JP2003073842A - 無電解めっき用触媒液 - Google Patents

無電解めっき用触媒液

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Noriyuki Shimizu
範征 清水
Yoshihiro Uematsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を含まなくても絶縁基体の表面に形成され
たメタライズ配線上に選択的に無電解めっきを施すこと
ができ、かつ従来の鉛を含む活性化触媒液と同等以上の
液寿命を有する活性化触媒液を提供することである。 【解決手段】 パラジウム塩として水溶性の塩化パラジ
ウムまたは硫酸パラジウムと、無機塩としてピロリン酸
カリウムおよび/またはピロリン酸ナトリウムと、錯化
剤としてカルボキシル基を持つ有機酸とを含む無電解め
っき用触媒液を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子、容量
素子、抵抗器等の電子部品を搭載するための絶縁基体の
表面に形成されたメタライズ配線上に選択的に無電解め
っきを施すための活性化触媒液に関するものであり、特
に酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結
体、窒化珪素質焼結体、ムライト質焼結体などの絶縁材
料からなる絶縁基体の表面に形成されたタングステン、
モリブデン、モリブデン/マンガン、銅などのメタライ
ズ配線上に選択的に無電解めっきを施すための活性化触
媒液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子、容量素子、抵抗器等
の電子部品が搭載された配線基板は、例えば酸化アルミ
ニウム質焼結体から成る絶縁基体と、該絶縁基体の上面
から下面にかけて形成されたタングステン、モリブデン
等の高融点金属材料からなるメタライズ配線層から構成
されている。このメタライズ配線層の上に半導体素子、
容量素子、抵抗器等の電子部品を搭載すると共に、該電
子部品の各電極をメタライズ配線層にワイヤーボンディ
ング、半田などの接続部材を用いて電気的に接続する。
【0003】メタライズ配線を形成しているタングステ
ン、モリブデン等の金属材料は、半田濡れ性が悪いの
で、そのままでは電子部品の各電極をメタライズ配線層
に前記接続部材を用いて接続することができない。この
ため、通常、電子部品が前記接続部材を介して接続され
る領域には、ニッケルめっき層と金めっき層とが順次被
着されている。最近は、配線基板、電子部品などが小型
軽量化しており、めっき引き出し線の形成が困難である
ため、ニッケルめっきおよび金めっきを施す方法として
無電解法が多用されつつある。
【0004】無電解法によりめっきを施すには、このめ
っきを施す部分にパラジウム等を析出させて活性化させ
る必要がある。プリント配線基板の様に基板全面に無電
解めっきを施す場合は、非常に吸着性の強い錫を基板上
に吸着させた後、パラジウムと錫とを置換してパラジウ
ムを析出させることで、パラジウム活性を施すことがで
きる。また、メタライズ配線が銅の場合は、錫や鉛など
を介さずにパラジウムと銅とを直接置換して、パラジウ
ム活性を施すことができる。
【0005】しかしながら、酸化アルミニウム質焼結体
などの絶縁基体の表面に形成されたタングステン、モリ
ブデンなどのメタライズ配線の場合、この配線上に選択
的に無電解めっきを施すには、メタライズ配線表面を選
択的に活性化する必要がある。通常、メタライズ配線の
みを選択的に活性化するには、選択性の優れた鉛を含ん
だ活性化触媒液が用いられている。この活性化触媒液を
用いることで、まず、鉛をメタライズ配線上に吸着させ
た後、この鉛を触媒として作用させてパラジウムを還元
し析出させることができる。また、鉛は、触媒液中の不
純物の影響を受け難く、パラジウム析出能力が安定して
得られるので、鉛を含んだ触媒液は液寿命が長いという
特徴を有している。しかしながら、鉛は人体に悪影響を
与えるので全世界で鉛の使用が規制される傾向にある。
このため、鉛を含まない触媒液の開発が必要とされてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉛を
含まなくても絶縁基体の表面に形成されたメタライズ配
線上に選択的に無電解めっきを施すことができ、かつ従
来の鉛を含む活性化触媒液と同等以上の液寿命を有する
活性化触媒液を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の無電解めっき用
