JP2003079360A - 細胞の培養容器及び細胞の培養方法 - Google Patents

細胞の培養容器及び細胞の培養方法

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JP2003079360A
JP2003079360A JP2002191344A JP2002191344A JP2003079360A JP 2003079360 A JP2003079360 A JP 2003079360A JP 2002191344 A JP2002191344 A JP 2002191344A JP 2002191344 A JP2002191344 A JP 2002191344A JP 2003079360 A JP2003079360 A JP 2003079360A
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culture container
cell culture
cells
water
container according
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Hiroshi Kurosawa
尋 黒澤
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Yamanashi TLO Co Ltd
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通気や攪拌のための特別な装置と熟練した高
度な技術とを用いることなく簡便に、かつ、迅速に3次
元細胞集塊を形成することのできる細胞の培養容器を提
供する。 【解決手段】 連続多孔質構造を有する撥水性膜を少な
くとも底部に備えたことを特徴とする細胞培養容器であ
り、この連続多孔質構造はノードとフィブリルとからな
る構造である。この連続多孔質構造の空孔は紡錘形状を
有しており、その空孔の平均平均短径は0.1μm以上
15μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明が属する技術分野】本発明は、細胞の培養容器及
び細胞の培養方法に関する。
【従来の技術】人工肝臓は、心臓のポンプ機能を補う人
工心臓や、腎臓の透析機能を補う人工腎臓とは異なり、
生命維持に不可欠な物質を合成貯蔵したり毒性物質を解
毒排泄したりという多種類にわたる複雑な機能が要求さ
れている。このような機能のすべてを人工的に代替する
のは困難であるため、元来このような機能を有している
肝臓そのもの(スライス又は全肝臓)を人工肝臓に用い
ることがこれまで検討されてきたが、これらの試みはい
ずれも失敗に終わっている。そこで、現在では、肝細胞
そのものをいったんバラバラにして肝細胞懸濁液とした
後に人工肝臓モジュールに固定化させた、いわゆるハイ
ブリッド型人工肝臓が集中的に研究されている。このハ
イブリッド型人工肝臓においては、肝細胞懸濁液からの
肝細胞をそのまま集めて人工肝臓モジュールに固定化す
る場合よりも、肝細胞同士を凝集・融合させることによ
り3次元的な細胞集塊(以下、「3次元細胞集塊」とい
う。)を形成させてから固定化する場合の方が、より生
体に近い肝機能を発現するため好ましい。この3次元細
胞集塊は、通常の単層培養法により得られる2次元的な
細胞集塊(以下、「2次元細胞集塊」という。)に比べ
て、高い肝機能を発現し、また、この高い肝機能をより
長期間維持できるため好ましい。この3次元細胞集塊を
形成する方法としては、スピナーフラスコなどの中で肝
細胞懸濁液を撹拌することによって、肝細胞を強制的に
接触・凝集させて3次元細胞集塊を形成する方法(K.
Yagi et al., Artificial O
rgans, Vol.17, 929−934(19
93)、Y.Sakai et al., Artif
icial Organs Today,Vol.4,
129−140(1994))と、ある特定の表面特
性をもった培養担体(例えば、陽性荷電ディッシュ、ポ
リリジン被覆ディッシュ、プロテオグリカン被覆ディッ
シュ、PVLA被覆ディッシュ、ポリウレタンフォーム
など)に肝細胞を播種・付着させ、その後自発的な3次
元細胞集塊の形成を待つ方法(N.Koide et
al.,Experimental Cell Res
earch, Vol.186, 227−235(1
990)、 T.Matsushita et a
l., Applied Microbiology
and Biotechnology., Vol.3
6, 324−326(1991))とがある。しかし
ながら、前者は、3次元細胞集塊の形成の際に、通気や
撹拌のための特別の装置と熟練した高度な技術とが必要
であるという問題があり、後者は、3次元細胞集塊の形
成に要する時間が長い(短くても数日)という問題があ
