JP2013538433A - リソグラフィ装置およびスペクトル純度フィルタ - Google Patents

リソグラフィ装置およびスペクトル純度フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術の1つまたは複数の問題を未然に防ぐまたは軽減するリソグラフィ装置を提供する。
【解決手段】リフレクタは、第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、1つまたは複数の追加層とを含む。多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の厚さは、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定される。
【選択図】図6

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年3月24日、2010年5月3日、および2010年7月15日にそれぞれ出願された米国特許仮出願第61/317,167号、61/330,721号、61/364,725号の利益を主張し、参照によりそれら両出願の全体が本明細書に引用される。
(分野)
本発明は、リソグラフィ装置およびリソグラフィ装置での使用に適したリフレクタに関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板、通常は基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は例えば集積回路(IC)の製造に用いられる。この場合、例えばマスクまたはレチクルとも称されるパターニングデバイスが、集積回路の個々の層に形成されるべき回路パターンを形成するために使用されうる。このパターンが基板(例えばシリコンウエハ)の(例えばダイの一部、あるいは1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分に転写される。パターン転写は典型的には基板に形成された放射感応性材料(レジスト)層への結像による。一般に、一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的に露光される。
リソグラフィは、IC及び他のデバイス及び/または構造の製造において重要なステップの一つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作成されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは、小型ICまたは他のデバイス及び/または構造の製造を可能とするためのより重要な要素となってきている。
パターン印刷の限界の理論推定値は、式(1)に示すレイリーの解像限界によって与えられる。
Figure 2013538433
ここで、λは使用される放射の波長、NAはパターン印刷に用いられる投影系の開口数、kはプロセス依存の調整係数(レイリー定数とも呼ばれる)、CDは印刷されるフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの印刷可能な最小サイズを三つの方法で低下させられることが分かる。すなわち、露光波長λの短縮、開口数NAの増加、またはk値の減少である。
露光波長を短縮し、さらに印刷可能な最小サイズを小さくするために、極端紫外(EUV)放射源を使用することが提案されてきた。EUV放射は、5〜20nmの範囲内(例えば13〜14nmの範囲内、あるいは、6.7nmまたは6.8nmなどの5〜10nmの範囲内)の波長を有する電磁放射である。考えられる放射源には、例えば、レーザ生成プラズマ光源、放電プラズマ光源、または電子貯蔵リングにより提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
EUV放射は、プラズマを用いて生成することができる。EUV放射を生成する放射系は、燃料を励起してプラズマを提供するレーザと、プラズマを収容するための放射源コレクタモジュールとを備えてもよい。例えば、適切な材料(例えばスズ)の粒子、あるいは、XeガスまたはLi蒸気などの適切なガスまたは蒸気の流れである燃料にレーザビームを向けることによって、プラズマを生成することができる。結果として生じたプラズマは出力放射(例えばEUV放射)を発し、これは放射コレクタを用いて収集される。放射コレクタは、鏡面仕上げされた垂直入射放射コレクタであってよく、これは放射を受け取りその放射をビームへと合焦させる。放射源コレクタモジュールは、真空環境を提供してプラズマをサポートするように構成された閉鎖構造またはチャンバを備えてもよい。このような放射系は、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)光源と呼ばれる。
有用なEUV帯域内放射に加えて、既知のLLP源は、プラズマから散乱された(反射された)レーザ放射だけでなく、深紫外線(DUV)および赤外線(IR)などの有用ではない帯域外放射も生成する。IR放射は、0.1〜500μmの範囲内、例えば5〜15μmの範囲内の波長を有する電磁放射である。LPP源により生成される、特に凹パワーの10.6μmの帯域外放射は、パターニングデバイス、基板および光学系の望まれていない加熱を引き起こし、それらのライフタイムを減少させる可能性がある。既知のリソグラフィ装置は、帯域外放射(例えば10.6μm)に高い反射率を有する光学系を備える。それ故、帯域外放射は、基板に大きなパワーで到達することができる。基板における帯域外放射の存在は、リソグラフィ装置の結像性能の低下をもたらす可能性がある。
EUV放射ビームを生成するのに用いられるプラズマ生成処理の間に、レーザビームのレーザエネルギーによる燃料のプラズマへの変換は不完全である可能性があり、それ故、燃料デブリが生成される可能性がある。このデブリは、(プラズマにより出力された放射を放射源コレクタモジュール内に集める)放射コレクタと接触し、該放射コレクタの表面にデブリの層を形成する可能性がある。放射コレクタへのデブリ層の形成は、放射コレクタの光学特性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、放射コレクタへのデブリ層(例えばスズ層)の形成は、帯域外放射に関する放射コレクタの反射率を増大させる可能性がある。従って、帯域外放射は、大きなパワーで基板に到達できる可能性がある。これにより、多量の帯域外放射がリソグラフィ装置を通って基板に導かれる可能性がある。多量の帯域外放射がリソグラフィ装置を通って基板に導かれると、パターニングデバイス、基板および光学系の望まれていない加熱が引き起こされ、それらのライフタイムを減少する可能性がある。基板における帯域外放射の存在はまた、リソグラフィ装置の結像性能の低下をもたらす可能性がある。
国際出願公開第WO2010/022839号は、その要約によれば、EUV放射を反射するよう構成されたスペクトル純度フィルタを開示している。スペクトル純度フィルタは、基板と、該基板の上面上の反射防止膜とを含む。この反射防止膜は、IR放射を透過するよう構成されている。このフィルタはまた、EUV放射を反射するとともにIR放射を実質的に透過するよう構成された多層スタックを含む。
従来技術の1つまたは複数の問題を未然に防ぐまたは軽減するリソグラフィ装置を提供することが望ましい。
本発明の一態様によれば、第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、1つまたは複数の追加層とを備えるリフレクタであって、多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の厚さは、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されるリフレクタが提供される。1つまたは複数の追加層は、シリコンから形成された基板を含んでもよい。1つまたは複数の追加層は、基板と多層ミラー構造との中間に位置する金属層をさらに含んでもよい。金属層は、モリブデンから形成されてもよい。1つまたは複数の追加層は、基板と多層ミラー構造との中間に位置する吸収層をさらに含んでもよい。吸収層は、第2波長の放射を吸収するよう構成される。吸収層は、温度変化により実質的に影響されない光学特性を有する材料を含んでもよい。吸収層は、WO、TiO、ZnO、SiOおよびSiCから構成される群から選択された1つの材料から形成されてもよい。吸収層はさらに、ドープされた半導体から形成されてもよい。多層ミラー構造に隣接する1つまたは複数の追加層の層は、第2波長における多層ミラー構造の屈折率と異なる第2波長における屈折率を有してもよい。第1波長は、極端紫外波長であってよく、第2波長は赤外波長であってよい。
本発明の一態様によれば、放射を集めるよう構成された放射源コレクタモジュールと、放射を調整するよう構成された照明系と、放射から形成された放射ビームを基板上に投影する投影系とを有するリソグラフィ装置であって、放射源コレクタモジュール、照明系、および/または投影系が、本発明の態様に係る1つまたは複数のリフレクタを備えるリソグラフィ装置が提供される。
本発明の一態様によれば、第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、1つまたは複数の追加層とを備えるリフレクタであって、多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の厚さは、当該リフレクタの表面を規定するデブリ材料の層が多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されるリフレクタが提供される。リフレクタは、デブリ層がリフレクタ上に無いとき、リフレクタの第2波長の放射に対する反射率が所定の閾値未満となるよう構成されてもよい。リフレクタは、デブリの単層がリフレクタ上にあるとき、リフレクタの第2波長の放射に対する反射率が所定の閾値未満となるよう構成されてもよい。
使用中にデブリ材料の層の厚さは時間とともに増大し、多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の厚さは、特定の厚さのデブリ材料の層が多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタの内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されてもよい。当該リフレクタの第2波長の放射の反射率は、デブリ層の厚さが増加するときに最小反射率を通過するよう構成されてもよい。該最小反射率は、デブリ層が特定の厚さを有するときに起こる。
本発明の一態様によれば、第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、第2波長における放射を吸収するよう構成された基板と、多層ミラー構造と基板との間の反射防止層であって、多層ミラー構造から基板まで第2波長における放射の通過を促進するよう構成された反射防止層とを備えるリフレクタであって、多層ミラー構造および反射防止層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および反射防止層の厚さは、当該リフレクタの表面を規定するデブリ材料の層が多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が、デブリ材料の層が無いリフレクタの多層ミラー構造から反射する第2波長の放射未満となるように設定されるリフレクタが提供される。
