JP2003074650A - ベルト伝動装置 - Google Patents

ベルト伝動装置

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JP2003074650A
JP2003074650A JP2001263308A JP2001263308A JP2003074650A JP 2003074650 A JP2003074650 A JP 2003074650A JP 2001263308 A JP2001263308 A JP 2001263308A JP 2001263308 A JP2001263308 A JP 2001263308A JP 2003074650 A JP2003074650 A JP 2003074650A
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ribbed
belt
rib
pulley
groove
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JP2001263308A
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Hiroki Takechi
博樹 武市
Yukitoshi Kanai
幸利 金井
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Vリブドベルトを用いたベルト伝動装置にあ
って、材料条件あるいは走行条件等の発音条件に依存す
ることなく、発音自体を封じ込める耐発音性能に優れた
ベルト伝動装置を提供する。 【解決手段】 Vリブドプーリ3とこれに嵌め合わされ
るVリブドベルト2の組み合わせにおいて、Vリブドプ
ーリ3のリブ先端部3aをVリブドベルト2のリブ溝底
部2bの圧縮ゴム層2f内に圧接状態に配することによ
って、このVリブドベルト2のリブ溝底部2bとVリブ
ドプーリ3のリブ先端部3aの間に共鳴空間が形成され
ることを抑止し、これによって耐発音性能を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベルト周方向に複数
のリブ条部を有するVリブドベルトを用いたベルト伝動
装置に係り、詳しくはVリブドプーリとこれに嵌め合わ
されるVリブドベルトの双方の溝形状を好適に組み合わ
せることによって発音を抑止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すようにVリブドベルト2を用
いたベルト伝動装置は、自動車エンジンの補機駆動用ベ
ルト伝動装置1として多用されている。このベルト伝動
装置1は、エンジンクランク軸に装着された駆動側Vリ
ブドプーリ3、すなわち(C/R)クランクプーリ10
と、例えば(ACG)ACジェネレータ、(A/C)エ
ヤコンプレッサー、(W/P)ウォーターポンプからな
る補機を駆動する軸に装着されたACGプーリ11、W
/Pプーリ12、A/Cプーリ13に前記Vリブドベル
ト2を巻き掛けて、所要の動力を伝達させる伝動装置に
用いられる。
【0003】Vリブドベルト2は、伝統的なVベルトの
欠点である屈曲性能と耐スリップ性能、すなわち伝達性
能を向上させたベルトであるが、このVリブドベルト2
は自動車エンジンのクランク軸で駆動されるものである
から、レシプロ型内燃エンジンに特有の回転変動をまと
もに受けることになる。
【0004】この回転変動はクランク軸を介してVリブ
ドプーリ3に伝わることから、このVリブドプーリ3と
Vリブドベルト2の間で、クランク軸の回転周期レベル
での摩擦スリップ音が発生することになる。
【0005】従来、この発音を抑止する技術としては、
Vリブドベルト2に焦点を当てた改善が主流となってい
た。例えば、特開2001−165244号公報には、
Vリブドベルトの圧縮ゴム層に綿短繊維およびパラ系ア
ラミド短繊維を含有させるとともにリブ溝側面からフィ
ブリル化したパラ系アラミド短繊維を突出させることに
より、発音を抑止する技術が開示されている。
【0006】また、特開平8−261292号公報に
は、Vリブドベルトのリブ溝底部のスペースを広くす
る、すなわち、リブ溝底部の曲率半径を従来のものに比
して大きくすることによって小プーリ径のVリブドプー
リに対しても充分な摩擦面積を確保し、且つリブ溝底部
での粘着防止、水捌け性の改良によって粘着発音、スリ
ップ音を抑止する技術が開示されている。
【0007】また、特開2000−304103号公報
には、Vリブドベルトの圧縮ゴム層の厚みを従来のもよ
り大きくする、あるいはVリブドベルトの動的バネ定
数、動的減衰率、曲げ剛性などの物性の最適化によっ
て、Vリブドベルトの振動、これによる発音抑止する技
術が開示されている。
【0008】従来、このVリブドベルト2の溝形状とV
リブドプーリ3の溝形状の組み合わせは、図6に示すよ