り、いずれにしても、人工肝臓の実現のためにこのよう
な問題が解決されることが望まれていた。また、他の人
工臓器の実現のためにも同様のことが望まれていた。さ
らにまた、人工組織や人工器官(例えば、血管、心臓
弁、皮膚、軟骨等)を形成する際には、その元になる細
胞を人工材料上に3次元的に生育させることもある。こ
のような場合、人工肝臓の場合と同様の問題を生じる。
すなわち、細胞を3次元的に生育させたりする際に、通
気や撹拌のための特別の装置と熟練した高度な技術とが
必要であるという問題や、細胞を3次元的に生育させた
りするのに要する時間が長い(短くても数日)という問
題である。従って、この場合においても、これらの問題
が解決されることが望まれていた。
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題を解決し、通気や撹拌のための特別の装置と熟
練した高度な技術とを用いることなく簡便に、かつ、迅
速に、3次元細胞集塊を形成したり細胞を3次元的に生
育させたりすることのできる細胞の培養容器及び培養方
法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の細胞の培養容器
(以下、「細胞の培養容器」を単に「培養容器」という
ことがある。)は、連続多孔質構造を有する撥水性膜を
少なくとも底部に備えたことを特徴としている。このた
め、本発明の培養容器においては、この連続多孔質構造
の連続孔が酸素ガスの通路になる。その結果、この培養
容器の上部開口部(通常、容器本体と蓋との隙間)から
酸素ガスが供給されるのに加えて、底部からも酸素ガス
が供給されることになる。このため、このような簡単な
培養容器を用いるだけで、よりスムーズに培養液に酸素
を供給できるようになるため、従来よりも簡便にかつ迅
速に3次元細胞集塊を形成することができるようにな
る。また、本発明の培養容器底部に用いられている膜は
連続多孔質構造を有しているが、膜自体が撥水性を示す
ため、培養容器からの培養液の液漏れがない。さらに、
本発明の培養容器は、連続多孔質構造を有しているの
で、その空孔の部分に細胞が捕捉されやすく、このこと
がトリガーとなって、迅速に3次元細胞集塊を形成する
ことができる。この連続多孔質構造を有する膜は、細胞
の培養容器としてだけでなく、細胞の培養基材とするこ
ともできる。本発明の培養容器における連続多孔質構造
は、ノードとフィブリルとからなる構造であることが好
ましい。ノードとは節の部分でありフィブリルとは繊維
状に延びた部分である。例えば、ポリテトラフルオロエ
チレンの延伸加工を行うと、延びずに残った部分がノー
ドになり、延びて繊維状になった部分がフィブリルとな
る。こうすることによって、上記したように膜への細胞
の捕捉が円滑に行われ、より迅速に3次元細胞集塊を形
成することができる。本発明の培養容器における連続多
孔質構造の空孔は、紡錘形状を有していることが好まし
い。こうすることによって、酸素ガスの供給を円滑に行
いながら細胞の捕捉をも円滑に行うことができる。この
場合、紡錘形状の空孔の平均短径は0.1μm以上15
μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以
下であることがさらに好ましい。また、平均長径は0.
2μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm
以上20μm以下であることがさらに好ましい。平均短
径及び平均長径がこの範囲内にあれば、培養液の液漏れ
防止の点と細胞の捕捉し易さの点で有利である。また、
平均短径及び平均長径がこの範囲内にあれば、この連続
多孔質構造を有する膜を細胞の培養基材とする際にも有
利である。本発明の培養容器においては、連続多孔質構
造を有する撥水性膜そのものを容器の底部にしているの
で、機械的強度確保及び液漏れ防止の観点から、撥水性
膜の厚さある程度以上厚くすることが好ましい。この観
点からは、その厚さが50μm以上であることが好まし
く、100μm以上であることがさらに好ましい。一
方、本発明の培養容器においては、撥水性膜が厚すぎる
と、酸素透過性が低下してしまうので、その厚さが20
00μm以下であることが好ましく、500μm以下で
あることがさらに好ましい。本発明の培養容器において
は、撥水性膜として、延伸されたフッ素含有高分子化合
物からなる膜を、特に好ましく用いることができる。フ
ッ素含有高分子化合物としては、例えばポリテトラフル
オロエチレンを用いることができる。この延伸されたフ
ッ素含有高分子化合物からなる膜は、連続多孔質構造を
有する撥水性膜であると同時に、この連続多孔質構造は
ノードとフィブリルとからなる構造であり、しかも、連
続多孔質構造の空孔は紡錘形状を有しているので、十分
な撥水性(液漏れしない性質)、酸素透過性、機械的強
度、細胞捕捉性に優れている他、生体適合性、化学的安