使用中にデブリ材料の層の厚さは時間とともに増大し、多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層の厚さは、特定の厚さのデブリ材料の層が多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタの内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されてもよい。当該リフレクタの第2波長の放射の反射率は、デブリ層の厚さが増加するときに最小反射率を通過するよう構成されてもよい。該最小反射率は、デブリ層が特定の厚さを有するときに起こる。リフレクタは、デブリ層がリフレクタ上に無いとき、リフレクタの第2波長の放射に対する反射率が所定の閾値未満となるよう構成されてもよい。リフレクタは、デブリの単層がリフレクタ上にあるとき、リフレクタの第2波長の放射に対する反射率が所定の閾値未満となるよう構成されてもよい。デブリ層の特定の厚さは、デブリ材料の単層の厚さ以上であってよい。
使用中に前記デブリ材料の層の厚さは時間とともに増大し、当該リフレクタは、前記多層ミラー構造の第2波長における吸光度および屈折率、前記1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、前記多層ミラー構造の厚さ、および前記1つまたは複数の追加層の厚さを含むリフレクタの少なくとも1つの特性が、当該リフレクタの表面から反射する前記第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するようデブリ層の厚さに応じて時間とともに能動的に変化するよう構成されてもよい。リフレクタは、該リフレクタの温度が能動的に変えられるよう構成され、それによりリフレクタの少なくとも1つの特性を能動的に変化させてもよい。リフレクタの少なくとも1つの特性の変化は、多層ミラー構造および1つまたは複数の追加層のうち少なくとも1つ内の電荷担体濃度の変化から生じてもよい。
さらに別の態様によれば、極端紫外放射を反射するよう構成されたスペクトル純度フィルタが提供される。このスペクトル純度フィルタは、基板と、基板の上面上の反射防止膜であって、赤外線を透過するよう構成された反射防止膜と、極端紫外放射を反射し、赤外放射を実質的に透過するよう構成された多層スタックであって、シリコン(Si)とダイヤモンド状炭素層(DLC)の交互層を備え、SiがドープSiおよび/またはダイヤモンド状炭素がドープダイヤモンド状炭素である多層スタックと、を含む。ドーピングは、5×1018cm−3から5×1019cm−3、好ましくは8×1018cm−3から2×1019cm−3の不純物濃度を有してもよい。典型的には、約1×1019cm−3が適切な不純物濃度である。
本発明の実施形態が付属の図面を参照して以下に説明されるがこれらは例示に過ぎない。各図面において対応する参照符号は対応する部分を指し示す。
本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を示す図である。
レーザ生成プラズマ(LPP)放射源コレクタモジュールを含む、図1の装置をより詳細に示す図である。
従来のスペクトル純度フィルタの概略的な断面を示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの概略的な断面を示す図である。
図4に示すリフレクタの光学応答を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの概略的な断面を示す図である。
図6に示すリフレクタの光学応答を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの概略的な断面を示す図である。
図8に示すリフレクタの光学応答を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの概略的な断面を示す図である。
図10に示すリフレクタの光学応答を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの光学応答を表すプロットを示す図である。
図12に示すリフレクタの光学応答を、本発明の2つの別の実施形態の光学応答と比較して示す図である。
デブリ層の存在に最適化されていない本発明の一実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する反射率を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する最小反射率を、電荷担体濃度の関数として表すプロットを示す図である。
リフレクタの多層ミラー(MLM)構造の周期数と電荷担体濃度との関係を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する反射率を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する反射率を表すプロットを示す図である。
本発明の一実施形態に係るリフレクタの概略的な断面を示す図である。
本発明の実施形態に係る2つのリフレクタの帯域外放射に対する反射率を表すプロットを示す図である。
別のリフレクタの概略的な断面を示す図である。
n型ドーパント濃度とSiの屈折率との関係を表すプロットを示す図である。
さらに別のリフレクタARRの概略的な断面を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る放射源コレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を模式的に示す。リソグラフィ装置は、放射ビームB(例えばEUV放射)を調整するよう構成された照明系(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)MAを支持するよう構成されるとともに、パターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成された第1位置決め装置PMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコーティングされた基板)Wを保持するとともに基板を正確に位置決めするよう構成された第2位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えば基板テーブル)WTと、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するよう構成された投影系(例えば反射投影系)PSとを備える。
照明系は、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含み得るものであり、放射の向きや形状を整え、あるいは放射を制御するためのものである。
支持構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等のその他の条件に応じた方式で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスを保持するその他の固定技術を用いてもよい。支持構造は、例えばフレームまたはテーブルであってよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影系に対して所望の位置にあることを保証してもよい。
「パターニングデバイス」なる用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するために放射ビーム断面にパターンを与えるのに使用される何らかのデバイスを表すと広義に解釈すべきである。放射ビームに付与されたパターンは、ターゲット部分に生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応していてよい。
パターニングデバイスは、透過型であってもよいし、反射型であってもよい。パターニングデバイスの実施例には、マスクやプログラム可能ミラーアレイ、プログラム可能LCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、減衰型位相シフトマスク、さらには多様なハイブリッド型マスクが含まれる。プログラム可能ミラーアレイは例えば、小型ミラーのマトリックス配列で構成される。各ミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個別的に傾斜可能である。傾斜したミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームにパターンを付与する。
投影系は、照明系のように、使用される露光放射に応じて、あるいは真空の使用等のその他の要因に応じて適切とされる、例えば屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、または他の種類の光学素子、あるいはこれらの組合せなどの様々な種類の光学素子を含んでよい。EUV放射に対しては真空を用いることが望ましい。ガスはEUV放射を吸収する可能性があるからである。それ故、真空壁および真空ポンプを用いて全ビーム経路に真空環境が与えられてもよい。
本明細書で表現するように、本装置は反射型(例えば反射マスクを採用する)である。
リソグラフィ装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブル(及び/または2つ以上のマスクテーブル)を備えてもよい。こうした多重ステージ型の装置においては、複数のテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルが露光のために使用されている間に、1以上の他のテーブルで準備工程が実行されるようにしてもよい。
図1を参照すると、イルミネータILは放射源コレクタモジュールSOから極端紫外(EUV)放射ビームを受け取る。EUV放射は、5〜20nmの範囲内(例えば13〜14nmの範囲内、あるいは、6.7nmまたは6.8nmなどの5〜10nmの範囲内)の波長を有する電磁放射である。EUV光を生成する方法には、EUV範囲内で一つ以上の輝線を持つ例えばキセノン、リチウムまたはスズなどの少なくとも一つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換することが含まれるが、これに限定する必要はない。そのような一つの方法(しばしばレーザ生成プラズマ(LPP)と呼ばれる)では、必要な輝線元素を有する材料の液滴、ストリームまたはクラスターなどの燃料をレーザビームで照射することによって、必要なプラズマを発生させることができる。放射源コレクタモジュールSOは、図1には示されていない、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザを備えるEUV照射システムの一部であってもよい。得られたプラズマは、例えばEUV放射である出力放射を発し、放射源コレクタモジュール内に配置された放射コレクタを使用して放射が集められる。例えばCOレーザを使用して燃料を励起するレーザビームを提供するとき、レーザと放射源コレクタモジュールは別個の存在であってもよい。
このような場合、レーザはリソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、例えば適切な指向ミラー及び/またはビームエキスパンダを備えるビーム搬送系の助けを借りて、レーザから放射源コレクタモジュールへと放射ビームを通過させる。他の場合では、例えば光源が放電生成プラズマEUVジェネレータ(しばしばDPP源と呼ばれる)であるとき、光源は放射源コレクタモジュールの一体部品であってもよい。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも外径及び/または内径の値(通常それぞれ「σouter」、「σinner」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、ファセットフィールド(facetted field)及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他の部品を備えてもよい。イルミネータはビーム断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられる。
