JP2000335098A - インクジェット用被記録材 - Google Patents

インクジェット用被記録材

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JP2000335098A
JP2000335098A JP11151068A JP15106899A JP2000335098A JP 2000335098 A JP2000335098 A JP 2000335098A JP 11151068 A JP11151068 A JP 11151068A JP 15106899 A JP15106899 A JP 15106899A JP 2000335098 A JP2000335098 A JP 2000335098A
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JP
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ink
recording material
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resin
group
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JP11151068A
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English (en)
Inventor
Kimiya Goto
公也 後藤
Hideo Kuroda
秀雄 黒田
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷の鮮明性や発色性、印刷時のインクの吸
収・乾燥性、インクの定着性及び印刷物の耐水性に優
れ、染料系インクのみならず、顔料系インクも使用可能
であり、屋外における広告・展示用途等の使用に適する
インクジェット用被記録材を提供する。 【解決手段】 基材上に感光性樹脂組成物からなるイン
ク受容層が設けられたインクジェット用被記録材であっ
て、上記感光性樹脂組成物は、カチオン性基を含有する
(メタ)アクリルアミド誘導体を含むことを特徴とする
インクジェット用被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターやワードプロセッサーの
出力プリントとして、ワイアードット記録方式、感熱発
色記録方式、感熱溶融転写記録方式、感熱昇華転写記録
方式、電子写真記録方式、インクジェット記録方式等の
種々の記録方式が開発されている。これらのなかで、イ
ンクジェット記録方式は、プリントコストが安い、装置
がコンパクトで騒音がない、高速記録が可能である等の
特徴を有している。そのため、このインクジェット記録
方式は、コンピューター等により作成した文字、図形等
の画像情報を迅速かつ正確にアウトプットすることが可
能な記録方式として注目されている。
【0003】また、インクジェット記録方式は、カラー
化が容易で、絵柄が鮮明であることから、コンピュータ
ーで作成した画像情報を画質の劣化なくプリントアウト
することができ、また、大きな建材や化粧板にも印刷可
能であることから、オフィスやパーソナルユースのみな
らず、映画や催物の看板、駅の商品看板等の野外におけ
る広告・展示用途等にも利用が可能であり、近年注目を
集めている。
【0004】このようなインクジェット記録方式を用い
て、野外における広告・展示用途を目的とする印刷物を
作製する場合、インクジェット用被記録材は印刷の鮮明
性、発色性に加え、印刷時における水性インクの速やか
な吸収、乾燥が必要であるため適度な親水性が要求され
るとともに、プリント面が雨水等で破壊されないよう
に、インクの定着性及び印刷物の耐水性が要求される。
【0005】そこで、このような要求に対応し、かつ、
図形や写真等の画像を鮮明に印刷することができるイン
クジェット用被記録材として、例えば、特開平10−1
14810号公報においては、感光性樹脂を主体とする
改質層を形成したプリント適性に優れたインクジェット
用被記録材が提案されている。しかしながら、このイン
クジェット用被記録材は、インクの定着性が悪いため、
印刷後、印刷物を水に浸漬した際に、インクが溶出して
しまうという問題があった。
【0006】また、インクジェット用被記録材のインク
受容層にカチオン性の化合物を含有する組成物を用いる
ことにより、インクの定着性及び印刷物の耐水性を向上
させる方法が提案されている。しかしながら、この方法
では、染料系インクに対してはある程度の効果が認めら
れるものの、顔料系インクに対しては、効果が認められ
なかった。
【0007】また、インクジェット用被記録材のインク
受容層表面を保護層でコートすることにより耐水性を向
上させる方法が提案されているが、この方法では、長期
間の使用により水の進入があったり、加工にかかるコス
トが高くなる等の問題点があった。このように、従来の
インクジェット用被記録材では、印刷の鮮明性や発色
性、印刷時のインクの吸収・乾燥性、インクの定着性及
び印刷物の耐水性を満足するものは得られておらず、特
に、水性顔料系インクを用いた際に上記したような要求
を満足することは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、印刷の鮮明性や発色性、印刷時のインクの吸収・
乾燥性、インクの定着性及び印刷物の耐水性に優れ、染
料系インクのみならず、顔料系インクも使用可能であ
