応初期に一括して行な
っても良いし、一定速度または分割して添加することが
できる。
ない。モノマー、高分子開始剤、重合活性触媒、必要に
応じて溶媒を加え、必要に応じて脱気、不活性ガスによ
る置換を行なったのち、所定の温度および時間に設定
し、反応を行なわせる。モノマー、溶媒、重合活性触媒
の添加は、目的に応じて、重合反応初期に一括して行な
っても良いし、一定速度または分割して添加することが
できる。
【0040】重合により得られるグラフトコポリマー
に、幹ポリマーとは異なる構成モノマー組成をもつラジ
カル重合性不飽和モノマーの混合物を加え、加熱・反応
させることにより、枝ポリマー部分についてのブロック
共重合体を形成させることもできる。
に、幹ポリマーとは異なる構成モノマー組成をもつラジ
カル重合性不飽和モノマーの混合物を加え、加熱・反応
させることにより、枝ポリマー部分についてのブロック
共重合体を形成させることもできる。
【0041】本発明の方法により製造されるグラフトポ
リマーは、相溶化剤、界面活性剤、顔料分散剤、無機微
粒子の分散剤、接着性改良剤などとして使用することが
できる。
リマーは、相溶化剤、界面活性剤、顔料分散剤、無機微
粒子の分散剤、接着性改良剤などとして使用することが
できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて、本発明
をより詳細に説明する。なお、分析は以下の方法により
求めた。
をより詳細に説明する。なお、分析は以下の方法により
求めた。
【0043】<重合転化率の測定>重合反応前後に含ま
れるモノマー量を、それぞれ、ガスクロマトグラフィー
により求め、重合転化率(仕込んだモノマー量に対する
ポリマーに転化したモノマー量の割合、単位:%)を算
出した。
れるモノマー量を、それぞれ、ガスクロマトグラフィー
により求め、重合転化率(仕込んだモノマー量に対する
ポリマーに転化したモノマー量の割合、単位:%)を算
出した。
【0044】<分子量および分子量分布の測定>ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC、30℃、
テトロヒドロフラン使用)法により、合成したポリマー
の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を測
定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。また、分子
量はスチレン換算の値として算出した。
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC、30℃、
テトロヒドロフラン使用)法により、合成したポリマー
の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を測
定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。また、分子
量はスチレン換算の値として算出した。
【0045】<グラフト効率の測定>順相液体クロマト
グラフィーにより、合成したポリマーをグラフトポリマ
ーと各ホモポリマーに分離した。これより、重合した第
二段目モノマー量に対する、グラフト重合した第2段目
モノマー量の割合(グラフト効率(%))を算出した。
グラフィーにより、合成したポリマーをグラフトポリマ
ーと各ホモポリマーに分離した。これより、重合した第
二段目モノマー量に対する、グラフト重合した第2段目
モノマー量の割合(グラフト効率(%))を算出した。
【0046】実施例1
(第1段目重合)メタクリル酸メチル80.10g(8
00ミリモル)、2−(4’−ヒドロキシ−2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノール
6.63g(20ミリモル)、重合開始剤としてt−ヘ
キシルパーオキシピバレート0.178g(0.82ミ
リモル)、分子量調整剤としてn−オクチルメルカプタ
ン0.878g(6.0ミリモル)からなる混合物をガ
ラスアンプルに注入したのち、窒素を吹き込んで酸素を
除去した後、封管した。そして、反応温度60℃にて5
時間重合を行なった。内容物をテトラヒドロフラン30
0ミリリットルに溶解させ、メタノール2リットルに注
ぎ再沈殿を行なった。その後、この再沈殿による精製を
繰り返して行い、未反応物を完全に取り除いた後、生成
物を40℃で24時間減圧下に放置して乾燥させたとこ
ろ、高分子重合開始剤47.4g(収率54%)が得ら
れた。
00ミリモル)、2−(4’−ヒドロキシ−2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノール
6.63g(20ミリモル)、重合開始剤としてt−ヘ
キシルパーオキシピバレート0.178g(0.82ミ
リモル)、分子量調整剤としてn−オクチルメルカプタ
ン0.878g(6.0ミリモル)からなる混合物をガ
ラスアンプルに注入したのち、窒素を吹き込んで酸素を
除去した後、封管した。そして、反応温度60℃にて5
時間重合を行なった。内容物をテトラヒドロフラン30
0ミリリットルに溶解させ、メタノール2リットルに注
ぎ再沈殿を行なった。その後、この再沈殿による精製を
繰り返して行い、未反応物を完全に取り除いた後、生成
物を40℃で24時間減圧下に放置して乾燥させたとこ
ろ、高分子重合開始剤47.4g(収率54%)が得ら
れた。
【0047】またこのものについてのGPC測定からM
w=37,000、Mn=25,800、Mw/Mn=
1.43であった。また、1H−NMR測定から高分子
量体1分子あたり平均して3.92個のアルコキシアミ
ン基(アルコキシアミン基:1.52×10-4モル/
g)が導入されていることが確認された。
w=37,000、Mn=25,800、Mw/Mn=
1.43であった。また、1H−NMR測定から高分子
量体1分子あたり平均して3.92個のアルコキシアミ
ン基(アルコキシアミン基:1.52×10-4モル/
g)が導入されていることが確認された。
【0048】(第2段目重合)前記の高分子重合開始剤
2.5g(アルコキシアミン基:3.8×10-4モ
ル)、スチレン(St)7.5gおよび重合活性触媒と
して樟脳スルホン酸(CSA)0.044g(1.9×
10-4モル)からなる混合物をガラスアンプルに注入し
たのち、窒素を吹き込んで酸素を除去した後、封管し