放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射して、当該パターニングデバイスによりパターンが付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後に、放射ビームBは投影系PSを通過する。投影系PSはビームを基板Wの目標部分Cに合焦させる。第2ポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)の助けを借りて、基板テーブルWTは正確に移動され、放射ビームBの経路に異なる複数の目標部分Cを位置決めする。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも一つで使用することができる。
1.ステップモードでは、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で一つの目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。
2.スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。
3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラム可能パターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTは移動または走査される。パルス放射源が用いられ、プログラム可能パターニングデバイスは走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または連続する放射パルスの間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上記のプログラム可能ミラーアレイなどのプログラム可能パターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに直ちに適用することができる。
上記のモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードを用いてもよい。
図2は、放射源コレクタモジュールSO、照明系IL及び投影系PSを含む装置100をより詳細に示す図である。放射源コレクタモジュールSOは、該コレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持されるように構成され配置されている。
レーザLAは、燃料源200により与えられるキセノン(Xe)、スズ(Sn)、またはリチウム(Li)などの燃料中にレーザビーム205によってレーザエネルギーを堆積させるよう配置されており、それによって数十エレクトロンボルトの電子温度の高度にイオン化されたプラズマ210が生成される。これらのイオンのエネルギーのより低い準位への遷移および再結合の間に生成されるエネルギー放射がプラズマから放出され、近垂直入射コレクタ光学系COによって集められ、焦点合わせされる。このような放射源コレクタモジュールは、通常はレーザ励起プラズマ(LPP)源と称される。集められたプラズマは、有用な帯域内放射(例えばEUV放射)だけでなく、有用ではない帯域外放射(例えばDUV放射またはIR放射)も含んでいる可能性がある。有用な帯域内放射は、所望のパターンを基板に付与するために用いられるが、有用でない帯域外放射は用いられない。
レーザビーム205による燃料中へのレーザエネルギーの堆積は、コレクタ光学系CO(コレクタとも称される)と接触するように入ってくる燃料からデブリ(debris)を作り出し、コレクタCOの表面にデブリの層を形成する可能性がある。放射コレクタへのデブリ層の形成は、コレクタCOの光学特性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、コレクタCOへのデブリ層(例えばスズ層)の形成は、コレクタCOで反射される帯域外放射量を増大させる可能性がある。
コレクタ光学系COで反射した放射は、仮想光源点IFに合焦される。仮想光源点IFは一般に中間焦点と呼ばれ、放射源コレクタモジュールSOは、閉鎖構造220内の開口221にまたはその近傍に中間焦点IFが位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
続いて、放射は照明系ILを横切る。照明系ILは、パターニングデバイスMAにおける所望の放射強度の一様性と同様に、パターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の所望の角度分布を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス(facetted field mirror device)22及び瞳ミラーデバイス24を備えてもよい。支持構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAで放射ビーム21が反射すると、パターン付与されたビーム26が形成される。パターン付与されたビーム26は、投影系PSによって、反射素子28、30を経由して基板ステージまたは基板テーブルWTで保持された基板W上に結像される。
一般に、図示よりも多くの素子が照明系IL及び投影系PS内に存在してもよい。さらに、図に示すよりも多くのミラーが存在してもよい。例えば、1〜6個の追加の反射素子が図2に示す投影系PS内に存在してもよい。
LPP源により生成される有用でない帯域外放射は、パターニングデバイスおよび光学系の望まれていない加熱を引き起こし、それらのライフタイムを縮めるおよび/またはパターンが基板に投影される精度を低下させる可能性がある。
ミラーデバイス22,24、反射素子28,30、コレクタ光学系CO、および公知のリソグラフィ装置の放射源コレクタモジュール、照明系、および/または投影系の他の光学部品は、多層ミラー(MLM)構造を有するリフレクタを備えてもよい。MLM構造は、複数の交互の相対的に高い屈折率層と相対的に低い屈折率層を有してもよい。相対的に低い屈折率層は、MLMが反射するよう構成された波長の放射に十分な吸収性がない。リフレクタは、MLM構造における複数の交互層が堆積される基板層を備えてもよい。相対的に高い屈折率層と相対的に低い屈折率層用の既知の材料は、それぞれモリブデン(Mo)およびシリコン(Si)であり、反射する放射波長は、EUV帯である。
MLM構造の交互層を周期的であると呼ぶことはよくあることであり、1周期は、交互構造の繰り返し単位である複数の層から成る。上記の場合では、1周期は、高屈折率のMo層および相対的に低屈折率のSi層から成る。1周期の厚さは、通常、反射する放射の約反波長となるように選択される。このように、各相対的に高い屈折率層からの散乱放射間の建設的干渉によって、MLMは所望の波長の放射を反射する。
このような多層ミラー構造は、有用な帯域内放射の適切なリフレクタであるだけでなく、有用でない帯域外放射(例えば10.6μmのIR放射など)の適切なリフレクタである。これらの多層ミラーの帯域外放射の波長での高い反射率は、帯域外放射の波長でのモリブデンの相対的に高い反射率(相対的に低い吸光度および透過率)に起因する。MLM構造は帯域外放射の適切なリフレクタであるので、その結果として帯域外放射は大きなパワーで基板に到達することができる。帯域外放射が基板に存在すると、リソグラフィ装置の結像性能を低下させる可能性がある。この1つの理由は、基板に入射した帯域外放射に起因する基板の加熱が、基板の熱膨張を引き起こす可能性があることである。
国際出願公開第WO2010/022839号に記載された既知の純度フィルタを図3に示す。このスペクトル純度フィルタは、受け板BPを有する基板38pを備える。このスペクトル純度フィルタはまた、交互ミラー層を有する多層ミラー構造36pを備える。基板38pと多層ミラー構造36pとの間には、反射防止膜ARが設けられている。このスペクトル純度フィルタは、さらに、多層ミラー構造36p上にキャッピング層Cを備える。このスペクトル純度フィルタは、以下の役割を果たす:放射(Iで示す)がスペクトル純度フィルタに入射する。入射した放射Iは、有用なEUV放射と有用でないIR放射の両方を含む。EUV放射とIR放射の両方は、キャッピング層Cを通過する。多層ミラー構造中の交互ミラー層は、IR放射に対して透明であるが、同時にEUV放射に対して反射するように構成される。その結果、EUV放射はスペクトル純度フィルタの多層ミラー構造36pで反射するが、IR放射は反射防止膜ARまで通過を許される。反射防止膜ARの厚さおよび材料は、反射防止膜ARと多層ミラー構造36pの界面でほんの少しのIR放射しか反射しないように選択される。その代わりに、IR放射は反射防止膜AR中に伝搬する。反射防止膜ARは、IR放射に対して透明であり、従って、IR放射は反射防止膜ARを通過して基板38p中に入る(これはTで示す)。基板の材料は、IR放射の適切な吸収材となるように選択される。その結果、基板38pはIR放射を吸収する。受け板BPは、IR放射の吸収に起因する基板38pの加熱が放散されるように、高熱伝導性の材料から形成されてよい。
本発明の実施形態に係るリフレクタ34aを図4に示す。リフレクタ34aは、ダイアモンド状炭素(DLC)とn型シリコン(n−Si)の交互層(交互ミラー層としても知られる)を含む多層ミラー構造36を備える。リフレクタはさらに、追加層を備え、これはこの場合、Si基板38である。多層ミラー構造36は、Si基板38上に設けられている。
本発明の全ての実施形態の多層ミラー構造36は、帯域内放射に対しブラッグ反射器として機能する。本発明の多層ミラー構造の個別層の厚さは、帯域外放射の波長と比べたときに小さい。このため、本発明の多層ミラー構造は、帯域外放射に対して「平均的」またはバルク屈折率を有すると見なすことができる。さらに、多層ミラー構造は帯域外放射に対してバルク屈折率を有すると見なすことができるので、多層ミラー構造の各層間の界面は、実質的に少しも帯域外放射を反射しない。
帯域内放射の十分な反射をもたらすことができ、且つ帯域外放射に吸収性があるものであれば、DLCとn−Siの代わりに任意の適切な材料を用いることができることを理解されたい。このようなMLM構造は、一部の帯域外放射を吸収するが、帯域内放射の多くを反射する。その結果、いくつかのこのようなリフレクタを経てリソグラフィ装置を通って基板に伝搬する帯域外放射の量が減少する。
リフレクタ34aの一部を形成する材料は、リフレクタ34aの劣化を引き起こすことなく、帯域外放射の吸収により生じる熱に耐えることができるよう選択されてよい。加えて、本発明の任意の実施形態に係るリフレクタは、帯域外放射の吸収に起因する熱を放散する放熱体が設けられてもよい。放熱体は、ヒートシンクまたは冷却システムを備えてもよい。冷却システムは、水冷却システムであってもよい。
本発明の実施形態では、従来のMLMのMo層は、有用な帯域内放射(例えばEUV放射)を適切に反射するとともに、帯域外放射(例えばIR放射)の波長を十分に吸収する他の材料(この場合はDLC)に取り替えられている。リフレクタ34aは、図3に示す従来の交互ミラー層とは異なる。従来の交互ミラー層では、IR放射が反射防止膜に到達し、且つIR放射が吸収される基板に伝搬するよう、交互層がIR放射に対して実質的に透明である。
図5は、図4に示すリフレクタの光学応答をMLM構造36の周期数(図中でnが表示されている軸)の関数として示す。DLC層は、2.8nmの厚さを有し、n−Si層は、4.1nmの厚さを有する。MLM構造36中の電荷担体の濃度は、約3×1019cm−3である。10.6μmの波長を有する放射に対する光学応答が図示されている。図5において、実線は反射される入射放射の割合を示し、破線は透過する放射の割合を示し、一点鎖線は吸収される放射の割合を示す。約7%の最小反射が約220の周期数で起こることが図5から分かる。図中において、pが表示された軸は、入射放射の割合である。
