JP5819215B2 - 傾斜磁場コイル、及び、磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

傾斜磁場コイル、及び、磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁場強度が傾斜勾配した傾斜磁場を生成する傾斜磁場コイルと、それを搭載した磁気共鳴イメージング装置に関する。
水平磁場型(トンネル型)の磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、撮像空間に均一な静磁場を生成する円筒型の磁石装置と、この磁石装置の内側に設けられ撮像断面に位置情報を付加するために磁場強度が空間的に傾斜した傾斜磁場(時間的にはパルス状の磁場)を生成する傾斜磁場コイルと、その傾斜磁場コイルの内側に設けられ核スピンを励起させるRFパルスを照射するRFコイルとを有している。また、前記静磁場の均一度を高めるために磁性体片(静磁場シム)が、磁石装置の内側かつRFコイルの外側の領域に配置されている。
水平磁場型のMRI装置は、磁石装置が生成する静磁場中に被検体を挿入してRFパルスを照射し、これにより被検体内から発生する磁気共鳴信号を受信して、医療診断用の断層画像を取得している。このとき、傾斜磁場コイルは、被検体が置かれた撮像空間に、磁石装置の円筒型の中心軸方向(z軸方向)、このz軸に垂直で床(水平面)に対して平行な横方向(x軸方向)、床(水平面)に対して垂直な縦方向(y軸方向)それぞれに、磁場強度が傾斜して勾配を持ち線形に変化する傾斜磁場を、時間分割してパルス状に印加することで、前記磁気共鳴信号に3次元の位置情報を付与している。ただ、傾斜磁場コイルは、撮像空間以外には不要な磁場(漏れ磁場)を発生させる。この漏れ磁場は、磁石装置等の周囲の構造物に渦電流を発生させる。渦電流が撮像空間に作る磁場が、前記断層画像に悪影響を及ぼす。この漏れ磁場を抑制するために、傾斜磁場コイルには、傾斜磁場を作るメインコイルに加えて、メインコイルと反対の向きの電流が流れるシールドコイルが設けられている。すなわち、傾斜磁場コイルは、x軸方向に磁場強度が傾斜した勾配を有する傾斜磁場を作るxメインコイルと、y軸方向に磁場強度が傾斜した勾配を有する傾斜磁場を作るyメインコイルと、z軸方向に磁場強度が傾斜した勾配を有する傾斜磁場を作るzメインコイルと、xメインコイルによる漏れ磁場を抑制するxシールドコイルと、yメインコイルによる漏れ磁場を抑制するyシールドコイルと、zメインコイルによる漏れ磁場を抑制するzシールドコイルとを有している。
xメインコイルとxシールドコイルは、鞍型コイルであり、x軸方向に対向配置されている。また、yメインコイルとyシールドコイルは、鞍型コイルであり、y軸方向に対向配置されている。そして、インダクタンスを小さくし、磁場応答性を高めるために、x(y)メインコイルの複数のターンとx(y)シールドコイルの複数のターンを、それぞれのz軸方向の端部で一対一につなぎ、電流がx(y)メインコイルとx(y)シールドコイルを行き来する構造が提案されている(特許文献1等参照)。また、特許文献2でも、同様の構造が提案され、さらに、x(y)メインコイルとx(y)シールドコイルを行き来する電流領域の電流分布を最適にして所望の磁場分布を得ることが提案されている。
特開平8−84716号公報 特表2006−506155号公報
また、インダクタンスを小さくするための別の構造として、x(y)メインコイルとx(y)シールドコイルの間隔を広げることが考えられている。具体的には、x(y)メインコイルはRFコイルのすぐ外側に配置し、x(y)シールドコイルは、磁石装置のすぐ内側に配置することになる。この場合、静磁場シムの配置場所は、傾斜磁場コイル内のx(y)メインコイルとx(y)シールドコイルの間となる。静磁場シムは、シムトレイに収められている。シムトレイは、長手方向が、z軸方向に平行な直方体であり、そのz軸方向の長さは、傾斜磁場コイルのz軸方向の長さとほぼ等しくなっている。シムトレイは傾斜磁場コイルからその長手方向に抜き差しすることができる。シムトレイを抜き出し、シムトレイ上に長手方向に沿って配置された静磁場シムを増減することで、シムトレイ上の静磁場シムの分布を調整することができる。シムトレイは、複数本設けられ、z軸周りに均一磁場を作るのに最適な角度間隔で配置されている。
そして、この構造に、インダクタンスを一層小さくするために、特許文献1のようなx(y)メインコイルとx(y)シールドコイルをそれぞれのz軸方向の端部でつなぐ構造を単に加えると、シムトレイが抜き出す際にその端部にあるつなぐ構造に干渉すると考えられる。そこで、互いに隣接するシムトレイの間の領域にx(y)メインコイルとx(y)シールドコイルをつなぐ配線を設ければよいと考えられるが、インダクタンスは、さらに、小さくしたい。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、インダクタンスを低減可能な傾斜磁場コイルを提供することであり、さらに、その傾斜磁場コイルが搭載されたMRI装置を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は、
磁場強度が傾斜した傾斜磁場を内側に生成するメインコイルと、
前記メインコイルを囲むように位置し、前記傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するシールドコイルと、
