JP2002198286A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JP2002198286A
JP2002198286A JP2000393838A JP2000393838A JP2002198286A JP 2002198286 A JP2002198286 A JP 2002198286A JP 2000393838 A JP2000393838 A JP 2000393838A JP 2000393838 A JP2000393838 A JP 2000393838A JP 2002198286 A JP2002198286 A JP 2002198286A
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Masato Takahashi
正人 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光精度の向上に寄与する。 【解決手段】 照明光学系IUにより照明されたマスク
Rのパターンを基板Wに露光する。照明光学系IUの少
なくとも一部IU2とマスクRとを支持する支持部8
と、マスクRの照明領域を設定するとともに、支持部8
とは振動的に独立して配置された照明領域設定装置62
と、照明光学系IUの少なくとも一部IU2と照明領域
設定装置62との相対位置関係を検出する検出装置66
と、検出装置66の検出結果に基づいて照明領域設定装
置62の位置を調整する調整装置とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明光学系により
照明されたマスクのパターンを基板に露光する露光装置
に関し、特にマスクの照明領域を設定する照明領域設定
装置や、マスクのパターンを基板に投影露光する投影光
学系を有する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。
【0003】例えば、半導体デバイス用の露光装置とし
ては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターン
の最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチ
クルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転
写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0004】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0005】これらの縮小投影露光装置においては、ス
テージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベース
プレートが設置され、その上に床振動を遮断するための
防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよ
び投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが
載置されたものが多く用いられている。最近のステージ
装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマ
ウントやボイスコイルモータ等のアクチュエータ(推力
付与装置)を備え、本体コラム(メインフレーム)に取
り付けられた、例えば6個の加速度計の計測値に基づい
て前記ボイスコイルモータ等の推力を制御することによ
り本体コラムの振動を制御するアクティブ防振台が採用
されている。
【0006】ところで、上記のステッパやスキャニング
・ステッパは、ウエハ上のあるショット領域に対する露
光の後、他のショット領域に対して順次露光を繰り返す
ものであるから、ウエハステージ(ステッパの場合)、
あるいはレチクルステージおよびウエハステージ(スキ
ャニング・ステッパの場合)の加速、減速運動によって
生じる反力が本体コラムの振動要因となって、投影光学
系とウエハ等との相対位置誤差を生じさせ、ウエハ上で
設計値と異なる位置にパターンが転写されたり、その位
置誤差に振動成分を含む場合には像ボケ(パターン線幅
の増大)を招く原因になるという不都合があった。
【0007】そこで、従来、上記のようなアクティブ防
振台では、例えば特開平8−166475号公報等に記
載されるように、ウエハステージの移動により発生する
反力を定盤に対して振動的に独立して配設されたフレー
ム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がす発明や、例
えば特開平8−330224号公報等に記載されるよう
に、レチクルステージの移動により発生する反力を定盤
に対して振動的に独立して配設されたフレーム部材を用
いて機械的に床(大地)に逃がす発明が上記の不都合を
改善するものとして知られている。
【0008】さらに、従来ではレチクルを照明するため
の照明光学系(を収容する筺体)をフレーム部材で支持
していたが、近年では駆動に起因する振動を排除する目
的で照明光学系をフレーム部材に支持された部分とフレ
ーム部材と振動的に独立して配置された部分とに、例え
ば二つに分割し、レチクルの照明領域を設定するために
駆動されるブラインドを振動的に独立した部分に配設し
ている。このようにすることで、照明領域設定時に発生
する振動が露光精度に悪影響を及ぼすことを回避してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の露光装置には、以下のような問題が存在
する。照明光学系が分割して配置されているため、レチ
クルステージやウエハステージの移動に伴ってフレーム
部材が振動的に独立して配置された照明光学系に対して
相対移動する可能性がある。逆に、ブラインドの駆動に
より、振動的に独立して配置された照明光学系がフレー
ム部材に対して相対移動する可能性がある。
【0010】このように、ブラインドとフレーム部材と
が露光中に相対移動すると、フレーム部材に支持された
レチクルとブラインドとの相対位置関係が変動すること
で、レチクルの照明領域が変動し、ウエハ上に露光形成
されるパターンの位置精度や重ね合わせ精度が低下する
可能性がある。
【0011】一方、レチクルと投影光学系との間には、
例えばレチクルを照明した照明光を平行光束に変換する
ための光学系が配置されることがあるが、最近ではウエ
ハ上に露光形成されたパターンの位置ずれには、この光
学系の傾き等の位置誤差に起因するものが含まれると考
えられている。そのため、この光学系の位置誤差を考慮
した露光装置の開発が望まれていた。
【0012】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、パターン位置精度や重ね合わせ精度等の露
光精度の向上に寄与する露光装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図11に対
応付けした以下の構成を採用している。本発明の露光装
置は、照明光学系(IU)により照明されたマスク
(R)のパターンを基板(W)に露光する露光装置
(1)において、照明光学系(IU)の少なくとも一部
(IU2)とマスク(R)とを支持する支持部(8)
と、マスク(R)の照明領域を設定するとともに、支持
部(8)とは振動的に独立して配置された照明領域設定
装置(62)と、照明光学系(IU)の少なくとも一部
(IU2)と照明領域設定装置(62)との相対位置関
係を検出する検出装置(66)と、検出装置(66)の
検出結果に基づいて照明領域設定装置(62)の位置を
調整する調整装置(70)とを備えることを特徴とする
ものである。
【0014】従って、本発明の露光装置では、支持部
(8)と照明領域設定装置(62)とが相対移動したと
きに、検出装置(66)が支持部(8)に支持された照
明光学系(IU2)と照明領域設定装置(62)との相
対位置関係を検出し、調整装置(70)がこの相対位置
関係に基づいて照明領域設定装置(62)の位置を調整
することで、マスク(R)に対する照明領域が変動する
ことなく一定に維持できるので、基板(W)上に露光形
成されるパターンの位置精度や重ね合わせ精度が低下す
ることを未然に防ぐことができる。
【0015】また、本発明の露光装置は、マスク(R)
のパターンを投影光学系(PL)により基板(W)に投
影露光する露光装置(1)において、マスク(R)と投
影光学系(PL)との間に配設される光学系(69)
と、光学系(69)と投影光学系(PL)との相対位置
関係を計測する計測装置(72)と、計測装置(72)
の計測結果に基づいて基板(W)に投影されるパターン
像の位置を調整する調整装置(70)とを備えることを
特徴とするものである。
【0016】従って、本発明の露光装置では、光学系
(69)に位置誤差が存在しても計測装置(72)が位
置誤差を含む相対位置関係を計測し、調整装置(70)
がこの相対位置関係に基づいて基板(W)に投影される
パターン像の位置を調整するので、パターンの位置精度
や重ね合わせ精度が低下することを未然に防ぐことがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の露光装置の実施の
形態を、図1ないし図12を参照して説明する。ここで
は、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期
