JP2003081763A - エアゾール組成物および発泡性エアゾール製品 - Google Patents

エアゾール組成物および発泡性エアゾール製品

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JP2003081763A JP2001281459A JP2001281459A JP2003081763A JP 2003081763 A JP2003081763 A JP 2003081763A JP 2001281459 A JP2001281459 A JP 2001281459A JP 2001281459 A JP2001281459 A JP 2001281459A JP 2003081763 A JP2003081763 A JP 2003081763A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間安定な発泡物を形成し得るエアゾール
組成物、及び経時で発泡物の形状が変化後、停止した安
定時に表面形状が滑らかで極めて軽く、乾燥性に優れ、
長時間安定な発泡物を形成し得るエアゾール製品を提供
する事。 【解決手段】 陰イオン性界面活性剤を含有した水性原
液と液化ガスとが乳化し、水性原液/液化ガス(重量
比)が10/90〜60/40で、25℃の泡比重が
0.001〜0.005g/mlの発泡物を形成するエ
アゾール組成物、及び界面活性剤を含有した水性原液と
液化ガスとが乳化したエアゾール組成物を耐圧性容器内
に充填してなり、その吐出物が経時的に形状変化する発
泡物を形成し、該発泡物の形状変化が停止したときの発
泡物の25℃での泡比重が0.001〜0.005g/
mlである発泡性エアゾール製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアゾール組成物お
よび発泡性エアゾール製品に関する。さらに詳しくは、
多量の液化ガスが水性原液に乳化しているにもかかわら
ず、長時間にわたって安定な発泡物を形成することがで
きるエアゾール組成物、および吐出直後は表面形状が粗
く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の
形状が変化し、形状変化が停止して安定となったとき
に、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も
小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長時間にわたって安定
な発泡物を形成することができ、たとえば頭髪用セット
剤などに好適に使用し得るエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば頭髪用セット剤などに用
いるエアゾール組成物として、水性原液および液化ガス
からなる発泡性エアゾール組成物が種々開発されてい
る。これら従来の発泡性エアゾール組成物に含まれる水
性原液には、通常、有効成分、界面活性剤などが含まれ
ているが、その大部分が水成分である。また液化ガスと
しては水に不溶な液化石油ガスが用いられることが多
く、吐出後形成される泡の状態や保持性から、液化ガス
はエアゾール組成物中4〜10重量%と水性原液に比べ
て少量である。かかる発泡性エアゾール組成物が充填さ
れたエアゾール製品において、水性原液と液化ガスとは
分離した状態であるため、使用時に製品を振盪して一時
的にエマルジョンを形成させなければならない。また該
発泡性エアゾール組成物から泡状の吐出物(発泡物)を
得ることができるが、かかる発泡物は発泡した状態で吐
出され、その容積は短時間で安定となり、ほとんど形状
変化せず、発泡物は球状ないしラグビーボール状とな
り、その表面は滑らかである。また該発泡物は、液化ガ
スの量が少ないため、泡の1粒1粒は細かく、安定な泡
を形成するが、該発泡物の泡比重は、たとえば約0.0
2〜0.05g/mlと大きく、ウェットな状態のもの
である。このような重くウェットな状態の発泡物をたと
えば頭髪に適用した場合には、泡の自重や消泡して液化
することにより、頭髪スタイルを乱してしまうことがあ
る。よって、たとえば頭髪用セット剤において、細かい
セットを崩しにくい軽くドライな状態の泡が要求される
場合、かかる発泡性エアゾール組成物を適用することが
できない。そこで、泡比重を小さくするために、前記従
来の発泡性エアゾール組成物に液化ガスを単に多量に配
合した場合、発泡物とならなかったり、発泡したとして
も泡の1粒1粒が大きくなり、粗く消泡しやすい発泡物
となる。
【0003】使用時に製品を振盪しなくとも、あらかじ
め水性原液と液化ガスとが乳化しているエアゾール組成
物として、特定沸点を有する脂肪族炭化水素である液化
ガスと、たとえば有効成分、アルコール成分、界面活性
剤、精製水などを含有した水性原液とが含有され、両者
の重量比が10/90〜60/40(水性原液/液化ガ
ス)である組成物が提案されている(特開平2−255
889号公報)。しかしながら、かかるエアゾール組成
物は吐出後直ちに破泡してしまうことが特徴であり、泡
の保持時間が短いため、長時間にわたって安定した状態
の泡を得ることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、多量の液化ガスが水性
原液に乳化しているにもかかわらず、長時間にわたって
安定な発泡物を形成することができるエアゾール組成
物、および吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であ
るが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状
変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らか
になり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐ
れ、しかも長時間にわたって安定な発泡物を形成するこ
とができ、たとえば頭髪用セット剤などに好適に使用し
得るエアゾール製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 陰イオン性界面活性剤を含有した水性原液(以下、水
性原液Iという)と液化ガスとが乳化したエアゾール組
成物であって、水性原液Iと液化ガスとの重量比(水性
原液I/液化ガス)が10/90〜60/40で、25
℃での泡比重が0.001〜0.005g/mlである
発泡物を形成するエアゾール組成物(以下、エアゾール
組成物Iという)、および 界面活性剤を含有した水性原液(以下、水性原液II
という)と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物(以
下、エアゾール組成物IIという)を耐圧性容器内に充
填してなる発泡性エアゾール製品であって、該発泡性エ
アゾール製品からの吐出物が経時的に形状変化する発泡
物を形成し、該発泡物の形状変化が停止したときの発泡
物の25℃での泡比重が0.001〜0.005g/m
lである発泡性エアゾール製品に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】まず本発明のエアゾール組成物I
について説明する。
【0007】本発明のエアゾール組成物Iは、陰イオン
性界面活性剤を含有した水性原液Iと液化ガスとからな
るものであり、該水性原液Iと液化ガスとの割合が一定
範囲内で調整されたものである。これら水性原液Iと液
化ガスとは、吐出直前の振盪によって一時的に乳化する
ものではなく、組成物調製時にあらかじめ乳化されてお
り、吐出後得られる発泡物は、液化ガスが比較的多量に
含まれているにもかかわらず、発泡物はきわめて軽く、
長時間にわたって安定な状態が保持され、非常に使い勝
手のよい発泡物となる。
【0008】本発明に用いられる水性原液Iには陰イオ
ン性界面活性剤が含有される。該陰イオン性界面活性剤
は水性原液Iに粘性を付与し、さらに該水性原液Iと液
化ガスとを乳化するための成分であり、エアゾール組成
物Iの発泡性や泡の安定性に関与するものである。
【0009】陰イオン性界面活性剤としては、たとえば
脂肪酸のケン化物、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N
−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノー
ルアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム
などのアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサ
ルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン酸、N
−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ
油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチル
タウリッドナトリウムなどの高級脂肪酸アミドスルホン
酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸
などのリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノール
アミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、
ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナト
リウムなどのスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスル
ホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン
酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N
−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリス
トイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなどのN−ア
シルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸
ナトリウムなどの高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、
ロート油などの硫酸化油、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール
硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エ
ステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナ
トリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタ
ノールアミン、カゼインナトリウムなどがあげられる。
【0010】前記脂肪酸のケン化物の代表例としては、
たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレイン酸などの脂肪酸類と、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアル
カリ類との反応物などがあげられる。
【0011】前記陰イオン性界面活性剤のなかでも、液
化ガスを多量に配合した場合でも液化ガスをゆっくりと
気化させることができ、きわめて軽く、長時間にわたっ
て安定な発泡物が得られやすいという点から、脂肪酸の
ケン化物が好ましい。
【0012】脂肪酸のケン化物のケン化度は、あまりに
も小さいと、遊離の脂肪酸(ケン化されていない脂肪
酸)が多くなり、低温時に脂肪酸が析出しやすくなるの
で、30%以上、好ましくは40%以上であることが望
