JP2007167143A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静磁場磁石の内径を大きくすることなく、筒状の患者空間を広げる。
【解決手段】 環状筒形の容器1内に収納され被検体の観測空間5に筒軸方向の静磁場6を形成する静磁場磁石と、容器の内筒壁部に設けられ前記観測空間に傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイル(11,12)とを備え、複数の傾斜磁場コイルを同一の筒状領域3内に並べて配置し、周方向端部のコイル線を観測空間から見て外側に寄せることにより、傾斜磁場コイルが占める筒状の領域を薄くして患者空間を広げ、患者の圧迫感を軽減する。
【選択図】 図1A
【解決手段】 環状筒形の容器1内に収納され被検体の観測空間5に筒軸方向の静磁場6を形成する静磁場磁石と、容器の内筒壁部に設けられ前記観測空間に傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイル(11,12)とを備え、複数の傾斜磁場コイルを同一の筒状領域3内に並べて配置し、周方向端部のコイル線を観測空間から見て外側に寄せることにより、傾斜磁場コイルが占める筒状の領域を薄くして患者空間を広げ、患者の圧迫感を軽減する。
【選択図】 図1A
Description
本発明は、筒状の患者空間を有する水平型又はトンネル型と称される磁気共鳴イメージング装置に係り、具体的には、傾斜磁場コイルを改良した磁気共鳴イメージング装置に関する。
水平型又はトンネル型と称される磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)は、環状筒形の容器内に、静磁場磁石、複数の傾斜磁場コイル及び高周波コイルを収納し、複数の傾斜磁場コイルを容器の内筒壁部に設けて構成される。このようなMRI装置は、環状筒形内筒に囲まれて形成される貫通孔部(観測空間)に静磁場磁石によって軸方向の静磁場を形成し、その貫通孔部に被検体を挿入載置して高周波(RF)パルスを照射し、これにより被検体の生体内から発生する磁気共鳴信号を受信して、医療診断用の断層像を取得するようになっている。このとき、傾斜磁場コイルにより、被検体が置かれた貫通孔部に例えば直交3軸(x、y、z)方向の傾斜磁場を適宜印加することにより、磁気共鳴信号に生体内の位置情報を付与するようにしている。このような直交3軸方向の傾斜磁場を発生する複数の傾斜磁場コイルは、それぞれ傾斜磁場を発生する主コイルと、主コイルの漏れ磁場を抑制するシールドコイルとから構成される。このシールドコイルは、貫通孔部からみて主コイルの外側に重ねて配置される。
これらの傾斜磁場コイルをトンネル型のMRI装置に組み込む際、一般に、x、y、z軸用の主コイル3組と、シールドコイル3組の合計6組が静磁場磁石の貫通孔部の内筒壁部に配置される。この3つの傾斜磁場コイルは、静磁場の方向をz軸としたときz軸方向に変化する磁場を形成するz軸傾斜磁場コイルと、z軸に直交し、かつ互いに直交するx軸とy軸方向にそれぞれ変化する磁場を形成するx軸傾斜磁場コイル、y軸傾斜磁場コイルからなる。ここで、x軸及びy軸傾斜磁場コイルは、平面状の渦巻状サドル型コイルを貫通孔部に対向する筒状領域内に展開して設けられる。従来、例えば、x軸及びy軸傾斜磁場コイルを、層状に重ねて内筒壁部に配置する構成が採用されている。
ところで、一般に、貫通孔部における静磁場強度及び均一度を向上させるために、内筒壁の径はできるだけ小さくすることが要請される一方、貫通孔部を半径方向に十分に広げて被検体に圧迫感を与えないようにすることが要請されている。
そこで、従来、特許文献1には、x軸及びy軸傾斜磁場コイルを同一の筒状領域内に並べて配置することが提案されている。すなわち、x軸及びy軸傾斜磁場コイルを内筒壁に層状に重ねて配置すると、径方向に占める傾斜磁場コイル領域の厚みによって貫通孔部が狭くなることに鑑み、複数の傾斜磁場コイルを層状に重ねないで、同一の筒状領域内に並べて配置する構成としている。これにより、傾斜磁場コイルが占める筒状の領域を薄くすることができ、その分だけ、貫通孔部を半径方向に広げて、被検体の圧迫感を軽減することができる。
また、従来、特許文献2には、被検体に対する圧迫感を低減するための別のアプローチとして、傾斜磁場コイルの主コイルの両端を末広がりの形状にすることが提案されている。
しかしながら、従来技術のように、同一の筒状領域内に並べて配置する構成としても、患者空間を十分に広げるまでには至っていない。
一方、患者空間を広げるために内筒径を大きくすると、静磁場磁石の内径を大きくしなければならず、静磁場強度及び均一度の向上、さらにはコスト低減の技術開発の流れに反する。
本発明は、傾斜磁場コイルが占有する領域をより狭くすることができる磁気共鳴イメージング装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、貫通孔部を形成する環状の容器内で静磁場磁石より内側に配置されて貫通孔部を取り囲み、貫通孔部に傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイルであって主コイル及びこの主コイルの外側に配置されたシールドコイルを含む複数の傾斜磁場コイルを備え、
主コイルの、その少なくとも1つの第1周方向端部を、主コイルの、第1周方向端部以外の部分よりも、シールドコイルの第2周方向端部に近づけて配置したことを特徴とする。好ましくは、第1周方向端部が、第2周方向端部に向かって傾斜する傾斜部であることが望ましい。
主コイルの、その少なくとも1つの第1周方向端部を、主コイルの、第1周方向端部以外の部分よりも、シールドコイルの第2周方向端部に近づけて配置したことを特徴とする。好ましくは、第1周方向端部が、第2周方向端部に向かって傾斜する傾斜部であることが望ましい。