触媒液は、パラジウム塩として水溶性の塩化パラジウム
または硫酸パラジウムと、無機塩としてピロリン酸カリ
ウムおよび/またはピロリン酸ナトリウムと、錯化剤と
してカルボキシル基を持つ有機酸とを含むことを特徴と
する。ここで、無機塩であるピロリン酸カリウムおよび
ピロリン酸ナトリウムは、触媒液中でパラジウムに配位
してパラジウムを安定化させる作用がある。また、錯化
剤であるカルボキシル基を持つ有機酸は、上記と同様
に、触媒液中でパラジウムに配位してパラジウムを安定
化させる作用を有し、一方で前記無機塩との相互作用に
よりパラジウムの析出を促進させる作用も有している。
これにより、触媒液中に鉛を含まなくても、タングステ
ン、モリブデン、マンガン、銅などのメタライズ材質に
かかわらず、メタライズ配線上に均一にパラジウムを析
出させ活性化させることができるので、メタライズ配線
上に選択的に無電解めっきを施すことができ、かつ鉛を
含む活性化触媒液と同等以上の液寿命を得ることができ
る。
【0008】本発明の無電解めっき用触媒液は、前記有
機酸が、ジカルボン酸またはトリカルボン酸であり、酸
素および/または窒素を配位原子として有し、アンモニ
ウム基を持たないものであるのが好ましい。有機酸がこ
のような特徴を有していることで、パラジウムに配位す
る作用と、パラジウムの析出を促進させる作用とがより
効果的となる。また、有機酸がアンモニウム基を有する
と、パラジウム核の析出が抑制されるので、アンモニウ
ム基を持たないのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の無電解めっき用触媒液は、パラジウム塩として
水溶性の塩化パラジウムまたは硫酸パラジウムと、無機
塩としてピロリン酸カリウムおよび/またはピロリン酸
ナトリウムと、錯化剤としてカルボキシル基を持つ有機
酸とを含む水溶液である。
【0010】前記パラジウム塩としては、上記したよう
に、水溶性の塩化パラジウムまたは硫酸パラジウムを用
いることができ、触媒液中におけるパラジウム濃度は3
0〜400mg/L程度の範囲であるのが好ましい。パ
ラジウム濃度が過剰に低いと、メタライズ配線上にパラ
ジウムが析出しにくくなる。一方、パラジウム濃度が過
剰に高いと、触媒液が不安定になり分解しやすくなるた
め液寿命が短くなり好ましくない。
【0011】前記無機塩としては、ピロリン酸カリウム
およびピロリン酸ナトリウムを単独でもしくは混合して
用いることができ、カルボキシル基を持つ有機酸ととも
に、触媒液中でパラジウムに配位してパラジウムを安定
化させる作用がある。触媒液中における無機塩の濃度
は、0.006〜0.15mol/L程度の範囲である
のが好ましい。無機塩濃度が過剰に低いと、触媒液が不
安定になり分解しやすくなるため液寿命が短くなる。一
方、無機塩濃度が過剰に高いと、パラジウムが過度に安
定化してパラジウムが析出しにくくなるので好ましくな
い。
【0012】前記有機酸としては、カルボキシル基を持
つ有機酸を使用することができる。また、この有機酸と
しては、ジカルボン酸またはトリカルボン酸であり、酸
素および/または窒素を配位原子として有し、アンモニ
ウム基を持たないものであるのが好ましい。カルボキシ
ル基を持つ有機酸は、触媒液中においてパラジウムに配
位してパラジウムを安定化させる作用を有し、一方で前
記無機塩との相互作用によりパラジウムの析出を促進さ
せる作用も有している。触媒液中における有機酸の濃度
は、0.004〜0.10mol/L程度の範囲である
のが好ましい。有機酸の濃度が過剰に低いと、パラジウ
ムの析出を促進させる効果を得ることができない。一
方、有機酸の濃度が過剰に高い場合は、特に特性的に問
題は生じないが、液コストが高くなるので好ましくな
い。
【0013】前記有機酸がアンモニウム基を有したもの
である場合、メカニズムは明らかではないが、前記メタ
ライズ配線上においてパラジウム核の析出が抑制され、
結果として個々のパラジウム核が大きく成長してしま
う。パラジウム核が大きいと、メタライズ配線の剥がれ
やふくれの原因となる。また、このメタライズ配線上に
無電解ニッケルめっきを施した後に熱処理すると、パラ
ジウムがニッケル表面に拡散してくるので、その上に被
覆する金めっきのカバーリング性を低下させる。
【0014】このような有機酸としては、例えばマロン
酸CH2(COOH)2、こはく酸HOOC(CH2)2COOH、アジピン酸HO
OC(CH2)4COOH、マレイン酸C2H2(COOH)2、酒石酸(CHOH)2
(COOH)2、クエン酸C3H4OH(COOH)3、イミノ二酢酸HN(CH2
