JP2003068519A - 超電導磁石装置、および、超電導磁石装置での磁場安定化方法 - Google Patents
超電導磁石装置、および、超電導磁石装置での磁場安定化方法Info
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Abstract
く、従来の超電導磁石装置と同様の励磁設備を用いつ
つ、超電導コイル軸心近傍の磁場を確実に極めて安定化
させる。 【解決手段】 本超電導磁石装置では、装置全体に含ま
れる全超電導コイルである単位超電導コイル10、20、30
に第1の永久電流スイッチ21が接続され、装置全体の超
電導コイルの一部である単位超電導コイル10に第2の永
久電流スイッチ11が接続されており、特に、単位超電導
コイル10の両端間で、第2の永久電流スイッチ11に直列
に、所定の条件を満たす補償用超電導コイル40が接続さ
れている。
Description
画像撮像等のため核磁気共鳴を利用する装置(NMR装
置)で用いられる超電導磁石の磁場安定化技術に関す
る。
めて安定している必要があるため、磁場を発生させる超
電導コイルは永久電流モードで運転される。しかしなが
ら、永久電流モードとはいえ、NMR装置での超電導コ
イルと(励磁用電源に並列に接続される)永久電流スイ
ッチの超電導線との接続部分の微小な抵抗は、永久電流
を時間の経過とともに徐々に減衰させ、磁場を減衰させ
る原因となっている。
-9[Ω]以下にすることは困難であるが、スポット溶
接、圧着などにより10-12[Ω]以下に抑えることがで
き、これにより、磁場減衰率が0.01[ppm/hr]
程度の安定な磁場が達成され、理化学分析装置でのNM
Rスペクトルの測定、MRI装置での断層画像の生成な
どが可能となっている。
3Sn超電導線では、磁場が1[T]程度以上になると急
激に上昇し、接続部分には磁気シールドを施す等の特殊
な対策が必要となる。
すことなく極めて安定な磁場が得られる装置として、特
開平4−61103に記載の永久電流超電導マグネット装置、
特開2000−68118に記載の永久電流超電導磁石装置が知
られている。
グネット装置の構成を示す断面図であり、図5はこの永
久電流超電導マグネット装置の回路図である。
導マグネット装置は、クライオスタット150内部に、主
に、2つの超電導コイル110、120を有している。これら
超電導コイル110、120は、超電導線を円筒状に巻いたも
のであり、電気的に互いに独立している。第2の超電導
コイル120は、第1の超電導コイル110と同心状となるよ
うに、超電導コイル110の外周側に配置されており、第2
の超電導コイル120のさらに外周側には、同様に円筒状
の、磁界を円筒軸方向に均一にするための磁場補正用超
電導コイル130が設けられる。
1の永久電流スイッチ111が並列に接続されており、ま
た、第2の超電導コイル120および磁場補正用超電導コイ
ル130には、第2の永久電流スイッチ121が並列に接続さ
れている。
コイル110、120をそれぞれ励磁する励磁用電源112、122
と、永久電流スイッチ111、121のそれぞれのヒータに通
電するためのヒータ用電源113、123とが設けられる。
用空間(分析試料、人体等を挿入する空間)である第1
の超電導コイル110の軸心付近の磁場減衰が電流減衰に
より発生すると、第2の超電導コイル120に相互誘導され
る電流の増加分、すなわち、第2の超電導コイル120によ
る軸心付近の磁場の増加分で補償され、この補償により
装置内の磁場の安定化が図られている。
電導磁石装置の構成を示す断面図であり、図7はこの永
久電流超電導磁石装置の回路図である。
石装置では、直列に接続された超電導コイル210、超電
導コイル220、および、磁場補正用超電導コイル230の両
端に永久電流スイッチ221が接続され、全超電導コイル
の一部分である超電導コイル210の両端に永久電流スイ
ッチ211が接続されている。また、超電導コイル210、22
0、および磁場補正用超電導コイル230は、それぞれ1つ
若しくは複数個の単位超電導コイル(超電導線材1スプ
ールから巻かれる、端部以外に接続部を有しない超電導
コイル)が直列に接続されてなっている。クライオスタ
ット250の外部には、超電導コイル210、220を励磁する
励磁用電源212と、永久電流スイッチ211、221のヒータ
に通電するためのヒータ用電源213とが設けられてい
る。
石回路が2つの閉回路に分割され、これら閉回路での相
互誘導により、装置中心付近の磁場の安定化が図られて
いる。
グネット装置、特開2000−68118の永久電流超電導磁石
装置は、超電導コイルと永久電流スイッチとの接続に関
