JP4129330B2 - 磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのzチャンネルのシールド形コイルアセンブリ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、導体をボビンに螺旋状に巻装した巻線部を備えた磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリに関する。とくに、磁気共鳴イメージング(MRI)装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリに好適なコイルアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導体を円筒状ボビンに螺旋状に巻く、いわゆる螺旋状コイル(以下、 “zonal"コイルという)が各種の機器で使用されている。医用磁気共鳴イ メージング装置にも、この“zonal"コイルが搭載されている。磁気共鳴イ メージング装置は通常、静磁場を発生する静磁場コイル、静磁場の均一度を補正するシムコイル、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル、高周波信号の送受用のRFコイルなどを使用している。この内、“zonal"コイル は、傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルやシムコイルのZ2 ,Z3 ,Z4 ,Z5 ,Z6 チャンネルなどに使用されている。
【0003】
いま、磁気共鳴イメージング装置の能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil )のZチャンネルのコイルアセンブリを例にとって説明する。このZチャンネルのコイルは、“zonal"コイルで 形成されるが、その導体の巻装方法としては大別すると2通りの方法が知られている。その一つは、図11に示すように、空間配置上の厳密な観点からは螺旋状に巻かずに、解析的に求めたボビン軸方向の離散的な巻線位置毎にレーンチェンジをしながら巻く、いわゆるレーンチェンジ巻き法である。すなわち、導体をある巻線位置で巻き位置を変えずに略1ターン(略360度)させると、次のターンに入るときにその巻き始めの近傍位置で隣の巻線位置にレーンチェンジして再び巻く手法である。
【0004】
もう一つの方法は、図12に示す如く、文字通り連続的に螺旋状に巻く、いわゆる螺旋巻き法である。つまり、解析的に求めたボビン軸方向の離散的な巻線位置に対して、ある巻線位置に巻始め端を合わせて螺旋状に1ターンさせると、その巻き終わり端が次の巻線位置でそのターンの巻き始め端となるように螺旋状に順次巻いていく手法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の“zonal"コイルの巻き法の内、図11に 示すレーンチェンジ巻き法の場合、そのコイルを巻装すること自体が技術的に非常に難しく且つ複雑な作業となり、コイルの製造工程が著しく増加して、製造コストを上昇させる一方、その巻装作業の困難さから設計した通りの磁場分布が得られないことも多いという問題があった。
【0006】
この問題の発生状況を詳述する。巻線のレーンチェンジは、通常、ボビン円周方向の比較的狭い範囲(例えば10cm程度)で行う必要があるため、ボビンの軸方向中心寄りの撮影領域付近におけるレーンチェンジはとくに巻線が混んで作業が困難であった。巻線の密度が高くなると、十分なレーンチェンジのスペースが取りにくくなる。また、実際の巻装作業は導体にテンションを掛けながら行われるので、導体を曲げることが難しく、レーンチェンジの曲げ位置で、より大きな弧を描く傾向にある。このため、どうしてもレーンチェンジに要する円周方向の距離範囲が拡大する傾向にあり、所望の磁場分布にも影響するという不都合もあった。
【0007】
そこで、図12のように、解析的に求めた巻線位置から次の巻線位置に掛けて巻き始めおよび巻き終わりを合わせながら螺旋状に巻く螺旋巻き法が重宝になっている。この螺旋巻き法の場合には、巻装作業自体は図11の方法よりは遥かに簡単であるが、磁場発生の性能面で問題がある。すなわち、導体を離散化して巻装する場合、理想的には解析的に求めた巻線位置それぞれに1ターンずつ巻くことである。しかし、図12のように、求めた巻線位置から隣の巻線位置に掛けて文字通りの螺旋状に巻いてしまうと、1ターンのコイルに拠る等価的な磁場発生位置が、“zonal"コイルの軸(中心軸)方向において、解析的な巻線位置 からずれてしまう。
【0008】
このため、この螺旋巻き法をASGCのZチャンネルのシールドコイルに適用した場合、レーンチェンジ巻き法に比べて、“zonal"コイル全体から発生 される空間磁場分布が設計値から大きくずれたり、メインコイルが発生する磁場がコイルアセンブリの外部に漏れる、いわゆる漏れ磁場が大きくなってシールド性能(効率)が低下するなどの問題がある。
【0009】
シールドコイルの巻き位置について従来は特定の解析法が提案されていないので、このシールド性能の低下は、メインコイルの解析的な巻き位置に対応して螺旋巻きしていたことに起因するところが多い。
【0010】
