JP2008152037A - 光学素子、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

光学素子、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光に不要な非露光光のウエハへの到達を抑制し、露光精度を良好に維持できる光学素子、露光装置、及びこれらを用いたデバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】光学素子100は、露光光である例えば極端紫外線を反射する多層膜103と、多層膜103の最表層に設けられて光学素子100の反射特性を調整する反射調整層105とを備える。反射調整層105は、光源光に含まれる露光光の反射率と比較して、光源光に含まれる露光光以外の非露光光の反射率が低くなるように、光学素子100の反射特性を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、極端紫外線等に対して用いられる光学素子、当該光学素子を有する光学系によってパターン像を基板上に形成する露光装置、及びこれらを用いたデバイス製造方法に関する。
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって達成される光学系の解像度を向上させるため、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(例えば11〜14nm)の極端紫外線(EUV:Extreme Ultra Violet)を用いた露光技術が開発されている。このような極端紫外線(以下、「EUV光」という。)等を用いた露光装置では、投影用や照明用の光学素子として反射ミラーが用いられる。
かかる露光装置において、光源から放出される光源光には、露光光であるEUV光以外にも紫外光や赤外光、可視光等の不要光が含まれる。このため、これらの不要光がEUV光を導く光路を通ってウエハまで到達してしまい、露光精度に悪影響を与えるという問題があった。そこで従来の露光装置では、例えば、特許文献1の図2に示す透過フィルターのように、所望の波長の光を選択的に通過させるフィルターを光路中に設けて、EUV光以外の不要光を吸収し、除去していた。
特開2003−14893号公報
しかしながら、上記フィルターを露光装置に設けると、装置構成が複雑化して、コストの増大を招くという問題があった。
そこで、本発明は、露光に不要な非露光光のウエハへの到達を抑制し、露光精度を良好に維持できる光学素子、露光装置、及びこれらを用いたデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するための本発明に係る光学素子は、支持用の基板と、前記基板上に支持されるとともに、光源光のうち極端紫外線及び軟X線の少なくとも一方を含む露光光を反射する多層膜と、前記光源光に含まれる露光光の反射率と比較して、前記光源光に含まれる前記露光光以外の非露光光の反射率が低くなるように、前記光学素子の反射特性を調整する反射調整層とを備える。なお、上記の非露光光には、紫外光、赤外光、可視光等の不要光が含まれる。
上記光学素子は、反射型の素子であって、その反射特性を調整する反射調整層が、光源光のうち、非露光光に対する反射率よりも高い反射率で露光光を反射させることができるので、光学素子それ自体で下流側への非露光光の伝達を抑制でき、非露光光に起因する結像性能劣化等の弊害発生を防止することができる。特に、反射調整層が多層膜の最表面に設けられる場合、多層膜への入射前段で非露光光を吸収することができ、光学素子の反射特性の調整効果を高めることができる。
また、本発明に係る露光装置は、光源光を発生させる光源と、前記光源からの光源光のうち少なくとも露光光を転写用のマスクに導く照明光学系と、前記マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、前記マスク、前記照明光学系、及び前記投影光学系のうち少なくともいずれか1つが上記の光学素子を含む。
上記露光装置では、光源光の光路上に存在する各光学系の構成要素として本発明の光学素子を用いるので、かかる光学素子によって、下流側の光学素子への非露光光の伝達を抑制し、延いては感応基板への到達を抑制することができる。これにより、非露光光に起因する結像性能の低下を防止することができる。したがって、露光装置の露光精度を、コストを増大させることなく良好に維持することが可能となる。
なお、上記の露光装置において、前記光源は、プラズマ光源を含むものとしてもよい。より具体的には、このプラズマ光源を、レーザプラズマ光源としてもよい。
そして、本発明に係るデバイス製造方法は、その製造工程において上記露光装置を用いる。これにより、高性能なデバイスを製造することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態である露光装置の構成を説明するための図である。この露光装置10は、光学系として、露光光であるEUV光(波長11〜14nm)を含む光源光を発生する光源装置50と、EUV光を照明用のマスクMAに導く照明光学系60と、マスクMAのパターン像を感応基板であるウエハWA上に形成する投影光学系70とを備え、機械機構として、マスクMAを支持するマスクステージ81と、ウエハWAを支持するウエハステージ82とを備える。なお、ウエハWAは、感応基板を具体化して、レジスト等の感光層を表面コートしたものである。