移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回
路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステ
ッパ(走査型露光装置)を使用する場合の例を用いて説
明する。また、この露光装置においては、本発明のステ
ージ装置をウエハステージに適用するものとする。
【0018】図1に示す露光装置1は、光源LS(図2
参照)からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R
上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度
で照明する照明光学系IUと、レチクルRを保持して移
動するレチクルステージ(マスクステージ)2および該
レチクルステージ2を支持するレチクル定盤3を含むス
テージ装置4と、レチクルRから射出される照明光をウ
エハ(基板)W上に投影する投影光学系PLと、ウエハ
Wを保持して移動するウエハステージ(基板ステージ、
ステージ本体)5および該ウエハステージ5を保持する
ウエハ定盤(定盤)6を含むステージ装置7と、上記ス
テージ装置4および投影光学系PLを支持するリアクシ
ョンフレーム8とから概略構成されている。なお、ここ
で投影光学系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向
と直交する方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向
をY方向とし、非同期移動方向をX方向とする。また、
それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとす
る。
【0019】光源LSとしては、ここでは波長192〜
194nmの間で酸素の吸収帯を避けるように狭帯化さ
れたパルス紫外光を出力するArFエキシマレーザ光源
が用いられており、この光源LSの本体は、半導体製造
工場のクリーンルーム内の床面FD上に設置されてい
る。光源LSには、不図示の光源制御装置が併設されて
おり、この光源制御装置では、射出されるパルス紫外光
の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発
振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行
うようになっている。なお、光源LSとして、波長24
8nmのパルス紫外光を出力するKrFエキシマレーザ
光源あるいは波長157nmのパルス紫外光を出力する
2レーザ光源等用いても良い。また、光源LSをクリ
ーンルームよりクリーン度が低い別の部屋(サービスル
ーム)、あるいはクリーンルームの床下に設けられるユ
ーティリティスペースに設置しても構わない。
【0020】図2に示すように、光源LSは、図2では
作図の都合上その図示が省略されているが、実際には遮
光性のベローズ及びパイプを介してビームマッチングユ
ニットBMUの一端(入射端)に接続されており、この
ビームマッチングユニットBMUの他端(出射端)は、
内部にリレー光学系を内蔵したパイプ61を介して照明
光学系IUの第1照明光学系IU1に接続されている。
ビームマッチングユニットBMU内には、リレー光学系
や複数の可動反射鏡等(いずれも不図示)が設けられて
おり、これらの可動反射鏡等を用いて光源LSから入射
する狭帯化されたパルス紫外光(ArFエキシマレーザ
光)の光路を第1照明光学系IU1との間で位置的にマ
ッチングさせている。
【0021】照明光学系IUは、第1照明光学系IU1
と第2照明光学系IU2との2部分から構成されてい
る。第1照明光学系IU1は、床面FDに水平に載置さ
れた装置の基準となるフレームキャスタと呼ばれるベー
スプレート10上に設置されている。また、第2照明光
学系IU2は、リアクションフレーム(支持部)8の上
面に固定された支持コラム9によって下方から支持され
ている。従って、第1照明光学系IU1とリアクション
フレーム8(すなわち第2照明光学系IU2)とは振動
的に独立した構成になっている。
【0022】第1照明光学系IU1は、所定の位置関係
で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、
オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラ
ー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレン
ズ系、及びレチクルブラインド機構を構成する可動視野
絞りとしての可動レチクルブラインド(照明領域設定装
置)62等を備えている。光源LSからのパルス紫外光
がビームマッチングユニットBMU及びリレー光学系を
介して第1照明光学系IU1内に水平に入射すると、こ
のパルス紫外光は、可変減光器のNDフィルタにより所
定のピーク強度に調整された後、ビーム整形光学系によ
り、オプティカルインテグレータに効率よく入射するよ
うにその断面形状が整形される。
【0023】次いで、このパルス紫外光がオプティカル
インテグレータに入射すると、射出端側に面光源、すな
わち多数の光源像(点光源)から成る2次光源が形成さ
れる。これらの多数の点光源の各々から発散するパルス
紫外光は、照明系開口絞り板28G上のいずれかの開口
絞りを通過した後、露光光として可動レチクルブライン
ド62に到達する。
【0024】可動レチクルブラインド62は、図3に示
すように、2枚のL字型の可動ブレードと、この可動ブ
レードを駆動するアクチュエータ63とを有する。2枚
の可動ブレードは、レチクルRの走査方向に対応する方
向及び走査方向に直交する非走査方向に対応する方向の
位置が可変となっている。この可動レチクルブラインド
62は、不要な部分の露光を防止するため、走査露光の
開始時及び終了時に可動ブレードにより後述するように
固定レチクルブラインドによって規定されるレチクルR
上の照明領域を更に制限するために用いられる。この可
動レチクルブラインド62の駆動は、調整装置としての
後述する主制御装置70によって制御される(図6参
照)。
【0025】第2照明光学系IU2は、照明系ハウジン
グ64と、該照明系ハウジング64内に所定の位置関係
で収納された固定レチクルブラインド、レンズ、ミラ
ー、リレーレンズ系、メインコンデンサレンズ等(いず
れも不図示)を備えている。固定レチクルブラインド
は、照明系ハウジング64の入射端近傍のレチクルRの
パターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした
面に配置され、レチクルR上の照明領域を規定する所定
形状の開口部が形成されている。この固定レチクルブラ
インドの開口部は、投影光学系PLの円形視野内の中央
で走査露光時のレチクルRの移動方向(Y軸方向)と直
交したX軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状
に形成されているものとする。
【0026】可動レチクルブラインド62のブレードの
開口部を通過したパルス紫外光は、固定レチクルブライ
ンドの開口部を一様な強度分布で照明する。固定レチク
ルブラインドの開口部を通ったパルス紫外光は、レン
ズ、ミラーM3、リレーレンズ系、主コンデンサレンズ
系を経て、レチクルステージ2上に保持されたレチクル
R上の所定の照明領域(X軸方向に直線的に伸びたスリ
ット状又は矩形状の照明領域)を均一な照度分布で照明
する。ここで、レチクルRに照射される矩形スリット状
の照明光は、図2中の投影光学系PLの円形投影視野の
中央にX軸方向(非走査方向)に細長く延びるように設
定され、その照明光のY軸方向(走査方向)の幅はほぼ
一定に設定されている。
【0027】なお、第1照明光学系IU1と第2照明光
学系IU2とを強固に接合すると、可動レチクルブライ
ンド62の駆動に起因して露光動作中に第1照明光学系
IU1に生じる振動がリアクションフレーム8に支持さ
れた第2照明光学系IU2にそのまま伝達されることと
なって、好ましくない。このため、本実施形態では、第
1照明光学系IU1と第2照明光学系IU2との間は、
両者の相対変位を可能にし、かつその内部を外気に対し
て気密状態にすることが可能な接続部材としての伸縮自
在の蛇腹状部材65を介して接合されている。
【0028】また、第1照明光学系IU1には、第2照
明光学系IU2の近傍、具体的には可動レチクルブライ
ンド62の近傍に位置して、光電センサ等の位置センサ
(検出装置)66が配置されている。位置センサ66
は、可動レチクルブラインド62と第2照明光学系IU
2のIU1側の端部(例えば固定レチクルブラインド)
との相対距離(相対位置関係)をX軸およびY軸で規定
される2次元平面で検出するものであって、その検出結
果は主制御装置70に出力される(図6参照)。
【0029】図1に戻り、リアクションフレーム8は、
床面に水平に載置されたベースプレート10上に設置さ
れており、その上部側および下部側には、内側に向けて
突出する段部8aおよび8bがそれぞれ形成されてい
る。
【0030】ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、
各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8a
に防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており
(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せ
ず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン
像が通過する開口3aが形成されている。なお、レチク
ル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いること
ができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエア
マウント12とレチクル定盤3に対して推力を付与する
ボイスコイルモータ13とが段部8a上に直列に配置さ
れた構成になっている。これら防振ユニット11によっ
て、ベースプレート10およびリアクションフレーム8
を介してレチクル定盤3に伝わる微振動がマイクロGレ
ベルで絶縁されるようになっている(Gは重力加速
度)。
【0031】レチクル定盤3上には、レチクルステージ
2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支
持されている。レチクルステージ2の底面には、非接触
ベアリングとして複数のエアベアリング(エアパッド)
14が固定されており、これらのエアベアリング14に
よってレチクルステージ2がレチクル定盤3上に数ミク
ロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
また、レチクルステージ2の中央部には、レチクル定盤
3の開口3aと連通し、レチクルRのパターン像が通過
する開口2aが形成されている。また、このレチクル定
盤3上には、複数(例えば3つ、図1では1つのみ図
示)の加速度計75が設けられている。加速度計75の
計測結果は後述する主制御装置70に出力される(図6
参照)。
【0032】レチクルステージ2について詳述すると、
図4に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定
盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸
方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステー
ジ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のX
ボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモー
タ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動される
レチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている
(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示
している)。
【0033】各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3
上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる
固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連
結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定さ
れた可動子21とから構成されている。このため、運動
量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y
方向の移動に応じて、固定子20は−Y方向に移動す
る。この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ
16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の
変化を防ぐことができる。
【0034】なお、固定子20は、レチクル定盤3上に
代えて、リアクションフレーム8に設けてもよい。固定
子20をリアクションフレーム8に設ける場合には、エ
アベアリング19を省略し、固定子20をリアクション
フレーム8に固定して、レチクル粗動ステージ16の移
動により固定子20に作用する反力をリアクションフレ
ーム8を介して床に逃がしてもよい。
【0035】レチクル粗動ステージ16は、レチクル定
盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定
されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によっ
てY軸方向に案内されるようになっている。また、レチ
クル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に
対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持さ
れている。
【0036】レチクル微動ステージ18には、不図示の
バキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持され
るようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y
方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動
鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステ
ージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面
ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そし
て、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビ
ームを照射する3つのレーザ干渉計(ここではレーザ干
渉計67のみ図示)が各移動鏡の反射面と投影光学系P
Lの鏡筒上端に固定された参照鏡68とに向けてそれぞ
れレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光と
の干渉に基づいて、移動鏡と参照鏡との相対変位を計測
することにより、レチクルステージ2(ひいてはレチク
ルR)のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置が
所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリ
アルタイムに計測される。なお、レチクル微動ステージ
18の材質としては、高剛性且つ低熱膨張の材料が好ま
しく、金属やコージェライトまたはSiCからなるセラ
ミックスを用いることができる。
【0037】図1に戻り、投影光学系PLとして、ここ
では物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両
方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や
蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)から
なる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使
用されている。このため、レチクルRに照明光が照射さ
れると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で
照明された部分からの結像光束が光学系69(後述)を
介して投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部
分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央に
スリット状に制限されて結像される。これにより、投影
された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの
結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域の
うち、1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写
される。
【0038】この投影光学系PLとレチクルRとの間に
は、レチクルRを照明して透過した露光光をテレセント
リックな平行光束として投影光学系PLに入射する光学
系69が配設されている。光学系(例えばガラス)69
は、板バネやコイルスプリング等のバネ定数が小さい弾
性部材71を介して投影光学系PLの鏡筒に支持されて
いる。また、光学系69の露光光透過領域外には、加速
度計(計測装置)72が3つ(図1では2つのみ図示)
配置されている。加速度計72は、光学系69に作用す
る加速度を計測することで、光学系69と投影光学系P
Lとの相対的な傾き(相対位置関係)を計測するもので
あって、その計測結果は調整装置としての主制御装置7
0に出力される(図6参照)。
【0039】一方、投影光学系PLの鏡筒部の外周に
は、該鏡筒部に一体化されたフランジ23が設けられて
いる。そして、投影光学系PLは、リアクションフレー
ム8の段部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に