前記メインコイルと前記シールドコイルとの間に設けられ、前記メインコイルが有する複数のメインターンのそれぞれを、前記シールドコイルが有する複数のシールドターンの内の前記メインターンに対向する前記シールドターンと接続する複数の面間接続配線とを有し、
複数の前記面間接続配線が配列される方向は、前記メインコイルの中心軸の方向に略平行であり、
前記メインコイルの中心軸の方向は、水平な方向であり、
前記メインコイルは、
水平な方向でかつ前記メインコイルの中心軸に垂直な方向に磁場強度が傾斜したx傾斜磁場を生成するxメインコイルと、
水平面に垂直な方向に磁場強度が傾斜したy傾斜磁場を生成するyメインコイルとを有し、
前記シールドコイルは、
前記x傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するxシールドコイルと、
前記y傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するyシールドコイルとを有し、
前記面間接続配線は、
前記xメインコイルが有する複数のxメインターンのそれぞれを、前記xシールドコイルが有する複数のxシールドターンの内の前記xメインターンに対向する前記xシールドターンと接続する複数の板状のx面間接続配線と、
前記yメインコイルが有する複数のyメインターンのそれぞれを、前記yシールドコイルが有する複数のyシールドターンの内の前記yメインターンに対向する前記yシールドターンと接続する複数の板状のy面間接続配線とを有し、
前記x面間接続配線と、前記y面間接続配線とは、前記メインコイルの周方向に対向しており、
前記メインコイルの中心軸に垂直な断面は、水平方向の直径を長径とする楕円であり、
前記xシールドコイルの直径は、前記yシールドコイルの直径より大きく、かつ、
前記xメインコイルの直径は、前記yメインコイルの直径より小さい傾斜磁場コイルであることを特徴としている。
また、前記特徴を有する傾斜磁場コイルと、
前記シールドコイルを囲むように位置し前記メインコイルの中心軸と中心軸が略一致するか略平行であるリング形状であり、磁場強度が空間的に均一な静磁場を前記メインコイルの内側に生成する磁石装置と、
前記メインコイルと前記シールドコイルの間において長手方向が前記メインコイルの中心軸に略平行になるように配置され、前記傾斜磁場コイルに対して前記長手方向に抜き挿し可能であり、前記静磁場の磁場強度の空間的な均一度を高めるための磁性体片を収める複数のシムトレイとを有し、
複数の前記シムトレイは、前記メインコイルの中心軸周りに所定角度間隔で配置され、
複数の前記面間接続配線が、互いに隣接する前記シムトレイの隙間に配置されているMRI(磁気共鳴イメージング)装置であることを、本発明は特徴としている。
本発明によれば、インダクタンスを低減可能な傾斜磁場コイルを提供でき、さらに、その傾斜磁場コイルが搭載されたMRI装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るMRI(磁気共鳴イメージング)装置の、主要部を透視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るMRI装置の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部を透視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのyメインコイルとyシールドコイルのそれぞれを、z−θ平面に展開したものを、z座標がz1とz2において、y面間接続配線によって連結した様子を示す展開図である。 比較例1の傾斜磁場コイルの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部を模式化して透視した斜視図である。 比較例1の傾斜磁場コイルのyメインコイルとyシールドコイルのそれぞれを、z−θ平面に展開した展開図である。 比較例2の傾斜磁場コイルの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部を模式化して透視した斜視図である。 比較例2の傾斜磁場コイルのyメインコイルとyシールドコイルのそれぞれを、z−θ平面に展開したものを、z座標がz1において、y面間接続配線によって連結した様子を示す展開図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルの内側接続部(外側接続部)を、z−θ平面に展開した展開図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る傾斜磁場コイルの内側接続部(外側接続部)を、z−θ平面に展開した展開図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルの、z軸に垂直な平面で切断した断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのy面間接続配線の周辺の、z軸に垂直な平面で切断した断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る傾斜磁場コイルの、z軸に垂直な平面で切断した断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る傾斜磁場コイルの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部を模式化して透視した斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る傾斜磁場コイルのyメインコイルとyシールドコイルのそれぞれを、z−θ平面に展開したものを、z座標がz1、z2、z3において、y面間接続配線によって連結した様子を示す展開図である。 