JP2003075591A - 多層膜反射鏡、その製造方法、軟x線露光装置及び軟x線光学系 - Google Patents

多層膜反射鏡、その製造方法、軟x線露光装置及び軟x線光学系

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JP2003075591A
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Wakana Ishiyama
若菜 石山
Masaki Yamamoto
正樹 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層膜にダメージを与えることなく多層膜の
層数を制御して多層膜の面形状を補正した多層膜反射鏡
及びその製造方法、多層膜反射鏡を備えた軟X線露光装
置及び軟X線光学系を提供する。 【解決手段】 本発明に係る多層膜反射鏡の製造方法
は、屈折率の異なる少なくとも二種類以上の物質を交互
に所定の周期長で積層してなる多層膜2を基板1上に成
膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜2上の所望の範
囲内に、周期長が多層膜2とほぼ等しい多層膜3を積層
することによって、多層膜反射鏡の反射波面の位相を補
正するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスな
どの製造に用いられる多層膜反射鏡及びその製造方法、
多層膜反射鏡を備えた軟X線露光装置及び軟X線光学系
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路素子の微細化の進
展に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解
像力を向上させるために、従来の紫外線に代わって、こ
れより波長の短い11〜14nm程度の波長を有する軟
X線を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている
(例えば、D.Tichenor,et al, SPIE 2437(1995)292参
照)。この技術は、最近ではEUV(Extreme Ultra Vio
let:極紫外線)リソグラフィとも呼ばれているが、その
内容は同一である(以下、EUVリソグラフィと呼
ぶ)。EUVリソグラフィは、従来の光リソグラフィ
(波長190nm程度以上)では実現不可能な70nm
以下の解像力を有する将来のリソグラフィ技術として期
待されている。
【0003】この波長域では物質の屈折率が1に非常に
近いので、屈折や反射を利用した従来の光学素子は使用
できない。屈折率が1よりも僅かに小さいことによる全
反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光
の位相を合わせて多数重畳させて、全体として高い反射
率を得る多層膜反射鏡(多層膜ミラー)などが使用され
る。13.4nm付近の波長域では、モリブデン(M
o)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/S
i多層膜を用いると直入射で67.5%の反射率を得る
ことが出来、波長11.3nm付近の波長域では、Mo
層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be
多層膜を用いると直入射で70.2%の反射率を得るこ
とができる(例えば、C.Montcalm, Proc. SPIE, Vol. 3
331(1998)P.42参照)。
【0004】EUVリソグラフィ装置は、主として軟X
線光源、照明光学系、マスクステージ、投影結像光学系
(投影光学系)、ウエハステージ等により構成される。
軟X線光源には、レーザープラズマ光源、放電プラズマ
光源や放射光などが使用される。照明光学系は、反射面
に斜め方向から入射した軟X線を反射させる斜入射ミラ
ー、反射面が多層膜により形成される多層膜ミラー及び
所定の波長の軟X線のみを透過させるフィルター等によ
り構成され、マスク上を所望の波長の軟X線で照明す
る。なお、軟X線の波長域では透明な物質は存在しない
ので、マスクには従来の透過型のマスクではなく反射型
のマスクが使用される。
【0005】マスク上に形成された回路パターンは、複
数の多層膜ミラー等で構成された投影結像光学系によ
り、レジストが塗布されたウエハ(感光性基板)上に結
像して該レジストに転写される。なお、軟X線は大気に
吸収されて減衰するため、その光路は全て所定の真空度
(例えば、1×10-5Torr以下)に維持されてい
る。
【0006】投影結像光学系は複数の多層膜ミラーによ
り構成される。多層膜ミラーの反射率は100%ではな
いので、光量の損失を抑えるためにミラーの枚数は出来
るだけ少なくすることが好ましい。これまでに、4枚の
多層膜ミラーからなる光学系(例えば、T. Jewell and
K. Thompson, USP 5,315,629、 T, Jewell, USP 5,063,
586参照)や、6枚の多層膜ミラーからなる光学系(例
えば、D. Williamson,特開平9-211332、USP 5,815,310
参照)などが報告されている。
【0007】光束が一方向に進行する屈折光学系とは異
なり、反射光学系では光学系の中で光束が往復すること
になるので、ミラーによる光束のけられを避けるという
制限のために、開口数(NA)を大きくすることが難し
い。4枚光学系ではNAを0.15程度までにしか出来
ないが、6枚光学系では更にNAの大きい光学系の設計
が可能になる。マスクステージとウエハステージが投影
結像光学系の両側に配置できるように、ミラーの枚数は
通常は偶数になっている。
【0008】このような投影結像光学系は、限られた面
数で光学系の収差を補正しなければならないので、各ミ
ラーには非球面形状が適用され、また、所定の像高の近
傍でのみ収差の補正されたリングフィールド光学系にな
っている。マスク上のパターン全体をウエハ上に転写す
るためには、マスクステージとウエハステージとを、光
学系の倍率分だけ異なる速度でスキャンさせながら露光
を行う。
【0009】前記のような露光装置の投影結像光学系
は、いわゆる回折限界の光学系であり、波面収差を充分
