WO2019187465A1 - 傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

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Abstract

MRI装置において被検者の頭部の撮像に用いられる傾斜磁場コイル装置は、MRI装置の撮像領域に傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルと、漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成するシールドコイルと、内周、外周、および内周と外周とを繋ぐ端面を有する円筒形状の支持体とを備える。支持体における円筒形状の長手方向の両端部には、切欠き部が形成されている。傾斜磁場コイルは、支持体の内周側に配置され、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルの第1の巻線部分を含む。シールドコイルは、支持体の前記外周側に配置され、渦巻き状のコイルの前記第1の巻線部分とは異なる第2の巻線部分を含む。

Description

傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像装置
 本開示は、傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置に関する。本出願は、2018年3月29日に出願した日本特許出願である特願2018-063940号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
 特開平8-56934号公報(特許文献1)には、MRI装置における被検者の頭部撮像用の傾斜磁場コイル装置が開示されている。特許文献1に開示される傾斜磁場コイル装置は、円筒形状の傾斜磁場コイルの一方端における被検者の肩に対応する部分に切欠きを形成する構成を有する。
特開平8-56934号公報
 本開示の一態様に係る傾斜磁場コイル装置は、MRI装置において被検者の頭部の撮像に用いられる。傾斜磁場コイル装置は、傾斜磁場コイルと、シールドコイルと、円筒形状の支持体とを備える。傾斜磁場コイルは、MRI装置の撮像領域に傾斜磁場を形成する。シールドコイルは、漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成する。支持体は、内周、外周、および前記内周と前記外周とを繋ぐ端面を有する。支持体における円筒形状の長手方向の両端部には、切欠き部が形成されている。傾斜磁場コイルは、支持体の内周側に配置され、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルの第1の巻線部分を含む。シールドコイルは、支持体の外周側に配置され、渦巻き状のコイルの第1の巻線部分とは異なる第2の巻線部分を含む。
図1は、実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置が適用されるMRI装置の構成を説明するためのブロック図である。 図2は、図1に示した傾斜磁場コイル装置の概略構成を説明するための図である。 図3は、本実施の形態に係る傾斜磁場コイル装置400の構成を説明するための図である。 図4は、図3に示した傾斜磁場コイルおよびシールドコイルの構成を説明するための図である。 図5は、XメインコイルおよびXシールドコイルの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。 図6は、Xメインコイル、X接続導体およびXシールドコイルを構成する一体の導体を平面に展開した状態を示す模式図である。 図7は、Xメインコイル、X接続導体およびXシールドコイルを構成する一体の導体を示す模式図である。 図8は、YメインコイルおよびYシールドコイルの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。 図9は、ZメインコイルおよびZシールドコイルの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。 図10は、実施の形態2に係る傾斜磁場コイル装置の概略構造を説明するための図である。 図11は、図10に示した傾斜磁場コイル、シールドコイルおよびシム層の構成を説明するための図である。
[本開示が解決しようとする課題]
 本開示の一態様の目的は、小型化かつ低損失化に有利な構造を有する頭部撮像用の傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像装置を提供することである。
[本開示の効果]
 本開示によれば、小型化かつ高効率化に有利な構造を有する傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像装置を提供することができる。
 [本開示の実施形態の説明]
 最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
 (1)本開示の一態様に係る傾斜磁場コイル装置400は、MRI装置10において被検者170の頭部の撮像に用いられる。傾斜磁場コイル装置400は、MRI装置10の撮像領域に傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイル430と、漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成するシールドコイル420と、内周、外周、および内周と外周とを繋ぐ端面を有する円筒形状の支持体410とを備える(図2参照)。支持体410における円筒形状の長手方向の両端部には、切欠き部415が形成されている(図3参照)。傾斜磁場コイル430は、支持体410の内周側に配置され、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルの第1の巻線部分430xを含む。シールドコイル420は、支持体410の外周側に配置され、渦巻き状のコイルの第1の巻線部分430xとは異なる第2の巻線部分420xを含む(図6参照)。
 上記(1)に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、円筒形状の長手方向の端部に切欠き部415を形成したことで、被検者170の肩部との干渉を回避しながら、コイル内径を頭部に適応した大きさとすることができるため、発生する磁場の強度を大きくすることができる。また、円筒長さを比較的長くできるため、傾斜磁場の線形性を確保することができる。さらに、傾斜磁場コイル装置400の中心に被検者170の頭部を配置できるため、コイルの対称性も確保することができる。
