JP2003068623A - ステージ装置およびステージ駆動方法並びに露光装置 - Google Patents

ステージ装置およびステージ駆動方法並びに露光装置

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JP2003068623A
JP2003068623A JP2001258088A JP2001258088A JP2003068623A JP 2003068623 A JP2003068623 A JP 2003068623A JP 2001258088 A JP2001258088 A JP 2001258088A JP 2001258088 A JP2001258088 A JP 2001258088A JP 2003068623 A JP2003068623 A JP 2003068623A
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Masaru Arai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステージ移動時の振動の影響を抑制する際に
も、装置の大型化や複雑化、コストアップを回避する。 【解決手段】 第1移動子64Aと第1固定子66とを
有し、ステージ本体1Aを第1方向に駆動する第1駆動
装置61Aと、第2移動子と、第1移動子64Aに接続
された第2固定子2Aとを有し、ステージ本体1Aを第
2方向に駆動する第2駆動装置62Aと、第1駆動装置
61Aによりステージ本体1Aを駆動させた際に発生す
る反力により移動する移動装置65と、少なくとも一部
が第2固定子2Aに接続され、第2駆動装置62Aによ
りステージ本体1Aを駆動させた際に発生する反力をス
テージ本体1Aとは振動的に分離された部分BPに伝達
する伝達装置73とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板を保持するス
テージ本体が複数の方向に移動するステージ装置および
ステージ駆動方法、並びにこのステージ装置に保持され
たマスクと基板とを用いて露光処理を行う露光装置に関
し、特に半導体集積回路や液晶ディスプレイ等のデバイ
スを製造する際に、リソグラフィ工程で用いて好適なス
テージ装置および露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置と
しては、近年における集積回路の高集積化に伴うパター
ンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レ
チクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小
転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0004】これらの縮小投影露光装置においては、ス
テージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベース
プレートが設置され、その上に床振動を遮断するための
防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよ
び投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが
載置されたものが多く用いられている。最近のステージ
装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマ
ウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備
え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、
例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコ
イルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を
制御するアクティブ防振台が採用されている。
【0005】ところが、上記のステッパ等では、ウエハ
上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット
領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエ
ハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステ
ージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの
場合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラ
ムの振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対
位置誤差を生じさせるという不都合があった。特に、ア
ライメント時や露光時における上記相対位置誤差は、結
果的にウエハ上で設計値と異なる位置にパターンが転写
されたり、その位置誤差に振動成分を含む場合には像ボ
ケ(パターン線幅の増大)を招いたりする原因になると
いう不都合があった。
【0006】従って、係る不都合を抑制するためには、
上記のアクティブ防振台等により本体コラムの振動を十
分に減衰させる必要がある。例えばステッパの場合に
は、ウエハステージが所望の位置に位置決めされ十分に
整定されるのを待ってアライメント動作や露光動作を開
始する必要がある。また、スキャニング・ステッパの場
合には、レチクルステージとウエハステージとの同期整
定を十分に確保した状態で露光を行う必要があった。こ
のため、スループット(生産性)を悪化させる要因とな
っていた。
【0007】また、近年におけるレチクルやウエハの大
型化に伴い、両ステージが大型化し、上記特開平8−1
66475号公報や特開平8−330224号公報に記
載された発明を用いても、フレーム部材を伝わって床側
に逃げる反力に起因してフレーム部材自身が振動した
り、床に逃げた反力が防振台を介して投影光学系を保持
する本体コラム(メインボディ)に伝わってこれを加振
する、いわゆる揺れ返しが生じる虞がある。そのため、
スループットをある程度確保しつつ高精度な露光を行う
ことは困難になっている。
【0008】そこで、例えば特開平8−63231号公
報には、ベース上に浮揚支持されるステージ本体と駆動
フレームとを設け、ステージ本体の前進移動に伴う反力
で駆動フレームが後退するステージ装置が開示されてい
る。この技術によれば、ステージ本体と駆動フレームと
の間に運動量保存の法則が働き、ベース上における装置
の重心の位置が維持されるため、フレーム部材への振動
の影響を小さくすることができる。
【0009】図9に、この種のステージ装置の一例を示
す。このステージ装置は、基板(感光基板)としてのウ
エハWを保持する移動ステージ(ステージ本体)1がリ
ニアモータ等の駆動により、Xガイドバー2に沿ってX
方向に移動するとともに、Xガイドバー2がリニアモー
タを構成する固定子3、3に沿ってY方向に移動するこ
とで、ウエハWがXY平面に沿う2次元方向に移動する
ものである。固定子3、3は、両端において連結部材
4、4で連結され矩形枠状の、いわゆるカウンターマス
5を形成しており、カウンターマス5はベース(定盤)
上でXY平面に沿って移動自在に浮揚支持されている。
【0010】そして、移動ステージ1がXY平面に沿っ
て移動すると、移動に伴う反力でカウンターマス5が移
動することで運動量保存の法則が働き、ベース上におけ
る装置の重心の位置が維持される。その結果、装置の外
部に反力を伝えることなく移動ステージ1(すなわちウ
エハW)を移動させることができ、ステージ移動時の振
動を最小限に抑えることが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のステージ装置およびステージ駆動方法並
びに露光装置には、以下のような問題が存在する。固定
子3、3が移動してもカウンターマス5が変形しないよ
うに連結部材4を強固にする必要があるため、連結部材
4を有するカウンターマス5の重量化および大型化を招
くという問題があった。また、カウンターマス5がX
軸、Y軸の両方向に移動するため、各方向で移動ストロ
ーク以上のスペースを確保しなければならず、やはり装
置が大型化してしまうという問題があった。
【0012】一方、移動ステージ1の位置や移動する方
向によっては、例えば移動ステージ1がカウンターマス
5の中心に対して偏心している場合には、カウンターマ
ス5にZ軸回り(鉛直軸回り)の回転モーメントが加わ
り、カウンターマス5、移動ステージ1およびウエハW
がZ軸回りに回転運動することになる。そのため、移動
ステージ1に対する回転方向のセンシングおよび回転運
動を阻止する位置制御のために別途センサーやアクチュ
エータが必要になり、装置構成の複雑化、大型化および
コストアップにつながるという問題もあった。
【0013】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ステージ移動時の振動の影響を抑制する際
にも、装置の大型化や複雑化、コストアップを回避でき
るステージ装置およびステージ駆動方法、並びにこのス
テージ装置を備えた露光装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図7に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明のステージ