して、磁気シールドを施す等の特殊な対策を施すことな
く、有効に、超電導コイルの中心磁場の安定化を図るも
のといえる。
4−61103の永久電流超電導マグネット装置では、2つの
超電導コイル(超電導コイル110、120)は電気的に独立
したものであるため、それぞれに対し、励磁用電源、ヒ
ータ用電源が必要である。しかも、これら2つの超電導
コイルに対しては、同一の励磁速度で同時に励磁する必
要があるため、永久電流超電導磁石装置の操作は、従来
の1つの超電導コイルからなる超電導磁石装置に比べて
非常に煩雑なものとなる。
磁石装置では、直列接続された複数の単位超電導コイル
が2つの閉回路に分割されるが、正確な磁場の減衰率は
予測が困難であり、また、閉回路の分割は単位超電導コ
イルを基準とし分割の組み合わせは限定されるため、分
割の組み合わせのいずれによったとしても、中心磁場の
減衰率を十分に低減できないことがある。
あり、その目的は、超電導線の接続に特殊な対策を施す
ことなく、従来の超電導磁石装置と同様の励磁設備を用
いつつ、超電導コイル軸心近傍の磁場を確実に極めて安
定化させることのできる磁場安定化技術を提供すること
である。
めの本発明に係る超電導磁石装置は、直列接続された複
数の超電導コイル、前記複数の超電導コイルの両端に接
続された第1永久電流スイッチ、および、前記複数の超
電導コイルのうちのいずれか1または連続する2以上の超
電導コイルの両端に接続された第2永久電流スイッチを
有する超電導磁石装置である。
る2以上の超電導コイルの両端間で第2永久電流スイッチ
に直列接続された補償用超電導コイルを有する。
たは連続する2以上の超電導コイルである第1超電導コイ
ルの自己インダクタンスをL1、抵抗をR1、磁場定数を
K1とし、前記複数の超電導コイルから前記第1超電導コ
イルを除いた第2超電導コイルの自己インダクタンスを
L2、抵抗をR2、磁場定数をK2とし、前記補償用超電
導コイルの自己インダクタンスをL3、磁場定数をK3と
し、第1超電導コイルと第2超電導コイルとの間、第1超
電導コイルと補償用超電導コイルとの間、第2超電導コ
イルと補償用超電導コイルとの間の相互インダクタンス
をそれぞれM1、M2、M3として、下記条件を満たすも
のとする。
超電導コイルおよび第2超電導コイルに対し、補償用超
電導コイルの相対的な位置および傾きを変化させ、相互
インダクタンスM2、M3を変化させるものとすることが
できる。
実施の形態の1つである超電導磁石装置について説明す
る。
導磁石装置の構成を示す断面図であり、図2は本超電導
磁石装置の回路図である。また、図3は本超電導磁石装
置での補償用超電導コイル40の働きを説明するための回
路図である。
は、上記の特開2000−68118の永久電流超電導磁石装置
と同様、直列に接続され同心状に配置される単位超電導
コイル10、単位超電導コイル20、および、磁場を均一に
するための磁場補正用超電導コイル30に、熱式の第1の
永久電流スイッチ21が接続され、単位超電導コイル10に
第2の永久電流スイッチ11が接続されている。クライオ
スタット50の外部には、単位超電導コイル10、20を励磁
する励磁用電源12と、永久電流スイッチ11、21のヒータ
に通電するヒータ用電源13とが設けられている。
イル10の両端間で第2の永久電流スイッチ11に直列に接
続された、(後述の[数19]を満たす)所定の補償用超
電導コイル40を有し、また、この補償用超電導コイル40
の、単位超電導コイル10、20に対する相対的な位置およ
び傾きを変化させることができるものである。この補償
用超電導コイル40により、特開2000−68118と同様に構
成される2つの閉回路での相互誘導による磁場の補償を
確実なものとし、超電導コイル10、20の軸心近傍の磁場
を極めて安定させることができる。
回路図にて説明する。ここでは、超電導コイル310の自
己インダクタンスをL1、微小抵抗をR1とし、超電導コ
イル320(図2の回路中の単位超電導コイル20および補正
用超電導コイル30とを合成したものに相当)の自己イン
ダクタンスをL2、微小抵抗をR2とし、補償用超電導コ
イル340の自己インダクタンスをL3とする。(補償用超
電導コイル340に巻かれる超電導線は超電導コイル310、
320よりも短く、その抵抗はR1、R2に比べて無視でき
るものとする。) また、超電導コイル310と超電導コイル320との間、超電
導コイル310と補償用超電導コイル340との間、超電導コ
イル320と補償用超電導コイル340との間の相互インダク
タンスを、それぞれ、M1、M2、M3とする。
まず、ヒータ用電源313がオンされて永久電流スイッチ3