本発明の第4の実施形態に係る傾斜磁場コイルの、z軸に垂直な平面で切断した断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るMRI(磁気共鳴イメージング)装置1の、主要部を透視した斜視図を示す。図1の例のMRI装置1は、水平磁場型(トンネル型)のMRI装置である。MRI装置1は、撮像空間14に空間的かつ時間的に均一な静磁場B0を発生させる円筒型の磁石装置2と、この磁石装置2の内側に設けられ撮像断面に位置情報を付与するために磁場強度が空間的に傾斜した勾配を有する傾斜磁場Bz,x、Bz,y、Bz,z(時間的にはパルス状の磁場)を撮像空間14に発生させる傾斜磁場コイル4と、その傾斜磁場コイル4の内側に設けられ核スピンを励起させるRFパルスを被検体12に照射するRFコイル11とを有している。また、静磁場B0の均一度を高めるために、磁性体片(静磁場シム)3aが収められたシムトレイ3が、磁石装置2の内側かつRFコイル11の外側の領域に配置されている。また、MRI装置1には、寝たままの状態の被検体12を撮像空間14に挿入できるように、可動式ベッド13が設けられている。また、MRI装置1は、被検体12から生じる磁気共鳴信号を受信する受信コイル(図示省略)と、受信した磁気共鳴信号を処理して、被検体12の断層画像を作成し表示するコンピュータシステム(図示省略)とを有している。MRI装置1によれば、静磁場B0中に置かれた被検体12に高周波パルスを照射したときに生じる核磁気共鳴現象(磁気共鳴信号)を利用して、被検体12の物理的、化学的性質を表す断層画像を得ることができる。この断層画像は、特に、医療用として用いられている。
磁石装置2の外観をなす真空容器2cの外形と、傾斜磁場コイル4の外形と、RFコイル11の外形とは、筒状であり、それぞれの筒状の中心軸は互いに概ね一致し、水平方向のz軸に概ね一致している。なお、y軸方向は垂直方向上向きに設定されている。x軸方向は、水平方向に設定され、さらに、y軸方向からz軸方向にネジを回したときにネジの進む方向に設定されている。真空容器2cは、中空円筒型容器であり、真空容器2cの内筒壁内側(中空円筒型容器の外部)に、傾斜磁場コイル4と、RFコイル11が配置されている。
傾斜磁場コイル4は、撮像空間14側に配置されるメインコイル5と、真空容器2c側に配置されるシールドコイル6を有している。傾斜磁場コイル4の径方向の両端に配置されることで、メインコイル5とシールドコイル6の間隔を広くでき、インダクタンスを小さくでき、磁場応答性を高めることができる。メインコイル5は、撮像空間14に傾斜磁場Bz,x、Bz,y、Bz,zを発生させるが、真空容器2c上にも、いわゆる漏れ磁場を発生させる。この真空容器2cにおける漏れ磁場を抑制するために、シールドコイル6には、メインコイル5とは反対方向の電流が流されるようになっている。
メインコイル5は、z軸方向に磁場強度が線形に変化して傾斜した勾配を有する傾斜磁場Bz,zを発生させるzメインコイル5zと、x軸方向に磁場強度が線形に変化して傾斜した勾配を有する傾斜磁場Bz,xを発生させるxメインコイル5xと、y軸方向に磁場強度が線形に変化して傾斜した勾配を有する傾斜磁場Bz,yを発生させるyメインコイル5yとを有している。zメインコイル5zとxメインコイル5xとyメインコイル5yのそれぞれに、順番にパルス状の電流を印加することで、対応するそれぞれの方向に傾斜した傾斜磁場Bz,z、Bz,x、Bz,yを発生させ、磁気共鳴信号に被検体12内の位置情報を付与することができる。内側から外側へ向けて、xメインコイル5x、yメインコイル5y、zメインコイル5zの順に積層され、樹脂4aで固定されている。
シールドコイル6は、zメインコイル5zが発生させる漏れ磁場を抑制するzシールドコイル6zと、xメインコイル5xが発生させる漏れ磁場を抑制するxシールドコイル6xと、yメインコイル5yが発生させる漏れ磁場を抑制するyシールドコイル6yとを有している。内側から外側へ向けて、zシールドコイル6z、xシールドコイル6x、yシールドコイル6yの順に積層され、樹脂4aで固定されている。
また、シムトレイ3は、傾斜磁場コイル4の内部に、複数本設けられている。シムトレイ3は、磁石装置2の内側かつRFコイル11の外側の領域に、樹脂4aによって支持されている。複数のシムトレイ3は、z軸周りに一定角度間隔で配置されている。