ましく、またあまりにも大きいと、水性原液Iの粘度が
低下して発泡物の安定性が低下したり、またアルカリ性
になり、皮膚への刺激や頭髪へのダメージが大きくな
り、さらに発泡物がべたつきやすく、手などに付着して
取れにくくなるので、100%以下、好ましくは90%
以下であることが望ましい。かかる範囲内でケン化度を
選択することにより、発泡物の堅さを調整することがで
きる。
【0013】また脂肪酸の種類を選択することにより、
水性原液Iの粘度を調整することができ、さらに吐出直
後の泡質や発泡時間、泡比重なども調整することができ
る。たとえば分子量が大きいステアリン酸を用いた場合
には、吐出直後はクリーム状であり、発泡時間が長く、
泡比重が大きくなる傾向がある。一方、分子量が小さい
ラウリン酸を用いた場合には、水性原液Iの粘度は小さ
くなり、発泡時間は短く、泡の弾力性が小さくなる傾向
がある。かかる脂肪酸の好ましい分子量は200〜30
0である。
【0014】水性原液I中の陰イオン性界面活性剤の量
は、泡の保持性がわるくならないように、さらに水性原
液Iと液化ガスとを乳化するのが困難になり、発泡性が
低下して泡が形成されにくくならないようにするには、
3重量%以上、好ましくは5重量%以上であることが望
ましく、またエアゾール組成物Iのべたつき感や皮膚へ
の刺激性が大きくならないようにするには、20重量%
以下、好ましくは18重量%以下であることが望まし
い。
【0015】なおエアゾール組成物Iにおける水性原液
Iには、前記陰イオン性界面活性剤のほかにも、水性原
液Iと液化ガスとの乳化を補助する目的で、乳化補助剤
が配合されることが好ましい。
【0016】乳化補助剤としては、たとえば非イオン性
界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、
高分子型界面活性剤、シリコン系界面活性剤などがあげ
られる。
【0017】前記非イオン性界面活性剤としては、たと
えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・
硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン・ラ
ノリンアルコール・ミツロウ誘導体、脂肪酸アルキロー
ルアミドなどがあげられる。
【0018】前記陽イオン性界面活性剤としては、たと
えばアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモ
ニウム塩などがあげられる。
【0019】前記両性界面活性剤としては、たとえば酢
酸べタイン、レシチンなどがあげられる。
【0020】前記高分子型界面活性剤としては、たとえ
ばポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノー
ルポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体
などがあげられる。
【0021】前記シリコン系界面活性剤としては、たと
えばポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合
体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重
合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メ
チルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0022】前記乳化補助剤は、単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。前記乳化補助剤のなか
でも、水性原液Iと液化ガスとの乳化のしやすさおよび
安全性にすぐれる点から、HLBが10以上のものを用
いることが好ましい。
【0023】水性原液I中の乳化補助剤の量は、水性原
液Iと液化ガスとの乳化の補助効果が充分に発現される
ようにするには、0.1重量%以上、好ましくは0.3
重量%以上であることが望ましく、またべたつきや皮膚
への刺激性を考慮して、10重量%以下、好ましくは8
重量%以下であることが望ましい。
【0024】水性原液Iには、前記陰イオン性界面活性
剤や乳化補助剤のほかにも、たとえば有効成分、低級ア
ルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物、そ
の他の添加剤などを配合することができる。
【0025】有効成分は、エアゾール組成物Iの使用目
的や用途に応じて適宜選択され、たとえば消臭剤、殺菌
・防腐剤、清涼剤、害虫忌避剤、頭髪用セット剤、保湿
剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン
類、酸化防止剤、各種抽出液、皮膚軟化剤、かゆみ止
め、消炎鎮痛剤、収斂剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒ
スタミン剤、美白剤、香料などが用いられる。
【0026】前記消臭剤としては、たとえばラウリル酸
メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチ
ル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノ
ン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどがあげら
れる。
【0027】前記殺菌・防腐剤としては、たとえばパラ
オキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビ
ン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、
感光素、パラクロルメタクレゾールなどがあげられる。
【0028】前記清涼剤としては、たとえば1−メント
ール、カンフルなどがあげられる。
【0029】前記害虫忌避剤としては、たとえばN,N
−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、力プリル酸
ジエチルアミドなどがあげられる。
【0030】前記頭髪用セット剤としては、たとえばジ
アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)
アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オク
チルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリ
ル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・
酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・ア
クリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、
アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共
重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共
重合体エマルジョンなどがあげられる。
【0031】前記保湿剤としては、たとえばプロピレン
グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアル
ロン酸、力ロニン酸、乳酸ナトリウム、d,1−ピロリ
ドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチンなど
があげられる。
【0032】前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラ
アミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエ
ステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パ
ラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮
酸オクチルなどがあげられる。
【0033】前記アミノ酸としては、たとえばグリシ
ン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シ
スチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸、アルギニンなどがあげられる。
【0034】前記ビタミン類としては、たとえばビタミ
ンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピ
リドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、
ニコチン酸d,1−α−トコフェロール、ビタミンD2
(エルゴカシフェロール)、d,1−α一トコフェロー
ル、酢酸d,1−α−トコフェロール、パントテン酸、
ビオチンなどがあげられる。
【0035】前記ホルモン類としては、たとえばエラス
トラジオール、エチニルエストラジオールなどがあげら
れる。
【0036】前記酸化防止剤としては、たとえばアスコ
ルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシト
ルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどがあげられ
る。
【0037】前記各種抽出液としては、たとえばシャク
ヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキ
ス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキ
ス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタ
エキス、シルク抽出液などがあげられる。
【0038】前記皮膚軟化剤としては、たとえば尿素な
どがあげられる。
【0039】前記かゆみ止めとしては、たとえばリドカ
イン、ジフェンヒドラミン、酢酸トコフェロール、グリ
チルリチン酸ジカリウムなどがあげられる。
【0040】前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチ
ル酸メチル、カンフル、ジフェンヒドラミン、インドメ
タシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェ
ン、クロタミトンなどがあげられる。
【0041】前記収斂剤としては、たとえば酸化亜鉛、
アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、ク
エン酸、乳酸などがあげられる。
【0042】前記抗炎症剤としては、たとえばアラント
イン、グリシルレチン酸、アズレンなどがあげられる。
【0043】前記局所麻酔剤としては、たとえば塩酸ジ
ブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどがあ
げられる。
【0044】前記抗ヒスタミン剤としては、たとえば塩
酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン
などがあげられる。
【0045】前記美白剤としては、たとえばアルブチ
ン、コウジ酸などがあげられる。
【0046】なお有効成分は単独でまたは2種以上を混
合して用いることができ、前記例示されたなかでも、後
述する液化ガスへの溶解性がすぐれたものの場合、液化
ガスに溶解させて配合することも可能である。
【0047】水性原液I中の有効成分の量は、その効果
を充分に発揮させるには、0.05重量%以上、好まし
くは0.1重量%以上であることが望ましく、またその
濃度が高すぎて、有効成分の種類によっては人体へ悪影
響を及ぼすおそれをなくすには、20重量%以下、好ま
しくは15重量%以下であることが望ましい。