に小さくしておかないと設計通りの性能を得ることは出
来ない。回折限界の光学系における波面収差の許容値の
目安としては、Marechalによる二乗平均値(RMS)で
使用波長の1/14以内という基準がある(M. Born an
d E. Wolf, Principles of Optics, 4th edition, Perg
amon Press 1970, p.469参照)。これはStrehl強度(収
差のある光学系と無収差光学系との間の点像強度の最大
値の比)が80%以上になるための条件である。実際の
露光装置の投影結像光学系は、これよりも更に低い収差
になるように製造されている。
【0010】現在、盛んに研究開発が行われているEU
Vリソグラフィ技術においては、露光波長は主として1
3nmあるいは11nm付近の波長が使われている。光
学系の波面収差(WFE)に対して、個々のミラーに許
容される形状誤差(FE)は次式で与えられる。 (数式1) FE=WFE/2/m1/2(RMS)
【0011】mは光学系を構成するミラーの数であり、
更に2で割るのは、反射光学系では入射光と反射光の両
方がそれぞれ形状誤差の影響を受けるので、波面収差に
は形状誤差の2倍の誤差が乗るからである。結局、回折
限界の光学系において、個々のミラーに許容される形状
誤差(FE)は、波長λとミラーの枚数mに対して次式
で与えられる。 (数式2) FE=λ/28/m1/2(RMS)
【0012】この値は、波長13nmでは4枚のミラー
で構成された光学系の場合0.23nmRMSとなり、
6枚のミラーで構成された光学系の場合0.19nmR
MSとなる。
【0013】しかしながら、このような高精度の非球面
形状ミラーを製造することは非常に困難であり、EUV
リソグラフィがなかなか実用化できない第一の原因とな
っている。現在までに達成されている非球面の加工精度
は0.4〜0.5nmRMSの程度であり(C. Gwyn, E
xtreme Ultraviolet Lithography White Paper, EUVLL
C, 1998, p17参照)、EUVリソグラフィを実現するた
めには非球面の加工技術および計測技術の大幅な向上が
必要とされている。
【0014】最近、山本によって多層膜ミラーの表面を
一層ずつ削り取ることによって、実質的にサブnmの形
状誤差を補正することのできる画期的な技術が報告され
た(M. Yamamoto, 7th International Conference on S
ynchrotron Radiation Instrumentation, Berlin Germa
ny, August 21-25, 2000, POS2-189)。図5をもって、
その原理を説明する。
【0015】図5(a)に示すように、基板1上にA,
B二種類の物質を一定の周期長dで交互に積層した多層
膜の表面から、図5(b)に示すように一層対を除去す
る場合を考える。図5(a)で、多層膜表面に対して垂
直方向に進行する光線に対する、厚さdの多層膜一層対
の光路長は、OP=nAA+nBBで与えられる。ここ
でdA,dBは各層の厚さを表し、dA+dB=dである。
A,nBは物質A,Bそれぞれの屈折率である。
【0016】図5(b)で、最表面の多層膜一層対を除
去した厚さdの部分の光路長は、OP’=ndで与えら
れる。nは真空の屈折率を表し、n=1である。多層膜
の最上層を除去することによって、そこを通過する光線
が進む光学的距離が変化することになる。これは、実質
的にその変化分だけ面形状を修正したことと光学的に等
価である。
【0017】光路長の変化(即ち、面形状の変化)は、
Δ=OP’−OPで与えられる。軟X線の波長域では、
物質の屈折率が1に近いので、Δは小さな量となり、本
方法により精密な面形状の補正が可能になる。具体例と
して、波長13.4nmでMo/Si多層膜を用いた場
合を示す。直入射で使用するために、d=6.8nm、
Mo=2.3nm、dSi=4.5nmとする。この波長
での屈折率は、nMo=0.92、nSi=0.998であ
る。これらの数値を用いて光路長の変化を計算すると、
OP=6.6nm、OP’=6.8nm、Δ=0.2n
mとなる。厚さ6.8nmの層を除去する加工によっ
て、0.2nm相当の面形状の補正を行うことが出来
る。
【0018】なお、Mo/Si多層膜の場合、Si層の
屈折率は1に近いので、光路長の変化は主としてMo層
の有無によるものであり、Si層の有無には殆ど依存し
ない。従って、多層膜の層を除去する際に、Si層の厚
さを正確に制御する必要は無い。この例ではSi層の厚
さは4.5nmであり、この層の途中で加工が停止すれ
ば良い。即ち、数nmの精度の加工を施すことによって
0.2nm単位の面形状補正を行うことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前述した山本の提案し
た反射波面の制御法は非常に有効であるが、面形状の補
正はIVMやCVMで多層膜を剥がすため、加工を行っ
た部分の多層膜には多少のダメージが入ってしまう。多
層膜のダメージは反射率の低下に繋がるため、ダメージ
を与えずに多層膜の層数を制御する方法が望まれてい
る。
【0020】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、多層膜にダメージを与え
ることなく多層膜の層数を制御して多層膜の面形状を補
正した多層膜反射鏡及びその製造方法、多層膜反射鏡を
備えた軟X線露光装置及び軟X線光学系を提供すること
にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方法は、屈折率の
異なる少なくとも二種類以上の物質を交互に所定の周期
長で積層してなる第1多層膜を基板上に成膜した多層膜
反射鏡に対し、前記第1多層膜上の所望の範囲内に、周
期長が第1多層膜とほぼ等しい第2多層膜を積層するこ
とによって、多層膜反射鏡の反射波面の位相を補正する
ことを特徴とする。
【0022】上記多層膜反射鏡の製造方法によれば、第
1多層膜上の所望の範囲内に、周期長が第1多層膜とほ
ぼ等しい第2多層膜を付加している。このように第2多
層膜を付加することによって多層膜の面形状を補正すれ
ば、従来技術のように補正後の多層膜にダメージが残る
