JP2003068578A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を
防止することができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留
まりを向上させることができる固体電解コンデンサの製
造方法を提供する。 【解決手段】 表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と
陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す。続い
て、このコンデンサ素子を重合性モノマーと酸化剤と所
定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸漬し、コンデ
ンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固
体電解質層を形成する。その後、このコンデンサ素子を
所定の絶縁性物質に浸漬して、コンデンサ素子内の空隙
部の30〜80%にこの絶縁性物質を充填する。そし
て、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端
部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した
後、エージングを行い、固体電解コンデンサを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に、高耐電圧が要求され
る固体電解コンデンサの歩留まりを向上させることがで
きる固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
【0004】また、固体電解コンデンサに用いられる固
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)等の導電性ポリマーに
着目した技術(特開平2−15611号公報)が存在し
ている。
【0005】このような巻回型のコンデンサ素子にPE
DT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成す
るタイプの固体電解コンデンサは、以下のようにして作
製される。まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる
陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチ
ング処理により粗面化して、多数のエッチングピットを
形成した後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を
印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。
陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウム等の弁作用金属
からなるが、その表面にはエッチング処理を施すのみで
ある。
【0006】このようにして表面に酸化皮膜層が形成さ
れた陽極箔とエッチングピットのみが形成された陰極箔
とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形
成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、
3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと
記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出
し、あるいは両者の混合液に浸漬して、コンデンサ素子
内で重合反応を促進し、PEDT等の導電性ポリマーか
らなる固体電解質層を生成する。その後、このコンデン
サ素子を有底筒状の外装ケースに収納して固体電解コン
デンサを作成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、上述
したような固体電解コンデンサが車載用として用いられ
るようになってきている。通常、車載用回路の駆動電圧
は12Vであり、固体電解コンデンサには25Vの高耐
電圧が要求される。しかしながら、上述したような従来
の製造方法によりこのような高耐電圧品を製造した場
合、エージング工程でショートが発生する割合が高く、
歩留まりが低いという欠点があった。
【0008】また、近年、環境問題から高融点の鉛フリ
ー半田が用いられるようになり、半田リフロー温度が2
00〜220℃から230〜270℃へとさらに高温化
している。このような高温下におかれる半田リフローを
行う場合、電解質層の熱劣化又は結晶化によるものと思
われるが、耐電圧が低下する。なお、このような問題点
は、重合性モノマーとしてEDTを用いた場合に限ら
ず、他のチオフェン誘導体、ピロール、アニリン等を用
いた場合にも同様に生じていた。
【0009】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止す
ることができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留まりを
向上させることができる固体電解コンデンサ及びその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、高耐電圧品を製造する場合に、エージン
グ工程でショートが発生する割合が高くなる原因につい
て種々検討を重ねた結果、以下の結論に達したものであ
る。すなわち、通常、導電性ポリマーを形成した後のコ
ンデンサ素子内には、導電性ポリマーの他に、重合反応
に関与しなかったモノマーや酸化剤及びその他の反応残
余物が存在している。そして、これらの導電性ポリマー
以外の物質の耐電圧は導電性ポリマーの耐電圧より低い
ため、これらの物質が固体電解コンデンサの耐電圧を低
下させていると考えられる。そこで、本発明者等は、こ
れらの反応残余物の耐電圧を向上させると共に、鉛フリ
ーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止すべく検討を
重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】(固体電解コンデンサの製造方法)本発明
に係る固体電解コンデンサの製造方法は以下の通りであ
る。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と
陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す。続い
て、このコンデンサ素子を重合性モノマーと酸化剤と所
定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸漬し、コンデ
ンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固
体電解質層を形成する。その後、このコンデンサ素子を