図2に、本発明の第1の実施形態に係るMRI装置1を、y軸とz軸を含む平面で切断した縦断面図を示す。MRI装置1は、撮像空間14に形成される静磁場B0の向きが水平方向(z軸方向)である水平磁場型MRI装置である。また、前記したように設定したx軸とy軸とz軸の座標の原点は、撮像空間14の中心すなわち中空円筒型容器である真空容器2cの中心付近に設定している。磁石装置2は、z=0面に対して面対称なリング形状であり、磁石装置2には、z=0面に対して面対称となるように(z<0の部分とz>0の部分とで)対をなす、超電導コイル(メインコイル)2aと、静磁場の周囲への漏れを抑制する超電導コイル(シールドコイル)2bが設けられている。これらの超電導コイル2a、2bはそれぞれ、z軸を共通の中心軸とする円環形状をしている。超電導コイル2aの外径より、超電導コイル2bの内径の方が大きくなっている。また、これらの超電導コイル2a、2bは、3層構造の容器内に収納されている。まず、超電導コイル2a、2bは、1層目として、冷媒の液体ヘリウム(He)と共に冷媒(ヘリウム)容器2e内に収容される。ヘリウム容器2eは内部への熱輻射を遮断する輻射シールド2d(2層目)に内包されている。そして、中空円筒型容器である真空容器2c(3層目)は、ヘリウム容器2e及び輻射シールド2dを収容しつつ、内部を真空に保持している。真空容器2cは、普通の室温の室内に配置されても、真空容器2c内が真空になっているので、室内の熱が伝導や対流で、ヘリウム容器2eに伝わることはない。また、輻射シールド2dは、室内の熱が輻射によって真空容器2cからヘリウム容器2eに伝わることを抑制している。このため、超電導コイル2a、2bは、液体ヘリウムの温度である極低温に安定して設定することができ、超電導電磁石として機能させることができる。ヘリウム容器2eと、輻射シールド2dと、真空容器2cには、不必要な磁場が発生しないように非磁性の部材が用いられ、さらに、真空を保持しやすいことから非磁性の金属が用いられる。このため、ヘリウム容器2eと、輻射シールド2dと、特に、最外周に配置される真空容器2cには、傾斜磁場コイル4からの漏れ磁場による前記渦電流が発生し易い状況にある。なお、図2の例では、磁石装置2に超電導コイル2a、2bを用いる例を示したが、これに限らず、超電導でないコイルや永久磁石を用いてもよく、この場合、ヘリウム容器2eと輻射シールド2dを省くことができ、真空容器2cに替えて、永久磁石等を収納する非磁性で金属性の容器を用意すればよい。
傾斜磁場コイル4は、筒状形状であり、RFコイル11と撮像空間14をその筒の内側に配置している。傾斜磁場コイル4の外筒壁は、中空円筒型容器である真空容器2cの内筒壁に沿い対向するように形成されている。傾斜磁場コイル4の外筒壁側には、yシールドコイル6y(シールドコイル6;なお、xシールドコイル6xとzシールドコイル6zの図示は省略している。)が、配置されている。傾斜磁場コイル4の内筒壁は、RFコイル11の筒状の外筒壁に沿い対向するように形成されている。傾斜磁場コイル4の内筒壁側には、yメインコイル5y(メインコイル5;なお、xメインコイル5xとzメインコイル5zの図示は省略している。)が、配置されている。yメインコイル5yは、y軸方向に磁場強度が傾斜し、磁場の方向がz軸方向であるy傾斜磁場Bz,yを発生させる。傾斜磁場コイル4は、z=0面に対して面対称な構造になっている。すなわち、yメインコイル5yも、z=0面に対して面対称な構造になっており、yシールドコイル6yも、z=0面に対して面対称な構造になっている。
yメインコイル5yは、複数巻きになっており、複数のyメインターン51y、52y、53y、54y、55yを有している。yシールドコイル6yも、複数巻きになっており、複数のyシールドターン61y、62y、63y、64y、65y、66yを有している。傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近において、yメインターン55yは、対向するyシールドターン65yと、板状のy面間接続配線71yを介して接続している。y面間接続配線71yは、yメインターン55yとyシールドターン65yの間に設けられている。y面間接続配線71yは、内側接続部81において、図示を省略したハンダ等によって、yメインターン55yに接続している。y面間接続配線71yは、外側接続部91において、図示を省略したハンダ等によって、yシールドターン65yに接続している。
また、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近において、yメインターン56yは、対向するyシールドターン66yと、板状のy面間接続配線72yを介して接続している。y面間接続配線72yは、yメインターン56yとyシールドターン66yの間に設けられている。y面間接続配線72yは、内側接続部82において、図示を省略したハンダ等によって、yメインターン56yに接続している。y面間接続配線72yは、外側接続部92において、図示を省略したハンダ等によって、yシールドターン66yに接続している。y面間接続配線71y、72yは、yメインコイル5yとyシールドコイル6yの間から漏れる漏れ磁場をより小さくできるため、渦電流をより小さくすることができ。
y面間接続配線71y、72yには、周方向の一方に開口する「コ」の字型に折り曲げられた金属製の板を用いることができる。そして、複数(図2の例では2つ)のy面間接続配線71yと72yが配列される方向は、yメインコイル5y(メインコイル5)の中心軸の方向、すなわち、z軸の方向に略平行になっている。同様に、複数(図2の例では2つ)の内側接続部81と82が配列される方向も、z軸の方向に略平行になり、複数(図2の例では2つ)の外側接続部91と92が配列される方向も、z軸の方向に略平行になっている。
シムトレイ3は、yメインコイル5yとyシールドコイル6yの間に配置されている。また、シムトレイ3は、その長手方向がyメインコイル5yの中心軸、すなわち、z軸に略平行になるように配置され、傾斜磁場コイル4に対してその長手方向に抜き差し可能になっている。シムトレイ3には、静磁場B0の磁場強度の撮像空間14における空間的な均一度を高めるために、磁性体片3aが収められている。
