JP3355055B2 - 基材の処理方法 - Google Patents

基材の処理方法

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JP3355055B2
JP3355055B2 JP05630295A JP5630295A JP3355055B2 JP 3355055 B2 JP3355055 B2 JP 3355055B2 JP 05630295 A JP05630295 A JP 05630295A JP 5630295 A JP5630295 A JP 5630295A JP 3355055 B2 JP3355055 B2 JP 3355055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無電解メッキによるニ
ッケルメッキ層を有する基材の新規な後処理方法に関す
る。詳しくは、導電性メタライズ層を表面に有するセラ
ミック等の基材表面に無電解メッキにより形成されたニ
ッケルメッキ層におけるメッキ変色を効果的に防止ある
いは除去するための後処理方法である。
【0002】
【従来の技術】基材表面への無電解メッキによるニッケ
ルメッキ(以下、無電解ニッケルメッキという場合もあ
る)は、膜厚が均一で緻密な高耐食性、高耐摩耗性の皮
膜が得られること、メッキ時に電気接点が不要であるこ
と、非導電体にもメッキ可能であること等の特徴を有
し、種々の産業領域で広く用いられている。
【0003】しかしながら、無電解ニッケルメッキにお
いては、有機物を主成分とした活性化剤、安定剤、還元
剤等の添加物を高濃度に含んだ前処理液、メッキ浴が使
用されており、形成されたニッケルメッキ層表面に該添
加物が吸着したり表面の凹凸部に残存することにより、
ニッケルメッキ層の表面に変色、しみ、汚れ等が発生す
る、いわゆるメッキ変色が起こり易いという問題点があ
った。
【0004】特に近年、無電解ニッケルメッキは電子工
業の領域でも多く利用されている。中でも電子部品技術
の発展に伴い電子部品実装用セラミックの需要は増加し
ており、具体的に電子部品実装用セラミック基板として
はアルミナ、窒化アルミニウム等が使用され、該セラミ
ック基板表面に コファイヤー(Co−fire)法、
ポストファイヤー(Post−fire)法、薄膜法等
の手段によりタングステン等の導電性金属からなるメタ
ライズ層を形成し、次いで該メタライズ層に、半田付け
性、ろう付け性、ワイヤボンディング性の付与、あるい
は耐食性付与のため無電解ニッケルメッキが好適に施さ
れる。
【0005】上記の方法によって形成された導電性メタ
ライズ層を有する基材の表面状態は該メタライズ層によ
り多孔質となる場合が多く、該基材表面に無電解ニッケ
ルメッキを行なった場合、基材表面に存在する孔部にメ
ッキ前処理液、メッキ液等が残留し易く、孔部に残留し
ていた前処理液、メッキ液等(以下、これを変色成分と
言う)が、乾燥工程でニッケルメッキ表面に染み出すこ
とにより、メッキ変色が一層起こり易くなる。
【0006】このメッキ変色は外観上の問題だけでな
く、その後の半田付け、ろう付け、ワイヤボンディング
あるいは耐食性に悪影響を及ぼし、かかるメッキ変色の
防止あるいはメッキ変色の除去が急務であった。
【0007】この様な変色を防止するために、例えば、
日本プレーティング協会編;現場技術者のための実用め
っき(III)、P308、槙書店(1988)には、表
面が多孔質である焼結粉末金属上へのメッキを行うに際
し、樹脂を含浸処理し、表面を研磨した後、メッキを行
う方法が示されている。
【0008】しかしながら、電子部品実装用セラミック
基板においては、メッキの後に半田付け、ろう付け等の
加熱処理工程があるため、樹脂の分解などが発生し、上
記方法を採用することは工業的に困難である。
【0009】また、他の方法として、メッキ工程中に超
音波洗浄あるいは湯洗浄を行いメッキ変色を防止する方
法が一般的に行なわれているが、変色成分に対する水や
湯の溶解・洗浄力が不十分なため、安定して変色を防止
することができず、しかも、一旦乾燥した固体状態の変
色成分は水や湯に溶解しないことから、ニッケルメッキ