うにJASO規格(自動車規格)によって、夫々、ベル
トの溝形状、プーリの溝形状として規定されている。
【0009】図6で特徴的なことは、Vリブドベルト2
のリブ溝側面部2cとVリブドプーリ3のリブ溝側面部
3cの溝角度は共に40°に規定されており、このリブ
溝側面2cが嵌め合わされることによって楔効果が発生
し、結果、動力を効率的に伝達することができる。
【0010】このとき図6で示したようにVリブドベル
ト2の溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3a
は、前記規格によって常に接触しない形状が採用されて
いる。この理由は、溝底部2bとリブ先端部3aが接触
すると必然的にVリブドベルト2の溝底部2bが磨耗損
傷すると考えられていることによる。
【0011】すなわち、従来技術においては、Vリブド
ベルト2のリブ溝底部2bとVドプーリ3のリブ先端部
3aはは、必ずクリアランスがなければならないとされ
てきた。すなわち、上記規格によれば、Vリブドベルト
2のリブ溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3
aの公差は常にプラス公差(スキマ嵌め公差)でなけれ
ばならないとされてきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記回
転変動を抑止するために燃料噴射制御、フライホイー
ル、ダンパープーリ等の改善が日常的に行われている
が、一方では、自動車の高級化にともなう自動車性能に
対する要求は益々、厳しくなっており、特に燃費改善に
伴う要請から希薄燃焼(リーンバーン)エンジンの登場
等もあり、これらの要因によって回転変動の抑止にも限
界が見られる。
【0013】すなわち、Vリブドベルト2とVリブドプ
ーリ3に起因する発音のメカニズムは、レイアウト構成
(スパン長、ベルト張力等)、補機負荷の大きさ、使用
するベルト、プーリの構成(形状、材質、物性等)、或
は前記の回転変動率等によって、その原因系は極めて多
岐に渡り複雑な様相を示すことから、効果を確実に発揮
させる発音抑止技術には一長一短があった。
【0014】以上のことから、前述の原因系の組み合わ
せ条件を簡約化し、且つ他の原因系によって影響されな
い発音抑止技術の開発が必要となってきた。そこで本発
明者は、Vリブドベルト2の溝形状とVリブドプーリ3
の溝形状の組み合わせに注目し、このVリブドベルト2
の溝形状に嵌め合わされるVリブドプーリ3の溝形状を
規制することによって他の原因系に依存しない発音抑止
技術を発明した。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、ベルト周方向に複数のリブ条部を有するVリブド
ベルトを2以上のVリブドプーリに巻き掛けて動力を伝
達するベルト伝動装置において、Vリブドベルトとこれ
に組み合わされるVリブドプーリの係合状態は、Vリブ
ドプーリのリブ先端部がVリブドベルトのリブ溝底部と
圧接状態となるベルト伝動装置で構成する。
【0016】請求項2の発明は、Vリブドベルトおよび
Vリブドプーリの溝角度は同一であり、且つVリブドベ
ルトのリブ溝側面をVリブドプーリのリブ溝側面に重ね
合わせたときに、Vリブドプーリのリブ先端部がVリブ
ドベルトのリブ溝底部に対し、マイナス公差となる請求
項1に記載のベルト伝動装置である。
【0017】請求項3の発明は、Vリブドベルトの溝形
状は、リブ溝ピッチが3.56mm、溝角度が40°、
リブ溝底部の曲率半径がRmmであり、且つこれに組み
合わされるVリブドプーリのリブ先端部の曲率半径がR
/2mm以下である請求項1乃至請求項2に記載のベル
ト伝動装置である。
【0018】請求項4の発明は、Vリブドベルトの溝形
状は、リブ溝ピッチが3.56mm、溝角度が40°、
リブ溝底部の曲率半径が0.25mm以下であり、且つ
これに組み合わされるVリブドプーリのリブ先端部の曲
率半径が0.125mm以下である請求項1乃至請求項
3に記載のベルト伝動装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施の形態
を詳細に説明する。図1は実施例に係る溝形状の組み合
わせを示す概略図であり、図2、図3、図4は各々、比
較例1、比較例2、比較例3に係る溝形状の組み合わせ
を示す概略図である。又、図6は標準規格のVリブドベ
ルト2とVリブドプーリ3を組み合わせた溝形状を示す
概略図であり、従来例に係る溝形状を示す。
【0020】先ず図1で示すように本発明に係るVリブ
ドベルト2は、背面側に伸張ゴム層2dと、コードより
なる心線2gを埋設した接着ゴム層2eと、その下部に
あってベルト周方向に断面略台形状の複数のリブ条部を
有する圧縮ゴム層2fで構成される。
【0021】前記リブ条部には、水素化ニトリルゴム、
クロロプレンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SB
