JP4293341B2 - 超電導マグネット装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は永久磁石や常電導の電磁石では発生できない強い磁場を必要とし、且つ磁場が空間的に均一であることが要求されるNMR装置(核磁気共鳴装置)、MRI装置(核磁気共鳴イメージング装置)、ESR装置(電子スピン共鳴装置)、FT−ICR装置等や物性研究用のマグネット装置に用いられる超電導マグネット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超電導マグネット装置は中心付近で例えば100ppm以下の高い磁場均一性が要求されている。この要求を満たすために超電導マグネット装置では、磁場を発生するメインコイルと、磁場の均一度を高くするための複数の補正コイルとが電気的に直列に接続された構成をしており、そのメインコイルと補正コイルは別々の巻枠に巻線されていることが多い。又メインコイルと補正コイルとを分類せず、複数のコイルによって均一の磁場も形成するようにしたものもある。メインコイルと補正コイルは同一の電源から電流が供給され、これらを合わせて主マグネットと呼ぶ。
【0003】
しかしこのように複数のコイルを組み合わせて超電導マグネット装置を作製するときには、通常何らかの組立誤差が生じる。又超電導マグネットの設置空間において、超電導マグネット装置の近くに鉄筋等の磁性体が存在することによっても磁場の均一度が乱されることがある。従って主マグネットだけでは超電導マグネット装置を設計した通りの磁場均一性が得られないことがほとんどである。
そこで磁場の均一性が乱されたときの対策として、高い磁場均一性が要求される超電導マグネットでは、特許文献1,2に示されるように、主マグネットの外側に別の巻枠を設け、この巻枠に超電導シムコイルを配置した構造が用いられている。超電導シムコイルは超電導マグネットの設置後に、設置状況に応じて適宜電流値を調整することによって磁場の均一性を高めるためのものである。
【0004】
図5は従来の超電導マグネット装置のコイルを軸芯(Z軸)に沿って縦断したときの斜視図である。本図に示すように主マグネット巻枠101にメインコイル102が巻線されている。その外側には主マグネット巻枠103が設けられ、メインコイル102の中心位置に対称に補正コイル104a,104b,104cが設けられる。メインコイル102と補正コイル104a,104b,104cはマグネットの磁場の軸芯方向をZ軸とするとき、中心付近の磁場が一定となるようにその位置があらかじめ設計されており、共通する電源からの所定の電流を流すことによって所望の磁場をZ軸の中心部分に得るものである。
【0005】
又磁場の均一性を高めるために、更にその外側には超電導シムコイル巻枠105が設けられる。この巻枠105に超電導シムコイル106a,106b,106c,106d,106eが巻き付けられる。これらのコイル群は図示しない低温容器内に収納されて超電導マグネット装置が構成されている。
又図6に示すように、主マグネット巻枠103の外周部に超電導シムコイル巻枠107を設け、超電導シムコイル108a,108b,108cを巻き付ける構造に加え、更にその外側に超電導シムコイル巻枠109を設け、この巻枠109に超電導シムコイル110a,110bを巻線した構造の超電導マグネット装置も用いられている。そして磁場の不均一度を補正するように、超電導シムコイルに夫々異なった電流を流す。こうすることによって磁場均一度を向上させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−43116号公報
【特許文献2】
特開2001−264402号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
超電導マグネットにおいてより大きな磁場を発生させると、そのマグネットを構成している超電導導体にかかる磁場も大きくなる。超電導導体にはある電流値(以下、臨界電流値という)以上を流すことができないという性質がある。臨界電流値は磁場が大きくなるにつれて減少する傾向にある。従って発生磁場が大きくなるにつれて超電導導体に流せる電流値は小さくなり、結果としてマグネット装置のサイズが大きくなる。
【0008】
大きな磁場を発生する必要のある超電導マグネット装置の場合には、超電導シムは均一な磁場が求められている磁場中心から遠いので、磁場を補正する強度が減少している。そのため磁場中心から超電導シムが遠い場合、超電導シムの巻数を増やすことで補正する強度が小さくなることを防ぐ必要がある。
しかしながら巻数が増加した場合、超電導シムの線材量が増加し、巻線に要する作業時間も増加する。更に超電導シムが占める体積も大きくなるので、図5のように1つの巻枠に複数の磁場成分の超電導シムを配置することができず、図6のように複数の巻枠が必要となる場合もある。そのため超電導マグネット装置のサイズが大きくなるという欠点があった。又超電導マグネット装置のサイズが大きくなると、超電導マグネット装置を低温状態に保つ容器も大きくなり、又冷却に要する冷却剤の量も増加するという欠点があった。
【0009】