された基材は、メッキ後の乾燥工程を経た後では変色除
去も困難であった。
【0010】いずれにしても、現在のところ、上記メッ
キ変色を効果的に防止あるいは除去し得る有効な方法は
見い出されてなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、無電解メッキによって基材表面に形成されたニッケ
ルメッキ層の表面に発生する変色を、効果的に防止ある
いは除去する方法を提供することにある。特に、セラミ
ック基板上に形成された多孔質導電性メタライズ基材へ
の無電解ニッケルメッキにおいて、発生する変色を効果
的に防止あるいは除去することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無電解メッキによっ
て基材表面に形成されたニッケルメッキ層の表面に発生
するメッキ変色の成分が特定の化合物が存在する溶液
(以下、処理液ともいう)に極めて良好に溶解するこ
と、及び該ニッケルメッキ層表面を該処理液と接触させ
ることによりメッキ変色を効果的に防止あるいは除去可
能であることを見い出し、更に研究を続け、本発明を完
成し、ここに提案するに至った。
【0013】即ち、本発明は、無電解メッキによって基
材表面に形成されたニッケルメッキ層の表面を、ニッケ
ルイオンと配位し得る窒素含有化合物を存在せしめた溶
液と接触させることを特徴とするニッケルメッキされた
基材の処理方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明において、無電解ニッケルメッキを
施される基材は特に限定されず、耐食性、耐摩耗性また
は導電性、半田付け性、ろう付け性、ワイヤボンディン
グ性等を付与する目的でニッケルメッキを施される基材
が好適に使用される。
【0016】上記基材の例を挙げると、ABS、ポリプ
ロピレン等の樹脂、鉄、銅、コバルト、タングステン、
モリブデン等の金属及びこれらを主成分とする合金ある
いはタングステン等の粉末焼結金属または該粉末焼結金
属に銅等を含浸した複合金属基材、アルミナ等の酸化
物、ムライト等の複合酸化物、窒化アルミニウム等の窒
化物、炭化けい素等の炭化物及びこれらの複合体である
セラミック焼結体、プリント回路配線板等の樹脂基材表
面に銅等の金属を接合あるいは銀等の導電性メタライズ
層を形成したもの、上記セラミック焼結体表面に銅等の
金属を接合あるいはタングステン、モリブデン、銀、パ
ラジウム、銅等の導電性メタライズ層を形成したもの等
が好適に使用される。
【0017】上記基材のうち、本発明の方法は、よりメ
ッキ変色の発生しやすい多孔質表面を有する基材に特に
効果的である。かかる多孔質表面を有する基材を具体的
に例示すると、タングステン、モリブデン、タンタル、
レニウム単体及びこれら金属を主成分とする粉末焼結金
属、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、窒化けい
素、窒化ほう素、炭化けい素単体及びこれらを主成分と
する複合体であるセラミック焼結体上にタングステン、
モリブデン、銀、パラジウム、ルテニウム、銅、ニッケ
ル、マンガン、チタンの単体及びこれらを主成分とする
混合物を、コファイヤー、ポストファイヤー等の方法に
よって形成した導電性メタライズ層を有するセラミック
基材等が挙げられる。
【0018】上記セラミック焼結体のうち、半導体実装
用基板として従来のアルミナ基板に比べて十数倍の熱伝
導率を有する窒化アルミニウム焼結体が注目されている
が、該窒化アルミニウム基板自身酸化物等のガラス成分
をほとんど含有せず、導電性メタライズ層として副成分
となる酸化物等のガラス成分をほとんど含有しないタン
グステン、モリブデン等の高融点金属を、コファイヤー
法によって該窒化アルニミウム基板上に形成した場合、
そのメタライズ層表面は顕著な多孔質となる。このた
め、本発明においては、コファイヤー法によって形成さ
れたタングステン、モリブデン等の導電性メタライズ層
を有する窒化アルミニウム基材がより好適に使用され
る。
【0019】本発明において、無電解ニッケルメッキに
は、ニッケル塩、還元剤、錯化剤、PH調製剤、その他