 さらに、円筒形状の支持体410の両方の端部に切欠き部415を形成したことで、円筒形状の一方の端部のみに、肩部との干渉を回避するための切欠き部415を形成する構成に比べて、円筒の長さ方向における傾斜磁場の対称性を確保することができる。
 また、上記(1)に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、単一の導体で傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を一体的に形成できるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化することができる。したがって、小型の構成で、発生する磁場の強度および線形性を確保することができる。また、傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を別体で形成する構成に比べて、これら2つのコイルを形成するための導線の全長を短縮することができる。
 コイルを形成する導線の全長の短縮は、傾斜磁場コイル装置400のコストの低減に寄与し得る。また、コイルで発生する損失を低減できるため、傾斜磁場コイル装置400の運転効率を向上させることができる。さらに、コイルで発生する損失が低減されたことで、傾斜磁場コイル装置400に供給する電流の制限を緩和できるため、より大きな電流を供給することができる。また、傾斜磁場コイル装置400を冷却するための冷却機構の小型化に寄与し得る。
 また、上記(1)に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、コイルを小型化できるため、コイルのインダクタンスを小さくしてコイルに蓄積される磁場エネルギーを低減することができる。これにより、傾斜磁場コイル装置400が発生する傾斜磁場のスルーレートを高めることができる。本願明細書において、傾斜磁場のスルーレートとは、傾斜磁場強度が零から最大振幅まで変化するときの単位時間当たりの変化量を意味する。
 (2)上記(1)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、渦巻き状のコイルにおける第1の巻線部分430xと第2の巻線部分420xとの間に位置する第3の巻線部分425x(図6参照)は、支持体410の端面410c上に配置される。
 これによると、単一の導体で傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を一体的に形成することができるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化することができる。
 (3)上記(2)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、第3の巻線部分425xの少なくとも一部分は、切欠き部415の表面上に配置される。
 これによると、単一の導体の全長が短くしながら傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を一体的に形成することができる。
 (4)上記(2)または(3)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、渦巻き状のコイルは、第1の巻線部分430xの中心軸に沿った一方向から見たときに、第1の巻線部分430xと第2の巻線部分420xとの巻回方向が互いに逆向きになるように、第1および第3の巻線部分の接続部分、ならびに第2および第3の巻線部分の接続部分において折り曲げられている(図6参照)。
 これによると、単一の導体で傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を一体的に形成することができるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化することができる。
 (5)上記(1)または(2)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、支持体410における長手方向の両端部の各々には、円筒形状の径方向において互いに対向する位置に配置された、2つの切欠き部415が形成されている(図3参照)。
 これによると、コイル内径を頭部に適応した大きさとすることができるとともに、円筒長さを比較的長くできるため、発生する磁場の強度をできるとともに、傾斜磁場の線形性を確保できる。さらに、円筒の長さ方向における傾斜磁場の対称性を確保することができる。
 (6)上記(3)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、切欠き部415は、支持体410の端部に向けて開口する矩形形状を有する。
 これによると、切欠き部415に被検者の肩部が収容された場合に、肩部回りのスペースに余裕を持たせることができる。また、切欠き部415を単純な形状とすることで、傾斜磁場コイル装置400の作り易さにおいて利点を有する。
 (7)上記(3)または(4)に記載の傾斜磁場コイル装置400は、撮像時にMRI装置10に追加的に配置される挿入型傾斜磁場コイル装置であり、傾斜磁場コイル装置400がMRI装置10に適用された状態において、長手方向が水平方向となるように配置される(図1参照)。支持体410の長手方向の円筒断面における水平方向の半径方向をX軸、鉛直方向をY軸、長手方向をZ軸とすると、2つの切欠き部415は、X軸方向において互いに対向する位置に配置される(図3参照)。
 これによると、MRI装置10に配置される挿入型傾斜磁場コイル装置において、磁場強度を高めるとともに、傾斜磁場の線形性および対称性を確保することができる。また、挿入側傾斜磁場コイル装置の小型化および低損失化を実現することが可能となる。