装置は、基板(W、W1、W2)を保持して第1方向
(Y方向)および第2方向(X方向)に移動するステー
ジ本体(1、1A、1B)を備えたステージ装置(WS
T)であって、第1移動子(64A、64B)と第1固
定子(66)とを有し、ステージ本体(1、1A、1
B)を第1方向(Y方向)に駆動する第1駆動装置(6
1A、61B)と、第2移動子と、第1移動子(64
A、64B)に接続された第2固定子とを有し、ステー
ジ本体(1、1A、1B)を第2方向(X方向)に駆動
する第2駆動装置(62A、62B)と、第1駆動装置
(61A、61B)によりステージ本体(1、1A、1
B)を駆動させた際に発生する反力により移動する移動
装置(65)と、少なくとも一部が第2固定子に接続さ
れ、第2駆動装置(62A、62B)によりステージ本
体(1、1A、1B)を駆動させた際に発生する反力を
ステージ本体(1、1A、1B)とは振動的に分離され
た部分(BP)に伝達する伝達装置(73)とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0015】従って、本発明のステージ装置では、ステ
ージ本体(1、1A、1B)を介して基板(W、W1、
W2)を第1方向(Y方向)に移動させた際の反力で移
動装置(65)が移動し、ステージ本体(1、1A、1
B)を介して基板(W、W1、W2)を第2方向(X方
向)に移動させた際の反力をステージ本体(1、1A、
1B)とは振動的に分離された部分(BP)に伝達する
ので、ベース上における装置の重心の位置が維持され、
ステージ本体(1、1A、1B)移動時の振動を抑制す
ることができる。そして、本発明では、ステージ本体
(1、1A、1B)の移動に伴う反力により第1方向
(Y方向)にのみ移動装置(65)が移動し、第2方向
(X方向)については反力による移動がないので、第2
方向(X方向)に移動スペースを確保する必要がなくな
り、装置の大型化を阻止できる。また、本発明では、第
1駆動装置(61A、61B)の駆動を制御すること
で、ステージ本体(1、1A、1B)の回転を防止でき
るので、回転方向のセンシングおよび回転運動を阻止す
る位置制御のための装置を別途設ける必要がなくなり、
装置の大型化や複雑化、コストアップを回避することが
できる。さらに、本発明では、伝達装置(73)の少な
くとも一部が第2固定子に接続されているので、ステー
ジ本体(1、1A、1B)に接続された場合に比較し
て、振動による影響を抑制することができる。
【0016】また、本発明のステージ装置は、基板
(W、W1、W2)を保持して第1方向(Y方向)およ
び第2方向(X方向)に移動するステージ本体(1、1
A、1B)を備えたステージ装置(WST)であって、
第1移動子(64A、64B)と第1固定子(66)と
を有し、ステージ本体(1、1A、1B)を第1方向
(Y方向)に駆動する第1駆動装置(61A、61B)
と、第2移動子と第2固定子とを有し、ステージ本体
(1、1A、1B)を第2方向(X方向)に駆動する第
2駆動装置(62A、62B)と、第1駆動装置(61
A、61B)によりステージ本体(1、1A、1B)を
駆動させた際に発生する反力により移動する移動装置
(65)と、移動装置(65)を挟んで設けられ、第2
駆動装置(62A、62B)によりステージ本体(1、
1A、1B)を駆動させた際に発生する反力をステージ
本体(1、1A、1B)とは振動的に分離された部分
(BP)に伝達する伝達装置(73)とを備えたことを
特徴とするものである。
【0017】従って、本発明のステージ装置では、ステ
ージ本体(1、1A、1B)を介して基板(W、W1、
W2)を第1方向(Y方向)に移動させた際の反力で移
動装置(65)が移動し、ステージ本体(W、W1、W
2)を介して基板(W、W1、W2)を第2方向(X方
向)に移動させた際の反力をステージ本体(1、1A、
1B)とは振動的に分離された部分(BP)に伝達する
ので、ベース上における装置の重心の位置が維持され、
ステージ本体(1、1A、1B)移動時の振動を抑制す
ることができる。そして、本発明では、ステージ本体
(1、1A、1B)の移動に伴う反力により第1方向
(Y方向)にのみ移動装置(65)が移動し、第2方向
(X方向)については反力による移動がないので、第2
方向(X方向)に移動スペースを確保する必要がなくな
り、装置の大型化を阻止できる。また、本発明では、第
1駆動装置(61A、61B)の駆動を制御すること
で、ステージ本体(W、W1、W2)の回転を防止でき
るので、回転方向のセンシングおよび回転運動を阻止す
る位置制御のための装置を別途設ける必要がなくなり、
装置の大型化や複雑化、コストアップを回避することが
できる。さらに、本発明では、伝達装置(73)が移動
装置(65)を挟んで設けられるので、移動装置(6
5)をステージ本体(1、1A、1B)と同じ高さに配
置した場合でも、ステージ本体(1、1A、1B)を安
定した状態で第1方向(Y方向)に移動させることがで
きる。
【0018】そして、本発明のステージ駆動方法は、基
板(W、W1、W2)を保持するステージ本体(1、1
A、1B)を第1方向(Y方向)および第2方向(X方
向)に駆動するステージ駆動方法であって、第1移動子
(64A、64B)と第1固定子(66)とを有する第
1駆動装置(61A、61B)によりステージ本体
(1、1A、1B)を第1方向(Y方向)に駆動した際
に発生する反力を用いて質量体(65)を移動させるス
テップと、第2移動子と、第1移動子(64A、64
B)に接続された第2固定子とを有する第2駆動装置
(62A、62B)によりステージ本体(1、1A、1
B)を第2方向(X方向)に駆動した際に発生する反力
をステージ本体(1、1A、1B)とは振動的に分離さ
れた部分(BP)に伝達するステップとを含むことを特
徴とするものである。
【0019】従って、本発明のステージ駆動方法では、
ステージ本体(1、1A、1B)を介して基板(W、W
1、W2)を第1方向(Y方向)に移動させた際の反力
で質量体(65)が移動し、ステージ本体(1、1A、
1B)を介して基板(W、W1、W2)を第2方向(X
方向)に移動させた際の反力をステージ本体(1、1
A、1B)とは振動的に分離された部分(BP)に伝達
するので、ベース上における装置の重心の位置が維持さ
れ、ステージ本体(1、1A、1B)移動時の振動を抑
制することができる。そして、本発明では、ステージ本
体(1、1A、1B)の移動に伴う反力により第1方向
(Y方向)にのみ質量体(65)が移動し、第2方向
(X方向)については反力による移動がないので、第2
方向(X方向)に移動スペースを確保する必要がなくな
り、装置の大型化を阻止できる。また、本発明では、第
1駆動装置(61A、61B)の駆動を制御すること
で、ステージ本体(W、W1、W2)の回転を防止でき
るので、回転方向のセンシングおよび回転運動を阻止す
る位置制御のための装置を別途設ける必要がなくなり、
装置の大型化や複雑化、コストアップを回避することが
できる。
【0020】また、本発明の露光装置は、マスクステー
ジ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基
板ステージ(WST)に保持された感光基板(W、W
1、W2)に露光する露光装置(10)において、マス
クステージ(RST)と基板ステージ(WST)との少
なくとも一方のステージとして、請求項1から8のいず
れか1項に記載されたステージ装置(WST)が用いら
れることを特徴としている。
【0021】従って、本発明の露光装置では、マスク
(R)または感光基板(W、W1、W2)を移動させる
ステージ装置(WST)の大型化や複雑化、コストアッ
プを回避できるので、ステージ本体(1、1A、1B)
移動時の振動を抑制しつつ、装置の小型化および低価格
化を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステージ装置およ
びステージ駆動方法並びに露光装置の実施の形態を、図
1ないし図8を参照して説明する。ここでは、露光装置
として、レチクルとウエハとを一次元方向(ここではY
軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルに形成され
た半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写す
る、ステップ・アンド・スキャン方式、またはステップ
・アンド・スティッチ方式からなる走査露光方式の露光
装置を使用する場合の例を用いて説明する。また、この
露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハス
テージに適用するものとする。なお、これらの図におい
て、従来例として示した図9と同一の構成要素には同一
符号を付し、その説明を省略する。
【0023】図1には本発明の一実施形態に係る露光装
置10の全体構成が概略的に示されている。露光装置1
0は、露光用照明光(以下、「照明光」と略述する)I
LによりレチクルR上の矩形状(あるいは円弧状)の照
明領域を均一な照度で照明する不図示の照明系と、レチ
クルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステ
ージRST、レチクルRから射出される照明光をウエハ
W上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基
板ステージとしてのウエハステージ(ステージ装置)W
ST、投影光学系PL,レチクルステージRST及びウ
エハステージWSTが搭載されたボディとしての本体コ