帯域外放射の吸光度を増大した材料をMLM構造中で用いることにより、帯域外放射に関するMLMの反射率が低減される。これは、MLMの吸光度(A)、反射率(R)および透過率(T)がエネルギー平衡方程式:
Figure 2013538433
と関係しているためである。
ある点(r)における材料(例えばMLM構造の一部が製造される材料)の局所的な吸収効率(A)は、
Figure 2013538433
により定義される。ここで、ε(ω)は材料の誘電率であり、E(r)は点rにおける電界である。所定のεで、ある特定の点rでの吸収率を増大させるためには、材料の電界E(r)を増大させなければならない。MLM中の電界は、例えばMLM構造を構成する材料を変えることにより変化させることができる。
MLM構造を構成する材料を変化させる1つの方法は、層および/または基板のどれかをドーピングすることである。ドープ材料群の一例は、ドープ半導体である。ドープシリコンまたはドープカーボン(例えばドープDLC)などのドープ半導体は、IR放射の適切な吸収体である。半導体のドーピングを変えることにより、半導体中の電荷担体の濃度を変えることができ、従って半導体の屈折率および吸光度を変えることができる。例えば、半導体中のドーパントレベルを増大させることにより、電荷担体の濃度を増大させることができ、従って半導体の屈折率および吸光度を増大させることができる。
再度図5を参照すると、IR放射(10.6μm)に関するリフレクタの反射率は、約220周期で最小値まで減少し、その後周期数の増加とともに増大していることが理解されるであろう。帯域外(IR)放射は、屈折率の異なる2つの材料間の任意の界面で反射する。MLM構造36中の各交互層の厚さは、IR放射の波長と比べたとき非常に小さい。それ故、MLM構造36は、IR放射に関して1つの「平均的な」屈折率を有すると見なすことができる。図4に示す本発明の実施形態では、3つの屈折率界面:リフレクタ34aの外部とMLM構造36との間の第1界面35(リフレクタの放射受光面とも称される)、MLM構造36と基板38との間の第2界面37、および基板38とリフレクタ34aの外部との間の第3界面39(リフレクタの裏面とも称される)が存在することになる。
リフレクタからの最小反射は、各界面での反射波の和が最小となるときに達成される。交互層36および基板が帯域外放射の一部を吸収し、第1界面35および第2界面37が帯域外放射の多くを反射するので、第3界面39での反射は比較的小さく、それ故、考慮する必要がない。本発明の一部の実施形態では、第3界面39での反射は、第1界面35および第2界面37での反射に匹敵することが理解されるであろう。このような場合、第3界面での反射も考慮されなければならない。第1界面35および第2界面37だけを考慮するとき、放射受光面35において第1界面35および第2界面37からの反射の和が最小のとき、最小の反射が起こる。ある場合には、第1界面35および第2界面37からの反射の和は、最小のゼロとなる。MLM構造36を通過し、界面37で反射し、そしてMLM構造36を通って界面35に戻った帯域外放射の入射波(R2で示す)が、界面35で反射した帯域外放射(R1で示す)と同じ振幅を有し、且つ逆位相であるとき、第1界面35および第2界面37からの反射の和が放射受光面35においてゼロに等しくなる。これは、入射波R1およびR2間の完全な相殺的干渉と称されてもよい。
リフレクタの各屈折率界面で反射した帯域外放射波は、放射受光面35において和がゼロとなる可能性があるが(完全な相殺的干渉と称される)、常にこうなるとは限らない。各屈折率界面で反射した帯域外放射波を放射受光面で合計した結果、リフレクタのMLM構造単独の場合(すなわち、何の追加層もない場合)と比較してかなり小さい振幅を有するリフレクタからの帯域外放射の全反射波が生成される場合も本発明の範囲内である。本発明の実施形態に係るリフレクタからの帯域外放射の全反射波のこのようなかなり小さい振幅は、MLM構造単独の帯域外放射の全反射波の50%未満、25%未満、10%未満、5%未満、および1%未満であってよい。これは、放射受光面で反射する帯域外放射が、リフレクタ構造内から反射する帯域外放射と破壊的な方法で干渉するものと見なされる。これは、帯域外放射の破壊的干渉とも称される。
放射受光面35において(帯域外放射の)破壊的干渉を達成するためには、いくつかの要因:帯域外放射に対するMLM構造36の交互層、基板38およびリフレクタ34aの外部環境(通常は真空)の屈折率;帯域外放射に対するMLM構造36の交互層の吸光度(および実施形態によっては、基板38の吸光度);およびMLM構造36の全厚さ(および実施形態によっては、基板38の厚さ)、が考慮される。
屈折率を変えることにより、各界面で起こる反射量を変えることができる。これは、界面で起こる反射量が界面の両側の材料の屈折率に依存しているからである。これらの関係は、例えば、当業者によく知られているフレネル方程式により説明される。各界面で起こる反射量を変えることは、R1とR2両方の波の振幅に影響を及ぼす。上述したように、MLM構造36の交互層の屈折率および/または基板の屈折率は、それらを形成する材料をドーピングすること、および使用するドーパントの量(従って電荷担体の濃度)を変えることで、変化させることができる。異なる材料からそれらを形成することで、MLM構造36の交互層の屈折率または基板38の屈折率を変化させることもできる。
材料の屈折率を変化させることは、放射が材料を通過する速度に影響を及ぼす。放射が材料を通過する速度は、材料の屈折率に反比例する。媒体を通過する放射波の光路長は、放射が媒体を通過してたどる経路の幾何学長と媒体の屈折率との積により与えられる。MLM構造36の交互層の屈折率を増大させる(または減少させる)ことは、MLM構造36を通過する帯域外放射波R2の光路長を増加(または減少)させる。MLM構造36を通過する波R2の光路長を変えることの結果として、MLM構造の交互層の屈折率を変えることは、一度リフレクタ34aで反射したときの波R1とR2間の光路差(および従って位相差)を変化させる。
MLM構造36の交互層の吸光度(および、実施形態によっては、基板38の吸光度)を変化させることにより、波R2の振幅を変化させることができる。交互層の吸光度が大きくなればなるほど、一度リフレクタ34aで反射したときの波R2の振幅は小さくなる。上述したように、MLM構造36の交互層の吸光度は、それらが形成される材料をドーピングすることにより、および使用するドーパントの量(および従って電荷担体の濃度)を変化させることにより変えられる。異なる材料から形成することにより、MLM構造36の交互層の吸光度を変えることもできる。
MLM構造36の全厚さを変えることは、リフレクタ34aで反射される波R2の振幅と、一度リフレクタ34aで反射したときの波R1とR2間の位相差の両方を変化させる。これは、MLM構造36の全厚さを増大させる(または減少させる)ことは、MLM構造36を通過するR2の光路長を増大(または減少)させるからである。MLM構造36を通過する波R2の光路長を変えることにより、波R1とR2間の光路差が変化し、従って、一度リフレクタ34aで反射したときの波R1とR2間の位相差を変化させる。MLM構造34aで反射する波R2の振幅は、波R2がMLM構造36を通過するのに移動しなければならない距離を変えることの影響も受ける。これは、波R2がMLM構造36の交互層を通って遠くへ移動する必要があればあるほど、帯域外放射の吸収体であるMLM構造36の交互層は波R2のより多くの割合を吸収するからである。
図6は、本発明の実施形態に係るリフレクタ34bを示す。リフレクタ34bは、DLCの交互層およびn型シリコン(n−Si)を有するMLM構造36を備える。リフレクタ34bはさらに、追加層を備える。追加層上には、MLM構造36が設けられている。追加層は、Si基板38と、基板38とMLM構造36とに挟まれた金属層40である。図示の実施形態では、金属層40は厚さ100nmのMo層である。
図7は、図6に示すリフレクタ34bの光学応答をMLM構造36の交互層の周期数(図中でnが表示されている軸)の関数として示す。DLC層は厚さ2.8nmを有し、n−Si層は厚さ4.1nmを有する。MLM構造36の交互層中の電荷担体の濃度は、約3×1019cm−3である。10.6μmの波長を有する放射に対する光学応答が示されている。図7中において、実線は反射される入射放射の割合を示し、一点鎖線は吸収される放射の割合を示す。図中において、pが表示された軸は、入射放射の割合である。図7から、約200の周期数で約1%の最小反射が起こることが分かる。金属層が帯域外放射の透過を実質的に阻止するので、本実施形態の最小反射は、図3に示す従来技術の最小反射よりも大幅に小さいと考えられる。帯域外放射が金属層を透過するのを実質的に阻止するということは、金属層が帯域外放射を吸収し、帯域外放射を反射し、その結果、帯域外放射がMLM構造により吸収される、および/またはリフレクタに入射する帯域外放射と破壊的に干渉することを意味する。
上述したように、金属層40は、帯域外放射が(金属層40を)透過するのを実質的に阻止する。これは、金属層40と交互層36との界面に到達する入射帯域外放射波R2の大部分が金属層40で反射または吸収されることを意味する。図示の実施形態では、金属層は厚さ100nmのMoである。当然のことながら、帯域外放射の波長で実質的に反射する任意の金属が用いられてよい。金属層40が帯域外放射を実質的に反射できるように、金属層の厚さは、帯域外放射の波長における金属の表皮深さより大きくすべきである。
本発明の一部の実施形態では、金属層用として、帯域外放射の波長で実質的に反射するとともに、高熱伝導性を有する金属、例えば銅を用いることが望ましい。金属層の高熱伝導性は、帯域外放射の吸収に起因するリフレクタ34b中の熱を金属層が放散できるようになるので、有利である。
図7を再度参照すると、帯域外IR放射がリフレクタ34bを実質的に透過しないことが分かる。MLM構造36の周期数(すなわち全厚さ)が減少すると、帯域外放射の反射が約200周期で最小値まで減少することが分かる。帯域外放射の反射は、その後、MLM構造36の全厚さが増大するにつれて増大する。前述の実施形態と同様に、帯域外放射の最小反射は、全ての屈折率界面からの反射波の和が放射受光面35で最小となるときに起こる。本実施形態では、考慮する必要がある屈折率界面は、リフレクタ34bの外部とMLM構造36との間の第1界面35、MLM構造36と金属層40との間の第2界面37だけである。金属層40と基板38との間の界面、および基板38とリフレクタ34bの外部との間の界面を考慮する必要はない。帯域外放射がこれらの界面に到達するのを金属層40が実質的に阻止するからである。前述の実施形態と同様に、第1界面35および第2界面37だけを考慮するとき、放射受光面35において第1界面35および第2界面37での反射の和が最小になるときに、最小反射が起こる。ある場合には、第1界面35および第2界面37での反射の和がゼロとなり得る。この状態では、反射波が完全な破壊的干渉を示していると言われる。MLM構造36を通過して界面37で反射し、MLM構造36を通って界面35に戻った帯域外放射波(R2で示す)が界面35で反射した帯域外放射波(R1で示す)と同じ振幅を有し、且つ逆位相であるとき、放射受光面35において第1界面35および第2界面37での反射の和がゼロに等しくなる。
放射受光面35において第1界面35および第2界面37での反射の最小和を達成するために、いくつかの要因:帯域外放射に対するMLMの交互層36の屈折率、リフレクタ34bの外部(通常は真空)に対する環境の屈折率、リフレクタ34bの外部環境(通常は真空)の屈折率;帯域外放射に対するMLM構造36の交互層の吸光度および帯域外放射に対する金属層38の反射率;およびMLM構造36の交互層の全厚さ、が考慮される。