11、321のそれぞれのヒータに通電が開始され、永久電
流スイッチ311、312が開状態とされる。この状態で、励
磁用電源312により超電導コイル310、320に電流が流さ
れ、所定の電流値I0になれば、ヒータ用電源313がオフ
され永久電流スイッチ311、312が閉状態とされる。
イル310、320を流れる電流I1、I2は、初期状態では設
定電流I0であるが、微小抵抗R1、R2により時間の経
過とともにわずかに減少する。また、補償用超電導コイ
ル40を流れる電流I3は、初期状態では0であるが、時間
の経過とともにわずかに増加する。
[数7]〜[数9]により求められる。
R1、R2は十分小さく、超電導コイル310、320の電流変
化は、設定電流I0に比べて十分小さいので、I1=I2
=I0とみなすことができる。[数7]、[数8]また
[数9]の両辺を微分して、次の[数10]〜[数12]が
得られる。
補償用超電導コイル340の磁場定数(コイルに1[A]通
電したときに生じる磁場の強さ、単位[T/A])とす
ると、超電導コイル310の中心近傍の磁場の変化を次の
[数13]で表すことができる。
に示すものである。
導コイル340が接続されない場合には、超電導コイル31
0、320の電流Iは次の[数16]から求めることができ、
これを変形して[数17]の中心磁場の変化が得られる。
されるとき、補償用超電導コイル340を用いる本超電導
磁石装置の磁場変化が、補償用超電導コイル340が接続
されない超電導磁石装置より少ないといえ、[数13]、
[数17]をこの[数18]に代入して[数19]を得ること
となる。
タンスL3、相互インダクタンスM2、M3、磁場定数K3
を有する補償用超電導コイル340を、超電導コイル310の
両端間で永久電流スイッチ311に直列に接続することに
より、超電導コイル310(および同心状に配置される超
電導コイル320)の中心磁場の減衰を低減することがで
きる。
磁石装置は、補償用超電導コイルを用いることなく、
[数13]においてL3=0、M2=0、M3=0、K3=0とし
た場合に相当し、[数19]と同様の条件は次の[数20]
にて設定される。
所に永久電流スイッチとの接続部を設けることはでき
ず、複数個の単位超電導コイルを有する超電導磁石装置
では、単位超電導コイルを基本とする組み合わせ(単位
超電導コイルごとの組み合わせ)によって、図7に示し
たような2つの閉回路が構成される。このため、形状、
超電導線材など他の設計事項による制約がある単位超電
導コイルにつき、[数20]が満たされるように、永久電
流超電導磁石装置を設計することは困難である。すなわ
ち、単位超電導コイルのインダクタンスと磁場定数が一
意に確定していることを前提とするとき、すべての永久
電流超電導磁石装置にて、[数20]を必ず満たすように
閉回路を構成すること、これにより磁場の減衰率を低減
させることは困難であるといえる。
置した本超電導磁石装置によると、[数19]が満足され
るように、すなわち、従来の超電導磁石装置よりも磁場
の減衰が低減されるように、補償用超電導コイル340を
任意に設定できるため、すべての超電導磁石装置におい
て、簡便に、中心磁場の減衰を低減させることができ
る。
ように、補償用超電導コイル340と超電導コイル310との
間の相互インダクタンスM2、および、補償用超電導コ
イル340と超電導コイル320との間の相互インダクタンス
M3を調整することによって、中心磁場の減衰をより一
層小さく抑えることができる。
わめて小さいため、その値を誤差なく正確に測定するこ
とは困難である。したがって、[数19]から算出される
最適な配置の補償用超電導コイルを用いた場合でも、実
際の装置の中心磁場の変化を設計通りに最小化すること
は困難である。
ライオスタット50(図1)外部から補償用超電導コイル4
0の配置を制御して相互インダクタンスM2、M3を変化
させながら、実際に超電導コイルの中心磁場を測定する
ことにより、中心磁場の減衰を最小化することができ
る。
超電導コイル40に可動機構を設け、クライオスタット外
部から挿入したシャフトを用いて動かすものとし、これ
によって超電導コイル10、20に対する補償用超電導コイ
ル40の位置および傾きと、相互インダクタンスM2、M3
とを調整することができる。
ンス、相互インダクタンス、抵抗などの数値を代入し
て、本超電導磁石装置での補償用超電導コイル40の効果
を確認する。図2の超電導磁石装置にて、単位超電導コ
イル10、20、30の自己インダクタンスLa、Lb、Lcが
それぞれ3.3[H]、53.2[H]、12.2[H]であ
り、磁場定数Ka、Kb、Kcがそれぞれ0.0407[T/