ラム14、及び本体コラム14の振動を抑制あるいは除
去する防振システム等を備えている。
【0024】前記照明光ILとしては、例えば超高圧水
銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線)及びKrF
エキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(D
UV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193n
m)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外
光(VUV光)などが用いられる。
【0025】本体コラム14は、床面FDに水平に載置
された装置の基準となる矩形板状のベースプレートBP
と、このベースプレートBP上面の三角形頂点部分の近
傍にそれぞれ配置された防振ユニット16A〜16C
(但し、図1においては紙面奥側の防振ユニット16C
は図示せず)及びこれらの防振ユニット16A〜16C
を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤18と、この鏡
筒定盤18に4本の支持柱20を介して吊り下げ支持さ
れたウエハステージ定盤22と、鏡筒定盤18に装着さ
れたファーストインバと呼ばれる投影光学系PLの支持
部材24(以下、「ファーストインバ24」と呼ぶ)
と、鏡筒定盤18上に立設されたセカンドインバと呼ば
れるレチクルステージ定盤25の支持部材26(以下、
「セカンドインバ26」と呼ぶ)とを備えている。な
お、ウエハステージ定盤22は、鋳鉄にセラミックスが
溶射等によりコーティングされた構成になっている。
【0026】防振ユニット16A〜16Cは、ベースプ
レートBPの上部に直列に配置されたアクチュエータ部
28と内圧が調整可能なエアマウント30とをそれぞれ
含んで構成されている。防振ユニット16A〜16Cの
各アクチュエータ部28には、ボイスコイルモータがそ
れぞれ少なくとも1つ含まれている。この場合、防振ユ
ニット16A〜16Cの全体としてアクチュエータ部
に、鉛直方向(すなわち図1のZ方向)駆動用のボイス
コイルモータが少なくとも3個、X方向駆動用のボイス
コイルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが
合計で少なくとも3個(但し、X方向駆動用のボイスコ
イルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが各
1つ含まれる)含まれている。また、エアマウント30
は、防振ユニット16A〜16Cのそれぞれに含まれて
いるが、エアマウント30は鏡筒定盤18を下方から支
持するものが少なくとも3つあれば足りる。すなわち、
防振ユニット16A〜16Cのいずれか1つの代わりに
単なる柱を設けても構わない。
【0027】鏡筒定盤18には、図1では図示が省略さ
れているが、該鏡筒定盤18を含む本体コラム14のZ
軸方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速
度センサ等の加速度計)が少なくとも3つ、X方向、Y
方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度
センサ等の加速度計)が合計で少なくとも3つ(但し、
X方向振動検出用センサ及びY方向振動検出用センサを
各1つ含む)取り付けられている。そして、これらの少
なくとも6つの振動センサ(以下、便宜上「振動センサ
群32」と呼ぶ)の出力が後述する主制御装置50(図
5参照)に供給され、該主制御装置50によって本体コ
ラム14の6自由度方向の運動が求められ、防振ユニッ
ト16A〜16Cが制御されるようになっている。すな
わち、本実施形態では、振動センサ群と防振ユニット1
6A〜16Cと、主制御装置50とによって本体コラム
14の振動を制振するためのアクテイブ防振システムが
構成されている。
【0028】セカンドインバ26は、側面視略台形状で
底面及び上面が八角形の多面体の全体形状を有し、各側
面に台形状の開口が形成され、底面が完全に開口したフ
レームである。このセカンドインバ26の上面はレチク
ルステージ定盤25を支持する支持プレートとされてお
り、該支持プレートには、照明光ILの通路を成す矩形
の開口部(不図示)が形成され、この開口部を含む領域
の上面にレチクルステージ定盤25が載置されている。
レチクルステージ定盤25にも開口部に対向して所定の
開口が形成されている。
【0029】レチクルステージRSTは、上記レチクル
ステージ定盤25上に配置されている。レチクルステー
ジRSTは、レチクルRをレチクルステージ定盤25上
でY軸方向に大きなストロークで直線駆動するととも
に、X軸方向及びθZ方向(Z軸回りの回転方向)に関
しても微小駆動が可能な構成となっている。
【0030】レチクルステージRSTは、レチクルステ
ージ定盤25上にY軸方向に沿って設けられた不図示の
Yガイドに沿って移動するマスク粗動ステージとしての
レチクル粗動ステージ11と、このレチクル粗動ステー
ジ11上を一対のXボイスコイルモータ36A、36B
(図1では図示せず、図5参照)と一対のYボイスコイ
ルモータ36C、36D(図1では図示せず、図5参
照)とによってX、Y、θZ方向に微少駆動されるマス
ク微動ステージとしてのレチクル微動ステージ12とを
含んで構成されている。レチクルRはレチクル微動ステ
ージ12に、例えば真空吸着等によって固定されてい
る。
【0031】レチクル粗動ステージ11は、不図示のエ
アベアリングによってYガイドに対して非接触で支持さ
れており、Yリニアモータ34A、34B(図1では図
示せず、図5参照)によってY軸方向に所定ストローク
で駆動される構成になっている。本実施形態では、Yリ
ニアモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36
A、36B及びYボイスコイルモータ36C、36Dに
よってレチクルステージRSTの駆動系37(図5参
照)が構成されている。
【0032】Yリニアモータ34A、34Bのそれぞれ
は、レチクルステージ定盤25上に複数のエアベアリン
グによって浮上支持されY軸方向に延びる固定子と、該
固定子に対応して設けられレチクル粗動ステージ11に
固定された可動子とから構成されている。従って、本実
施形態では、レチクルステージRSTが走査方向(Y軸
方向)に移動する際には、一対のYリニアモータ34
A、34Bの可動子と固定子とが相対的に逆方向に移動
する。すなわち、レチクルステージRSTと固定子とが
相対的に逆方向に移動する。レチクルステージRSTと
固定子とレチクルステージ定盤25との3者間の摩擦が
零である場合には、運動量保存の法則が成立し、レチク
ルステージRSTの移動に伴う固定子の移動量は、レチ
クルステージRST全体と固定子との重量比で決定され
る。このため、レチクルステージRSTの走査方向の加
減速時の反力は固定子の移動によって吸収されるので、
上記反力によってレチクルステージ定盤25が振動する
のを効果的に防止することができる。また、レチクルス
テージRSTと固定子とが相対的に逆方向に移動して、
レチクルステージRST、レチクルステージ定盤25等
を含む系の全体の重心位置が所定の位置に維持されるの
で、重心位置の移動による偏荷重が発生しないようにな
っている。かかる詳細は、例えば、特開平8−6323
1号公報に記載されている。
【0033】レチクル微動ステージ12の一部には、そ
の位置や移動量を計測するための位置計測装置であるレ
チクルレーザ干渉計システム38からの測長ビームを反
射する移動鏡40が取り付けられている。レチクルレー
ザ干渉計システム38は、鏡筒定盤18の上面に固定さ
れている。レチクルレーザ干渉計システム38に対応し
た固定鏡42は、投影光学系PLの鏡筒の側面に設けら
れている。そして、レチクルレーザ干渉計システム38
によってレチクルステージRST(具体的にはレチクル
微動ステージ12)のX,Y,θZ方向の位置計測が投
影光学系PLを基準として行われる。
【0034】上記のレチクルレーザ干渉計システム38
によって計測されるレチクルステージRST(即ちレチ
クルR)の位置情報(又は速度情報)はステージ制御装
置44(図1では図示せず、図5参照)及びこれを介し
て主制御装置50に供給される(図5参照)。ステージ
制御装置44は、基本的にはレチクルレーザ干渉計シス
テム38から出力される位置情報(或いは速度情報)が
主制御装置50からの指令値(目標位置、目標速度)と
一致するように上記のYリニアモータ34A、34B及
びボイスコイルモータ36A〜36Dを制御する。
【0035】前記鏡筒定盤18の中央部には円形開口が
形成されており、この円形開口内に上端にフランジが設
けられた円筒状部材から成るファーストインバ24が挿
入され、このファーストインバ24の内部に投影光学系
PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入され
ている。ファーストインバ24の素材としては、低熱膨
張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、
マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む
鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。
【0036】投影光学系PLの鏡筒部の外周部には、該
鏡筒部に一体化された鋳物等から成るフランジFLGが