ことを防止できる。従って、多層膜のダメージによる反
射率の低下を抑制でき、多層膜にダメージを与えずに多
層膜の層数を制御して多層膜の面形状を補正することが
可能となる。
【0023】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する際、第1多層
膜表面と多層膜材料源との間に、前記所望の範囲が開口
されたマスクを配置し、このマスクをマスクとして第2
多層膜を積層することも可能である。
【0024】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する際、第1多層
膜表面と多層膜材料源との間にマスクを配置し、このマ
スク又は前記基板を回転又は移動させながら、該マスク
をマスクとして第2多層膜を積層することも可能であ
る。
【0025】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する方法として光
CVD法を用いることにより、前記所望の範囲内に第2
多層膜を積層することも可能である。
【0026】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する際、第1多層
膜の表面上に前記所望の範囲が開口されたレジストパタ
ンを形成し、このレジストパタンをマスクとして第2多
層膜を積層することも可能である。
【0027】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する際に、その積
層量をin-situで検出することによって所望の積層量と
なった時に第2多層膜の積層を停止することをも可能で
ある。
【0028】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1多層膜を
基板上に成膜した多層膜反射鏡に対し、第1多層膜を表
面から所望の範囲を所望量除去し、第1多層膜上の所望
の範囲内に、周期長が第1多層膜とほぼ等しい第2多層
膜を積層することによって、多層膜反射鏡の反射波面の
位相を補正することも可能である。
【0029】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第2多層膜を積層する際に、その積
層量をin-situで検出することによって所望の積層量と
なった時に第2多層膜の積層を停止することも可能であ
る。
【0030】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法においては、前記第1多層膜を表面から所望の範囲を
所望量除去する際に、その除去量をin-situで検出する
ことによって所望の除去量となった時に第1多層膜の除
去を停止することも可能である。
【0031】本発明に係る多層膜反射鏡は、基板と、こ
の基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種類
以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1多
層膜と、前記第1多層膜の反射波面の位相を補正するた
めに、前記第1多層膜上の所望の範囲内に積層された、
周期長が第1多層膜とほぼ等しい第2多層膜と、を具備
することを特徴とする。
【0032】本発明に係る多層膜反射鏡は、基板と、こ
の基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種類
以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1多
層膜と、前記第1多層膜の反射波面の位相を補正するた
めに、前記第1多層膜の一部が除去された除去部と、前
記第1多層膜の反射波面の位相を補正するために、前記
第1多層膜上の所望の範囲内に積層された、周期長が第
1多層膜とほぼ等しい第2多層膜と、を具備することを
特徴とする。
【0033】本発明に係る軟X線光学系は、前記多層膜
反射鏡を用いて構成されたことを特徴とする。
【0034】本発明に係る軟X線露光装置は、軟X線を
発生させる軟X線光源と、この軟X線光源からの軟X線
をマスクに導く照明光学系と、前記マスクからの軟X線
を感光性基板に導く投影光学系とを有し、前記マスクの
パターンを感光性基板へ転写する軟X線露光装置におい
て、前記照明光学系、前記マスク及び前記投影光学系の
うちの少なくとも一つに請求項10又は11に記載の多
層膜反射鏡を有することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1(a),(b)は、本
発明に係る実施の形態による多層膜反射鏡の製造方法を
示す断面図である。
【0036】多層膜を除去した場合の光路長の変化は、
前述した通りΔ=OP’−OP=nd−(nAA+nB
B)であるが、多層膜を付加した場合の光路長の変化
もこれと同様に考えられる。
【0037】図1(a)に示すように、基板1上にA,
B二種類の物質を一定の周期長dで交互に積層した多層
膜2を準備する。次いで、図1(b)に示すように、多
層膜2の表面の所定領域に一層対3を付加する。
【0038】図1(a)において多層膜表面に対して垂
直方向に進行する光線に対する、厚さdの多層膜一層対
に対応する空間の光路長は、OP’=ndで与えられ
る。nは真空の屈折率を表し、n=1である。図1
(b)において最表面の所定領域に多層膜一層対3を付
加した厚さdの部分の光路長は、OP=nAA+nBB
で与えられる。ここで、dA,dBは各層の厚さを表し、
A+dB=dである。nA,nBは物質A,Bそれぞれの
屈折率である。多層膜の上にもう1層対3を加えること
によって、そこを通過する光線が進む光学的距離が変化
することになる。光路長の変化(即ち、面形状の変化)
は、Δ’=OP−OP’=(nAA+nBB)−nd=
−Δで与えられ、膜の除去と同じピッチで光路長を変化
させることが出来る。
【0039】具体例としては、波長13.4nmでMo
/Si多層膜を用いた場合を以下に説明する。直入射で
使用するために、d=6.8nm、dMo=2.3nm、
Si=4.5nmとする。この波長での屈折率は、nMo
=0.92、nSi=0.998である。これらの数値を
用いて光路長の変化を計算すると、OP=6.6nm、
OP’=6.8nm、Δ=0.2nmとなる。厚さ6.