り、屋外における広告・展示用途等の使用に適するイン
クジェット用被記録材を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に感光
性樹脂組成物からなるインク受容層が設けられたインク
ジェット用被記録材であって、上記感光性樹脂組成物
は、カチオン性基を含有する(メタ)アクリルアミド誘
導体を含むことを特徴とするインクジェット用被記録材
である。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明のインクジェット用被記録材は、基
材と、該基材上に設けられた感光性樹脂組成物からなる
インク受容層により構成されている。上記基材の材質と
しては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、
ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリイミド樹
脂等を挙げることができる。
【0011】上記基材の形状としては、フィルム状又は
板状のものが好ましい。上記基材の厚さとしては、5〜
250μmが好ましく、50〜180μmがより好まし
い。上記基材の厚さが、5μm未満では取り扱い性に劣
ることがあり、250μmを超えると製造コストが高く
なり、経済的に不利になることがある。上記基材のイン
ク受容層を設ける面の表面には、上記基材と上記インク
受容層との接着力を強めることができる点から、プライ
マー処理やコロナ処理を施すことが好ましい。
【0012】上記プライマー処理で用いるプライマーと
しては特に限定されず、例えば、アルキッド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合樹脂、NBR樹脂、SBR樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、これらの混合
物や変性物等を挙げることができる。上記変性物とは、
例えば、上記樹脂又はこれらの原料となるモノマーに水
酸基、カルボン酸、4級アンモニウム塩等を含有するモ
ノマー等を共重合又はグラフト重合させることにより、
接着性、親水性等を向上させたものである。
【0013】また、上記基材にインク受容層を設けない
面がある場合には、その面にカール防止層や帯電防止層
を設けてもよい。上記カール防止層の材質としては、例
えば、後述するインク受容層に用いることのできる水溶
性樹脂と同様の水溶性樹脂、アクリル樹脂、変性アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。こ
れらのなかでは、優れた耐ブロッキング性やスリップ性
を付与できる点から、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂
及びポリエステル樹脂が好ましい。
【0014】上記カール防止層の厚さとしては特に限定
されないが、乾燥時の厚さで0.1〜50μmが好まし
い。また、上記基材の両面に同一のインク受容層を設け
た場合には、カール防止効果が得られるとともに、両面
への印刷が可能となる。
【0015】上記感光性樹脂組成物は、カチオン性基を
含有する(メタ)アクリルアミド誘導体を含むものであ
る。
【0016】上記カチオン性基を含有する(メタ)アク
リルアミド誘導体としては、例えば、下記一般式(1)
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R1 は、水素原子又はメチル基を
表し、R2 は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、X
は、カチオン性基を表す。)で表される化合物等を挙げ
ることができる。
【0019】上記カチオン性基としては特に限定される
ものではないが、例えば、下記一般式(2)
【0020】
【化5】 (式中、R3 及びR4 は、それぞれメチル基又はエチル
基を表す。)で表される3級アミノ基、下記一般式
(3)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R5 、R6 及びR7 は、それぞれ
メチル基又はエチル基を表す。)で表される4級アンモ
ニウム基等が好ましい。上記炭化水素基としては、トリ
メチレン基等のポリメチレン基が好ましい。
【0023】このような構造を有するカチオン性基を含
有する(メタ)アクリルアミド誘導体の具体例として
は、例えば、下記構造式(1)
【0024】
【化7】
【0025】で表されるN,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド(DMAPAA)、下記構造式(2)
【0026】
【化8】
【0027】で表される、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミドメチルクロライドカテナリ(DMA
PAA−Q)等を挙げることができる。これらのカチオ
ン性基を含有する(メタ)アクリルアミド誘導体は、イ
ンク受容層において、インクをインク受容層に定着させ
る役割を有する。
【0028】上記感光性樹脂組成物は、上記カチオン性
基を含有する(メタ)アクリルアミド誘導体以外に、他
の感光性樹脂成分を含む。上記他の感光性樹脂成分とし
ては特に限定されず、例えば、日本化薬社製 KJP−
960B等を挙げることができる。
【0029】上記カチオン性基を含有する(メタ)アク
リルアミド誘導体と、上記他の感光性樹脂成分との配合
