JP2003071707A - 面加工装置 - Google Patents

面加工装置

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JP2003071707A
JP2003071707A JP2001257948A JP2001257948A JP2003071707A JP 2003071707 A JP2003071707 A JP 2003071707A JP 2001257948 A JP2001257948 A JP 2001257948A JP 2001257948 A JP2001257948 A JP 2001257948A JP 2003071707 A JP2003071707 A JP 2003071707A
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surface plate
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radial direction
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JP2001257948A
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Naoyuki Jinbo
直幸 神保
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 面形状の高精度制御を十分にかつ低コストで
行うことができる面加工装置を提供すること。 【解決手段】 この面加工装置1は、回転駆動される定
盤5と、被加工物W1を保持する被加工物保持手段31
と、被加工物位置変更手段21とを備える。被加工物W
1は、定盤5の回転中心O1から所定距離だけ離間した
加工位置にて固定され、その状態で回転中の定盤5に摺
接される。被加工物位置変更手段21は、被加工物保持
手段31を定盤5の半径方向R1に沿って直線的に移動
させることにより、被加工物W1の加工位置を変更す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定盤と被加工物保
持手段とを備える面加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、大型の円盤状の被加工物(例えば
ラップ盤やポリッシュ盤等の定盤等)を製造する際、そ
の特定の面を所望形状の面(具体的には平坦面、中凹状
や中凸状のアール面)に仕上げたい場合がある。この場
合、被加工物の特定面に対して研削加工を行う必要があ
る。
【0003】かかる面加工を達成する手法の1つとして
は、平面加工装置の一種であるロータリ方式の平面研削
盤を用いた研削加工がある。その際、回転するロータリ
テーブル上に被加工物をあらかじめ固定しておく。この
ような状態で、回転する砥石の一部をその被加工物の上
面に対して接触させる。その結果、当該面の研削加工が
行われるようになっている。しかしながら、ロータリ方
式の平面研削盤では、加工時に砥石を微妙に上下動させ
る必要があるので、被加工物の特定面をミクロン単位で
正確に仕上げることが殆ど不可能である。従って、ロー
タリ方式の平面研削盤を単純に用いたとしても、高精度
のアール面を得ることができなかった。
【0004】このような問題を解決しうる従来技術とし
ては、図3に示すような面加工装置51が知られてい
る。この面加工装置51は、図示しない回転駆動装置に
よって回転される定盤52、被加工物W1を自由回転可
能な状態で保持する被加工物保持治具53、当該治具5
3を水平方向に常時往復動させる流体圧シリンダ54な
どを備えている。面加工時においては、回転中の定盤5
2の加工面52aに対して被加工物W1が押し付けられ
る。その際、被加工物W1に加わる摩擦力の作用によ
り、被加工物W1が所定方向に連れ回りを起こす。この
ような現象が起こるのは、定盤52の外周部付近の周速
のほうが中心部のそれに比べて速いことに起因する。そ
して、このような連れ回りが起こることにより、高精度
な平坦面のみならず、高精度なアール面を比較的簡単に
得ることができるようになっている。なお、これと同様
のものは、例えば特開平11−320392号公報にも
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本願発明者