なお、前記の図2の説明においては、符号のyをxに読み替えることができる。具体的には、y軸をx軸に、yメインコイル5yをxメインコイル5xに、yシールドコイル6yをxシールドコイル6xに、yメインターン51y、52y、53y、54y、55yをxメインターン51x、52x、53x、54x、55xに、yシールドターン61y、62y、63y、64y、65y、66yをxシールドターン61x、62x、63x、64x、65x、66xに読み替えることができる。
図3に、本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部であるyシールドコイル6y、y面間接続配線71y、72y、シムトレイ3等を透視した斜視図を示す。そして、z軸周りの角座標θを設定している。角座標θの原点は、y軸の正の方向とし、このy軸の正の方向からx軸の負の方向への回転方向を、角座標θの正の方向としている。なお、yメインコイル5y(図示省略、図2参照)とyシールドコイル6yはそれぞれ、z=0面に対して概ね面対称な構造を有し、同様に、y=0面に対して概ね面対称な構造を有し、x=0面に対して概ね面対称な構造を有している。yメインコイル5y(図示省略、図2参照)には、所望の傾斜磁場Bz,yを形成するように最適設計された電流分布に表れる複数の極大電流値毎に分割された領域をコイルパターン(導体領域)とする導体板、例えば銅板が用いられている。yメインコイル5yの外側に、yシールドコイル6yが配置される。yシールドコイル6yには、外側に漏れる漏れ磁場を遮蔽するように最適設計された電流分布に表れる複数の極大電流値毎に分割された領域をコイルパターン(導体領域)とする導体板、例えば銅板が用いられている。
また、シムトレイ3のそれぞれは、z軸周りの角座標θにおいて、30度ピッチの等間隔に配置されている。
図4に、本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイル4のyメインコイル5yとyシールドコイル6yのそれぞれを、z−θ平面に展開した展開図を示す。異なる2つの曲面を1つの平面上に展開しているので、yメインコイル5yが位置する範囲のz軸の正の方向と、yシールドコイル6yが位置する範囲のz軸の正の方向とは、逆方向になっている。また、異なる2つの曲面を1つの平面上に展開しているので、z座標のz1とz2とが2点ずつ生じている。なお、図4の横軸のz座標に沿って、地点A、B、C、Dを記載している。この地点A、B、C、Dは、図2の傾斜磁場コイル4の付近に記載した地点A、B、C、Dに対応している。
図3と図4に示すように、yメインコイル5yの最外周に位置するyメインターン51yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z1座標付近)において対向するyシールドターン61yと、y面間接続配線71yを介して接続している。yシールドターン61yは、yシールドコイル6yの最外周に位置している。yメインターン51yは、z座標のz1座標に位置する内側接続部81において、y面間接続配線71yに接続している。yシールドターン61yは、z座標のz1座標に位置する外側接続部91において、y面間接続配線71yに接続している。内側接続部81と外側接続部91とは、共にz座標のz1座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン51yを流れる電流は、y面間接続配線71yを経由して、yシールドターン61yを流れる。
yメインコイル5yの外側から2巻目に位置するyメインターン52yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z2座標付近)において対向するyシールドターン62yと、y面間接続配線72yを介して接続している。yシールドターン62yは、yシールドコイル6yの外側から2巻目に位置している。yメインターン52yは、z座標のz2座標に位置する内側接続部82において、y面間接続配線72yに接続している。yシールドターン62yは、z座標のz2座標に位置する外側接続部92において、y面間接続配線72yに接続している。内側接続部82と外側接続部92とは、共にz座標のz2座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン52yを流れる電流は、y面間接続配線72yを経由して、yシールドターン62yを流れる。z2座標の絶対値は、z1座標の絶対値より小さくなっている。
そして、図3に示すように、2つのy面間接続配線71yと72yが配列される方向は、z軸の方向に略平行になっている。同様に、2つの内側接続部81と82が配列される方向も、2つの外側接続部91と92が配列される方向も、z軸の方向に略平行になっている。2つのy面間接続配線71yと72yのθ角座標は、互いに等しくなっている(なお、図4では、配線の接続関係の理解を容易にするために、y面間接続配線71yと72yのθ角座標を違えているが、実際は、図3に示すように等しい。これは、内側接続部81と82のθ角座標の表示でも、外側接続部91と92のθ角座標の表示でも、同様である。)。2つの内側接続部81と82のθ角座標も、互いに等しくなる。2つの外側接続部91と92のθ角座標も、互いに等しくなる。y面間接続配線71yと内側接続部81と外側接続部91とは、z=z1面の面上に配置されている。y面間接続配線72yと内側接続部82と外側接続部92とは、z=z2面の面上に配置されている。そして、y面間接続配線71y、72yと内側接続部81、82と外側接続部91、92のすべては、z軸を含む平面上に配置されている。この平面は、シムトレイ3から離れている。