量としては、上記他の感光性樹脂組成物100重量部に
対して上記カチオン性基を含有する(メタ)アクリルア
ミド誘導体を10〜200重量部配合することが好まし
い。上記カチオン性基を含有する(メタ)アクリルアミ
ド誘導体の配合量が10重量部未満であったり、200
重量部を超えると、インク受容層へのインクの定着性に
劣り、特に、印刷物を水に浸漬した際に、印刷物が耐水
性に劣り、インクが溶出する場合がある。
【0030】上記感光性樹脂組成物は、上記カチオン性
基を含有する(メタ)アクリルアミド誘導体、及び、上
記他の感光性樹脂成分以外に、水溶性樹脂、親水性樹
脂、無機充填剤、有機充填剤等を含んでいてもよく、更
に、他の添加剤を含んでいてもよい。
【0031】上記水溶性樹脂としては、水又は水とアル
コールとの混合溶媒に可溶なものであれば特に限定され
ず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセル
ロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のセ
ルロース系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオ
キサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセタ
ール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、
ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、デンプン、
これらの共重合体、カチオン/アニオン変性物等を挙げ
ることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】上記親水性樹脂としては、例えば、吸水性
のアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、NBR樹
脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、
ポリアミド、これらの混合物や変性物等を挙げることが
できる。上記変性物とは、例えば、上記樹脂又はこれら
の原料となるモノマーに水酸基、カルボン酸、4級アン
モニウム塩等を含有するモノマー等を共重合又はグラフ
ト重合させることにより、接着性、親水性等を向上させ
たものである。上記親水性樹脂は、単独で用いてもよい
し、2種以上併用してもよい。
【0033】上記無機充填剤としては、例えば、多孔質
粒子を用いることができる。具体的には、例えば、シリ
カ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、合成
ゼオライト、スメクタイト、モンモリロナイト群鉱物、
合成雲母、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げる
ことができる。これらの無機充填剤は単独で用いてもよ
いし、2種以上併用してもよい。
【0034】上記有機充填剤としては特に限定されず、
例えば、上記水溶性樹脂を架橋により吸水性及び/又は
水不溶性にしたものを挙げることができ、具体例として
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ホルムアル
デヒド縮合物、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物、ポ
リアミド系樹脂、各種セルロース、デンプン、これらを
架橋させたもの;吸水性のアルキッド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合樹脂、NBR樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、これらの混合物や変
性物等を挙げることができる。これらの有機充填剤は、
単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。上記
変性物とは、例えば、上記樹脂又はこれらの原料となる
モノマーに水酸基、カルボン酸、4級アンモニウム塩等
を含有するモノマー等を共重合又はグラフト重合させる
ことにより、接着性、親水性等を向上させたものであ
る。
【0035】上記他の感光性樹脂成分100重量部に対
する上記水溶性樹脂の割合は、1〜50重量部が好まし
い。上記水溶性樹脂の配合量が1重量部未満では、イン
クの乾燥性、吸収性の向上の効果が見られない場合があ
り、50重量部を超えると、耐水性が低下する場合があ
る。上記他の感光性樹脂成分100重量部に対する上記
親水性樹脂の割合は、1〜50重量部が好ましい。上記
親水性樹脂の配合量が1重量部未満では、インクの乾燥
性、吸収性の向上の効果が見られない場合があり、50
重量部を超えると、耐水性が低下する場合がある。上記
他の感光性樹脂成分100重量部に対する上記無機充填
剤の割合は、10〜50重量部が好ましい。上記無機充
填剤の配合量が10重量部未満では、インクの乾燥性、
吸収性の向上の効果が見られない場合があり、50重量
部を超えると、保持力が低下し、塗膜強度が弱くなる場
合がある。上記他の感光性樹脂成分100重量部に対す
る上記有機充填剤の割合は、1〜50重量部が好まし
い。上記無機充填剤の配合量が1重量部未満では、イン
クの乾燥性、吸収性の向上の効果が見られない場合があ
り、50重量部を超えると、耐水性が低下し、溶媒の保