光源装置50は、例えば、プラズマ励起用のレーザ光を発生するレーザプラズマ光源51と、ターゲット材料であるキセノン等のガスを筐体SC中に供給するチューブ52とを備える。レーザ光としては、近紫外光や遠紫外光等が適宜使用できるが、例えば、248nmに発振波長を持つKrFレーザ等のエキシマレーザや、波長1064nmで発振するYAGレーザの4倍波(波長266nm)を用いる。また、この光源装置50には、コンデンサ54やコリメータミラー55が付設されている。光源装置50では、チューブ52の先端から出射されるキセノンに対しレーザプラズマ光源51からのレーザ光を集光させることにより、その部分のターゲット材料をプラズマ化してEUV光を発生させる。コンデンサ54は、チューブ52の先端Sで発生したEUV光を集光する。コンデンサ54を経たEUV光は、収束されつつ筐体SC外に射出し、コリメータミラー55に入射する。なお、以上のようなレーザプラズマタイプの光源装置50からの光源光に代えて、放電プラズマ光源からの光源光、シンクロトロン放射光源からの放射光等を使用することができる。
照明光学系60は、反射型のオプティカルインテグレ一タ61,62、コンデンサミラー63、折曲ミラー64等により構成される。照明光学系60では、光源装置50からの光源光を、多数の小ミラーを含むオプティカルインテグレ一タ61,62によって照明光として均一化しつつコンデンサミラー63によって集光し、折曲ミラー64を介してマスクMA上の所定領域(例えば帯状領域)に入射させる。これにより、マスクMA上の所定領域を適当な波長のEUV光によって均一に照明することができる。
なお、EUV光の波長域で十分な透過率を有する物質は存在せず、マスクMAには透過型のマスクではなく反射型のマスクすなわちパターン状のミラーが使用されている。
投影光学系70は、多数のミラー71,72,73,74で構成される縮小投影系である。マスクMA上に形成されたパターン像である回路パターンは、投影光学系70によってレジストが塗布されたウエハWA上に結像してこのレジストに転写される。この場合、回路パターンが一度に投影される領域は、直線状又は円弧状のスリット領域であり、例えばマスクMAとウエハWAとを同期して移動させる走査露光によって、マスクMA上に形成された矩形の回路パターンをウエハWA上の矩形領域に無駄なく転写することができる。
マスクステージ81は、制御装置の制御下で、マスクMAを支持しつつマスクMAの位置や速度等を精密に監視しつつ所望の位置に移動させることができる。また、ウエハステージ82は、制御装置の制御下で、ウエハWAを支持しつつウエハWAの位置や速度等を精密に監視しつつ所望の位置に移動させることができる。
以上の光源装置50のうちEUV光の光路上に配置される部分と、照明光学系60と、投影光学系70とは、真空容器84内に配置されており、露光光の減衰が防止されている。つまり、EUV光は大気に吸収されて減衰するが、装置全体を真空容器84によって外部から遮断するとともに、EUV光の光路を所定の真空度(例えば、1.3×10−3Pa以下)に維持することで、EUV光の減衰すなわち転写像の輝度低下やコントラスト低下を防止している。
真空容器84内においてEUV光の光路上に配置されるミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMA等の光学素子は、下地となる例えば石英ガラス製の基板上に反射用の多層膜を形成したものである。この光学素子等の光学面の形状は、典型的には凹面であるが、凹面に限らず、平面、凸面、多面等組み込む場所によって適宜調整する。本実施形態では、これら露光装置10の光学系を構成するミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMA等の光学素子として、図2に例示される光学素子100を用いる。
図2は、光学素子100の構造を示す断面図である。この光学素子100は、多層膜構造を支持する母材となる基板101と、基板101上に支持されて、光源光に含まれる露光光であるEUV光を反射する多層膜103と、表層となる反射調整層105とを有する。多層膜103は、基板101上に真空に対する屈折率が異なる2種類の物質を例えば交互に積層することで形成した数層から数百層の多層膜である。この多層膜103を構成する2種類の薄膜層L1、L2は、例えば、Mo層及びSi層とすることができる。なお、この多層膜103は、薄膜層L2(Si層)が最表面となるよう形成してもよいし、薄膜層L1(Mo層)が最表面となるよう形成しても構わない。また、薄膜層L1、L2の組み合わせは、Mo/Siの他にも、例えばMo/Beといった組み合わせ等も可能である。
基板101は、例えば合成石英ガラスや低膨張ガラスを加工することによって形成されたものであり、その上面は、所定精度の鏡面に研磨されている。