 (8)上記(3)または(4)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、支持体410の長手方向の中央部における円筒断面中心を原点とし、第1の方向をX軸、X軸に直交する第2の方向をY軸、X軸およびY軸に直交する長手方向をZ軸とした場合、支持体410のZ軸方向の各端部において、2つの切欠き部415は、X軸方向において互いに対向する位置に配置されている(図5,図8および図9参照)。傾斜磁場コイル430は、X軸方向に対向して配置され、X軸方向の傾斜磁場を形成する二対のXメインコイル430xと、Y軸方向に対向して配置され、Y軸方向の傾斜磁場を形成する二対のYメインコイル430yと、Z軸方向に間隔を隔てて配置され、Z軸方向の傾斜磁場を形成する一対のZメインコイル430zとを含む。シールドコイル420は、二対のXメインコイル430xにそれぞれ対向して配置され、X軸方向の遮蔽磁場を形成する二対のXシールドコイル420xと、二対のYメインコイル430yにそれぞれ対向して配置され、Y軸方向の遮蔽磁場を形成する二対のYシールドコイル420yと、一対のZメインコイル430zに対向して配置され、Z軸方向の遮蔽磁場を形成する一対のZシールドコイル420zとを含む。接続導体425は、対向するXメインコイル430xとXシールドコイル420xとを電気的に接続するX接続導体425xと、対向するYメインコイル430yとYシールドコイル420yとを電気的に接続するY接続導体425yと、対向するZメインコイル430zとZシールドコイル420zとを電気的に接続するZ接続導体425zとを含む。
 これによると、傾斜磁場コイル装置400において、X軸、Y軸およびZ軸の各々において、傾斜磁場を形成するための傾斜磁場コイルと、遮断磁場を形成するためのシールドコイルとを一体のコイルで形成することができるため、傾斜磁場コイル装置400の小型化および低損失化を実現できる。
 (9)上記(6)に記載の傾斜磁場コイル装置400において、X接続導体425xとZ接続導体425zとは、支持体410の端面上において、電気的に絶縁された状態で積層して配置される部分を含む(図5および図9参照)。
 これによると、X軸の磁場を形成するためのコイルと、Z軸の磁場を形成するためのコイルとを一部分が互いに重なり合うように配置できるため、傾斜磁場コイル装置400の小型化が可能となる。
 (10)上記(1)から(9)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置400において、支持体の内面の直径d1は、360mm~420mmである(図3参照)。
 これによると、コイル内径を頭部に適応した大きさとすることができるため、発生する磁場の強度を大きくできるため、分解能を向上させることができる。
 (11)上記(1)から(10)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置400は、支持体410における傾斜磁場コイル430とシールドコイル420とに挟まれた空間に配置されたシム部材460(図10、図11参照)をさらに備える。
 これによると、支持体410内部の撮像空間に発生する静磁場を均一化することができる。
 (12)本開示の一態様に係る磁気共鳴撮像装置10は、上記(1)から(11)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置400を備える(図1参照)。
 上記(12)に係る磁気共鳴撮像装置10によれば、頭部撮像用の傾斜磁場コイル装置400を、高い磁場強度および傾斜磁場の線形性および対称性が確保しながら、小型化かつ低損失化が可能な構造とすることができる。
 [本開示の実施形態の詳細]
 以下、図面に基づいて本開示の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
 [実施の形態1]
 (MRI装置の構成)
 図1は、実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置が適用される磁気共鳴撮像装置(MRI装置)10の構成を説明するためのブロック図である。
 図1に示されるように、MRI装置10は、いわゆるトンネル型のMRI装置であって、本体装置100と、直流電源装置200と、制御装置300と、表示部310とを備える。
 被検者170は、検査用テーブル160上に横たえられた状態で、円筒型の本体装置100の空洞部(トンネル)内に挿入される。トンネル内に発生する磁場を用いて、被検者170の検査対象部位の断面画像が撮像される。
 本体装置100は、超電導マグネット110と、傾斜磁場コイル120と、RF(Radio Frequency)コイル130と、シムコイル150とを含む。超電導マグネット110、全身撮像用の傾斜磁場コイル120、RFコイル130およびシムコイル150は、概略的には円筒型の形状を有している。
 超電導マグネット110は、超電導材料で形成された超電導コイル115を含む。超電導材料には、例えば、ニオブ系金属超電導材料などの低温超電導材料、または、ビスマス系超電導材料およびRE123系超電導材料などの高温超電導材料を用いることができる。なお、ビスマス系超電導材料は、(ビスマスと鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅の原子比がほぼ2:2:2:3の比率で近似して表わされるBi2223相を主相とし、残部がBi2212相および不可避的不純物からなる超電導材料を意味する。RE123系超電導材料は、REBaCu(yは6~8、より好ましくは7)として表される超電導材料を意味する。
 超電導コイル115、傾斜磁場コイル120、およびシムコイル150が励磁されると、トンネル内に磁場が発生する。なお、図1には示されていないが、超電導コイル115を超電導状態に冷却するための冷却装置が設けられる。
 超電導コイル115は、トンネル内に空間的および時間的に均一な静磁場を生成するためのコイルである。超電導コイル115は、直流電源装置200から供給される電流の大きさにより所定の強度の磁場を生成する。超電導コイル115で生じる静磁場によって、被検者170の検査対象部位の水素原子核の持つ核スピンを一定方向に整列させることができる。
 シムコイル150は、超電導コイル115によって生成される静磁場を補正するための磁場を生成するためのコイルである。シムコイル150は、例えば常電導材料で形成される。
 傾斜磁場コイル120は、空間的に線形に変化する傾斜磁場を形成するためのコイルである。この傾斜磁場によって、検査対象部位の水素原子核が出す信号の周波数を空間的に線形に変化させることができる。したがって、RFコイル130によって受信される受信信号に対して位置情報を付加することができる。
 本実施の形態においては、被検者170の頭部を撮像する場合には、挿入型の傾斜磁場コイル装置400が用いられる。傾斜磁場コイル装置400の詳細については後述する。