設けられている。このフランジFLGは、投影光学系P
Lをファーストインバ24に対して点と面とV溝とを介
して3点で支持するいわゆるキネマティック支持マウン
トを構成している。このようなキネマティック支持構造
を採用すると、投影光学系PLのファーストインバ24
に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後のファー
ストインバ24及び投影光学系PLの振動、温度変化、
姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できると
いう利点がある。
【0037】前記投影光学系PLとしては、ここでは、
物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方が
テレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石
を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから
成り投影倍率βが1/4(又は1/5)の屈折光学系が
使用されている。このため、レチクルRに照明光ILが
照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうち
の照明光ILによって照明された部分からの結像光束が
投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立
像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリッ
ト状に制限されて結像される。これにより、投影された
回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面
に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの
1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写され
る。
【0038】前記ウエハステージWSTは、ウエハWを
保持してXY2次元方向に移動する。これを更に詳述す
ると、ウエハステージWSTは、図1では簡略化して示
されているが、実際には、図2に示されるように、ウエ
ハステージ定盤22、移動ステージ(ステージ本体)1
A、1B(適宜、移動ステージ1と総称する)、移動ス
テージ1A、1BをそれぞれY方向(第1方向)に駆動
するYモータ(第1駆動装置)61A、61B、移動ス
テージ1A、1BをそれぞれX方向(第2方向)に駆動
するXモータ(第2駆動装置)62A、62Bを主体と
して構成されたダブル・ステージ方式であり、例えば移
動ステージ1A側でウエハ(基板)W1に対する走査露
光中に、移動ステージ1B側でウエハ(基板)W2の交
換およびアライメントが実施可能になっている。
【0039】移動ステージ1A、1Bは、ウエハステー
ジ定盤22上に不図示のエアベアリングを介して浮上支
持されている。移動ステージ1A、1B上には、試料台
(ホルダ)63A、63Bがそれぞれ載置され、これら
試料台63A、63B上には感光基板であるウエハ(基
板)W1、W2(適宜、ウエハWと総称する)が真空吸
着等によってそれぞれ保持される。試料台63A、63
Bは、移動ステージ1A、1Bに対してX方向、Y方向
およびZ軸回りの回転方向に微動可能であるとともに、
レベリングおよびフォーカシングを行うためにZ方向の
変位、および2軸の回り(すなわち、X軸およびY軸回
り)の傾斜が可能な構成になっている。
【0040】Xモータ62Aは、移動ステージ1Aをス
テップ移動方向であるX方向に駆動するものであって、
X方向に延在するXガイドバー2Aに埋設された不図示
のX固定子(第2固定子;以下XガイドバーをX固定子
として説明する)と、移動ステージ1Aに設けられ、X
固定子との間の電磁気的相互作用によりX方向に駆動さ
れるX移動子(第2移動子;不図示)とから構成されて
いる。同様に、Xモータ62Bは、移動ステージ1Bを
X方向に駆動するものであって、X方向に延在するXガ
イドバー2B(適宜、Xガイドバー2と総称する)に埋
設されたX固定子(第2固定子;不図示)と、移動ステ
ージ1Bに設けられ、X固定子との間の電磁気的相互作
用によりX方向に駆動されるX移動子(第2移動子;不
図示)とから構成されている。
【0041】Yモータ61Aは、移動ステージ1Aをス
キャン方向(走査方向)であるY方向に駆動するもので
あって、図3に示すように、Xガイドバー2Aの両端に
設けられたY移動子(第1移動子)64A、64Aと、
Y移動子64Aに向けて開口する断面コ字状のカウンタ
ーマス(移動装置)65、65(但し、カウンターマス
の形状は左右で異なる)に、Y移動子64Aを挟んだ両
側にY方向に延在して設けられ、Y移動子64A、64
Aとの間の電磁気的相互作用により当該Y移動子64
A、64AをY方向に駆動させるY固定子(第1固定
子)66、66とから構成されている。なお、−X側
(図3中、左側)に配置されるカウンターマス65に
は、Xガイドバー2A、2BやY移動子64A、64B
に接続されるエア用配管、冷媒用配管、電力配線、信号
供給用のシステム配線等の各種用力供給ケーブル等に応
力集中を発生させずに(緩和して)導くための傾斜面が
形成されている。
【0042】同様に、Yモータ61Bは、移動ステージ
1Bをスキャン方向(走査方向)であるY方向に駆動す
るものであって、Xガイドバー2Bの両端に設けられた
Y移動子(第1移動子)64B、64Bと、Y移動子6
4Bに向けて開口するカウンターマス65、65に、Y
移動子64Bを挟んだ両側にY方向に延在して設けら
れ、Y移動子64B、64Bとの間の電磁気的相互作用
により当該Y移動子64B、64BをY方向に駆動させ
るY固定子66、66とから構成されている。すなわ
ち、Y移動子64A、64Bは、複数の移動ステージ1
A、1B毎に設けられるが、カウンターマス65、65
およびY固定子66、66は、移動ステージ1A、1B
の移動範囲に亘る長さを有することで、これらY移動子
64A、64Bに共用される構成になっている。なお、
上記Yモータ61A、61Bは、ムービングコイル形式
のリニアモータを構成している。
【0043】カウンターマス65、65の下面(−Z側
の面)には、エアパッド等のエアベアリングを有しY方
向に延在するYガイド67、67がそれぞれ設けられて
いる。−X側に配置されたカウンターマス65は、ウエ
ハステージ定盤22上に固定された支持部材68にY方
向に沿って形成された突部68aに、Yガイド67が嵌
合することで、質量体としてY方向に非接触で移動自在
に浮揚支持されている。一方、+X側に配置されたカウ
ンターマス65は、ベースプレートBPに立設されたフ
レクシャー構造体69(後述)に対して固定された支持
部材70にY方向に沿って形成された突部70aに、Y
ガイド67が嵌合することで、質量体としてY方向に非
接触で移動自在に浮揚支持されている。なお、カウンタ
ーマス65、65の合計質量と、移動ステージ1A、1
Bの合計質量との比は、5:1程度に設定されている。
【0044】また、このウエハステージWSTには、移
動ステージ1A、1BのX方向への移動に伴う反力を処
理するX方向反力処理装置71と、移動ステージ1A、
1Bの移動時の運動量に基づいてカウンターマス65、
65の運動量を補正するトリムモータ(運動量補正装
置)72、72とが備えられている(図2参照)。
【0045】反力処理装置71は、カウンターマス65
を挟んだZ方向両側に設けられた伝達装置としてのボイ
スコイルモータ(以下、VCMと称する)73、73
と、防振ユニット16A〜16Cによる振動絶縁によっ
て移動ステージ1A、1Bとは振動的に分離された部分
であるベースプレートBP上に固設されアルミ等の材質
で形成されたフレクシャー構造体69とから概略構成さ
れている。
【0046】移動ステージ1AにおけるVCM73は、
Z方向両側に突設されたステー74Aを介してXガイド
バー2Aに接続された移動子(第3移動子)75Aと、
フレクシャー構造体69に固設され電磁気的相互作用
(電磁力)を用いて移動子75AをX方向に沿って移動
させる固定子(第3固定子)76とから構成されてい
る。同様に、移動ステージ1BにおけるVCM73は、
Z方向両側に突設されたステー74Bを介してXガイド
バー2Bに接続された移動子(第3移動子)75Bと、
電磁気的相互作用を用いて移動子75BをX方向に沿っ
て移動させる上記固定子76とから構成されている。す
なわち、移動子75A、75Bは、複数の移動ステージ
1A、1B毎に設けられるが、固定子76は、移動ステ
ージ1A、1Bの移動範囲に亘る長さを有することでこ
れらY移動子64A、64Bに共用される構成になって
いる。
【0047】なお、下側(−Z側)に配置された固定子
76は、既述した支持部材70に保持されており、支持
部材70は、ウエハステージ定盤22との間に介在する
エアパッド等の非接触ベアリングにより、ウエハステー
ジ定盤22に非接触で支持されている。
【0048】トリムモータ72は、図4に示すように、
カウンターマス65の−Y側端部にY方向に沿って延設
された円柱状の移動子77と、移動子77をY方向に駆
動する固定子78とからなるムービングマグネット型の
シャフトモータで構成されており、その駆動は主制御装
置50を介してステージ制御装置44によって制御され
る。
【0049】なお、ウエハステージWSTには、移動ス
テージ1A、1BやXガイドバー2A、2Bに対して各
種用力を供給するための上述した用力供給ケーブル、チ
ューブ等を保持し、且つXガイドバー2A、2Bの移動