緩衝剤、安定剤等の添加物より構成される公知の無電解
メッキ浴が、特に制限なく用いられる。例えば、塩化ニ
ッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩、次亜りん酸ナト
リウム、ヒドラジン、水素化ほう素ナトリウム、ジメチ
ルアミノほう素等の還元剤、クエン酸ナトリウム、マロ
ン酸ナトリウム等の錯化剤、水酸化ナトリウム、アンモ
ニア水、硫酸等のPH調製剤及びその他緩衝剤、安定剤
を、被メッキ基材や用途に準じて適宜選択すればよい。
【0020】無電解ニッケルメッキ浴としては、還元剤
として次亜りん酸ナトリウムを用いる無電解Ni−Pメ
ッキ浴と、還元剤としてジメチルアミノほう素を用いる
無電解Ni−Bメッキ浴が一般的である。ニッケルメッ
キ条件は、メッキ膜厚及びニッケルメッキ浴組成によっ
て異なる。一般的な条件を例示すれば、Ni−Bメッキ
の場合Ni濃度4〜10g/l、還元剤濃度0.1〜2
0g/l、浴温50〜70℃、pH5〜8、処理(被メ
ッキ物の浸漬)時間1〜150分である。
【0021】また、P−Niの場合にはNi濃度4〜1
0g/l、還元剤濃度10〜40g/l、浴温50〜9
5℃、pH3〜10、処理(被メッキ物の浸漬)時間1
〜100分である。
【0022】上記ニッケルメッキ層の膜厚は目的により
異なるが、1〜10μmが一般的である。また、かかる
無電解ニッケルメッキの前処理として、一般に脱脂、エ
ッチング、感受性化、活性化、酸洗等が行なわれるが、
その方法については特に限定されず、公知の方法が使用
できる。
【0023】本発明においては、無電解メッキによって
形成されたニッケルメッキ層の表面をニッケルイオンを
配位し得る窒素含有化合物(以下、Ni-N化合物ともい
う)を存在せしめた溶液と接触させることが重要であ
る。即ち、かかる操作により発生するメッキ変色が効果
的に防止あるいは除去される。
【0024】上記メッキ変色は、ニッケルメッキ層と外
観上識別される程度の変色であり、上記変色の例として
は、茶色、褐色、茶褐色、暗褐色等の、斑点状、斑点の
密集状、円形状あるいは広範囲にしみ状に見えるもの等
が挙げられる。
【0025】本発明者らは、コファイヤー法によってタ
ングステンメタライズ層を形成した窒化アルミニウム基
材に無電解ニッケルを行なった場合に発生するメッキ変
色を例として、かかる変色成分の分析を行なった。かか
る分析の結果、メッキ変色の主成分はニッケルのアコ錯
体またはアンミン錯体等のニッケルの無機塩を主成分と
するものであると推定された。
【0026】上記変色成分は水、湯に溶解しないが、本
発明において使用するニッケルイオンと配位し得る窒素
含有化合物を存在せしめた溶液よりなる処理液により効
果的に除去することができる。
【0027】本発明においてニッケルイオンを配位し得
る窒素含有化合物は、公知のものが特に制限なく使用さ
れる。具体的には、アンモニア、アミン類、ヒドラジ
ン、エタノールアミン、アンモニウム塩、亞硝酸塩、チ
オシアン酸塩、グリシン、ピリジン、ビピリジン、ビュ
ーレット(Biuret)等が使用される。この内、ア
ミン類を具体的に例示すれば、一級アミンとしてメチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、二級アミンと
してジメチルアミン、ジエチルアミン、三級アミンとし
てトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジアミンとし
てエチレンジアミン、トリアミンとしてジエチルトリア
ミン等が使用される。アンモニウム塩としては塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム等が、亞硝酸塩としては、
亞硝酸ナトリウム、亞硝酸カリウム、チオシアン酸塩と
しては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウ
ム等が使用される。これらのNi-N化合物は、変色成分を
効果的に溶解する一方、ニッケルメッキ層を溶解する等
の悪影響もなく、メッキ変色の防止あるいは除去に好適
に使用される。
【0028】この中で、アンモニア、アミン類、ヒドラ