支持された鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方
向をZ方向として上方から挿入されるとともに、フラン
ジ23が係合している。なお、鏡筒定盤25として、高
剛性・低熱膨張のセラミックス材を用いてもよい。
【0040】フランジ23の素材としては、低熱膨張の
材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、
マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含
む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフ
ランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して
点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネ
マティック支持マウントを構成している。このようなキ
ネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの
鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付
け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度
変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという
利点がある。
【0041】防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コ
ーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットにつ
いては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26
と鏡筒定盤25に対して推力を付与するボイスコイルモ
ータ27とが段部8b上に直列に配置された構成になっ
ている。これら防振ユニット24によって、ベースプレ
ート10およびリアクションフレーム8を介して鏡筒定
盤25(ひいては投影光学系PL)に伝わる微振動がマ
イクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0042】この鏡筒定盤25上には、複数(例えば3
つ、図1では1つのみ図示)の加速度計73がウエハ定
盤6との相対速度検出用の検出装置として設けられてい
る。加速度計73の計測結果はウエハステージ5の駆動
制御装置としての主制御装置70に出力される(図6参
照)。主制御装置70は、加速度計73の出力に基づき
防振ユニット24を駆動することで投影光学系PLに対
する振動を制御するが、その詳細については後述する。
【0043】ステージ装置7は、図1から明らかなよう
に、ステージ装置4と投影光学系PLとから分離してベ
ースプレート10上に設けられている。ステージ装置7
は、ウエハステージ5、このウエハステージ5をXY平
面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤
6、ウエハステージ5と一体的に設けられウエハWを吸
着保持する試料台ST、これらウエハステージ5および
試料台STを相対移動自在に支持するXガイドバーXG
を主体に構成されている。ウエハステージ5の底面に
は、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)28が固定されており、これらのエアベアリ
ング28によってウエハステージ5がウエハ定盤6上
に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上
支持されている。
【0044】ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上
方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されて
いる。防振ユニット29は、ウエハ定盤6の各コーナー
に配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては
図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント30とウエ
ハ定盤6に対して推力を付与するボイスコイルモータ
(推力付与装置)31とがベースプレート10上に並列
に配置された構成になっている。これら防振ユニット2
9によって、ベースプレート10を介してウエハ定盤6
に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるように
なっている。なお、ウエハ定盤6のベースプレート10
(床)に対する相対位置は、位置センサ78で検出され
主制御系70に出力される(図6参照)。
【0045】このウエハ定盤6上には、複数(例えば3
つ、図1では1つのみ図示)の加速度計74が鏡筒定盤
25(投影光学系PL)との相対速度検出用の検出装
置、およびウエハ定盤6の振動特性を検出するための振
動検出装置として設けられている。加速度計74の計測
結果はウエハステージ5の駆動制御装置としての主制御
装置70に出力される(図6参照)。主制御装置70
は、加速度計74の出力に基づき防振ユニット29を駆
動することで投影光学系PLに対する振動を制御する
が、その詳細については後述する。
【0046】図5に示すように、XガイドバーXGは、
X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両
端には電機子ユニットからなる可動子36,36がそれ
ぞれ設けられている。これらの可動子36,36に対応
する磁石ユニットを有する固定子37,37は、ベース
プレート10に突設された支持部32、32に設けられ
ている(図1参照、なお図1では可動子36および固定
子37を簡略して図示している)。そして、これら可動
子36および固定子37によってムービングコイル型の
リニアモータ33、33が構成されており、可動子36
が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動され
ることで、XガイドバーXGはY方向に移動するととも
に、リニアモータ33、33の駆動を調整することでθ
Z方向に回転移動する。すなわち、このリニアモータ3
3によってXガイドバーXGとほぼ一体的にウエハステ
ージ5(および試料台ST、以下単にウエハステージ5
と称する)がY方向およびθZ方向に駆動されるように
なっている。なお、ウエハステージ5は、Y方向の移動
にはガイド部材を有さないガイドレスステージとなって
いるが、ウエハステージ5のX方向の移動に関しても適
宜ガイドレスステージとすることができる。
【0047】ウエハステージ5は、XガイドバーXGと
の間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石および
アクチュエータからなる磁気ガイドを介して、Xガイド
バーXGにX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持
されている。また、ウエハステージ5は、Xガイドバー
XGに埋設された固定子35aを有するXリニアモータ
35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動され
る。なお、Xリニアモータの可動子は図示していない
が、ウエハステージ5に取り付けられている。
【0048】ウエハステージ5の上面には、ウエハホル
ダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定され
る(図1参照、図5では図示略)。また、ウエハステー
ジ5のX方向の位置は、投影光学系PLの鏡筒下端に固
定された参照鏡42を基準として、ウエハステージ5の
一部に固定された移動鏡43の位置変化を計測するレー
ザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1
nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、
上記参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ
直交するように配置された不図示の参照鏡、レーザ干渉
計および移動鏡48(図5参照)によってウエハステー
ジ5のY方向の位置が計測される。なお、これらレーザ
干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有す
る多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に基
づいてウエハステージ5(ひいてはウエハW)のXY位
置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベリ
ング量をも求めることができるようになっている。
【0049】また、XガイドバーXGの−X方向側に
は、ボイスコイルモータで構成されたXトリムモータ
(反力伝達装置)34の可動子34aが取り付けられて
いる。Xトリムモータ34は、Xリニアモータ35の固
定子としてのXガイドバーXGとリアクションフレーム
8との間に介装され、その固定子34bはリアクション
フレーム8に設けられている。このため、ウエハステー