特に、本発明は、静磁場の方向に平行な磁場で、静磁場の方向に直交する2軸方向に変化する磁場を形成する2つの傾斜磁場コイルの配置に適用するのが好適である。具体的に、この2つの傾斜磁場コイルは、z軸に直交する第1軸方向に変化する磁場を形成する第1傾斜磁場コイル、及びz軸に直交して第1軸方向に直交する第2軸方向に変化する磁場を形成する第2傾斜磁場コイルである。この場合において、これらのx軸傾斜磁場コイルとy軸傾斜磁場コイルは、環状容器内の環状領域を周方向に4分割した領域の相対向するそれぞれの領域に渦巻状サドル型コイルを配置して構成することができる。
また、上記容器の周方向に隣り合う第1の傾斜磁場コイルと第2の傾斜磁場コイルにおいて、第1傾斜磁場コイルの主コイルの傾斜部が形成されていない第1周方向端部を、第2傾斜磁場コイルの主コイルの傾斜部よりも内側に位置させて互いに離れた状態でこの傾斜部と重なるように配置すると良い。これによれば、傾斜磁場用の電流領域を広く取れると共に、傾斜磁場の精度が出しやすくなる。
本発明は、環状の容器の貫通孔部の縦断面は、円形のMRI装置に限らず、断面横方向に長軸を持つ楕円形のMRI装置にも適用することができる。貫通孔部の縦断面を楕円形とした場合は、一般に被検体が横臥した状態に適した広い断面空間となり、被検体の圧迫感を一層軽減することができる。また、一般に、数学関数で一義的に決定されない横長の断面形状を有する非円形のMRI装置にも適用することができる。例えば、径が等しい2つの半円を対向に配置し、等しい長さの線分でつないだレーストラック形状の断面を有するMRI装置にも適用することができる。貫通孔部の縦断面をレーストラック形状とした場合は、一般に楕円形に対して、縦断面横方向の空間は同じように広く取ることができ、縦断面における上下方向の無駄な空間を取り除くことができる。
また、貫通孔部の縦断面を楕円形あるいはレーストラック形状とした場合、静磁場の方向をz軸とし、z軸に直交し、かつ互いに交差する2軸方向にそれぞれ変化する磁場を形成する2組の傾斜磁場コイルを有して形成され、該2組の傾斜磁場コイルが同一の形状に形成されてなるものとすることが好ましい。これによれば、x軸傾斜磁場コイルとy軸傾斜磁場コイルの製造が簡単になる。すなわち、例えば、楕円形の環状領域をx軸とy軸に対称に4つに分割すると、x軸傾斜磁場コイルとy軸傾斜磁場コイルの曲率が異なってしまうから、傾斜磁場コイルを別々に製作する必要がある。
本発明によれば、傾斜磁場コイルが占有する領域をより狭くすることができため、貫通孔部の縦断面を拡げることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の好適な一実施形態であるトンネル型MRI装置(以下、単にMRI装置という)を、図1A,図1B及び図2を用いて説明する。
本発明の好適な一実施形態であるトンネル型MRI装置(以下、単にMRI装置という)を、図1A,図1B及び図2を用いて説明する。
本実施形態のMRI装置は、図2に示すように、内部に環状空間を形成している円環筒状の容器であるガントリ1内に、外側から順に、静磁場を発生させる静磁場磁石領域2、傾斜磁場コイル領域3、及びRFコイル領域4を配置している。磁場磁石領域2、傾斜磁場コイル領域3、及びRFコイル領域4は、それぞれ、後述の貫通孔部7を取り囲む環状領域である。静磁場領域2に配置されている静磁場電磁石は、ガントリ1の内筒より内側に形成されて水平方向に延びる貫通穴部(撮像空間)7を取り囲み、貫通孔部7中心の撮像領域(観測空間)5に、軸方向の静磁場6を形成するようになっている。この静磁場6は、貫通孔部7の軸(z軸)方向に平行な成分を持つ静磁場である。
環状の真空容器(図示せず)がガントリ1である上記容器内の環状空間内で静磁場領域2に配置され、液体ヘリウム等の冷媒が充填された環状の冷媒容器(図示せず)が真空容器内に配置される。真空容器及び冷媒容器は、貫通孔部7を取り囲んでいる。上記した静磁場磁石は、例えば、環状の一対の超電導コイルと、円環状の一対の磁性体と軸方向に対向配置させて構成され、冷媒容器内に配置されている。超伝導コイルは、貫通孔部7を取り囲んでいる。なお、貫通孔部7の軸と直交する水平方向がX軸方向であり、貫通孔部7の軸と直交する上下方向がY軸方向である。
傾斜磁場コイル領域3には、静磁場に平行な磁場成分に対して、静磁場に平行な磁場成分に対して、x軸方向に線形に変化する傾斜磁場を作るx傾斜磁場コイル17、及びy軸方向に線形に変化する傾斜磁場を作るy軸傾斜磁場コイル18が配置される。RFコイル領域4に配置されるRFコイル(図示せず)は、磁化スピンに作用するRFパルスを発生し、磁気共鳴により発生したエコー信号を検出するものである。
x軸傾斜磁場コイル17は、図1A、図1Bに示すように、前述のx軸方向に線形に変化する傾斜磁場を作る主コイル11、及び主コイル11の外側に配置されたシールドコイル13を有する。一対のx軸傾斜磁場コイル17は、X軸方向に貫通孔7を挟んで対向するように配置される。また、y軸傾斜磁場コイル18は、図1A、図1Bに示すように、前述のy軸方向に線形に変化する傾斜磁場を作る主コイル12、及び主コイル12の外側に配置されたシールドコイル14を有する。一対のy軸傾斜磁場コイル18も、y軸方向に貫通孔7を挟んで対向するように配置される。シールドコイル13、14は、静磁場磁石側への傾斜磁場の漏洩を防止する。周方向において、隣り合う主コイルは互いに離して配置される。隣り合うシールドコイルも、周方向において互いに離して配置される。
x軸傾斜磁場コイル17及びy軸傾斜磁場コイル18は、図1A、図1Bに示すように、周方向において、傾斜磁場コイル領域3内に交互に配置される。具体的には、x軸傾斜磁場コイル17及びy軸傾斜磁場コイル18は、それぞれ、傾斜磁場コイル領域3を周方向に4分割してなる領域(扇形角90゜以下の領域)の2つに配置されている。主コイル11、12は、図示していないが、それぞれ平面状の渦巻状サドル型コイルである。また、主コイル11、12は、周方向における端部(周方向端部という)のそれぞれに傾斜部15、16を形成している。この傾斜部15の形成によって、主コイル11の各周方向端部は、シールドコイル13に近づいて配置されている。すなわち、主コイル11の各傾斜部15とシールドコイル13との間隔は、主コイル11の、傾斜部15以外の部分(円弧部)とシールドコイル13との間隔よりも狭くなっている。傾斜部15の先端(主コイル11の周方向における端)は、主コイル11の中で最もシールドコイル13の近くに位置し、シールドコイル13の、周方向での端に対向している。また、主コイル12の各傾斜部16とシールドコイル14との間隔は、主コイル12の、傾斜部16以外の部分(円弧部)とシールドコイル14との間隔よりも狭くなっている。傾斜部16の先端(主コイル12の周方向における端)は、最もシールドコイル14の近くに位置し、シールドコイル14の、周方向での端に対向している。シールドコイル13、14には、主コイル11,12とは逆向きに電流が流される。