持により却ってインク乾燥性が悪くなる場合がある。
【0036】上記他の添加剤としては、例えば、界面活
性剤、乳化剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、老
化防止剤等を挙げることができる。その他の添加剤とし
て、上記カチオン性基を含有する(メタ)アクリルアミ
ド誘導体及び上記他の感光性樹脂成分と、無機充填剤や
有機充填剤等との物性を考慮して界面活性剤や乳化剤を
用いると、該無機充填剤や有機充填剤等の分散安定性を
上げることができる。上記感光性樹脂組成物に、上記そ
の他の添加剤を含有させる場合、該その他の添加剤の配
合量としては特に限定されず、感光性樹脂組成物の組成
やインク受容層に所望の物性等を考慮して、適宜選択す
ればよい。
【0037】上記インク受容層は、上記感光性樹脂組成
物からなるインク受容層を有するため、印刷時のインク
の定着性及び印刷物の耐水性に優れる。上記インク受容
層が上記特性を有するのは、上記感光性樹脂組成物中の
カチオン性基を含有する(メタ)アクリルアミド誘導体
がインク受容層にインクを定着させる働きを有するから
である。
【0038】上記インク受容層の厚さは特に限定されな
いが、乾燥時の厚さで、0.1〜50μmが好ましく、
3〜30μmがより好ましい。上記インク受容層の厚さ
が0.1μm未満では、インクを充分に吸収できない場
合があり、50μmを超えると、製造コストが高くな
り、経済的に不利になることがある。上記インク受容層
は、上記組成の層の一層からなるものであってもよい
が、インクの吸収・乾燥性を向上させるために、親水性
樹脂、無機充填剤等からなる下地層等を設けた複数層か
らなるものであってもよい。
【0039】上記インクジェット用被記録材に使用でき
るインクとしては特に限定されず、染料系インクであっ
ても、顔料系インクであっても好適に用いることができ
る。
【0040】このような構成からなる本発明のインクジ
ェット用被記録材は、印刷の鮮明性や発色性、印刷時の
インクの吸収・乾燥性、インクの定着性及び印刷物の耐
水性に優れ、染料系インクのみならず、顔料系インクも
使用可能である。また、上記インクジェット用被記録材
を用いた印刷物は、上記のような特性を有するため、少
なくとも1年程度は屋外に放置しても印刷物としての鮮
明さを保持することができ、屋外における広告・展示用
途等の使用に適するものである。更に、上記インクジェ
ット用被記録材は、家庭用、オフィス用の被記録材料と
しても好適に用いることができる。
【0041】上記インクジェット用被記録材を製造する
方法としては、上記感光性樹脂組成物からなるインク受
容層を形成した後、上記インク受容層を光硬化させる方
法等を挙げることができる。
【0042】上記インク受容層を形成するために、基材
上に感光性樹脂組成物を塗布する方法としては特に限定
されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、
グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロール
コート法、ワイヤーバーコート法、ブレードコート法、
ナイフコート法、エアーナイフコート法、コンマコート
法、スロットダイコート法、ディップコート法等を挙げ
ることができる。これらの方法を用いて感光性樹脂組成
物を塗布する場合、インク受容層の厚さを確保するため
に、感光性樹脂組成物からなる液を複数回塗布してもよ
い。
【0043】上記した方法によりインクジェット用被記
録材を製造する場合、上記インク受容層を光硬化させる
前に上記インク受容層のインク塗布面側に平滑なフィル
ムシートを圧着し、上記光硬化の後、上記フィルムシー
トを剥離することが好ましい。この方法を用いることに
より、上記インク受容層のインク塗布面に光沢を付与す
ることができる。
【0044】上記したインク塗布面に光沢を有するイン
クジェット用被記録材の製造方法について、具体的に説
明する。この製造方法においては、まず、基材上に感光
性樹脂組成物を上記した方法等を用いて塗布することに
よりインク受容層を設け、次に、インク受容層のインク
塗布面側に平滑なフィルムシートを圧着する。
【0045】インク受容層のインク塗布面側に平滑なフ
ィルムシートを圧着する方法としては特に限定されず、
従来公知の方法を用いることができ、例えば、ロールプ
レス等を用いる方法等を挙げることができる。上記フィ
ルムシートは、光硬化後にインク受容層から剥離するこ
とから、基材と比較して、インク受容層との密着性が低
く、剥離性の高いものが好ましい。
【0046】上記フィルムシートの材質としては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、ポリエチレン樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセ
テート樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
【0047】上記フィルムシートの厚さとしては、5〜
250μmが好ましく、50〜180μmがより好まし
い。また、上記フィルムシートの剥離性を向上させるた
めに、上記フィルムシートの表面を、シリコンやフッ素
等で処理したものを用いてもよい。なお、上記フィルム
シートとしては、その形状がフィルム状のものであって
もよいし、板状等のものであってもよい。
【0048】次に、フィルムシートの圧着されたインク
受容層を紫外線等を照射することにより光硬化させる。