本発明はこのような従来の超電導マグネット装置の問題点に鑑みてなされたものであって、超電導マグネット装置のサイズを大きくすることなく、超電導シムを用いて磁場を均一となるように調整できる超電導マグネット装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超電導マグネット装置は、主磁場を発生する超電導メインコイルと、前記超電導メインコイルと同芯状に配列される超電導補正コイル群及び超電導シムコイル群とを有する超電導マグネット装置において、前記超電導シムコイル群は超電導補正コイル群と共用の巻枠に配置され、前記共用の巻枠は、軸方向に連結される円筒形状の超電導補正コイル群用の巻枠片と、この巻枠片間に配置されると共に絶縁材から成る円筒形の超電導シムコイル用の巻枠片とを有し、当該共用の巻枠は、超電導補正コイル群用の巻枠片に超電導シムコイル用の巻枠片を挟み込んで構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る超電導マグネット装置は、主磁場を発生する超電導メインコイルと、前記超電導メインコイルと同芯状に配列される超電導補正コイル群及び超電導シムコイル群とを有する超電導マグネット装置において、前記超電導シムコイル群は超電導補正コイル群と共用の巻枠に配置され、前記共用の巻枠は、超電導補正コイル群用の環状溝とこの環状溝の間に配置された巻枠用溝と外周部に形成された円筒形のものであり、前記巻枠用溝に超電導シムコイルが巻回される巻枠が取り付けられることを特徴とするものである。
【0012】
なお好ましくは、前記共用の巻枠は、CFRP、GFRP、ステンレス合金、アルミ合金、銅合金のうちの1つ又は複数の材料によって作製されているとよい。
また、前記超電導シムコイルの導体は、NbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうち少なくともいずれか1つによって構成されていてもよい。
【0013】
前記超電導補正コイルの導体は、NbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうち少なくともいずれか1つによって構成されていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態による超電導マグネット装置を軸芯(Z軸)に沿って縦断したときの斜視図である。本図において、主マグネットの巻枠11は円筒形の部材であって、上下にフランジ部を有し、その内側にメインコイル12が巻き付けられている。主マグネット巻枠11は主マグネットにかかる強い電磁力を支えるためにアルミ合金製とするが、ステンレス合金や銅合金であってもよい。又その外周部には主マグネットと超電導シムコイルとの共用の巻枠13が設けられる。
【0015】
図2は巻枠13の組立て前に軸芯(Z軸)に沿って縦断したときの断面を示す斜視図である。巻枠13は図示のように、巻枠片14〜18及び19〜22によって構成される。巻枠片14〜18はアルミ合金製とするが、ステンレス合金や銅合金であってもよい。巻枠片14は円筒形状の部材であり、補正コイルを巻くための巻枠部14aを有しており、これに隣接して巻枠部14bを有し、中央部にフランジ部14cを有している。巻枠片15は環状の部材であり、スペーサとして機能する。巻枠片16は環状部材であり、中央部に2つのフランジを有し、その中間部を補正コイルの巻枠16aとし、中央の巻枠部16aの上下をシムコイルのための巻枠部16b,16cとしている。又巻枠片17は巻枠片15と同一の環状の部材である。巻枠片18は巻枠片14と同一構造であって、対称に配置され、上側にシムコイル用の巻枠部18b、中央部にフランジ部18c、下側に補正コイル用の巻枠部18aを有している。
【0016】
さて巻枠片19〜22は、シムコイル用の巻枠片19である。ここではシムコイルとして図1に示すように、2つのz0シム、4つのz1シム及び4つのz2シムを用いる。これらの超電導シムは主マグネットのように強い電磁力を支える必要がないので、巻枠片に強度の高い材料を使用する必要がない。従ってその巻枠片には超電導マグネットの製作を容易にするために、電気絶縁の必要がない絶縁体で、且つ加工性がよいものを使用すればよく、ここではFRP製の巻枠片を用いている。FRPとしては、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等を用いることが好ましい。
【0017】
巻枠片19は巻枠片14の巻枠部14bの外径と同一の内径を有する環状の巻枠片であり、中心のフランジ部に対して上下対称の溝を有する。上部の溝19aはz2用のシムコイルの巻枠領域となり、その内側中央部に更に溝が設けられてz1用の超電導シムコイルの巻枠領域となっている。又その下方の溝19bはz2用超電導シムコイルの巻枠領域であり、その内部の中央部にz0用の超電導シムコイルの巻枠領域を有している。次に巻枠片20,21は巻枠片16の上下に配置され、巻枠部16b,16cの外径と等しい内径を有する巻枠片であって、いずれもz1用超電導シムコイルの巻枠片となっている。又巻枠片22は巻枠片19と同一構造であって、中央部にフランジを有し、上下対称の溝22a,22bが設けられる。溝22aはz2のシムコイルの巻枠領域であり、その内側にz0用の超電導シムコイルの巻枠領域が設定されている。同様に下方の溝22bもz2用の超電導シムコイルの巻枠領域であり、その内側中央部にz1用の超電導シムコイルの巻枠領域が設けられる。