図示してないが、z軸傾斜磁場コイルは、傾斜磁場コイル領域3のz軸方向の両端部のxy平面に対して対称な位置に、z軸を中心としてコイル線を巻回した主コイルと、シールドコイルが配置されている。
本実施形態によれば、周方向で隣り合うx軸傾斜磁場コイル17とy軸傾斜磁場コイル18との間、すなわち、主コイル11の傾斜部15と主コイル12の傾斜部16との間に、内側に向かって広がるスペースが形成される。このように、本実施形態は、全傾斜磁場コイルが占有する領域を小さくすることができる。そのスペースは、周方向において90度ごとに形成され、合計4箇所存在する。それらのスペースの形成は、前述の容器の、貫通孔部7を形成する内筒(ガントリ1の内筒)を、傾斜部15と傾斜部16との間に形成されるスペースに向かって、そのスペースの形状に合わせて外側に突出させることができる。内筒の外側に向かって突出された部分を拡張部(例えば、図10の拡張部29参照)という。これらの拡張部の形成によって、貫通孔部7は、被検体から見た斜め方向の4箇所に外側に向かって広げられたスペースができ、従来の貫通孔部よりも縦断面積を広くすることができる。すなわち、被検体が受けるストレスを緩和することができる。特に、本実施形態は、ガントリ1を大きくすることなく貫通孔部7の縦断面積を大きくすることができる。
また、本実施形態は、傾斜部15、16の形成によって主コイル11,12のそれぞれの両端に近い領域(傾斜部15,16)のコイル配線を簡略化することができ、磁気エネルギーを低く抑えることができる。このため、各傾斜磁場コイルのインダクタンスを低減することができる。つまり、主コイルとシールドコイルの電流は互いに逆向きであるから、互いに磁束を打ち消し合うため、相互インダクタンスを小さくすることができ、同一の強さの傾斜磁場を発生するための磁気エネルギーを低く抑えることができる。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図3を用いて説明する。実施形態1のように、x傾斜磁場コイル17及びy軸傾斜磁場コイル18の各主コイルの、周方向における幅を、貫通孔部7の中心を基点にした角度90゜以下の扇形領域に配置できる幅にすると、傾斜磁場コイルを配置する面と撮像領域5との位置関係によっては、要求される線形性を持った傾斜磁場を作ることが困難になることがあり得る。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図3を用いて説明する。実施形態1のように、x傾斜磁場コイル17及びy軸傾斜磁場コイル18の各主コイルの、周方向における幅を、貫通孔部7の中心を基点にした角度90゜以下の扇形領域に配置できる幅にすると、傾斜磁場コイルを配置する面と撮像領域5との位置関係によっては、要求される線形性を持った傾斜磁場を作ることが困難になることがあり得る。
本実施形態のMRI装置は、実施形態1のMRI装置の傾斜磁場コイル17,18を傾斜磁場コイル17A,18Aに替えた構成を有する。x軸傾斜磁場コイル17Aの主コイル11及びy軸傾斜磁場コイル18Aの主コイル12は、それぞれの周方向における幅を、貫通孔部7の中心を基点にした角度90゜より大きな扇形領域に配置できる幅にする。このような大きな幅を主コイル11,12が有するため、周方向に隣り合うx軸傾斜磁場コイル17Aの主コイル11とy軸傾斜磁場コイル18Aの主コイル12のそれぞれの端部が重なり合うことになる。
単に主コイル11の端部と主コイル12の端部を貫通孔部7の半径方向に重ね合わせると、シールドコイル、主コイル11及び主コイル12の三層構造となり、貫通孔部7の半径を小さくするか、ガントリ1の外径を大きくしてガントリ1を大きくするか、しかない。貫通穴部7の半径を小さくすると、被検体を挿入することができなくなる。また、ガントリ1の外径を大きくすると、ガントリ1が大型化してしまう。本実施形態は、これらの課題を解決するため、主コイルの1つの周方向端部に傾斜部を形成し、傾斜部が形成されていない他の主コイルの周端部をその傾斜部と重ね合わせるようにしたものである。
この構造を具体的に説明する。傾斜磁場コイル17A,18Aのそれぞれの主コイル11,12は、一方の周方向端部に傾斜部15,16を形成しており、他方の周方向端部にはその傾斜部を形成していない。傾斜部15,16を形成したことによって、実施形態1で述べたように、傾斜部15,16のそれぞれとシールドコイルとの間隔が、それぞれの主コイルの、傾斜部以外の部分(円弧部)とシールドコイルとの間隔よりも狭くなっている。このため、ある主コイルの、傾斜部が形成されていない周方向端部が、その主コイルと隣り合う他の主コイルの傾斜部の内側に位置して、それらの周方向端部が互いに接触しないで重なり合っている。したがって、本実施形態では、各主コイルの、傾斜部が形成されていない周方向端部が、主コイルの円弧部よりも内側に位置することがない。これは、全傾斜磁場コイルが占有する領域を小さくすることができ、貫通孔部7の断面積を大きくすることに貢献する。すなわち、被検体のストレスを緩和することができる。
また、x軸傾斜磁場コイル17Aの主コイル11とこれと隣り合うy軸傾斜磁場コイル18Aの主コイルは、互いに隣り合う主コイルの周方向端部を、前述したように互いに重ねて配置しているため、傾斜磁場用の電流領域を広く取れると共に、傾斜磁場の精度を向上させることができる。
(実施形態3)
上記の実施形態1〜2は、ガントリ1の内筒の縦断面(貫通孔部7の軸と直交する縦断面)が実質的に円形のMRI装置の例であるが、本発明はこれに限らず、その内筒の縦断面が実質的に楕円形であるMRI装置にも適用することができる。このようなMRI装置の例を以下に説明する。