ジン、エタノールアミンは、メッキ変色成分の溶解性が
優れ、メッキ変色を効果的に除去できるため更に好適に
使用される。中でも、アンモニアは、アンモニア水の形
で工業的に容易かつ安価に入手でき、メッキ変色成分の
溶解性が高く、メッキ変色除去効果に優れており且つニ
ッケルメッキ表面への残留性が少ないため、特に好適に
使用される。
【0029】これに対して、例えば、塩酸は上記Ni-N化
合物と同様にメッキ変色成分に対する溶解力を有する
が、変色成分と共にニッケルメッキ層自体を溶解してし
まうことから、メッキ変色の防止あるいは除去に使用す
ることは困難である。また、水酸化ナトリウム水溶液
は、水酸基の酸素がニッケルイオンに配位しうるが、メ
ッキ変色除去には効果が乏しい。
【0030】本発明において、上記Ni-N化合物を存在せ
しめた溶液は、Ni-N化合物がニッケルを配位可能な液状
であれば特に限定されない。
【0031】一般には、水、或いはアルコール等の有機
溶媒にNi-N化合物を溶解した溶液が好適に使用される。
【0032】また、上記Ni-N化合物自体が液体の場合
は、そのままの形で使用することもできるが、処理後の
除去に労力を有するばかりでなく経済的にも不利となる
ため、この場合においても、上記Ni-N化合物はこれを含
有する溶液の形で使用することが推奨される。
【0033】処理液におけるNi-N化合物の好ましい濃度
は特に限定されないが、一般的には0.1〜30重量%
の範囲が、メッキ変色成分除去効率の点から好ましい。
例えば、アンモニア水の場合、好ましくは2〜20重量
%、更に好ましくは5〜10重量%である。
【0034】本発明において、無電解ニッケルメッキに
よって基材表面に形成されたニッケルメッキ層表面を処
理液と接触させる方法は特に制限されず、公知のあらゆ
る方法が使用できる。例えば、ニッケルメッキ層を形成
した基材を、処理液に単に浸漬する態様、攪拌または循
環させた処理液に浸漬する態様、上記浸漬に超音波洗浄
を併用する態様、処理液をシャワ−状、噴霧状にして該
基材に散布する態様等が好適に採用できるまた、処理液
との接触時間はNi-N化合物や濃度により最適時間が異な
るが一般的には、5秒〜20分が適当であり、好ましく
は30秒〜10分、更に好ましくは1〜5分である。
【0035】また、処理液の液温は5〜30℃が適して
おり、好ましくは10〜25℃、更に好ましくは15〜
20℃である本発明において、メッキ後直ちに、または
メッキ後に水洗を行った後、処理液と接触させることに
より効果的にメッキ変色が防止できる。また、基材をメ
ッキ後に水洗し、次いで乾燥を行った後、処理液と接触
させれば効果的にメッキ変色が除去できる。
【0036】メッキ変色の発生率が高い場合は前者の方
法が効果的であり、メッキ変色の発生率が低い場合は対
象となるもののみ後者の方法で処理すれば良く、また、
前者の方法でメッキ変色が完全に防止できなかった場合
には再度後者の方法で処理することも可能であり、メッ
キ変色の状況に応じて適宜選択すれば良い。勿論、両方
を一緒に行なっても良い。
【0037】本発明の処理液と接触させることにより後
処理した無電解ニッケルメッキ層を表面に有する基材
は、メッキ変色がない良好な外観を有する。また、該表
面の耐食性、半田付け性、ろう付け性、ワイヤボンディ
ング性等も良好である。
【0038】
【発明の効果】本発明により、無電解メッキによって基
材表面に形成されたニッケルメッキ層の表面をNi-N化合
物を含む溶液と接触させることにより、発生するメッキ
変色を効果的に防止あるいは除去することができる。特
に、セラミック基板上に形成された多孔質導電性メタラ
イズ基材への無電解ニッケルメッキにおいても、発生す
る変色を効果的に防止あるいは除去することができる。
これにより、無電解ニッケルメッキにおいて、品質、歩
留まりの向上が可能となった。
【0039】
【実施例】以下、本発明の方法を具体的に説明するため
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0040】実施例1 平均粒子径1.6μmの窒化アルミニウム粉末に焼結助
材としてY23を5重量%添加し、更に、有機バインダ