交互層の屈折率および吸光度は、上記と同様に変化させることができる。MLM構造36の交互層の屈折率、吸光度および全厚さを変化させることは、上記実施形態に関した説明したのと同じ効果を有する。例えば、金属層40が形成される金属を変えることにより、帯域外放射に対する金属層40の反射率を変えることができる。金属層40の反射率を変えることは、リフレクタ34bで反射したときの波R2の振幅を規定する。これは、金属層40の反射率が大きくなると、金属層で吸収されるのとは対照的に、第1界面35に向かって金属層40で反射される波R2の割合が大きくなるからである。
上述の本発明の実施形態は両方とも、最小反射を達成するために、200周期を超えるMLM構造36の交互層を用いている。これらの実施形態は、界面37における反射率を相対的に高くするために、多数の層をMLM構造を用いていると考えられる。これは、MLM構造36の実質的な全厚さは、MLM構造の吸光度特性によって、波R1およびR2の両方が一度リフレクタで反射したときに波R2の振幅が波R1の振幅に実質的に等しくなるように波R2の振幅を減衰させることが望まれることを意味する。本発明の一部の実施形態では、MLM構造に非常に多くの交互層を設けることは望ましくない。例えば、交互層を形成するのに用いることのできる方法は、熱蒸発、陰極アークスパッタ蒸着、レーザ切断または化学蒸着前駆体の分解を用いて蒸着粒子が生成される真空蒸着を含む。このような方法は、コストおよび時間がかかり、コストおよび製造時間が交互層の数の増加とともに増大する。この状況では、コストを低減し且つ製造時間を短縮するために、交互層の周期が少ない効率的なMLM構造を設けることが有利である。
図8は、本発明の実施形態に係るリフレクタ34cを示す。リフレクタ34cは、DLCの交互層とn型シリコン(n−Si)を含むMLM構造36を備える。リフレクタ34cはさらに、追加層を備える。MLM構造は、該追加層上に設けられる。追加層は、Si基板38と、該基板38とMLM構造36との間に挟まれた吸収層40aである。図示の実施形態では、吸収層40aはn−Si層である。しかしながら、帯域外放射を実質的に吸収可能なものであれば、任意の適切な材料を吸収層40a用に用いることができる。他の吸収層40a用の適切な材料例は、p型シリコン(p−Si)である。
図9は、図8に示すリフレクタの光学応答を吸収層40aの厚さ(これは図中において軸dにより示されている)の関数として示す。DLC層は2.8nmの厚さを有し、n−Si層は4.1nmの厚さを有する。MLM構造の交互層は40周期である。MLM構造36の交互層中の電荷担体の濃度は、約3×1019cm−3である。10.6μmの波長を有する放射に対する光学応答が図示されている。図9において、実線は反射される入射放射の割合を示し、破線は透過する放射の割合を示し、一点鎖線は吸収される放射の割合を示す。図中において、pが表示された軸は、入射放射の割合である。グラフから、約1μmの吸収層厚で約5%の最小反射が起こることが分かる。本実施形態の最小反射は、図4に示す実施形態の最小反射よりも大幅に小さいことが分かる。吸収層40a(この場合はn−Si)は吸収する入射放射の割合を増加させ、従ってリフレクタ34cによる入射放射の反射が減少するためである。
上述の実施形態に関連して説明したように、放射受光面35において全ての屈折率界面からの反射波の和が最小となるときに、リフレクタ34cでの帯域外放射の最小反射が起こる。本実施形態では、4つの屈折率界面:リフレクタ34cの外部とMLM構造36との間の第1界面35、吸収層40aと基板38との間の第2界面37、吸収層40aとMLM構造36との間の第3界面37a、および基板38とリフレクタ34aの外部との間の第4界面39である。本実施形態では、単純化するために、第1界面35および第2界面37での反射のみ考慮する。これは、本実施形態では、第3界面37aおよび第4界面39ではほとんど反射が起こらないと考えられるからである。MLM構造36の交互層の屈折率と吸収層40aの屈折率が類似しているために、第3界面37aでほとんど帯域外放射の反射が起こらないと考えられる。また、界面39まで基板を通過する帯域外放射がほとんど無いために、第4界面39でほとんど帯域外放射の反射が起こらないと考えられる。当然のことながら、本発明の他の実施形態では、第3界面37aおよび第4界面39での反射が大きい場合、これらの界面での反射波が考慮される。
再度、上記と同様に、一度リフレクタ34cで反射した波R1およびR2が同じ振幅を有し且つ逆位相であるとき、放射受光面35において屈折率界面での反射波の和が最小となる。この状態において、波R1およびR2間で完全な破壊的干渉が生じると考えられる。この状態を達成するためには、いくつかの要因:帯域外放射に対するMLM構造36の交互層、基板38、吸収層40aおよびリフレクタ34cの外部環境(通常は真空)の屈折率;帯域外放射に対するMLM構造36の交互層の吸光度および吸収層40aの吸光度(および実施形態によっては、基板38の吸光度);MLM構造36の全厚さ;および吸収層40aの厚さ(および実施形態によっては、基板38の厚さ)、が考慮される。
前述したように、屈折率を変化させることは、各界面での反射量およびMLM構造34cを通る帯域外放射の光路長に影響を及ぼす。
前述したように、MLM構造36の全厚さを変えることは、帯域外放射がMLM構造36を通過するときに、MLM構造36を通過する放射の光路長と、MLM構造36による帯域外放射の吸収量とにも影響を及ぼす。
吸収層40aの吸光度を変えることは、吸収層40aを通過する波の吸収レベルに影響を及ぼす。例えば、吸収層40aの吸光度を増加させると、吸収層40aで吸収される吸収層40aを通過する波R2の量が増加する。このようにして、吸収層40aの吸光度が増加した場合、一度リフレクタ34cで反射した帯域外放射の入射波R2の振幅は減少する。
吸収層40aの厚さを変えることは、吸収層を通る波R2の光路長と、吸収層40aにより吸収される波R2の量の両方に影響を及ぼす。吸収層40の厚さを増大させると、吸収層40aを通る波R2の光路長が増大し、従って、一度リフレクタ34cで波R1とR2が反射したときに、波R1とR2との間の光路差(および従って位相差)が変化する。
リフレクタ34c中の任意の層の吸光度および屈折率は、上述の実施形態のどれかに関して記載したように変更することができる。
図10は、本発明の実施形態に係るリフレクタ34dを示す。リフレクタ34dは、DLCの交互層36と、n型シリコン(n−Si)とを含むMLM構造36を備える。リフレクタ34dはさらに、追加層を備える。MLM構造は、該追加層上に設けられている。追加層は、Si基板38、MLM構造36に隣接する吸収層40a、および基板38に隣接する金属層40である。このように、リフレクタ34dは、MLM構造36、吸収層40a、金属層40および基板38の順序の積層を形成している。図示の実施形態では、金属層40は100nm厚のMo層であり、吸収層40aはn−Si層である。上述の実施形態と同様に、帯域外放射を吸収できるのであれば、任意の適切な材料が吸収層40aに用いられてよい。
図11は、図10に示す実施形態のMLM構造の光学応答を吸収層40aの厚さ(図中において、これはdが表示された軸で示される)の関数として示す。DLC層は、2.8nmの厚さを有し、n−Si層は、4.1nmの厚さを有する。交互層36は40周期である。交互層36中の電荷担体の濃度は、約1019cm−3である。10.6μmの波長を有する放射に対する光学応答が図示されている。図11において、実線は反射される入射放射の割合を示し、破線は透過する放射の割合を示し、一点鎖線は吸収される放射の割合を示す。図中において、pが表示された軸は、入射放射の割合である。このグラフから、2つの最小反射が存在することが分かる。約2.4μmの厚さの吸収層40aに対する約5%の第1の最小反射と、約4.2μmの厚さの吸収層40aに対する約1%の第2の最小反射である。金属層40が原因で減少した透過率の影響と、吸収層40aが原因で増加した吸光度が組み合わされるので、本実施形態の最小反射は、図5および図7のいずれかに示す実施形態の最小反射より小さいと考えられる。
上述の実施形態と同様に、放射受光面35において全ての屈折率界面からの反射波の和が最小であるときに、リフレクタ34dによる帯域外放射の反射が最小になる。リフレクタ34dの層のパラメータを変えることによりこれがどのように達成されるかのさらなる説明は、省略する。これは、本実施形態は、第2および第3実施形態の組み合わせのようなものであるからであり、第2および第3実施形態に関して反射波の最小和を達成するのに関する解説を準用する。
図12は、図10に示すものと類似するさらなるMLM構造の光学応答を吸収層40aの厚さ(図中において、これはdが表示された軸で示される)の関数として示す。このMLM構造は、吸収層40aが屈折率2.05(複素平面では+0.06)のSiO層である点と、交互層36が60周期である点において、図10に関して説明したものと異なる。10.6μmの放射に対する光学応答が図示されている。図12中においては、上記同様に、実線は反射される入射放射の割合を示し、破線は透過する放射の割合を示し、一点鎖線は吸収される放射の割合を示す。図中において、pが表示された軸は、入射放射の割合である。このグラフから、3つの最小反射が存在することが分かる。約3μmの厚さの吸収層40aに対する約28%の第1の最小反射と、約5.6μmの厚さの吸収層40aに対する約5%の第2の最小反射と、約8.2μmでの1%未満の第3の最小反射である。
(上述の実施形態に記載されるような)SiO層である吸収層40aの使用は、(図10に示す実施形態に示されるような)ドープシリコン(n−Si)層である吸収層40aの使用とは対照的に、本発明のいくつかのアプリケーションにおいて有益である。これは、ドープシリコンの少なくとも一部の光学特性(屈折率および吸光度を含む)が温度に依存しているからである。前述したように、放射受光面において全ての屈折率界面からの反射波の和が最小となるとき、リフレクタからの帯域外放射の最小反射が起こる。一部の反射波の特性は、吸収層40aの吸光度および屈折率にある程度依存する。その結果として、吸収層40aの吸光度および/または屈折率の変化は、リフレクタで反射する帯域外放射量に影響を及ぼす可能性がある。それ故、ドープシリコン層の温度変化は、望ましくない反射する帯域外放射量の増大をもたらす可能性がある。使用中のリフレクタにより吸収される帯域外放射の一部は熱に変換されるので、リフレクタ(および従って吸収層)の温度が上昇し、その結果、吸収層および説明したように帯域外放射の反射に影響を及ぼす可能性がある。吸収層に用いられるが、実質的に温度に影響されない光学特性を有する他の材料には、WO、TiO、ZnO、SiCおよび他のガラス状物質が含まれる。当然のことながら、実質的に温度に影響されない適切な材料が、吸収層を有する本発明の任意の実施形態の吸収層40aに用いられてよい。
前述したように、交互層中の周期数を変化させることは、交互層中の放射の光路長を変化させ、従って帯域外放射のリフレクタの反射率に影響を及ぼす可能性がある。図13は、本発明の実施形態に係る3つのリフレクタの3プロットの光学応答を、吸収層の厚さ(図中において、これはdが表示された軸で示される)の関数として示す。10.6μmの放射に対する光学応答が図示されている。破線は、図12に示すリフレクタの光学応答である。実線は、リフレクタの交互層が100周期を有することを除いては、図12のリフレクタに類似したリフレクタの光学応答を示す。一点鎖線は、リフレクタの交互層が40周期を有することを除いては、図12のリフレクタに類似したリフレクタの光学応答を示す。図中において、Rが表示された軸は、リフレクタで反射される入射放射の割合である。図13では、交互層の周期数が増加すると、各最小値での帯域外放射の反射率が減少するとともに各最小値間の帯域外放射の最大反射率が増大することが分かる。さらに、交互層中の周期数が増加すると、帯域外放射の各最小反射率に対応する吸収層の厚さが小さくなる。これは、増大した交互層の全厚さが一部の反射波の大部分を吸収すること、および/または、反射波が交互層中に大きな光路長を有することに起因する。