【0048】低級アルコールは、有効成分の溶解剤(溶
媒)としてや、冷却感の付与、乾燥性の向上など、使用
感を向上させたり、吐出したエアゾール組成物Iの発泡
時間や、発泡の大きさ(発泡倍率)、泡質など、発泡性
を調整するために用いられる成分である。
【0049】前記低級アルコールとしては、たとえばエ
チルアルコール、イソプロピルアルコールなど、炭素数
が2〜3の1価アルコールがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0050】水性原液I中の低級アルコールの量は、そ
れによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、
好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また水
性原液Iと液化ガスとが乳化しにくくなり、泡状でなく
スプレー状でエアゾール組成物Iが噴射されるおそれを
なくすには、30重量%以下、好ましくは25重量%以
下であることが望ましい。
【0051】多価アルコールは、有効成分の溶解剤(溶
媒)としてや、皮膚や頭髪の保湿性を向上させるなど、
使用感を向上させるために用いられる成分である。
【0052】前記多価アルコールとしては、たとえばグ
リセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコールなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0053】水性原液I中の多価アルコールの量は、そ
れによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、
好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また乾
燥性がわるくなり、使用感が低下するおそれをなくすに
は、20重量%以下、好ましくは15重量%以下である
ことが望ましい。
【0054】前記油成分としては、水性原液Iの粘度を
上昇させるなどの調整をしたり、泡の安定性をより向上
させるには、常温でペースト状ないし固形状の油成分を
配合することができる。
【0055】常温でペースト状ないし固形状の油成分と
しては、たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、べへ二ルアルコール、ミリスチルアルコール、ラ
ノリンアルコールなどの高級アルコール;パラフィン、
マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素;ミツロ
ウ、ラノリン、酢酸ラノリン、力ンデリラロウなどのロ
ウ類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0056】また発泡物を頭髪や皮膚などに用いたとき
に撥水性や艶を付与したり、櫛通りをよくするなど、使
用感を向上させるには、常温で液状の油成分を配合する
ことができる。
【0057】常温で液状の油成分としては、たとえばメ
チルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサンなどのシリコーンオイル;ノルマルペンタ
ン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、
流動パラフィン、イソパラフイン、ケロシン、スクワラ
ン、スクワレンなどの炭化水素;ミリスチン酸イソプロ
ピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、パルミチン酸イソプロピル、酢酸エチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエト
キシエチルなどのエステル油;ラウリルアルコール、オ
レイルアルコールなどの高級アルコール;ツバキ油、ト
ウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ
油、アマ二油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの
油脂類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0058】なおノルマルペンタン、イソペンタン、ノ
ルマルヘキサン、イソヘキサンなどの炭素数が5〜6の
炭化水素については、発泡倍率や発泡時間などを調整す
るために、後述する液化ガスとともに配合してもよい。
【0059】水性原液I中の油成分の量は、それによる
効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好ま
しくは0.5重量%以上であることが望ましく、またべ
たついたり、乾燥性がわるくなるなど、使用感が低下す
るおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下であることが望ましい。
【0060】前記高分子化合物は、水性原液Iの粘度を
調整したり、泡の弾力性や消泡性、乾燥性など、泡質を
調整する成分である。
【0061】高分子化合物としては、たとえば力ラギー
ナン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、力
ルボキシメチルデンプン、エチルセルロース、結晶セル
ロース、力ルボキシビニルポリマー、キサンタンガムな
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。これらのなかでも、水性原液I
が増粘しやすく、乾燥性にすぐれた泡が得られるという
点から、ゼラチンを用いることが好ましい。
【0062】水性原液I中の高分子化合物の量は、それ
による効果を充分に発現させるには、0.1重量%以
上、好ましくは0.3重量%以上であることが望まし
く、また水性原液Iの粘度が高くなりすぎて発泡性がわ
るくなったり、取扱い性が低下するおそれをなくすに
は、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であるこ
とが望ましい。
【0063】前記その他の添加剤としては、たとえばp
H調整剤、粉体などがあげられる。
【0064】前記pH調整剤は、水性原液Iやエアゾー
ル組成物Iを長時間にわたって安定化させるために用い
られ、エアゾール組成物Iをたとえば金属製容器内に充
填する際に該金属製容器への腐食を少なくしたり、有効
成分が経時的に分解されることを防止する成分である。
【0065】pH調整剤としては、たとえば乳酸、クエ
ン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、
酒石酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
アンムニウムなどがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0066】前記粉体は、粉体自体が有効成分として作
用したり、他の有効成分を担持する担体、保護剤、付着
剤、固体潤滑剤などとして作用する成分である。
【0067】粉体としては、たとえばタルク、酸化亜
鉛、力オリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸カルシウム、シリ力、ゼオライト、セラミ
ックパウダー、チッ化ホウ素などがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0068】水性原液I中のその他の添加剤の量は、前
記陰イオン性界面活性剤、乳化補助剤、有効成分、低級
アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物な
どの量を考慮し、たとえば0.05〜15重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0069】水性原液I中には、たとえば精製水、イオ
ン交換水、蒸留水などの水が溶媒として含有されてい
る。また前記低級アルコールや多価アルコールなど、水
に可溶な成分も溶媒として作用する場合もある。
【0070】水性原液I中の水の量は、通常前記陰イオ
ン性界面活性剤、乳化補助剤、有効成分、低級アルコー
ル、多価アルコール、油成分、高分子化合物、その他の
添加剤の残量であり、水性原液Iが全量100重量%と
なるように適宜調整される。
【0071】前記陰イオン性界面活性剤や、必要に応じ
て乳化補助剤、有効成分、油成分、高分子化合物、その
他の添加剤を、水や低級アルコール、多価アルコールな
どの溶媒と撹拌混合し、溶解ないし分散させることによ
り水性原液Iを得ることができる。なお陰イオン性界面
活性剤や油成分などの常温でペースト状ないし固形状の
成分を用いる場合には、各成分の混合物をたとえば30
〜90℃程度に加温し、水性原液Iの粘度が後述する範
囲をこえ、あまりにも高くなりすぎないようにすること
が好ましい。とくに陰イオン性界面活性剤として脂肪酸
のケン化物を用いる場合は、アルカリ類を最後に添加し
てケン化することが、水性原液Iを調製しやすいという
点から好ましい。
【0072】かくして得られる水性原液Iの25℃にお
ける粘度は、吐出後、乳化していた液化ガスが短時間で
気化し、急激に発泡物の容積が増大して泡の1粒1粒が
大きくなって発泡物が粗くなり、長時間にわたって安定
な発泡物が形成されにくく、破泡しやすくなるおそれを
なくすためには、0.05Pa・s以上、好ましくは
0.07Pa・s以上であることが望ましく、また水性
原液Iをたとえば前記温度範囲に加温しても粘度低下が
小さく、粘性のない液化ガスと乳化させることが困難に
ならないようにするには、20Pa・s以下、好ましく
は18Pa・s以下であることが望ましい。
【0073】前記水性原液Iと液化ガスとを混合するこ
とにより両成分が乳化され、本発明のエアゾール組成物
Iを得ることができる。
【0074】液化ガスはエアゾール組成物Iにおける噴
射剤であり、該エアゾール組成物Iを吐出したときに、
水性原液Iを液膜とした、きわめて軽い安定な発泡物を
形成させる成分である。
【0075】液化ガスとしては、たとえばプロパン、n
−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物である液化
石油ガス、ジメチルエーテル、フロン類などがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。とくに、水性原液Iと乳化しやすいという
点から、液化石油ガスを主成分とするものが好ましく、
液化ガス中に液化石油ガスが50重量%以上含有される
ことが好ましい。また吐出後ゆっくりと気化し、きわめ
て軽く、使い勝手のよい発泡物を形成させやすいという
点から、液化ガスとして、その20℃における蒸気圧が
0.1〜0.5MPa、さらには0.1〜0.4MPa
のものを用いることが好ましい。
【0076】なお本発明においては、前記液化ガスとと
もに、加圧剤として圧縮ガスを配合してもよく、たとえ
ばチッ素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0077】水性原液Iと液化ガスとの重量比(水性原
液I/液化ガス)は、水性原液I中に液化ガスが乳化し
にくくなり、エアゾール組成物Iを調製するのが困難に
ならないようにするとともに、水性原液Iの量が少なく
なり、たとえば有効成分の効果が充分に発現されないお
それをなくすには、10/90以上、好ましくは15/
85以上であり、また発泡物の泡比重が大きくなり、た
とえば頭髪用セット剤としてセットした頭髪に適用した
場合、泡の自重で頭髪スタイルを乱してしまわないよう
にするには、60/40以下、好ましくは55/45以
下である。このような範囲内に水性原液Iと液化ガスと
の重量比を調整することで、きわめて軽く、すぐれた特
性を有する発泡物が得られるだけでなく、陰イオン性界
面活性剤として、たとえば完全にケン化されていない特
定のケン化度を有する脂肪酸のケン化物(いわゆる、部
分ケン化物)を用いた場合であっても、低温時にケン化