8nmの層を付加することによって、0.2nm相当の
面形状の補正を行うことが出来る。
【0040】次に、波面補正のために第2の多層膜の付
加を必要とする所望の範囲内に、第2の多層膜を付加す
る方法について説明する。多層膜を積層する時に多層膜
の反射面近傍に所望の範囲のみ開口したマスクを多層膜
の上方に装着する。マスクには、薄い金属板に開口部を
エッチング加工したものなどを用いることが好ましい。
マスクは、第2の多層膜を必要としない部分に多層膜材
料源からの材料粒子が付着出来ないようにするものであ
れば良い。マスクは、真空中で安定な材質により構成さ
れていれば種々の材質を用いることが可能であり、マス
クの材質には限定されない。
【0041】反射面内で第2の多層膜の付加層数が分布
を持つとき、すなわち、反射面内の部分により付加層数
が異なるときには、その分布の形状に応じて開口形状の
異なるマスクを用いることが好ましい。
【0042】図2(a)〜(c)は、異なる開口のマス
クを用いて付加層数に分布をつける方法を示す模式図で
あり、図2(a)は加工前の状態を示すものであり、図
2(b),(c)は、マスクを用いて多層膜を付加した
後の状態を示すものである。(a)〜(c)の各図の上
段は多層膜を成膜する際に用いたマスクを示しており、
各図の中段は反射面の層数分布を示しており、各図の下
段は多層膜反射鏡の断面図を示している。
【0043】まず、図2(a)に示す多層膜反射鏡を準
備する。この多層膜反射鏡は、基板1と、この基板1上
に屈折率の異なるA,B二種類の物質を一定の周期長d
で交互に積層した多層膜2と、から構成されている。
【0044】多層膜反射鏡は、X線露光装置のX線光学
系を構成する多層膜反射鏡のうちの1枚であり、多層膜
成膜後に一度投影光学系として組み立てて調整がなさ
れ、露光波長である波長13nmを用いた干渉計におい
て光学系全体として波面収差が測定される。この波面収
差を改善するために、この多層膜反射鏡における反射波
面をどのように修正すればよいかが計算され、その修正
波面を得るために多層膜を鏡上のどの位置でどれだけ付
加すればよいかの計算がなされる。
【0045】次に、この計算から、この多層膜反射鏡の
中央部をわずかに変形させるよう、多層膜の一部を付加
する補正加工を行う。すなわち、多層膜を成膜する成膜
チャンバ(図示せず)を準備し、この成膜チャンバ内に
図2(a)の多層膜反射鏡を挿入し、成膜チャンバ内に
おいて多層膜反射鏡の多層膜2の上に図2(b)に示す
マスク5を設置する。このマスク5と多層膜2とは非接
触で配置する。次いで、このマスク5をマスクとして多
層膜2の表面に多層膜一層対3aを成膜する。このよう
にして多層膜一層対3aは多層膜2の表面の所定領域に
形成される。
【0046】次いで、成膜チャンバから基板1及びマス
ク5を取り出した後、成膜チャンバ内に図2(c)に示
すマスク6を設置し、基板1を挿入する。このマスク6
と多層膜2は非接触で配置される。次いで、このマスク
6をマスクとして一層対3aの上に多層膜一層対3bを
成膜する。これにより、多層膜一層対3bは一層対3a
の表面の所定領域に形成される。このようにして一層対
3a,3bからなる多層膜付加部4を形成している。
【0047】前記実施の形態によれば、非接触のマスク
5,6を用いて多層膜2の表面の所定領域上に多層膜を
付加している。このように多層膜を付加することによっ
て多層膜の面形状を補正すれば、従来技術のように補正
後の多層膜にダメージが残ることを防止できる。従っ
て、多層膜のダメージによる反射率の低下を抑制でき、
多層膜にダメージを与えずに多層膜の層数を制御して多
層膜の面形状を補正することが可能となる。
【0048】尚、前記実施の形態では、成膜チャンバか
らマスク5を取り出した後、成膜チャンバにマスク6を
挿入して設置しているが、成膜チャンバ内に複数のマス
クを保持し、成膜範囲が変わる毎にマスクを自動的に交
換する機構を設けることも可能である。この場合は、成
膜チャンバから基板を取り出さなくても部分的に付加層
数が異なる第2の多層膜を形成することが出来る。具体
的には、例えば開口形状の異なるマスクを一列又は円周
上に配置し、成膜層数に応じてスライド又は回転させる
方式などを用いることが好ましい。
【0049】また、前記実施の形態では、非接触のマス
ク5,6を用いて多層膜2の表面の所定領域上に多層膜
を付加しているが、これに限定されるものではなく、他
の方法により多層膜を付加することも可能である。例え
ば、開口部分の形状が複雑な場合にはレジストパターン
をマスクにすることも可能である。例えばEB描画法を
用いれば、個々の基板に必要とされる補正部分が複雑な
場合でも、目標の部分のみに制御性良く第2の多層膜を
付加することが出来る。