 RFコイル130は、被検者170に対して所定の周波数のRFパルス信号を送信する。検査対象部位に対してRFパルス信号が照射されると、RFパルスにより与えられるエネルギによって検査対象部位の水素原子核が励磁される。そして、RFパルス信号が停止されると。水素原子核が励起状態から復帰する。RFコイル130は、この励起状態から復帰する際に観測される磁気共鳴信号を受信する。なお、図1においては、RFコイル130により、RFパルス信号の送信、および、磁気共鳴信号の受信が行なわれるものとしているが、送信用コイルと受信用コイルとが分離された構成としてもよい。
 傾斜磁場コイル120によって生成される傾斜磁場によって、RFコイル130で受信される各位置からの受信信号はその位相が異なったものとなる。そのため、印加する傾斜磁場とRFパルス信号の周波数とを適切に調整することで、得られた受信信号から当該信号を放出した水素原子核の位置を特定することができる。この受信信号を平面的あるいは三次元的に配列することによって、検査対象部位を画像化することができる。
 直流電源装置200は、超電導コイル115により静磁場を生成させるための電流を供給する。制御装置300は、直流電源装置200からの出力電流が一定となるように制御する。これにより、安定した静磁場を発生することができる。
 制御装置300は、傾斜磁場コイル120およびシムコイル150についての励磁電流を調整する。また、制御装置300は、RFコイル130に対してRFパルス信号を出力するとともに、当該RFパルス信号に対してRFコイル130で受信された受信信号を受ける。制御装置300は、この受信信号に基づいて、検査対象部位の断面を画像化し、表示部310に表示する。
 以下の説明では、被検者170がMRI装置10のトンネル内に水平に位置された状態において、円筒形状のトンネルにおける水平方向の半径方向をX軸とし、鉛直方向の半径方向をY軸とし、円筒の長手方向をZ軸とする。
 一般的に、コイルの中心に形成される磁場の強度は、コイルに供給する電流の大きさ、および、コイル中心までの距離(すなわち、コイルの半径)に依存することが知られている。全身撮像用の傾斜磁場コイル120においては、円筒内部に全身が入るように、比較的大きなコイル径に設計される。
 頭部の撮像は、主に脳の診断の目的のために行なわれるため、他の身体の部位よりも、歪みが少なくかつ鮮明な画像が求められる。また、頭部の撮像においては、頭蓋骨の影響により磁場の減衰が他の部位に比べて大きくなりやすい。そのため、頭部の撮像の場合には、他の部位の撮像の場合よりも高強度で線形性が確保された傾斜磁場が必要となる。これを実現するために、図1に示したような、全身撮像用の傾斜磁場コイル120よりもコイル径が小さい、挿入型の傾斜磁場コイル装置400が用いられる。
 (傾斜磁場コイル装置の構成)
 図2は、図1に示した傾斜磁場コイル装置400の概略構成を説明するための図である。図2に示されるように、傾斜磁場コイル装置400は、円筒形状を有しており、シールドコイル420と、傾斜磁場コイル430と、これらを支持する支持体410とを含む。
 傾斜磁場コイル430は、基本的には、全身撮像用の傾斜磁場コイル120(図1)と同様に、X軸、Y軸、Z軸の各々に傾斜磁場を形成するためのコイルを有している。なお、図示は省略するが、傾斜磁場コイル430よりも円筒の内周側にRFコイルを配置してもよい。RFコイルは、被検者170に対してRFパルス信号を送信するとともに、被検者170からの磁気共鳴信号を受ける。
 シールドコイル420は、傾斜磁場コイル430よりも円筒の外周側に配置されており、傾斜磁場コイル430で発生した磁場の外部への漏洩を防止するとともに、外部からの磁場の影響を除去するための磁場(遮蔽磁場)を発生する。
 支持体410は、円筒形状を有しており、該円筒形状の内周410aおよび外周410bと、円筒形状の内周410aおよび外周410bを繋ぐ端面410cとを有している。支持体410は、円筒形状の内周側に傾斜磁場コイル430を保持し、かつ、円筒形状の外周側にシールドコイル420を保持する。支持体410は、例えば、誘電体により形成される。
 ここで、発生する磁場の強度を高めるためには、傾斜磁場コイル装置400の内径をできるだけ小さくすることが望ましい。また、傾斜磁場の線形性を得るあめには、円筒の長さをある程度長くする必要がある。
 しかしながら、磁場強度を高めるために、コイル径を被検者170の頭部の大きさに適した寸法とすると、被検者170の肩部にコイルが干渉してしまうことになる。一方で、傾斜磁場コイル装置400により発生する磁場は、磁場によって生じるローレンツ力に起因する装置の歪みの影響や、発生する磁場の状態確認の容易さなどから、傾斜磁場コイル装置400について対称となることが好ましい。そのため、コイルの対称性を確保した場合、被検者170の肩部との干渉のために、円筒の長さが制限されることになる。
 このように、頭部撮像用の傾斜磁場コイル装置400においては、傾斜磁場の強度、線形性、および対称性の特性を調和させる必要がある。
 図3は、本実施の形態に係る傾斜磁場コイル装置400の構成を説明するための図である。
 図3に示されるように、傾斜磁場コイル装置400は、支持体410における円筒形状の長手方向における両端部に、切欠き部415が形成されている。切欠き部415は、円筒形状の両端部の各々において、支持体410における、円筒形状の径方向に対向する位置にある2つの部分を切除することにより形成することができる。
 円筒形状の一方の端部に形成された切欠き部415は、被検者170の肩部との干渉を回避するために形成されている。また、円筒形状の他方の端部に形成された切欠き部415は、円筒の長手方向の磁場の対称性を確保するために形成されている。切欠き部415の長手方向に垂直な方向における幅をd2とすると、d2=160mm~256mmとすることが好ましい。また、支持体410の長手方向における一方の端部に形成された切欠き部415と、他方の端部に形成された切欠き部415との間隔をh1とすると、h1=300mm~350mmとすることが好ましい。
 このような構成とすることにより、コイル内径を頭部に適応した大きさとすることができるため、発生する磁場の強度を大きくできる。また、肩部との干渉を回避したことで、円筒長さを比較的長くできるため、傾斜磁場の線形性を確保することができる。なお、支持体410の内径をd1とすると、d1=360mm~420mmとすることが好ましい。