(すなわち、移動ステージ1A、1BのY方向の移動)
とそれぞれ同期移動するチューブキャリア83A、83
Bがウエハステージ定盤22の−X側に設けられている
(図3参照)。そして、チューブキャリア83A、83
Bが移動ステージ1A、1Bとそれぞれ同期移動するこ
とで、チューブキャリア83A、83Bと移動ステージ
1A、1Bとの間に配されたケーブル・チューブの変形
が阻止されるため、複数のケーブル・チューブ同士の擦
れ、叩きやケーブル・チューブの変形に伴う抗力等の外
乱に起因する振動の発生を防止することができる。
【0050】前記移動ステージ1A、1B上面のX方向
一側の端部には、移動鏡79XがY方向に延設され、Y
方向の一側の端部には、移動鏡79YがX方向に延設さ
れている。これらの移動鏡79X、79Yに位置検出装
置であるウエハレーザ干渉計システム80(図1参照)
を構成する各レーザ干渉計からの測長ビームがそれぞれ
照射されている。なお、これらの測長ビームに対応する
各レーザ干渉計の少なくとも一方は、測長軸を2本有す
る2軸干渉計が用いられている。
【0051】ウエハレーザ干渉計システム80を構成す
る各レーザ干渉計に対応する各固定鏡は、投影光学系P
Lの鏡筒の下端部に固定されている。ウエハレーザ干渉
計システム80は、鏡筒定盤18上面に配置されてい
る。なお、前述の如く、ウエハステージWST上には、
移動鏡として移動鏡79X、79Yが設けられ、これに
対応して固定鏡もX方向位置計測用の固定鏡とY方向位
置計測用の固定鏡とがそれぞれ設けられ、レーザ干渉計
もX方向位置計測用のものとY方向位置計測用のものと
が設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡
79、固定鏡81、ウエハレーザ干渉計システム80と
して示されている。
【0052】上記のウエハレーザ干渉計システム80に
よってウエハステージWSTのX,Y,θZ方向の位置
計測が投影光学系PLを基準として行われる。そして、
ウエハレーザ干渉計システム80によって計測されるウ
エハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステ
ージ制御装置44及びこれを介して主制御装置50に送
られる。ステージ制御装置44は、基本的にはウエハレ
ーザ干渉計システム80から出力される位置情報(或い
は速度情報)が主制御装置50から与えられる指令値
(目標位置、目標速度)と一致するように上記のYモー
タ61A、61B及びXモータ62A、62Bを制御す
る。
【0053】図5には、本実施形態に係る露光装置10
の制御系の主要な構成がブロック図にて示されている。
この制御系は、マイクロコンピュータ(あるいはワーク
ステーション)から成る制御系としての主制御装置50
を中心として構成されている。この図に示すように、振
動センサ群32の計測結果は、主制御装置50に出力さ
れる。主制御装置50は、入力した計測結果に基づいて
防振ユニット16A〜16Cの駆動をそれぞれ制御す
る。ステージ制御装置44は、主制御装置50の制御下
で、レチクルレーザ干渉計システム38およびウエハレ
ーザ干渉計システム80の計測結果に基づいて、Yリニ
アモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36
A、36B、Yボイスコイルモータ36C、36D、Y
モータ61A、61B、Xモータ62A、62B、トリ
ムモータ72、ボイスコイルモータ73の駆動を制御す
る。
【0054】次に、上記の構成の露光装置のうち、まず
ウエハステージWSTの動作について説明する。例え
ば、Yモータ61Aが作動してY移動子64AがY固定
子66に対して相対移動することにより、移動ステージ
1Aが試料台63A(およびウエハW1)とともにY方
向に移動すると、この移動による反力でカウンターマス
65、65が支持部材68、70の突部68a、70a
をガイドにして、移動ステージ1Aの移動方向とは逆方
向に相対移動する(カウンターマス移動ステップ)。
【0055】なお、移動ステージ1Aの移動に伴うヨー
イングについては、ウエハレーザ干渉計システム80の
計測結果に基づいて、左右のYモータ61Aの推力をそ
れぞれ調整することで補正することができる。また、移
動ステージ1Aは移動子75Aが固定子76に保持され
た状態で移動するが、VCM73、73がカウンターマ
ス65を挟んだ両側に設けられているので叩き等が発生
することなく、安定した状態で走行することができる。
【0056】ここで、図6に示すように、移動ステージ
1AがX方向及びY方向の双方に移動する場合や、Xガ
イドバー2Aの中央部から偏心した位置から移動する場
合、左右のカウンターマス65、65は、その推力配分
によってそれぞれ異なる変位が生じる(なお、図6では
便宜上、移動ステージ1Bの図示を省略している)。
【0057】なお、左右のカウンターマス65、65の
異なる変位での移動が繰り返されるとカウンターマス6
5、65の相対位置が大きくずれることになる。さら
に、Yモータ61AにおけるY移動子64AとY固定子
66とはカップリングされているため、これらが相対移
動した際には、元の位置に止まろうとする力が作用す
る。Y移動子64Aは、ウエハレーザ干渉計システム8
0が移動ステージ1Aの位置を計測してYモータ61A
のコイルに所定の電圧が印加されるため所定位置に移動
するが、Y固定子66(すなわちカウンターマス65、
65)は移動すべき位置に到達する前に停止することに
なる。そのため、本実施の形態では、主制御装置50が
移動ステージ1A(および1B)の移動時の運動量に基
づいてステージ制御装置44を介してトリムモータ72
を駆動することで、カウンターマス65、65が所定の
位置に到達するようにその移動量(運動量)が補正され
る。
【0058】この結果、移動ステージ1AのY方向の加
減速時の反力はカウンターマス65、65の移動により
吸収され、ベースプレートBPに与える運動量は理論的
にゼロとなり、ウエハステージWSTにおける重心の位
置がY方向において実質的に固定される。特に、カウン
ターマス65、65がウエハステージ定盤22上に設け
られることで、移動ステージ1AのY方向への移動によ
る偏荷重が緩和されるため、偏荷重に起因する変形や振
動等の悪影響を防止することができる。なお、Yモータ
61Bが作動して移動ステージ1BがY方向に移動する
際にも同様の動作となる。
【0059】一方、Xモータ62Aが作動してX移動子
がX固定子としてのXガイドバー2Aに対して相対移動
することにより、移動ステージ1Aが試料台63A(お
よびウエハW1)とともにX方向に移動した場合、移動
に伴う反力が発生するが、VCM73、73の電磁力で
Xガイドバー2Aの位置が維持されるとともに、Xガイ
ドバー2Aに生じた反力はVCM73、73、フレクシ
ャー構造体69を介してベースプレートBP(および床
面FD)に伝達される(反力伝達ステップ)。従って、
ウエハステージ定盤22には、移動ステージ1Aの加減
速時に生じる反力が殆ど影響を与えることがないように
なっている。勿論、床面FDに伝達された力がベースプ
レートBP及び防振ユニット16A〜16Cを介して鏡
筒定盤18に伝達され、鏡筒定盤18の振動要因となる
可能性は否定できないが、その伝達の途中でエアマウン
ト30によってマイクロGレベル(Gは重力加速度)で
絶縁されるので、その影響は非常に小さいものである。
なお、移動ステージ1AのX方向への移動による偏荷重
は、防振ユニット16A〜16Cの作動により補正され
る。
【0060】なお、Xモータ62Bが作動して移動ステ
ージ1BがX方向に移動する際にも同様の動作となる。
このように、ウエハステージWSTにおいては、移動ス
テージ1A、1Bがスキャン移動方向(Y方向)および
ステップ移動方向(X方向)のいずれの方向に移動して
も、移動に伴う反力を吸収して振動の発生を抑制するこ
とができる。
【0061】次に、露光装置10における露光動作につ
いて説明する。前提として、ウエハW上のショット領域
を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種
の露光条件が予め設定される。また、不図示のレチクル
顕微鏡及び不図示のオフアクシス・アライメントセンサ
等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等
の準備作業が行われ、その後、アライメントセンサを用
いたウエハWのファインアライメント(EGA(エンハ
ンスト・グローバル・アライメント)等)が終了し、ウ
エハW上の複数のショット領域の配列座標が求められ
る。
【0062】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が終了すると、ステージ制御装置44では、主
制御装置50からの指示に応じてアライメント結果に基
づいてウエハレーザ干渉計システム80の計測値をモニ
タしつつYモータ61A、61B、及びXモータ62
A、62Bを制御してウエハWの第1ショットの露光の
ための走査開始位置に移動ステージ1を移動する。
【0063】そして、ステージ制御装置44では、主制
御装置50からの指示に応じてレチクル駆動部37及び
ウエハ駆動部39を介してレチクルステージRSTとウ
エハステージWSTとのY方向の走査を開始し、両ステ
ージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達する
と、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照
明され始め、走査露光が開始される。