【0050】また、第2の多層膜を付加する他の方法と
して、光CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い
ることも可能である。光CVD法を用いれば、反応を促
進する光を収束させてビーム状にすることにより、微小
領域に成膜することができる。このため、マスクや膜厚
分布補正治工具を用いなくても、多層膜反射面上の任意
の部分へ多層膜を形成することが出来る。従って、部分
的に付加層数が異なる第2の多層膜を形成することが可
能となる。
【0051】また、第2の多層膜を付加する他の方法と
して、所望の膜厚分布を形成できる成膜装置を利用して
も良い。この成膜装置は、中心対称以外の膜厚分布を得
るため、多層膜反射面と多層膜材料源との間に任意の形
状の膜厚補正部材を設け、この膜厚補正部材又は基板を
任意の速度で回転又は移動させることによって、所望の
膜厚分布が得られるものである。これは、特開平10−
26698、特開平10−30170の明細書に記載さ
れている。この成膜装置を用いれば、多層膜反射面上の
任意の部分に多層膜を形成できるので、部分的に付加層
数が異なる第2の多層膜を形成することが出来る。
【0052】また、前記実施の形態による非接触のマス
ク5,6を用いて多層膜2の表面の所定領域上に多層膜
を付加する方法に加えて、多層膜付加の加工量をin-sit
uで検出する機構を用いることも可能である。この機構
を用いれば、第2の多層膜を積層しながら、その積層量
をモニターできるので、最適な補正量となった時点です
みやかに積層を終了させることができる。
【0053】図3(a)は、前記実施の形態による第2
の多層膜を付加する方法を用いて製造した多層膜反射鏡
を示す断面図である。すなわち、基板1上に屈折率の異
なる二種類の物質を一定の周期長dで交互に積層した多
層膜2を形成する。次いで、この多層膜2の表面の所定
領域上に多層膜一層対xを形成し、この多層膜一層対x
の表面の所定領域上に多層膜二層対yを形成する。この
ようにして一層対x及び二層対yからなる多層膜付加部
7を形成している。
【0054】これに対して、図3(b)は、第2の多層
膜を付加する他の方法を用いて製造した多層膜反射鏡を
示す断面図である。なお、図3(b)に示す製造された
多層膜反射鏡は、図3(a)に示す多層膜反射鏡と同一
形状を有している。
【0055】この多層膜反射鏡の製造方法は、多層膜を
表面から一層対ずつ除去する方法も併用して、目標の波
面となるよう一部分には多層膜を積層し、別の一部分は
多層膜を除去したものである。それぞれの工程で加工量
が少なくなる場合に、この方法を用いることが好まし
い。
【0056】すなわち、図3(b)に示すように、基板
1と、この基板1上に屈折率の異なるA,B二種類の物
質を一定の周期長dで交互に積層した多層膜2と、から
構成された多層膜反射鏡を準備する。次いで、この多層
膜反射鏡を投影光学系として組み立てて調整がなされ、
露光波長である波長13nmを用いた干渉計において光
学系全体として波面収差が測定される。この波面収差を
改善するために、この多層膜反射鏡における反射波面を
どのように修正すればよいかが計算され、その修正波面
を得るために多層膜を鏡上のどの位置でどれだけ除去及
び付加すればよいかの計算がなされる。
【0057】次いで、この計算から、この多層膜反射鏡
の多層膜の一部を除去及び付加する補正加工を行う。つ
まり、まず、多層膜2の最上層に例えばイオンビームを
照射することにより、該最上層の一層対xの所定部分を
除去して除去部を形成した後、この一層対xの表面の所
定領域上に多層膜二層対yを成膜する。この際の成膜方
法としては、前述したものと同様の方法を用いる。例え
ば、多層膜と非接触のマスクを用いて、このマスクをマ
スクとして多層膜一層対xの表面に二層対yを成膜す
る。このようにして一層対x及び二層対yからなる多層
膜補正部を形成している。
【0058】なお、多層膜一層対xの所定部分を除去す
る際、及び、多層膜二層対yを成膜する際、in-situで
補正量をモニタしながら行うことが好ましい。これによ
り、最適な補正量となった時点で速やかに補正加工を終
了させることが出来る。加工量のモニタパラメータとし
ては、多層膜の積層厚さ、除去膜厚又は反射波面を検出
した波面の変化量などが挙げられる。
【0059】図4は、本発明に係る実施の形態により波
面補正を行った多層膜反射鏡を備えたX線露光装置の一
例を示す構成図である。
【0060】X線露光装置は、主に軟X線光源S、コン
デンサC、照明光学系、マスクMのステージ(図示せ
ず)、投影光学系、ウエハWのステージ(図示せず)な
どにより構成されている。軟X線光源Sには、プラズマ
励起用のレーザーLからなるレーザープラズマ光源の他
に放電プラズマ光源や放射光などが使用される。照明光
