JP2003080823A - インクジェット記録用転写媒体及び製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用転写媒体及び製造方法

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JP2003080823A
JP2003080823A JP2001273476A JP2001273476A JP2003080823A JP 2003080823 A JP2003080823 A JP 2003080823A JP 2001273476 A JP2001273476 A JP 2001273476A JP 2001273476 A JP2001273476 A JP 2001273476A JP 2003080823 A JP2003080823 A JP 2003080823A
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inkjet recording
image
fine particles
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JP2001273476A
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English (en)
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Kenji Yabuta
健次 藪田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット方式により高精細な記録画像を
形成し、この記録画像を凹凸を有する被転写体へ熱転写
し、階調性に優れると共に耐傷性、耐水性等保存性の高
い転写画像を得る。 【解決手段】基材の少なくとも一方の面に、前記基材か
らクッション層、剥離性保護層及びインク受容層とを順
次形成する。前記クッション層は、ガラス転移点が50
℃以下の樹脂を主成分としで構成でき、剥離性保護層は
ガラス転移点が70℃以上の樹脂からなる事が好まし
く、前記インク受容層は、親水性重合体及び熱可塑性有
機微粒子で構成できる。また、クッション層の形成時に
ラテックス或いはエマルジョンを使用して機械的攪拌で
微細気泡を含有させる事で特に転写面への密着性に優れ
てドット抜けのないインクジェット記録用転写媒体を製
造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は凹凸を有する受像面
に強固に保護された高画質な階調情報を記録するのに有
用なインクジェット記録用転写媒体及び製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、テレホンカード、定期乗車券、乗
車券購入カード、ハイウェイカード、プリペイドカー
ド、キャッシュカード、クレジットカード、IDカー
ド、ICカード、会員証カード等の各種カードが情報記
録媒体として、広く利用されている。これらのカードは
多くの情報を安全に、信頼性高く記録、運用する目的で
磁気ストライプ等の磁気記録から光記録、ICメモリー
記録へと移行しており、用途の多様化もあいまって、こ
れらを組み合わせた複合カードも存在する。
【0003】ICカードは、磁気カードと比較して、格
段に記憶容量が大きいこと、高度なセキュリティー機能
を有していること、カード自体でデータ処理が可能であ
ることなどから、今後の有望な情報媒体として考えられ
ている。そのカードは、データの入出力はカードに設置
された端子の接触で行われる接触式ICカードと通信コ
イルを内蔵し、離れた場所からデータの入出力が可能な
非接触式ICカードに大別される。ところが、接触式I
Cカードは、静電気破壊に対する対策、端子電極の電気
的接続不良、リーダー/ライターの機構が複雑であるな
どの問題を有している。これに対し、非接触式ICカー
ドは、接点が不要で損傷や摩耗に強く、振動・ちり・遮
蔽物にかかわらず読みとれること、リーダー/ライター
に駆動部が不要でメンテナンスコストが安いこと等が上
げられる。このように非接触式ICカードは、利用者の
立場からみた場合、毎回カードを取り出してリーダー/
ライターに差し込まなくても、かざすあるいはただ通り
過ぎるだけで、読み取り書き込みが終了するので利便性
が高い。
【0004】そこで、近年では、非接触式ICカードが
開発され、このカードの特徴を利用した新しい適用が進
展している。この非接触式ICカードの製造方法として
は、ラミネート方式又は射出成形方式で行われている。
ラミネート方式は、センターコアーシートにICモジュ
ールを入れ、その両面にオーバーシートを積層して熱プ
レス又は、接着剤をオーバーシートに塗布して圧着する
方法である。また、射出成形方式は、ICモジュールが
固定されたシートを金型内に挿入し、もう一方の金型面
にシートをセットして、その金型の隙間に樹脂を射出注
入する方法である。
【0005】ところで、これらのICカードは各種情報
を人間が目視で把握、確認できない不可視情報として記
録されており、専用の読み書き装置にかけないと記録情
報を取り出すことができない。人間が目視で確認できる
記録情報は人名、会員番号、口座番号などの一部の固定
情報などをエンボス加工、熱転写印字などの表示方法に
より、カード表面に設ける可視表示部に表記することで
成されてきた。特に顔画像の様な階調性を要求される情
報には高精細で濃度階調表現が可能な昇華熱転写法等で
表記されてきた。
【0006】しかし、従来の熱転写記録法では、熱転写
記録した画像にムラやドット抜けなどが生じる不良品が
しばしば発生するという問題があった。
【0007】この問題は、昇華型熱転写記録によってカ
ード上に顔画像等の階調性の画像を記録する際に特に顕
著であり、問題が大きなものとなっている。
【0008】この不良品の発生する原因が、熱転写記録