ジ5をX方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ3
4によりリアクションフレーム8に伝達され、さらにリ
アクションフレーム8を介してベースプレート10に伝
達される。
【0050】さらに、投影光学系PLのフランジ23に
は、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が、ウエハ
定盤6とのZ方向の相対位置を検出するための検出装置
として固定されている(ただし、図1においてはこれら
のレーザ干渉計のうち1つが代表的に示されている)。
各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤25の部分に
は、開口25aがそれぞれ形成されており、これらの開
口25aを介して各レーザ干渉計45からZ方向のレー
ザビーム(測長ビーム)がウエハ定盤6に向けて照射さ
れる。ウエハ定盤6の上面の各測長ビームの対向位置に
は、反射面がそれぞれ形成されている。このため、上記
3つのレーザ干渉計45によってウエハ定盤6の異なる
3点のZ位置がフランジ23を基準としてそれぞれ計測
される(ただし、図1においては、ウエハステージ5上
のウエハWの中央のショット領域が投影光学系PLの光
軸の直下にある状態が示されているため、測長ビームが
ウエハステージ5で遮られた状態になっている)。な
お、ウエハステージ5の上面に反射面を形成して、この
反射面上の異なる3点のZ方向位置を投影光学系PLま
たはフランジ23を基準として計測する干渉計を設けて
もよい。
【0051】また、上述したように、レチクル定盤3、
鏡筒定盤25、ウエハ定盤6には、それぞれ各定盤のZ
方向の振動を計測する3つの加速度計75、73、74
が振動センサ群として取り付けられているが、さらに、
各定盤にはXY面内方向の振動を計測する3つの振動セ
ンサ(例えば加速度計;不図示)がそれぞれ取り付けら
れている。これらの振動センサのうち2つは、各定盤の
Y方向の振動を計測し、残りの振動センサはX方向の振
動を計測するものである(以下、便宜上これらの振動セ
ンサを振動センサ群77と称する;図6参照)。そし
て、これらの加速度計73〜75、振動センサ群77の
計測値に基づいて、主制御装置70がレチクル定盤3、
ウエハ定盤6、鏡筒定盤25の6自由度(X、Y、Z、
θX、θY、θZ)の振動をそれぞれ求めることができ
る構成になっている。
【0052】図6に露光装置1の制御系を示す。この図
に示すように、位置センサ、加速度計、振動センサ群、
レーザ干渉計の各種計測装置の計測結果は主制御装置7
0に出力される。そして、主制御装置70は、これら計
測装置の計測結果に基づいて各種演算処理を行い、その
結果に基づきレチクル駆動用リニアモータ、ウエハ駆動
用リニアモータ、ウエハ駆動用トリムモータ、可動レチ
クルブラインド駆動用アクチュエータ、防振ユニット等
を統括的に制御する。また、主制御装置70には、ウエ
ハ定盤6の振動パターン(振動特性)をマップとして記
憶する記憶装置76が付設されている。
【0053】次に、上記のように構成されたステージ装
置および露光装置による露光処理の動作について説明す
る。まず、露光処理に先立って、ウエハステージ5の位
置に応じたウエハ定盤6の振動特性を求めるとともに、
ウエハステージ5の位置に応じたステージ装置7の重心
位置と慣性主軸とを求める。ウエハ定盤6の振動特性を
求めるには、ウエハステージ5を例えばウエハ定盤6上
の−X側端部近傍、中央部近傍、+X側端部近傍(それ
ぞれ図1中、右側、中央、左側)に位置させる。そし
て、その位置でウエハステージ5を移動させ、この移動
に伴う振動を加速度計74および振動センサ群77によ
り検出して記憶装置76に記憶する。
【0054】このときに検出される回転方向成分の加速
度出力を図7に示す。図7(a)はウエハ定盤6の−X
側で検出された加速度出力であり、(b)は中央部で検
出された加速度出力であり、(c)は+X側で検出され
た加速度出力である。主制御装置70は、得られた加速
度の出力パターンを相殺(減衰)する加速度出力パター
ン(推力パターン)のマップと、ウエハステージ5の位
置に応じた補正係数とを設定し記憶装置76に記憶す
る。なお、マップ設定の際のウエハステージ5の移動パ
ターンは実露光時に行われる行程と同一で実行する。
【0055】また、ステージ装置7における重心位置と
慣性主軸とを求めるには、ウエハステージ5を前述の−
X側端部近傍、中央部近傍、+X側端部近傍のそれぞれ
の位置で停止させるとともに、例えば主制御部70が防
振ユニット29のボイスコイルモータ31を駆動してウ
エハ定盤6にインパルス波形のダミー振動を与える。こ
の振動を振動センサ群77と加速度計74とが検出した
結果に基づいて、主制御装置70が所定の演算シーケン
スを実行することで、ウエハステージ5の位置に応じた
ステージ装置7の慣性系における重心位置と慣性主軸と
を求めて同定することができる。そして、上記の同定処
理により、この重心位置Pと慣性主軸ζ、η、ξとを求
めることができる。なお、ウエハ定盤6に対する加振
は、ボイスコイルモータの駆動ではなく、ウエハステー
ジ5の駆動で行ってもよい。また、ウエハステージ5の
測定箇所は、前述の3箇所だけではなく任意の位置で求
めることができる。
【0056】このように、推力マップ、重心位置、およ
び慣性系の慣性主軸を求めた後に、露光処理を実施す
る。ここでは、予め、ウエハW上のショット領域を適正
露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の露光
条件が設定されているものとする。そして、いずれも不
図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメン
トセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライ
ン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセン
サを用いたウエハWのファインアライメント(EGA;
エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了
し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求め
られる。
【0057】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が完了すると、アライメント結果に基づいてレ
ーザ干渉計44の計測値をモニタしつつ、リニアモータ
33、35を制御してウエハWの第1ショットの露光の
ための走査開始位置にウエハステージ5を移動する。そ
して、リニアモータ15、33を介してレチクルステー
ジ2とウエハステージ5とのY方向の走査を開始し、両
ステージ2、5がそれぞれの目標走査速度に達すると、
可動レチクルブラインド62で設定された照明光学系I
Uからの露光用照明光により、レチクルR上の所定の矩
形状の照明領域が均一な照度で照明される。この照明領
域に対してレチクルRがY方向に走査されるのに同期し
て、この照明領域と投影光学系PLに関して共役な露光
領域に対してウエハWを走査する。
【0058】ここで、可動レチクルブラインド62にお
いては、可動ブレードを移動させることで、露光前等の
露光を実施しないときに照明光を遮光し、両ステージ
2、5、すなわちレチクルRおよびウエハWが露光位置
へそれぞれ到達して露光を実施するときに開口を形成し
所定の照明領域を設定する。これにより、光源LSから
照射された照明光は可動ブレードの開口で設定された矩
形状の領域でレチクルRを照明する。
【0059】そして、レチクルRのパターン領域を透過
した照明光が投影光学系PLにより1/4倍に縮小さ
れ、レジストが塗布されたウエハW上に照射される。そ
して、ウエハW上の露光領域には、レチクルRのパター
ンが逐次転写され、1回の走査でレチクルR上のパター
ン領域の全面がウエハW上のショット領域に転写され
る。この走査露光時には、レチクルステージ2のY方向
の移動速度と、ウエハステージ5のY方向の移動速度と
が投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4
倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ
15、33を介してレチクルステージ2およびウエハス
テージ5を同期制御する。
【0060】レチクルステージ2の走査方向の加減速時
の反力は、固定子20の移動により吸収され、ステージ
装置4における重心の位置がY方向において実質的に固
定される。また、レチクルステージ2と固定子20とレ
チクル定盤3との3者間の摩擦が零でなかったり、レチ
クルステージ2と固定子20との移動方向が僅かに異な
る等の理由で、レチクル定盤3の6自由度方向の微少な
振動が残留した場合にも、振動センサ群77や加速度計
75の計測値に基づいて上記残留振動を除去すべく、エ
アマウント12およびボイスコイルモータ13をフィー
ドバック制御する。
【0061】また、鏡筒定盤25においては、レチクル
ステージ2、ウエハステージ5の移動による微振動が発
生しても、主制御装置70が鏡筒定盤25に設けられた
振動センサ群77や加速度計73の計測値に基づいて6
自由度方向の振動を求め、エアマウント26およびボイ
スコイルモータ27をフィードバック制御することによ
りこの微振動をキャンセルして、鏡筒定盤25を定常的
に安定した位置に維持することができる。