−、可塑剤、分散剤、有機溶剤を混合して調製したスラ
リ−をドクタ−ブレ−ド法により厚さ約0.8mmのシ
−トに成形した。次いで平均粒径が2μmのタングステ
ン(W)粉末にテレピネオ−ル、エチルセルロ−ス、分
散剤を混合して調製した高融点ペ−ストを、スクリ−ン
印刷法により先のシ−トに片面印刷した(以下、これを
印刷体と言う)。この印刷体を黒鉛製のセッタ−に入
れ、真空下で1000℃の温度で加熱処理し、脱脂を行
なった(以下、これを脱脂体と言う)。この脱脂体を窒
化アルミニウム焼結体製のセッタ−に入れ、窒素雰囲気
中1800℃の温度で焼結を行ない、Wメタライズ層を
有する窒化アルミニウム基板を得た(以下、これを窒化
アルミニウム/Wメタライズ基板と言う)。
【0041】この窒化アルミニウム/Wメタライズ基板
のメタライズ層に、常法により脱脂、活性化の前処理を
行なった後、ジメチルアミノほう素を還元剤とする無電
解Ni−Bメッキ浴を用いて約2μmのニッケルメッキ
層を形成した。メッキ後、水洗を行なった後乾燥させず
に、市販の試薬特級品アンモニア水を濃度5重量%に希
釈したアンモニア水中に、25℃、10分間の条件で浸
漬した。浸漬に際しては、アンモニア水をプロペラで攪
拌しながら行なった。アンモニア水浸漬後水洗、乾燥し
た。トータルのメッキ面積に対するメッキ変色部位の面
積を百分率で表したものをメッキ変色発生率と定義する
と、ニッケルメッキ層表面のメッキ変色発生率は0%
で、半田付け性、ろう付け性共良好であった。
【0042】実施例2 実施例1において、使用するアンモニア水の濃度を10
重量%に変更した以外は全く同じ条件で、ニッケルメッ
キ、アンモニア水への浸漬を行なった。その結果、メッ
キ変色発生率は0%で半田付け性、ろう付け性共良好で
あった。
【0043】実施例3 実施例1と同様に作成した窒化アルミニウム/Wメタラ
イズ基板のメタライズ層に、実施例1と同様に無電解N
i−Bメッキ浴を用いて約2μmのニッケルメッキ層を
形成した。メッキ、水洗後乾燥させたところ、褐色の斑
点が密集した形態のメッキ変色が多発していた。この段
階でのメッキ変色発生率は60%であった。続いて、実
施例1と同様の濃度のアンモニア水中に、25℃、10
分間の条件で浸漬した。浸漬に際しては、アンモニア水
をプロペラで攪拌しながら行なった。アンモニア水浸漬
後水洗、乾燥した。メッキ変色発生率は0%で半田付け
性、ろう付け性共良好であった。
【0044】実施例4 実施例1と同様に作成した窒化アルミニウム/Wメタラ
イズ基板のメタライズ層に、次亜りん酸ナトリウムを還
元剤とする無電解Ni−Pメッキ浴を用いて約3μmの
ニッケルメッキ層を形成した。メッキ後水洗を行なった
後乾燥させずに、市販の試薬特級品アンモニア水を濃度
5重量%に希釈したアンモニア水中に、15℃、5分間
の条件で浸漬した。浸漬に際しては、メッキ層を形成し
た基板をアンモニア水中で上下に揺動させながら行なっ
た。アンモニア水浸漬後水洗、乾燥した。メッキ変色発
生率は0%で、半田付け性、ろう付け性共良好であっ
た。
【0045】実施例5 実施例4と同様に作成した窒化アルミニウム/Wメタラ
イズ基板のメタライズ層に、次亜りん酸ナトリウムを還
元剤とする無電解Ni−Pメッキ浴を用いて約3μmの
ニッケルメッキ層を形成した。メッキ、水洗後乾燥させ
たところ、茶褐色で円形状のメッキ変色が多発してい
た。この段階でのメッキ変色発生率は60%であった。
続いて、実施例4と同様の濃度のアンモニア水中に、1
5℃、5分間の条件で浸漬した。浸漬に際しては、メッ
キ層を形成した基板をアンモニア水中で上下に揺動させ
ながら行なった。アンモニア水浸漬後水洗、乾燥した。
メッキ変色発生率は0%で半田付け性、ろう付け性共良
好であった。
【0046】実施例6 一辺50mmの角型アルミナセラミック基板上に、平均
粒径が5μmのMo、Mn粉末およびSiO粉末にテレ
ピネオ−ル、エチルセルロ−ス、分散剤を混合して調製
されたMo−Mnペ−ストをスクリ−ン印刷法により上
記のアルミナセラミック基板上に片面印刷した。この印
刷されたアルミナセラミック基板をアルミナ製のセッタ
−に入れ、加湿水素雰囲気中1250℃の温度で焼成を