当然のことながら、任意の数の追加層(すなわち、MLM構造への追加層)を有するリフレクタを設けることは本発明の範囲内である。これらの1つまたは複数の追加層は、屈折率界面で反射する全ての帯域外放射波の和が、放射受光面において破壊的な方法で干渉するのであれば、1つまたは複数の吸収層または金属層であってよい。
さらに当然のことながら、本発明の実施形態に係るリフレクタMLM構造に隣接する追加層を備えてもよい。この追加層は、帯域外放射に対するMLM構造のバルク屈折率と同じ帯域外放射に対する屈折率を有する吸収層である。この場合、MLM構造とそれに隣接する吸収層との間の界面で反射は生じない。
さらに当然のことながら、説明した本発明の実施形態に係るリフレクタは概して平坦であるが、これはそうである必要はない。本発明の実施形態に係るリフレクタは、湾曲していてもよい。例えば、本発明の実施形態に係る放射源コレクタモジュールのコレクタ光学系は、湾曲した外形を有していてもよい。照明系または投影系中で用いられる本発明の実施形態に係る他のリフレクタも湾曲していてもよい。
本発明の実施形態に係るリフレクタは、任意の入射角を有する入射放射とあわせて機能する。当業者であれば、入射放射の入射角の変化は、放射(特に帯域外放射)がリフレクタを経てたどる経路の幾何学的長さの変化を生じさせることを理解するであろう。このため、リフレクタの厚さは、入射放射の入射角に応じて変化される必要がある。湾曲している本発明の実施形態に係るリフレクタの場合、リフレクタの異なる部分に入射する放射は、異なる入射角を有する可能性がある。この場合、リフレクタの異なる部分は、異なる層厚を有してもよい。
EUV放射ビームを生成するために用いられるプラズマ生成プロセスの間に、レーザビーム205のレーザエネルギーによるプラズマへの燃料の変換は不完全となり、それ故、燃料デブリが生成される可能性がある。このデブリはコレクタCOと接触し、コレクタCOの表面上にデブリの層を形成する可能性がある。コレクタCOは、上述の本発明の実施形態に係るリフレクタであってよい。コレクタCOの表面上のデブリ層の存在は、コレクタCOで反射される帯域外放射量を増大させる可能性があるので、コレクタCOの光学性能に悪影響を与える可能性がある。当然のことながら、上述した本発明の任意のリフレクタにデブリ層が存在すると、光学性能に同じように悪影響を与える可能性がある。
上述した本発明のリフレクタの特性は、リフレクタの放射受光面で反射した帯域外放射がリフレクタ構造の内部から反射する帯域外放射と破壊的な方法で干渉(以下、破壊的干渉と称する)するよう構成される。これらの特性は、(帯域外放射波長での)吸光度、(帯域外放射は長での)屈折率、および多層ミラー構造および1つまたは複数の他の層の厚さであってよい。リフレクタのこれらの特性がデブリ層がないリフレクタのために構成される場合、デブリ層がリフレクタに形成されると、(デブリ層が無いリフレクタと比較して)反射した帯域外放射波間の破壊的干渉の量が減少する可能性がある。破壊的干渉の量の減少は、リフレクタで反射される帯域外放射量を増大させる。
前述したように、上述のリフレクタは、帯域外放射の破壊的干渉を達成するよう構成された特性を有する。これは、リフレクタの異なる部分での反射波間の光路差を制御することと、リフレクタの異なる部分での反射波の相対振幅を制御することとにより達成される。
リフレクタ上のデブリ層の表面は、リフレクタの放射受光面を規定する。すなわち、デブリ層は、(デブリ層がないリフレクタの放射受光面と比べて)放射受光面を規定するリフレクタ表面を変える。デブリ層の存在に起因する放射受光面の変化は、放射受光面で反射した放射波とリフレクタ内部で反射した放射波との間の放射受光面における光路差(および従って位相差)の変化を生じさせる。反射した放射波間の光路差(および従って位相差)の変化は、リフレクタで反射する帯域外放射量の増加を引き起こす可能性がある。
デブリ層はさらに、反射した帯域外放射波間の光路差(および従って反射した放射波間の破壊的干渉の量)に影響を及ぼす可能性がある。デブリ層は、MLM構造および/またはリフレクタ内部の任意の他の層とは異なる屈折率(帯域外放射の波長での)を有する可能性があるからである。
デブリ層を有するリフレクタの帯域外放射での放射受光面の反射率は、デブリ層を有しないリフレクタの放射受光面の反射率と異なる可能性がある。このため、放射受光面で反射する帯域外放射量は、デブリ層が無いリフレクタと比べてデブリ層を有するリフレクタでは異なる。デブリ層(およびデブリ層が無い場合に構成された特性)を有するリフレクタの帯域外放射の反射放射波間の破壊的干渉のレベル低下は、デブリ層を有するリフレクタの放射受光面で反射される異なる帯域外放射量(デブリ層が無い同じリフレクタのそれと比較して)に起因する。
デブリ層は、デブリ層が一部の帯域外放射を吸収するという事実によって、リフレクタで反射する放射波間の破壊的干渉の量にさらに影響を及ぼす可能性がある。デブリ層が帯域外放射の一部を吸収する場合、デブリ層を有するリフレクタ内部から反射する放射量は、デブリ層が無い同じリフレクタで反射する放射量よりも少なくなる。
図14は、デブリ層の存在に最適化されていない実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する反射率(R)のグラフを示す。このリフレクタは、シリコン(n−Si)基板を備え、該基板上に厚さ700nmのThFの反射防止層がある。40周期の厚さ4.1nmのSi層と厚さ2.8nmのDLC層を備える多層ミラー構造が、ThF層上に配置されている。リフレクタは、デブリ層でコーティングされている。デブリ層は、スズ層である。グラフは、10.6μmの波長を有する帯域外放射に対するリフレクタの反射率をデブリ層の厚さ(d)の関数として示す。デブリ層の厚さが増大するにつれて、リフレクタで反射する帯域外放射量が増大することが分かる。デブリ層の厚さが約1nmに増加すると、帯域外放射に対するリフレクタの反射率は約25%である。この高レベルの帯域外放射の反射率は、場合によってはリソグラフィ装置の性能に悪影響をもたらす。
一部の実施形態では、リフレクタがデブリ層を有するとき、リフレクタの放射受光面で反射した帯域外放射がリフレクタ構造内部から反射した帯域外放射と破壊的な方法で干渉するように、リフレクタを構成することが有効である。上述の実施形態のリフレクタと同等の方法では、帯域外放射が破壊的方法で干渉するようにリフレクタを構成することは、多層ミラー構造および帯域外放射に対するリフレクタの1つまたは複数の追加数の吸光度および屈折率を構成することにより、および、多層ミラー構造およびリフレクタの1つまたは複数の追加層の厚さを構成することにより、達成される。
リフレクタがデブリ層を有するとき、帯域外放射の破壊的干渉が起こるようにリフレクタを構成する方法の一例は、多層ミラー(MLM)構造内の周期数を設定することと、それによってMLM構造の厚さを設定することである。他の例は、(異なる光学特性を有する)異なる材料を用いることによりMLM構造の層あるいは1つまたは複数のリフレクタの他の層を形成することである。
本発明の実施形態に係るリフレクタが一部を形成するリソグラフィ装置の動作中に、デブリ層の厚さが長い時間をかけて増大する可能性がある。
リフレクタ上のデブリ層の厚さを変えると、デブリ層で吸収される帯域外放射量が変化し、帯域外放射の反射波間の光路差が変化する。従って、本発明の実施形態に係る一部のリフレクタは、特定の厚さのデブリ層に最適化されるように(すなわち、帯域外放射の反射波間の破壊的干渉が特定の厚さのデブリ層で最大となるように)構成されることになる。リフレクタの一部の実施形態では、これは不都合である。なぜなら、リフレクタが構成された最適化された厚さをデブリ層が有さないとき、帯域外放射波間での反射により生じる破壊的干渉が最大とならない(従って、リフレクタで反射する帯域外放射量が最小とならない)からである。
本発明の実施形態に係る一部のリフレクタは、リフレクタが組み立てられた後に特性を変化できるよう構成されてもよい。例えば、リフレクタがリソグラフィ装置内で本来の位置にある間に、リフレクタの特性を変化させることができる。リフレクタの特性は、デブリ層の厚さの変化(厚さの増加など)に応じて変えられてもよい。リフレクタ上のデブリ層の厚さが変わる場合、やがて所定の時にデブリ層の厚さに最適化される(すなわち、帯域外放射の反射波の破壊的干渉の最大値を有する)ようリフレクタが構成されるようリフレクタの特性が変えられてもよい。
リフレクタの組み立て後に変化される本発明の実施形態に係るリフレクタ特性の一例は、MLM構造内の電荷担体の濃度である。当然のことながら、リフレクタの1つまたは複数の他の層の電荷担体濃度が変化されてもよい。図15は、本発明の実施形態に係るリフレクタの帯域外放射に対する最小反射率のグラフを電荷担体濃度の関数として示す。この場合、リフレクタはデブリ層を有していない。電荷担体濃度が増加すると、リフレクタの帯域外放射の最小反射が最小値を通過することが分かる。この場合、MLM構造内の自由キャリア濃度が約3.6×1019cm−3であるときに約0.1%未満の帯域外(10.6μm)放射の最小反射が起こる。
MLM構造内の電荷担体の濃度を変える1つの方法は、MLM構造の周期数を変えることによる。図16は、MLM構造の周期数と電荷担体の濃度との関係を示すグラフである。図16のグラフに示す関係を有するリフレクタは、図15に関して記載したものと同じである。図15を参照すると、MLM構造内の最適な電荷担体濃度(リフレクタが帯域外放射の最小反射を有する)は、約3.6×1019cm−3であることが分かる。ここで図16を参照すると、MLM構造の周期数が約220のときに、約3.6×1019cm−3の電荷担体濃度が起こることが分かる。当然のことながら、MLM構造の周期数を変えることによりMLM構造内の電荷担体濃度を変化させることは、リフレクタの組み立て後は不可能である。
リフレクタの組み立て後に(例えば、リフレクタがリソグラフィ装置内で本来の位置にあるときに)電荷担体濃度を変えることのできる方法の一例は、リフレクタの温度を変えることによる。これは、既知の加熱/冷却システムを用いることで達成されてよい。このようなシステムは、水を用いたものであってよい。リフレクタの温度を増大することにより、リフレクタ内の(例えばMLM構造中の)電荷担体濃度が増大する。これは、温度の増大により、リフレクタ内の(例えばMLM構造中の)電子が自由となるからである。リフレクタの温度を制御することにより、リフレクタが特定のデブリ層厚に最適化されるように電荷担体濃度を能動的に変化させることができる。ここで、「能動的に変化」という用語は、電荷担体濃度をある程度制御することを含むと見なしてよい。これは、例えば電荷担体濃度の受動的な変化、すなわち制御されていない方法での電荷担体濃度の変化とは対照的である。
当然のことながら、本発明の実施形態では、デブリ層の厚さの変化(厚さの増大など)に応じてリフレクタの特性を変えることは有利である。他の実施形態では、リフレクタの特性は、リフレクタがデブリ層の特定の厚さに最適化される(すなわち、帯域外放射の最小反射を有する)よう選択されてもよい。図17および図18は、2つのグラフを示す。各グラフは、本発明の実施形態に係るリフレクタの性能を示す。両者は、リフレクタの帯域外放射(10.6μm)に対する反射率(R)を各リフレクタ上に形成されるデブリ層の厚さ(T)の関数として示す。リフレクタは、図6に示すものと同じ一般構造体を有しており、リフレクタの性能は、各図に記載されている。各リフレクタは、シリコン基板を有し、該基板上に厚さ100nmのモリブデン層があり、その上にMLM構造がある。MLM構造は、交互のDLC層とn−Si層(それぞれ厚さ2.8nmと4.1nmを有する)を備える。図17および図18のそれぞれにおいて、デブリ層はスズである。図17では、リフレクタのMLM構造の特性(例えば周期数および温度)は、MLM構造が2.5×1019cm−3の電荷担体濃度を有するよう選択されている。図18では、リフレクタのMLM構造の特性(例えば周期数および温度)は、MLM構造が2.0×1019cm−3の電荷担体濃度を有するよう選択されている。