上記の実施形態1〜2は、ガントリ1の内筒の縦断面(貫通孔部7の軸と直交する縦断面)が実質的に円形のMRI装置の例であるが、本発明はこれに限らず、その内筒の縦断面が実質的に楕円形であるMRI装置にも適用することができる。このようなMRI装置の例を以下に説明する。
本発明の他の実施例であるMRI装置を、図4を用いて説明する。本実施形態のMRI装置は、ガントリ1の内筒(図示せず)の縦断面(貫通孔部7の軸と直交する縦断面)が楕円形をしている。図示されていないが、ガントリ1である環状の筒状容器、この筒状容器内に配置される真空容器及び真空容器内に配置される冷媒容器の上記の縦断面の形状も、楕円形をしている。当然のことながら、冷媒容器内に配置される、静磁場磁石を構成する超伝導コイルも、楕円形をしている。本実施形態における静磁場磁石、各傾斜磁場コイル、RFコイルの配置は、実施形態1と同じである。
本実施形態に用いられる一対のx軸傾斜磁場コイル17Bは主コイル11A及びシールドコイル13Aを有し、一対のy軸傾斜磁場コイル18Bは主コイル12A及びシールドコイル14Aを有する。上記の縦断面において、4つの主コイルの曲線部をつなぐと楕円形になる。4つのシールドコイルの各曲線部をつないでも、同様に楕円形となる。主コイル11A,12Aは、それぞれ、両側に位置する周方向端部に傾斜部15,16が形成される。これらの傾斜部は、実施形態1と同様に、主コイルの曲線部よりも対応するシールドコイルに近づいて配置される。
本実施形態によれば、実施形態1で生じる効果を得ることができる。また、本実施形態は、ガントリ1の内筒の縦断面形状が楕円形であるため、その内筒によって形成される貫通孔部7の縦断面は、貫通姉部7の軸と直交する水平方向に長くなる。このため、貫通孔部7において、被検体の左右の空間が広くなるため、被検体が受ける圧迫感を実施形態1よりも更に緩和することができる。
(実施形態4)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図5を用いて説明する。本実施形態は、実施形態3の各傾斜磁場コイルに、実施形態2の傾斜磁場コイルの構造を適用したものである。本実施形態のMRI装置は、実施形態3のMRI装置の傾斜磁場コイル17B,18Bを傾斜磁場コイル17C,18Cに替えた構成を有する。傾斜磁場コイル17C,18Cには、実施形態2における傾斜磁場コイルの構成が適用されている。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図5を用いて説明する。本実施形態は、実施形態3の各傾斜磁場コイルに、実施形態2の傾斜磁場コイルの構造を適用したものである。本実施形態のMRI装置は、実施形態3のMRI装置の傾斜磁場コイル17B,18Bを傾斜磁場コイル17C,18Cに替えた構成を有する。傾斜磁場コイル17C,18Cには、実施形態2における傾斜磁場コイルの構成が適用されている。
x軸傾斜磁場コイル17Cは、一方の周方向端部に傾斜部15が形成され、他方の周方向端部に傾斜部15が形成されない主コイル11A、及びシールドコイル13Aを有する。y軸傾斜磁場コイル18Cは、一方の周方向端部に傾斜部16が形成され、他方の周方向端部に傾斜部16が形成されない主コイル12A、及びシールドコイル14Aを有する。このため、本実施形態も、実施形態2と同様に、ある主コイルの、傾斜部が形成されていない周方向端部が、その主コイルと隣り合う他の主コイルの傾斜部の内側に位置して、それらの周方向端部が互いに接触しないで重なり合っている。
このような本実施形態は、実施形態2で生じる効果を得ることができる。更に、本実施形態は、実施形態3と同様に、被検体の左右の空間が広くなるため、被検体が受ける圧迫感を実施形態1よりも更に緩和することができる。
(実施形態5)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図6を用いて説明する。本実施形態も、実施形態3と同様に、ガントリ1の内筒の縦断面が実質的に楕円形であるMRI装置である。本実施形態のMRI装置は、実施形態1のMRI装置の傾斜磁場コイル17B,18Bを、傾斜磁場コイル19A,19Bに置き換えた構成を有する。x’軸傾斜磁場コイル19A及びy’軸傾斜磁場コイル19Bは、同じ構成になっている。x’軸傾斜磁場コイル19Aは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部15を形成した主コイル21、及び主コイル21に対向しているシールドコイル23を有する。y’軸傾斜磁場コイル19Bは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部16を形成した主コイル22、及び主コイル22に対向しているシールドコイル24を有する。それらの傾斜部は、実施形態3と同様に、主コイルの曲線部よりも対応するシールドコイルに近づいて配置される。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図6を用いて説明する。本実施形態も、実施形態3と同様に、ガントリ1の内筒の縦断面が実質的に楕円形であるMRI装置である。本実施形態のMRI装置は、実施形態1のMRI装置の傾斜磁場コイル17B,18Bを、傾斜磁場コイル19A,19Bに置き換えた構成を有する。x’軸傾斜磁場コイル19A及びy’軸傾斜磁場コイル19Bは、同じ構成になっている。x’軸傾斜磁場コイル19Aは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部15を形成した主コイル21、及び主コイル21に対向しているシールドコイル23を有する。y’軸傾斜磁場コイル19Bは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部16を形成した主コイル22、及び主コイル22に対向しているシールドコイル24を有する。それらの傾斜部は、実施形態3と同様に、主コイルの曲線部よりも対応するシールドコイルに近づいて配置される。