行ない、Mo−Mnメタライズ層を有するアルミナ基板
を得た(以下、これをアルミナ/Mo−Mnメタライズ
基板と言う)。
【0047】このアルミナ/Mo−Mnメタライズ基板
のメタライズ層に、常法により脱脂、活性化の前処理を
行なった後、ジメチルアミノほう素を還元剤とする無電
解Ni−Bメッキ浴を用いて約2μmのニッケルメッキ
層を形成した。メッキ後、水洗を行なった後乾燥させず
に、市販の試薬特級品アンモニア水を濃度5重量%に希
釈したアンモニア水中に、25℃、10分間の条件で浸
漬した。浸漬に際しては、アンモニア水をプロペラで攪
拌しながら行なった。アンモニア水浸漬後水洗、乾燥し
た。メッキ変色発生率は0%で、半田付け性、ろう付け
性共良好であった。
【0048】実施例7 実施例6において、メッキ、水洗後乾燥させたところ、
褐色の斑点が密集した形態のメッキ変色が多発してい
た。この段階でのメッキ変色発生率は40%であった。
続いて、実施例6と同様の濃度のアンモニア水中に、2
5℃、10分間の条件で浸漬した。浸漬に際しては、ア
ンモニア水をプロペラで攪拌しながら行なった。アンモ
ニア水浸漬後水洗、乾燥した。メッキ変色発生率は0%
で、半田付け性、ろう付け性共良好であった。
【0049】実施例8 実施例1において、5重量%のアンモニア水を10重量
%のエチルアミンに変えた他は実施例1と同様に行っ
た。その結果、メッキ変色発生率は5%で、半田付け
性、ろう付け性とも良好であった。
【0050】実施例9 実施例3において、5重量%のアンモニア水を10重量
%のエチルアミンに変えた他は実施例3と同様に行っ
た。その結果、メッキ変色発生率は5%で、半田付け
性、ろう付け性とも良好であった。
【0051】実施例10 実施例1において、5重量%のアンモニア水を10重量
%のヒドラジンに変えた他は実施例1と同様に行った。
その結果、メッキ変色発生率は5%で、半田付け性、ろ
う付け性とも良好であった。
【0052】実施例11 実施例1において、5重量%のアンモニア水を10重量
%のエタノールアミンに変えた他は実施例1と同様に行
った。その結果、メッキ変色発生率は5%で、半田付け
性、ろう付け性とも良好であった。
【0053】比較例1 実施例1、3において、使用するアンモニア水を塩酸溶
液に変更した以外は全く同じ条件で、ニッケルメッキ、
塩酸溶液への浸漬を行なった。本実験に用いた塩酸溶液
は、市販の試薬特級品を濃度5重量%に希釈したもので
ある。塩酸浸漬後水洗、乾燥した。ニッケルメッキ層表
面には、褐色の斑点が密集した形態のメッキ変色が多発
しており、メッキ変色発生率は50%で、半田付け性、
ろう付け性共悪く、不満足な結果となった。
【0054】比較例2 実施例1、3において、使用するアンモニア水を水酸化
ナトリウム溶液に変更した以外は全く同じ条件で、ニッ
ケルメッキ、水酸化ナトリウム溶液への浸漬を行なっ
た。本実験に用いた水酸化ナトリウム溶液は、市販の試
薬特級品を2モル濃度に調製したものである。水酸化ナ
トリウム溶液浸漬後水洗、乾燥した。ニッケルメッキ層
表面には、褐色の斑点が密集した形態のメッキ変色が多
発しており、メッキ変色発生率は60%で、半田付け
性、ろう付け性共悪く、不満足な結果となった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−53935(JP,A) 特開 昭57−114672(JP,A) 特開 平2−80582(JP,A) 特開 平3−68785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/16 H05K 3/28 C09K 15/16 C09K 15/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解メッキによって基材表面に形成さ
    れたニッケルメッキ層の表面を、ニッケルイオンと配位
    し得る窒素含有化合物を存在せしめた溶液と接触させる
    ことを特徴とするニッケルメッキされた基材の処理方
    法。
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