法で画像を記録する受像面の平面性にあり、受像面に凹
凸が存在し、平面性が損なわれていると、熱転写記録を
行う際に、画像にムラやドット抜けが発生してしまう。
【0009】従って、ICカードのように複数の層の間
にICチップを挿入して形成されるカードは、カードの
湾曲による平面性の劣化、断裁によって生じたゴミが層
間に混入されたり、表面に付着したりすることによる平
面性の劣化、またはICチップを層間に挿入することに
伴う平面性の劣化が起こりやすいため、特に画像の不良
が発生する確率が大きく、不良品の記録カードが発生す
る確率が大きかった。
【0010】また、熱転写記録法では情報記録に寄与し
ない非画像部の染料は廃棄物として処理される為に、コ
スト面、環境面からの課題も兼ねてから指摘されてお
り、かかる課題に関しては特開平8−207450号公
報で親水性バインダー樹脂、熱可塑性高分子樹脂及び多
孔性無機粒子よりなる転写層にインクジェット記録で必
要な情報を記録した後に熱転写する方法が開示されてい
る。かかる方法によって情報記録に必要な染料だけが画
像形成に使用され、無駄な染料の使用と云う問題は解決
するがICカードのように凹凸を有する受像面に画像保
存性に優れて、しかも高精細な画像を形成する事は困難
であった。
【0011】また、かかる凹凸を有する面に熱転写時の
密着性を向上させる方法として特開平10−29712
2号公報には100%モジュラスが80Kg/cm2
下の軟質樹脂層を設ける技術が開示されているが、かか
る軟質樹脂を保護層として設けると凹凸面への密着性は
改良されるものの、ICカード等の繰り返して使用され
る用途に要求される画像の耐傷性には難点があった。ま
た、かかる問題はICカードに限らずとも、凹凸の大き
い普通紙等のシート状基材へ高画質の階調画像を形成出
来る転写媒体としても改良が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑み成されたものである。
【0013】本発明は、平面性が多少損なわれているカ
ードであっても、良好な高精細画像を記録することを可
能にし、常に高品質の画像を有するICカードと製造方
法に関するものである。特に平面性の劣化が湾曲や、内
部にICチップ等が挿入されることによって生じる緩や
かで大きな凹凸であっても、高品質の画像を有するIC
カードに関するものである。
【0014】また、ICカードは繰り返して多数回使用
される為に、単にICカード上にインクジェット記録さ
れた層を転写しただけでは、画像の耐傷性や耐水性等の
保存性には課題があり、本発明は、かかる課題の解決を
目指すものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の少なく
とも一方の面に、該基材からクッション層、剥離性保護
層及び親水性重合体と熱可塑性有機微粒子を含むインク
受容層とが順次形成されたインクジェット記録用転写媒
体である。
【0016】クッション層が、ガラス転移点が50℃以
下の樹脂を主成分とした層であることが好ましい。
【0017】剥離性保護層がガラス転移点が70℃以上
の樹脂を主成分とした層である事が好ましい。
【0018】親水性重合体が、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこれら
の変性体から選択された少なくとも一種を使用する事が
好ましい。
【0019】熱可塑性有機微粒子が平均粒子径300n
m以下の熱可塑性有機微粒子であることが好ましい。
【0020】熱可塑性有機微粒子がアニオン性又はカチ
オン性の熱可塑性有機樹脂粒子であることが好ましい。
【0021】親水性重合体(A)と熱可塑性有機微粒子
(B)との割合(A/B)が、固形分換算で、A/B=
10/90〜50/50(質量%)であることが好まし
い。
【0022】基材上にクッション層を設けるに当たり、
ラテックス又はエマルジョンを用いて、特に好ましく
は、機械的攪拌により微細気泡を分散、含有させた気泡
含有液として基材上に塗布してクッション層を設けるイ
ンクジェット記録用転写媒体の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記す。本発
明は、基材と、基材からクッション層、剥離性保護層及
びインク受容層と順次形成される。本発明のインクジェ
ット記録用転写媒体は、飛翔するインク小滴により記録
し、記録画像を被転写体に熱転写して転写画像を形成す
るインクジェット記録用転写媒体として有用である。特
に凹凸を有する受像面に高精細で画像保存性に優れたイ
ンクジェット記録画像を得るのに有用なインクジェット
記録用転写媒体及び製造方法である。
【0024】[基材]基材としては、不透明、半透明や
透明な基材が使用できる。通常、プラスチックフィルム
などが挙げられる。プラスチックフィルムを構成するポ
リマーとしては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ートなどのポリアルキレンナフタレートなど)、ポリア
ミド(ポリアミド6、ポリアミド6/6など)などが挙
げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミドなどが使用され、特
に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポリエス
テル(特にポリエチレンテレフタレートなど)が好まし
い。
【0025】基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通
常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm程
度である。プラスチックフィルムには、必要に応じて、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、顔料など
の慣用の添加剤を添加してもよい。