定性、抗血栓性、易剥離性をもバランスよく満たし、細
胞の培養容器を十分優れたものとすることができる。な
お、撥水性をさらに向上させるために、延伸されたフッ
素含有高分子化合物からなる膜に対して、さらに撥水処
理を施すこともできる。上記のいずれの培養容器も、底
面の全部又は大部分が開口する容器と、該容器の開口部
を覆いかつその周囲に所定(所望)幅の押え代を形成し
うる大きさの前記撥水性膜と、この押え代の部位で前記
撥水性膜を前記容器に着脱可能に固定する治具とから構
成することができる。このような構成にすることによ
り、培養された細胞が付着した撥水性膜を容器から取り
外すことが可能になる。また撥水性膜のみを交換して、
細胞の培養を繰り返すことができる。このように撥水性
膜を取り外し可能にしても、その押え代の部分が容器の
周面及び/又は底面に密着するように、治具により撥水
性膜が押し付けられているため、液漏れすることがな
い。本発明の細胞の培養方法(以下、「細胞の培養方
法」を単に「培養方法」ということもある。)は、上記
した本発明の培養容器中で、細胞を培養することを特徴
としている。このため、上記したような有利な効果をす
べて有している。本発明の培養方法は、肝細胞を培養す
る際に、特に好ましく用いることができる。また、撥水
性膜を着脱可能に固定した本発明の培養容器は、特に人
工皮膜を形成するための細胞の培養に好適である。人工
皮膚用の細胞の場合、撥水性膜から引き剥がす際に損傷
を受け易いので、撥水性膜が付着したままの細胞を用い
て生体に結合させ、しかるべき期間経過後に撥水性膜を
除去するという方法をとることが好ましいためである。
本発明の他の細胞の培養容器は、連続多孔質構造を有す
る撥水性材料で形成されてなることを特徴としている。
このため、本発明の他の培養容器においては、この連続
多孔質構造の連続孔が酸素ガスの通路になる。その結
果、この培養容器の上部開口部(通常容器本体と蓋との
隙間)から酸素ガスが供給されるのに加えて培養容器を
介しても酸素ガスが供給されることになる。このため、
このような簡単な培養容器を用いるだけで、よりスムー
ズに培養液に酸素を供給できるようになるため、従来よ
りも簡便にかつ迅速に3次元細胞集塊を形成したり、従
来よりも簡便にかつ迅速により大きな組織を形成したり
することができるようになる。また、本発明の培養容器
に用いられている材料は連続多孔質構造を有している
が、材料自体が撥水性を示すため、培養容器からの培養
液の液漏れがない本発明の他の培養容器における連続多
孔質構造は、ノードとフィブリルとからなる構造である
ことが好ましい。また、本発明の他の培養容器における
連続多孔質構造の空孔は、紡錘形状を有していることが
好ましい。こうすることによって、酸素ガスの供給が円
滑に行われ、より迅速に3次元細胞集塊を形成すること
ができる。この場合、紡錘形状の空孔の平均短径は0.
5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm
以上5μm以下であることがさらに好ましい。また、平
均長径は1μm以上100μm以下であることが好まし
く、2μm以上50μm以下であることがさらに好まし
い。平均短径及び平均長径がこの範囲であれば、培養液
の液漏れの点及び酸素ガス供給の点で有利である。本発
明の他の培養容器においては、連続多孔質構造を有する
撥水性材料で形成されているので、機械的強度確保及び
液漏れ防止の観点から、撥水性材料の厚さをある程度以
上厚くすることが好ましい。この観点からは、その厚さ
が50μm以上であることが好ましく、100μm以上
であることがさらに好ましい。一方、本発明の他の培養
容器においては、撥水性膜が厚すぎると、酸素透過性が
低下してしまうので、その厚さが2000μm以下であ
ることが好ましく、500μm以下であることがさらに
好ましい。本発明の他の培養容器においては、撥水性材
料として、延伸されたフッ素含有高分子化合物からなる
材料を、特に好ましく用いることができる。フッ素含有
高分子化合物としては、例えばポリテトラフルオロエチ
レンを用いることができる。この延伸されたフッ素含有
高分子化合物からなる材料は、連続多孔質構造を有する
撥水性材料であると同時に、この連続多孔質構造はノー
ドとフィブリルとからなる構造であり、しかも、連続多
孔質構造の空孔は紡錘形状を有しているので、十分な撥
水性(液漏れしない性質)、酸素透過性、機械的強度に
優れている他、生体適合性、化学的安定性、抗血栓性、
易剥離性をもバランスよく満たし、細胞の培養容器を十
分優れたものとすることができる。なお、撥水性をさら
に向上させるために、延伸されたフッ素含有高分子化合
物からなる膜に対して、さらに撥水処理を施すこともで
きる。本発明の他の細胞の培養方法は、上記した本発明
の他の培養容器中で、細胞を培養することを特徴として
いる。このため、上記したような有利な効果をすべて有