 さらに、傾斜磁場コイル装置400の中心に被検者170の頭部を配置することができるため、コイルの対称性も確保できる。また、円筒形状の両方の端部に切欠き部415を形成したことで、円筒形状の一方の端部のみに、肩部との干渉を回避するための切欠き部415を形成した構成に比べて、円筒の長さ方向における傾斜磁場の対称性を確保することができる。
 なお、図3の構成例では、切欠き部415は、円筒形状の端部に向けて開口した矩形形状を有しているが、切欠き部415の形状は矩形形状に限定されるものではない。切欠き部415は、例えば、円筒形状の端部側を下底とし、中央部側を上底とする台形形状や、特許文献1に示されるようなパラボラ形状を有していてもよい。ただし、切欠き部415を矩形形状とすることで、切欠き部415に被検者170の肩部が収容された場合に、肩部回りのスペースに余裕を持たせることができる。また、切欠き部415を単純な形状とすることで、傾斜磁場コイル装置400の作り易さの点で利点を有する。
 図4は、図3に示した傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420の構成を説明するための図である。図4は、傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420のYZ断面図である。
 図4に示されるように、傾斜磁場コイル430は、X軸方向に傾斜磁場を形成するXメインコイル430xと、Y軸方向に傾斜磁場を形成するYメインコイル430yと、Z軸方向に傾斜磁場を形成するZメインコイル430zとで構成される。
 シールドコイル420は、X軸方向に遮蔽磁場を形成するXシールドコイル420xと、Y軸方向に遮蔽磁場を形成するYシールドコイル420yと、Z軸方向に遮蔽磁場を形成するZシールドコイル420zとで構成される。
 図4の例では、これらのコイルは、撮像空間側から、Zメインコイル430z、Yメインコイル430y、Xメインコイル430x、Xシールドコイル420x,Yシールドコイル420y、およびZシールドコイル420zの順に積層されている。なお、傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420の各々におけるX,Y,Zのコイルの積層順はこれに限定されるものではない。
 各コイル間には、絶縁部材412が充填されており、電気的絶縁性を確保している。絶縁部材412は、例えば、エポキシ等の樹脂またはガラス等の無機材料であって、非磁性材料を用いて形成することができる。あるいは、絶縁部材412は、支持体410と同じ材料(誘電体など)を用いて形成することができる。
 図5は、Xメインコイル430xおよびXシールドコイル420xの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。
 図5に示されるように、Xメインコイル430xは、X軸方向に対向する二対の鞍型コイルを含む。これらのコイルに供給する電流を調整することによって、X軸方向に線形に強度が変化する傾斜磁場を形成することができる。例えば、円筒形状の長手方向の中央部における円筒断面中心を原点とした場合、図5における手前側(X軸の正方向)のXメインコイル430xと、奥側(X軸の負方向)のXメインコイル430xとに、それぞれ逆極性の電流を供給することによって、原点を中心としてX軸方向に点対称となる強度を有する傾斜磁場を形成することができる。
 Xシールドコイル420xは、X軸方向に対向する二対のコイルを含む。Xシールドコイル420xは、Xメインコイル430xの外周側に対向するように配置されている。Xシールドコイル420xに対して、対向するXメインコイル430xと反対向きの電流を供給することによって、該Xメインコイル430xによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 図5に示すように、Xメインコイル430xと、これに対向配置されるXシールドコイル420xとは、X接続導体425xによって電気的に接続されている。X接続導体425xは、支持体410の端面(切欠き部415の表面を含む)上に配置されており、切欠き部415の近傍を巻回中心軸とするXメインコイル430xの巻線の一部分を外周側に引き回すことにより形成されている。このとき、外周側に引き回された巻線によって、Xシールドコイル420xが形成されている。
 言い換えれば、Xメインコイル430x、X接続導体425x、およびXシールドコイル420xは、一体の導体により構成されている。この一体の導体は、例えば、図6に示されるような、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルを用いて形成することができる。
 図6は、Xメインコイル430x、X接続導体425x、およびXシールドコイル420xを構成する一体の導体を平面に展開した状態を示す模式図である。
 図6の例では、一体の導体は、渦巻き状の平面コイルにより構成される。平面コイルは、例えば、板状の導体をスリット加工することにより、形成することができる。コイルを構成する導線の材料としては、電気伝導度が高い材料が望ましく、例えば、銅(Cu)が好適に用いられる。
 Xメインコイル430xは、平面コイルの第1の巻線部分により形成され、Xシールドコイル420xは、平面コイルの第2の巻線部分により形成される。そして、X接続導体425xは、平面コイルの第1の巻線部分と第2の巻線部分との間に位置する第3の巻線部分により形成される。
 図6に示す平面コイルを、第1の巻線部分および第2の巻線部分の接続部分で折り曲げるとともに、第2の巻線部分および第3の巻線部分の接続部分で折り曲げることにより、図7に示すように、立体的形状を有するコイルに変形することができる。
 ここで、図7に示す立体的形状のコイルを、第1の巻線部分の中心軸に沿った第1の方向から見たときに、第1の巻線部分と第2の巻線部分とは巻回方向が互いに逆向きになっている。したがって、図中の矢印の方向に電流を流した場合には、第1の巻線部分を含むXメインコイル430xと、第2の巻線部分を含むXシールドコイル420xとでは、互いに逆向きの電流が流れることになる。したがって、Xシールドコイル420xは、Xメインコイル430xによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 このように、単一の導体でXメインコイル430xおよびXシールドコイル420xを一体的に形成できるため、Xメインコイル430xとXシールドコイル420xとの間隔を狭めることができる。これにより、円筒形状の肉厚を薄くして、傾斜磁場コイル装置400を小型化することができる。また、Xメインコイル430xおよびXシールドコイル420xを別体で形成する構成に比べて、これら2つのコイルを形成するための導線の全長を短縮できるため、コイル全体の電気抵抗値を小さくすることができる。これにより、コイルで発生する損失(ジュール熱)を低減することができるため、傾斜磁場コイル装置400に供給する電流の制限を緩和でき、より大きな電流を供給することができる。また、傾斜磁場コイル装置400を冷却するための冷却機構の小型化に寄与し得る。