されていない脂肪酸の析出を防止することができる。
【0078】水性原液の粘度が高い場合には、前記範囲
内で水性原液Iと液化ガスとの配合割合を調整したの
ち、これら水性原液Iおよび液化ガスを加温しながら混
合して水性原液Iの粘度を低下させ、乳化してエアゾー
ル組成物Iを得ることができる。この場合、粘度の高い
水性原液Iに粘度の低い液化ガスを多量に乳化させるこ
とが可能である。
【0079】前記水性原液Iと液化ガスとの加温混合
は、たとえばエアゾール製品とする際に用いられる耐圧
性容器内に各成分を充填したのちに行なってもよく、充
填前にあらかじめ行なってもよい。充填後に混合する場
合には、たとえば耐圧性容器を振盪すればよく、充填前
に混合する場合には、たとえば両成分を機械的に混合す
ればよい。
【0080】水性原液Iおよび液化ガスを混合する際の
温度は、水性原液Iの粘度が充分に低下し、液化ガスと
容易に混合して乳化するように、30℃以上、好ましく
は40℃以上であることが望ましく、また液化ガスの圧
力上昇が大きくなりすぎ、耐圧性容器の耐圧を超えない
ように、80℃以下、好ましくは70℃以下であること
が望ましい。
【0081】あらかじめ水性原液Iおよび液化ガスを乳
化したエアゾール組成物Iを耐圧性容器内に充填した
り、または水性原液Iと液化ガスとを順次耐圧性容器内
に充填し、両成分を乳化し、たとえば該耐圧性容器にエ
アゾールバルブ、スパウトを取り付けることにより、エ
アゾール製品を製造することができる。
【0082】前記耐圧性容器にはとくに限定がなく、た
とえばアルミ、ブリキなどの金属製容器、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹
脂製容器、ガラス製容器などを用いることができる。ま
た前記エアゾールバルブやスパウトについては、通常の
発泡性エアゾール製品に用いられているバルブやスパウ
トを用いることができる。
【0083】なお、耐圧性容器に充填されるエアゾール
組成物Iを、低温時であっても確実に吐出することがで
き、また吐出されたエアゾール組成物Iがゆっくりと発
泡し、軽く、長時間にわたって安定な発泡物が容易に得
られるようにするには、25℃でのエアゾール製品の内
圧が0.15MPa以上、好ましくは0.2MPa以上
であることが望ましく、また高温時の製品の安全性を考
慮すると、25℃でのエアゾール製品の内圧が0.8M
Pa以下、好ましくは0.7MPa以下であることが望
ましい。
【0084】このように本発明のエアゾール組成物Iが
充填されたエアゾール製品から吐出される吐出物は、吐
出し、吐出物が発泡してその形状が安定となってからた
とえば1分間以上、好ましくは2分間以上、消泡や破泡
により液状化せずに泡の状態を保持する長時間にわたっ
て安定な発泡物を形成するものであり、安定な状態での
該発泡物の25℃での泡比重は、0.001g/ml以
上、好ましくは0.0015g/ml以上であり、また
0.005g/ml以下、好ましくは0.0045g/
ml以下である。
【0085】さらに前記発泡物は弾力性が小さいので、
該発泡物を手指で押さえたり、擦るなど、あるいは櫛や
ブラシでとくなどの行為により容易に消泡し、有効成分
を均一に付与することができる。
【0086】本発明のエアゾール組成物Iは、きわめて
軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、綿のような感
触であり、なおかつ長時間にわたって安定な発泡物を形
成することができるものである。したがって、本発明の
エアゾール組成物Iが充填されたエアゾール製品は、た
とえばドライ感が要求されるような頭髪用セット剤、保
護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒剤、保護
剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品などに好適に
使用することができる。
【0087】つぎに本発明の発泡性エアゾール製品につ
いて説明する。
【0088】本発明の発泡性エアゾール製品は、界面活
性剤を含有した水性原液IIと液化ガスとが乳化したエ
アゾール組成物IIを耐圧性容器に充填したものであ
り、該発泡性エアゾール製品から吐出後得られる発泡物
は、吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、
時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が
停止して安定となったときに、表面形状は滑らかにな
り、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、
しかも長時間にわたって安定なものである。
【0089】本発明に用いられる水性原液IIには界面
活性剤が含有される。該界面活性剤は水性原液IIに粘
性を付与し、さらに該水性原液IIと液化ガスとを乳化
するための成分であり、エアゾール組成物IIの発泡性
や泡の安定性に関与するものである。
【0090】界面活性剤としては、たとえば非イオン性
界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活
性剤、両性界面活性剤、高分子型界面活性剤、シリコン
系界面活性剤などがあげられる。
【0091】前記非イオン性界面活性剤としては、たと
えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・
硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン・ラ
ノリンアルコール・ミツロウ誘導体、脂肪酸アルキロー
ルアミドなどがあげられる。
【0092】前記陰イオン性界面活性剤としては、たと
えば脂肪酸のケン化物、アルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸
塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエ
タノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナト
リウムなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロ
イルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン
酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウ
ム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリ
ルメチルタウリッドナトリウムなどの高級脂肪酸アミド
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ルリン酸などのリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキ
シルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエ
タノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナト
リウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハ
ク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩、リニアドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベン
ゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼン
スルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリ
ウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N
−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなど
のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセ
リン硫酸ナトリウムなどの高級脂肪酸エステル硫酸エス
テル塩、ロート油などの硫酸化油、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アル
コール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド
硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハ
ク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジト
リエタノールアミン、カゼインナトリウムなどがあげら
れる。
【0093】前記脂肪酸のケン化物の代表例としては、
たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレイン酸などの脂肪酸類と、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアル
カリ類との反応物などがあげられる。
【0094】前記陽イオン性界面活性剤としては、たと
えばアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモ
ニウム塩などがあげられる。
【0095】前記両性界面活性剤としては、たとえば酢
酸べタイン、レシチンなどがあげられる。
【0096】前記高分子型界面活性剤としては、たとえ
ばポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノー
ルポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体
などがあげられる。
【0097】前記シリコン系界面活性剤としては、たと
えばポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合
体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重
合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メ
チルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0098】前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。前記界面活性剤のなか
でも、水性原液に粘性を付与し、吐出後、多量に配合さ
れている液化ガスを大気圧下でありながらゆっくりと気
化させることができ、発泡物の形状が徐々に変化して安
定となったときに得られる発泡物が、長時間にわたる保
持性にすぐれ、きわめて軽い泡を形成させやすいという
点から、陰イオン性界面活性剤が好ましく、そのなかで
もとくに脂肪酸のケン化物が好ましい。
【0099】前記脂肪酸のケン化物のケン化度は、あま
りにも小さいと、遊離の脂肪酸(ケン化されていない脂
肪酸)が多くなり、低温時に脂肪酸が析出しやすくなる
ので、30%以上、好ましくは40%以上であることが
望ましく、またあまりにも大きいと、水性原液IIの粘
度が低下して発泡物の安定性が低下したり、またアルカ
リ性になり、皮膚への刺激や頭髪へのダメージが大きく
なり、さらに発泡物がべたつきやすく、手などに付着し
て取れにくくなるので、100%以下、好ましくは90
%以下であることが望ましい。かかる範囲内でケン化度
を選択することにより、発泡物の堅さを調整することが
できる。
【0100】また脂肪酸の種類を選択することにより、
水性原液IIの粘度を調整することができ、さらに吐出
直後の泡質や発泡時間、泡比重なども調整することがで
きる。たとえば分子量が大きいステアリン酸を用いた場
合には、吐出直後はクリーム状であり、発泡時間が長