所定の絶縁性物質に浸漬して、コンデンサ素子内の空隙
部の30〜80%にこの絶縁性物質を充填する。そし
て、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端
部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した
後、エージングを行い、固体電解コンデンサを形成す
る。
【0012】(絶縁性物質)コンデンサ素子内で導電性
ポリマーの重合を行った後、コンデンサ素子内に充填す
る絶縁性物質としては、充填時に粘稠性のある樹脂が望
ましい。このような樹脂としては、天然樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂、または、以下に示すような熱可塑性樹脂を
挙げることができる。また、熱可塑性樹脂としては、付
加重合系のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリ
ル酸メチル等、重合系のポリアミド、ポリエステル、ポ
リカーボネイト、ポリフェニレンオキシド等、その他、
熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール等を挙げること
ができる。
【0013】また、本発明に用いる酸化剤によって重合
するモノマーを充填し、加熱重合させても良い。すなわ
ち、このようにして反応後に残余する酸化剤とモノマー
が反応して導電性ポリマーとなったとき、この導電性ポ
リマーは残余する少量の酸化剤によって重合したもので
あるので、導電性を付与するドーパントが十分ではない
ため絶縁性物質となり、絶縁性物質を充填したと同様の
状態となる。なお、このモノマーとしては、チオフェ
ン、ピロール、アニリン、及びこれらの誘導体を挙げる
ことができる。なかでも、3,4−エチレンジオキシチ
オフェンが好ましい。
【0014】(絶縁性物質の充填条件)上記のような絶
縁性物質をコンデンサ素子に充填する場合、その充填量
は、コンデンサ素子内の空隙部の30〜80%、好まし
くは35〜75%、さらに好ましくは40〜60%であ
る。絶縁性物質の充填量がコンデンサ素子内の空隙部の
30%以下であると、充填量が少なすぎて、反応残余物
に浸透してそれらを絶縁化させる作用が十分に得られな
いからである。一方、理由は定かではないが、絶縁性物
質の充填量がコンデンサ素子内の空隙部の80%を越え
ると、初期の漏れ電流が上昇してしまうからである。
【0015】なお、絶縁性物質の充填量を図る基準とな
るコンデンサ素子内の空隙部の容積は、導電性ポリマー
形成後のコンデンサ素子に減圧含浸等で樹脂を含浸し、
このとき含浸した樹脂の容積から求めることができる。
また、上記のような絶縁性物質をコンデンサ素子に充填
する方法としては、コンデンサ素子を絶縁性物質に浸漬
して含浸する方法、コンデンサ素子に絶縁性物質を吐出
して含浸する方法等を用いることができる。
【0016】(減圧)重合工程で減圧すると、さらに好
適である。その理由は、本発明のように200℃未満の
温度で熱処理をした場合、モノマーや酸化剤溶液が残存
する可能性があるが、加熱重合時に減圧すると、重合と
共に残存物を蒸散させることができるからである。な
お、減圧の程度は、10〜360mmHg程度の減圧状
態とすることが望ましい。
【0017】(EDT及び酸化剤)重合性モノマーとし
てEDTを用いた場合、コンデンサ素子に含浸するED
Tとしては、EDTモノマーを用いることができるが、
EDTと揮発性溶媒とを1:0〜1:3の体積比で混合
したモノマー溶液を用いることもできる。前記揮発性溶
媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセ
トン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセ
トニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、
なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ま
しい。
【0018】また、酸化剤としては、エタノールに溶解
したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしく
はヨウ素酸の水溶液を用いることができ、酸化剤の溶媒
に対する濃度は40〜57wt%が好ましく、45〜5
7wt%がより好ましい。酸化剤の溶媒に対する濃度が
高い程、ESRは低減する。なお、酸化剤の溶媒として
は、上記モノマー溶液に用いた揮発性溶媒を用いること
ができ、なかでもエタノールが好適である。酸化剤の溶
媒としてエタノールが好適であるのは、蒸気圧が低いた
め蒸発しやすく、残存する量が少ないためであると考え
られる。
【0019】(EDTと酸化剤の混合比)EDTと酸化
剤(溶媒を含まず)の混合比は、重量比で1:0.5〜
1:2.5の範囲が好適であり、1:1.0〜1:2.
0の範囲がより好適である。この範囲外ではESRが上
昇する。その理由は、以下の通りであると考えられる。
すなわち、モノマーに対する酸化剤の量が多過ぎると、
相対的に含浸されるモノマーの量が低下するので、形成
されるPEDTの量が低下してESRが上昇する。一
方、酸化剤の量が少なすぎると、モノマーを重合するの
に必要な酸化剤が不足して、形成されるPEDTの量が
低下してESRが上昇する。
【0020】(浸漬工程)コンデンサ素子を混合液に浸
漬する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まる
が、φ5×3L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ
9×5L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望まし
く、最低でも5秒間は浸漬することが必要である。な
お、長時間浸漬しても特性上の弊害はない。また、この
ように浸漬した後、減圧状態で保持すると好適である。
その理由は、揮発性溶媒の残留量が少なくなるためであ
ると考えられる。減圧の条件は上述した重合工程での減
圧条件と同様である。
【0021】(修復化成の化成液)修復化成の化成液と
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
【0022】(他の重合性モノマー)本発明に用いられ
る重合性モノマーとしては、上記EDTの他に、EDT
以外のチオフェン誘導体、アニリン、ピロール、フラ
ン、アセチレンまたはそれらの誘導体であって、所定の
酸化剤により酸化重合され、導電性ポリマーを形成する
ものであれば適用することができる。なお、チオフェン
誘導体としては、下記の構造式のものを用いることがで
きる。
【化1】
【0023】(作用・効果)上記のように、コンデンサ
素子内に導電性ポリマーを形成した後、このコンデンサ
素子を所定の絶縁性物質に浸漬して、コンデンサ素子内
の空隙部の30〜80%にこの絶縁性物質を充填するこ
とにより、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を