学系(IR1、IR2、IR3およびIR4等)は、反
射面に斜め方向から入射した軟X線を反射させる斜入射
ミラー、反射面が多層膜により形成される多層膜ミラ
ー、および所定の波長の軟X線のみを透過させるフィル
ター等により構成されている。この照明光学系によって
マスクM上を所望の波長の軟X線で照明する。
【0061】軟X線の波長域では透明な物質は存在しな
いので、マスクMには従来の透過型のマスクではなく反
射型のマスクが使用される。投影結像光学系は複数の多
層膜ミラー(PR1、PR2、PR3およびPR4)等
により構成されている。マスクM上に形成された回路パ
ターンは、投影結像光学系によりレジストが塗布された
ウエハW上に結像して該レジストに転写される。なお、
軟X線は大気に吸収されて減衰するため、その光路は全
て所定の真空度(例えば、1×10-5Torr以下)に
維持されている。
【0062】前記照明光学系、前記マスクM及び前記投
影光学系のうちの少なくとも一つに実施の形態の多層膜
反射鏡を有する。
【0063】尚、本発明は前記実施の形態に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。例えば、
前記実施の形態では、EUVリソグラフィーで使われる波
長13.4nmのMo/Si多層膜について説明してい
るが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の波
長域、他の多層膜材料に対しても本発明を適用すること
が可能である。また、下層の第1の多層膜と上層の第2
の多層膜を構成する材料は必ずしも同じである必要はな
い。
【0064】また、前記実施の形態では、露光装置の軟
X線光学系に前記多層膜反射鏡を適用しているが、軟X
線光学系は露光装置に限定されるものではなく、他の軟
X線光学系に多層膜反射鏡を適用することも可能であ
る。
【0065】(実施例1)以下、本発明に係る実施例1
について説明する。実施例1は、本発明をEUV露光装
置の投影光学系に適用した例である。この投影光学系
は、6枚の非球面ミラーから構成されており、開口数
(NA)が0.25、倍率が1/4でリングフィールド
状の露光領域を有している。
【0066】まず、従来の研磨加工技術により各非球面
ミラーを製作した。各ミラーの形状精度は、0.5nm
RMSであった。これらを組み立てて得られる波面収差
は2.4nmRMSである。波長13.4nmで使用す
るためには、波面収差は1nmRMS程度以下に抑える
必要があるので、このままではミラーの形状精度が不足
である。
【0067】次に、各非球面ミラーの反射面にMo/S
i多層膜を形成した。まず、周期長6.8nm、Γ1/
3の多層膜を40層積層した。ここでΓは多層膜の周期
長に対するMo層の厚さの比である。多層膜はイオンビ
ームスパッタリングにより成膜した。
【0068】次いで、この多層膜の上に部分的に多層膜
を成膜して反射波面の補正を行った。周期長6.8n
m、Γ1/3の多層膜を一層対付加すると、光路長が
0.2nm変化する。多層膜を付加する範囲および付加
層数は各々のミラーの波面測定結果から、光学設計ソフ
トウエアを用いて算出した。付加する多層膜の範囲を制
限するマスク(即ち、多層膜を付加する領域が開口され
たマスク)を0.2nmのステンレス板をエッチングし
て作成した。このマスクを用いてイオンビームスパッタ
リング装置で周期長6.8nm、Γ1/3の多層膜を付
加し、各ミラーの補正を行ったところ、形状精度を0.
15nmRMSに低減することが出来た。
【0069】これらの補正したミラーを鏡筒機構内に組
み込んで波面収差が最小になるよう調整を行ったとこ
ろ、波面収差を0.8nmRMSにすることが出来た。
これは回折限界の結像性能を得るために充分な値であ
る。
【0070】前記実施例1によれば、多層膜の表面を加
工して反射波面形状を補正する方法において、その補正
を成膜によって行っているため、従来技術のような多層
膜へのダメージを与えることを防止できる。従って、光
学系の波面収差を低減してかつ反射率を維持できるの
で、結像特性を向上させることが出来る。
【0071】(実施例2)以下、本発明に係る実施例2
について説明する。実施例2は、本発明をEUV露光装
置の投影光学系に適用した例であり、実施例1と同一部
分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0072】各非球面ミラーの反射面に形成するMo/
Si多層膜は、マスク移動機構付きのイオンビームスパ
ッタリングにより成膜した。
【0073】光学設計ソフトウエアを用いて算出した結
果に基づき移動マスクの移動量を決定し、マスク移動機
構付きのイオンビームスパッタリング装置で周期長6.