図17のリフレクタ(そのMLM構造は2.5×1019cm−3の電荷担体濃度を有する)は、厚さ約2nmのデブリ層で約1%未満の帯域外放射の最小反射を有する。図18のリフレクタ(そのMLM構造は2.0×1019cm−3の電荷担体濃度を有する)は、厚さ約4nmのデブリ層で約1%未満の帯域外放射の最小反射を有する。従って、図17のリフレクタは、厚さ2nmのスズのデブリ層に最適化されており、一方で図18のリフレクタは、厚さ4nmのスズのデブリ層に最適化されていることになる。
また、図17および図18の両方のリフレクタに関して、帯域外放射に対するリフレクタの反射率は、(デブリ層の厚さの増大に応じて)特定のデブリ層の厚さで最小反射まで減少し、その後増加することが分かる。リフレクタのこの特性は、一部の実施形態では、長い耐用年数を有するリフレクタを作り出すために用いられてよい。当然のことながら、リフレクタは、デブリ層の厚さが時間とともに増加する環境で(例えば、リソグラフィ装置のソースモジュール内のコレクタとして)用いられる可能性がある。図17を一例として用いると、図17のリフレクタを組み込むリソグラフィ装置は、リフレクタで反射する帯域外放射量が10%未満である間に、効果的に動作することができる。リソグラフィ装置は、従って、帯域外放射の反射率がグラフ上でライン170より下方であれば、効果的に動作することができる。グラフは、リフレクタがデブリ層をはじめに有しない場合、リソグラフィ装置が効果的に動作することができることを示す。デブリ層の厚さがちょうど0.8nm未満となるまで、デブリ層の厚さは成長する間に効果的に動作し続ける。このデブリ層の厚さを超えると、リソグラフィ装置は効果的に動作しない。これは、例えばデブリ層無しに最適化されたリフレクタに関して利点をもたらす可能性がある。リフレクタがデブリ層無しに最適化され、デブリ層の厚さの関数に応じた同じ反射率変化を有する場合、デブリ層の厚さが約0.6nmに達したときにリソグラフィ装置は効果的に動作しない。それ故、リフレクタは、より頻繁に掃除して、それによりリソグラフィ装置のダウンタイムを長くする必要がある。
リフレクタは、リフレクタにデブリ層が無いときに帯域外放射に対するリフレクタの反射率が所定の閾値を下回るが最小ではないように構成されてもよい。反射率の所定の閾値は、リソグラフィ装置が効果的に動作する反射率を下回り、且つリソグラフィ装置が効果的に動作しない反射率を反射率を上回ってもよい。リフレクタの反射率は、リフレクタ上のデブリ層の厚さが増大するときに、最小値を通過する。
リフレクタを特定の厚さのデブリ層に最適化することは(デブリ層無しに対する最適化と比較して)、リフレクタの応答を右側に(すなわち、デブリ層の厚さを増加する方向に)シフトすると形容することができる。リフレクタの応答を右側にシフトすることは、(帯域外放射の最小反射が起こるよりも大きなデブリ層の厚さに対し)、所与のデブリ層の厚さに対し、リフレクタがデブリ層無しに最適化されたリフレクタと比較して低い帯域外放射の反射率を有することを意味する。言い換えると、所与の帯域外放射の反射率に対し、特定の厚さのデブリ層に最適化されたリフレクタのデブリ層の厚さは、デブリ層無しに最適化されたリフレクタのデブリ層の厚さよりも大きくなる。デブリ層の厚さが経時的に特定の状況で(例えばリフレクタがリソグラフィ装置内のリフレクタであるとき)増大するので、所与の厚さのデブリ層において帯域外放射に対するリフレクタの反射率を低減することは、リフレクタをより長期間用いることができることを意味する。このため、そのような状況では、特定の厚さのデブリ層に最適化されたリフレクタは、デブリ層無しに最適化されたリフレクタよりも長期間用いることができる。リフレクタを使用できる期間が増えると、リフレクタを取り替えまたは掃除しなければならない周期が減り、従ってリフレクタが一部を形成する任意の装置の運転コストが減るので有利である。
当然のことながら、帯域外放射に対するリフレクタの反射率が10%を超えるとき、リソグラフィ装置が効率的に動作できないという図17に関して上述した例は、単なる一例である。リソグラフィ装置(またはリフレクタが一部を形成する他の装置)は、帯域外放射に対するリフレクタの反射率が任意の適切なあるレベルを上回るとき、効率的に動作することができない可能性がある。
当然のことながら、リフレクタの耐用年数を延ばすためにリフレクタが特定の厚さのデブリ層に最適化されるとき、該特定の厚さは、リフレクタの耐用年数においてリフレクタが受けるデブリ層の厚さ未満となる。一部の実施形態では、リフレクタが最適化されるデブリ層の特定の厚さは、リフレクタの耐用年数においてリフレクタが受けるデブリ層の厚さの半分未満であってよい。リフレクタの特性は、リフレクタが特定の厚さのデブリ層に最適化されるよう、および帯域外放射に対するリフレクタの反射率がリフレクタ上にデブリ層が無い場合の閾値を下回るよう、選択されてよい。この閾値は、リフレクタが一部を形成する装置が効率的に動作できない反射率であってよい。
デブリ層の存在に最適化されたリフレクタは、任意の適切な厚さのデブリ層に最適化されてもよい。例えば、リフレクタが約5nm厚未満、約1nm厚未満、より好適には約0.5nm未満、さらに好適には0.2nm厚のデブリ層に最適化されてもよい。一部の実施形態では、リフレクタは、おおよそ単層のデブリ層の厚さであるデブリ層厚に最適化されてもよい。単層のデブリ材料は、ガスを用いてリフレクタを清掃するときに(あらかじめリフレクタ上にデブリが堆積されている)、デブリ材料が減少されうるデブリ材料の最小厚であってよい。スズの場合、単層の厚さは、約0.2nmであってよい。
リフレクタは、デブリの単層がリフレクタ上に存在するとき、帯域外放射に対するリフレクタの反射率が所定の位置地を下回るが最小ではないように構成されてよい。リフレクタの所定の閾値は、それを下回るとリソグラフィ装置が効率的に動作し、且つそれを上回るとリソグラフィ装置が効率的に動作しなくなる反射率であってよい。リフレクタ上のデブリ層の厚さが増加すると、リフレクタの反射率は最小値を通過する。
MLM構造および反射防止層(例えば反射防止膜)を備えるリフレクタは、MLM構造上に特定の厚さのデブリ層に最適化されてもよい。図19は、基板AR1を備えるリフレクタARRを示す。基板AR1上には、反射防止(AR)層AR2がある。MLM構造AR3がAR層上に堆積されている。前述の実施形態と同じように、MLM構造AR3は、帯域内放射を反射するよう構成されている。この実施形態では、これまでのように、帯域内放射は、EUV放射(例えば13から14nmの波長)である。MLM構造AR3は、これまでのように、DLCとSi(それぞれ2.8nmと4.1nmの厚さを有する)の交互層を有する。AR層AR2は、MLM構造AR3から基板AR1中への帯域外放射の通過を促進するよう構成される。AR層に用いられる材料の例は、ThF、YFおよびMgFを含む。基板AR1は、帯域外放射を吸収する材料から形成される。基板を形成するのに用いられる材料の例は、ドープSiおよびドープGeを含む。
基板AR1中への帯域外放射の通過を促進するようAR層AR2が構成されるので、リフレクタARRは、帯域外放射の反射を最小化する。帯域外放射の吸収性がある材料で形成された基板AR1は、MLM構造AR3からAR層AR2を通って基板AR1中に通過した帯域外放射を吸収する。帯域外放射が基板AR1により吸収されるので、リフレクタARRで反射する帯域外放射量は減少する。リフレクタARRは、上述した本発明の実施形態に係る他のリフレクタとは異なる方法で動作する。これは、上述した他のリフレクタは、リフレクタで反射する帯域外放射波の破壊的干渉を引き起こすよう構成されるからである。
リフレクタARRが、帯域外放射の破壊的干渉を引き起こすことによるのとは対照的に、MLM構造から基板中への帯域外放射の通過を促進することにより帯域外放射の反射を最小とするという事実によって、MLM構造の電荷担体濃度はそれほど重要ではない。その代わりに、AR層を備えるリフレクタの性能は、AR層AR2の厚さおよび/または材料を設定することにより制御されうる。
デブリ層が高屈折率および高電気誘電率を有する可能性があるので、リフレクタARRのMLM構造AR3上のデブリ層の存在は、リフレクタARRで反射する帯域外放射量に影響を及ぼす可能性がある。
リフレクタARRは、AR層AR2の厚さおよび材料を設定することにより、MLM構造AR3上に存在するデブリ層(図示せず)に最適化されうる。AR層AR2の厚さおよび/または材料は、デブリ層無しに最適化されたリフレクタと比べて、特定の厚さのデブリ層に最適化されたリフレクタによって異なる。例えば、デブリ層が0.1〜1nm厚のスズ層である場合、AR層(AR2)の厚さは、デブリ層無しに最適化されたリフレクタ用に最適化された700nmに比べて、950nmであってよい。
図20は、AR層を備える2つのリフレクタの帯域外放射(10.6μm)に対する反射率(R)のグラフを、デブリ層の厚さ(T)の関数として示す。各リフレクタは、図19に示すものと同じ形状の構造を有する。図19を参照すると、両方のリフレクタは、それぞれ厚さ2.8nmと4.1nmのDLCとSiの交互層を有するMLM構造AR3を有する。両者のMLM構造は、40周期を有する。実線のリフレクタはドープシリコン(n−Si)基板および950nmの厚さを有するThFAR層を有する。波線のリフレクタは、ドープゲルマニウム(n−Ge)基板および950nmの厚さを有するMgF基板を有する。どちらにおいても、AR層AR2上にMLM構造AR3が設けられており、AR層AR2は順々に基板AR1上に設けられている。デブリ層はスズ層である。
波線のリフレクタは、約3.8×10−10mのデブリ層厚において、約2.5%の帯域外放射に対する最小反射率を有し、一方で実線のリフレクタは、約3.6×10−10mのデブリ層厚において、約6%の帯域外放射に対する最小反射率を有することが分かる。従って、波線のリフレクタおよび実線のリフレクタは、厚さ約3.8×10−10mおよび3.6×10−10mのスズのデブリ層に最適化されることになる。
当然のことながら、MLM構造、AR層および基板を形成するのに任意の適切な材料が用いられてよい。これらの層は、任意の適切な厚さを有してもよい。帯域内および帯域外放射は、任意のタイプの放射であってもよい。デブリ層は、任意の材料から形成されてもよい。
図21は、さらなるリフレクタARRを開示する。基板AR1中への帯域外放射の通過を促進するようAR層AR2が構成されているので、このリフレクタARRも帯域外放射を最小化する。基板AR1は、入射する赤外放射の50%以上を透過するよう構成されてもよい。基板AR1の裏面(裏面は、MLM構造AR3から見て外方に向いている)には、別のAR層AR2が設けられてもよい。図21では、AR層AR2は、その裏面に追加のZnSe層を有するThF層である。望まれていない赤外放射がリフレクタARRを透過して、その他の場所で吸収される可能性がある。また、平滑層SがMLM構造AR3と基板AR1との間に設けられている。
図21のMLM構造AR3は、ダイヤモンド状炭素とSiの交互層を含む。ダイヤモンド状炭素層は、4.1nmの厚さを有してよく、ダイヤモンド状炭素層は、2.8nmの厚さを有してもよい。ダイヤモンド状炭素および/またはSi層は、好ましくは5×1018cm−3から5×1019cm−3、好ましくは8×1018cm−3から2×1019cm−3の不純物でドープされている。典型的には、約1×1019cm−3が適切な不純物濃度である。平滑層は、Si層であってよく、約20nmの厚さであってよい。基板AR1は、Si、SiOまたは他の材料で形成されてよい。AR層AR2は、約650nmから約690nm、例えば660nmまたは684nmの厚さを有してもよい。