x軸及びy軸をz軸に対して角度θだけ回転した座標軸(x’、y’、z)を設定する。x’軸傾斜磁場コイル19Aはx’軸に対して線形に変化する磁場を作る。y’軸傾斜磁場コイル19Bはy’軸に対して線形に変化する磁場を作る。
本実施形態は、実施形態3で生じる効果を得ることができる。さらに、本実施形態は、x’傾斜磁場コイル19A及びy’軸傾斜磁場コイル19Bの形状を同一のパターンに形成できるため、実施形態3に比べて、製造工程を簡単化することができる。この場合のエコー信号の空間位置情報は、座標軸(x’、y’、z)を座標軸(x、y、z)に演算処理により変換することにより、あるいは、x’傾斜磁場コイルとy’軸傾斜磁場コイルの合成磁場を、所望のx、y傾斜磁場になるように傾斜磁場電流を制御する。
(実施形態6)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図7、図10を用いて説明する。本実施形態のMRI装置は、ガントリの内筒(図示せず)の縦断面(貫通孔部7の軸と直交する縦断面)をレーストラック状の形状にしたものである。画楕円形をしている。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図7、図10を用いて説明する。本実施形態のMRI装置は、ガントリの内筒(図示せず)の縦断面(貫通孔部7の軸と直交する縦断面)をレーストラック状の形状にしたものである。画楕円形をしている。
本実施例のMRI装置は、外筒25、内筒26及び側板27を有するガントリ1Aを備えている。内筒26は、貫通孔部7を取り囲んでいる。換言すれば、内筒26の内面が貫通孔部7を形成する。外筒25は、内筒26の外側に配置され、内筒26を取り囲んでいる。一対の側板27が外筒25及び内筒26の両端に取り付けられる。内筒26と外筒25の間に、環状空間が形成される。実施形態1で述べた冷媒容器(図示せず)を内蔵する真空容器(図示せず)が、ガントリ1Aの環状空間内に配置される。内筒26の、貫通孔部7の軸と直交する縦断面形状は、レーストラック状の横長形状になっている。
内筒26の、貫通孔部7の軸に直交する縦断面形状について、詳細に説明する。内筒26の、貫通孔部7の軸と直交する水平方向(単に、水平方向という)で対向する内面28間の距離は、上下方向で対向する内面28間の距離よりも長くなっている。内面28に、図10に示すように、a〜jの10点の位置を付している。内面28は、上下方向に対向する一対の第1面(直線部c−d及び直線部h−i)、及び水平方向に対向する一対の第2面(円弧部b−a−j及び円弧部e−f−g)を含んでいる。第1面は水平方向に形成され、第2面は上下方向に形成される。一対の第1面は、拡張部29を介して一対の第2面にそれぞれつながっている。拡張部29は、内筒26に4箇所形成されている。これらの拡張部29は、内筒26の一部を、傾斜部15と傾斜部16との間に形成されるスペースに向かって、そのスペースの形状に合わせて外側に突出させて形成される。円弧部b−a−j及び円弧部e−f−gは、開口部5の軸心Oから水平方向にずれた位置に中心O1、O2を有する半円である。円弧部b−a−j及び円弧部e−f−gは、曲線部の一種である。直線部c−d及び直線部h−iは、円弧部b−a−j及び円弧部e−f−gよりも曲率の大きな曲線部にすることも可能である。例えば、円弧部b−a−j及び円弧部e−f−gを、半円よりも半径の大きな曲線部にしても良い。この場合には、直線部c−d及び直線部h−iの長さは半円の場合よりも長くする必要がある。
また、内面17は、水平方向において、円弧部a−b、拡張部29、直線部c−d、拡張部29及び円弧部e−fによって形成された第1面、及び円弧部f−g、拡張部29、直線部h−i、拡張部29及び円弧部j−aによって形成された第2面を有しているとも言える。これらの第1面及び第2面は、上下方向で対向して配置され、円弧部a−bと円弧部j−aでつながり、円弧部e−fと円弧部f−gでつながっている。直線部c−dは、円弧部a−bと円弧部e−fの間に配置され、拡張部29を介してこれらの円弧部とつながっている。直線部h−iは、円弧部f−gと円弧部j−aの間に配置され、拡張部29を介してこれらの円弧部とつながっている。
各拡張部29を除いて、円弧部a−b、直線部c−d、円弧部e−f、円弧部f−g、直線部h−i、及び円弧部j−aをつなぐことによって形成される形状は、レーストラック状の形状である。
真空容器及び冷媒容器の、貫通孔部7の軸に直交する各縦断面形状は、内筒26と相似形のレーストラック状の形状をしている。本実施例に用いられる超伝導コイルも、内筒26と相似形をしており、レーストラック状の形状となっている。
本実施例のMRI装置は、ガントリ1A内に配置され、貫通孔部7を取り囲んむ複数の傾斜磁場コイルを有する。これらの傾斜磁場コイルは、周方向において交互に配置された2つのx軸傾斜磁場コイル17D及び2つのy軸傾斜磁場コイル18Dを含んでいる。x軸傾斜磁場コイル17Dは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部15を形成した主コイル11B、及び主コイル11Bに対向しているシールドコイル13Bを有する。主コイル11Bの、傾斜部15以外の部分、及びシールドコイル13Bは、貫通孔部7の軸と直交する縦断面において、円弧部を形成している。主コイル11Bのそれらの傾斜部は、実施形態1と同様に、主コイル11Bの円弧部よりもシールドコイル13Bに近づいて配置される。また、y軸傾斜磁場コイル18Dは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部16を形成した主コイル12B、及び主コイル12Bに対向しているシールドコイル14Bを有する。主コイル12Bの、傾斜部15以外の部分、及びシールドコイル14Bは、貫通孔部7の軸と直交する縦断面において、直線部を形成している。主コイル12Bのそれらの傾斜部は、実施形態1と同様に、主コイル12Bの直線部よりもシールドコイル14Bに近づいて配置される。1つの主コイル11Bの円弧部、1つの主コイル12Bの直線部、他の1つの主コイル11Bの円弧部、及び他の1つの主コイル12Bの直線部をつなぐと、レーストラック状の形状となる。換言すれば、1つの主コイル11Bの円弧部、1つの主コイル12Bの直線部、他の1つの主コイル11Bの円弧部、及び他の1つの主コイル12Bの直線部をつないで得られる仮想環状領域が、上記したようなレーストラック状の形状になっている。