そこで、本発明は、磁気共鳴イメージング装置における能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)のZチャンネルのシールドコイルに伴う従来技術が直面している困難を打破すべくなされたもので、そのシールドコイルの導体をボビンに螺旋巻き法により巻装することで製造作業の容易性を保持し、かつ、その導体の巻き位置を解析的に特定してシールド性能を少なくともレーンチェンジ巻き法に比肩できる程度まで向上させることを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリは、第1の円筒状ボビンに螺旋状に巻装・配置し且つ当該円筒状ボビンのボア内に所望の磁場分布を得るために通電する1次コイルと、この1次コイルの周りを囲む空間上の位置に設置した第2の円筒状ボビンに巻装・配置し且つシールド用磁場を発生させるために通電する2次コイルとを有するコイルアセンブリを備え、前記2次コイルの導体は、当該2次コイルの電流分布を、
【数3】
(ただし、Iは前記1次コイルに流す電流、Zi(φ’)は前記1次コイルを形成するi番目の導体の位置座標、r1およびr2は円筒状に巻装された前記1次および2次コイルの半径をそれぞれ示す)とし円柱座標系での角度φ毎のZ軸方向の位置を巻線位置として決定することで、螺旋状に巻装される構成とする。
【0015】
これにより、シールドコイルの導体を螺旋状に巻装するときの各ターンの巻き位置が解析的に且つ厳密に決められる。
【0016】
また例えば、前記2次コイルは、当該2次コイルの電流分布が
【数4】
(ただし、Iは前記1次コイルに流す電流、Ziは前記1次コイルを形成するi番目の導体の位置座標、r1 およびr2 は円筒状に巻装された前記1次および2次コイルの半径をそれぞれ示す)
で記述される解析的な巻線位置に巻装されることも望ましい。
【0017】
これにより、シールドコイルの導体を螺旋状に巻装するときの各ターンの巻き位置が解析的に且つ近似的に決められる。この近似設定によっても、螺旋状に巻装されたメインコイルの各ターンのZ軸方向の間隔が狭い場合には有効に作用する。近似演算で済む分、その演算量も少なくて済む。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0019】
第1の実施形態
第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリを図1〜図8に基づき説明する。
【0020】
この実施形態で説明する磁気共鳴イメージング装置は、能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil )を備えたタイプの装置であって、本発明を実施するMRI用シールドコイルは、そのZチャンネルのコイルアセンブリの一方を成すシールドコイルである。
【0021】
図1には、この種の磁気共鳴イメージング装置におけるガントリ1の概略断面を示す。このガントリ1はその全体が円筒状に形成されており、中心部のボアが診断用空間として機能し、診断時にはそのボア内に被検体Pが挿入可能になっている。
【0022】
ガントリ1は、略円筒状の静磁場用磁石11、この磁石11のボア内に配置された略円筒状の傾斜磁場コイル12、この傾斜磁場コイル12の例えば外周面に取り付けられたシムコイル13、および傾斜磁場コイル12のボア内に配置されたRFコイル14を備える。被検体Pは図示しない寝台天板に載せられて、RFコイル14が形成するボア(診断用空間)内に遊挿される。
【0023】
静磁場用磁石11は超伝導磁石で形成されている。つまり、外側の真空容器の中に、複数個の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが巻装・設置されている。
【0024】
傾斜磁場コイル12は、ここでは能動遮蔽(アクティブシールド)型に形成されている。このコイル12はX軸方向、Y軸方向、Z軸方向毎にパルス状の傾斜磁場を発生させるため、X,Y,Zチャンネル別々にコイルアセンブリを有し、しかも、そのコイルアセンブリは各チャンネル毎に傾斜磁場を外界には殆ど洩らさないシールド構造になっている。
【0025】
具体的には、能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)12は図2に示すように、X,Y,ZチャンネルのXコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12Y,Zコイルアセンブリ12Zがコイル層毎に絶縁されながら積層され、全体として略円筒状を成している。Xコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12YおよびZコイルアセンブリ12Zの各々は、各軸方向の傾斜磁場を発生する複数の巻線部を有するメインコイルと、このメインコイルの巻線部が発生する傾斜磁場(パルス)を磁気的に外界には洩らさないようにシールドする複数の巻線部を有するシールドコイルとを備える。なお、各コイルアセンブリ12X,12Y,12Zは各チャンネル毎に傾斜磁場電源に接続されている。
【0026】
この内、Yコイルアセンブリ12Yはメインコイル側およびシールドコイル側ともに、ボビンBに巻装された4個のサドル型巻線部を備える。つまり、各側のコイルは、Z軸方向に並置され且つ直列接続される2つのサドル型の巻線部を有するコイル素子を、2組対向配置させている。これにより、Y軸方向に線形に傾斜した磁場を発生可能になっている。
【0027】