く、泡比重が大きくなる傾向がある。一方、分子量が小
さいラウリン酸を用いた場合には、水性原液IIの粘度
は小さくなり、発泡時間は短く、泡の弾力性が小さくな
る傾向がある。かかる脂肪酸の好ましい分子量は200
〜300である。
【0101】水性原液II中の界面活性剤の量は、水性
原液IIの粘度が低く、泡の保持性がわるくならないよ
うに、さらに水性原液IIと液化ガスとを乳化するのが
困難になり、発泡性が低下して泡が形成されにくくなら
ないようにするには、1重量%以上、好ましくは3重量
%以上であることが望ましく、またエアゾール組成物I
Iのべたつき感や皮膚への刺激性が大きくならないよう
にするには、25重量%以下、好ましくは20重量%以
下であることが望ましい。
【0102】水性原液IIには、前記界面活性剤のほか
にも、たとえば有効成分、低級アルコール、多価アルコ
ール、油成分、高分子化合物、その他の添加剤などを配
合することができる。
【0103】有効成分は、エアゾール組成物IIの使用
目的や用途に応じて適宜選択され、たとえば消臭剤、殺
菌・防腐剤、清涼剤、害虫忌避剤、頭髪用セット剤、保
湿剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン
類、酸化防止剤、各種抽出液、皮膚軟化剤、かゆみ止
め、消炎鎮痛剤、収斂剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒ
スタミン剤、美白剤、香料などが用いられる。
【0104】前記消臭剤としては、たとえばラウリル酸
メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチ
ル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノ
ン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどがあげら
れる。
【0105】前記殺菌・防腐剤としては、たとえばパラ
オキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビ
ン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、
感光素、パラクロルメタクレゾールなどがあげられる。
【0106】前記清涼剤としては、たとえば1−メント
ール、カンフルなどがあげられる。
【0107】前記害虫忌避剤としては、たとえばN,N
−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、力プリル酸
ジエチルアミドなどがあげられる。
【0108】前記頭髪用セット剤としては、たとえばジ
アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)
アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オク
チルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリ
ル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・
酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・ア
クリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、
アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共
重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共
重合体エマルジョンなどがあげられる。
【0109】前記保湿剤としては、たとえばプロピレン
グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアル
ロン酸、力ロニン酸、乳酸ナトリウム、d,1−ピロリ
ドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチンなど
があげられる。
【0110】前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラ
アミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエ
ステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パ
ラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮
酸オクチルなどがあげられる。
【0111】前記アミノ酸としては、たとえばグリシ
ン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シ
スチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸、アルギニンなどがあげられる。
【0112】前記ビタミン類としては、たとえばビタミ
ンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピ
リドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、
ニコチン酸d,1−α−トコフェロール、ビタミンD2
(エルゴカシフェロール)、d,1−α一トコフェロー
ル、酢酸d,1−α−トコフェロール、パントテン酸、
ビオチンなどがあげられる。
【0113】前記ホルモン類としては、たとえばエラス
トラジオール、エチニルエストラジオールなどがあげら
れる。
【0114】前記酸化防止剤としては、たとえばアスコ
ルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシト
ルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどがあげられ
る。
【0115】前記各種抽出液としては、たとえばシャク
ヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキ
ス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキ
ス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタ
エキス、シルク抽出液などがあげられる。
【0116】前記皮膚軟化剤としては、たとえば尿素な
どがあげられる。
【0117】前記かゆみ止めとしては、たとえばリドカ
イン、ジフェンヒドラミン、酢酸トコフェロール、グリ
チルリチン酸ジカリウムなどがあげられる。
【0118】前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチ
ル酸メチル、カンフル、ジフェンヒドラミン、インドメ
タシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェ
ン、クロタミトンなどがあげられる。
【0119】前記収斂剤としては、たとえば酸化亜鉛、
アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、ク
エン酸、乳酸などがあげられる。
【0120】前記抗炎症剤としては、たとえばアラント
イン、グリシルレチン酸、アズレンなどがあげられる。
【0121】前記局所麻酔剤としては、たとえば塩酸ジ
ブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどがあ
げられる。
【0122】前記抗ヒスタミン剤としては、たとえば塩
酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン
などがあげられる。
【0123】前記美白剤としては、たとえばアルブチ
ン、コウジ酸などがあげられる。
【0124】なお有効成分は単独でまたは2種以上を混
合して用いることができ、前記例示されたなかでも、後
述する液化ガスへの溶解性がすぐれたものの場合、液化
ガスに溶解させて配合することも可能である。
【0125】水性原液II中の有効成分の量は、その効
果を充分に発揮させるには、0.05重量%以上、好ま
しくは0.1重量%以上であることが望ましく、またそ
の濃度が高すぎて、有効成分の種類によっては人体へ悪
影響を及ぼすおそれをなくすには、20重量%以下、好
ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0126】低級アルコールは、有効成分の溶解剤(溶
媒)としてや、エアゾール組成物IIを噴射させた際の
冷却感の付与、乾燥性の向上など、使用感を向上させた
り、吐出したエアゾール組成物IIの発泡時間や、発泡
の大きさ(発泡倍率)、泡質など、発泡性を調整するた
めに用いられる成分である。
【0127】前記低級アルコールとしては、たとえばエ
チルアルコール、イソプロピルアルコールなど、炭素数
が2〜3の1価アルコールがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0128】水性原液II中の低級アルコールの量は、
それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以
上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、ま
た水性原液IIと液化ガスとが乳化しにくくなり、泡状
でなくスプレー状でエアゾール組成物IIが噴射される
おそれをなくすには、30重量%以下、好ましくは25
重量%以下であることが望ましい。
【0129】多価アルコールは、有効成分の溶解剤(溶
媒)としてや、皮膚や頭髪の保湿性を向上させるなど、
使用感を向上させるために用いられる成分である。
【0130】前記多価アルコールとしては、たとえばグ
リセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコールなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0131】水性原液II中の多価アルコールの量は、
それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以
上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、ま
た乾燥性がわるくなり、使用感が低下するおそれをなく
すには、20重量%以下、好ましくは15重量%以下で
あることが望ましい。
【0132】前記油成分としては、水性原液IIの粘度
を上昇させるなどの調整をしたり、泡の安定性をより向
上させるには、常温でペースト状ないし固形状の油成分
を配合することができる。
【0133】常温でペースト状ないし固形状の油成分と
しては、たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、べへ二ルアルコール、ミリスチルアルコール、ラ
ノリンアルコールなどの高級アルコール;パラフィン、
マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素;ミツロ
ウ、ラノリン、酢酸ラノリン、力ンデリラロウなどのロ
ウ類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0134】また発泡物を頭髪や皮膚などに用いたと
き、撥水性や艶を付与したり、櫛通りをよくするなど、
使用感を向上させるには、常温で液状の油成分を配合す
ることができる。
【0135】常温で液状の油成分としては、たとえばメ
チルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサンなどのシリコーンオイル;ノルマルペンタ
ン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、