【0062】同様に、ステージ装置7では、主制御装置
70がレーザ干渉計44等の計測値に基づいて、ウエハ
ステージ5の移動に伴う重心の変化による影響をキャン
セルするカウンターフォースを防振ユニット29に対し
てフィードフォワードで与え、この力を発生するように
エアマウント30およびボイスコイルモータ31を駆動
する。また、ウエハステージ5とウエハ定盤6との摩擦
が零でない等の理由で、ウエハ定盤6の6自由度方向の
微少な振動が残留した場合にも、振動センサ群77や加
速度計74の計測値に基づいて上記残留振動を除去すべ
く、エアマウント30およびボイスコイルモータ31を
フィードバック制御する。このボイスコイルモータ31
の駆動に関して主制御装置70は、予め検出したウエハ
ステージ5の位置に応じた重心位置および慣性系の慣性
主軸の座標系における推力に変換してボイスコイルモー
タ31を駆動する。これにより、ウエハ定盤6に対して
は設計値ではなく、真の慣性主軸の座標系における適切
な推力が付与され、より正確で効果的な制振を実施でき
る。
【0063】さらに、ボイスコイルモータ31の駆動に
際して主制御装置70は、記憶装置76に記憶されてい
る加速度出力パターンのマップに対して、ウエハ定盤6
におけるウエハステージ6の位置に応じて補正係数で補
正し、この補正したマップに基づいてボイスコイルモー
タ31を駆動する。また、ボイスコイルモータ31を駆
動してもさらに残留振動が存在する場合は、この残留振
動を減衰させるように補正係数を設定してマップに基づ
いた推力をボイスコイルモータ31を駆動させる。この
ときの制御ループを図9に示す。このように、予め検出
したマップと補正係数とを用いて、ステージ装置7にお
けるボイスコイルモータ31の推力をフィードフォワー
ドで推力指令値として出力しているので、残留振動を短
時間で効果的に減衰できる。
【0064】なお、加速度出力パターンのマップは、必
ずしも露光処理前に作成する必要はなく、実機における
ウエハステージ5の駆動に基づいて作成されるのであれ
ば、プロセス処理中に作成して、随時更新するような構
成としてもよい。例えば、露光処理中に、図7(a)に
おいて二点鎖線で示す加速度出力が得られた場合は、出
力差εを用いてマップを修正すればよい。また、ステー
ジ装置7(ウエハ定盤6)に関して、マップを用いた推
力調整について説明したが、レチクル定盤3や鏡筒定盤
25に対しても、予めマップを作成し、マップと補正係
数とを用いてレチクルステージ2やウエハステージ5の
位置に応じてボイスコイルモータの推力を調整すること
ができる。
【0065】さらに、ステージ移動に伴う振動制御およ
び露光処理制御について詳述する。上記レチクルステー
ジ2およびウエハステージ5の移動によりリアクション
フレーム8に振動が発生する可能性がある。特に、ウエ
ハステージ5のX方向の移動に伴う反力は、Xトリムモ
ータ34を介してリアクションフレーム8に伝達される
ため、リアクションフレーム8の残留振動により支持コ
ラム9を介して第2照明光学系IU2が第1照明光学系
IU1に対して振動(相対移動)する可能性がある。ま
た、レチクルRへの照明領域設定のために可動レチクル
ブラインド62がアクチュエータ63を介して駆動され
ると、この駆動に伴い発生した振動により、第1照明光
学系IU1が第2照明光学系IU2に対して振動(相対
移動)する可能性がある。
【0066】このとき、主制御装置70は、位置センサ
66が検出した可動レチクルブラインド62と第2照明
光学系IU2との相対距離に応じて、アクチュエータ6
3を介して可動ブレードをX方向およびY方向のそれぞ
れに関して移動させる。これにより、第1照明光学系I
U1と第2照明光学系IU2とが相対移動するような振
動が発生した場合でも、可動レチクルブラインド62と
第2照明光学系IU2との相対位置関係、すなわちレチ
クルRに対する照明領域が変動することなく所定位置に
維持される。なお、可動レチクルブラインド62をZ方
向に移動させるアクチュエータを設け、Z方向に関する
相対位置関係を補正するようにしてもよい。
【0067】また、投影光学系PLの微振動等により、
光学系69が投影光学系PL(の光軸)に対して傾く
(チルト)場合がある。この場合、レチクルRを透過し
た露光光は、光学系69を透過することにより、光学系
69の傾きに応じて投影光学系PLの光軸に対して傾い
た平行光束で入射する。この結果、レチクルRのパター
ン像は、ウエハW上で所定位置からシフトした位置で結
像することになる。そのため、主制御装置70は、加速
度計72が計測した光学系69と投影光学系PLとの相
対的な傾きから、ウエハW上に結像するパターンのシフ
ト量を算出し、このシフト量を補正するようにレチクル
ステージ2を駆動する。具体的には、レチクルステージ
2に対する駆動量に対して、シフト量に対応するオフセ
ット値を持たせる。これにより、ウエハW上に結像する
パターン像位置が所定位置に補正される。なお、光学系
69と投影光学系PLとの相対位置関係を計測する手段
としては加速度計の他に、レーザ干渉計等、相対距離を
計測する計測装置を用いてもよい。また、ウエハW上に
結像するパターンのシフト量を補正するためには、レチ
クルステージ2の駆動量にオフセット値を持たせる他
に、ウエハステージ5の駆動量にシフト量に対応するオ
フセット値を持たせてもよい。
【0068】また、上記走査露光に関しては鏡筒定盤2
5とウエハ定盤6とを、すなわち投影光学系PLとウエ
ハWとを速度制御系により追従させている。この制御ル
ープを図10に示す。この図において符号S1は投影光
学系PL(すなわち鏡筒定盤25、防振ユニット24)
に関する制御ループ(制御系)であり、符号S2はウエ
ハW(すなわちウエハ定盤6、防振ユニット29)に関
する制御ループ(制御系)である。また、制御系S1に
おける二点鎖線は、鏡筒定盤25、防振ユニット24を
示すプラント部であり、制御系S2における二点鎖線
は、ウエハ定盤6、防振ユニット29を示すプラント部
である。
【0069】この図に示すように、制御系S1は、加速
度計73の検出した加速度を積分(演算処理)して得ら
れる速度による速度サーボを形成する速度制御ループS
R1をマイナーループとし、位置センサ78の計測結果
に基づいて速度制御ループSR1を制御する位置制御ル
ープPR1をメインループとするカスケード型の制御系
で構成されている。同様に、制御系S2は、加速度計7
4の検出した加速度を積分して得られる速度による速度
サーボを形成する速度制御ループSR2をマイナールー
プとし、レーザ干渉計45の計測結果に基づいて速度制
御ループSR2を制御する位置制御ループPR2をメイ
ンループとするカスケード型の制御系で構成されてい
る。なお、上記速度制御ループでは主に10〜20Hz
の高周波領域の振動を制振し、位置制御ループでは例え
ば0.1Hz程度の低周波領域の振動を制振している。
【0070】そして、本実施の形態では、制御系S1内
の速度制御ループSR1における加速度を制御系S2内
の速度制御ループSR2に出力している。制御系S2で
は、ウエハ定盤6の加速度と鏡筒定盤25の加速度との
差、すなわち相対加速度を積分して得られる相対速度に
よる速度サーボを行う。これにより、ウエハ定盤6は鏡
筒定盤25に対して速度制御の下で追従駆動される。換
言すると、ウエハWが投影光学系PLに対して追従する
ように同期駆動される。
【0071】なお、投影光学系PLとウエハWとの相対
速度を検出する方法としては、加速度計73、74を用
いることなく、投影光学系PLとウエハ定盤6との相対
距離を検出するレーザ干渉計45の検出結果を微分(演
算処理)しても求めることができる。このときの制御ル
ープを図11に示す。この図に示すように、制御系S2
では、レーザ干渉計45の検出した相対距離を微分する
ことで求めた相対速度により速度制御を実施できる。
【0072】以上説明したように、本実施の形態の露光
装置では、可動レチクルブラインド62をリアクション
フレーム8と振動的に独立して配置しているので、ブレ
ード駆動に伴う振動がリアクションフレーム8を介して
投影光学系PLやレチクルR、ウエハWに伝わることを
防止でき、これらの振動に起因するパターン転写位置の
ずれや像ボケ等の発生を効果的に防止して露光精度の向
上を図ることができる。
【0073】また、レチクルステージ2やウエハステー
ジ5の駆動に伴う振動や可動レチクルブラインド62の
駆動に伴う振動により、第1照明光学系IU1と第2照
明光学系IU2に対して相対移動)する可能性がある
が、本実施の形態では、可動レチクルブラインド62と
第2照明光学系IU2との相対距離に応じて可動ブレー
ドをX方向およびY方向のそれぞれに関して移動させて
いるので、レチクルRに対する照明領域を所定位置に維
持することができ、ウエハW上に露光形成されるパター
ンの位置精度や重ね合わせ精度の低下を未然に防ぐこと
ができる。さらに、本実施の形態では、可動ブレードの
位置を2次元平面内で調整しているので、第1照明光学
系IU1と第2照明光学系IU2との相対移動が2次元
的に発生した場合でも対処することができる。
【0074】さらに、本実施の形態では、光学系69と
投影光学系PLとの相対的な傾きからウエハW上に結像
するパターンのシフト量を算出し、このシフト量を補正
するようにレチクルステージ2の駆動量を補正している
ので、光学系69の位置誤差に起因するウエハW上のパ
ターン位置ずれを防止することができ、露光精度の向上
に寄与することができる。
【0075】また、本実施の形態では、鏡筒定盤25に
加わる加速度とウエハ定盤6に加わる加速度、すなわち