らは、定盤52の回転中心O1からの被加工物W1の離
間距離L1を適宜変更し、その離間距離L1を固定して
加工を行うことにより、被加工物W1における平面形状
の高精度制御が可能なことを近年知見している。よっ
て、平面形状の制御を精度良くかつ十分に行うために
は、被加工物W1の離間距離L1を極力広い範囲で変更
可能な面加工装置が必要になる。
【0006】しかしながら、図3に示される従来の装置
51は、治具53をA1方向に沿って(言い換えると定
盤53の半径方向R1と交差する方向に沿って)直線運
動させる構造を有している。このため、治具53の移動
距離自体が大きい割には、被加工物W1の離間距離L1
を変更しうる範囲が狭いという欠点があった。従って、
平面形状の高精度制御を十分に行うことができなかっ
た。
【0007】また、面加工時に治具53を常時往復動さ
せる上記従来の装置51の場合、離間距離固定方式に比
べてその分だけ余分なエネルギーが必要であることか
ら、ランニングコストが高くなるという欠点もあった。
【0008】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その目的は、面形状の高精度制御を十分
にかつ低コストで行うことができる面加工装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、回転駆動される定盤
と、被加工物を自由回転可能な状態で保持する被加工物
保持手段とを備え、前記定盤の回転中心からの前記被加
工物の離間距離を固定し、この状態で前記被加工物を回
転中の定盤に摺接させて面加工を行う面加工装置であっ
て、前記被加工物保持手段を前記定盤の半径方向に沿っ
て直線的に移動させることにより前記被加工物の加工位
置を変更する被加工物位置変更手段を備えたことを特徴
とする面加工装置をその要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記被加工物位置変更手段は、前記定盤の半径方向
に沿って延設されたボールねじと、前記ボールねじのね
じ軸を回転駆動させる高精度モータとを含んで構成さ
れ、前記被加工物保持手段は前記ボールねじのナット部
に支持されているとした。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記被加工物位置変更手段は、前記被加工
物の一部が前記定盤からオーバーハングするまで前記被
加工物保持手段を移動しうるように構成されているとし
た。
【0012】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、被加工物位置変更
手段が被加工物保持手段を定盤の半径方向に沿って直線
的に移動させることにより、被加工物の加工位置が変更
される。従って、被加工物保持手段を定盤の半径方向と
交差する方向に移動させる従来装置に比べて、定盤の回
転中心からの被加工物の離間距離を変更しうる範囲が広
くなる。このため、平面形状の高精度制御を十分に行う
ことが可能となる。また、本発明では定盤の回転中心か
らの被加工物の離間距離を固定した状態で面加工を行う
ため、従来の離間距離可変方式とは異なり、面加工時に
被加工物保持手段を駆動させるためのエネルギーが不要
である。よって、ランニングコストがそれほど高くなら
ない。
【0013】請求項2に記載の発明によると、高精度モ
ータを駆動してナット部及び被加工物保持手段をねじ軸
に沿って移動させることにより、被加工物の加工位置を
任意に変更することができる。高精度モータを停止すれ
ば、定盤の回転中心からの被加工物の離間距離を確実に
固定することができる。また、高精度モータを用いてい
ることから、目的とする加工位置に被加工物を正確に止
めることができる。
【0014】請求項3に記載の発明によると、被加工物
をオーバーハングさせた状態で面加工を行うことが可能
なため、中凹状のアール面を容易に得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の面加工装置を具体
化した一実施形態の平面ラップ装置1を図1,図2に基
づき詳細に説明する。
【0016】図1には、本実施形態の平面ラップ装置1
が示されている。この平面ラップ装置1を構成する本体
2は、工場の床面3に設置されている。本体2内には定
盤5を回転駆動させるための回転駆動装置4が収容され
ている。この回転駆動装置4は、上方に向かって垂直に
延びる回転軸6を備えている。回転軸6の下端部は図示