本実施形態は、実施形態1で生じる効果を得ることができる。また、本実施形態は、4つの主コイルがレーストラック状の形状を形成するように構成されているため、内筒26もレーストラック状の形状にすることができるため、以下の新たな効果を得ることができる。すなわち、寝台に支持された被検体10を貫通孔部7内に挿入して、このように形成される撮像領域5内に被検体10の撮像部位を合わせて、MR像を取得する。このとき、被検体10の左右に実施形態3よりも幅広い空間を確保できるため、被検体10は閉塞感などのストレスを受けることを更に低減できる。なお、貫通孔部7の横幅が十分に広いから、被検体10を水平方向にずらして、どの位置にある撮像部位でも撮像領域5の中心に合わせるように運用することができる。例えば、通常撮像し難い肩部、特に腕と肩との関節付近(例えば腋の下)を撮像領域5の中心に位置させることができ、その部位の鮮明なMR像を得ることができる。
楕円形の貫通孔部で本実施例と同様な撮像範囲を実現しようとすると、楕円形の貫通孔部は左右の端部での上下方向の幅が狭くなるため、水平方向における貫通孔部7の幅を本実施形態でのその幅よりも大きくしないと、腕と肩との関節付近を撮像領域5の中心に位置させることができない。換言すれば、本実施形態における貫通孔部7の水平方向における幅を、楕円形状の貫通孔部のそれよりも狭くできる。このため、本実施形態は、ガントリ1Aの大きさが小さくなり、MRI装置を小型化できる。
(実施形態7)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図8を用いて説明する。本実施形態は、実施形態6の各傾斜磁場コイルに、実施形態2の傾斜磁場コイルの構造を適用したものである。本実施形態のMRI装置は、実施形態6のMRI装置の傾斜磁場コイル17D,18Dを傾斜磁場コイル17E,18Eに替えた構成を有する。傾斜磁場コイル17E,18Eには、実施形態2における傾斜磁場コイルの構成の考え方が適用されている。本実施形態に用いられる主コイル11B,12Bは、実施形態6に用いられるそれらと周方向端部の構成が異なっている。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図8を用いて説明する。本実施形態は、実施形態6の各傾斜磁場コイルに、実施形態2の傾斜磁場コイルの構造を適用したものである。本実施形態のMRI装置は、実施形態6のMRI装置の傾斜磁場コイル17D,18Dを傾斜磁場コイル17E,18Eに替えた構成を有する。傾斜磁場コイル17E,18Eには、実施形態2における傾斜磁場コイルの構成の考え方が適用されている。本実施形態に用いられる主コイル11B,12Bは、実施形態6に用いられるそれらと周方向端部の構成が異なっている。
x軸傾斜磁場コイル17Eは、一方の周方向端部に傾斜部15が形成され、他方の周方向端部に傾斜部15が形成されない主コイル11B、及びシールドコイル13Bを有する。y軸傾斜磁場コイル18Eは、一方の周方向端部に傾斜部16が形成され、他方の周方向端部に傾斜部16が形成されない主コイル12B、及びシールドコイル14Bを有する。このため、本実施形態も、実施形態2と同様に、ある主コイルの、傾斜部が形成されていない周方向端部が、その主コイルと隣り合う他の主コイルの傾斜部の内側に位置して、それらの周方向端部が互いに接触しないで重なり合っている。
このような本実施形態は、実施形態2で生じる効果を得ることができる。更に、本実施形態は、実施形態6と同様に、被検体の左右の空間が広くなるため、被検体が受ける圧迫感を実施形態1よりも更に緩和することができる。
(実施形態8)
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図9を用いて説明する。本実施形態も、実施形態6と同様に、ガントリ1Aの内筒26の縦断面が実質的にレーストラック状の形状であるMRI装置である。
本発明の他の実施形態であるMRI装置を、図9を用いて説明する。本実施形態も、実施形態6と同様に、ガントリ1Aの内筒26の縦断面が実質的にレーストラック状の形状であるMRI装置である。
本実施形態のMRI装置は、実施形態6のx軸傾斜磁場コイル17D及びy軸傾斜磁場コイル18Dを、実施形態5に示すx’軸傾斜磁場コイル19A及びy’軸傾斜磁場コイル19Bの構造の考え方を適用したx’軸傾斜磁場コイル19C及びy’軸傾斜磁場コイル19Dに替えた構成を有するものである。x’軸傾斜磁場コイル19C及びy’軸傾斜磁場コイル19Dは、同じ構成になっている。x’軸傾斜磁場コイル19Cは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部15を形成した主コイル21A、及び主コイル21Aに対向しているシールドコイル23Aを有する。主コイル21Aの、傾斜部15以外の部分、及びシールドコイル23Aは、貫通孔部7の軸と直交する縦断面において、直線部及びこれにつながる円弧部を形成している。また、y’軸傾斜磁場コイル19Dは、両側の周方向端部にそれぞれ傾斜部16を形成した主コイル22A、及び主コイル22Aに対向しているシールドコイル24Aを有する。主コイル22Aの、傾斜部16以外の部分、及びシールドコイル24Aは、貫通孔部7の軸と直交する縦断面において、直線部及びこれにつながる円弧部を形成している。それらの傾斜部は、実施形態1と同様に、主コイルの直線部及び曲線部よりも対応するシールドコイルに近づいて配置される。
本実施形態は、実施形態6で生じる効果を得ることができる。さらに、本実施形態は、実施形態5で生じる効果、すなわち、傾斜磁場コイルの製造を簡単化することができる。
(実施形態9)