流動パラフィン、イソパラフイン、ケロシン、スクワラ
ン、スクワレンなどの炭化水素;ミリスチン酸イソプロ
ピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、パルミチン酸イソプロピル、酢酸エチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエト
キシエチルなどのエステル油;ラウリルアルコール、オ
レイルアルコールなどの高級アルコール;ツバキ油、ト
ウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ
油、アマ二油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの
油脂類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0136】なおノルマルペンタン、イソペンタン、ノ
ルマルヘキサン、イソヘキサンなどの炭素数が5〜6の
炭化水素については、発泡時間や発泡倍率などを調整す
るために、後述する液化ガスとともに配合してもよい。
【0137】水性原液II中の油成分の量は、それによ
る効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好
ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、また
べたついたり、乾燥性がわるくなるなど、使用感が低下
するおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは
10重量%以下であることが望ましい。
【0138】前記高分子化合物は、水性原液IIの粘度
を調整したり、泡の弾力性や消泡性、乾燥性など、泡質
を調整する成分である。
【0139】高分子化合物としては、たとえば力ラギー
ナン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、力
ルボキシメチルデンプン、エチルセルロース、結晶セル
ロース、力ルボキシビニルポリマー、キサンタンガムな
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。これらのなかでも、水性原液I
Iが増粘しやすく、乾燥性にすぐれた泡が得られるとい
う点から、ゼラチンを用いることが好ましい。
【0140】水性原液II中の高分子化合物の量は、そ
れによる効果を充分に発現させるには、0.1重量%以
上、好ましくは0.3重量%以上であることが望まし
く、また水性原液IIの粘度が高くなりすぎて発泡性が
わるくなったり、取扱い性が低下するおそれをなくすに
は、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であるこ
とが望ましい。
【0141】前記その他の添加剤としては、たとえばp
H調整剤、粉体などがあげられる。
【0142】前記pH調整剤は、水性原液IIやエアゾ
ール組成物IIを長時間にわたって安定化させるために
用いられ、エアゾール組成物IIをたとえば金属製容器
内に充填する際に該金属製容器への腐食を少なくした
り、有効成分が経時的に分解されることを防止する成分
である。
【0143】pH調整剤としては、たとえば乳酸、クエ
ン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、
酒石酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
アンムニウムなどがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0144】前記粉体は、粉体自体が有効成分として作
用したり、他の有効成分を担持する担体、保護剤、付着
剤、固体潤滑剤などとして作用する成分である。
【0145】粉体としては、たとえばタルク、酸化亜
鉛、力オリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸カルシウム、シリ力、ゼオライト、セラミ
ックパウダー、チッ化ホウ素などがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0146】水性原液II中のその他の添加剤の量は、
前記界面活性剤、有効成分、低級アルコール、多価アル
コール、油成分、高分子化合物などの量を考慮し、たと
えば0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重
量%であることが望ましい。
【0147】水性原液II中には、たとえば精製水、イ
オン交換水、蒸留水などの水が溶媒として含有されてい
る。また前記低級アルコールや多価アルコールなどの水
に可溶な成分も溶媒として作用する場合もある。
【0148】水性原液II中の水の量は、通常前記界面
活性剤、有効成分、低級アルコール、多価アルコール、
油成分、高分子化合物、その他の添加剤の残量であり、
水性原液IIが全量100重量%となるように適宜調整
される。
【0149】前記界面活性剤や、必要に応じて有効成
分、油成分、高分子化合物、その他の添加剤を、水や低
級アルコール、多価アルコールなどの溶媒と撹拌混合
し、溶解ないし分散させることにより水性原液IIを得
ることができる。なお界面活性剤や油成分などの常温で
ペースト状ないし固形状の成分を用いる場合には、各成
分の混合物をたとえば30〜90℃程度に加温し、水性
原液IIの粘度が後述する範囲をこえ、あまりにも高く
なりすぎないようにすることが好ましい。とくに界面活
性剤として脂肪酸のケン化物を用いる場合は、アルカリ
類を最後に添加してケン化することが、水性原液IIを
調製しやすいという点から好ましい。
【0150】かくして得られる水性原液IIの25℃に
おける粘度は、吐出後、乳化していた液化ガスが短時間
で気化し、急激に発泡物の容積が増大して泡の1粒1粒
が大きくなって発泡物が粗くなり、長時間にわたって安
定な発泡物が形成されにくく、破泡しやすくなるおそれ
をなくすためには、0.05Pa・s以上、好ましくは
0.07Pa・s以上であることが望ましく、また水性
原液IIをたとえば前記温度範囲に加温しても粘度低下
が小さく、粘性のない液化ガスと乳化させることが困難
にならないようにするには、20Pa・s以下、好まし
くは18Pa・s以下であることが望ましい。
【0151】前記水性原液IIと液化ガスとを混合する
ことにより両成分が乳化され、本発明のエアゾール製品
に用いられるエアゾール組成物IIを得ることができ
る。
【0152】液化ガスはエアゾール組成物IIにおける
噴射剤であり、該エアゾール組成物IIを吐出したとき
に、水性原液IIを液膜とした、きわめて軽い安定な発
泡物を形成させる成分である。
【0153】液化ガスとしては、たとえばプロパン、n
−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物である液化
石油ガス、ジメチルエーテル、フロン類などがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。とくに、水性原液IIと乳化しやすいとい
う点から、液化石油ガスを主成分とするものが好まし
く、液化ガス中に液化石油ガスが50重量%以上含有さ
れることが好ましい。また吐出後ゆっくりと気化し、き
わめて軽く、使い勝手のよい発泡物を形成させやすいと
いう点から、液化ガスとして、その20℃における蒸気
圧が0.1〜0.5MPa、さらには0.1〜0.4M
Paのものを用いることが好ましい。
【0154】なお本発明においては、前記液化ガスとと
もに、加圧剤として圧縮ガスを配合してもよく、たとえ
ばチッ素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0155】水性原液IIと液化ガスとの重量比(水性
原液II/液化ガス)は、水性原液II中に液化ガスが
乳化しにくくなり、エアゾール組成物IIを調製するの
が困難にならないようにするとともに、水性原液IIの
量が少なくなり、たとえば有効成分の効果が充分に発現
されないおそれをなくすには、10/90以上、好まし
くは15/85以上であることが望ましく、また発泡物
の泡比重が大きくなり、たとえば頭髪用セット剤として
セットした頭髪に適用した場合、泡の自重で頭髪スタイ
ルを乱してしまわないようにするには、60/40以
下、好ましくは55/45以下であることが望ましい。
このような範囲内に水性原液IIと液化ガスとの重量比
を調整することで、きわめて軽く、すぐれた特性を有す
る発泡物が得られるだけでなく、界面活性剤として、た
とえば完全にケン化されていない特定のケン化度を有す
る脂肪酸のケン化物(いわゆる、部分ケン化物)を用い
た場合であっても、低温時にケン化されていない脂肪酸
の析出を防止することができる。
【0156】水性原液の粘度が高い場合には、たとえば
前記範囲内で水性原液IIと液化ガスとの配合割合を調
整したのち、これら水性原液IIおよび液化ガスを加温
しながら混合して水性原液IIの粘度を低下させ、乳化
してエアゾール組成物IIを得ることができる。この場
合、粘度の高い水性原液IIに粘度の低い液化ガスを多
量に乳化させることが可能となる。
【0157】前記水性原液IIと液化ガスとの加温混合
は、エアゾール製品とする際に用いられる耐圧性容器内
に各成分を充填したのちに行なってもよく、充填前にあ
らかじめ行なってもよい。充填後に混合する場合には、
たとえば耐圧性容器を振盪すればよく、充填前に混合す
る場合には、たとえば両成分を機械的に混合すればよ
い。
【0158】水性原液IIおよび液化ガスを混合する際
の温度は、水性原液IIの粘度が充分に低下し、液化ガ
スと容易に混合して乳化するように、30℃以上、好ま
しくは40℃以上であることが望ましく、また液化ガス
の圧力上昇が大きくなりすぎ、耐圧性容器の耐圧を超え
ないように、80℃以下、好ましくは70℃以下である
ことが望ましい。
【0159】あらかじめ水性原液IIおよび液化ガスを
乳化したエアゾール組成物IIを耐圧性容器内に充填し
たり、または水性原液IIと液化ガスとを順次耐圧性容
器内に充填し、両成分を乳化し、たとえば該耐圧性容器
にエアゾールバルブ、スパウトを取り付けることによ
り、本発明の発泡性エアゾール製品を製造することがで
きる。
【0160】前記耐圧性容器にはとくに限定がなく、た
とえばアルミ、ブリキなどの金属製容器、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹
脂製容器、ガラス製容器などを用いることができる。ま
た前記エアゾールバルブやスパウトについては、通常の
発泡性エアゾール製品に用いられているバルブやスパウ
トを用いることができる。
【0161】なお、耐圧性容器に充填されるエアゾール
組成物IIを低温であっても確実に吐出することがで
き、また吐出されたエアゾール組成物IIがゆっくりと
発泡し、軽く、長時間にわたって安定な発泡物が容易に
得られるようにするには、25℃での発泡性エアゾール
製品の内圧が0.15MPa以上、好ましくは0.2M
Pa以上であることが望ましく、また高温時の製品の安
全性を考慮すると、25℃での発泡性エアゾール製品の
内圧が0.8MPa以下、好ましくは0.7MPa以下
であることが望ましい。
【0162】このように、本発明の発泡性エアゾール製
品から吐出される吐出物は、吐出直後は表面形状が粗
く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の
形状が変化し、形状変化が停止して安定となったとき
に、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も
小さく、乾燥性にすぐれ、しかもたとえば発泡物が安定
となってから1分間以上、好ましくは2分間以上、消泡
や破泡せずにその形状を保持する長時間にわたって安定
な発泡物を形成することができる。
【0163】前記発泡物の形状変化が停止したときの発
泡物の25℃での泡比重は、0.001g/ml以上、
好ましくは0.0015g/ml以上であり、また0.