た。そして、125℃で12時間重合を行なった。その
後、内容物をテトラヒドロフラン50ミリリットルに溶
解させ、メタノール500ミリリットルに注ぎ再沈殿を
行なった。生成物を40℃で24時間減圧下に放置して
乾燥することによりポリマー9.3gを得た。重合転化
率(%)、分子量、分子量分布およびグラフト効率
(%)に関する分析結果を表1に示した。
2.5g(アルコキシアミン基:3.8×10-4モ
ル)、スチレン(St)7.5gおよび重合活性触媒と
して樟脳スルホン酸(CSA)0.044g(1.9×
10-4モル)からなる混合物をガラスアンプルに注入し
たのち、窒素を吹き込んで酸素を除去した後、封管し
た。そして、125℃で12時間重合を行なった。その
後、内容物をテトラヒドロフラン50ミリリットルに溶
解させ、メタノール500ミリリットルに注ぎ再沈殿を
行なった。生成物を40℃で24時間減圧下に放置して
乾燥することによりポリマー9.3gを得た。重合転化
率(%)、分子量、分子量分布およびグラフト効率
(%)に関する分析結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2
重合活性触媒として、樟脳スルホン酸(CSA)の代わ
りに、安息香酸0.14g(1.1×10-3モル)を用
いること以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結
果を表1に示した。
りに、安息香酸0.14g(1.1×10-3モル)を用
いること以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結
果を表1に示した。
【0051】実施例3
重合活性触媒として、樟脳スルホン酸(CSA)の代わ
りに、りん酸ジフェニル(DPP)0.095g(3.
8×10-4モル)を用いること以外は、実施例1の方法
に準じて行い、その結果を表1に示した。
りに、りん酸ジフェニル(DPP)0.095g(3.
8×10-4モル)を用いること以外は、実施例1の方法
に準じて行い、その結果を表1に示した。
【0052】比較例1
重合活性触媒である樟脳スルホン酸(CSA)を用いな
いこと以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結果
を表1に示した。
いこと以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結果
を表1に示した。
【0053】実施例4
重合活性触媒として、樟脳スルホン酸(CSA)の代わ
りに、無水酢酸0.11g(1.1×10-3モル)を用
いること以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結
果を表2に示した。
りに、無水酢酸0.11g(1.1×10-3モル)を用
いること以外は、実施例1の方法に準じて行い、その結
果を表2に示した。
【0054】実施例5
重合活性触媒として、樟脳スルホン酸(CSA)の代わ
りに、無水酢酸0.11g(1.1×10-3モル)と樟
脳スルホン酸(CSA)0.044g(1.9×10-4
モル)の混合物を用いること以外は、実施例1の方法に
準じ行い、その結果を表2に示した。
りに、無水酢酸0.11g(1.1×10-3モル)と樟
脳スルホン酸(CSA)0.044g(1.9×10-4
モル)の混合物を用いること以外は、実施例1の方法に
準じ行い、その結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】実施例6
ラジカル重合性不飽和モノマーとして、スチレン(S
t)の代わりに、スチレン(St)5.6g、n−ブチ
ルアクリレート(BA)1.9gを用いること以外は、
実施例1の方法に準じて行い、その結果を表2に示し
た。
t)の代わりに、スチレン(St)5.6g、n−ブチ
ルアクリレート(BA)1.9gを用いること以外は、
実施例1の方法に準じて行い、その結果を表2に示し
た。
【0057】実施例1〜6および比較例1から、重合活
性触媒を用いることにより、高いグラフト効率が維持で
きること、そして同時に重合速度を大幅に増加して高い
重合転化率となることが明らかとなった。
性触媒を用いることにより、高いグラフト効率が維持で
きること、そして同時に重合速度を大幅に増加して高い
重合転化率となることが明らかとなった。
【0058】
【発明の効果】本発明のグラフトコポリマーの製造方法
によれば、グラフト効率の高いグラフトポリマーを生産
性良く製造することができる。また本発明により得られ
るグラフトコポリマーは、相溶化剤、界面活性剤、顔料
分散剤、無機微粒子の分散剤、接着性改良剤などとし
て、その利用価値は極めて高いものである。
によれば、グラフト効率の高いグラフトポリマーを生産
性良く製造することができる。また本発明により得られ
るグラフトコポリマーは、相溶化剤、界面活性剤、顔料
分散剤、無機微粒子の分散剤、接着性改良剤などとし
て、その利用価値は極めて高いものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4J015 EA03 EA05 EA07
4J026 AA17 AA19 AA20 AC26 AC29
AC36 BA05 BA06 BA07 BA08
BA09 BA14 BA25 BA26 BA27
BA28 BA29 BA30 BA31 BA32
BA34 BA35 BA43 BA46 BA47
BB01 BB02 DB02 DB03 DB04
DB11 DB25 FA08 GA02
Claims (6)
- 【請求項1】 分子鎖中にアルコキシアミン基が懸垂し
た高分子重合開始剤とラジカル重合性不飽和モノマーと
を反応させるグラフトコポリマーの製造方法において、
重合活性触媒としてブレンステッド酸もしくはアシル化
剤を使用することを特徴とするグラフトコポリマーの製
造方法。 - 【請求項2】 ラジカル重合性ビニル基およびアルコキ
シアミン基の両方を同一分子内に有する化合物とラジカ
ル重合性不飽和モノマーとを共重合することにより高分
子重合開始剤を得る第1の工程と、さらにラジカル重合
性不飽和モノマーとを反応させる第2の工程とからなる
グラフトコポリマーの製造方法において、第2の工程に
重合活性触媒としてブレンステッド酸もしくはアシル化
剤を使用することを特徴とするグラフトコポリマーの製