Xコイルアセンブリ12Xも、Yコイルアセンブリ12YをZ軸に関して90度回転させた状態で同様に配置される。
【0028】
さらに、ZチャンネルのZコイルアセンブリ12Zは、図3にその概略を示す形状のメインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsを備える。これらのメインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsは、図2に示すように、それぞれ層状に形成され且つZ軸方向に互いに所定距離を離して配置される。
【0029】
メインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsのそれぞれは図3に示す如く、中空円筒状のボビンBと、平板状の導体Cとを備える。導体Cは螺旋巻き法に基づいてボビンB上に巻装され、Z軸方向の左右両側で対称に巻線部CRa,CRbが形成されている。巻線部CRa,CRbはボビンBのZ軸方向中心部で一方から他方の巻線部に渡すことで、電気的には互いに直列に接続されている。この巻線部CRa,CRbを流れる電流によってZチャンネルの傾斜磁場が形成される。
【0030】
この内、メインコイル12Zmの巻線部CRa,CRbを形成するには、まず導体Cを離散的に巻くためのZ軸方向の巻線位置を解析的に求める。例えば、傾斜磁場のZチャンネルに対して所望の磁場分布を決め、この磁場分布を反映させた磁場分布の流線関数を求め、さらに、この流線関数とコイル電流値に基づき離散的なZ軸方向の巻線位置が決められる。
【0031】
またシールドコイル12Zsの巻線部CRa,CRbを形成する導体Cも、本発明の解析法によって特定された巻き位置に巻装されている。
【0032】
以下、このシールドコイル12Zsの巻き位置の解析法を図4〜図8を参照して説明する。
【0033】
いま、図4に示す如く、螺旋状に巻装されたメインコイル(1次コイル)12Zmの面電流密度のφ成分Fφは、
【数5】
である。ここで、Zi(φ)は円柱座標系での角度φにおけるi番目の導体のZ座標(図5参照)(すなわち、角度φに依存させた導体位置に相当する)、Iはメインコイルに流す電流値、Nはメインコイルのターン数である(図5参照)。
【0034】
このφ成分Fφ(φ,Z)のフーリエ変換である
【数6】
【数7】
となる。ここで、r1 およびr2 はメインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsの半径を(図6参照)、Im′はベッセル関数の微分を、kは周波数空間を各々表す。
【0035】
したがって、シールドコイルの面電流密度のφ成分fφは
【数8】
となる。
【0036】
このφ成分fφからシールドコイルの導体の螺旋巻き位置を求めるには流れ関数(流線関数)NI(φ,Z)を求めればよい。この流れ関数は
【数9】
となる。この流れ関数は例えば図7のように表される。この流れ関数からそれぞれの角度φにおけるシールドコイルの螺旋巻き位置が求められる。つまり、同図において、縦軸上のアンペアターンNIに交差する流れ関数値に対応したZ軸上の位置が個別に求められ、この位置が角度φにおけるシールドコイルの導体巻き位置として決定される。角度φの値それぞれについて巻き位置が決定されるので、螺旋巻き法に従うシールドコイル導体の螺旋状の位置が所望の磁場分布に対して一義的に決まる。
【0037】
シールドコイル12Zsはこのように解析的に求められた螺旋状の位置に沿って図8に示す如く巻装される。
【0038】
このように形成された能動遮蔽型傾斜磁場コイルは通電によって所定の傾斜磁場パルスを生成することができる。とくに、そのZチャンネルのコイルアセンブリ12Zのシールドコイル12Zsは、本発明に係わるコイル巻装法を採用して製造されたものであるため、種々の利点がある。
【0039】
第1に、従来のレーンチェンジを行う巻装方法(図11参照)に比べて、巻装作業が簡単であり、製造コスト低減に寄与する。つまり、本実施形態の場合、従来のように、レーンチェンジが不要であるから、前述したレーンチェンジに伴う不都合が無くなり、巻装作業が容易である。
【0040】
第2に、シールドコイルを螺旋巻き法で巻装するための、各角度φに対応する螺旋状の位置が解析的に求められた所望位置であるため、従来のように単にメインコイルに対向させて螺旋巻きする場合に比べて、導体の位置ずれが少なくなり、所望のシールド性能を発揮することができる。シールドコイルの各角度φに相当する位置が、メインコイルの所望の磁場分布に拠る面電流密度を基礎として解析的に求められているので、少なくともレーンチェンジ巻き法と比肩できる程度のシールド性能は確実に発揮される。
【0041】
図12に示す従来の螺旋巻き法の場合、そのような1ターンの等価的なコイル位置は、解析値同士間に在り、解析値自身の位置から外れていた。しかし、本発明に拠る手法の場合、かかる1ターンの等価的なコイル位置を最も理想的とする解析値に設定でき、磁場シールド性能を向上させることができる。
【0042】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態を図9〜10に基づき説明する。この実施形態においても、シールド形コイルアセンブリを、磁気共鳴イメージング装置の能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded GradientCoil )のZチャンネルのコイルアセンブリに実施している。