基板101上の多層膜103については、反射鏡である光学素子100の反射率を高めるために、吸収の少ない物質を多数積層させ、それぞれの反射波の位相が合うように光干渉理論に基づいて各層の膜厚を調整する。つまり、投影露光装置内で使用されるEUV光の波長領域に対して、比較的屈折率の大きな薄膜層L1(具体例ではMo層)と比較的屈折率の小さない薄膜層L2(具体例ではSi層)とを、基板101上に、反射波の位相が合うよう所定の膜厚で交互もしくは任意順序に積層させることで多層膜103が形成されている。なお、多層膜103の形成にあたって、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに境界膜を設けることもできる。境界膜の材料としては、例えばBC、炭素(C)、炭化モリブデン(MoC)、酸化モリブデン(MoO)等が用いられる。
多層膜103の最表面に形成される反射調整層105は、光源光に含まれる露光光(EUV光)の反射率と比較して、光源光に含まれる露光光以外の非露光光の反射率が低くなるように、光学素子100の反射特性を調整する。
上記のようにレーザプラズマ光源51は、レーザ光を利用してターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるものであるが、このレーザプラズマ光源51からは、EUV光以外にも、紫外光、赤外光、可視光等の光が非露光光として同時に放出され、露光精度に影響を与える。具体的には、非露光光(詳細には、非露光光のうち、多層膜103に対して高い反射率を有する波長の光)が露光装置10の光学系を構成する光学素子に導かれてウエハWAに到達してしまい、結像性能を低下させてレジストに悪影響を及ぼしてしまう。例えば、本実施形態のようにレーザプラズマタイプの光源を用いる場合、放出されるプラズマ励起用のレーザ光が非露光光となり、露光精度に影響を与えていた。具体例を挙げると、レーザ光として、上記したKrFレーザ(波長248nm)やYAGレーザの4倍波(波長266nm)を用いる場合であれば、光源光には、波長240〜270nm付近の光が非露光光として含まれることとなり、露光精度に影響を与えてしまう。またこの他にも、例えばレーザ光としてYAGレーザを用いる場合であれば、波長1064nmの赤外光が光源光に含まれる等、光源光には、紫外光、赤外光、可視光等の広帯域に跨る非露光光が含まれる。したがって、多層膜103の最表面にレーザ光等の露光に不要な非露光光に対する反射率が低い反射調整層105を設ければ、非露光光のウエハWAへの到達を抑制し、露光精度を良好に維持することが期待できる。
しかしながら、反射調整層105がレーザプラズマ光源51から放出された非露光光を完全に吸収してしまうと、素子の温度上昇を招き、熱膨張による形状変化を誘発するという問題が生じる可能性がある。上記のように、露光装置10では、光学系の置かれる環境が真空に保たれるため、気体を介した熱交換が行われずにこの問題は顕著となる。
また、反射調整層105がEUV光を吸収してしまうと、露光装置10のスループットが大幅に低減してしまうため、反射調整層105を設けることによるEUV光の光量ロスを考慮する必要がある。
以上のような観点から、本実施形態では、反射調整層105によって、多層膜103と反射調整層105とを組み合わせた光学素子100全体の反射特性が、EUV光に対して30%以上、より好ましくは45%以上の反射率を有し、且つ非露光光に対して30%以下、より好ましくは20%以下の反射率を有するように調整される。
より詳細には、露光装置10の光学系を構成する各光学素子に対する光源光の入射角度は、例えば垂直入射を基準(0°)とした場合5°であり、反射調整層105は、5°近傍の入射角度で入射する光に対して前述のような反射率を有するように設計される。
これによれば、光学系を構成する各光学素子によるEUV光の反射率を所定のレベル以上に確保しつつ、露光に不要なレーザ光等を含む非露光光のウエハWAへの到達を抑制することができる。ただし、非露光光を複数の光学素子100に入射させる場合、各光学素子の反射率については十分大きなものとする。つまり、光学系を構成する各光学素子による非露光光の反射率が例えば30%程度の適度な値に制限される。このため、下流側の光学素子に伝達される非露光光を徐々に減衰させることができるので、各光学素子それぞれに、非露光光の吸収に起因する熱負荷を分散させることが可能となる。例えば、照明光学系60及び投影光学系70を構成する各光学素子に対する非露光光の反射率を一律に30%とし、照明光学系60や投影光学系70で計8回反射する場合を想定すると、ウエハWAに到達する非露光光の割合は、0.30=0.000066程度である。つまり、光源装置50から放出される非露光光は、後段の光学系を構成する各光学素子によって少しずつ吸収され、そのほとんどがウエハWAまで到達しないことになる。
具体的には、反射調整層105は、ケイ素(Si)、炭素(C)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)等の何れか1つ以上を含む材料で形成され、具体的には窒化ホウ素(BN)、炭化ホウ素(BC)、ジルコニウム(Zr)、酸化ケイ素(SiO)、炭素(C)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)のうちの何れかの単層膜として形成される。或いは、上記単層膜の何れかを組み合わせて積層して形成されるものであってもよい。これらの材料は、EUV光に対する吸収や干渉が少なく、レーザ光を含む広帯域に跨る非露光光に対する吸収率が高いため好適である。特に、窒化ホウ素(BN)、或いは炭化ホウ素(BC)の単層膜として形成された反射調整層105が好適である。なお、この反射調整層105の成膜は、表面荒さを悪化せず繊密な膜ができれば成膜手法を問わない。例えば、所望の成分金属をターゲットとしてスパッタする、或いは金属ターゲットを酸素雰囲気中でスパッタすることにより反射調整層105の成膜を行う。