実施形態6〜8で述べたレーストラック状の形状とは異なるレーストラック状の形状を適用したMRI装置について、図11を用いて説明する。本実施形態のMRI装置は、実施形態6においてガントリ1Aをガントリ1Bに替えたものである。ガントリ1Bは、ガントリ1Aの内筒26を内筒26Aに替えた構成を有する。すなわち、ガントリ1Bは、貫通孔部7を形成する内筒26Aと内筒26Aを取り囲む外筒25の両端にそれぞれ側板27Aを取り付けて構成される。内筒26Aの内面28Bが貫通孔部7を画定している。
実施形態6〜8で述べたレーストラック状の形状とは異なるレーストラック状の形状を適用したMRI装置について、図11を用いて説明する。本実施形態のMRI装置は、実施形態6においてガントリ1Aをガントリ1Bに替えたものである。ガントリ1Bは、ガントリ1Aの内筒26を内筒26Aに替えた構成を有する。すなわち、ガントリ1Bは、貫通孔部7を形成する内筒26Aと内筒26Aを取り囲む外筒25の両端にそれぞれ側板27Aを取り付けて構成される。内筒26Aの内面28Bが貫通孔部7を画定している。
内筒26A、貫通孔部7の軸に直交する縦断面形状について、詳細に説明する。水平方向で対向する内面28Bの距離は、上下方向で対向する内面28B間の距離よりも長くなっている。内面28Bは上下方向に対向する一対の第1面(円弧部a−b、拡張部29、直線部c−d、拡張部29及び円弧部e−fにて形成される面、及び円弧部g−h、拡張部29、直線部i−j、拡張部29及び円弧部k−mにて形成される面)、及び水平方向に対向する一対の第2面(直線部a−m及び直線部f−g)を含んでいる。水平方向に形成される一対の第1面は、上下方向に形成される一対の第2面にそれぞれつながっている。本実施例における曲線部は例えば円弧部である。直線部c−d、i−j、a−m及びf−gを、曲線部にすることも可能である。
本実施形態のMRI装置は、ガントリ1B内に、図2に示す、貫通孔部7を取り囲む磁場磁石領域2、傾斜磁場コイル領域3、及びRFコイル領域4を形成している。傾斜磁場コイル領域3に配置されるx軸傾斜磁場コイル及びy軸傾斜磁場コイルは、実施形態6で説明したx軸傾斜磁場コイル17D及びy軸傾斜磁場コイル18Dと同じ構成を有する。ただし、本実施形態においては、一対のx軸傾斜磁場コイルの主コイルは、傾斜部15以外の部分で、b−a−m−kの形状と相似形をしており、内筒26Aの外側に位置する。また、一対のy軸傾斜磁場コイルの主コイルは、傾斜部16以外の部分で直線部を形成する。これらの主コイルの傾斜部15,16以外の部分を結ぶと、レーストラック状の形状となる。換言すれば、それらの主コイルの傾斜部15,16以外の部分を結んで得られる仮想環状領域が、上記したようなレーストラック状の形状になっている。
本実施形態も、実施形態6で生じる効果を得ることができる。
1、1A ガントリ
2 静磁場磁石領域
3 傾斜磁場コイル領域
5 撮像領域(観測空間)
7 貫通孔部(撮像空間)
11,11A、11B,21,21A 主コイル
12,12A,12B,22,22A 主コイル
13、13A,13B,23,24 シールドコイル
14,14A,14B,23A,24A シールドコイル
15,16 傾斜部
17、17A,17B,17C,17D,17E x軸傾斜磁場コイル
18、18A,18B,18C,18D,18E y軸傾斜磁場コイル
19A,19C x’軸傾斜磁場コイル
19B,19D y’軸傾斜磁場コイル
25 外筒
26 内筒
29 拡張部
2 静磁場磁石領域
3 傾斜磁場コイル領域
5 撮像領域(観測空間)
7 貫通孔部(撮像空間)
11,11A、11B,21,21A 主コイル
12,12A,12B,22,22A 主コイル
13、13A,13B,23,24 シールドコイル
14,14A,14B,23A,24A シールドコイル
15,16 傾斜部
17、17A,17B,17C,17D,17E x軸傾斜磁場コイル
18、18A,18B,18C,18D,18E y軸傾斜磁場コイル
19A,19C x’軸傾斜磁場コイル
19B,19D y’軸傾斜磁場コイル
25 外筒
26 内筒
29 拡張部
Claims (18)
- 被検体が挿入される観測空間である貫通孔部を形成している環状の容器と、前記容器内に収納されて前記貫通孔部を取り囲み、前記貫通孔部に静磁場を形成する静磁場磁石と、前記容器内で前記静磁場磁石より内側に配置されて前記貫通孔部を取り囲み、前記貫通孔部に傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイルであって主コイル及び前記主コイルの外側に配置されたシールドコイルを含む前記複数の傾斜磁場コイルを備え、
前記主コイルの、その少なくとも1つの第1周方向端部を、前記主コイルの、前記第1周方向端部以外の部分よりも、前記シールドコイルの第2周方向端部に近づけて配置したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記第1周方向端部が、前記第2周方向端部に向かって傾斜する傾斜部であることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記複数の傾斜磁場コイルは、前記静磁場の方向に平行な磁場で、前記静磁場の方向をz軸としたとき、該z軸に直交する第1軸方向に変化する磁場を形成する第1傾斜磁場コイル、及び前記z軸に直交して前記第1軸方向に直交する第2軸方向に変化する磁場を形成する第2傾斜磁場コイルを含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記第1傾斜磁場コイルは、前記容器内の環状領域を周方向に4分割した領域のうち、前記貫通孔部を間に挟んで相対向する2つの領域にそれぞれ配置された第1渦巻状サドル型コイルで構成され、前記第2傾斜磁場コイルは、前記4分割した領域のうち、前記貫通孔部を間に挟んで相対向する残りの2つの領域にそれぞれ配置された第2渦巻状サドル型コイルで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 被検体が挿入される貫通孔である貫通孔部を形成している環状筒形の容器と、前記容器内に収納されて前記貫通孔部を取り囲み、前記貫通孔部に静磁場を形成する静磁場磁石と、前記容器内で前記静磁場磁石より内側に配置されて前記貫通孔部を取り囲み、前記貫通孔部に傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイルであって主コイル及び前記主コイルの外側に配置されたシールドコイルを含む前記複数の傾斜磁場コイルを備え、