【0064】ステージ制御装置44では、特に上記の走
査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速
度とウエハステージWSTのY軸方向の移動速度とが投
影光学系PLの投影倍率(1/5倍或いは1/4倍)に
応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRS
T及びウエハステージWST(移動ステージ1)を同期
制御する。
【0065】そして、レチクルRのパターン領域の異な
る領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面
に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1
ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクル
Rのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに
縮小転写される。
【0066】このようにして、第1ショットの走査露光
が終了すると、ステージ制御装置44により主制御装置
50の指示に応じてウエハ駆動部39を介して移動ステ
ージ1がX、Y軸方向にステップ移動され、第2ショッ
トの露光のため走査開始位置に移動される。このステッ
ピングの際に、ステージ制御装置44ではウエハレーザ
干渉計システム80の計測値に基づいて移動ステージ1
のX、Y、θZ方向の位置変位をリアルタイムに計測す
る。この計測結果に基づき、ステージ制御装置44では
ウエハ駆動部39を制御してXY位置変位が所定の状態
になるように移動ステージ1の位置を制御する。
【0067】そして、主制御装置50の指示に基づきス
テージ制御装置44では第2ショットに対して上記と同
様の走査露光を行う。このようにして、ウエハW上のシ
ョットの走査露光と次ショット露光のためのステッピン
グ動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショ
ットの全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
すなわち、以上のようにして、ステップ・アンド・スキ
ャン方式の露光が行われる。
【0068】続いて、2つの移動ステージ1A、1Bに
よる並行処理について説明する。本実施の形態では、例
えば移動ステージ1A(すなわち試料台63A)上のウ
エハW1を投影光学系PLを介して露光動作を行ってい
る間に、移動ステージ1Bにおいてウエハ交換が行わ
れ、ウエハ交換に引き続いてアライメント動作およびオ
ートフォーカス/オートレベリングが行われる。
【0069】移動ステージ1B側で、上記のウエハ交
換、アライメント動作が行われている間に、移動ステー
ジ1A側では、2枚のレチクルを使った場合、露光条件
を変えながら連続してステップ・アンド・スキャン方式
により二重露光を行うことも可能である。2つの移動ス
テージ1A、1B上で並行して行われる露光シーケンス
とウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に終了
したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の動作
が終了した時点で移動ステージ1A、1Bが移動制御さ
れる。そして、露光シーケンスが終了した移動ステージ
1A上のウエハW1は、ローディングポジションでウエ
ハ交換がなされ、アライメントシーケンスが終了した移
動ステージ1B(すなわち試料台63B)上のウエハW
2は、投影光学系PLの下で露光シーケンスが行われ
る。
【0070】このように、一方の移動ステージ側でウエ
ハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方の移動
ステージ側で露光動作を実行することとし、両方の動作
が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにする
ことで、スループットを大幅に向上させることが可能に
なる。
【0071】以上のように、本実施の形態では、移動ス
テージ1A、1BのX方向の移動に関しては移動に伴う
反力をベースプレートBPに伝達するので、反力に起因
する振動を抑制するためにカウンターマス等の質量体を
移動させるためのスペースを確保する必要がなくなり、
装置の大型化を防止することができる。特に、本実施の
形態では、カウンターマス65、65を分離し、それぞ
れ独立移動自在に設けているので、これらを連結するた
めの強固な連結部材も設ける必要がなく、より装置の小
型化に寄与できる。加えて、本実施の形態では、カウン
ターマス65、65をウエハステージ定盤22上に設け
ているので、定盤22の外部にカウンターマス設置用ス
ペースを確保する必要がなくなり、装置の一層の小型化
を実現している。また、カウンターマス65、65をウ
エハステージ定盤22上に設置することでY移動子64
A、64BとY固定子66とが同じ基準部材上に位置す
ることになるので、これらの間のギャップ調整が容易に
なり、設置作業の効率化も図ることができる。
【0072】しかも、本実施の形態では、カウンターマ
ス65がYモータ61A、61BのY固定子66を備え
ているので、カウンターマス65とY固定子66とを別
に設けた場合に比較して、より装置の小型化に寄与でき
る。また、Y固定子66が複数のY移動子64A、64
Bに共用され、固定子76が複数の移動子75A、75
Bに共用されているので、各移動子毎に固定子を別途設
ける必要がなく、より装置の簡素化、小型化、およびコ
ストダウンに寄与できる。
【0073】また、本実施の形態では、カウンターマス
65、65をY方向にのみ移動自在な構成としているの
で、移動ステージ1A、1Bの移動前位置や移動方向等
に拘わらずカウンターマス65、65、移動ステージ1
A、1B(すなわちウエハW1、W2)の回転運動を阻
止できる。従って、回転方向のセンシングや回転方向の
位置制御に要するアクチュエータ等が不要となり、装置
の簡素化、小型化ひいてはコストダウンを実現すること
ができる。しかも、従来では、Y移動子64AとY固定
子66とのカップリング等によりカウンターマス65、
65が反力移動における所定位置に到達しない可能性が
あったが、本実施の形態ではトリムモータ72がカウン
ターマス移動時の運動量を補正するため、運動量保存の
関係が維持され、ウエハステージWSTにおける重心移
動を阻止することができ、高精度の露光処理を実現する
ことができる。
【0074】また、本実施の形態では、移動ステージ1
A、1BのX方向への移動に伴う反力をベースプレート
BPに伝達するVCM73がカウンターマス65を挟ん
だ両側に配置されているので、移動ステージ1A、1B
がY方向へ移動する際にも、叩き等が発生することな
く、バランスがとれた安定した走行が可能になる。
【0075】また、本実施の形態では、移動ステージが
二基設けられた、ダブルステージ方式を採用しているの
で、一方の移動ステージ側でウエハ交換とアライメント
動作を実行する間に、他方の移動ステージ側で露光動作
を実行する等、待機時間を削減することができ、スルー
プットを大幅に向上させることも可能になる。
【0076】なお、上記実施の形態においては、移動ス
テージが2基設けられた、いわゆるダブルステージ型の
例を用いたが、これに限定されるものではなく、移動ス
テージが1基や3基以上設けられる構成であってもよ
い。また、上記実施の形態では、伝達装置としてVCM
を用いる構成としたが、これは一例を示したものであ
り、VCMの代わりに軸上のエアガイド等を用いる構成
としてもよい。さらに、上記実施の形態では、VCM7
3をカウンターマス65を挟んだ両側に設ける構成とし
たが、図7に簡略化して図示するように、カウンターマ
ス65の一方側のみに設ける構成も採用可能である。ま
た、本実施の形態では、ウエハステージ定盤22を支持
柱20により鏡筒定盤18から吊り下げる構成とした
が、ウエハステージ定盤22を鏡筒定盤18から分離し
てベースプレートBP上に設けてもよい。
【0077】また、上記実施の形態では、本発明のステ
ージ装置を露光装置10のウエハステージWSTに適用
する構成としたが、これに限られず、レチクルステージ
RSTにも適用可能である。さらに、上記実施の形態で
は、本発明のステージ装置を露光装置のウエハステージ
に適用した構成としたが、露光装置以外にも転写マスク
の描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精
密測定機器にも適用可能である。
【0078】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハW1、W2のみならず、液
晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘ
ッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いら
れるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコン
ウエハ)等が適用される。
【0079】露光装置10としては、レチクルRとウエ
ハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光
するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。また、本発明はウ
エハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて
転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置
にも適用できる。
【0080】露光装置10の種類としては、ウエハWに
半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光
装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ
製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CC
D)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための
露光装置などにも広く適用できる。
【0081】また、不図示の露光用光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエ
キシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レー
ザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームな
どの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線
を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタ
ンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用
いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ
等の高調波などを用いてもよい。
【0082】例えば、DFB半導体レーザ又はファイバ
ーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レ
ーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリ
ビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅
し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した
高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レ
ーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内
とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、
即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光
が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内
とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調
波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得ら
れる。
【0083】また、レーザプラズマ光源、又はSORか
ら発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば
波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme
Ultra Violet)光を露光光として用いてもよく、EUV
露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学
系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミ
ラー)のみからなる縮小系となっている。
【0084】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。
【0085】ウエハステージWSTやレチクルステージ
RSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,1
18参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア
浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用い
た磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステー
ジWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプで
もよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであっても
よい。また、Yモータ61A、61BやXモータ62
A、62Bにおいても、ガイドを設けても設けなくと
も、どちらでもよい。
【0086】各ステージWST、RSTの駆動機構とし
ては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁
石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを
対向させ電磁力により各ステージWST、RSTを駆動
する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニッ
トと電機子ユニットとのいずれか一方をステージWS
T、RSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットと
の他方をステージWST、RSTの移動面側(ベース)
に設ければよい。
【0087】以上のように、本願実施形態の露光装置1
0は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含
む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精
度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造さ
れる。これら各種精度を確保するために、この組み立て
の前後には、各種光学系については光学的精度を達成す
るための調整、各種機械系については機械的精度を達成
するための調整、各種電気系については電気的精度を達
成するための調整が行われる。各種サブシステムから露
光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、
機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続
等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への
組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工
程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露
光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0088】半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計
を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマ
スク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン
材料からウエハを製造するステップ203、前述した実
施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに
露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てス
テップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケー
ジ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製
造される。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るス
テージ装置は、第1駆動装置によりステージ本体を駆動
させた際に発生する反力により移動する移動装置と、少
なくとも一部が第2固定子に接続され、第2駆動装置に
よりステージ本体を駆動させた際に発生する反力をステ
ージ本体とは振動的に分離された部分に伝達する伝達装
置とを備えた構成となっている。これにより、このステ
ージ装置では、装置の簡素化、小型化およびコストダウ
ンに寄与できるという効果を奏する。
【0090】請求項2に係るステージ装置は、第1駆動
装置によりステージ本体を駆動させた際に発生する反力
により移動する移動装置と、移動装置を挟んで設けら
れ、第2駆動装置によりステージ本体を駆動させた際に
発生する反力をステージ本体とは振動的に分離された部
分に伝達する伝達装置とを備えた構成となっている。こ
れにより、このステージ装置では、ステージ本体の安定
した走行、及び装置の簡素化、小型化およびコストダウ
ンに寄与できるという効果を奏する。
【0091】請求項3に係るステージ装置は、移動装置
が第1固定子を有する構成となっている。これにより、
このステージ装置では、装置の一層の小型化に寄与でき
るという効果を奏する。
【0092】請求項4に係るステージ装置は、ステージ