(1)窒化ホウ素
ここで、反射調整層105を、窒化ホウ素の単層膜(膜厚は、例えば14nmとする。)として形成した場合の光学素子100の反射特性について説明する。図3は、この場合の光学素子100の反射特性を説明するための図であり、(a)は波長12.5〜14.5nm付近の光に対する反射率を、(b)は波長190〜490nm付近の光に対する反射率を、それぞれ示している。図3(a)に示すように、窒化ホウ素の単層膜として反射調整層105が形成された光学素子100は、光源光のうち、波長11〜14nmのEUV光に対して約60%の反射率を有する一方、図3(b)に示すように、波長248nmのKrFレーザや波長266nmのYAGレーザの4倍波に対して約10%の反射率を有する。さらに、この光学素子100は、その他の紫外光、可視光等に対しても略30%以下の低い反射率を示す。
ここで比較のため、多層膜103の最表面に反射調整層105が形成されていない従来の光学素子の反射特性について説明する。図4は、従来の光学素子の反射特性を説明するための図であり、詳細には、波長190〜490nm付近の光に対する反射率を示している。図4に示すように、反射調整層105が形成されていない従来の光学素子では、レーザ光の波長域である240〜270nm付近の光に対して約60%の高い反射率を有し、紫外光、可視光等に対しても40%を越える高い反射率を有する。
以上のように、多層膜103の最表面に窒化ホウ素の単層膜として設けた反射調整層105により、光学素子100のEUV光に対する反射率は約60%に確保される一方で、レーザ光に着目すれば、その反射率は10%程度に制限される。
(2)炭化ホウ素
次に、反射調整層105を、炭化ホウ素の単層膜(膜厚は、例えば13nmとする。)として形成した場合の反射特性について説明する。図5は、この場合の光学素子100の反射特性を説明するための図であり、(a)に波長12.5〜14.5nm付近の光に対する反射率を、(b)は波長190〜490nm付近の光に対する反射率を、それぞれ示している。図5(a)に示すように、炭化ホウ素の単層膜として反射調整層105が形成された光学素子100は、波長11〜14nmのEUV光に対して約60%の反射率を有する一方、図5(b)に示すように、レーザ光の波長域である240〜270nm付近の光に対して、約10%の反射率を有する。さらに、この光学素子100は、その他の紫外光、可視光等に対しても略30%以下の低い反射率を示す。したがって、窒化ホウ素の場合と同様に、多層膜103の最表面に炭化ホウ素の単層膜として設けた反射調整層105により、光学素子100のEUV光に対する反射率は約60%に確保される一方で、レーザ光に対する反射率は10%程度に制限される。
以下、図1に示す露光装置10の全体的動作について説明する。この露光装置10では、照明光学系60からの照明光によってマスクMAが照明され、マスクMAのパターン像が投影光学系70によってウエハWA上に投影される。これにより、マスクMAのパターン像がウエハWAに転写される。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学系を構成する各光学素子を、図2に示すように多層膜103の最表面に反射調整層105を設けた構成の光学素子100とすることで、各光学素子によるEUV光の反射率を所定のレベル以上(例えば30%以上)に確保する一方、光源光に含まれるEUV光以外の広帯域に跨る非露光光の反射率を、所定のレベル以下(例えば30%以下)に制限することができる。そして、下流側の光学素子に伝達される非露光光を徐々に減衰させ、各光学素子それぞれに、非露光光の吸収に起因する熱負荷を分散させることができる。これにより、反射調整層105によるEUV光の光量ロスを最小限に抑えつつ、露光に不要な非露光光のウエハWAへの到達を抑制することができる。したがって、非露光光に起因する結像性能の低下を防止することができ、露光装置の露光精度を、コストを増大させることなく良好に維持することが可能となる。
また、図2に示すように、反射調整層105は、多層膜103の最表面に設けられる。これによれば、光学系を構成する各光学素子は、光源光に含まれるレーザ光等を含む非露光光を、その入射前段で吸収することができるので、その反射特性の調整効果を高める効果がある。
以上は、露光装置10やこれを用いた露光方法の説明であったが、このような露光装置10を用いることによって、半導体デバイスその他のマイクロデバイスを高い集積度で製造するためのデバイス製造方法を提供することができる。具体的には、マイクロデバイスは、図6に示すように、マイクロデバイスの機能や性能、パターンの設計等を行う工程(S101)、この設計工程に基づいてマスクMAを作製する工程(S102)、デバイスの基材であるウエハWAを準備する基板製造工程(S103)、前述した実施形態の露光装置10によりマスクMAのパターンをウエハWAに露光する露光処理工程(S104)、一連の露光やエッチング等を繰り返しつつ素子を完成するデバイス組立工程(S105)、組立後のデバイスの検査工程(S106)等を経て製造される。なお、デバイス組立工程(S105)には、通常ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程等が含まれる。