しないモータに機械的に連結され、同モータを動かすこ
とにより回転軸6が一定方向に回転するように構成され
ている。一方、回転軸6の上端部は、定盤5の中心部に
ある取付孔に下方側から挿入された状態で、図示しない
ボルトを用いて固定されている。従って、回転軸6が回
転すると、定盤5が一体的に回転するようになってい
る。なお、定盤5は本体2の上面において水平に配置さ
れている。
【0017】図2(a),(b)に示されるように、定
盤5は円盤状を呈した金属製部材であって、その上面の
ほぼ全体(具体的には上面中央部を除く領域)が加工面
5aとなっている。定盤5の上面における加工領域に
は、図示しない多数の研削用溝が同心円状に形成されて
いる。なお、本装置1により研削される被加工物W1と
しては、例えば1)工作機械のロータリテーブル、2)
ラップ盤、ポリッシュ盤、ウェハ研磨装置の定盤または
プッシャプレート、3)大型レンズなど、即ち各種の大
型製品が挙げられる。
【0018】図1に示されるように、本体2の上面側に
は、定盤5をカバーするフレーム11が設けられてい
る。そのフレーム11の天井部12には、開口部13が
形成されている。天井部12において前記開口部13が
ある箇所には、回転駆動手段の回転運動を直線運動に変
換する機構の一種であるボールねじ14が配設されてい
る。
【0019】本実施形態において使用されるボールねじ
14は、ねじ軸15、ガイドフレーム16、ナット部1
7、一対のエンドブロック18,19等によって構成さ
れている。ガイドフレーム16の両端部にはエンドブロ
ック18,19が固定されている。両エンドブロック1
8,19の中央部には貫通孔が形成されている。ガイド
フレーム16内において前記両エンドブロック18,1
9間の位置には、ナット部17が配置されている。ナッ
ト部17はガイドフレーム16に対して摺動可能に係止
している結果、回り止めが図られている。ナット部17
の貫通孔及び両エンドブロック18,19の貫通孔に
は、ねじ軸15が回転可能に挿通されている。ねじ軸1
5の外周面には、ねじ溝が連続的に形成されている。そ
して、本実施形態においては、ねじ軸15が定盤5の半
径方向R1に沿って延びるように、ボールねじ14が天
井部12に設けられている。本実施形態のボールねじ1
4の長さは、定盤5の半径の大きさにほぼ匹敵する。
【0020】一方のエンドブロック18の外端面には、
ねじ軸回転駆動手段としてのモータ20が取り付けられ
ている。本実施形態では、かかるモータ20として高精
度モータの一種であるサーボモータを使用している。こ
のモータ20の出力軸と、エンドブロック18を貫通し
たねじ軸15の一端とは、図示しないカップリングを介
して一体回転可能に連結されている。
【0021】即ち、本実施形態においては、ボールねじ
14と、ボールねじ14のねじ軸15を回転駆動させる
高精度モータ20とによって、被加工物位置変更手段2
1が構成されている。
【0022】図1に示されるように、ナット部17の下
面側には、エアシリンダ22が下向きに支持されてい
る。エアシリンダ22の備えるロッド23の先端には、
被加工物保持手段31が支持されている。被加工物保持
手段31がエアシリンダ22を介してナット部17に間
接的に支持されていると把握することもできる。
【0023】本実施形態の被加工物保持手段31は、軸
受32、回転軸33及びプッシャプレート34からな
る。軸受32はロッド23の先端部に固定されている。
軸受32の下面側には、回転軸33が鉛直方向に沿って
延びかつ自由回転可能な状態で軸支されている。回転軸
33の下端部には、円盤状のプッシャプレート34が回
転軸33と一体回転可能な状態で固定されている。プッ
シャプレート34の下面には、円盤状の被加工物W1が
貼着等により保持される。
【0024】前記エアシリンダ22に加圧エアを供給す
ると、エアシリンダ22が伸張し、軸受32、回転軸3
3及びプッシャプレート34がともに下動する。その結
果、被加工物W1が加工面5aに所定の押圧力で押し付
けられる。エアシリンダ22への加圧エアの供給を停止
すると、エアシリンダ22が収縮し、軸受32、回転軸
33及びプッシャプレート34が上動する。その結果、
被加工物W1が加工面5aから離間する。
【0025】図1に示されるように、この平面ラップ装
置1は制御ユニット41を備えている。本実施形態の場
合、制御ユニット41は本体2の上面にて垂直に立設さ
れている。制御ユニット41は操作部42及び制御コン
