JP2005049122A - 多層膜反射鏡及び露光装置 - Google Patents

多層膜反射鏡及び露光装置 Download PDF

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Noriaki Kamitaka
典明 神高
Masayuki Shiraishi
雅之 白石
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Abstract

【課題】高い反射率を確保することができ、多層膜の内部応力が低くて歪みの小さい多層膜反射鏡等を提供する。
【解決手段】多層膜反射鏡は、低熱膨張性ガラス基板10上に合計40層対の多層膜1が積層されている。多層膜1の基板10側が深層側多層膜2であり、深層側多層膜2上に形成された表面側が表層側多層膜3である。深層側多層膜2は、モリブデン層2aの上に酸化モリブデン層2cが形成され、その上にシリコン層2bが成膜された単位周期構造2pが基板10上に30層積層されている。表層側多層膜3は、深層側多層膜2の上にモリブデン層3aとシリコン層3bが交互に成膜されてなる単位周期構造3pが10層対積層されている。多層膜全体の膜応力に対する寄与は、深層側多層膜2が支配的であるのに対し、反射率に対する寄与は、表層側多層膜3の寄与が支配的である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層膜反射鏡及び露光装置に関する。特には、高い反射率を確保することができ、多層膜の内部応力が低くて歪みの小さい多層膜反射鏡等に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路素子の微細化のいっそうの進展に伴い、紫外線に代わって、波長11〜14nm程度の軟X線を使用する投影リソグラフィの開発が進められている(非特許文献1参照。)。この技術は、最近ではEUV(Extreme Ultraviolet、極紫外線)リソグラフィとも呼ばれている。このEUVリソグラフィは、従来の光リソグラフィ(波長190nm程度以上)では実現不可能な、50nm以下の解像力を有するリソグラフィ技術として期待されている。
【0003】
この軟X線の波長帯では、物質の屈折率が1に非常に近いので、屈折を利用した従来の光学素子は使用できない。それに代わって、全反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光の位相を合わせることによりその反射光を多数重畳させて全体としては高い反射率を得る多層膜反射鏡などが使用される。
【0004】
このような多層膜反射鏡においては、入射光の波長帯により、高い反射率を得るのに適した材質が異なる。例えば、13.4nm付近の波長帯では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/Si多層膜を用いると、直入射で67.5%の反射率を得ることができる。また、11.3nm付近の波長帯では、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be多層膜を用いると、直入射で70.2%の反射率を得ることができる(非特許文献2参照。)。
【0005】
EUVリソグラフィで用いられる光学系は、高精度に研磨した基板表面に上述のような多層膜を成膜した多層膜反射鏡によって構成される。この光学系において、必要な透過波面精度を得るためには、反射鏡の形状精度が0.3nmRMS以下であることが要請される。しかしながら、高精度で基板の加工を行ったとしても、基板表面に多層膜を成膜すると、多層膜の内部応力によって基板が変形して、反射鏡の形状精度が悪化するという問題がある。
【0006】
上記の問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。そのうちの一つは、多層膜中に酸化モリブデン(MoO)層を形成する方法である(特許文献1参照。)。通常、EUV光の反射鏡に用いられる、40〜50層対のMo/Si多層膜は300〜500MPaの圧縮応力を有しているが、上記のような形状精度の低下を防止するためには、多層膜の内部応力を少なくとも100MPa以下に抑えなければならないとされている。この方法によると、Mo層の一部を酸化することにより、多層膜の応力を25MPa以下に低下させることができるとされている。
また、その他の方法としては、基板上にMo/Si多層膜とは、逆符号の応力を有する緩衝層を成膜し、その上にMo/Si多層膜を成膜することにより、多層膜の応力を相殺する方法が提案されている(特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特願2001−232575号
【特許文献2】
特表2002−504715号公報
【非特許文献1】
ダニエル・エイ・ティチノール(Daniel A. Tichenor)、外21名、「極紫外線実験装置の開発における最新情報(Recent results in the development of an integrated EUVL laboratory tool)」、「国際光工学会会報(Proceedings of SPIE)」、(米国)、国際光工学会(SPIE, The International Society for Optical Engineering)、1995年5月、第2437巻、p.292