COOH)2、グルタミン酸HOOC・CH2・CH2・CH(NH2)COOH
などが挙げられる。
【0015】メタライズ配線を形成する絶縁基体は、酸
化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アル
ミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体などの電気絶縁材
料からなる。この絶縁基体の作製方法を、絶縁基体が酸
化アルミニウム質焼結体からなる場合を例にして説明す
る。まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウムなどの原料粉末に適当な有機バイ
ンダー、溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリ
ーを作製する。ついで、該セラミックスラリーを従来周
知のドクターブレード法やカレンダーロール法などのシ
ート成形技術を採用してシート状のセラミックグリーン
シート(セラミック生シート)を得る。次に、このセラ
ミックグリーンシートに切断加工や打ち抜き加工などを
施して適当な形状とするとともにこれを複数枚積層す
る。最後に、この積層されたセラミックグリーンシート
を還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することに
よって絶縁基体を作製することができる。
【0016】前記メタライズ配線は、タングステン、モ
リブデン、モリブデン/マンガン、タングステン/銅、
モリブデン/銅、タングステン/モリブデン/銅、など
のタングステン、モリブデン、マンガン、銅の少なくと
も1種を主成分とする金属材料により形成されている。
【0017】前記メタライズ配線は、例えばタングステ
ンなどの金属粉末に適当な有機バインダーや溶剤を添加
混合して得た金属ペーストを絶縁基体となる前記セラミ
ックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法
により所定パターンに印刷塗布しておき、前記したよう
に還元雰囲気中、約1600℃の温度でセラミックグリ
ーンシートと同時焼成することによって、絶縁基体の所
定位置に被着形成される。
【0018】上記のようにして形成された絶縁基体上の
メタライズ配線は、半田濡れ性が悪いため、そのままで
は電子部品の各電極をメタライズ配線に半田等の前記接
続部材を用いて接続することができない。そこで、この
メタライズ配線上に無電解めっき層を形成する。
【0019】このめっき層は、(1)めっき前処理、(2)無
電解めっき用触媒液による活性化処理、(3)無電解めっ
き処理、の各工程を経て形成される。 (1)めっき前処理 めっき前処理は、例えば以下の手順で実施される。ま
ず、メタライズ配線が形成された前記絶縁基体を液温5
0〜60℃に温度調節されたアルカリ脱脂液に浸漬して
脱脂を行う。この脱脂液は、水酸化ナトリウム、ケイ酸
ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ塩と界面活
性剤とを主成分とし、表面に付着している油脂等の汚れ
を除去するとともに、タングステンエッチング液、ガラ
ス(絶縁基体)エッチング液との濡れ性を持たせるもの
である。この脱脂の後、水道水にて水洗する。ついで、
フェリシアン化カリウムと水酸化カリウムとを主成分と
する20〜30℃のタングステンエッチング液に所定時
間浸漬し、前記焼成により絶縁基体上に飛散した不要な
タングステンやタングステンメタライズ配線表面の酸化
皮膜を除去する。その後、水道水にて水洗する。つい
で、フッ化物を主成分とする20〜30℃のガラスエッ
チング液に所定時間浸漬することにより、メタライズ配
線表面まで上がって来ているガラス相を取り除く。その
後、水道水にて水洗する。ついで、例えば20〜30℃
の10%塩酸などに浸漬することにより、タングステン
メタライズ配線表面の酸化皮膜を取り除き、最後に純水
にて水洗する。
【0020】(2)無電解めっき用触媒液による活性化処
理 上記のようにしてめっき前処理されたメタライズ配線
は、そのままでは無電解ニッケルめっきや銅めっきなど
に対して触媒能がなく、めっき処理することができな
い。そこで、このメタライズ配線上を前記した本発明の
無電解めっき用触媒液により活性化処理し、メタライズ
配線上にパラジウムの触媒核を付与してパラジウム活性
を施すことによって、めっき処理が可能となる。活性化
処理は、例えば前記触媒液にメタライズ配線が形成され