前記主コイルの2つの第1周方向端部のうち1つの前記周方向端部に、前記主コイルの、前記第1周方向端部以外の部分よりも、前記シールドコイルの第2周方向端部に近づくように傾斜された傾斜部を形成し、
前記容器の周方向に隣り合う第1の前記傾斜磁場コイルと第2の前記傾斜磁場コイルにおいて、前記第1傾斜磁場コイルの前記主コイルの前記傾斜部が形成されていない前記第1周方向端部を、前記第2傾斜磁場コイルの前記主コイルの前記傾斜部よりも内側に位置させて互いに離れた状態で前記傾斜部と重なるように配置したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記第1傾斜磁場コイルは、前記静磁場の方向に平行な磁場で、前記静磁場の方向をz軸としたとき、該z軸に直交する第1軸方向に変化する磁場を形成する傾斜磁場コイルであり、前記第2傾斜磁場コイルは、前記z軸に直交して前記第1軸方向に直交する第2軸方向に変化する磁場を形成する傾斜磁場コイルであることを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記環状筒形の容器は、内筒部の、貫通孔部の軸に直交する縦断面形状が円形であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記環状筒形の容器は、内筒部の、貫通孔部の軸に直交する縦断面形状が楕円形であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記環状筒形の容器は、内筒部の断面形状が数学関数で一義的に決定できない形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記環状筒形の容器は、内筒部の、貫通孔部の軸に直交する縦断面形状がレーストラック状の形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記2つの傾斜磁場コイルは、前記静磁場の方向をz軸としたとき、該z軸に直交し、かつ互いに交差する2軸方向にそれぞれ変化する磁場を形成する2組の傾斜磁場コイルを有して形成され、該2組の傾斜磁場コイルが同一の形状に形成されてなることを特徴とする請求項8乃至10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記複数の傾斜磁場コイルの前記主コイルの、前記傾斜部以外の部分をつなぐと、円形が形成されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記複数の傾斜磁場コイルの前記主コイルの、前記傾斜部以外の部分をつなぐと、楕円形が形成されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記複数の傾斜磁場コイルの前記主コイルの、前記傾斜部以外の部分をつなぐと、レーストラック状の形状が形成されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記レーストラック状の形状は、
前記貫通孔部が上下方向における幅よりも前記貫通孔部の軸と直交する水平方向における幅が大きくなっており、
前記貫通孔部を形成する前記容器の内筒が、前記上下方向で対向して互いにつながっている第1面及び第2面を有し、及び
前記第1面及び前記第2面が、それぞれ、前記水平方向において、一対の第1曲線部と、及び前記一対の第1曲線部に挟まれてこれらの第1曲線部につながる、直線部及び第2曲線部のいずれかとによって形成されている
形状であることを特徴とする請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記レーストラック状の形状は、
前記貫通孔部が上下方向の幅よりも前記貫通孔」部の軸と直交する水平方向の幅が大きくなっており、及び
前記貫通孔部を形成する前記容器の内筒が、前記上下方向で対向して前記水平方向において直線部及び第1曲線部のいずれかが形成される一対の第1面、及び前記一対の第1面にそれぞれつながり前記水平方向で対向して前記上下方向において第2曲線部を形成している一対の第2面を有する
形状であることを特徴とする請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記レーストラック状の形状は、
上下方向において対向する一対の前記主コイル間の距離よりも前記貫通孔部の軸と直交する水平方向において対向する他の一対の前記主コイル間の距離が大きくなっており、
前記複数の傾斜磁場コイルの前記主コイルの、前記傾斜部以外の部分をつないで形成される仮想環状領域が、前記上下方向で対向して互いにつながっている第1面及び第2面を有し、及び
前記第1面及び前記第2面は、それぞれ、前記水平方向において、一対の第1曲線部と、及び前記一対の第1曲線部に挟まれてこれらの第1曲線部につながる、直線部及び第2曲線部のいずれかとによって形成されている
形状であるであることを特徴とする請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記レーストラック状の形状は、
上下方向において対向する一対の前記主コイル間の距離よりも前記貫通孔部の軸と直交する水平方向において対向する他の一対の前記主コイル間の距離が大きくなっており、及び
前記複数の傾斜磁場コイルの前記主コイルの、前記傾斜部以外の部分をつないで形成される仮想環状領域が、前記上下方向で対向して前記水平方向において直線部及び第1曲線部のいずれかが形成される一対の第1面、及び前記一対の第1面にそれぞれつながり前記水平方向で対向して前記上下方向において第2曲線部を形成している一対の第2面を有する
形状である前記レーストラック状の形状であることを特徴とする請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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