ピュータ43を備えている。操作部42は制御コンピュ
ータ43に電気的に接続されており、制御コンピュータ
43に操作情報を出力するようになっている。前記操作
部42には、例えば、被加工物W1の加工位置を選択・
決定するためのスイッチ等が設けられている。
【0026】一方、平面ラップ装置1における各モータ
は、図示しないモータドライバ回路を介して制御コンピ
ュータ43にそれぞれ接続されている。エアシリンダ2
2は、図示しない電磁弁を介して制御コンピュータ43
にそれぞれ接続されている。制御コンピュータ43の記
憶手段には、所定の制御プログラムが格納されている。
制御コンピュータ43のCPUは、そのプログラムに従
ってこれらの機器を制御する。
【0027】次に、上記の平面ラップ装置1を用いた面
加工方法について述べる。あらかじめプッシャプレート
34の下面に被加工物W1を貼着しておく。この状態で
操作部42のスイッチを操作することにより、被加工物
W1の加工位置を選択・決定する。具体的には、モータ
20を駆動させて、ナット部17及びプッシャプレート
34等をねじ軸15に沿って(即ち定盤5の半径方向R
1に沿って)所定の位置(例えば図1において実線で示
す位置)に直線的に移動させる。その後、前記モータ2
0を止め、前記所定位置にてナット部17及びプッシャ
プレート34等を移動不能に停止させる。その結果、定
盤5の回転中心O1からの被加工物W1の離間距離L1
が固定され、被加工物W1の加工位置が決定される。こ
こで「回転中心O1からの被加工物W1の離間距離L
1」とは、回転中心O1と被加工物W1の中心点との離
間距離を指す。
【0028】このように加工位置を固定した後、定盤5
を回転させたうえでエアシリンダ22を伸張させる。す
ると、プッシャプレート34が下動する結果、被加工物
W1が回転中の定盤5に摺接し、被加工物W1の下面が
研磨加工される。なお、通電を絶ってモータ20を停止
させておけば、基本的に、ナット部17が定盤5の半径
方向R1に沿って位置ズレするようなことはない。
【0029】例えば離間距離L1をさらに大きくしたい
ような場合には、まずエアシリンダ22を収縮させて一
旦プッシャプレート34を上動させ、被加工物W1を定
盤5から離間させる。次に、モータ20を駆動させて、
ナット部17及びプッシャプレート34等を定盤5の外
周方向に移動させ、例えば図1において二点鎖線で示す
位置)に直線的に移動させる。その後、前記モータ20
を止め、前記位置にてナット部17及びプッシャプレー
ト34等を移動不能に停止させる。かかる位置において
は、被加工物W1の一部が定盤5の外周縁からはみ出し
た(即ちオーバーハングした)状態となる。
【0030】このように加工位置を固定した後、エアシ
リンダ22を再び伸張させてプッシャプレート34を下
動させる。すると、一部がオーバーハングした被加工物
W1を回転中の定盤5に摺接させることができる。
【0031】
【実施例】次に、上記本実施形態をより具体的にしたい
くつかの実施例を紹介する。 (試験方法)ここでは、特殊合金(硬度:HRC54〜
62)からなる直径800mmの定盤5を用い、直径2
00mmかつ厚さ30mmの被加工物W1(炭化珪素製
セラミック板)に対する研磨加工を行った。その際、下
記のような加工条件を設定した。
【0032】・研磨液: スピードファム株式会社製
「210オイル(油性)」 ・研磨砥粒: デュポン社製ダイヤパウダー「多結晶F
15(粒径15μm)」 ・スラリー濃度: 5〜10g/L ・スラリー供給方法: 霧吹きにて10秒ごとに2〜5
回噴射 ・定盤5の回転数: 30〜60rpm ・加工時間: 10分 そして、回転中心O1からの被加工物W1の離間距離L
1をそれぞれ170mm、200mm、250mm、3
00mm、330mmに設定し、この順に実施例1〜5
とした。なお、L1=330mmに設定したもの(実施
例5)のみが定盤5の外周縁からオーバーハングした状
態となり、そのオーバーハング量OVHは30mmであ
った。なお「オーバーハング量OVH」とは、定盤5の
回転中心O1及び被加工物W1の中心点の両方を通る線
分と、オーバーハング領域とが交わる部分の長さを指す
と定義する。
【0033】そして、平面ラップ装置1による面加工を
行い、被加工物W1の連れ回りの有無及び被加工物W1
の平面度(μm)を調査した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 (試験結果)上記実施例1〜5において、いずれも定盤