8nm、Γ1/3の多層膜を付加し、各ミラーの補正を
行ったところ、形状精度を0.15nmRMSに低減す
ることが出来た。
【0074】前記実施例2においても実施例1と同様の
効果を得ることができる。
【0075】(実施例3)以下、本発明に係る実施例3
について説明する。実施例3は、本発明をEUV露光装
置の投影光学系に適用した例であり、実施例1と同一部
分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0076】光学設計ソフトウエアを用いて算出した結
果に基づき、光CVD装置で周期長6.8nm、Γ1/
3の多層膜を付加し、各ミラーの補正を行ったところ、
形状精度を0.15nmRMSに低減することが出来
た。
【0077】前記実施例3においても実施例1と同様の
効果を得ることができる。
【0078】(実施例4)以下、本発明に係る実施例4
について説明する。実施例4は、本発明をEUV露光装
置の投影光学系に適用した例であり、実施例1と同一部
分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0079】光学設計ソフトウエアを用いて算出した結
果に基づき、付加する多層膜の範囲を制限するように、
多層膜上にレジストパタンをEB描画法で製作した。こ
のレジストパタンを用いてイオンビームスパッタリング
装置で周期長6.8nm、Γ1/3の多層膜を付加し
た。付加する層数が多い部分はいったんレジストパタン
を剥離し、再度層数が多い部分のみがスペース部となる
ようにレジストパタンを作製して必要層数の多層膜を成
膜した。このように各ミラーの補正を行ったところ、形
状精度を0.15nmRMSに低減することが出来た。
【0080】前記実施例4においても実施例1と同様の
効果を得ることができる。
【0081】(実施例5)以下、本発明に係る実施例5
について説明する。実施例5は、本発明をEUV露光装
置の投影光学系に適用した例であり、実施例1と同一部
分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0082】多層膜の上に部分的に多層膜を成膜して反
射波面の補正を行う際、周期長6.8nm、Γ1/3の
多層膜を一層対付加または削除すると、光路長が0.2
nm変化する。多層膜を付加する範囲および削除する範
囲とそれぞれの層数は各々のミラーの波面測定結果か
ら、光学設計ソフトウエアを用いて算出した。付加する
多層膜の範囲および削除する多層膜の範囲を制限するマ
スク(即ち、多層膜を付加する領域または削除する領域
が開口されたマスク)を0.2nmのステンレス板をエ
ッチングして作成した。このマスクを用いてアシストイ
オン源付きのイオンビームスパッタリングに干渉計が付
随した装置で、周期長6.8nm、Γ1/3の多層膜の
付加と削除を行った。
【0083】この装置はスパッタリング部と干渉計部に
分かれており、基板が成膜、除去、測定の各工程によっ
て基板の位置や角度等を変えられる駆動機構が備わって
いる。多層膜の付加はイオンビームスパッタリングで行
い、多層膜の削除はアシストイオン源によりIBMで行
った。この装置では、多層膜の付加及び多層膜の削除の
際には、1層ずつ加工を終了する毎に干渉計測定位置に
基板を移動させ、波面の形状を観察することが出来る。
各ミラーの補正を行ったところ、形状精度を0.15n
mRMSに低減することが出来た。
【0084】前記実施例5によれば、多層膜の表面を加
工して反射波面形状を補正する方法において、その補正
を成膜及び剥離によって行っているため、従来技術のよ
うな多層膜へのダメージを与えることを少なくできる。
従って、光学系の波面収差を低減してかつ反射率を維持
できるので、結像特性を向上させることが出来る。
【0085】また、実施例1〜5で製作した投影光学系
をそれぞれEUV露光装置に組み込んで露光テストを行
ったところ、どの投影光学系でも30nmL&S(ライ
ンアンドスペース)の微細なパターンまで解像すること
が出来た。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1多層膜上の所望の範囲内に、周期長が第1多層膜とほ
ぼ等しい第2多層膜を付加している。したがって、多層
膜にダメージを与えることなく多層膜の層数を制御して
多層膜の面形状を補正した多層膜反射鏡及びその製造方
法、多層膜反射鏡を備えた軟X線露光装置及び軟X線光
学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明に係る実施の形態に
よる多層膜反射鏡の製造方法を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、異なる開口のマスクを用い
て付加層数に分布をつける方法を示す模式図であり、
(a)は加工前の状態を示すものであり、(b),
(c)は、マスクを用いて多層膜を付加した後の状態を
示すものである。
【図3】(a)は、前記実施の形態による第2の多層膜
を付加する方法を用いて製造した多層膜反射鏡を示す断
面図であり、(b)は、第2の多層膜を付加する他の方
法を用いて製造した多層膜反射鏡を示す断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態により波面補正を行っ
た多層膜反射鏡を備えたX線露光装置の一例を示す構成
図である。
【図5】(a),(b)は、多層膜除去による反射波面
の制御を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…基板 2…多層膜 3,3a,3b,x…多層膜一層対 4,7…多
層膜付加部 5,6…マスク y…多層膜
二層対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/26 G02B 5/26 5/28 5/28 G03F 7/20 503 G03F 7/20 503 H01L 21/027 H01L 21/30 515D 531A Fターム(参考) 2H042 DA01 DB02 DB14 DC02 DC03 DC09 DC11 DD05 DE00 2H048 FA01 FA05 FA07 FA09 FA18 FA24 GA01 GA03 GA11 GA21 GA30 GA33 GA60 GA61 2H097 CA15 GB00 LA10 4F100 AB01B AB01C AB01D AB01E AB11 AB20 AG00 AT00A BA05 BA10A BA44D BA44E DD13 EH662 EJ993 GB90 JM02B JM02C JM02D JM02E JN18B JN18C JN18D JN18E 5F046 BA05 CB02 GB01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