している。本発明の他の培養方法は人工組織や人工器官
(例えば、人工血管、人工心弁、人工皮膚、人工軟骨)
を形成する際に、特に好ましく用いることができる。
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を詳しく説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の実施形態1に係る細胞
の培養容器を示す図である。(a)は斜視図、(b)は
断面図である。(a)においては、蓋を省略した。実施
形態1で培養する細胞は肝細胞である。図1に示される
ように、培養容器10は、ディッシュ状の形状をしてお
り、側部12と底部14を備えている。側部12はポリ
スチレンからなっている。底部14は連続多孔質構造を
有する撥水膜からなっている。そして、この連続多孔質
構造はノードとフィブリルとからなる構造である。そし
て、この連続多孔質構造の空孔は紡錘形状を有してい
る。この空孔の平均短径は0.1μm以上15μm以下
であり、平均長径は0.2μm以上30μm以下であ
る。そして、この撥水性膜の厚さは50μm以上200
0μm以下である。図2は、実施形態1に係る培養容器
の作用・効果(作用・効果は後述する。)を示す図であ
る。(a)は後述する実施例1の場合、(b)は後述す
る比較例1の場合を示す。図2の(a)に示されるよう
に、実施形態1においては、この培養容器10に、肝細
胞を含有する培養液17を静かに入れて、その後、この
培養容器10の底部14を構成する「連続多孔質構造を
有する撥水膜」上に肝細胞の3次元細胞集塊を自発的に
形成させる。このとき、図2の(a)からも明らかなよ
うに、培養液17中には、容器本体と蓋との隙間からの
みならず底部からも酸素ガスが供給される。また、この
底部14からの酸素は、培養液17へ供給されるのに加
え、形成されつつある3次元細胞集塊15へも直接供給
される。このため、このような簡単な培養容器10を用
いるだけで、撥水膜上に形成されつつある3次元細胞集
塊15にはスムーズに酸素が供給されるようになるた
め、従来よりも簡便にかつ迅速に3次元細胞集塊を形成
することができるようになった。また、実施形態1に係
る培養容器10によれば、従来のものより高い機能(例
えば、高いアルブミン合成能、高いアンモニア除去能)
を有する3次元細胞集塊を形成することができた。 (実施例1) 1.肝細胞を含む培養液の準備 6週令のWistar系ラット(オス)からコラゲナー
ゼ灌流法により肝の実質細胞(肝細胞)を分離した。そ
して、この肝細胞を、細胞濃度が5×105cells
/mlとなるよう下記の培地に懸濁した。培養液は、
「Williams’ E mediumをベースとし
た無血清培地」に「10-7M insulin, 10
-7M dexamethasone, 20ng/ml
EGF,50mM linoleic acid,
0.1mM CuSO4・5H2O, 3nM H2Se
3, 50pM ZnSO4・7H2O, 15mM
HEPES, 100units/ml penici
llin, 100μg/ml streptomyc
in, 及び2.2g/l NaHCO3」を補填した
ものである。 2.細胞の培養容器の準備 図1に示されるような培養容器10を準備した。すなわ
ち、実施例1の培養容器10は、側部12と底部14と
を備えている。側部12はポリスチレンからなってい
る。底部14は、延伸されたポリテトラフルオロエチレ
ンからなる膜(ジャパンゴアテックス株式会社製の(登
録商標)ゴアテックス)である。培養容器10の直径は
約60mm(内径は約50mm)である。この膜をSE
M写真で観察したところ、紡錘状の空孔(平均短径が
3.5μm程度、平均長径が12.5μm程度)が互い
に連通した「連続多孔質構造」を有していることがわか
った。底部の厚さは100μmである。 3.肝細胞の培養 1.で準備した培養液17を、2.で準備した培養容器
10に、培養液の深さが2mmとなるように静かに加え
た。すなわち、ディッシュ当たり4mlずつ培養液を播
種した。この培養容器10を、酸素分圧20%、炭酸ガ
ス分圧5%の雰囲気下で温度を37度に保ち静置培養し
て、自発的に3次元細胞集塊が形成されるのを待った。
その結果、24時間以内に3次元細胞集塊が形成され
た。培地交換は、24時間毎に行った。交換した培地の
一部は、後述するアルブミン濃度の測定に供した。 4.培養液中の酸素分圧の測定 培養液中の酸素分圧は、蛍光式溶存酸素電極(FO−9
60、オートマティックシステムリサーチ社)を用いて
測定した。肝細胞を含まない培養液においては、酸素分
圧はおよそ150mmHgに保たれているが、細胞が懸
濁した培養液においては、細胞の呼吸によって酸素が消
費される結果、酸素分圧は低下する。酸素分圧の測定
は、細胞の呼吸速度が高い播種直後と、呼吸速度がある
レベルまで低下して安定する培養2日目に行った。実施