なお、上記実施形態では、光源光としてEUV光を用いる露光装置について説明したが、本発明は、光源光として軟X線を用いる軟X線顕微鏡、軟X線分析装置等の軟X線光学機器にも適用可能である。具体的には、この軟X線光学機器を構成する光学素子として、図2に示すような光学素子100を組み込むことにより、光学機器の光学特性を、コストを増大させることなく良好に維持することが可能となる。
また、露光装置10の光学系を構成するミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMAの全てを図2に例示される光学素子100とする必要はなく、照明光学系60、及び投影光学系70のうち少なくともいずれか1つが、図2の光学素子100を含むように各光学系を構成することとしてもよい。例えば、照明光学系60を構成する各光学素子として、図2の光学素子100を用いれば、露光装置10の上流側で非露光光を吸収し、除去することができる。
また、本発明は、非露光光の吸収に起因する熱負荷の影響が小さく、低真空でも気体を介した熱交換に有利な照明系フラットミラー等の光学素子に、より好適に適用できる。
本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る光学素子の構成を説明するための図である。 (a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る光学素子の反射特性を説明するための図である。 従来の光学素子の反射特性を説明するための図である。 (a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る光学素子の反射特性を説明するための図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…露光装置、 50…光源装置、 51…レーザプラズマ光源、 60…照明光学系、 70…投影光学系、 81…マスクステージ、 82…ウエハステージ、 84…真空容器、 54,55,61,62,63,64,71,72,73,74(100)…光学素子、 101…基板、 103…多層膜、 105…反射調整層、 MA…マスク、 WA…ウエハ

Claims (9)

  1. 支持用の基板と、
    前記基板上に支持されるとともに、光源光のうち極端紫外線及び軟X線の少なくとも一方を含む露光光を反射する多層膜と、
    前記光源光に含まれる露光光の反射率と比較して、前記光源光に含まれる前記露光光以外の非露光光の反射率が低くなるように、前記光学素子の反射特性を調整する反射調整層とを備える光学素子。
  2. 前記光源光は、前記非露光光として紫外光、赤外光、及び可視光の少なくとも一方を含む請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記多層膜と前記反射調整層とを組み合わせた反射特性において、前記露光光に対する反射率が30%以上であり、前記非露光光に対する反射率が30%以下である請求項1及び2の何れか一項に記載の光学素子。
  4. 前記反射調整層が、前記多層膜の最表面に設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子。
  5. 前記反射調整層は、窒化ホウ素、炭化ホウ素、ジルコニウム、酸化ケイ素、炭素、炭化ケイ素、窒化ケイ素のうち、何れか一つを含有する請求項1〜4の何れか一項に記載の光学素子。
  6. 光源光を発生させる光源と、
    前記光源からの光源光のうち少なくとも露光光を転写用のマスクに導く照明光学系と、
    前記マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、
    前記マスク、前記照明光学系、及び前記投影光学系のうち少なくともいずれか1つが請求項1〜5の何れか一項に記載の光学素子を含むことを特徴とする露光装置。
  7. 前記光源は、プラズマ光源を含む請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記プラズマ光源は、レーザプラズマ光源であり、
    前記光学素子の前記反射調整層の前記レーザ光に対する反射特性は、前記光源光に含まれる非露光光であるプラズマ励起用のレーザ光に対する前記多層膜と前記反射調整層とを組み合わせた反射率が、前記露光光に対する前記多層膜と前記反射調整層とを組み合わせた反射率よりも低くなるように調整される請求項7に記載の露光装置。
  9. 請求項6〜8の何れか一項に記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
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