R、EPDM等が使用され、心線2gには、ポリエステ
ル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)繊維等の材料をコード化したもの
が使用される。又、上記のリブ条部には綿短繊維、パラ
系アラミド短繊維、メタ系アラミド繊維、ナイロン(ポ
リアミド)繊維等が配向混入されている。
【0022】次に図1乃至図4を用いて、実施例および
比較例1〜3に係る夫々の溝形状の相違とその作用効果
の相違を詳細に説明する。図2に示す比較例1は、JA
SO規格(自動車規格)に適合したVリブドベルト2と
Vリブドプーリ3の組み合わせによる嵌め合い状態を示
すもので、通常、この規格に準拠したVリブドベルト2
およびVリブドプーリ3を組み合わせると図2又は図6
に示す状態となる。
【0023】この組み合わせはVリブドベルト2のリブ
溝側面2cとVリブドプーリ3のリブ溝側面3cを重ね
合わせたときに、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bと
Vリブドプーリ3のリブ先端部3aがプラス公差、すな
わち、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bとVリブドプ
ーリ3のリブ先端部3a間に空間が形成される組み合わ
せである。
【0024】これによってVリブドプーリ3のリブ先端
部3aがVリブドベルト2のリブ溝底部2bを磨耗損傷
させないようにしている。この考え方がVリブドベルト
を用いたベルト伝動装置の従来の常識であった。
【0025】この様子は、図6の従来例に係るVリブド
ベルト2とVリブドプーリ3の組み合わせ図をみれば一
目瞭然である。すなわち、従来のJASO規格(自動車
規格)に基づいてVリブドベルト2およびVリブドプー
リ3を作成し、これを嵌め合わせると図6に示す通り、
Vリブドベルト2のリブ溝底部2bとVリブドプーリ3
のリブ先端部3a間には空間が形成される。
【0026】尚、図6に示した従来に係る溝形状の組み
合わせはVリブドプーリ3のリブ先端部3aの曲率半径
Rを、R=0.35mmで作成したもので、それ以外は
図2に示した比較例1(曲率半径R=0.25mm)に
係る溝形状の組み合わせと同じである。
【0027】周知の通り前記空間は発音を増幅させる共
鳴箱として作用するから、Vリブドベルト2のリブ溝底
部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3aの間に必須
的に空間を形成させようとする従来の技術思想は、本発
明の技術思想(空間部を無くし発音増幅を抑止する。)
と相反するものであり、従来技術ではこの発音増幅効果
を抑止することはできなかった。
【0028】そこで本発明者は、このVリブドベルト2
のリブ溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3a
の間に空間を形成させないことが、発音を効果的に抑止
するとの技術的見地に立って、図1に示す実施例の溝形
状の組み合わせを発明した。
【0029】すなわち、図1で示した実施例はVリブド
ベルト2のリブ溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ先
端部3aの間に空間を形成させない溝形状の組み合わせ
であり、詳説すればVリブドベルト2のリブ溝側面2c
とVリブドプーリ3のリブ溝側面3cを重ね合わせたと
きに、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bとVリブドプ
ーリ3のリブ先端部3aがマイナス公差(シマリ嵌め公
差)、すなわち、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bに
Vリブドプーリ3のリブ先端部3aが圧接状態に配され
ることを良しとする溝形状の組み合わせである。
【0030】具体的には、組み合わせて使用するVリブ
ドベルト2のリブ溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ
先端部3aがマイナス公差となるようにVリブドプーリ
3のリブ先端部3aの曲率半径に加工することによって
容易に実現できる。
【0031】また、組み合わせて使用するVリブドベル
ト2のリブ溝底部2bの曲率半径RがJASO規格(自
動車規格)に従うものであれば、このVリブドプーリ3
のリブ先端部3aの曲率半径Rを、前記リブ溝底部2b
の曲率半径Rの1/2以下にすることによって容易に実
現できる。
【0032】また、Vリブドベルト2のリブ溝底部2b
の曲率半径Rが、0.25mmであるならば、Vリブド
プーリ3のリブ先端部3aの曲率半径を0.125mm
m以下とすることによって好適なマイナス公差とするこ
とができる。
【0033】尚、このリブ先端部3aの曲率半径Rは大