投影光学系PLに加わる加速度とウエハWに加わる加速
度とに基づいて検出したこれらの相対速度による速度制
御を行い、光軸方向においてウエハWを投影光学系PL
に追従させているので、何らかの理由で投影光学系PL
が振動した場合でも投影光学系PLとウエハWとを光軸
方向で同期させることができ、これらの相対位置関係を
維持することができる。そのため、レチクルR上のパタ
ーンをウエハW上に露光形成する場合でも、常に投影光
学系PLの焦点位置をウエハWの所定位置(レジスト塗
布面)に維持することができ、像ボケ等の発生を防止し
て露光精度の向上を図ることができる。なお、この相対
速度としては、レーザ干渉系45の計測結果により求め
た投影光学系PLとウエハ定盤6との相対距離を微分処
理して得た場合でも同様の効果を得ることができる。
【0076】また、本実施形態では、ウエハ定盤6が加
振された際の重心位置および慣性主軸を求め、この重心
位置および慣性主軸に基づいて定盤に付与する推力を補
正しているので、真の慣性系に応じた適切な推力を付与
することができ、正確で効果的な制振(短時間の振動減
衰)を実施できる。また、シミュレーションにより装置
の重心位置および慣性主軸を求めて振動制御を行っても
上記と同様に正確な制振を実施できるが、特に、本実施
の形態では設計値による計算ではなく、実機においてウ
エハ定盤6に振動を与えることで重心位置および慣性主
軸を求めているので、より正確な制振が可能になる。
【0077】本実施の形態においては、ウエハ定盤6に
対するウエハステージ5の位置に応じて重心位置と慣性
主軸とをそれぞれ検出しているので、ウエハステージ5
がスキャン動作またはステップ動作で移動した際にも、
ウエハ定盤6に付与する推力をその都度正確な重心位置
および慣性主軸の座標系に変換して求めることができ、
より正確で効果的な制振を実施することができる。ま
た、ウエハ定盤6に対して推力を付与する方向として
は、Z方向に沿う方向の他に、重心位置に向かう方向で
あってもよい。この場合、推力付与に際して回転モーメ
ントが発生しないので、より安定した短時間での制振が
可能になる。
【0078】さらに、本実施の形態では、ウエハ定盤6
の振動特性を予めマップとして記憶しておき、このマッ
プとウエハステージ5の位置に応じた補正係数とを用い
て、ステージ装置7におけるボイスコイルモータ31の
推力をフィードフォワードで推力指令値として出力して
いるので、残留振動を効果的に減衰させることができ、
整定までに要する時間を短くすることができる。しか
も、このマップは、実機においてウエハステージ5を駆
動して求めているので、計算や実験で求めた場合のよう
に補正項を考慮する必要がなく、実機に即したより正確
な振動特性を記憶することができる。
【0079】なお、上記実施の形態において、ウエハス
テージ5の移動に伴いXガイドバーXGに加わる反力を
リアクションフレーム8に伝達するためのXトリムモー
タ34としてボイスコイルモータを用いる構成とした
が、この構成に限定されるものではなく、E型コアとI
型コアとの結合によるEIコアを設置してもよい。この
場合、E型コアとI型コアとの一方をXガイドバーXG
側に配置し、他方をリアクションフレーム8側に配置す
ればよく、ムービングコイル型でもムービングマグネッ
ト型でもいずれの方式でも適用可能である。ムービング
マグネット型であれば、移動するXガイドバーXGに対
する配線が不要になり、装置構成の簡素化および配線を
伝わる振動の悪影響を排除できる。ムービングコイル型
であれば、コイルに対して通電する領域が小さくてすむ
ので、通電により発生する熱の影響を抑制することがで
きる。
【0080】EIコアは、ボイスコイルモータと比較し
て1.5倍程度の推力を出力することができる。そのた
め、Xトリムモータ34としてEIコアを設けること
で、同じ推力を出力するボイスコイルモータの2/3程
度の大きさで済み、装置の小型化を実現することができ
る。特に、XガイドバーXGに加わる反力は、1000
Nにもなるので、この反力を伝達できるだけの推力を出
力するモータとして、この大きさの差は装置全体の小型
化に大きく寄与することになる。
【0081】なお、Xトリムモータ34は、Xガイドバ
ーXGのX方向の位置Pを調整するものなので、EIコ
アにおいてはE型コアとI型コアとの間の相対位置を厳
密に制御する必要がある。ここで、EIコアが充分な推
力を出力するには、E型コアとI型コアとの間の相対位
置を所定範囲内に規制する必要があるため、この相対位
置関係を計測する計測装置を設けることが望ましい。こ
の場合、主制御装置70は、計測したE型コアとI型コ
アとの間の相対位置に基づいてバイアス電流を制御する
ことで、この相対位置を所定範囲内に維持することがで
き、結果としてXガイドバーXGに加わる反力に対抗す
るために充分な推力を常に出力することができる。
【0082】なお、上記実施の形態では、本発明のステ
ージ装置を露光装置1に適用する構成としたが、これに
限定されるものではなく、露光装置1以外にも転写マス
クの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の
精密測定機器にも適用可能である。また、上記実施の形
態において、リニアモータ15、33をムービングコイ
ル型としたが、ムービングマグネット型にしてもよいこ
とはいうまでもない。
【0083】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディス
プレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0084】露光装置1としては、レチクルRとウエハ
Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光す
るステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。
【0085】露光装置1の種類としては、ウエハWに半
導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用
の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチ
クルなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。
【0086】また、露光用照明光の光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.7nm)、i線(365nm))、KrF
エキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線
を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよい
し、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形
成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体
レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0087】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系
PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接
させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ
露光装置にも適用可能である。
【0088】ウエハステージ5やレチクルステージ2に
リニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)
を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型お
よびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮
上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5
は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを
設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0089】各ステージ2、5の駆動機構としては、二
次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二
次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電
磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用
いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニット
とのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニ
ットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動
面側(ベース)に設ければよい。
【0090】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0091】半導体デバイスは、図12に示すように、
デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この
設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する
ステップ202、シリコン材料からウエハを製造するス
テップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレ
チクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステッ
プ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工
程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)20
5、検査ステップ206等を経て製造される。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る露
光装置は、照明光学系の少なくとも一部と照明領域設定
装置との相対位置関係に基づいて照明領域設定装置の位
置を調整する構成となっている。これにより、この露光
装置では、マスクに対する照明領域を所定位置に維持す
ることができるので、基板上に露光形成されるパターン
の位置精度や重ね合わせ精度の低下を未然に防ぐことが
でき、露光精度の向上に寄与できるという効果を奏す
る。
【0093】請求項2に係る露光装置は、照明領域設定
装置が露光を実施するときと露光を実施しないときとで
マスクの照明領域の大きさを変える構成となっている。
これにより、この露光装置では、照明領域の大きさを変
える際に照明領域の位置を所定位置に維持することがで
きるので、基板上に露光形成されるパターンの位置精度
や重ね合わせ精度の低下を未然に防ぐことができ、露光
精度の向上に寄与できるという効果を奏する。
【0094】請求項3に係る露光装置は、調整装置が照
明領域設定装置の位置を2次元平面内で調整する構成と
なっている。これにより、この露光装置では、照明光学
系の少なくとも一部と照明領域設定装置との相対移動が
2次元的に発生した場合でも、基板上に露光形成される
パターンの位置精度や重ね合わせ精度の低下を未然に防
ぐことができるという効果を奏する。
【0095】請求項4に係る露光装置は、マスクと基板
とを走査してパターンを基板に露光する走査型露光装置
である構成となっている。これにより、この露光装置で
は、マスクと基板とを走査した際にもマスクに対する照
明領域を所定位置に維持することができるという効果を
奏する。
【0096】請求項5に係る露光装置は、光学系と投影
光学系との相対位置関係に基づいて基板に投影されるパ
ターン像の位置を調整する構成となっている。これによ
り、この露光装置では、光学系の位置誤差に起因する基
板上のパターン位置ずれを防止することができ、露光精
度の向上に寄与できるという効果を奏する。
【0097】請求項6に係る露光装置は、調整装置が計
測装置の計測結果に基づいてマスクステージを駆動する
構成となっている。これにより、この露光装置では、マ
スクステージの駆動量を調整することで光学系の位置誤
差に起因する基板上のパターン位置ずれを防止すること
ができるという効果を奏する。
【0098】請求項7に係る露光装置は、光学系が投影
光学系に支持される構成となっている。これにより、こ
の露光装置では、光学系が投影光学系に支持された場合
でも、光学系の位置誤差に起因する基板上のパターン位
置ずれを防止することができるという効果を奏する。
【0099】請求項8に係る露光装置は、光学系が投影
光学系に平行光束を入射する構成となっている。これに
より、この露光装置では、投影光学系に平行光束が傾い
て入射した場合でも、光学系の位置誤差に起因する基板
上のパターン位置ずれを防止することができるという効
果を奏する。
【0100】請求項9に係る露光装置は、マスクと基板
とを走査してパターンを基板に露光する走査型露光装置
である構成となっている。これにより、この露光装置で
は、マスクと基板とを走査した際にも光学系の位置誤差
に起因する基板上のパターン位置ずれを防止することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の概略構成図である。
【図2】 第2照明光学系がリアクションフレームに
支持された露光装置の概略構成図である。
【図3】 照明光学系を構成する可動レチクルブライ
ンドの平面図である。
【図4】 同露光装置を構成するレチクルステージの
外観斜視図である。
【図5】 同露光装置を構成するウエハ側ステージ装
置の外観斜視図である。
【図6】 露光装置の制御系を示す制御ブロック図で
ある。
【図7】 (a)〜(c)は、ウエハ定盤の加速度計
の出力軌跡をそれぞれ示す図である。
【図8】 露光装置における重心位置および慣性主軸
を説明するための図である。
【図9】 マップを用いた振動制御の制御ループを示
す図である。
【図10】 投影光学系とウエハとを速度制御下で追
従駆動させるための制御ループを示す図である。
【図11】 投影光学系とウエハとを速度制御下で追
従駆動させるための制御ループを示す図である。
【図12】 半導体デバイスの製造工程の一例を示す
フローチャート図である。
【符号の説明】
IU 照明光学系 IU1 第1照明光学系(照明光学系) IU2 第2照明光学系(照明光学系) PL 投影光学系 R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) 1 露光装置 2 レチクルステージ(マスクステージ) 5 ウエハステージ(基板ステージ、ステージ本体) 6 ウエハ定盤(定盤) 7 ステージ装置 8 リアクションフレーム(支持部) 31 ボイスコイルモータ(推力付与装置) 34 Xトリムモータ(反力伝達装置) 35 Xリニアモータ(駆動装置) 35a 固定子 45 レーザ干渉計(検出装置、相対速度検出装置) 62 レチクルブラインド(照明領域設定装置) 66 位置センサ(検出装置、相対位置検出装置) 69 光学系 70 主制御装置(調整装置、制御装置、補正装置、駆
動制御装置) 72 加速度計(計測装置、相対傾き計測装置) 73 加速度計(検出装置、相対速度検出装置) 74 加速度計(検出装置、相対速度検出装置、振動検
出装置) 76 記憶装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光学系により照明されたマスクの
    パターンを基板に露光する露光装置において、 前記照明光学系の少なくとも一部と前記マスクとを支持
    する支持部と、 前記マスクの照明領域を設定するとともに、前記支持部
    とは振動的に独立して配置された照明領域設定装置と、 前記照明光学系の少なくとも一部と前記照明領域設定装
    置との相対位置関係を検出する検出装置と、 前記検出装置の検出結果に基づいて前記照明領域設定装
    置の位置を調整する調整装置とを備えることを特徴とす
    る露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光装置において、 前記照明領域設定装置は、前記露光を実施するときと前
    記露光を実施しないときとで前記マスクの照明領域の大
    きさを変えることを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の露光装
    置において、 前記調整装置は、前記照明領域設定装置の位置を2次元
    平面内で調整することを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項
    記載の露光装置において、 前記露光装置は、前記マスクと前記基板とを走査して前
    記パターンを前記基板に露光する走査型露光装置である
    ことを特徴とする露光装置。
  5. 【請求項5】 マスクのパターンを投影光学系により
    基板に投影露光する露光装置において、 前記マスクと前記投影光学系との間に配設される光学系
    と、 該光学系と前記投影光学系との相対位置関係を計測する
    計測装置と、 前記計測装置の計測結果に基づいて前記基板に投影され
    るパターン像の位置を調整する調整装置とを備えること
    を特徴とする露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の露光装置において、 前記マスクを保持して移動するマスクステージを備え、 前記調整装置は、前記計測装置の計測結果に基づいて前
    記マスクステージを駆動することを特徴とする露光装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6記載の露光装
    置において、 前記光学系は、前記投影光学系に支持されていることを
    特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれか1項
    記載の露光装置において、 前記光学系は、前記投影光学系に平行光束を入射するこ
    とを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項8のいずれか1項
    記載の露光装置において、 前記露光装置は、前記マスクと前記基板とを走査して前
    記パターンを前記基板に露光する走査型露光装置である
    ことを特徴とする露光装置。
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