た絶縁基体を浸漬することによって行うことができる。
前記触媒液の液温は55〜65℃程度、浸漬時間は3〜
10分間程度、触媒液のpHは4〜7程度であるのがよ
い。この触媒液のpHを調整するには塩酸、硫酸などの
無機酸を適量添加すればよい。このような本発明の無電
解めっき用触媒液を用いることで、タングステン、モリ
ブデン、マンガン、銅等のメタライズ材質にかかわら
ず、メタライズ配線上に均一にパラジウムを析出させパ
ラジウム活性を施すことができる。
【0021】(3)無電解めっき 上記のようにしてパラジウム活性が施されたメタライズ
配線上には、通常、無電解ニッケルめっき膜、無電解金
めっき膜の順にめっき層が形成される。これらのめっき
層およびその形成方法としては、特に限定されず、通常
使用されているめっき液およびめっき層の形成方法を用
いることができる。例えば、無電解ニッケルめっき膜
は、ニッケルイオンの供給源として硫酸ニッケルを、還
元剤としてジメチルアミンボランを用い、これに錯化
剤、促進剤(ニッケルとの錯化安定性の異なる(強弱)
錯化剤を組み合わせることにより、促進効果が現れ
る。)としてクエン酸、リンゴ酸、乳酸等の内いずれか
2〜3種類の有機酸を、安定剤としてチオ二酢酸等を添
加してなる無電解めっき液を用い、そのめっき液を建浴
後、アンモニア水等によりpHを約6.5に調整し、6
0〜65℃に加温してめっきを行うことによってメタラ
イズ配線表面に被着される。その後、メタライズ配線と
ニッケルめっき層との密着性を向上させるために、水素
と窒素との混合還元雰囲気中約600〜1000℃の温
度で約10〜30分程度加熱して熱処理を行うのが好ま
しい。また、無電解金めっき膜は、金イオン供給源とし
てシアン化金カリウム、錯化剤として、エチレンジアミ
ン四酢酸、クエン酸アンモニウム、塩化アンモニウム等
を添加した置換型のめっき液を用い、そのめっき液を建
浴後、85〜95℃に加温して、無電解ニッケルめっき
膜が被着されたメタライズ配線上に被着される。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0023】実施例1〜20において、本発明の無電解
めっき用触媒液を用いた活性化処理および無電解ニッケ
ルめっき処理を行い、得られたサンプルのパラジウム析
出状況とニッケルめっき析出状況について評価した。本
実施例で用いた評価用サンプルは、以下のようにして作
製した。 <絶縁基体上へのメタライズ配線の形成>酸化アルミニ
ウムセラミックグリーンシート上に、タングステンのペ
ーストをスクリーン印刷法により、所定パターンに印刷
塗布し、前記セラミックグリーンシートとタングステン
ペーストとを同時焼成し、タングステンメタライズ配線
を形成した。図1に示すように、酸化アルミニウム質焼
結体からなる絶縁基体1は、外寸が50mm角のものを
用いた。絶縁基体1上には、10mm角の角パッド2
と、直径0.1mm/ピッチ(繰り返し配置間隔)0.
2mmの丸パッド3と線巾0.1mm/線長20mm/
線間ギャップ0.1mmの配線4とを形成した。
【0024】次に、無電解めっき用触媒液による活性化
処理および無電解めっき処理について説明する。 <めっき前処理>前記した方法((1)めっき前処理)を
用いて絶縁基体およびメタライズ配線のめっき前処理を
行った。このとき、アルカリ脱脂液の液温は60℃とし
た。
【0025】<無電解めっき用触媒液への浸漬>得られ
たタングステンメタライズ配線は、無電解ニッケルのめ
っきに対して触媒能がないことから、めっき処理の前に
無電解めっき用触媒液に浸漬した。この無電解めっき用
触媒液としては、塩化パラジウム、ピロリン酸カリウ
ム、カルボキシル基を有する有機酸を含むものを使用
し、表1〜3に示すような組成に調製した。次に、調製
した各触媒液(実施例1〜20)を60℃に調整し、め
っき前処理を行ったメタライズ配線を有する絶縁基体を
前記触媒液に5〜10分間浸漬した(パラジウム触媒核
の付与)。
【0026】<無電解めっき処理>上記のようにして活
性化処理(パラジウム触媒核の付与)を行った絶縁基体
を、液温60℃、pH6.8に調整された無電解Ni−
Bめっき液(日本カニゼン社製SB55)に15分間浸
漬して無電解ニッケルめっき処理を行った。
【0027】上記のようにして得られたサンプルは、以
下の方法で評価した。 <サンプルの評価方法>パラジウムの析出状況について
は、パラジウム触媒核の付与後に走査型電子顕微鏡(S
EM)にて観察した。ニッケルめっきの析出状況につい
ては、無電解Ni−Bめっき後に肉眼及び10倍の実体
顕微鏡を用いて、ニッケルめっきの色、光沢等の外観、