更に、インク受容層を光硬化させた後、フィルムシート
15をインク受容層から剥離することにより、光沢面を
有するインク受容層を形成する。このように、インク受
容層のインク塗布面側にフィルムシートを圧着すること
により、インク受容層のインク塗布面側に光沢面を付与
することができる。
【0049】このようなインクジェット用被記録材の製
造方法を用いることにより、光沢面の形成(転写)と硬
化のプロセスを同時に行うことができ、また、フィルム
シートも粘着層を有するものである必要がない。そのた
め、少ない工程数で、不良品なく確実に、歩留りよく、
印字適性及び耐水性に優れるとともに、表面光沢を有す
るインクジェット用被記録材を製造することができる。
【0050】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0051】実施例1 基材として、厚さ100μmの透明なポリエチレンテレ
フタレートフィルム(東レ社製 ルミラーQ80D)を
用い、その片面にコロナ処理を施した。次に、コロナ処
理を施した面の上層に下記表1に示す組成からなるイン
ク受容層を、乾燥、硬化後の膜厚が30〜50μmにな
るようにバーコート法により塗工した。なお、表1に示
したインク定着成分は、カチオン性基を含有する(メ
タ)アクリルアミド誘導体の一つである。
【0052】その後、光硬化前にインク受容層の上層
に、基材と同様の材質からなるポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを、平滑な表面を有した転写用フィルムシ
ートとして圧着した。更に、アイグランデージECS−
301型UV照射装置(アイグラフィクス社製)を用
い、2000mJ/m2 の条件でインク受容層にUV照
射を行い、インク受容層を光硬化させ、その後、上記転
写用フィルムシートを剥離することで表面光沢を有する
インク受容層の形成されたインクジェット用被記録材を
得た。
【0053】得られたインクジェット用被記録材の、イ
ンクの定着性、及び、インク受容層耐水性を下記の評価
方法を用いて評価した。結果を表1に示した。評価方法 (1)インク定着性 インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社
製、JV−1300)を用いて、Y(イエロー)、M
(マゼンタ)、C(シアン)及びB(ブラック)の4色
のインクで1色単層塗り〜4色重ね塗りのテストパター
ンを印刷し、評価サンプルを作製した。得られた評価サ
ンプルを40℃の水中に7日間浸漬し、インクの溶出の
有無を下記の評価基準で評価した。
【0054】評価基準 ○ 4色のインク全てが、7日間浸漬後にも溶出しない △ 7日間浸漬後、印刷部分が薄くなっている × 水に浸漬するとすぐにインクが溶出する
【0055】(2)インク受容層耐水性 (1)インク乾燥性と同様にして作製した評価サンプル
を40℃の水中に7日間浸漬し、インク受容層の変化を
下記の評価基準で評価した。評価基準 ○ 変化なし △ 膨潤により印刷面に変化あり × 膨潤が激しい、又は、インク受容層が溶解すること
で印刷面が破壊される
【0056】実施例2、3及び4 インク受容層の組成を表1に示すものに代えた以外は、
実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を作製
した。得られたインクジェット用被記録材について、実
施例1と同様にしてインク定着性、及び、インク受容層
耐水性を評価した。結果を表1に示した。
【0057】比較例1、2及び3 インク受容層の組成を表1に示すものに代えた以外は、
実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を作製
した。得られたインクジェット用被記録材について、実
施例1と同様にしてインク定着性、及び、インク受容層
耐水性を評価した。結果を表1に示した。なお、比較例
3においては、光硬化を行うため表1に示す配合物とは
別に、光開始剤IPを5重量部添加した。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示したように、実施例1〜4で作製
したインクジェット用被記録材は、インク定着性及びイ
ンク受容層耐水性の両者に優れていた。また、光沢度が
70以上であり、表面光沢性にも優れていた。なお、上
記光沢度とは、日本電色工業社製 光沢計VGS−LD
を用い、入射角60°の条件で測定したものであり、入
射角60°での入射光に対して、反射角60°での反射
光を測定し、得られた値を同条件で基準面を測定した際
の反射光の値に対する百分率で算出したものである。
【0060】しかしながら、比較例1のインクジェット
用被記録材は、インクの定着性が悪く簡単に水で溶出し
た。特に、ブラックのインクの溶出が激しかった。ま
た、比較例2のインクジェット用被記録材は、インク受
容層の耐水性が不足していたため、膨潤による印刷面の
歪みが大きく、物理的な力で簡単に破れてしまった。ま
た、比較例3のインクジェット用被記録材は、インク受
容層の耐水性が不足すると同時に、マゼンタのインクの
溶出がみられた。
【0061】実施例5 DMAPAAに代えて、DMAPAA−Qを用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を
作製した。得られたインクジェット用被記録材につい
て、実施例1と同様にしてインク定着性、及び、インク
受容層耐水性を評価した。結果を表2に示した。