また、図3と照らしながら図4を見ると、yメインコイル5yの外側から3巻目に位置するyメインターン53yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z1座標付近)において対向するyシールドターン63yと、y面間接続配線71yを介して接続している。yシールドターン63yは、yシールドコイル6yの外側から3巻目に位置している。yメインターン53yは、z座標のz1座標に位置する内側接続部81において、y面間接続配線71yに接続している。yシールドターン63yは、z座標のz1座標に位置する外側接続部91において、y面間接続配線71yに接続している。内側接続部81と外側接続部91とは、共にz座標のz1座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン53yを流れる電流は、y面間接続配線71yを経由して、yシールドターン63yを流れる。
yメインコイル5yの外側から4巻目に位置するyメインターン54yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z2座標付近)において対向するyシールドターン64yと、y面間接続配線72yを介して接続している。yシールドターン64yは、yシールドコイル6yの外側から4巻目に位置している。yメインターン54yは、z座標のz2座標に位置する内側接続部82において、y面間接続配線72yに接続している。yシールドターン64yは、z座標のz2座標に位置する外側接続部92において、y面間接続配線72yに接続している。内側接続部82と外側接続部92とは、共にz座標のz2座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン54yを流れる電流は、y面間接続配線72yを経由して、yシールドターン64yを流れる。そして、図3に示すように、2つのy面間接続配線71yと72yが配列される方向は、z軸の方向に略平行になっている。
また、図3と照らしながら図4を見ると、yメインコイル5yの外側から5巻目に位置するyメインターン55yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z1座標付近)において対向するyシールドターン65yと、y面間接続配線71yを介して接続している。yシールドターン65yは、yシールドコイル6yの外側から5巻目に位置している。yメインターン55yは、z座標のz1座標に位置する内側接続部81において、y面間接続配線71yに接続している。yシールドターン65yは、z座標のz1座標に位置する外側接続部91において、y面間接続配線71yに接続している。内側接続部81と外側接続部91とは、共にz座標のz1座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン55yを流れる電流は、y面間接続配線71yを経由して、yシールドターン65yを流れる。
yメインコイル5yの外側から6巻目に位置するyメインターン56yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z2座標付近)において対向するyシールドターン66yと、y面間接続配線72yを介して接続している。yシールドターン66yは、yシールドコイル6yの外側から6巻目に位置している。yメインターン56yは、z座標のz2座標に位置する内側接続部82において、y面間接続配線72yに接続している。yシールドターン66yは、z座標のz2座標に位置する外側接続部92において、y面間接続配線72yに接続している。内側接続部82と外側接続部92とは、共にz座標のz2座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン54yを流れる電流は、y面間接続配線72yを経由して、yシールドターン64yを流れる。そして、図3に示すように、2つのy面間接続配線71yと72yが配列される方向は、z軸の方向に略平行になっている。
また、前記により、yメインターン51yとyシールドターン61yの間と、yメインターン52yとyシールドターン62yの間と、yメインターン53yとyシールドターン63yの間と、yメインターン54yとyシールドターン64yの間と、yメインターン55yとyシールドターン65yの間と、yメインターン56yとyシールドターン66yの間のそれぞれにおいて、yメインコイル5yとyシールドコイル6yの間の電流の行き来が行えるので、インダクタンスを小さくすることができる。
yメインコイル5yの外側から7巻目(最内周)に位置するyメインターン57yは、yシールドターン66y等やy面間接続配線71y、72yと接続していない。これにより、yメインコイル5yのyメインターン51y〜57yの巻数は、yシールドコイル6yのyシールドターン61y〜66yの巻数より多くなっている。yメインコイル5yにより発生する磁場強度を、yシールドコイル6yにより発生する磁場強度より大きくでき、傾斜磁場Bz,yを確実に発生させることができる。