005g/ml以下、好ましくは0.0045g/ml
以下である。
【0164】また吐出直後の発泡物の泡比重と形状変化
が停止したときの発泡物の泡比重との比(吐出直後の発
泡物の泡比重/形状変化が停止したときの発泡物の泡比
重、発泡倍率)は、1.5以上で、好ましくは2以上で
あることが望ましく、また10以下、好ましくは8以下
であることが望ましい。
【0165】吐出してから発泡物の形状変化が安定する
までの時間(発泡時間)は90秒間以上、好ましくは1
20秒間以上であることが望ましく、水性原液中に乳化
している液化ガスをゆっくりと気化させ、それに伴い泡
をゆっくりと増大させることで、形状が安定したときの
泡比重が0.001〜0.005g/mlと非常に小さ
く、軽い泡となり、さらに泡の安定性および消泡時の乾
燥性にすぐれたものとなる。一方、発泡時間が短いと泡
比重が大きくなる傾向がある。
【0166】さらに前記発泡物は弾力性が小さいので、
該発泡物を手指で押さえたり、擦るなど、あるいは櫛や
ブラシでとくなどの行為により容易に消泡し、有効成分
を均一に付与することができる。
【0167】本発明の発泡性エアゾール製品は、きわめ
て軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、綿のような
感触であり、なおかつ長時間にわたって安定な発泡物を
形成することができるものである。したがって、本発明
の発泡性エアゾール製品は、たとえばドライ感が要求さ
れるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭
髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤
などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0168】さらに本発明の発泡性エアゾール製品は、
前記発泡物が長時間にわたって安定であるので、車内や
室内用の消臭剤、芳香剤、殺虫剤などとして用いること
ができ、発泡物が消泡してなくなることにより、発泡物
に含まれる有効成分の効果がなくなったことを目視にて
確認することができる。さらに本発明の発泡性エアゾー
ル製品から得られる発泡物は、水面上に浮かべた場合で
あっても、発泡物はすぐに消泡せずに泡の状態を保持す
ることができるので、入浴剤などにも好適に使用するこ
とができる。
【0169】
【実施例】つぎに本発明のエアゾール組成物および発泡
性エアゾール製品を実施例に基づいて説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0170】なお以下の各製造例1〜12で得られた
「水性原液」とは水性原液Iおよび水性原液IIを含
み、また各実施例1〜16で得られた「エアゾール組成
物」とはエアゾール組成物Iおよびエアゾール組成物I
Iを、「エアゾール製品」とはエアゾール組成物Iが充
填されてなるエアゾール製品およびエアゾール組成物I
Iが充填されてなる発泡性エアゾール製品を含むもので
ある。
【0171】製造例1 以下に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性
原液aを得た。
【0172】 水性原液組成 量(重量%) ミリスチン酸 10.0 ポリオキシエチレン(100) 1.0 硬化ヒマシ油 (HLB:16.5、商品名:HCO−100、 日光ケミカルズ(株)製) ポリオキシエチレンラノリン 0.5 (HLB:15.0、商品名:TW−20、 日光ケミカルズ(株)製) ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0 モノラウレート (HLB:16.9、商品名:TL−10、 日光ケミカルズ(株)製) トリエタノールアミン(10%水溶液) 35.0 精製水 52.5 (合計) (100.0)
【0173】得られた水性原液aの25℃における粘度
をB型粘度計にて測定したところ、1.35Pa・sで
あった。
【0174】またミリスチン酸とトリエタノールアミン
との反応物(脂肪酸のケン化物)のケン化度は53.6
%であった。
【0175】実施例1〜5および比較例1 前記製造例1で得られた水性原液aを60℃に加温し、
これと表1に示す液化ガスとを、透明なガラス製エアゾ
ール用耐圧容器(満注量:100ml)内に表1に示す
割合で順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを
嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品
を得た。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は
0.21〜0.43MPaであった。
【0176】表1中および後述する液化ガスの略号は、
以下のとおりである。 LPG−1:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:
0.19MPa) LPG−2:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:
0.39MPa) LPG−3:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:
0.45MPa) LPG−4:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:
0.34MPa) DME:ジメチルエーテル(20℃における蒸気圧:
0.48MPa)
【0177】
【表1】
【0178】製造例2〜12 表2に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性
原液b〜lを得た。
【0179】得られた水性原液b〜lの25℃における
粘度(Pa・s)をB型粘度計にて測定した。その結果
を表2に示す。
【0180】また脂肪酸とトリエタノールアミンとの反
応物(脂肪酸のケン化物)のケン化度(%)も併せて表
2に示す。
【0181】なお表2中の各略号は以下のとおりであ
る。 HCO100:ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマ
シ油 (HLB:16.5、 商品名:HCO−100、日光ケミカルズ(株)製) HCO40:ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 (HLB:12.5、 商品名:HCO−40、日光ケミカルズ(株)製) TL:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ
レート (HLB:16.9、 商品名:TL−10、日光ケミカルズ(株)製) PBC:ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピ
レン(8) セチルエーテル(HLB:12.5、 商品名:PBC−44、日光ケミカルズ(株)製) TW:ポリオキシエチレンラノリン(HLB:15.