 図8は、Yメインコイル430yおよびYシールドコイル420yの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。
 図8に示すように、Yメインコイル430yは、Y軸方向に対向する二対の鞍型コイルを含む。これらのコイルに供給する電流を調整することによって、Y軸方向に線形に強度が変化する傾斜磁場を形成することができる。例えば、図8における上部側(Y軸の正方向)のYメインコイル430yと、下部側(Y軸の負方向)のYメインコイル430yとに、それぞれ逆極性の電流を供給することによって、原点を中心としてY軸方向に点対称となる強度を有する傾斜磁場を形成することができる。
 Yシールドコイル420yは、Y軸方向に対向する二対のコイルを含む。Yシールドコイル420yは、Yメインコイル430yの外周側に対向するように配置されている。Yシールドコイル420yに対して、対向するYメインコイル430yと反対向きの電流を供給することによって、該Yメインコイル430yによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 図8に示すように、Yメインコイル430yと、これに対向配置されるYシールドコイル420yとは、Y接続導体425yによって電気的に接続されている。Y接続導体425yは支持体410の端面(切欠き部415の表面を含む)上に配置されており、2つの切欠き部415に挟まれた突出部を巻回中心軸とするYメインコイル430yの巻線の一部分を外周側に引き回すことにより形成されている。このとき、外周側に引き回された巻線によって、Yシールドコイル420yが形成されている。
 言い換えれば、Yメインコイル430y、Y接続導体425y、およびYシールドコイル420yは、上述したX軸コイルと同様に、一体の導体により構成されている。この一体の導体は、例えば、図6に示したような、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルを用いて形成することができる。
 すなわち、Yメインコイル430yは、平面コイルの第1の巻線部分により形成され、Yシールドコイル420yは、平面コイルの第2の巻線部分により形成され、Y接続導体425yは、平面コイルの第1の巻線部分と第2の巻線部分との間に位置する第3の巻線部分により形成される。そして、この平面コイルを、第1の巻線部分および第2の巻線部分の接続部分で折り曲げるとともに、第2の巻線部分および第3の巻線部分の接続部分で折り曲げることにより、図8に示すような、立体的形状を有するコイルに変形することができる。
 なお、図8に示すコイルにおいても、第1の巻線部分を含むYメインコイル430yと、第2の巻線部分を含むYシールドコイル420yとでは、互いに逆向きの電流が流れる。したがって、Yシールドコイル420yは、Yメインコイル430yによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 このように、単一の導体でYメインコイル430yおよびYシールドコイル420yを一体的に形成することができるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化できる。また、これら2つのコイルを形成するための導線の全長を短縮できるため、コイル全体の電気抵抗値を小さくすることができ、結果的にコイルで発生する損失(ジュール熱)を低減することができる。
 図9は、Zメインコイル430zおよびZシールドコイル420zの構成の一例を概略的に示す透過斜視図である。
 図9に示されるように、Zメインコイル430zは、Z軸方向に間隔を隔てて配置された一対の円形コイルを含む。円形コイルは、導線をZ軸を中心に巻回した構造を有する。これらのコイルに供給する電流を調整することによって、Z軸方向に線形的に強度が変化する傾斜磁場を形成することができる。例えば、図9における手前側(Z軸の正方向)のZメインコイル430zと、奥側(Z軸の負方向)のZメインコイル430zとに、それぞれ逆極性の電流を供給することによって、原点を中心としてZ軸方向に点対称となる強度を有する傾斜磁場を形成することができる。
 Zシールドコイル420zは、Z軸方向に対向する二対のコイルを含む。Zシールドコイル420zは、Zメインコイル430zの外周側に配置されている。各コイルは、2つの切欠き部415に挟まれた突出部に対して導線を巻回した構造を有する。Zシールドコイル420zに対して、Zメインコイル430zと反対向きの電流を供給することによって、該Zメインコイル430zによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 図9に示すように、Zメインコイル430zと、Zシールドコイル420zとは、Z接続導体425zによって電気的に接続されている。Z接続導体425zは、支持体410の端面(切欠き部415の表面を含む)上に配置されており、Z軸を巻回中心軸とするZメインコイル430zの巻線の一部分を外周側に引き回すことにより形成されている。このとき、外周側に引き回された巻線が突出部に巻回されることによって、Zシールドコイル420zが形成されている。
 言い換えれば、Zメインコイル430z、Z接続導体425z、およびZシールドコイル420zは、一体の導体により構成されている。この一体の導体は、例えば、単一の導線を巻回して形成されたソレノイドコイルを用いて形成することができる。
 すなわち、Zメインコイル430zは、ソレノイドコイルの第1の巻線部分により形成され、Zシールドコイル420zは、ソレノイドコイルの第2の巻線部分により形成される。そして、Z接続導体425zは、ソレノイドコイルの第1の巻線部分と第2の巻線部分との間に位置する第3の巻線部分により形成される。第1巻線部分と第2巻線部分とで巻回中心を移動させるとともに、巻回方向を逆向きにすることにより、図9に示すように、立体的形状を有するコイルに変形することができる。