【0018】
さて巻枠13の組立時には、まず巻枠片14,16,18に補正コイル25,24,26を巻き付け、次いで巻枠片19〜22にシムコイルを巻き付けておく。その後これらの巻枠片14〜22を図1及び図2に示すように組立てる。即ち巻枠片19を巻枠片14の巻枠部14bに挿入し、巻枠片15と共に図1に示すように連結する。又巻枠片20を巻枠片16の巻枠部16bに挿入して巻枠片15の下端と共に連結する。同様に巻枠片21も巻枠部16cに挿入して巻枠片17と共に連結する。次いで巻枠片18の巻枠部18bに前述した巻枠片22を挿入し、巻枠片18を巻枠片17に固定する。こうして図1に示すように全体を組立てた巻枠13を形成する。
【0019】
こうすれば補正コイル24,25,26及びシムコイルは図1に示すメインコイル11を除いて全てが1つの共用の巻枠13内に配置されることとなる。この場合主マグネットを巻線する部分と超電導シムを巻線する部分とに分割されているので、別々に巻線することができ、巻線作業が簡便となる。
さて全体の形状を保つように、図1に示すように、巻枠片15の上部と巻枠片14の中央部のフランジ部14c、巻枠片15と巻枠片16の上部フランジとを夫々支持材によって連結する。同様にして対称に巻枠片16の下部フランジと巻枠片17の上面とを支持材によって連結し、及び巻枠片17の下面と巻枠片18の中央フランジ18cとを支持材によって連結する。
【0020】
さて前述したように主マグネットはメインコイル12と補正コイル24,25,26で構成される。これらの主マグネットの導体はNbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうちの少なくともいずれか1つによって構成するものとする。これらのコイルの諸元は例えば表1に示すものとする。
【0021】
【表1】
Figure 0004293341
【0022】
ここで表1において赤道面とは各コイルの中心位置と主超電導マグネットの中心とのz軸方向の距離を示す。マグネットの磁場の軸芯方向をZ軸とするとき、マグネットの中心付近の磁場(Bz )は、ルジャンドル関数で展開したときにzだけに関わる項を表示すると、
z =Σan ・zn (n=0,1,2・・・)
と表される。ここでa1 ,a2 ・・・は0であれば理想的な均一度が得られていることとなる。
【0023】
前述した表1に示す主マグネットによって、その中心位置から20mmの範囲の球内の磁場では表2に示すような均一度が得られる。
【0024】
【表2】
Figure 0004293341
【0025】
ここで表2の磁場均一度は設計値での磁場均一度であるので、実際の主マグネットを製作するときには組立誤差により不均一が発生する。従ってこの不均一を修正するために主マグネットのうち補助コイルの周辺部分にシムコイルが用いられる。超電導シムコイルの導体としては、NbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうち少なくともいずれか1つによって構成されていることが好ましい。さてこの実施の形態における超電導シムの諸元を表3に示す。そして前述した係数が0に近づき、表2に示す設計値の均一度が得られるようにz0,z1,z2のシムコイルの電流値を調整する。この調整の際の1A当たりの強度を表3の右欄に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0004293341
【0027】
次にこの実施の形態との比較例を図3を示す。図3も図1と同様にZ軸に沿った縦断面図である。この超電導マグネット装置は実施の形態1と同様に中央部にメインコイル12が巻かれた主マグネットの巻枠11を配置し、その外周部に補正コイル24,25,26が巻かれた補正コイル用の主マグネット巻枠31を配置する。更にその外側に従来例と同様に、シムコイル専用の巻枠32を配置したものである。シムコイルの配置は図1に示す本実施の形態と同様とする。
そしてメインコイル12と補正コイル24,25,26の配置も実施の形態1と同様とし、主マグネットの諸元を同一とする。即ち表1に示す構成をそのまま用いる。そしてこれを補正するためのz0,z1,z2のシムコイルの諸元を表4に示す。
【0028】
【表4】
Figure 0004293341
【0029】
このように図3に示す比較例と対比すれば、z0シムで200ppm、z1シムで20ppm、z2シムで2ppmの補正強度を得ようとした場合には、本実施の形態では巻数がz0シムで計258ターンから224ターンへ、z1シムでも計428から312ターンへと減少している。又z2シムでも計1082ターンから728ターンへと巻き数が減少している。このように合計のターン数でシムコイルの巻数は28%削減できる。又超電導シムを含めたマグネットのサイズは本実施の形態では最大径で208mmであり、表4に示す比較例では最大径が244mmとなっている。このように超電導シムの補正強度は同一でありながら、超電導シムを含めた超電導マグネットの最大径も15%小さくすることができる。
【0030】