A]、0.0776[T/A]、0.0114[T/A]であり、
単位超電導コイル10と単位超電導コイル20との間の相互
インダクタンスMab、単位超電導コイル10と単位超電導
コイル30との間の相互インダクタンスMac、単位超電導
コイル20と単位超電導コイル30との間の相互インダクタ
ンスMbcがそれぞれ8.0[H]、1.7[H]、16.3
[H]であった。
材からなり、単位超電導コイル20、30がNbTi超電導
線材からなるものとすると、超電導コイルの微小抵抗は
Nb3Sn超電導線の接続部の抵抗が支配的であるた
め、(Nb3Snからなる)単位超電導コイル10の微小
抵抗Raは複数個の単位超電導コイルからなる超電導磁
石装置全体に含まれる微小抵抗R0に等しいものとし、
(NbTiからなる)単位超電導コイル20、30の微小抵
抗Rb、Rcはほぼ零とすることができる。すなわち、R
a=R0、Rb=0、Rc=0である。
置のように、補償用超電導コイル40が接続されない場合
には、どのような位置(単位超電導コイル10の両端、単
位超電導コイル20の両端、単位超電導コイル30の両端)
に第2の永久電流スイッチ11を配置しても[数20]が満
たされることはない。
位超電導コイル10に並列に配置すると、[数20]中、R
1=Ra=R0、R2=Rb+Rc=0、L1=La=3.3
[H]、L2=Lb+Lc+2Mbc=98.0[H]、M1=M
ab+Mac=9.7[H]、K1=Ka=0.0407[T/
A]、K2=Kb+Kc=0.0890[T/A]で、(左辺)
>(右辺)となる。
イル20に並列に配置すると、L1=L b=53.2[H]、
L2=La+Lc+2Mac=18.9[H]、M1=Mab+Mbc
=24.3[H]、K1=Kb=0.0776[T/A]、K2=K
a+Kc=0.0521[T/A]で、(左辺)>(右辺)と
なる。
電導コイル30に並列に配置すると、L1=Lc=12.2
[H]、L2=La+Lb+2Mab=72.5[H]、M1=M
ac+Mbc=18.0[H]、K1=Kc=0.0114[T/
A]、K2=Ka+Kb=0.1183[T/A]で、(左辺)
>(右辺)となる。
のような位置に配置しても磁場の減衰を十分に低減でき
ないことがあることを示している。
補償用超電導コイル40が、単位超電導コイル30の外周側
に同心状に配置され、第2の永久電流スイッチ11を介し
て単位超電導コイル10の両端に並列に接続される場合
(図2)、補償用超電導コイル40を適切に構成すること
により[数19]を満たすことができる。たとえば、図2
の回路中、補償用超電導コイル40の自己インダクタンス
Ldは14.2[H]、磁場定数Kdは0.0215[T/A]で
あり、単位超電導コイル10、20、30との間の相互インダ
クタンスMad、Mbd、Mcdはそれぞれ2.2[H]、17.
3[H]、8.6[H]である。
Rc=0、L1=La=3.3[H]、L2=Lb+Lc+2Mbc
=98.0[H]、L3=Ld=14.2[H]、M1=Mab+M
ac=9.7[H]、M2=Mad=2.2[H]、M3=Mbd+
Mcd=25.9[H]、K1=Ka=0.0407[T/A]、K
2=Kb+Kc=0.0890[T/A]、K3=Kd=0.0215
[T/A]であり、次の[数21]、[数22]が成り立
ち、条件[数19]が満たされていることが確認される。
にして中心磁場の減衰率を測定した。まず、ヒータ用電
源13により第1の永久電流スイッチ21および第2の永久電
流スイッチ11のヒータ線に通電され、永久電流スイッチ
21、11が開状態(オフ状態)とされる。続いて、超電導
コイル10、20、30を流れる電流が所定の電流値I0に達
するまで、励磁用電源22から通電される。
オフされ、第1の永久電流スイッチ21および第2の永久電
流スイッチ21が閉状態(オン状態)にされ、超電導磁石
装置全体が永久電流モードとされる。
減衰率を測定したところ、通常一般の超電導磁石装置の
仕様の0.01[ppm/hr]を下回る0.004[ppm
/hr]であり、補償用超電導コイル40が磁場減衰率を
有効に低減させていることが確認された。
置全体に含まれる全超電導コイルである単位超電導コイ
ル10、20、30に第1の永久電流スイッチ21が接続され、
装置全体の超電導コイルの一部である単位超電導コイル
10に第2の永久電流スイッチ11が接続されており、特
に、単位超電導コイル10の両端間で、第2の永久電流ス
イッチ11に直列に補償用超電導コイル40が接続されてい
る。
自己インダクタンス、磁場定数などを有する補償用超電
導コイル40を用いることにより、超電導線の接続に特殊