例1の培養容器10における酸素分圧の測定結果を、後
述する比較例1の培養容器110及び比較例2の培養容
器210における培養液中の酸素分圧の測定結果ととも
に、図3に示す。実施例1の場合においては、肝臓が正
常な肝機能を発現するのに必要な酸素分圧40mmHg
を維持することができた。 5.培養容器内で培養した肝細胞のアルブミン合成能の
評価 3.の肝細胞の培養で24時間毎に収集した培養液中の
アルブミン濃度を、サンドイッチELISAを用いて測
定した。実施例1の培養容器10における培養液中で培
養した肝細胞のアルブミン合成能の測定結果を、後述す
る比較例1の培養容器110及び比較例2の培養容器2
10における培養液中で培養した肝細胞のアルブミン合
成能の測定結果とともに、図4に示す。生体内において
ラット肝細胞は、106個の細胞当たり1日に約100
μgのアルブミンを合成している(100μg/106
cells・day)。実施例1の場合においても、
これと同等のアルブミン合成能を発現・維持することが
できた。 6.肝細胞の写真 図5は、実施例1に係る撥水性膜に肝細胞が捕捉された
状態を示す図である。(a)は、1個の肝細胞が撥水性
膜に捕捉された様子を示す図であり、(b)は複数の肝
細胞が3次元細胞集塊を形成している様子を示す図であ
る。(b)においては、多数の肝細胞からなる3次元細
胞集塊全体を示すため、(a)よりも拡大率を低くして
ある。(a)において、肝細胞は中央部に示されてい
る。この肝細胞の直径は11.3μmである。また、図
中、空孔は多数存在しているが、このうち左端中央部に
ある空孔の短径は3.5μm、長径は12.5μmであ
る。図5に示されるように、実施例1の培養容器の底部
に用いられている撥水性膜Aは、ノードDとフィブリル
Eからなる連続多孔質構造からなっており、さらにこの
連続多孔質構造においては紡錘形状の空孔が連続した構
造となっている。このため、まず1個の肝細胞がこの空
孔の部分に捕捉され((a)参照。)、続いて、多数の
肝細胞が集合して3次元細胞集塊Cが形成される
((b)参照。)。 (比較例1)細胞の培養容器を図7の細胞の培養容器に
代えたこと以外は、実施例1と同様に、細胞の培養を行
い、細胞集塊の形成時間の測定を行い、培養容器中での
酸素分圧の測定を行い、培養肝細胞のアルブミン合成能
の評価を行った。比較例1の培養容器110は、肝細胞
の培養容器として、従来から一般的に用いられている培
養容器である。図7の(a)斜視図及び(b)断面図に
示されるように、比較例1の培養容器110は、側部1
12と底部114を備えている。(a)においては、蓋
を省略した。側部112及び底部114はポリスチレン
からなっている。そして、底部112の内側には、常法
に従って、コラーゲン116がコーティングされてい
る。比較例1の底部は、酸素透過性がない。比較例1の
培養容器110においては、肝細胞は3次元細胞集塊を
全く形成しなかった。また、培養容器中での酸素分圧の
測定結果は、図3に示すとおりであり、肝臓が正常な肝
機能を発現するのに必要な酸素分圧40mmHgを維持
することができなかった。また、培養肝細胞のアルブミ
ン合成能の評価結果は、図4に示すとおりであり、生体
肝の場合と同等のアルブミン合成能を発現・維持するこ
とができなかった。 (比較例2)細胞の培養容器を図8の細胞の培養容器に
代えたこと以外は、実施例1と同様に、細胞の培養を行
い、3次元細胞集塊の形成時間の測定を行い、培養容器
中での酸素分圧の測定を行い、培養肝細胞のアルブミン
合成能の評価を行った。図8の(a)斜視図及び(b)
断面図に示されるように、比較例2の培養容器210
は、側部212と底部214を備えている。(a)にお
いては、蓋を省略した。側部212はポリスチレンから
なり、底部214は厚さ25μmのポリテトラフルオロ
エチレンフィルムからなっている。このポリテトラフル
オロエチレンフィルムは延伸加工されていない。このポ
リテトラフルオロエチレンフィルムは酸素透過性を有す
る素材であるため、比較例2の底部は酸素透過性があ
る。比較例2の培養容器210においては、肝細胞の3
次元細胞集塊が形成されるまでに、72〜96時間を要
した。また、培養容器中での酸素分圧の測定結果は、図
3に示すとおりであり、肝臓が正常な肝機能を発現する
のに必要な酸素分圧40mmHgを維持することはでき
ている。しかしながら、培養肝細胞のアルブミン合成能
の評価結果は、図4に示すとおりであり、生体肝の場合
と同等のアルブミン合成能を発現・維持することができ
なかった。以上、実施例1と比較例1と比較例2とを比
較すれば以下のことが明らかとなった。すなわち、実施
例1及び比較例2においては、比較例1で形成されなか
った3次元細胞集塊が形成された。これは、実施例1及
び比較例2においては比較例1におけるより、培養容器
中での酸素分圧が高いので、3次元細胞集塊形成中にお
ける酸素供給がスムーズになるためであると推測され