造方法。 - 【請求項3】 アルコキシアミン基が下記式(1)のア
ルコキシアミン基である請求項1または請求項2に記載
のグラフトコポリマーの製造方法。 【化1】 (式中、R1〜R6はそれぞれ独立に選択されるものであ
り、水素、炭化水素基(-R7)、エステル基(-COOR8)、ア
ルコキシ基(-OR9)またはホスホネート基(-PO(OR10)2)の
いずれかを表す(ここで、R7〜R10はそれぞれ独立した
炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状の飽和または不飽
和の炭化水素基を表す)。また、R3とR6が互いに連結
した炭素数4〜12の環式構造を形成してもよい。ただ
し、環式構造の場合には、未置換または、炭素数1〜4
のアルキル基、ヒドロキシル基、アセトキシル基、ベン
ゾイルオキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基のいずれ
かで置換されたものである。) - 【請求項4】 ブレンステッド酸が有機スルホン酸類、
有機カルボン酸類、酸性りん酸エステル類からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種、アシル化剤が酸無水物およ
び酸塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のグラ
フトコポリマーの製造方法。 - 【請求項5】 ブレンステッド酸もしくはアシル化剤の
添加量がアルコキシアミン基1モルに対して0.1〜1
0モルの割合である請求項1ないし請求項4のいずれか
1項に記載のグラフトコポリマーの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
に記載のグラフトコポリマーの製造方法により得られる
グラフトコポリマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001277205A JP2003082014A (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | グラフトコポリマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001277205A JP2003082014A (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | グラフトコポリマーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003082014A true JP2003082014A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19101772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001277205A Pending JP2003082014A (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | グラフトコポリマーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003082014A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008111140A1 (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-18 | Nof Corporation | コア-シェル微粒子の製造方法及びその中間体としてのアルコキシアミン基含有単分散架橋微粒子の製造方法 |
-
2001
- 2001-09-12 JP JP2001277205A patent/JP2003082014A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008111140A1 (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-18 | Nof Corporation | コア-シェル微粒子の製造方法及びその中間体としてのアルコキシアミン基含有単分散架橋微粒子の製造方法 |
EP2123686A1 (en) * | 2007-03-09 | 2009-11-25 | Nof Corporation | Method for production of core-shell microparticle, and method for production of monodisperse crosslinked microparticle having alkoxyamine group for use as intermediate for the production of the core-shell microparticle |
EP2123686A4 (en) * | 2007-03-09 | 2010-05-19 | Nof Corp | METHOD FOR PRODUCING CORE-SHELL MICRO PARTICLES AND METHOD FOR THE PRODUCTION OF MONODISPERSIC NETWORKED MICROPARTTEEN WITH ALKOXYAMING GROUP FOR USE AS A INTERMEDIATE PRODUCT FOR PRODUCING THE CORE-SHELL MICROPARTULE |
US8404762B2 (en) | 2007-03-09 | 2013-03-26 | Nof Corporation | Method for production of core-shell microparticle, and method for production of monodisperse crosslinked microparticle having alkoxyamine group for use as intermediate for the production of the core-shell microparticle |
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