0、 商品名:TW−20、日光ケミカルズ(株)製) TEA:トリエタノールアミン(10%水溶液) GE:ゼラチン(5%水溶液)
【0182】
【表2】
【0183】実施例6〜16 前記製造例2〜12で得られた水性原液b〜lを60℃
に加温し、これとLPG−1とを、実施例1〜5および
比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内に、両者の割合
が水性原液/LPG−1(重量比)=30/70となる
ように順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを
嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品
を得た(実施例6〜16は順に水性原液b〜lに対
応)。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は
0.21〜0.23MPaであった。
【0184】比較例2(従来のトリートメントフォー
ム) 以下に示す各成分を25℃にて充分に撹拌混合し、水性
原液を得た。
【0185】 水性原液組成 量(重量%) メチルポリシロキサン 5.0 シリコーンエマルジョン 5.0 ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0 モノラウレート 精製水 89.0 (合計) (100.0)
【0186】得られた水性原液の25℃における粘度を
B型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下
であった。
【0187】前記水性原液とLPG−3とを、実施例1
〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内
に、両者の割合が水性原液/LPG−3(重量比)=9
3/7となるように順次充填し、エアゾールバルブおよ
びスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエ
アゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾール
製品の内圧は0.46MPaであった。
【0188】比較例3(従来のシェービングフォーム) 以下に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性
原液を得た。
【0189】 水性原液組成 量(重量%) ミリスチン酸 1.0 ステアリン酸 6.0 トリエタノールアミン 2.4 水酸化カリウム 0.6 ポリオキシエチレン・ 1.0 メチルポリシロキサン共重合体 ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0 グリセリン 6.0 精製水 82.0 (合計) (100.0)
【0190】得られた水性原液の25℃における粘度を
B型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下
であった。また脂肪酸(ミリスチン酸およびステアリン
酸)とアルカリ類(トリエタノールアミンおよび水酸化
カリウム)との反応物のケン化度は105.1%であっ
た。
【0191】前記水性原液とLPG−4とを、実施例1
〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内
に、両者の割合が水性原液/LPG−4(重量比)=9
5.5/4.5となるように順次充填し、エアゾールバ
ルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填
されたエアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエ
アゾール製品の内圧は0.37MPaであった。
【0192】比較例4(従来のクラッキングフォーム) 以下に示す各成分を25℃にて充分に撹拌混合し、水性
原液を得た。
【0193】 水性原液組成 量(重量%) ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン 2.0 (8)セチルエーテル エタノール 15.0 タルク 1.0 精製水 82.0 (合計) (100.0)
【0194】得られた水性原液の25℃における粘度を
B型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下
であった。
【0195】前記水性原液とLPG−1とを、実施例1
〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内
に、両者の割合が水性原液/LPG−1(重量比)=3
0/70となるように順次充填し、エアゾールバルブお
よびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填された
エアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾー
ル製品の内圧は0.21MPaであった。
【0196】前記実施例1〜16および比較例1〜4の
各エアゾール製品を25℃の恒温水槽内にて30分間保
持し、エアゾール製品を25℃の状態にしてからエアゾ
ール組成物を吐出させ、得られた吐出物の特性を以下の
方法にて調べた。その結果を表3および表4に示す。
【0197】なお比較例4のエアゾール組成物は、破泡
が速く、泡比重については測定することができなかっ
た。
【0198】(イ)泡比重 (i)吐出直後の泡比重 容積100mlのカップ状の容器内に、エアゾール組成
物を吐出させて泡を充填してその重量を測定し、25℃
における吐出直後の泡比重(g/ml)を算出した。
【0199】(ii)安定時の泡比重 前記エアゾール組成物を吐出後、30秒間経過ごとに泡
の容積を100mlに調整して泡の重量を測定し、泡の
容積増大がなくなった時点(形状変化が停止したとき)
の泡比重を安定時の泡比重(g/ml)とした。
【0200】(iii)発泡倍率 前記吐出直後の泡比重と安定時の泡比重との比(吐出直
後の泡比重/安定時の泡比重)を算出し、安定時の泡の
発泡倍率(倍)とした。
【0201】(iv)発泡時間 前記エアゾール組成物の吐出から安定時までの時間を発
泡時間(秒)とした。なお吐出直後と30秒間経過後と
の泡の容積に差がないときは、発泡時間を30秒以内と
した。
【0202】(ロ)安定性 エアゾール組成物をガラス製のシャーレ内に吐出させて
得られた泡を25℃で放置し、破泡や消泡の有無を目視
にて観察し、以下の評価基準に基づいて安定性を評価し
た。
【0203】(評価基準) ◎:泡が安定となり、消泡や破泡が確認されるまでの時
間(安定時間)が2分間以上である。 ○:安定時間が1分間以上、2分間未満である。 △:吐出してから1分間後には泡の一部が消泡し、液状
化する。 ×:吐出直後に破泡および消泡し、泡のほとんどが液状
化する。
【0204】(ハ)乾燥性 エアゾール組成物をペーパータオル(商品名:キムタオ
ル、(株)クレシア製)に吐出させて得られた泡を25
℃で10秒間放置したのち、手指でせん断を加えて消泡
させ、以下の評価基準に基づいて乾燥性を評価した。
【0205】(評価基準) ◎:完全に乾燥してさらさらしており、ペーパータオル
にしみ込んだ形跡がない。 ○:ペーパータオルにわずかにしみ込んだ形跡が認めら
れるが、手指に濡れた感覚はない。 △:ペーパータオルにしみ込んだ形跡が認められ、手指
に少し濡れた感覚がある。 ×:ペーパータオルにかなりしみ込んでおり、手指も濡
れている。
【0206】
【表3】
【0207】
【表4】
【0208】表3および表4に示された結果から、実施
例1〜16で得られたエアゾール組成物を吐出させて得
られた泡は、いずれも吐出後ゆっくりと発泡してその容
積が増大し、泡の形状変化が安定するまで120秒以上
要している。また安定時の泡の発泡倍率は2.1倍以上
で、泡比重は約0.002〜0.004g/mlときわ
めて小さく、泡はすぐに消泡や破泡せずに安定であり、
さらに泡にせん断を加えて消泡させたとき、消泡部分で
の乾燥性にすぐれていることがわかる。
【0209】一方、発泡時間が60秒間と短く、短時間
で泡の形状変化が安定する比較例1では、泡の発泡倍率
が小さく、安定時の泡比重が0.0072g/mlと大
きくなる。また泡の安定性はよいものの、乾燥性に劣る
ものである。
【0210】さらに比較例2〜3の従来のエアゾール組
成物は、吐出後さらに短時間で泡が安定し、泡比重はき
わめて大きく、比較例4のエアゾール組成物にいたって
は、破泡が速すぎて泡比重の測定ができなかった。また
泡の安定性および乾燥性がともにわるく、実施例1〜1
6のエアゾール組成物から得られる泡とは対称的な特性
を有するものであることがわかる。
【0211】
【発明の効果】本発明のエアゾール組成物は、多量の液
化ガスが水性原液に乳化しているにもかかわらず、長時
間にわたって安定な発泡物を形成することができるもの
である。
【0212】したがって本発明のエアゾール組成物が充
填されたエアゾール製品は、たとえばドライ感が要求さ
れるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭
髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤
などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0213】また本発明の発泡性エアゾール製品は、吐
出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の
経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止し
て安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわ
めて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長
時間にわたって安定な発泡物を形成することができるも
のである。
【0214】したがって、本発明の発泡性エアゾール製
品は、たとえばドライ感が要求されるような頭髪用セッ
ト剤、保護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒
剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品など
に好適に使用することができる。
【0215】さらに本発明の発泡性エアゾール製品は、
前記発泡物が長時間にわたって安定であるので、車内や
室内用の消臭剤、芳香剤、殺虫剤などとして用いること
ができ、発泡物が消泡してなくなることにより、発泡物
に含まれる有効成分の効果がなくなったことを目視にて
確認することができる。
【0216】さらに本発明の発泡性エアゾール製品から
得られる発泡物は、水面上に浮かべた場合であっても、
発泡物はすぐに消泡せずに泡の状態を保持することがで
きるので、入浴剤などにも好適に使用することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン性界面活性剤を含有した水性原
    液と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物であって、
    水性原液と液化ガスとの重量比(水性原液/液化ガス)
    が10/90〜60/40で、25℃での泡比重が0.
    001〜0.005g/mlである発泡物を形成するエ
    アゾール組成物。
  2. 【請求項2】 水性原液中の陰イオン性界面活性剤の量
    が3〜20重量%である請求項1記載のエアゾール組成
    物。
  3. 【請求項3】 陰イオン性界面活性剤が脂肪酸のケン化
    物である請求項1または2記載のエアゾール組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪酸のケン化物のケン化度が30〜1
    00%である請求項3記載のエアゾール組成物。
  5. 【請求項5】 水性原液中に乳化補助剤が0.1〜10
    重量%含まれる請求項1、2、3または4記載のエアゾ
    ール組成物。
  6. 【請求項6】 界面活性剤を含有した水性原液と液化ガ
    スとが乳化したエアゾール組成物を耐圧性容器内に充填
    してなる発泡性エアゾール製品であって、該発泡性エア
    ゾール製品からの吐出物が経時的に形状変化する発泡物
    を形成し、該発泡物の形状変化が停止したときの発泡物
    の25℃での泡比重が0.001〜0.005g/ml
    である発泡性エアゾール製品。
  7. 【請求項7】 吐出直後の発泡物の泡比重と形状変化が
    停止したときの発泡物の泡比重との比(吐出直後の発泡
    物の泡比重/形状変化が停止したときの発泡物の泡比
    重)が1.5以上である請求項6記載の発泡性エアゾー
    ル製品。
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