る。また、実施例1においては、比較例2におけるより
も、迅速に3次元細胞集塊が形成された。これは、実施
例1の場合も比較例2の場合も、培養容器中での酸素分
圧はさほど変わらないが、実施例1では延伸加工したポ
リテトラフルオロエチレン膜を用いているため、膜が連
続多孔質構造を有しており、そのうえ、この連続多孔質
構造はノードとフィブリルとからなる構造であるため、
肝細胞が捕捉されやすく、このことがトリガーとなっ
て、3次元細胞集塊が迅速に形成されるためであると推
測される。さらにまた、実施例1の培養容器を用いるこ
とによって、いずれの比較例の場合よりも、培養肝細胞
のアルブミン合成能が高まった。ここで、実施例1の場
合と比較例2の場合とではいずれも3次元細胞集塊が形
成されている点では違いがないのに、これらの間でアル
ブミン合成能力に差が生じたのは、実施例1では延伸加
工したポリテトラフルオロエチレン膜を用いているた
め、膜が連続多孔質構造を有しており、そのうえ、この
連続多孔質構造はノードとフィブリルとからなる構造で
あるため、形成される3次元細胞集塊が生体の肝細胞と
よく似た環境に置かれているためであると推測される。
以上のことから、実施例1の培養容器は、肝細胞の培養
容器として、優れた培養容器であることが明らかになっ
た。 (実施形態2)図6は、本発明の実施形態2に係る細胞
の培養容器を示す図である。(a)は斜視図、(b)は
断面図である。(a)においては、蓋を省略した。実施
形態2で培養する細胞は、子羊の大腿静脈から採取した
血管内皮細胞と線維芽細胞とを主体とする混合細胞であ
る。図6に示されるように、培養容器20は、ほぼ円筒
状の形状を有しており、側部22と底部24を備えてい
る。そして、側部22と底部24は、いずれも連続多孔
質構造を有する撥水性材料からなっている。そして、こ
の連続多孔質構造はノードとフィブリルとからなる構造
である。そして、この連続多孔質構造の空孔は紡錘形状
を有している。この空孔の平均短径は0.5μm以上1
0μm以下であり、空孔の平均長径は1μm以上50μ
m以下である。そして、この撥水性膜の厚さは50μm
以上2000μm以下である。そして、この撥水性材料
は延伸されたポリフルオロアルキル化合物からなるのが
好ましい。実施形態2においては、ある程度以上厚い撥
水性材料を用いたときには、この材料そのものの剛性が
高いため、この材料をこのまま成型して、培養容器とす
ることができる。一方、ある程度薄い撥水性材料を用い
たときには、この材料そのものの剛性は低いので布状と
なる。このため、この布状の撥水性材料をシームレスに
加工して、さらに培養容器の形状をしたフレームと組み
合わせて培養容器とすることが好ましい。実施形態2に
おいては、まず、血管を模して作成した管状(直径10
mm、長さ30mm)のポリマーメッシュ(中心部のポ
リグラチンメッシュをポリグリコール酸メッシュではさ
んだもの)に、上記の混合細胞を2×107個播種す
る。次に、この細胞を含むポリマーメッシュ25を培養
容器20に入れ、ここに培養液27をポリマーメッシュ
25が完全に浸るまで入れた。そして、この細胞を、酸
素分圧20%、炭酸ガス分圧5%の雰囲気下で、温度を
37度に保ち静置培養した。培養液は「Dulbecc
o’s Modified Eagles培地」に「1
0%牛胎児血清と1%の抗生物質液」を補填したものを
用いた。実施形態2の培養容器20における培養液27
中には、機械的な撹拌や強制的な通気を行わなくても、
容器の周囲から十分な酸素が溶け込むため、ポリマーメ
ッシュ25上に播種した細胞は3次元的に生育し、効率
よく血管組織状に再生された。このほか、この培養容器
20を用いることによって、心臓弁、皮膚、軟骨等の元
になる細胞を、人工材料上で3次元的に生育させること
によって、それぞれの人工組織・器官を効率よく再生す
ることが可能になることが期待される。すなわち、実施
形態2の培養容器20は、組織・器官再生用の培養容器
として好ましく用いられることが期待される。 (実施形態3)図9は本発明の実施形態3に係る細胞の
培養容器を示す図である。(a)は部品の構成を示す斜
視図、(b)は組み立て後の側面図である。この容器は
蓋31、治具32、撥水性膜33及び容器本体34から
構成されている。容器本体34は、高さが低い方形で側
部35と底部付近の張り出し部36を有している。ま
た、容器底面は張り出し部を除いて開口し、容器上面も
開放されている。撥水性膜33は、治具32と本体34
によって固定される際(と同時)に方形の皿状に成型さ
れ、容器本体34の内面に隙間なく篏入するように構成
されている。治具32は上下面が開放され、側部37の
みからなる枠体である。容器本体34内に撥水性膜33
を入れ、さらにその上から治具32を篏合すると、治具
の側部37の外周及び底面により撥水性膜33が容器側
面(側部35及び張り出し部36)に押し付けられて固定