防止することができると共に、エージング工程でショー
トが発生する割合を大幅に低減することができる。この
ように、エージング工程でショートが発生する割合を大
幅に低減することができる理由は、コンデンサ素子に充
填した絶縁性物質が、コンデンサ素子内に残存する反応
残余物に浸透してそれらを絶縁化するためと考えられ
る。また、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を
防止することができる理由は、残余する酸化剤が減少す
るため、結果として電解質層の耐熱性が向上するためと
考えられる。
【0024】
【実施例】続いて、以下のようにして製造した実施例及
び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰
極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極箔をセパレー
タを介して巻回して、素子形状が5φ×2.8Lのコン
デンサ素子を形成した。そして、このコンデンサ素子を
リン酸二水素アンモニウム水溶液に40分間浸漬して、
修復化成を行った。一方、所定の容器に、EDTと45
%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液
を、その重量比が1:2となるように注入し、コンデン
サ素子を上記混合液に10秒間浸漬し、250mmHg
程度の減圧状態で保持し、次いで同じ条件下で120
℃、60分加熱して、コンデンサ素子内でPEDTの重
合反応を発生させ、固体電解質層を形成した。その後、
このコンデンサ素子の空隙容積の30%に相当するエポ
キシ樹脂を充填した。そして、このコンデンサ素子を有
底筒状の外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装
着して、加締め加工によって封止した。その後に、15
0℃、120分、33Vの電圧印加によってエージング
を行い、固体電解コンデンサを形成した。なお、この固
体電解コンデンサの定格電圧は25WV、定格容量は1
5μFである。
【0025】(実施例2)重合後に、コンデンサ素子の
空隙容積の40%に相当するエポキシ樹脂を充填した。
その他の条件及び工程は、実施例1と同様である。 (実施例3)重合後に、コンデンサ素子の空隙容積の5
5%に相当するエポキシ樹脂を充填した。その他の条件
及び工程は、実施例1と同様である。 (実施例4)重合後に、コンデンサ素子の空隙容積の7
5%に相当するエポキシ樹脂を充填した。その他の条件
及び工程は、実施例1と同様である。
【0026】(比較例1)重合後に、コンデンサ素子に
エポキシ樹脂を充填しなかった。その他の条件及び工程
は、実施例1と同様である。 (比較例2)重合後に、コンデンサ素子の空隙容積の8
5%に相当するエポキシ樹脂を充填した。その他の条件
及び工程は、実施例1と同様である。
【0027】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例1〜4及び比較例1〜2の固体電解コンデンサ各5
0個のそれぞれについて、エージング時のショートの数
と、良品の漏れ電流を調べたところ、表1に示したよう
な結果が得られた。また、ショートの発生しなかった良
品について、ピーク温度250℃、230℃以上30秒
保持の鉛フリーリフローを行った後、18.4Vの充放
電を125℃の下で1000回行うサージ試験を行い、
その時の漏れ電流を測定したところ、表1に示したよう
な結果が得られた。
【表1】
【0028】表1から明らかなように、エポキシ樹脂を
充填しなかった比較例1においては、ショート数は11
/50と高かったのに対し、エポキシ樹脂の充填率がコ
ンデンサ素子の空隙容積に対して30%である実施例1
においては、ショート数は6/50と大幅に低減した。
また、エポキシ樹脂の充填率がコンデンサ素子の空隙容
積に対して40%以上である実施例2〜4においては、
50個すべてにおいてショートは発生しなかった。ま
た、エポキシ樹脂の充填率がコンデンサ素子の空隙容積
に対して85%である比較例2においては、ショートは
発生しなかったものの、漏れ電流は150μAと高くな
った。これに対して、実施例1〜4においては、漏れ電
流は21〜33μAと大幅に低減した。
【0029】さらに、エポキシ樹脂の充填率がコンデン
サ素子の空隙容積に対してそれぞれ40%、55%であ
る実施例2及び実施例3においては、サージ試験後の漏
れ電流特性が良好であり、鉛フリーリフロー後の耐電圧
特性が他の実施例に比べてさらに良好であることが分か
った。なお、実施例3において、酸化剤濃度を40wt
%、45wt%、52wt%としたところ、ESRはそ
れぞれ55、40、30mΩであった。このことから、
酸化剤濃度は、52wt%の方が40wt%より良好な
結果が得られることが分かった。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、鉛
フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止すること
ができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留まりを向上さ
せることができる固体電解コンデンサ及びその製造方法
を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと
    酸化剤とを含浸して導電性ポリマーからなる固体電解質
    層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、 前記導電性ポリマーを形成した後のコンデンサ素子内の
    空隙部の30〜80%に絶縁性物質を充填させたことを
    特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性物質が熱硬化性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記導電性ポリマーが、チオフェン誘導
    体の重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記チオフェン誘導体が、3,4−エチ
    レンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項
    3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと
    酸化剤とを含浸して導電性ポリマーからなる固体電解質
    層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、 前記コンデンサ素子内に導電性ポリマーを形成した後、
    コンデンサ素子内の空隙部の30〜80%に絶縁性物質
    を充填させることを特徴とする固体電解コンデンサの製
    造方法。
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