【0026】[クッション層]本発明のクッション層の
好ましい特性は、必ずしも素材の種類で規定できるもの
ではないが、素材自身の特性が好ましいものとしては、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブ
テン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹
脂(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SI
S)、アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ポ
リノルボルネン等が挙げられる。
【0027】これらの中でも、比較的低分子量のものが
本発明の要件を満たし好ましい。
【0028】又、上記以外の素材でも、各種添加剤を加
えることによりクッション層に好ましい特性が得られ
る。
【0029】本発明のクッション層の形成においては、
ラテックス又はエマルジョンを用い、更に好ましくは機
械的攪拌で微細気泡を含有する気泡含有液として、基材
上に塗布し、更に剥離性保護層、インク受容層を順次形
成することで熱転写時のクッション性に優れたインクジ
ェット記録用媒体を製造することが出来る。かかるラテ
ックス又はエマルジョンとしては、アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂など、広範囲のラテックス又はエマルジョン
を使用することができる。
【0030】柔軟なクッション性を得るためにガラス転
移点(Tg)が50℃以下であることが必要であり、最
低造膜温度も50℃以下であることが好ましい。最低造
膜温度が50℃を超えると、柔軟性が乏しくなるだけで
なく、造膜時にクラックが入り易くなる。ガラス転移点
も50℃を超えると柔軟性が乏しくなり、また熱転写時
の剥離性保護層との離型性にも悪影響を及ぼす。
【0031】ラテックス又はエマルジョンの中でもアク
リル系樹脂は、モノマーの種類、重合比など容易に変え
ることが可能であり、クッション性層として好ましい物
性のものを得ることが出来るので特に好ましい。
【0032】柔軟なクッション層が工程内でブロッキン
グを起こさないように離型性のある界面活性剤を含んで
いるものが好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルなどが使用される。
【0033】帯電防止剤としては、従来公知の表面塗布
型帯電防止剤を使用することが出来る。具体的にはポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アル
キルスルホネート、アルキルスルホネート、アルキルベ
ンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキル
ホスフェート、第4級アンモニウムクロライド、第4級
アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイト
レート、アルキルベタイン型化合物、アルキルイミダゾ
リン型化合物、アルキルアラニン型化合物や、ポリビニ
ルベンジル型カチオン、ポリアクリル酸型カチオン等の
導電性樹脂、錫ゾル、五酸化バナジウム、酸化チタン、
カーボンブラック、グラファイト等が使用できる。
【0034】この他、クッション性の向上、最低造膜温
度の低下などを目的として可塑剤を添加することも可能
である。具体的には燐酸エステル、フタル酸エステル、
脂肪族1塩基酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、2
価アルコールエステル、オキシ酸エステル等からラテッ
クス樹脂との相溶性を考慮し選択される。又、着色を目
的としては各種顔料を添加することも可能である。
【0035】本発明においてクッション層は、ラテック
ス又はエマルジョンを用い、更に好ましくは機械的攪拌
で多数の微細気泡を含有させ、これを基材上に塗工し、
乾燥することによって得ることができるが、気泡を形
成、含有させる方法や設備、および塗工方法には特に厳
格な制限はない。
【0036】また気泡を含有するラテックス又はエマル
ジョンの気泡含有状態にも特に制限はないが、好ましく
は気泡含有液の原液に対する体積比(以下、発泡倍率と
いう)が1倍を越え5倍以下であることが好ましく、よ
り好ましくは1倍を越え4倍以下である。すなわち発泡
倍率は気泡含有液中の気泡含有率を示す尺度であり、発
泡倍率が大きくなると、クッション層の表面平滑性が低
下して画像転写時にドット抜けを起こす。また発泡倍率
が小さいとクッション性が低下する為にやはりドット抜
けを起こしやすくなる。
【0037】この点において、クッション層中の気孔の
大きさも重要な要因である。すなわちインク受容層を転
写したとき、良好な画像を受像面上に形成するには、ク
ッション層中の平均気孔直径が0.5〜30μmの範囲
にあることが必要であり、好ましくは0.5〜20μm
の範囲である。平均気孔直径は、そのサイズすなわち大
きさに起因するクッション能力と関係しており、気孔が
小さいほどその能力は大きい。しかしながら平均気孔直
径が0.5μm未満であると、転写不良でドット抜けを
起こすことがある。一方、平均気孔直径が30μmより
大きく、気孔のサイズが過大になると、良好な接触を阻
害するためにやはり転写不良でドット抜けの原因とな
る。
【0038】本発明において、クッション層組成液に気
泡を形成含有分散させる方法(以下、発泡方法という)
は、例えば遊星運動をしつつ回転する攪拌翼を有するい
わゆる製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されて
いるホモミキサー、カウレスディゾルバー等の攪拌機、
あるいは密閉系内に空気とクッション層組成液の混合物
とを連続的に送入しながら機械的に攪拌を施し、空気を
微細な気泡に分散、混合できる装置、例えば米国ガスト