される。撥水性膜33は、ノードとフィブリルからなる
連続多孔質構造を有する。この連続多孔質構造の空孔は
紡錘形状を有し、この空孔の平均短径は0.1μm以上
15μm以下であり、平均長経は、0.2μm以上30μ
m以下である。そして撥水性膜の厚さは50μm以上20
00μm以下である。本実施例においては、撥水性膜と
して、延伸されたポリフルオロアルキル化合物からなる
材料を用い、容器本体34、治具32及び蓋31の材料
としてポリスチレンを用いた。さらに、容器本体の側部
35の下端には複数の切り欠き部38が設けられてお
り、ここから外部の空気が流入し、撥水性膜33を通じ
て培養中の細胞に酸素が供給される。実施形態3におい
ては、上記の容器を用いて、培養表皮の作製を行った。
はじめに表皮細胞の培養基礎となる3T3細胞の培養を
行った。3T3細胞の培養には10%牛血清を含むDulbecc
o’s modified Eagle’s medium(DME培地)を用い
た。表皮細胞を播種する数時間前に3T3細胞を2×1
4cell/cm2の濃度で容器に播種した。10%牛胎児血
清(FCS)を含むDME培地で懸濁した表皮細胞を、3T3
細胞が接着して形成した培養基層上に2×104cell/c
2 の濃度で播種し37℃、10%CO2 のインキュベー
タ内で培養した。表皮細胞が3T3細胞の培養基層に接
着したら、培地をDME培地とF-12培地を3:1で混合し
たものに交換した。この混合培地には、10%FCS,
EGF10ng/ml,insulin5μg/ml,adenine1.8×10
-4M,transferrin5μg/ml,triiodothironine2×10-9M,
hydrocortisone0.4μg/ml,choreratoxine10-10Mを添
加し使用した。以後の培地交換は、1週間に2回の割合
で行った。表皮の培養は、培養基層の3T3細胞の上に
表皮細胞が重層されて培養することになるが、培養器底
部から酸素供給が行われることにより、3T3細胞の基
層を培養期間中良好な状態に保つことができるため、そ
の上に生育する表皮細胞の増殖も良好である。培養して
シート状に生育した表皮は、撥水性膜に付着した状態で
膜と一緒に容器の型枠からはずして、保存・運搬するこ
とが可能である。また、患部に表皮を移植する際にも、
撥水性膜に付着した状態で、患部を覆うように移植する
ことができる。従来は、培養表皮を300unit/mlのデ
ィスパーゼ(酵素)で処理し、培養表皮の上に滅菌和紙な
どのキャリアをのせ、これと一緒に剥がすという方法を
とっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る細胞の培養容器を示す図であ
る。
【図2】実施形態1に係る細胞の培養容器の作用・効果
を示す図である。
【図3】実施例1等における培養容器中の酸素分圧を示
す図である。
【図4】実施例1等における培養肝細胞のアルブミン合
成能を示す図である。
【図5】実施例1に係る撥水性膜に肝細胞が捕捉された
状態を示す図である。
【図6】実施形態2に係る細胞の培養容器を示す図であ
る。
【図7】比較例1に係る細胞の培養容器を示す図であ
る。
【図8】比較例2に係る細胞の培養容器を示す図であ
る。
【図9】実施形態3に係る細胞の培養容器を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 本発明の細胞の培養容器 12 側部 14 底部 15 3次元細胞集塊層 17 培養液 18 蓋 20 本発明の他の細胞の培養容器 22 側部 24 底部 25 ポリマーメッシュ 27 培養液 28 蓋 31 蓋 32 治具 33 撥水性膜 34 容器本体 35 本体の側部 36 張り出し部 37 治具の側部 38 切り欠き部 110 比較例1の培養容器 112 側部 114 底部 115 2次元細胞集塊層 116 コラーゲン層 117 培養液 118 蓋 210 比較例2の培養容器 212 側部 214 底部 218 蓋 A 延伸されたポリテトラフロロエチレンからなる連
続多孔質構造を有する撥水性膜 B 肝細胞 C 肝細胞の3次元細胞集塊 D ノード E フィブリル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 3/00 C12M 3/00 A 3/04 3/04 Z C12N 5/06 C12N 5/00 B 5/10 E

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続多孔質構造を有する撥水性膜を少な
    くとも底部に備えたことを特徴とする細胞の培養容器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の細胞の培養容器におい
    て、前記連続多孔質構造はノードとフィブリルとからな