【非特許文献2】
クラウド・モンカー(Claude Montcalm)、外5名、「極紫外線リソグラフィに用いる多層反射膜コーティング(Multilayer reflective coatings for extreme−ultraviolet lithography)」、「国際光工学会会報(Proceedings of SPIE)」、(米国)、国際光工学会(SPIE, The International Society for Optical Engineering)、1998年6月、第3331巻、p.42
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のモリブデン層の一部を酸化する手法では、多層膜中に酸素が含まれることになり、波長13nm付近のEUV光に対する反射率が低下するという問題が生じる。例えば、多層膜の周期構造中に厚さ5Åの酸化モリブデン層を形成した場合、多層膜の反射率は5%以上低下する。
【0009】
一方、特許文献2の方法によると、基板表面に成膜される膜(緩衝層+多層膜)が厚くなってしまうため、多層膜周期長の面内分布を高精度で制御することが困難になるという問題が生じる。周期長の面内分布とは、多層膜の各層を成膜した際に生じる面内の周期長(膜厚)のムラのことである。
周期長の面内分布は、そのまま成膜後の反射鏡表面の面形状に反映されるため、通常のMo/Si多層膜では、周期長の分布を少なくとも周期長の0.1%以下に抑える必要があるとされている。EUVリソグラフィで用いられるMo/Si多層膜の周期長は一例で6.9nmであるので、この0.1%は0.0069nmとなり、非常に高精度の膜厚分布制御が必要となる。
ところが、緩衝層として総膜厚が300nm程度のMo/Be多層膜を成膜した場合、Mo/Si多層膜を含む基板上の総膜厚は倍の600nm程度になる。すると、各多層膜に要求される周期長分布は、半分の0.05%(0.00345nm)以下となり、さらに高い精度で周期長分布の制御を行わなければならなくなる。
上記の点に鑑み、本発明は、高い反射率を確保することができ、多層膜の内部応力が低くて歪みの小さい多層膜反射鏡等を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の多層膜反射鏡は、使用波長域における屈折率と真空の屈折率との屈折率差が大きい物質で形成された第1の層と、前記屈折率差が小さい物質で形成された第2の層とからなる層対を、基板上に略一定の周期長で複数積層してなる多層膜反射鏡であって、前記第1の層と第2の層との間に応力緩衝層が形成されており、該応力緩衝層の厚さが前記多層膜の厚さ方向で変化していることを特徴とする。
応力緩衝層の分布を調整することで、総膜厚をあまり厚くすることなく、高い反射率を確保しつつ、膜応力を抑えることができる。
【0011】
本発明の第2の多層膜反射鏡は、使用波長域における屈折率と真空の屈折率との屈折率差が大きい物質で形成された第1の層と、前記屈折率差が小さい物質で形成された第2の層とからなる層対を、基板上に略一定の周期長で複数積層してなる多層膜反射鏡であって、前記複数の層対の一部のものについては、前記第1の層と第2の層との間に応力緩衝層が形成されていることを特徴とする。つまり、応力緩衝層を一部の層対については設けるが、一部の層対については設けない。このような方法でも上記の作用・効果を達成可能である。
【0012】
本発明の多層膜反射鏡においては、前記応力緩衝層の厚さが、前記基板に近い側(深層側)で厚く、前記基板から遠い表層側で薄いか無いものとすることができる。
本発明の多層膜反射鏡によれば、反射鏡の表面(反射面)側において、応力緩衝層が薄くなっているか、あるいは、無いので、応力緩衝層があるために反射率が低くなるのを防ぐことができる。一方、反射多層膜の内部応力に対する寄与は、基板に近い深層側の層対が支配的であるので、その部分の層対に応力緩衝層を設けて内部応力を低減する。これにより、反射率がそれほど低下せず、且つ、歪みの少ない反射鏡を提供できる。
【0013】
また、本発明の多層膜反射鏡においては、前記第1の層、第2の層及び応力緩衝層の1組からなる略周期構造の周期長が、単位略周期構造中を通過する波長13nm付近のEUV光に対して、光路長が一定となるように周期長が調整されていることを特徴とするものとすることができる。
この場合、多層膜反射鏡の単位略周期構造の厚さを応力緩衝層を含んでいる分調整することにより、各単位周期構造中を通過するEUV光に対する光路長が一定になっているので、高い反射率を得ることができる。
【0014】
本発明の多層膜反射鏡においては、前記第1層がモリブデン(Mo)からなり、前記第2層がシリコン(Si)からなり、前記第3層が酸化モリブデン(MoO)からなるものとすることができる。
【0015】
本発明の多層膜反射鏡においては、前記多層膜の総膜厚が350nm以下とすることが好ましい。この場合、多層膜の周期長の反射面内における分布に対する要求精度が比較的緩くなるので、多層膜の形状精度の制御が容易になる。
【0016】