図22は、Siの不純物濃度(この例ではn型ドーパント濃度)の関数としてSiの屈折率を表すグラフを示す。図22では、約1×1019cm−3の不純物濃度において、屈折率の実数部が2.82の値を有し、屈折率の虚数部が0.21の値を有することが分かる。屈折率の実数部を大幅に減らすことにより(すなわち低濃度での3.42から濃度1×1019cm−3での2.82まで)、Siの反射防止特性が向上し、MLM構造においてより多層が可能となる。
図23は、さらなるリフレクタARRを開示する。図21のリフレクタとの違いは、基板AR1が赤外放射を吸収するよう構成されていることである。AR層AR2は、厚さ640nmであってよい。この場合も、図23におけるMLM構造AR3は、ダイヤモンド状炭素とSiの交互層を含む。ダイヤモンド状炭層は、厚さ4.1nmを有してもよく、ダイヤモンド状炭素層は、厚さ約2.8nmを有してもよい。ダイヤモンド状炭素および/またはSi層は、好ましくは5×1018cm−3から5×1019cm−3、好ましくは8×1018cm−3から2×1019cm−3の不純物濃度でドープされている。典型的には、約1×1019cm−3が適切な不純物濃度である。平滑層は、Si層であってよく、約20nmの厚さであってよい。基板AR1は、2×1018cm−3の不純物でドープされたSiにより形成されてもよい。この例では、不純物濃度は、n型ドーパント濃度である。もちろん、p型ドーパント濃度が代わりに適用されてもよい。
IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について本文書において特に言及をしてきたが、本明細書で述べたリソグラフィ装置は、他の応用形態も有していることを理解すべきである。例えば、集積された光学システム、磁気領域メモリ用の誘導及び検出パターン(guidance and detection pattern)、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造といった応用である。当業者は、このような代替的な応用形態の文脈において、本明細書における「基板」または「ダイ」という用語のいかなる使用も、それぞれより一般的な用語である「基板」または「目標部分」と同義とみなすことができることを認められよう。本明細書で参照された基板は、例えばトラック(通常、レジスト層を基板に付加し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ツール及び/または検査ツールで露光の前後に処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示は、そのような基板処理工具または他の工具に対しても適用することができる。さらに、例えば多層ICを作製するために二回以上基板が処理されてもよく、その結果、本明細書で使用された基板という用語は、複数回処理された層を既に含む基板のことも指してもよい。
以上では光学リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスの微細構成を基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射、熱、圧力またはその組合せにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気および静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか、またはその組合せを指してもよい。
明細書中では、EUV放射が有用な例として用いられ、帯域内放射およびIR放射が有用ではない例として用いられた。当然ながら、これらは単なる例であり、リソグラフィ装置のアプリケーションによって、有用な帯域内放射および有用でない帯域外放射は、任意の波長の放射であってよい。従って、帯域内放射および帯域外放射の波長によって、リフレクタの特性がそれらの波長に最適化されることは当業者にとって明らかである。リフレクタの特性は、リフレクタが帯域内放射に対して相対的に高い反射率を有し、帯域外放射に対して相対的に低い反射率を有するよう最適化されてもよい。最適化されうるリフレクタの特性の例は、基板の材料、吸収層の材料および/または厚さ、任意の金属層の材料および/または厚さ、MLM構造の交互層を構成する個別層の材料および/または厚さ、およびMLM構造の交互層の周期数を含む。
当然のことながら、本発明の実施形態に係るリフレクタは、任意の適切なタイプのリソグラフィ装置のリフレクタとして用いられてよい。
上述の説明は例示であり、限定を意図しない。よって、後述の請求項の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。

Claims (15)

  1. 第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、1つまたは複数の追加層とを備えるリフレクタであって、前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の厚さは、当該リフレクタの表面から反射する前記第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する前記第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されることを特徴とするリフレクタ。
  2. 前記1つまたは複数の追加層は、基板を備え、前記1つまたは複数の追加層は、前記基板と前記多層ミラー構造との中間に位置する金属層をさらに備え、前記金属層は、前記第2波長の放射に対し前記金属の表皮深さより大きい厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のリフレクタ。
  3. 前記1つまたは複数の追加層は、基板を備え、前記1つまたは複数の追加層は、前記基板と前記多層ミラー構造との中間に位置する吸収層をさらに備え、前記吸収層は、前記第2波長の放射を吸収するよう構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のリフレクタ。
  4. 前記1つまたは複数の追加層は、基板を備え、前記1つまたは複数の追加層は、前記基板と前記多層ミラー構造との中間に位置する金属層をさらに備え、前記吸収層は、前記金属層と前記多層ミラー構造との中間にあることを特徴とする請求項3に記載のリフレクタ。
  5. 前記1つまたは複数の追加層は、基板のみを備え、前記基板は、前記第2波長における前記多層ミラー構造の屈折率と異なる前記第2波長における屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載のリフレクタ。
  6. 前記多層ミラー構造は、n型シリコンおよびダイヤモンド状炭素層の交互層を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリフレクタ。
  7. 第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、1つまたは複数の追加層とを備えるリフレクタであって、
    前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の厚さは、当該リフレクタの表面を規定するデブリ材料の層が前記多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する前記第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する前記第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されることを特徴とするリフレクタ。
  8. 使用中に前記デブリ材料の層の厚さは時間とともに増大し、前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、および前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層の厚さは、特定の厚さのデブリ材料の層が前記多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する第2波長の放射が当該リフレクタの内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するよう設定されることを特徴とする請求項7に記載のリフレクタ。
  9. 当該リフレクタの前記第2波長の放射の反射率は、デブリ層の厚さが増加するときに最小反射率を通過するよう構成され、該最小反射率は、前記デブリ層が特定の厚さを有するときに起こることを特徴とする請求項7または8に記載のリフレクタ。
  10. 使用中に前記デブリ材料の層の厚さは時間とともに増大し、当該リフレクタは、前記多層ミラー構造の第2波長における吸光度および屈折率、前記1つまたは複数の追加層の第2波長における吸光度および屈折率、前記多層ミラー構造の厚さ、および前記1つまたは複数の追加層の厚さを含むリフレクタの少なくとも1つの特性が、当該リフレクタの表面から反射する前記第2波長の放射が当該リフレクタ内部から反射する第2波長の放射と破壊的な方法で干渉するようデブリ層の厚さに応じて時間とともに能動的に変化するよう構成されることを特徴とする請求項7に記載のリフレクタ。
  11. 当該リフレクタの少なくとも1つの特性を能動的に変化させるために、当該リフレクタの温度が能動的に変えられるよう構成されることを特徴とする請求項10に記載のリフレクタ。
  12. 当該リフレクタの少なくとも1つの特性の変化は、前記多層ミラー構造および前記1つまたは複数の追加層のうち少なくとも1つ内の電荷担体濃度の変化から生じることを特徴とする請求項10または11に記載のリフレクタ。
  13. 第1波長における放射を反射するよう構成された多層ミラー構造と、第2波長における放射を吸収するよう構成された基板と、前記多層ミラー構造と前記基板との間の反射防止層であって、前記多層ミラー構造から前記基板まで前記第2波長における放射の通過を促進するよう構成された反射防止層とを備えるリフレクタであって、
    前記多層ミラー構造および前記反射防止層の第2波長における吸光度および屈折率、および前記多層ミラー構造および前記反射防止層の厚さは、当該リフレクタの表面を規定するデブリ材料の層が前記多層ミラー構造により受け取られたとき、当該リフレクタの表面から反射する前記第2波長の放射が、デブリ材料の層が無いリフレクタの多層ミラー構造から反射する前記第2波長の放射未満となるように設定されることを特徴とするリフレクタ。
  14. 放射を集めるよう構成された放射源コレクタモジュールと、放射を調整するよう構成された照明系と、放射から形成された放射ビームを基板上に投影する投影系とを有するリソグラフィ装置であって、前記放射源コレクタモジュール、前記照明系、および/または前記投影系は、請求項1から13のいずれかに記載の1つまたは複数のリフレクタを備えることを特徴とするリソグラフィ装置。
  15. 極端紫外放射を反射するよう構成されたスペクトル純度フィルタであって、
    基板と、
    前記基板の上面上の反射防止膜であって、赤外線を透過するよう構成された反射防止膜と、
    極端紫外放射を反射し、赤外放射を実質的に透過するよう構成された多層スタックであって、Siとダイヤモンド状炭素層の交互層を備え、SiがドープSiおよび/またはダイヤモンド状炭素がドープダイヤモンド状炭素である多層スタックと、
    を備えることを特徴とするスペクトル純度フィルタ。
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