 図9に示す立体的形状のコイルにおいて、図中の矢印の方向に電流を流した場合、Zメインコイル430zを構成する第1の巻線部分と、Zシールドコイル420zを構成する第2の巻線部分とでは、互いに逆向きの電流が流れることになる。したがって、Zシールドコイル420zは、Zメインコイル430zによる漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成することができる。
 このように、単一の導体でYメインコイル430yおよびYシールドコイル420yを一体的に形成することができるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化できる。また、これら2つのコイルを形成するための導線の全長を短縮できるため、コイル全体の電気抵抗値を小さくすることができ、結果的にコイルで発生する損失(ジュール熱)を低減することができる。
 なお、図5および図9を比較すると、X接続導体425xとZ接続導体425zとは、支持体410の端面410c(切欠き部415の表面)上において、積層して配置される部分を含んでいることが分かる。なお、X接続導体425xおよびZ接続導体425zとの間には絶縁部材412が配置されており、電気的絶縁性が確保されている。
 これによると、X軸方向の磁場を形成するためのコイルと、Z軸方向の磁場を形成するためのコイルとを一部分が互いに重なり合うように配置することができるため、傾斜磁場コイル装置400の小型化に貢献することができる。
 以上より、本実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、円筒形状の長手方向の端部に切欠き部415を形成したことで、被検者の肩部との干渉を回避しながら、コイル内径を頭部に適応した大きさとすることができるため、発生する磁場の強度を大きくすることができる。また、円筒長さを比較的長くできるため、傾斜磁場の線形性を確保できる。さらに、傾斜磁場コイル装置400の中心に被検者の頭部を配置できるため、コイルの対称性も確保できる。
 さらに、円筒形状の両方の端部に切欠き部415を形成したことで、円筒形状の一方の端部のみに、肩部との干渉を回避するための切欠き部を形成する構成に比べて、円筒の長さ方向における傾斜磁場の対称性を確保することができる。
 また、本実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、単一の導体で傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を一体的に形成できるため、傾斜磁場コイル装置400を小型化することができる。したがって、小型の構成で、発生する磁場の強度および線形性を確保することができる。また、傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420を別体で形成する構成に比べて、これら2つのコイルを形成するための導線の全長を短縮することができる。
 コイルを形成する導線の全長の短縮は、傾斜磁場コイル装置400のコストの低減に寄与し得る。また、コイルで発生する損失を低減することができるため、傾斜磁場コイル装置400の運転効率を向上させることができる。さらに、コイルで発生する損失が低減されたことで、傾斜磁場コイル装置400に供給する電流の制限を緩和できるため、より大きな電流を供給することができる。また、傾斜磁場コイル装置400を冷却するための冷却機構の小型化に寄与し得る。
 傾斜磁場コイル装置においては、一般的に、コイルの大きさが大きくなるほど、コイルが有するインダクタンスが大きくなる。コイルのインダクタンスが大きくなるに従って、コイルに蓄積される磁場エネルギーが増えるため、傾斜磁場のスルーレートが小さくなる傾向が現われる。本実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置400によれば、コイルを小型化することができるため、コイルのインダクタンスを小さくしてコイルに蓄積される磁場エネルギーを低減することができる。この結果、傾斜磁場コイル装置400が発生する傾斜磁場のスルーレートを高めることができる。
 [実施の形態2]
 図10は、実施の形態2に係る傾斜磁場コイル装置400の概略構造を説明するための図である。
 図10に示されるように、傾斜磁場コイル装置400は、傾斜磁場コイル430と、シールドコイル420と、シム層460とを備える。実施の形態2に係る傾斜磁場コイル装置400は、実施の形態1に係る傾斜磁場コイル装置400と比較して、シム層460を備える点が異なる。シム層460は「シム部材」の一実施例に対応する。
 シム層460は、支持体410の円筒形状における傾斜磁場コイル430とシールドコイル420とに挟まれた空間に配置される。シム層460には、複数本のシムトレイ挿入ガイド465が形成されている。
 シムトレイ挿入ガイド465は、典型的には、図10に示すように、傾斜磁場コイル装置400における円筒形状の長手方向(すなわち、Z軸方向)の全長にわたって貫通する孔により構成される。図10の例では、複数本のシムトレイ挿入ガイド465は、円周方向に等間隔に形成されている。
 シムトレイ挿入ガイド465に挿入されるシムトレイ(図示せず)は、例えば、長手方向に複数のポケットを有する。静磁場の均一性を補正するために、所定のポケットに所定の枚数の鉄シムが収納される。
 図11は、図10に示した傾斜磁場コイル430、シールドコイル420およびシム層460の構成を説明するための図である。図11は、図10のXI-XI線での断面図であり、傾斜磁場コイル430、シールドコイル420およびシム層460のYZ断面を示している。
 図11に示されるように、傾斜磁場コイル430は、X軸、Y軸およびZ軸方向のそれぞれに傾斜磁場を形成するXメインコイル430x、Yメインコイル430y、およびZメインコイル430zで構成される。
 シールドコイル420は、X軸、Y軸およびZ軸方向のそれぞれに遮蔽磁場を形成するXシールドコイル420x、Yシールドコイル420y、およびZシールドコイル420zで構成される。
 これらのコイルは、図3と同様に、撮像空間側から、Zメインコイル430z、Yメインコイル430y、Xメインコイル430x、Xシールドコイル420x,Yシールドコイル420y、およびZシールドコイル420zの順に積層されている。各コイル間には、絶縁部材412が充填されており、電気的絶縁性を確保している。なお、傾斜磁場コイル430およびシールドコイル420の各々におけるX,Y,Zのコイルの積層順はこれに限定されるものではない。
 Xメインコイル430xとXシールドコイル420xとの間には、シム層460が配置されている。シム層460には、シムトレイ挿入ガイド465が形成されている。