本発明の露光装置は、EUV光(軟X線)を発生させるEUV光源と、このEUV光源からのEUV光をマスクに導く照明光学系と、前記マスクからのEUV光を感応基板に導く投影光学系とを有し、前記マスク上のパターンを前記感応基板上に転写する露光装置であって、前記照明光学系又は投影光学系の中に本発明の多層膜反射鏡が配置されていることを特徴とする。
本発明の露光装置によれば、EUV光学系として高い波面精度と高い反射率を併せて達成することができるので、露光作業のスループットの高いEUV露光装置を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多層膜反射鏡を示す図である。図1(A)は、多層膜反射鏡全体を示す断面図であり、図1(B)は、深層側多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図であり、図1(C)は、表層側多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図である。
図1(A)に示す多層膜反射鏡は、低熱膨張性ガラス基板10上に合計40層対の多層膜1が積層されている。多層膜1のうちのガラス基板10に近いほうの30層対が深層側多層膜2である。深層側多層膜2の上の表面に近いほうの10層対が表層側多層膜3である。図1(C)に示す深層側多層膜2は、モリブデン層2aの上に酸化モリブデン層2cが形成され、その上にシリコン層2bが成膜された単位周期構造2pが基板1上に30層積層されている。図1(B)に示す表層側多層膜3は、深層側多層膜2の上にモリブデン層3aとシリコン層3bが交互に成膜されてなる単位周期構造3pが10層対積層されている。
【0018】
図1(B)に示す表層側多層膜3のモリブデン層3aの厚さd3aは、一例で2.60nm、シリコン層3bの厚さd3bは、一例で4.30nmである。したがって、表層側多層膜3の周期長d3p(=d3a+d3b)は6.90nmとなる。
図1(C)に示す深層側多層膜2に含まれる酸化モリブデン層2cの厚さd2cは、10Å(=1.0nm)である。多層膜2の周期長d2p(=d2a+d2b+d2c)は、表層側多層膜3の周期長d3pよりもおよそ0.02nm薄く(d2p≒6.88nm)成膜されており、d2a≒1.58nm、d2b≒4.30nmである。これは、多層膜2と3の各単位周期構造中において、波長13nmのEUV光に対する実効光路長が等しくなるように調整するためである。
したがって、多層膜反射鏡全体の厚さ(総膜厚)は、D≒6.9×40=276(nm)である。
【0019】
以下に、本実施形態の多層膜反射鏡を成膜する方法について説明する。
まず、基板10上にモリブデン層2aをスパッタにより成膜する。
次に、モリブデン層2aに酸素イオンビームを照射して、モリブデン層2aの一部(図中上面)を酸化し、酸化モリブデン層2cを形成する。
酸化モリブデン層2cの上にシリコン層2bをスパッタにより成膜する。
上記と同様の手順を繰り返して、モリブデン層2a、酸化モリブデン層2c及びシリコン層2bからなる単位周期構造2pを30層積層する。
そして、上述のようにして形成された深層側多層膜2の上にモリブデン層3aとシリコン層3bをスパッタにより交互に10層対成膜する。
【0020】
多層膜反射鏡の膜全体の応力に対する寄与は、反射鏡表面からの距離とは関係なくほぼ均一であるので、基板に対しては基板10側に30層対成膜されている深層側多層膜2の寄与が支配的である。一方、反射率に対しては、多層膜反射鏡の表面側に10層対成膜されている表層側多層膜3の寄与が支配的である。
したがって、本実施形態によれば、総膜厚を厚くすることなく、高い反射率を確保しながら、膜の応力の小さい多層膜反射鏡を得ることができる。
【0021】
本実施形態においては、酸素イオンビームをモリブデン層に照射して酸化モリブデン層を形成しているが、酸化モリブデン層の形成手段はこれに限らない。例えば、酸化モリブデンをターゲットとしてスパッタ成膜を行うこともできるし、モリブデンの成膜中に雰囲気ガスとして酸素ガスを導入して酸化モリブデン層を形成することもできる。
【0022】
本実施形態の多層膜反射鏡は、モリブデン、シリコン及び酸化モリブデンから構成されているが、多層膜反射鏡を構成する物質はこれに限らない。例えば、ルテニウム(Ru)、モリブデンカーバイド(MoC)、シリコンカーバイド(SiC)等を含む構造としてもよい。さらに、モリブデン、シリコン及び酸化モリブデン以外の物質を用いた第4の層を含む構造とすることもできる。
【0023】
また、上記の実施形態においては、基板10上の第1層目としてモリブデンを成膜しているが、シリコンから成膜してもよい。但し、この場合も多層膜反射鏡の表面がシリコン層になるように、最上層のモリブデン層の上にもう一層シリコン層を形成する。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態に係る多層膜反射鏡について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る多層膜反射鏡を示す図である。図2(A)は、多層膜反射鏡全体を示す断面図であり、図2(B)〜図2(E)は、多層膜反射鏡を構成する各段の多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図である。