【0062】比較例4 DMAPAAに代えて、下記構造式(3)に示すDMA
EA(N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート)を
用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用
被記録材を作製した。得られたインクジェット用被記録
材について、実施例1と同様にしてインク定着性、及
び、インク受容層耐水性を評価した。結果を表2に示し
た。
【0063】
【化9】
【0064】比較例5 DMAPAAに代えて、下記構造式(4)に示すDMA
A(N,N−ジメチルアクリルアミド)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を
作製した。得られたインクジェット用被記録材につい
て、実施例1と同様にしてインク定着性、及び、インク
受容層耐水性を評価した。結果を表2に示した。
【0065】
【化10】
【0066】比較例6 DMAPAAに代えて、下記構造式(5)に示すDEA
A(N,N−ジエチルアクリルアミド)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を
作製した。得られたインクジェット用被記録材につい
て、実施例1と同様にしてインク定着性、及び、インク
受容層耐水性を評価した。結果を表2に示した。
【0067】
【化11】
【0068】比較例7 DMAPAAに代えて、下記構造式(6)に示すRAP
I−CURE HBVE(ヒドロキシブチルビニルエー
テル)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジ
ェット用被記録材を作製した。得られたインクジェット
用被記録材について、実施例1と同様にしてインク定着
性、及び、インク受容層耐水性を評価した。結果を表2
に示した。
【0069】
【化12】
【0070】
【表2】
【0071】表2に示したように、実施例5で作製した
インクジェット用被記録材は、インク定着性及びインク
受容層耐水性の両者に優れていた。また、光沢度が70
以上であり、表面光沢性にも優れていた。しかしなが
ら、比較例4〜7のインクジェット用被記録材は、アミ
ド結合及び/又はカチオン性基を有していないため、イ
ンク受容層の耐水性に劣るものであった。
【0072】
【発明の効果】本発明のインクジェット用被記録材は、
上述の構成からなるので、印刷の鮮明性や発色性、印刷
時のインクの吸収・乾燥性、インクの定着性及び印刷物
の耐水性インクの定着性に優れ、染料系インクのみなら
ず、顔料系インクも使用可能であり、屋外における広告
・展示用途等の使用に適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA34 4F100 AK26B AK42A AT00A BA02 BA10A BA10B CC00 GB90 JB07 JB14B JD14B JN17B JN28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に感光性樹脂組成物からなるイン
    ク受容層が設けられたインクジェット用被記録材であっ
    て、前記感光性樹脂組成物は、カチオン性基を含有する
    (メタ)アクリルアミド誘導体を含むことを特徴とする
    インクジェット用被記録材。
  2. 【請求項2】 カチオン性基を含有する(メタ)アクリ
    ルアミド誘導体は、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又はメチル基を表し、R2
    は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは、カチオ
    ン性基を表す。)で表される化合物である請求項1記載
    のインクジェット用被記録材。
  3. 【請求項3】 カチオン性基は、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R3 及びR4 は、それぞれメチル基又はエチル
    基を表す。)で表される3級アミノ基である請求項1又
    は2記載のインクジェット用被記録材。
  4. 【請求項4】 カチオン性基は、下記一般式(3) 【化3】 (式中、R5 、R6 及びR7 は、それぞれメチル基又は
    エチル基を表す。)で表される4級アンモニウム基であ
    る請求項1又は2記載のインクジェット用被記録材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356079A (ja) * 2001-05-30 2002-12-10 Toppan Forms Co Ltd 再剥離性情報担持用シート
JP2010185055A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Riso Kagaku Corp 皮革印刷物
JP2010185054A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Riso Kagaku Corp 皮革印刷物
JP2011035365A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 有機接着層を有する金属回路配線及びその製造方法

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