yメインコイル5yでは、傾斜磁場Bz,yと同じ向きの磁場を作る領域T1と、傾斜磁場Bz,yと反対向きの磁場を作る領域T2に分けることができる。すなわち、傾斜磁場Bz,yは、領域T1で作られた磁場と、領域T2で作られた磁場の重ね合わせであり、領域T1で作られた磁場が、領域T2で作られた磁場によって弱められていると考えることができる。領域T1を流れる電流のθ角方向が、正の方向であるのに対して、領域T2を流れる電流のθ角方向は、負の方向となり、逆になっている。領域T1では、yメインターン51y〜56yが、θ=0から、θの大きくなる方向に配置されているが、領域T2では、yメインターン51y〜56yが、θ=0まで戻っていない。これにより、領域T1でθの正の方向に電流を流せる巻線の長さに対して、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、短くすることができる。この電流の積分値を小さくでき、領域T2で作られる磁場を小さくできるので、同じ磁場強度の傾斜磁場Bz,yを生成するのに要する磁気エネルギは小さくなり、インダクタンスも小さくできる。
そして、θ角座標が互いに等しい地点に、複数(図4の例では2つ)のy面間接続配線71yと72y(内側接続部81と82、外側接続部91と92)を設けることで、一層、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、短くすることができ、インダクタンスを小さくすることができる。
そして、互いに隣接するy面間接続配線71yの隙間にシムトレイ3が配置されている。同様に、互いに隣接するy面間接続配線72yの隙間にシムトレイ3が配置されている。互いに隣接する内側接続部81の隙間にシムトレイ3が配置されている。互いに隣接する内側接続部82の隙間にシムトレイ3が配置されている。互いに隣接する外側接続部91の隙間にシムトレイ3が配置されている。互いに隣接する外側接続部92の隙間にシムトレイ3が配置されている。逆に、y面間接続配線71y、72yと内側接続部81、82と外側接続部91、92は、互いに隣接するシムトレイ3の1つの隙間に配置されている。これらによれば、傾斜磁場コイル4に収納されるシムトレイ3を、その長手方向であるz軸方向に、y面間接続配線71y、72yと干渉することなく、抜き差しすることができる。そして、抜き出したシムトレイ3において、その長手方向に沿って配置された磁性体片(静磁場シム)3aをそれぞれの配置場所毎に増減することで、シムトレイ3上の静磁場シム3aの分布を調整することができる。
図5Aに、比較例1の傾斜磁場コイル4Aの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部であるyメインコイル5y、yシールドコイル6yを模式化して透視した斜視図を示す。また、図5Bに、比較例1の傾斜磁場コイル4Aのyメインコイル5yとyシールドコイル6yのそれぞれを、z−θ平面に展開した展開図を示す。なお、図5Bの横軸のz座標は、図4のそれと同様に設定している。すなわち、図5Bの横軸のz座標に沿って記載している地点A、B、C、Dは、図5Aの傾斜磁場コイル4の付近に記載した地点A、B、C、Dに対応している。また、図3、図4で示したシムトレイ3は、図5A、図5Bでは図示を省略している。また、図5A、図5Bでは、yメインコイル5y、yシールドコイル6yの導体(巻線)を流れる電流の断面内の電流密度分布のその電流密度で重み付けした中心位置を、破線(yメインコイル5y)、実線(yシールドコイル6y)で記載し、yメインコイル5yとyシールドコイル6yのコイルパターンを表現している。比較例1では、yメインコイル5yのyメインターン51y、52y、53y、54y、55y、56y、57yのそれぞれが、対応するyシールドコイル6yの61y、62y、63y、64y、65yに接続していない。このため、y面間接続配線71y、72y(図4参照)が設けられていない。yメインコイル5yでは、図4と同様に、傾斜磁場Bz,yと同じ向きの磁場を作る領域T1と、傾斜磁場Bz,yと反対向きの磁場を作る領域T2に分けることができる。領域T1では、yメインターン51y〜57yが、θ=0から、θの大きくなる方向に配置され、領域T2では、そのyメインターン51y〜57yが、θ=0まで戻っている。これにより、領域T1でθの正の方向に電流を流せる巻線の長さに対して、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さは、等しくなっている。領域T2で作られる磁場が、図4の第1の実施形態の場合より大きくなるので、同じ磁場強度の傾斜磁場Bz,yを生成するのに要する磁気エネルギは、第1の実施形態の場合より大きくなり、インダクタンスも大きくなってしまう。