5との摺接により被加工物W1の連れ回りが起こること
が確認された。また、実施例1〜3の条件に設定すれば
中凸状の製品が得られ、実施例4の条件に設定すれば平
坦状に近い製品が得られ、実施例5の条件に設定すれば
中凸状の製品が得られることがわかった。なお、参考の
ため、表1に研磨レート(μm/分)及び面粗度Ra
(μm)の調査結果も示しておく。
【0035】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)本実施形態の平面ラップ装置1は、上記のごと
く、被加工物保持手段31を定盤5の半径方向R1に沿
って直線的に移動させることにより被加工物W1の加工
位置を変更する被加工物位置変更手段21を備えてい
る。従って、被加工物保持手段31を定盤5の半径方向
R1と交差する方向に移動させる図3の従来装置に比べ
て、被加工物W1の離間距離L1を変更しうる範囲が確
実に広くなる。
【0036】つまり、図3の従来装置では、前記実施例
1〜3にて設定したような離間位置を採ること、言い換
えると小さいL1値を採ることができなかった。これに
対して本実施形態の装置1の場合、大きいL1値ばかり
でなく小さいL1値も同様に採ることが可能である。以
上のことから、本実施形態の装置1によれば平面形状の
高精度制御を十分に行うことが可能となる。
【0037】(2)本実施形態の平面ラップ装置1は、
被加工物W1の離間距離L1を固定した状態で、被加工
物W1を回転中の定盤5に摺接させて面加工を行う、い
わゆる離間距離固定方式の装置である。このため、図3
に示した従来の離間距離可変方式の面加工装置とは異な
り、面加工時に被加工物保持手段31を駆動させるため
のエネルギーが不要である。よって、ランニングコスト
がそれほど高くならなず、経済的であるという利点があ
る。
【0038】また、面加工時に離間距離L1を変更する
従来の面加工装置を用いた場合、被加工物W1に絶えず
作用する摩擦力に抗して、被加工物保持手段を移動させ
る必要がある。ゆえに、被加工物位置変更手段を構成す
る流体圧シリンダ等のアクチュエータには大きな駆動力
が必要となり、その結果として同被加工物位置変更手段
の大型化・高コスト化が避けられない。これに対して本
装置1では、面加工をしていないときに離間距離L1の
変更を行うことはあっても、面加工時に離間距離L1の
変更を行うことはない。ゆえに、上記従来技術のような
大駆動力のアクチュエータを必要とせず、比較的小型の
アクチュエータで十分足りることとなる。従って、被加
工物位置変更手段21の大型化・高コスト化が回避さ
れ、ひいては装置全体の大型化・高コスト化を回避する
ことができる。
【0039】(3)本実施形態の平面ラップ装置1は、
定盤5の半径方向R1に沿って延設されたボールねじ1
4と、それのねじ軸15を回転駆動させる高精度モータ
20とによって構成された被加工物位置変更手段21を
備えている。従って、モータ20を駆動してナット部1
7及び被加工物保持手段31をねじ軸15に沿って移動
させることにより、被加工物W1の加工位置を任意に変
更することができる。勿論、モータ20を停止すれば、
被加工物W1の離間距離L1を任意の位置にて確実に固
定することができる。
【0040】特に本実施形態では、高精度モータ20と
してサーボモータを使用していることから、目的とする
加工位置にて被加工物W1を極めて正確に、かつ多段階
的に止めることができる。このことは平面形状のさらな
る高精度制御を達成するうえで大いに貢献する。
【0041】(4)本実施形態の平面ラップ装置1にお
ける被加工物位置変更手段21は、被加工物W1の一部
が定盤5の外周縁からオーバーハングするまで被加工物
保持手段31を移動しうるように構成されている。従っ
て、平坦状の面や中凸状のアール面ばかりでなく、中凹
状のアール面についても容易に得ることが可能である。
【0042】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 被加工物保持手段31を昇降させる手段であるエア
シリンダ22を他のアクチュエータ(例えば電動シリン
ダ等)に変更してもよい。また、特に必要がない場合に
は、同アクチュエータを省略した構成を採ることも可能
である。
【0043】・ モータ20は定盤5の外周縁部上方位
置に配置されていてもよいほか、定盤5の中心部上方位