    物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1多層膜を
    基板上に成膜した多層膜反射鏡に対し、前記第1多層膜
    上の所望の範囲内に、周期長が第1多層膜とほぼ等しい
    第2多層膜を積層することによって、多層膜反射鏡の反
    射波面の位相を補正することを特徴とする多層膜反射鏡
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2多層膜を積層する際、第1多層
    膜表面と多層膜材料源との間に、前記所望の範囲が開口
    されたマスクを配置し、このマスクをマスクとして第2
    多層膜を積層することを特徴とする請求項1に記載の多
    層膜反射鏡の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2多層膜を積層する際、第1多層
    膜表面と多層膜材料源との間にマスクを配置し、このマ
    スク又は前記基板を回転又は移動させながら、該マスク
    をマスクとして第2多層膜を積層することを特徴とする
    請求項1に記載の多層膜反射鏡の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2多層膜を積層する方法として光
    CVD法を用いることにより、前記所望の範囲内に第2
    多層膜を積層することを特徴とする請求項1に記載の多
    層膜反射鏡の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2多層膜を積層する際、第1多層
    膜の表面上に前記所望の範囲が開口されたレジストパタ
    ンを形成し、このレジストパタンをマスクとして第2多
    層膜を積層することを特徴とする請求項1に記載の多層
    膜反射鏡の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2多層膜を積層する際に、その積
    層量をin-situで検出することによって所望の積層量と
    なった時に第2多層膜の積層を停止することを特徴とす
    る請求項1〜5のうちいずれか1項記載の多層膜反射鏡
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
    物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1多層膜を
    基板上に成膜した多層膜反射鏡に対し、第1多層膜を表
    面から所望の範囲を所望量除去し、第1多層膜上の所望
    の範囲内に、周期長が第1多層膜とほぼ等しい第2多層
    膜を積層することによって、多層膜反射鏡の反射波面の
    位相を補正することを特徴とする多層膜反射鏡の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第2多層膜を積層する際に、その積
    層量をin-situで検出することによって所望の積層量と
    なった時に第2多層膜の積層を停止することを特徴とす
    る請求項7に記載の多層膜反射鏡の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1多層膜を表面から所望の範囲を
    所望量除去する際に、その除去量をin-situで検出する
    ことによって所望の除去量となった時に第1多層膜の除
    去を停止することを特徴とする請求項7又は8に記載の
    多層膜反射鏡の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板と、 この基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種
    類以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1
    多層膜と、 前記第1多層膜の反射波面の位相を補正するために、前
    記第1多層膜上の所望の範囲内に積層された、周期長が
    第1多層膜とほぼ等しい第2多層膜と、 を具備することを特徴とする多層膜反射鏡。
  11. 【請求項11】 基板と、 この基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種
    類以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる第1
    多層膜と、 前記第1多層膜の反射波面の位相を補正するために、前
    記第1多層膜の一部が除去された除去部と、 前記第1多層膜の反射波面の位相を補正するために、前
    記第1多層膜上の所望の範囲内に積層された、周期長が
    第1多層膜とほぼ等しい第2多層膜と、 を具備することを特徴とする多層膜反射鏡。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に記載の多層膜反
    射鏡を用いて構成されたことを特徴とする軟X線光学
    系。
  13. 【請求項13】 軟X線を発生させる軟X線光源と、こ
    の軟X線光源からの軟X線をマスクに導く照明光学系
    と、前記マスクからの軟X線を感光性基板に導く投影光
    学系とを有し、前記マスクのパターンを感光性基板へ転
    写する軟X線露光装置において、 前記照明光学系、前記マスク及び前記投影光学系のうち
    の少なくとも一つに請求項10又は11に記載の多層膜
    反射鏡を有することを特徴とする軟X線露光装置。
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