 このように、実施の形態2に係る傾斜磁場コイル装置400においては、傾斜磁場コイル430とシールドコイル420との間の空間にシム層460を配置することができるため、静磁場の不均一性を補正することができる。
 なお、図11に示すように、長手方向(Z軸方向)の両端に切欠き部415が形成されている部分においては、これ以外の部分に比べて、シムトレイ挿入ガイド465の長さを短くしている。
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 本体装置、100 磁気共鳴撮像装置(MRI装置)、110 超電導マグネット、115 超電導コイル、120 傾斜磁場コイル、130 RFコイル、150 シムコイル、160 シム層、170 被検者、200 直流電源装置、300 制御装置、310 表示部、400 傾斜磁場コイル装置、410 支持体、412 絶縁部材、415 切欠き部、420 シールドコイル、420x Xシールドコイル、420y Yシールドコイル、420z Zシールドコイル、425x X接続導体、425y Y接続導体、425z Z接続導体、430 傾斜磁場コイル、430x Xメインコイル、430y Yメインコイル、430z Zメインコイル。

Claims (12)

  1.  磁気共鳴撮像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置において被検者の頭部の撮像に用いられる傾斜磁場コイル装置であって、
     前記MRI装置の撮像領域に傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルと、
     漏洩磁場を打ち消すための遮蔽磁場を形成するシールドコイルと、
     内周、外周、および前記内周と前記外周とを繋ぐ端面を有する円筒形状の支持体とを備え、前記支持体における前記円筒形状の長手方向の両端部には、切欠き部が形成されており、
     前記傾斜磁場コイルは、前記支持体の前記内周側に配置され、単一の導線を巻回して形成された渦巻き状のコイルの第1の巻線部分を含み、
     前記シールドコイルは、前記支持体の前記外周側に配置され、前記渦巻き状のコイルの前記第1の巻線部分とは異なる第2の巻線部分を含む、傾斜磁場コイル装置。
  2.  前記渦巻き状のコイルにおける前記第1の巻線部分と前記第2の巻線部分との間に位置する第3の巻線部分は、前記支持体の前記端面上に配置される、請求項1に記載の傾斜磁場コイル装置。
  3.  前記第3の巻線部分の少なくとも一部分は、前記切欠き部の表面上に配置される、請求項2に記載の傾斜磁場コイル装置。
  4.  前記渦巻き状のコイルは、前記第1の巻線部分の中心軸に沿った一方向から見たときに、前記第1の巻線部分と前記第2の巻線部分との巻回方向が互いに逆向きになるように、前記第1および第3の巻線部分の接続部分、ならびに前記第2および第3の巻線部分の接続部分において折り曲げられている、請求項2または請求項3に記載の傾斜磁場コイル装置。
  5.  前記支持体における前記長手方向の前記両端部の各々には、前記円筒形状の径方向において互いに対向する位置に配置された、2つの前記切欠き部が形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  6.  前記切欠き部は、前記支持体の端部に向けて開口する矩形形状を有する、請求項5に記載の傾斜磁場コイル装置。
  7.  前記傾斜磁場コイル装置は、撮像時に前記MRI装置に追加的に配置される挿入型傾斜磁場コイル装置であり、前記傾斜磁場コイル装置が前記MRI装置に適用された状態において、前記長手方向が水平方向となるように配置され、
     前記支持体の前記長手方向の円筒断面における水平方向の半径方向をX軸、鉛直方向をY軸、前記長手方向をZ軸とすると、前記2つの切欠き部は、X軸方向において互いに対向する位置に配置される、請求項5または請求項6に記載の傾斜磁場コイル装置。
  8.  前記支持体の前記長手方向の中央部における円筒断面中心を原点とし、第1の方向をX軸、前記X軸に直交する第2の方向をY軸、X軸およびY軸に直交する前記長手方向をZ軸とした場合、
     前記支持体のZ軸方向の各端部において、前記2つの切欠き部は、X軸方向において互いに対向する位置に配置されており、
     前記傾斜磁場コイルは、
     X軸方向に対向して配置され、X軸方向の傾斜磁場を形成する二対のXメインコイルと、
     Y軸方向に対向して配置され、Y軸方向の傾斜磁場を形成する二対のYメインコイルと

     Z軸方向に間隔を隔てて配置され、Z軸方向の傾斜磁場を形成する一対のZメインコイルとを含み、
     前記シールドコイルは、
     前記二対のXメインコイルにそれぞれ対向して配置され、X軸方向の遮蔽磁場を形成する二対のXシールドコイルと、
     前記二対のYメインコイルにそれぞれ対向して配置され、Y軸方向の遮蔽磁場を形成する二対のYシールドコイルと、
     前記一対のZメインコイルに対向して配置され、Z軸方向の遮蔽磁場を形成する一対のZシールドコイルとを含み、
     前記接続導体は、
     対向する前記Xメインコイルと前記Xシールドコイルとを電気的に接続するX接続導体と、
     対向する前記Yメインコイルと前記Yシールドコイルとを電気的に接続するY接続導体と、
     対向する前記Zメインコイルと前記Zシールドコイルとを電気的に接続するZ接続導体とを含む、請求項5または請求項6に記載の傾斜磁場コイル装置。
  9.  前記X接続導体と前記Z接続導体とは、前記端面上において、電気的に絶縁された状態で積層して配置される部分を含む、請求項8に記載の傾斜磁場コイル装置。
  10.  前記支持体の内面の直径は、360mm~420mmである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  11.  前記支持体における前記傾斜磁場コイルと前記シールドコイルとに挟まれた空間に配置されたシム部材をさらに備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  12.  請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイル装置を備える、磁気共鳴撮像装置。
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