きすぎると圧接(密閉)不能となり、小さすぎると刃物
状態となり好適な圧接状態を維持することが困難にな
る。すなわち、この圧接状態を維持するために不必要に
圧縮ゴム層2fを変形させる必要はなく、その要点はV
リブドベルト2のリブ溝底部2bにVリブドプーリ3の
リブ先端部3aが確実に当接(シマリ嵌め)する溝形状
の組み合わせであれば任意に成し得るものである。
【0034】ここで、Vリブドベルトの溝形状に関連す
る先行技術を参考までに引用すると、例えば、特願平1
0−243286号公報には、Vリブドベルトのリブ先
端部に突起を形成した技術が開示されているが、この技
術はVリブドベルトがプーリの幅方向に移動する現象
(リブ飛び)を抑止することを目的とした技術である。
【0035】又、特公昭58−28459号公報には、
歯付ベルトの背面側にベルト周方向に複数のリブ条部を
設けた両面駆動可能なベルトにおいて、その背面に形成
したリブ先端部をVリブドプーリのリブ溝底部に接触さ
せる技術が開示されているが、この方法は背面で副次的
な動力伝達を行うための技術である。
【0036】次に図3に示す比較例2は、前記JASO
規格(自動車規格)においてVリブドプーリ3のリブ先
端3aの曲率半径Rを0.75mmとし、比較用に製作
したプーリである。図示の通り、Vリブドベルト2のリ
ブ溝底部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3a間に
は大きな空間が形成されている。
【0037】尚、図3に示す比較例2はリブ先端部3a
の曲率半径Rを大きくとったことにより、Vリブドプー
リ3のリブ側面部3cとVリブドベルト2のリブ側面部
2cとの実質的接触面積が大きく減少している。
【0038】このような嵌合状態は動力伝達力を低下さ
せると共にスリップ発音を惹起させ易い状態を形成する
から、通常の接触面積を有する実施例1および比較例2
に対し、発音し易い条件となっている。しかし、このよ
うな溝形状の組み合わせは重心が高くなりリブ飛びを招
きやすくする欠点があるため実際に使用されることはな
い。
【0039】図4に示す比較例3は比較例2と略同一の
接触面積を確保し、且つ、Vリブドベルト2のリブ溝底
部2bとVリブドプーリ3のリブ先端部3aがマイナス
公差、すなわち、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bに
Vリブドプーリ3のリブ先端部3aを圧接状態に配した
比較例であり、この比較例3は前記比較例2と同様に発
音し易い条件設定であり、このような発音し易い条件下
において本発明に係る圧接効果を比較評価する目的で作
成した。
【0040】従って、その他の条件は比較例2と同じで
あるから、比較例3も比較例2と同様にこのような溝形
状の組み合わせではリブ飛びを招きやすくなると共に伝
達力が大きく低下させるから実際に使用されることはな
い。
【0041】
【実施例】以下、上記の実施例、および比較例1乃至3
を用いて、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bとVリブ
ドプーリ3のリブ先端部3aがマイナス公差、すなわ
ち、Vリブドベルト2のリブ溝底部2bにVリブドプー
リ3のリブ先端部3aが圧接することによる発音抑止効
果を実験結果に基づいて説明する。
【0042】この実験は、図5に示した実機エンジンの
補機駆動用ベルト伝動装置1(C/Rプーリ10、AC
Gプーリ11、W/Pプーリ12、A/Cプーリ13で
構成される4軸レイアウト)を用いて行った。
【0043】尚、このときの補機駆動用ベルト伝動装置
1のクランク(C/R)プーリはピッチ径160mm、
交流発電機(ACG)プーリはピッチ径65mm、ウォ
ーターポンプ(W/P)プーリは外径130mm、エヤ
コン(A/C)プーリはピッチ径115mmであり、こ
のエンジンの実測回転変動率は21.4%、最大角加速
度は2,376rad/secであった。
【0044】また、実験用のVリブドベルト2の圧縮ゴ
ム層2fには、パラ系アラミド短繊維を配合した圧縮ゴ
ムを用い、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2mm、
溝底部の曲率半径0.24mm、周長1138mmのV
リブドベルト(5PK1138)を用いた。
【0045】以下、実施例および比較例1乃至比較例3
に用いたVリブドベルト2およびVリブドプーリ3のリ
ブ溝部寸法の組み合わせを下記の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】結果は下記の表2に示す通りである。
【0048】
【表2】
【0049】尚、リブ溝形状寸法の組み合わせによる発
音抑止効果の評価は前記実機エンジンを用いた発音限界
張力試験によって行った。下記にその試験方法の概略を
説明する。
【0050】すなわち、所定のVリブドベルト2および