図4は本発明の第2の実施の形態による超電導マグネット装置の共用の巻枠を示す斜視図である。本図に示すようにこの巻枠41は円筒形の部材であって、上下及び中央部に補正コイル用の溝41a,41b,41cが設けられ、夫々補正コイル25,24,26が巻き付けられている。そして中央の補正コイルと上下の補正コイルの間には浅い環状の溝41d,41eを有している。この環状の溝41d,41e内に超電導シム巻線用の巻枠42,43を夫々設ける。この巻枠は前述した実施の形態1の巻枠片19〜22と同様に、合成樹脂例えばFRP製で一対の対称な半円形として形成し、溝41d,41eで組み合わせて環状の巻枠とする。巻枠42は図4に示すように実施の形態1と同様にz2とz1の超電導シムコイルを収納する溝42a及びz2とz1超電導シムコイルを収納する溝42bを設け、更に中央部にz1超電導シムコイル用の溝42cを設けている。又他方の巻枠43も同様にしてz2とz1の超電導シムコイルを収納する溝43a及びz2とz0超電導シムコイルを収納する溝43bを設け、更に中央部にz1超電導シムコイル用の溝43cを設けている。この巻枠42,43も図4に示すように組立てた後、夫々の溝に所定の2つのz0シムコイル,4つのz1シムコイル及び4つのz2シムコイルを巻き付けるものとする。このようにすれば実施の形態1と同様に、シムコイルのターン数を減少させ、超電導マグネットの最大径を減少させることができる。
【0031】
尚前述した実施の形態1,2では、共用の巻枠としてアルミ合金製を用いているが、この巻枠には所定の強度が確保される材料であればよく、例えばステンレス合金、アルミ合金、銅合金のうちのいずれか1つによって作製することが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、超電導マグネット装置のマグネットサイズを大きくすることなく超電導シムコイルのターン数を減少させ、超電導シムコイルの補正強度を保ったまま超電導マグネットを小型化することができる。従って低温容器のサイズも小さくすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による超電導マグネット装置の断面を示す斜視図である。
【図2】 本実施の形態による超電導マグネット装置の主マグネットと超電導シムコイルの共用として用いられる巻枠の構造を示す組立構成図である。
【図3】 本実施の形態に対する比較例である従来の超電導シムコイルの断面を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による超電導マグネット装置の主マグネットコイルとシムコイルの共用の巻枠の構造を示す斜視図である。
【図5】 従来の超電導マグネット装置の一般的な構成の断面を示す斜視図である。
【図6】 従来の超電導マグネット装置の断面を示す複数のシムコイルの巻枠を有する一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 主マグネット巻枠
12 メインコイル
13,41 巻枠
14〜22 巻枠片
14a,14b,16a,16b,16c,18a,18b,19a,19b,22a,22b 巻枠部
14c,18c フランジ部
42,43 シムコイル用巻枠片

Claims (5)

  1. 主磁場を発生する超電導メインコイルと、前記超電導メインコイルと同芯状に配列される超電導補正コイル群及び超電導シムコイル群とを有する超電導マグネット装置において、
    前記超電導シムコイル群は超電導補正コイル群と共用の巻枠に配置され、
    前記共用の巻枠は、軸方向に連結される円筒形状の超電導補正コイル群用の巻枠片と、この巻枠片間に配置されると共に絶縁材から成る円筒形の超電導シムコイル用の巻枠片とを有し、当該共用の巻枠は、超電導補正コイル群用の巻枠片に超電導シムコイル用の巻枠片を挟み込んで構成されていることを特徴とする超電導マグネット装置。
  2. 主磁場を発生する超電導メインコイルと、前記超電導メインコイルと同芯状に配列される超電導補正コイル群及び超電導シムコイル群とを有する超電導マグネット装置において、
    前記超電導シムコイル群は超電導補正コイル群と共用の巻枠に配置され、
    前記共用の巻枠は、超電導補正コイル群用の環状溝とこの環状溝の間に配置された巻枠用溝と外周部に形成された円筒形のものであり、前記巻枠用溝に超電導シムコイルが巻回される巻枠が取り付けられることを特徴とする超電導マグネット装置。
  3. 前記共用の巻枠は、CFRP、GFRP、ステンレス合金、アルミ合金、銅合金のうちの1つ又は複数の材料によって作製されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導マグネット装置。
  4. 前記超電導シムコイルの導体は、NbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうち少なくともいずれか1つによって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  5. 前記超電導補正コイルの導体は、NbTi超電導導体、Nb3Sn超電導導体、Nb3Al超電導導体、ビスマス系酸化物超電導導体、イットリウム系酸化物超電導導体、MgB2超電導導体のうち少なくともいずれか1つによって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
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