本体が複数設けられる構成となっている。これにより、
このステージ装置では、スループットを大幅に向上させ
ることが可能になるという効果を奏する。
【0093】請求項5に係るステージ装置は、第1固定
子が複数のステージ本体毎に設けられた移動子に共用さ
れる構成となっている。これにより、このステージ装置
では、装置の一層の簡素化、小型化、およびコストダウ
ンに寄与できる。
【0094】請求項6に係るステージ装置は、伝達装置
の第3固定子が複数の第3移動子に共用される構成とな
っている。これにより、このステージ装置では、装置の
一層の簡素化、小型化、およびコストダウンに寄与でき
る。
【0095】請求項7に係るステージ装置は、ステージ
本体の移動時の運動量に基づいて、移動装置の移動時の
運動量を補正する構成となっている。これにより、この
ステージ装置では、運動量保存の関係が維持され、装置
における重心移動を阻止できるという効果が得られる。
【0096】請求項8に係るステージ装置は、移動装置
がステージ本体の移動を支持する定盤上に設けられる構
成となっている。これにより、このステージ装置では、
装置の一層の小型化および設置作業の効率化を図ること
ができる。
【0097】請求項9に係る露光装置は、マスクステー
ジと基板ステージとの少なくとも一方のステージとし
て、請求項1から8のいずれか1項に記載されたステー
ジ装置が用いられる構成となっている。これにより、こ
の露光装置では、装置の簡素化、小型化およびコストダ
ウン、さらにはスループットの向上や設置作業の効率化
に寄与できるという効果を奏する。
【0098】請求項10に係るステージ駆動方法は、ス
テージ本体を第1方向に駆動した際に発生する反力を用
いて質量体を移動させるステップと、ステージ本体を第
2方向に駆動した際に発生する反力をステージ本体とは
振動的に分離された部分に伝達するステップとを含む手
順となっている。これにより、このステージ駆動方法で
は、装置の簡素化、小型化およびコストダウンに寄与で
きるという効果を奏する。
【0099】請求項11に係るステージ駆動方法は、ス
テージ本体を第2方向に駆動した際に発生する反力がス
テージ本体とは振動的に分離された部分に電磁力を用い
て伝達される手順となっている。これにより、このステ
ージ駆動方法では、電磁力により反力を伝達することで
質量体を移動させるためのスペースを確保する必要がな
くなり、装置の簡素化、小型化およびコストダウンに寄
与できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、露
光装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】 本発明に係るウエハステージの外観斜視図
である。
【図3】 同ウエハステージの正面図である。
【図4】 同ウエハステージを構成するトリムモータ
の一例を示す外観斜視図である。
【図5】 露光装置の制御ブロック図である。
【図6】 反力によるカウンターマスの移動を説明す
るための概略平面図である。
【図7】 本発明に係る伝達装置の別の形態を概略的
に示す図である。
【図8】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【図9】 従来技術によるカウンターマスの動作を説
明するための概略平面図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク) RST レチクルステージ(マスクステージ) W、W1、W2 ウエハ(基板、感光基板) WST ウエハステージ(基板ステージ、ステージ装
置) 1、1A、1B 移動ステージ(ステージ本体) 2、2A、2B Xガイドバー(X固定子、第2固定
子) 10 露光装置 61A、61B Yモータ(第1駆動装置) 62A、62B Xモータ(第2駆動装置) 64A、64B Y移動子(第1移動子) 65 カウンターマス(移動装置、質量体) 66 Y固定子(第1固定子) 72 トリムモータ(運動量補正装置) 73 ボイスコイルモータ(伝達装置) 75A、75B 移動子(第3移動子) 76 固定子(第3固定子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA02 CA08 CB05 CB09 CB12 5F031 CA02 CA05 CA07 HA53 HA55 HA57 HA58 HA59 JA02 JA06 JA45 JA51 KA06 KA07 KA08 LA02 LA07 LA08 MA27 PA04 5F046 AA23 CC01 CC02 CC18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を保持して第1方向および第2方
    向に移動するステージ本体を備えたステージ装置であっ
    て、 第1移動子と第1固定子とを有し、前記ステージ本体を
    前記第1方向に駆動する第1駆動装置と、 第2移動子と、前記第1移動子に接続された第2固定子
    とを有し、前記ステージ本体を前記第2方向に駆動する
    第2駆動装置と、 前記第1駆動装置により前記ステージ本体を駆動させた
    際に発生する反力により移動する移動装置と、 少なくとも一部が前記第2固定子に接続され、前記第2
    駆動装置により前記ステージ本体を駆動させた際に発生
    する反力を前記ステージ本体とは振動的に分離された部
    分に伝達する伝達装置とを備えたことを特徴とするステ
    ージ装置。
  2. 【請求項2】 基板を保持して第1方向および第2方
    向に移動するステージ本体を備えたステージ装置であっ
    て、 第1移動子と第1固定子とを有し、前記ステージ本体を
    前記第1方向に駆動する第1駆動装置と、 第2移動子と第2固定子とを有し、前記ステージ本体を
    前記第2方向に駆動する第2駆動装置と、 前記第1駆動装置により前記ステージ本体を駆動させた
    際に発生する反力により移動する移動装置と、 前記移動装置を挟んで設けられ、前記第2駆動装置によ
    り前記ステージ本体を駆動させた際に発生する反力を前
    記ステージ本体とは振動的に分離された部分に伝達する
    伝達装置とを備えたことを特徴とするステージ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のステージ装置
    において、 前記移動装置は、前記第1固定子を有していることを特
    徴とするステージ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記ステージ本体が複数設けられることを特徴とするス
    テージ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のステージ装置におい
    て、 前記第1移動子は、前記複数のステージ本体毎に複数設
    けられ、 前記第1固定子は、前記複数の移動子に共用されること
    を特徴とするステージ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載のステージ装置
    において、 前記伝達装置は、前記複数のステージ本体毎にそれぞれ
    設けられた複数の第3移動子と、前記ステージ本体とは
    振動的に分離された部分に設けられた第3固定子とを有
    し、 前記第3固定子は、前記複数の第3移動子に共用される
    ことを特徴とするステージ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記ステージ本体の移動時の運動量に基づいて、前記移
    動装置の移動時の運動量を補正する運動量補正装置を有
    することを特徴とするステージ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記移動装置は、前記ステージ本体の移動を支持する定
    盤上に設けられることを特徴とするステージ装置。
  9. 【請求項9】 マスクステージに保持されたマスクの
    パターンを基板ステージに保持された感光基板に露光す
    る露光装置において、 前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも
    一方のステージとして、請求項1から8のいずれか1項
    に記載されたステージ装置が用いられることを特徴とす
    る露光装置。
  10. 【請求項10】 基板を保持するステージ本体を第1
    方向および第2方向に駆動するステージ駆動方法であっ
    て、 第1移動子と第1固定子とを有する第1駆動装置により
    前記ステージ本体を前記第1方向に駆動した際に発生す
    る反力を用いて質量体を移動させるステップと、 第2移動子と、前記第1移動子に接続された第2固定子
    とを有する第2駆動装置により前記ステージ本体を前記
    第2方向に駆動した際に発生する反力を前記ステージ本
    体とは振動的に分離された部分に伝達するステップとを
    含むことを特徴とするステージ駆動方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のステージ駆動方法
    において、 前記ステージ本体を前記第2方向に駆動した際に発生す
    る反力は、電磁力を用いて前記ステージ本体とは振動的
    に分離された部分に伝達されることを特徴とするステー
    ジ駆動方法。
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