ンカウンティー社、オランダのストーク社等の連続発泡
機を用いることができるが、特に厳格な制限はない。
【0039】本発明のクッション層の気泡含有液に含有
させる気泡の安定性を向上するには、整泡剤、発泡剤と
称されている広範な界面活性剤の中から適宜選定して配
合することが可能である。例えば、高級脂肪酸、高級脂
肪酸変性物、高級脂肪族のアルカリ塩、高級脂肪酸のア
ミン塩等の陰イオン性界面活性剤は、特にクッション層
の気泡含有液の発泡性を高める効果や、分散、含有させ
た気泡の安定性向上効果が高いので使用することはよく
知られており、本発明のクッション層の形成に使用する
ことができる。これらの選定には特に厳格な制限はない
が、クッション層の気泡含有液の流動性を著しく阻害し
たり、塗工作業性を損なうおそれのある材料の使用は避
けることが好ましい。ただし上記の整泡剤や発泡剤のク
ッション層の気泡含有液、あるいはクッション層の気泡
含有液および顔料の混合液に対する配合比率は、クッシ
ョン層の気泡含有液、あるいはクッション層の気泡含有
液および顔料の混合液の固形分100質量部に対して、
固形分で0〜30質量部、好ましくは1〜20質量部で
あり、30質量部を越えて配合しても、その効果が飽和
してしまう。
【0040】クッション層の形成方法としては、前記ラ
テックス又はエマルジョンを、ブレードコーター、ロー
ルコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビ
アコーター等の塗布法などが適用できる。
【0041】クッション層の好ましい膜厚は5μm以上
であり、更に好ましくは10μm以上である。又、他の
被転写体(例えばコート紙、上質紙などの紙類)に再転
写する場合には更に30μm以上の膜厚が好ましい。ク
ッション層の膜厚が5μm未満になると、最終被転写体
への再転写の際、ドット抜けや欠けが発生する場合があ
る。
【0042】[剥離性保護層]剥離性保護層のバインダ
ーとしては、具体的にポリエステル、ポリビニルアセタ
ール、ポリビニルホルマール、ポリパラバン酸、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリカーボネート、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
アクリロニトリルスチレン等のスチレン類及びこれら樹
脂を架橋したもの、ポリアミド、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ア
ラミド等のガラス転移点が70℃以上の熱軟化性又は熱
硬化性樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられる。硬化
剤としてはイソシアナート、メラミン等の一般的硬化剤
を使用することができる。ガラス転移点がクッション層
よりも高い為に、クッション層の樹脂が転写時の加熱で
軟化しやすく剥離性保護層との間で層間接着力が低下し
て、剥離性保護層はインク受容層と共に受像面上に転写
される。
【0043】上記物性に合わせて剥離性保護層のバイン
ダーを選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセ
ルロースが画像保存性の点で好ましい。
【0044】更に、剥離性保護層では、クッション層と
の接着性を低下させるような化合物を含ませる。このよ
うな化合物としては、シリコーンオイルなどのシリコー
ン系樹脂;弗素樹脂、弗素含有アクリル樹脂等の弗素系
樹脂;ポリシロキサン樹脂;ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルホルマール等のアセタ
ール系樹脂;ポリエチレンワックス、アミドワックス等
の固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤等を挙げることができる。
【0045】剥離性保護層の形成方法としては、前記素
材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものをブレ
ードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテ
ンコーター、グラビアコーター、等の塗布法、ホットメ
ルトによる押出しラミネーション法などが適用でき、ク
ッション層上に塗布し形成することができる。又は、仮
ベース上に該素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散
したものを、上記の方法で塗布したものとクッション層
とを貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成する方法
も使用することが出来る。
【0046】[インク受容層]本発明のインクジェット
記録用転写媒体において、インク受容層は、親水性重合
体と熱可塑性有機微粒子で主に構成できる。
【0047】親水性重合体としては、例えば、親水性天
然高分子又はその誘導体(アルギン酸ナトリウム、アラ
ビアゴム、ゼラチン、カゼイン、デキストリンなど)、
セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロー
ス、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシエチルセルロース、シアノエ
チルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルロー
ススルフェート、アセチルメチルセルロースなどのセル
ロースエステル類)、ビニルアルコール系重合体(ポリ
ビニルアルコール,エチレン−ビニルアルコール共重合
体,変性ポリビニルアルコールなど)、エチレン系重合
体(エチレン−無水マレイン酸共重合体など)、酢酸ビ
ニル系共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合