図2(A)に示す多層膜反射鏡は、低熱膨張性ガラス基板20上に、合計40層対の多層膜21が積層されている。多層膜21は、ガラス基板20に近いほうから多層膜22、23、24、25が順に各々10層対ずつ積層されて構成されている。図2(E)に示す第1の多層膜22は、モリブデン層22aの上に酸化モリブデン層22cが形成され、その上にシリコン層22bが成膜された単位周期構造22pが基板20上に10層積層されている。第2の多層膜23(図2(D))及び第3の多層膜24(図2(C))は、各層(モリブデン層、酸化モリブデン層及びシリコン層)の厚さが異なるのみで、第1の多層膜22とほぼ同様の構成を有している。
【0025】
図2(B)に示す第4の多層膜25は、上述の第1の実施形態における表層側多層膜3(図1(B)参照。)と同様の構成となっており、第3の多層膜24の上にモリブデン層25aとシリコン層25bからなる単位周期構造25pが10層対積層されている。第4の多層膜25のモリブデン層25aの厚さd25aは、一例で2.60nm、シリコン層25bの厚さd25bは、一例で4.30nmであり、周期長d25p(=d25a+d25b)は、6.90nmとなる。
【0026】
図2(C)〜図2(E)に示す多層膜24、23、22においては、多層膜反射鏡の表面側(図2(A)の上側)の多層膜に含まれる酸化モリブデン層ほど薄くなっており、d22a=1.5、d22b=1.0、d22c=0.5である(単位はnm)。そして、各多層膜22、23、24の各単位周期構造中における波長13nmのEUV光に対する実効光路長が、多層膜25の単位周期構造中における実効光路長と等しくなるように、各多層膜22、23、24を構成するモリブデン層、酸化モリブデン層、シリコン層の厚さが調整されている。例えば、d22a=1.07、d22b=4.30、d23a=1.58、d23b=4.30、d24a=2.09、d24b=4.30であり、d22p=6.87、d23p=6.88、d24p=6.89である(単位はnm)。
多層膜反射鏡全体の厚さ(総膜厚)は、D′≒6.9×40=276nmとなる。
【0027】
本実施形態の多層膜反射鏡を成膜する方法は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0028】
本実施形態によれば、多層膜反射鏡の表面(反射面)側ほど、多層膜に含まれる酸素の割合を小さくすることができるので、より高い反射率を得ることができる。
【0029】
本実施形態においては、酸化モリブデン層の厚さを10層対ごとに変化させているが、多層膜中の酸化モリブデン層の厚さの分布はこれに限るものではない。例えば、1層対ごとに酸化モリブデン層の厚さを変えてもよい。いずれにせよ、表層側の多層膜に含まれる酸化モリブデン層が薄くなるようにすればよい。
【0030】
以下に、上述の多層膜反射鏡を用いた露光装置の例としてEUV露光装置について説明する。
図3は、EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
図3に示すEUV露光装置は、光源を含む照明系ILを備えている。照明系ILから放射されたEUV光(一般に波長5〜20nmが用いられ、具体的には13nmや11nmの波長が用いられる)は、折り返しミラー301で反射してレチクル302に照射される。
【0031】
レチクル302は、レチクルステージ303に固定されたチャック303aに吸着・保持されている。このレチクルステージ303は、走査方向に100mm以上のストロークを持ち、レチクル面内の走査方向と直交する方向に微小ストロークを持ち、光軸方向にも微小ストロークを持っている。レチクルステージ303の走査方向及びこれに直交する方向の位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされ、光軸方向はレチクルフォーカス送光系304とレチクルフォーカス受光系305からなるレチクルフォーカスセンサでモニタされている。
【0032】
レチクル302で反射したEUV光は、図中下側の光学鏡筒314内に入射する。このEUV光は、レチクル302に描かれた回路パターンの情報を含んでいる。レチクル302にはEUV光を反射する多層膜が形成されており、この多層膜の上に吸収層(例えばNiやAl)の有無でパターニングされている。
【0033】
光学鏡筒314内に入射したEUV光は、第1ミラー306で反射した後、第2ミラー307、第3ミラー308、第4ミラー309で順次反射し、最終的にはウェハ310に対して垂直に入射する。これらのレチクル302やミラー306〜309としては本発明の多層膜反射鏡を用いるものとする。投影系の縮小倍率は、例えば1/4や1/5である。この図では、ミラーは4枚であるが、N.A.(Numerical Aperture)をより大きくするためには、ミラーを6枚あるいは8枚にすると効果的である。鏡筒314の近傍には、アライメント用のオフアクシス顕微鏡315が配置されている。
【0034】