    る構造であることを特徴とする細胞の培養容器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の細胞の培養容器
    において、前記連続多孔質構造の空孔は紡錘形状を有し
    ていることを特徴とする細胞の培養容器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の細胞の培養容器におい
    て、前記空孔の平均平均短径は0.1μm以上15μm
    以下であることを特徴とする細胞の培養容器。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の細胞の培養容器
    において、前記空孔の平均長径は0.2μm以上30μ
    m以下であることを特徴とする細胞の培養容器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の細胞
    の培養容器において、前記撥水性膜の厚さは50μm以
    上2000μm以下であることを特徴とする細胞の培養
    容器。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の細胞
    の培養容器において、前記撥水性膜は延伸されたフッ素
    含有高分子化合物からなる膜であることを特徴とする細
    胞の培養容器。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の細胞の
    培養容器であって、底面の全部又は大部分が開口する容
    器と、該容器の開口部を覆いかつその周囲に所定幅の押
    え代を形成しうる大きさの前記撥水性膜と、この押え代
    の部位で前記撥水性膜を前記容器の周面及び/又は底面
    に着脱可能に固定する治具とを備えたことを特徴とする
    細胞の培養容器。
  9. 【請求項9】前記治具が、少なくとも下面が開放され、
    前記容器の内側に嵌合する内筒である請求項8に記載の
    細胞の培養容器。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の細
    胞の培養容器中で、細胞を培養することを特徴とする細
    胞の培養方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至9のいずれかに記載の細
    胞の培養容器中で、肝細胞を培養することを特徴とする
    細胞の培養方法。
  12. 【請求項12】 請求項8又は9に記載の細胞の培養容
    器中で、細胞を培養して人工皮膜を形成することを特徴
    とする細胞の培養方法。
  13. 【請求項13】 連続多孔質構造を有する撥水性材料で
    形成されてなることを特徴とする細胞の培養容器。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の細胞の培養容器に
    おいて、前記連続多孔質構造はノードとフィブリルとか
    らなる構造であることを特徴とする細胞の培養容器。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14に記載の細胞の培
    養容器において、前記連続多孔質構造の空孔は紡錘形状
    を有していることを特徴とする細胞の培養容器。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の細胞の培養容器に
    おいて、前記空孔の平均短径は0.5μm以上10μm
    以下であることを特徴とする細胞の培養容器。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16に記載の細胞の培
    養容器において、前記空孔の平均長径は1μm以上10
    0μm以下であることを特徴とする細胞の培養容器。
  18. 【請求項18】 請求項13乃至17のいずれかに記載
    の細胞の培養容器において、前記撥水性材料は50μm
    以上2000μm以下の厚さを有していることを特徴と
    する細胞の培養容器。
  19. 【請求項19】 請求項13乃至18のいずれかに記載
    の細胞の培養容器において、前記撥水性材料は延伸され
    たフッ素含有高分子化合物であることを特徴とする肝細
    胞の培養容器。
  20. 【請求項20】 請求項13乃至19のいずれかに記載
    の細胞の培養容器中で、細胞を培養することを特徴とす
    る細胞の培養方法。
  21. 【請求項21】 請求項13乃至19いずれかに記載
    の細胞の培養容器中で、細胞を培養して人工組織又は人
    工器官を形成することを特徴とする細胞の培養方法。
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