体、変性酢酸ビニル系重合体など)、ポリアルキレンオ
キサイド(ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイ
ド−プロピレンオキサイドブロック共重合体など)、カ
ルボキシル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその
塩[アクリル系重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はそ
の塩(アンモニウム、ナトリウムなどのアルカリ金属
塩)、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合
体、アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体な
ど)、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエー
テル、ポリビニルイソブチルエーテルなどのポリビニル
アルキルエーテル、メチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体などの変性ポリビニルエーテルなど)、ス
チレン系重合体(スチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン
スルホン酸ナトリウムなど)、ポリビニルスルホン酸ナ
トリウムなど]、窒素含有重合体(又はカチオン性ポリ
マー)又はその塩(ポリビニルベンジルトリメチルアン
モニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニル
ピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミドポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルピロリドン、変性ポリビニルピロリドンなど)な
どが挙げられる。これらの親水性重合体は単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0048】これらの親水性重合体のうち、酢酸ビニル
系共重合体、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルア
ルコール又は変性ポリビニルアルコールなど)、セルロ
ース誘導体(カルボキシメチルセルロースなどのセルロ
ースエーテル類など)、窒素含有重合体(ポリビニルピ
ロリドン又は変性ポリビニルピロリドンなどのビニルピ
ロリドン系重合体)などが好ましい。特に、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体
およびこれらの変性体から選択された少なくとも一種の
親水性重合体が好ましい。
【0049】熱可塑性有機微粒子としては、特に平均粒
子径が300nm以下と極めて小さいものは可視光の低
波長領域(400nm程度)の光を散乱させることがほ
とんどないことから、得られる画像の透明性も向上して
おり剥離性保護層やクッション層を通して観察される画
像の鮮明性に優れる。しかもインク吸収性にもすぐれ、
更に通常インクジェット記録分野でインク吸収性を改良
する得る為に使用される気相法シリカやアルミナ微粒子
等の無機微粒子に比べてクッション性にも優れる為に転
写時の密着性が改良される利点もある。また上記無機微
粒子と異なり、熱可塑性である為に受像面との接着性に
も優れている。
【0050】上記熱可塑性有機微粒子は更にアニオン性
又はカチオン性の熱可塑性有機微粒子であることが好ま
しい。このような熱可塑性有機微粒子は、通常アクリル
酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、
スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少
なくとも一種のモノマーを、分子中に炭素−炭素二重結
合を1個又は2個以上(好ましくは2個以上)有する乳
化剤を用いて乳化重合することにより得ることができ
る。このような熱可塑性有機微粒子としては、特開平5
−254251号公報に記載されているミクロゲルを好
適に使用することができる。なお、この公報には、ミク
ロゲルを感熱記録紙に使用することで耐スティッキング
性や耐湿性が改良される旨の記載がされているが、感熱
記録は、本発明のようにインクを記録シートに噴射する
ことにより印字するのではなく、加熱により印字するも
のであり、異なる技術分野に属する。
【0051】熱可塑性有機微粒子の軟化点は、通常、5
0〜250℃、好ましくは60〜200℃程度の範囲か
ら適宜選択できる。
【0052】親水性重合体(A)と熱可塑性有機微粒子
(B)との割合(A/B)は、固形分換算で、A/B=
10/90〜50/50(質量%)、好ましくは15/
85〜40/60(質量%)程度の範囲から選択でき
る。熱可塑性有機微粒子の割合が上記の範囲より大きい
とインク吸収性は良くなるもののインク受容層の被膜強
度が低下して却って高画質性が損なわれる。一方、熱可
塑性有機微粒子の割合が上記の範囲より小さいとインク
吸収性が低下して高画質性が損なわれるのみでなく記録
画像の熱転写の際に受像面への接着性が低下して画像保
存性の点でも好ましくない。
【0053】前記剥離性保護層、クッション層及び前記
親水性重合体と熱可塑性有機微粒子で構成されたインク
受容層とを順次形成すると、インクジェット記録におい
ては高いインク吸収性を示し鮮明な階調記録画像を形成
できる。また、インク受容層は、高い熱転写性を示すと
ともに、剥離性保護層及びクッション層が存在するた
め、凹凸受像面への転写画像は耐傷性、耐水性等の画像
保存性にも優れる。
【0054】インク受容層に架橋剤を添加すると、耐水
性を大きく向上できる。架橋剤としては、例えば、アル