めっき欠けを観察した。
【0028】評価結果を表1〜3に示す。なお、実施例
1〜6は、パラジウム濃度を変化させたときのパラジウ
ムの析出状況およびニッケルめっきの析出状況を評価し
たものである。実施例7〜13は、有機酸の添加量のみ
を変化させたときのパラジウムの析出状況およびニッケ
ルめっきの析出状況を評価したものである。実施例14
〜20は、ピロリン酸カリウムの添加量のみを変化させ
たときのパラジウムの析出状況およびニッケルめっきの
析出状況を評価したものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 <判定基準(パラジウムの析出状況について)>表1〜
3において、「◎」は、析出パラジウム粒子径及びその
分布状態に問題がないことを表す。「○」は、部分的な
ニッケル未析出箇所があるが、処理時間延長で対応で
き、実用上問題ないレベルであることを表す。または、
析出パラジウム粒子に若干凝集が見られるが、実用上問
題ないレベルであることを表す。「△」は、50%以上
のニッケル未析出箇所があり、処理時間延長などで対応
し難いため実用上問題があることを表す。 <判定基準(ニッケルの析出状況について)>表1〜3
において、「◎」は、めっきのノビなどの不具合が見ら
れないことを表す。「○」は、パッド3や配線4におい
て、一部めっきノビが見られるが実用上問題ないレベル
であることを表す。「△」は、パッド2、3や配線4な
どにおいてめっきのノビが見られ、ショートなどの不具
合が生じる可能性が高く、実用上問題があることを表
す。 備考:無機塩としてピロリン酸塩単体もしくはその水和
物を用いることができ、水への溶解度により、濃度上限
が制限される場合がある。
【0032】表1〜3に示すように、実施例1〜20の
各条件により活性化処理およびニッケルめっきを施した
全てのサンプルは、実用上問題のないレベルのものが得
られた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、鉛を含まない無電解め
っき用触媒液を用いて活性化処理することによって、絶
縁基体の表面に形成されたメタライズ配線上に選択的に
無電解めっきを施すことができ、かつ鉛を含む活性化触
媒液と同等以上の液寿命を得ることができるので、地球
環境に優しい半導体素子や容量素子、抵抗器等の電子部
品が搭載された配線基板を供給することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた評価用サンプルを示す概
略図である。
【符号の説明】
1 絶縁基体 2 角パッド 3 丸パッド 4 配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 範征 鹿児島県国分市山下町1−1 京セラ株式 会社国分工場内 (72)発明者 植松 義博 東京都江東区枝川3−11−10 日本カニゼ ン株式会社内 Fターム(参考) 4K022 AA02 AA42 BA03 BA04 BA14 BA35 CA03 CA06 CA17 CA21 CA23 DA01 5E343 AA23 BB17 BB23 BB24 BB39 BB40 BB44 BB53 BB72 CC43 CC73 DD03 DD33 EE02 EE13 ER04 ER32 ER35 GG20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウム塩として水溶性の塩化パラジウ
    ムまたは硫酸パラジウムと、無機塩としてピロリン酸カ
    リウムおよび/またはピロリン酸ナトリウムと、錯化剤
    としてカルボキシル基を持つ有機酸とを含むことを特徴
    とする無電解めっき用触媒液。
  2. 【請求項2】前記有機酸が、ジカルボン酸またはトリカ
    ルボン酸であり、酸素および/または窒素を配位原子と
    して有し、アンモニウム基を持たない請求項1記載の無
    電解めっき用触媒液。
  3. 【請求項3】前記触媒液中のパラジウムの濃度が30〜
    400mg/Lである請求項1または2記載の無電解め
    っき用触媒液。
  4. 【請求項4】前記触媒液中の無機塩の濃度が0.006
    〜0.15mol/Lである請求項1〜3のいずれかに
    記載の無電解めっき用触媒液。
  5. 【請求項5】前記触媒液中の有機酸の濃度が0.004
    〜0.10mol/Lである請求項1〜4のいずれかに
    記載の無電解めっき用触媒液。
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