な対策を施すことなく、超電導コイル軸心近傍の磁場を
極めて安定化させることができる。また、本超電導磁石
装置は、従来の超電導磁石装置と同様の励磁設備を用い
るものであり、特殊な操作を要するものではない。
タンスをL1、抵抗をR1、磁場定数をK1とし、単位超
電導コイル20、30の合成された自己インダクタンスをL
2、抵抗をR2、磁場定数をK2とし、補償用超電導コイ
ル40の自己インダクタンスをL 3、磁場定数をK3とし、
単位超電導コイル10と単位超電導コイル20、30との間、
単位超電導コイル10と補償用超電導コイル40との間、単
位超電導コイル20、30と補償用超電導コイル40との間の
相互インダクタンスを、それぞれ、M1、M2、M 3とし
て、下記条件を満たすものとすることにより、確実に、
中心磁場を安定化させることができる。
電導コイル20、30に対し、補償用超電導コイル40の相対
的な位置および傾きを変化させることにより、(補償用
超電導コイル40の単位超電導コイル10および単位超電導
コイル20、30に対する)相互インダクタンスM2、M3を
微妙に調整し、中心磁場をより安定化させることができ
る。
では、特に超電導線材の材料がNbTi、Nb3Snで
あることを想定したが、Nb3Al、Bi−2212系など
を用いることができ、また、熱式の永久電流スイッチに
代えて、磁界式または電流式の永久電流スイッチを用い
るものとすることができる。
記のような補償用超電導コイルを付加して位置および傾
きを調整するものとすることにより、同様に中心磁場の
減衰率を低減させることができる。
ると、回路全体から定められる所定のインダクタンスを
有する補償用超電導コイルを用いて、超電導線の接続に
特殊な対策を施すことなく、超電導コイル軸心近傍の磁
場を極めて安定化させることができる。また、これらの
磁場の安定化は、従来の超電導磁石装置と同様の励磁設
備を用いて行われるため、特殊な操作を不要としてい
る。
件を満たす補償用超電導コイルを用いて、確実に磁場の
安定化を図ることができる。
イル近傍の磁場を簡便な手法によってより安定化させる
ことができる。
置の構成を示す断面図である。
働きを説明するための回路図である。
置の構成を示す断面図である。
る。
装置の構成を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 直列接続された複数の超電導コイル、前
記複数の超電導コイルの両端に接続された第1永久電流
スイッチ、および、前記複数の超電導コイルのうちのい
ずれか1または連続する2以上の超電導コイルの両端に接
続された第2永久電流スイッチを有する超電導磁石装置
であって、 前記1または連続する2以上の超電導コイルの両端間で第
2永久電流スイッチに直列接続された補償用超電導コイ
ルを有することを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項2】 前記1または連続する2以上の超電導コイ
ルである第1超電導コイルの自己インダクタンスをL1、
抵抗をR1、磁場定数をK1とし、前記複数の超電導コイ
ルから前記第1超電導コイルを除いた第2超電導コイルの
自己インダクタンスをL2、抵抗をR2、磁場定数をK2
とし、前記補償用超電導コイルの自己インダクタンスを
L3、磁場定数をK3とし、第1超電導コイルと第2超電導
コイルとの間、第1超電導コイルと補償用超電導コイル
との間、第2超電導コイルと補償用超電導コイルとの間
の相互インダクタンスを、それぞれ、M1、M2、M3と
して、 下記条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の超
電導磁石装置。 【数1】 【数2】 【数3】 - 【請求項3】 第1超電導コイルおよび第2超電導コイル
に対し、補償用超電導コイルの相対的な位置および傾き
を変化可能であることを特徴とする請求項1または請求
項2に記載の超電導磁石装置。 - 【請求項4】 直列接続された同心状に配置される複数
の超電導コイル、前記複数の超電導コイルの両端に接続
された第1永久電流スイッチ、および、前記複数の超電
導コイルのうちのいずれか1または連続する2以上の超電
導コイルの両端に接続された第2永久電流スイッチを有
する超電導磁石装置での磁場安定化方法であって、 前記1または連続する2以上の超電導コイルの両端間で、
第2永久電流スイッチに直列して補償用超電導コイルを
接続することを特徴とする超電導磁石装置での磁場安定
化方法。
Priority Applications (1)
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