デヒド類(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール及び
グルタルアルデヒド)、N−メチロール化合物(例、ジ
メチロール尿素及びメチロールジメチルヒダントイ
ン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロキシジ
オキサン)、カルボキシル基を活性化することにより作
用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレンスル
ホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジ
ニウム及び1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナ
トアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、1,3,
5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、
ビス(ビニルスルホン)メタン及びN,N´−メチレン
ビス−[βー(ビニルスルホニル)プロピオンアミ
ド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、エポキシ基を有す
る化合物(例、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、バー
サティック酸グリシジルエステル、フェニルグリシジル
エーテル)、イソオキサゾール類、メラミン樹脂、イソ
シアネート化合物及びジアルデヒド澱粉、などを挙げる
ことができる。これらは、単独または組み合せて用いる
ことができる。生産性を考慮した場合、反応活性の高い
グルタルアルデヒド等のアルデヒド類またはメラミン樹
脂の使用が好ましい。架橋剤の添加量は、親水性重合体
に対して、0.1〜20重量%が好ましく、特に0.5
〜15重量%が好ましい。
【0055】さらに、インク受容層は、独立して又は前
記可塑剤とともに、着色剤(染料)の定着性を向上させ
るため、染料定着剤を含有していてもよい。なお、高分
子染料定着剤は、前記親水性重合体として機能させるこ
ともできる。
【0056】染料定着剤としては、例えば、ジシアン系
化合物(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物,ジシ
アンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物など)、
ポリアミン系化合物(ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、ジプロピレントリアミン、ポリアリル
アミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミンな
どの芳香族ポリアミンなど)、ポリカチオン系化合物
(エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジ
アリルジメチルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合
物,ジアリルジメチルアンモニウム塩−ジアリルアミン
塩酸塩誘導体共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオ
ウ共重合物,ジアリルメチルアミン塩重合物、ジアリル
ジメチルアンモニウム塩重合物,アリルアミン塩の重合
物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級
塩重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリル
アミド共重合物など)などが例示できる。
【0057】染料定着剤の使用量は、定着性を向上でき
る範囲、例えば、固形分換算で、インク受容層を構成す
る重合体および樹脂成分の総量100質量部に対して
0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、さら
に好ましくは2〜20質量部程度の範囲から選択でき
る。
【0058】インク受容層の厚みは、例えば、5〜90
μm、好ましくは10〜70μm程度であり、通常、5
〜60μm(特に5〜50μm)程度である。
【0059】クッション層(C)とインク受容層(D)
との厚さの比(C/D)は、C/D=1/1〜1/10
程度、好ましくは1/2〜1/8程度、さらに好ましく
は1/2〜1/7程度であり、通常、1/3〜1/6程
度である。
【0060】なお、インク受容層の上には、必要によ
り、接着層、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、
帯電防止層などを形成してもよい。
【0061】本発明のインク受容層は、基材の少なくと
も一方の面に、基材からクッション層、剥離性保護層を
設けた後に、少なくとも親水性重合体と熱可塑性有機微
粒子を含む組成物を順次形成することにより製造でき
る。インク受容層を形成する親水性重合体は、通常、水
性溶液又はエマルジョンの形態で使用できる。インク受
容層を形成するに際しては、熱可塑性有機微粒子は粉粒
体の形態で使用できる。そのため、親水性重合体を含む
水性溶液又はエマルジョンと、熱可塑性有機微粒子の粉
粒体と、必要により他の成分とを混合することにより、
インク受容層用塗布剤を調製できる。水性溶液又は水性
エマルジョンの溶媒は、水単独であってもよく、必要に
よりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んでいても
よい。
【0062】塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコ
ーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッ
ドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビア
コーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布で
きる。塗膜を、40〜150℃(好ましくは50〜12
0℃)程度の温度で乾燥させることによりインク受容層
を形成できる。
【0063】このようにして形成されたインク受容層
は、インク(特に水性インク)の小滴を飛翔させて記録
するインクジェット方式により画像を形成するのに適し
ている。記録画像は、インク受容層を凹凸を有するIC
カードの受像面と接触させた状態で、適当な温度(例え
ば、130〜250℃、好ましくは140〜200℃程
度)および圧力(5〜500g/cm2程度)で適当な
時間(例えば、5秒〜1分程度)加熱圧着し、基材及び
クッション層から剥離性保護層及びインク受容層を剥離
させることにより、凹凸な受像面に円滑に転写又は転移
できる。
【0064】転写に用いられるICカードの外形寸法及
び厚さは、JISX6301に準拠している。外形寸法
は、次の大小二つの長方形に囲まれ領域にそのすべての
縁部が入るように仕上げられる。大きい長方形の長辺8
5.72mm、短辺54.03mm、小さい長方形の長
辺85.47mm、短辺53.92mm。また、厚さ
は、最大0.80mm、最小0.68mmの範囲に入る
ように仕上げられる。
【0065】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「部」は質量部を示す。ま
た、実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用
転写媒体の各種特性の評価法は次の通りである。
【0066】インクジェットプリンター(キヤノン
(株)製、BJC−420J)を使用し、実施例及び比
較例で得られたインクジェット記録用転写媒体に、シア
ン、イエロー、マゼンタ、ブラックインクを用い、所定
の絵柄を印字し、記録画像を形成した。下記評価法のイ
ンク吸収性はインクジェット記録用転写媒体上の記録像
に関する評価であり、また、ドット抜けと印字部の耐傷
性、耐水性は以下のICカードへの印字像の転写後の画
像に対する評価である。ICカードはシートの他面にア
ンテナコイルを印刷法により作成し、ICチップを接続
してICモジュールを得た。次に、別の、厚み125μ
mの白色PETフィルムを用意し、インクジェット記録
転写側を金型の面に真空吸着固定し、別の白色PETフ
ィルムとの間にポリブチレンテレフタレート樹脂を射出
し、その後金型を圧縮させて、厚さ760μmとし、冷
却後金型から取り出し、外形寸法が、長辺85.6m
m、短辺54.0mmのICカードにした。
【0067】(インク吸収性)印字から30秒後に、イ
ンクジェット記録用転写媒体上にPPCコピー用紙を載
せ、コピー用紙の上から指で5回擦り、コピー用紙を剥
し、インクの転写状態を観察し、下記の基準で評価し
た。△以上が実用的に使用出来る。 ○:インクの転写が殆どない △:若干インクの転写がある ×:インクの転写が多い
【0068】(ドット抜け)得られた画像のドット抜け
の状態を目視で評価した。△以上が実用的に使用でき
る。 ◎:全くドット抜けなし ○:殆どドット抜けなし △:ドット抜け少ない ×:ドット抜け多い
【0069】(印字部の耐傷性)転写画像の記録された
各ICカードサンプルを、20℃、65%RHの環境下
にて24時間の調湿した後、カード表面を、ポリプロピ
レン製タイル目地ブラシ(アズマ工業(株)製)で約1
kgの荷重で往復30回擦った後、表面の傷について目
視により観察した。 ○:全く傷が付かず、光沢面は良好である。 △:傷が極わずか見られたが、画質には影響しない。 ×:傷が著しく、画質に大きな影響を与えた。
【0070】(印字部の耐水性)転写画像の記録された
各ICカードサンプルを、室温で水に30分間浸析させ
画像のニジミ、水への溶け出しによる濃度低下を目視判
定した。評価基準は以下の通りである。△以上が実用的
に使用出来る。 ○:ニジミ、濃度低下は全く無く画像の変化は認められ
ない。 △:わずかに濃度が低下したが画像は保たれている。 ×:インクが溶け出し画像が崩れた。
【0071】実施例1 ポリエチレンテレフタレートフィルムに、アクリル系ラ
テックス(ガラス転移点16℃、最低造膜温度10℃)
をアプリケータ−によりコーティングし、100℃で1
分間乾燥を行い膜厚25μmのクッション層を形成し
た。その上に下記組成の剥離性保護層塗工液を乾燥膜厚
2.0μmになるようにワイヤーバーにて塗工した。 (剥離性保護層塗工液) ポリカーボネート(ガラス転移点 141℃) 5.0部 イソプロピルアルコール 95.0部 更に、その上に以下の配合のインク受容層形成用塗布液
を乾燥後の厚み30μmとなるように塗布し、乾燥する
ことによりインク受容層を形成してインクジェット記録
用転写媒体を得た。 (インク受容層形成用塗布液) ヒドロキシプロピルメチルセルロース10重量%水溶液 10重量部 カチオン性の熱可塑性有機微粒子10重量%水分散液 35重量部 (平均粒子径:52nm、炭素−炭素二重結合を2個と4級アンモニウム塩基を 有する乳化剤により架橋されたポリスチレン微粒子) メラミン樹脂 0.5重量部 アミン塩酸塩 0.10重量部
【0072】実施例2 ポリエチレンテレフタレートフィルムに、アクリル系ラ
テックス(ガラス転移点16℃、最低造膜温度10℃)
をアプリケータ−によりコーティングし、100℃で1
分間乾燥を行い膜厚25μmのクッション層を形成し
た。その上に下記組成の剥離性保護層塗工液を乾燥膜厚
2.0μmになるようにワイヤーバーにて塗工した。 (剥離性保護層塗工液) ポリビニルアセタール(ガラス転移点 115℃) 5.0部 イソプロピルアルコール 95.0部 更に、その上に以下の配合のインク受容層形成用塗布液
を乾燥後の厚み30μmとなるように塗布し、乾燥する