ウェハ310は、ウェハステージ311に固定されたチャック311aの上にチャック・保持されている。このウェハステージ311は、光軸と直交する面内を自由に移動することができ、ストロークは一例で300〜400mmである。同ウェハステージ311は、光軸方向にも微小ストロークの上下が可能で、光軸方向の位置はウェハオートフォーカス送光系312とウェハオートフォーカス受光系313からなるウェハフォーカスセンサでモニタされている。ウェハステージ311の光軸と直交する面内における位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされている。露光動作において、レチクルステージ303とウェハステージ311は、投影系の縮小倍率と同じ速度比、すなわち、4:1あるいは5:1で同期走査される。
【0035】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の多層膜反射鏡によると、高い反射率を確保することができ、多層膜の内部応力が低くて歪みの小さい多層膜反射鏡を得ることができる。さらに、総膜厚があまり厚くならないので、周期長の面内分布の制御が容易になる。
本発明の露光装置は、本発明の多層膜反射鏡を用いることにより、高い波面精度と高い反射率を有する光学系を構成することができるので、スループットを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多層膜反射鏡を示す図である。
(A) 多層膜反射鏡全体を示す断面図である。
(B) 深層側多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図である。
(C) 表層側多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る多層膜反射鏡を示す図である。
(A) 多層膜反射鏡全体を示す断面図である。
(B)、(C)、(D)、(E) 多層膜反射鏡を構成する各段の多層膜の単位周期構造を拡大して示す断面図である。
【図3】EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 多層膜
10 基板
2 深層側多層膜
2a、3a モリブデン層
2b、3b シリコン層
2c 酸化モリブデン層
2p、3p 単位周期構造
3 表層側多層膜
20 基板
21 多層膜
22 第1の多層膜
22a、23a、24a、25a モリブデン層
22b、23b、24b、25b シリコン層
22c、23c、24c 酸化モリブデン層
22p、23p、24p、25p 単位周期構造
23 第2の多層膜
24 第3の多層膜
25 第4の多層膜
301 折り返しミラー
302 レチクル
303 レチクルステージ
303a チャック
304 レチクルフォーカス送光系
305 レチクルフォーカス受光系
306、307、308、309 多層膜反射鏡
310 ウェハ
311 ウェハステージ
311a チャック
312 ウェハオートフォーカス送光系
313 ウェハオートフォーカス受光系
IL 照明系

Claims (7)

  1. 使用波長域における屈折率と真空の屈折率との屈折率差が大きい物質で形成された第1の層と、前記屈折率差が小さい物質で形成された第2の層とからなる層対を、基板上に略一定の周期長で複数積層してなる多層膜反射鏡であって、
    前記第1の層と第2の層との間に応力緩衝層が形成されており、
    該応力緩衝層の厚さが前記多層膜の厚さ方向で変化していることを特徴とする多層膜反射鏡。
  2. 使用波長域における屈折率と真空の屈折率との屈折率差が大きい物質で形成された第1の層と、前記屈折率差が小さい物質で形成された第2の層とからなる層対を、基板上に略一定の周期長で複数積層してなる多層膜反射鏡であって、
    前記複数の層対の一部のものについては、前記第1の層と第2の層との間に応力緩衝層が形成されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
  3. 前記応力緩衝層の厚さが、前記基板に近い側(深層側)で厚く、前記基板から遠い表層側で薄いか無いことを特徴とする請求項1又は2記載の多層膜反射鏡。
  4. 前記第1の層、第2の層及び応力緩衝層の1組からなる略周期構造の周期長が、単位略周期構造中を通過する波長13nm付近のEUV光に対して、光路長が一定となるように周期長が調整されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の多層膜反射鏡。
  5. 前記第1層がモリブデン(Mo)からなり、
    前記第2層がシリコン(Si)からなり、
    前記第3層が酸化モリブデン(MoO)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1層記載の多層膜反射鏡。
  6. 前記多層膜の総膜厚が350nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1層記載の多層膜反射鏡。
  7. EUV光(軟X線)を発生させるEUV光源と、このEUV光源からのEUV光をマスクに導く照明光学系と、前記マスクからのEUV光を感応基板に導く投影光学系とを有し、前記マスク上のパターンを前記感応基板上に転写する露光装置であって、
    前記照明光学系又は投影光学系の中に請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層膜反射鏡が配置されていることを特徴とする露光装置。
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