置に配置されていてもよい。 ・ 被加工物位置変更手段21における電気的回転駆動
手段として用いられるモータ20は、実施形態にて例示
したサーボモータのみに限定されず、例えばステッピン
グモータ等のような他種の高精度モータであってもよ
い。
【0044】・ 実施形態にて例示したボールねじ14
とは異なるタイプの直線運動変換機構を用いて、被加工
物位置変更手段21を構成してもよい。 ・ なお、本発明の面加工装置1は大型製品の面加工の
みならず、小型製品の面加工に適用されても勿論構わな
い。
【0045】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 請求項1において、前記被加工物位置変更手段
は、回転駆動手段と、前記回転駆動手段の回転運動を前
記定盤の半径方向に沿った直線運動に変換する変換機構
とを含んで構成されていること。従って、この技術的思
想1に記載の発明によれば、面形状をよりいっそう高精
度に制御することができる。
【0046】(2) 請求項1において、前記被加工物
位置変更手段は、電気的回転駆動手段と、前記電気的回
転駆動手段の回転運動を前記定盤の半径方向に沿った直
線運動に機械的に変換する変換機構とを含んで構成され
ていること。従って、この技術的思想2に記載の発明に
よれば、面形状をよりいっそう高精度に制御することが
できる。
【0047】(3) 請求項1において、前記被加工物
位置変更手段は、任意の回転位置において停止可能な電
気的回転駆動手段と、前記電気的回転駆動手段の回転運
動を前記定盤の半径方向に沿った直線運動に機械的に変
換する変換機構とを含んで構成されていること。従っ
て、この技術的思想3に記載の発明によれば、目的とす
る加工位置に被加工物を正確に止めることができ、面形
状をよりいっそう高精度に制御することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、面形状の高精度制御を十分にかつ低
コストで行うことができる面加工装置を提供することに
ある。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、面形状を
よりいっそう高精度に制御することができる。請求項3
に記載の発明によれば、中凹状のアール面を容易に得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の平面ラップ装
置の概略図。
【図2】(a)は実施形態の平面ラップ装置の動きを説
明するための定盤及び被加工物の概略平面図、(b)は
定盤、プッシャプレート及び被加工物の概略斜視図。
【図3】従来の面加工装置の動きを説明するための定盤
及び被加工物の概略平面図。
【符号の説明】
1…面加工装置としての平面ラップ装置、5…定盤、1
4…ボールねじ、15…ねじ軸、17…ナット部、20
…高精度モータとしてのサーボモータ、21…被加工物
位置変更手段、31…被加工物保持手段、W1…被加工
物、R1…定盤の半径方向、O1…定盤の回転中心。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動される定盤と、被加工物を自由回
    転可能な状態で保持する被加工物保持手段とを備え、前
    記定盤の回転中心からの前記被加工物の離間距離を固定
    し、この状態で前記被加工物を回転中の定盤に摺接させ
    て面加工を行う面加工装置であって、前記被加工物保持
    手段を前記定盤の半径方向に沿って直線的に移動させる
    ことにより前記被加工物の加工位置を変更する被加工物
    位置変更手段を備えたことを特徴とする面加工装置。
  2. 【請求項2】前記被加工物位置変更手段は、前記定盤の
    半径方向に沿って延設されたボールねじと、前記ボール
    ねじのねじ軸を回転駆動させる高精度モータとを含んで
    構成され、前記被加工物保持手段は前記ボールねじのナ
    ット部に支持されていることを特徴とする請求項1に記
    載の面加工装置。
  3. 【請求項3】前記被加工物位置変更手段は、前記被加工
    物の一部が前記定盤からオーバーハングするまで前記被
    加工物保持手段を移動しうるように構成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の面加工装置。
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