ことによりインク受容層を形成してインクジェット記録
用転写媒体を得た。 (インク受容層形成用塗布液) ポリビニルアルコール 10重量部 カチオン性の熱可塑性有機微粒子10重量%水分散液 35重量部 (平均粒子径:73nm、炭素−炭素二重結合を2個と4級アンモニウム塩基を 有する乳化剤により架橋されたポリスチレン微粒子) メラミン樹脂 0.5重量部 アミン塩酸塩 0.10重量部
【0073】実施例3 実施例1において、インク受容層を以下の組成にする以
外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記
録用転写媒体を得た。 (インク受容層形成用塗布液) ポリビニルピロリドン 10重量部 熱可塑性有機微粒子10重量%水分散液 35重量部 (平均粒子径:6.0μ、低分子量ポリオレフィン) メラミン樹脂 0.5重量部 アミン塩酸塩 0.10重量部
【0074】実施例4 実施例1において、クッション層を形成する際に、アク
リル系ラテックス(ガラス転移点16℃、最低造膜温度
10℃)を攪拌機を使用して、攪拌機の回転数490r
pmで5分間攪拌してこれに発泡処理を施した。発泡倍
率は3.8倍であった。発泡処理後直ちに塗工、乾燥し
て多孔質なクッション層を形成した。この発泡処理以外
は全く実施例1と同様にして実施例4のインクジェット
記録用転写媒体を得た。
【0075】比較例1 実施例1においてクッション層を設けない以外は実施例
1と同様にして比較例1のインクジェット記録用転写媒
体を得た。
【0076】比較例2 実施例1において剥離性保護層を設けない以外は実施例
1と同様にして比較例2のインクジェット記録用転写媒
体を得た。
【0077】実施例1においてインク受容層形成用塗布
液の組成を以下のように代えた以外は実施例1と同様に
して比較例3のインクジェット記録用転写媒体を得た。 (インク受容層形成用塗布液) ヒドロキシプロピルメチルセルロース10重量%水溶液 20重量部 気相法シリカ10重量%水溶液 70重量部 メラミン樹脂 1.0重量部 アミン塩酸塩 0.1重量部
【0078】実施例および比較例で得られたインクジェ
ット記録用転写媒体の評価結果を表に示す。
【0079】
【表1】 表から明らかなように、基材上にクッション層、剥離性
保護層及び親水性重合体と熱可塑性有機微粒子を主体と
するインク受容層を設けた実施例1〜4はいずれもイン
ク吸収性、ドット抜け、耐傷性、耐水性が良好であった
が、クッション層を設けない比較例1はドット抜けが悪
く、剥離性保護層を設けない比較例2は耐傷性が悪かっ
た。またインク受容層に熱可塑性有機微粒子に代わり気
相法シリカを用いた比較例3は転写面への接着性が悪い
為に、ドット抜け、耐傷性、耐水性が悪かった。
【0080】
【発明の効果】本発明では、基材上に熱によりクッショ
ン層、剥離性保護層及び親水性重合体と熱可塑性有機微
粒子を含有するインク受容層とを形成しているため、熱
転写性を有するとともに、高精細で画像耐傷性、耐水性
に優れた記録画像を形成する事が出来る。特にクッショ
ン層が、ガラス転移点が50℃以下の樹脂を主成分とし
た層であることで凹凸を有するICカードのような受像
面にも高精細で画像保存性に優れた記録画像を形成でき
るインクジェット記録用転写媒体を提供出来る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、該基材か
    らクッション層、剥離性保護層及び親水性重合体と熱可
    塑性有機微粒子を含むインク受容層とが順次形成された
    インクジェット記録用転写媒体。
  2. 【請求項2】 該クッション層が、ガラス転移点が50
    ℃以下の樹脂を主成分とした層である請求項1記載のイ
    ンクジェット記録用転写媒体。
  3. 【請求項3】 該剥離性保護層がガラス転移点が70℃
    以上の樹脂を主成分とした層である請求項1又は2記載
    のインクジェット記録用転写媒体。
  4. 【請求項4】 該親水性重合体が、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこ
    れらの変性体から選択された少なくとも一種である請求
    項1〜3のいずれか記載のインクジェット記録用転写媒
    体。
  5. 【請求項5】 該熱可塑性有機微粒子が平均粒子径30
    0nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか記載のインクジェット記録用転写媒体。
  6. 【請求項6】 該熱可塑性有機微粒子がアニオン性又は
    カチオン性である請求項1〜5のいずれか記載のインク
    ジェット記録用転写媒体。
  7. 【請求項7】 該親水性重合体(A)と該熱可塑性有機
    微粒子(B)との割合(A/B)が、固形分換算で、A
    /B=10/90〜50/50(質量%)である請求項
    1〜6のいずれかに記載するインクジェット記録用転写
    媒体。
  8. 【請求項8】 基材の少なくとも一方の面に、該基材か
    らクッション層、剥離性保護層及び親水性重合体と熱可
    塑性有機微粒子を含むインク受容層とを順次形成するイ
    ンクジェット記録用転写媒体の製造方法において、ラテ
    ックス又はエマルジョンを塗布、乾燥する事により該ク
    ッション層を設けることを特徴とするインクジェット記
    録用転写媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 該ラテックス又は該エマルジョンが機械
    的攪拌を施して、発泡倍率が1〜5倍の多数の微細気泡
    を分散、含有させた気泡含有液であることを特徴とする
    請求項8記載のインクジェット記録用転写媒体の製造方
    法。
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