Vリブドプーリ3を実機エンジンに装着し、ベルト張力
を図示しない張力調整機構によって然るべく設定し、エ
ンジンを始動する。エンジン回転数は、回転変動率の大
きくなるアイドリング回転数(約850rpm)近辺と
し、このときの発音有無を記録観察し、同時にそのとき
のベルト張力を記録することによって行った。
【0051】すなわち、上記の設定ベルト張力を段階的
に変量減少させてクランクプーリ10とVリブドベルト
2の間で発生するスリップ音の限界張力を明らかにし
た。結果は表2に示す通り、通常の使用条件(プーリの
リブ溝側面とベルトのリブ溝側面の接触面積比が1のケ
ース)では、実施例の発音限界張力は23N/5リブと
なり比較例1の発音限界張力42N/5リブに比して明
らかに優れた効果を示した。
【0052】また、スリップし易い条件(プーリのリブ
溝側面とベルトのリブ溝側面の接触面積比が0.5のケ
ース)でも、比較例3(圧接状態)の発音限界張力は4
8N/5リブとなり比較例2の発音限界張力53N/5
リブに比して明らかに効果を示した。
【0053】以上のことから接触面積比(スリップし易
さ)を変量(面積比1.0:0.5)した場合にあって
も、本発明が特徴とする圧接効果は確実に発揮されるこ
とが判明した。すなわち、実施例に係るVリブドベルト
2およびVリブドプーリ3のリブ溝部寸法の組み合わせ
が発音限界張力を最も小さくさせる組み合わせであるこ
とが確かめられた。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明は、これによって常にV
リブドプーリのリブ先端部がVリブドベルトのリブ溝底
部と圧接状態となり、確実に共鳴空間を形成させないこ
とが可能になるから、Vリブドプーリでの発音抑止効果
を確実に発揮させる効果がある。
【0055】請求項2の発明は、これによって、Vリブ
ドプーリでの発音抑止効果を確実にし、且つ、上記Vリ
ブドプーリの製造を容易にする。
【0056】請求項3の発明は、これによって、規格品
の組み合わせ使用においてVリブドプーリでの発音抑止
効果を確実にし、且つ、上記Vリブドプーリの製造を容
易にする。
【0057】請求項4の発明は、これによって汎用品と
して使用されている規格に則ったVリブドベルトの形状
に好適に合致し、且つ、Vリブドプーリ部での発音抑止
効果を確実にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る溝形状の組み合わせを示す概略図
である。
【図2】比較例1に係る溝形状の組み合わせを示す概略
図である。
【図3】比較例2に係る溝形状の組み合わせを示す概略
図である。
【図4】比較例3に係る溝形状の組み合わせを示す概略
図である。
【図5】本発明に係るベルト伝動装置を示す概略図であ
る。
【図6】従来例に係る溝形状の組み合わせを示す概略図
である。
【符号の説明】 1 ベルト伝動装置 2 Vリブドベルト 2a リブ先端部 2b リブ溝底部 2c リブ溝側面 2d 伸張ゴム層 2e 接着ゴム層 2f 圧縮ゴム層 2g 心線 3 Vリブドプーリ 3a リブ先端部 3b リブ溝底部 3c リブ溝側面 R 曲率半径 10 クランクプーリ 11 ACGプーリ 12 W/Pプーリ 13 A/Cプーリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト周方向に複数のリブ条部を有する
    Vリブドベルトを2以上のVリブドプーリに巻き掛けて
    動力を伝達するベルト伝動装置において、Vリブドベル
    トとこれに組み合わされるVリブドプーリの係合状態
    は、Vリブドプーリのリブ先端部がVリブドベルトのリ
    ブ溝底部と圧接状態となることを特徴とするベルト伝動
    装置。
  2. 【請求項2】 VリブドベルトおよびVリブドプーリの
    溝角度は同一であり、且つVリブドベルトのリブ溝側面
    をVリブドプーリのリブ溝側面に重ね合わせたときに、
    Vリブドプーリのリブ先端部がVリブドベルトのリブ溝
    底部に対し、マイナス公差となる請求項1に記載のベル
    ト伝動装置。
  3. 【請求項3】 Vリブドベルトの溝形状は、リブ溝ピッ
    チが3.56mm、溝角度が40°、リブ溝底部の曲率
    半径がRmmであり、且つこれに組み合わされるVリブ
    ドプーリのリブ先端部の曲率半径がR/2mm以下であ
    る請求項1乃至請求項2に記載のベルト伝動装置。
  4. 【請求項4】 Vリブドベルトの溝形状は、リブ溝ピッ
    チが3.56mm、溝角度が40°、リブ溝底部の曲率
    半径が0.25mm以下であり、且つこれに組み合わさ
    れるVリブドプーリのリブ先端部の曲率半径が0.12
    5mm以下である請求項1乃至請求項3に記載のベルト
    伝動装置。
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