【0043】
なお、傾斜磁場コイル自体は、Zチャンネルアセンブリのシールドコイルの巻装法を除いて、上述した第1の実施形態のものと同等に構成されているので、傾斜磁場コイル自体の説明は省略する。
【0044】
本実施形態に係る、傾斜磁場コイルにおけるZチャンネルアセンブリのシールドコイルは、その導体の巻線位置を近似的な解析法で算出していることを特徴とする。
【0045】
以下、この近似的な巻線位置の解析法を説明する。
【0046】
図9に模式的に示すように、螺旋状に巻装されたメインコイル12Zmに流れる電流のφ成分がZ成分に比べて十分に大きい場合、すなわちターンのZ軸方向の間隔が狭い場合、上述した第1の実施形態における解の近似解が有効である。この場合、メインコイル12Zmの面電流密度のφ成分は、
【数10】
で与えられる。このφ成分に関して第1の実施形態と同様の解析を行なうことで、流れ関数は
【数11】
として求められる。ここで、I1 はベッセル関数を表わす。
【0047】
この流れ関数を用いて第1の実施形態のときと同様にシールドコイル12Zsの導体の巻き位置が決められる。この場合、図10に示す如く、ある角度φにおけるメインコイル12Zmの導体の巻き位置Ziを用いて、同じ角度φ上のシールドコイル12Zsの導体位置が求められる。
【0048】
このようにメインコイル12Zmの導体の巻き位置Ziのみに依存させた近似的な解析法であっても、メインコイル12Zmに流れる電流Iのφ成分がそのZ成分に比べて十分に大きい場合には有効に機能し、第1の実施形態のときと同等の作用効果を発揮することができる。
【0049】
なお、上述した第1および第2の実施形態にあっては、Z軸方向中心位置Z=0の面に関してZ軸方向左右のコイル配置が対称になる構造のZチャンネルコイルアセンブリについて説明してきたが、本発明の適用範囲は必ずしもこの対称構造に限定されるものではない。Z=0の面に関してZ軸方向左右のコイルの巻き方が非対象を成し、MR撮像に使用する均一磁場空間を磁石内でZ軸方向のいずれかにシフトさせる方式のZチャンネルコイルアセンブリであっても同様に実施できる。
【0050】
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリは、螺旋状に巻き且つシールドするタイプのコイルアセンブリに広く適用でき、例えば、磁気共鳴イメージング装置における静磁場補正用のシムコイルについても好適に実施でき、同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリによれば、シールドコイル(およびメインコイル)は螺旋巻き法で巻装されるため、レーンチェンジ巻き法に比べて作業が容易で、製造コストの低減に寄与できるとともに、磁場的な観点については、巻線の各ターン円周方向の角度位置をも考慮した解析的な導体位置に設定できるので、レーンチェンジ巻き法と同等な優れたシールド性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリを搭載した、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置のガントリの概略断面図。
【図2】 能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZ軸方向に直交する面(図1中のII−II線に沿った破断した面)の概略断面図。
【図3】 能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリの巻線状態を説明する模式図。
【図4】 第1の実施形態に係るZチャンネルのコイルアセンブリのコイル導体の巻装法を説明する模式図。
【図5】 シールドコイルの解析的な巻線位置設定を説明する図。
【図6】 メインコイルおよびシールドコイルの配置状況を示す図。
【図7】 シールドコイルの解析的な巻線位置設定を説明するための流線関数の一例を示す図。
【図8】 解析値に基づくシールドコイルの各巻線位置を説明する図。
【図9】 本発明の第2の実施形態におけるメインコイルの電流の前提条件を説明する図。
【図10】 第2の実施形態におけるメインコイルおよびシールドコイルの巻線位置を説明する図。
【図11】 従来のレーンチェンジ巻き法を説明する図。
【図12】 従来の螺旋巻き法を説明する図。
【符号の説明】
12 能動遮蔽型傾斜磁場コイル
12Z Zチャンネルの傾斜磁場コイルアセンブリ
12Zm メインコイル(1次コイル)
12Zs シールドコイル(2次コイル)
CRa,CRb 巻線部
C 導体
B ボビン
Claims (1)
- 第1の円筒状ボビンに螺旋状に巻装・配置し且つ当該円筒状ボビンのボア内に所望の磁場分布を得るために通電する1次コイルと、この1次コイルの周りを囲む空間上の位置に設置した第2の円筒状ボビンに巻装・配置し且つシールド用磁場を発生させるために通電する2次コイルとを有するコイルアセンブリを備え、
前記2次コイルの導体は、当該2次コイルの電流分布を、
とし円柱座標系での角度φ毎のZ軸方向の位置を巻線位置として決定することで、螺旋状に巻装される構成とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのシールド形コイルアセンブリ。
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