図6Aに、比較例2の傾斜磁場コイル4Bの、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部であるyメインコイル5y、yシールドコイル6yを模式化して透視した斜視図を示す。また、図6Bに、比較例2の傾斜磁場コイル4Bのyメインコイル5yとyシールドコイル6yのそれぞれを、z−θ平面に展開した展開図を示す。なお、図6Bの横軸のz座標は、図4、図5Bのそれと同様に設定している。すなわち、図6Bの横軸のz座標に沿って記載している地点A、B、C、Dは、図6Aの傾斜磁場コイル4の付近に記載した地点A、B、C、Dに対応している。また、図6A、図6Bでは、図5A、図5Bと同様に、yメインコイル5yのコイルパターンを破線で示し、yシールドコイル6yのコイルパターンを実線で示している。比較例2では、yメインコイル5yのyメインターン51y、52y、53yは、傾斜磁場コイル4Bのz軸方向の端部付近(z1座標付近)において対向するyシールドコイル6yのyシールドターン61y、62y、63yと、y面間接続配線71yを介して接続している。一方、yメインコイル5yのyメインターン54y、55y、56y、57yのそれぞれが、対応するyシールドコイル6yの64y、65yに接続していない。yメインコイル5yでは、図4、図5Bと同様に、傾斜磁場Bz,yと同じ向きの磁場を作る領域T1と、傾斜磁場Bz,yと反対向きの磁場を作る領域T2に分けることができる。領域T1では、yメインターン51y〜57yが、θ=0から、θの大きくなる方向に配置され、領域T2では、そのyメインターン54y〜57yが、θ=0まで戻ってきているが、yメインターン51y〜53yでは、θ=0まで戻ってきていない。これにより、領域T1でθの正の方向に電流を流せる巻線の長さに対して、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、短くすることができる。この電流の積分値を小さくでき、領域T2で作られる磁場を小さくできるので、同じ磁場強度の傾斜磁場Bz,yを生成するのに要する磁気エネルギは小さくなり、インダクタンスも小さくできる。しかし、互いに隣接するシムトレイ3の隙間に、y面間接続配線71yが1つずつ配置されているので、y面間接続配線71yの数が、その隙間の数に制限され、yメインコイル5yのyメインターン51y〜57yの巻数や、yシールドコイル6yのyシールドターン61y〜65yの巻数まで、増やすことができない。このため、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、十分に短くすることができない。
一方、本発明の第1の実施形態では、図4に示すように、互いに隣接するシムトレイ3の隙間に、複数のy面間接続配線71yを配置し、具体的には、2つずつ配置しているので、y面間接続配線71yの数を、yシールドコイル6yのyシールドターン61y〜65yの巻数まで増やせる。すなわち、図4の第1の実施形態では、図6Bの比較例2と比較して、yメインコイル5yのyメインターン54y〜56yを、yシールドコイル6yのyシールドターン64y〜66yと、y面間接続配線71y、72yを介して接続して、領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、短くすることができる。そして、磁気エネルギを小さくでき、インダクタンスも小さくできる。
また、yメインターン51yの領域T2でのθの負の方向に電流を流せる巻線の長さは、図4の第1の実施形態と、図6Bの比較例2で、差はない。しかし、yメインターン52yの領域T2でのθの負の方向に電流を流せる巻線の長さは、図4の第1の実施形態の方が、図6Bの比較例2より、短くなっている。これは、互いに隣接するシムトレイ3の隙間に複数のy面間接続配線71y、72yを配置したことにより、yメインターン52yに接続するy面間接続配線72yのθ角座標を、大きくでき、yメインターン52yのθ方向の端部(θ角座標の最大値)に近づけることができたからである。同様のことは、yメインターン53yの領域T2の巻線の長さについてもいえる。また、yメインターン52yとy面間接続配線72yとを接続させる内側接続部82は、z軸座標のz2に配置され、このz軸座標のz2は、z1よりも、yメインターン52y(yメインコイル5y)の中央よりに配置されているので、これによっても、yメインターン52yの領域T2の巻線の長さにおいて、図4の第1の実施形態の方を、図6Bの比較例2より、短くすることができる。そして、磁気エネルギを小さくでき、インダクタンスも小さくできる。図4の第1の実施形態の例では、互いに隣接するシムトレイ3の隙間に2つずつy面間接続配線71y、72yを配置した場合を説明したが、3つ以上ずつ、y面間接続配線71y、72yを配置すれば、よりインダクタンスを低減することができる。
図7Aに、本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の内側接続部81、82(外側接続部91、92)を、z−θ平面に展開した展開図を示す。内側接続部81と82が配列される方向は、z軸の方向に略平行になっている。また、外側接続部91と92が配列される方向も、z軸の方向に略平行になっている。複数の内側接続部81と、複数の外側接続部91とは、z=z1面上に配置されている。複数の内側接続部82と、複数の外側接続部92とは、z=z2面上に配置されている。また、対応する内側接続部81と外側接続部91とは、θ角座標が一致し、z軸座標が一致している。
図7Bに、本発明の第1の実施形態の変形例に係る傾斜磁場コイル4の内側接続部81、82(外側接続部91、92)を、z−θ平面に展開した展開図を示す。第1の実施形態の変形例が、第1の実施形態と異なる点は、複数の内側接続部81と、複数の外側接続部91とが、z=z1面に一致しない曲面の面S1上に配置されている点である。また、複数の内側接続部82と、複数の外側接続部92とが、z=z2面に一致しない曲面の面S2上に配置されている点である。面S1と面S2とは、互いに離れている。これによっても、内側接続部82(外側接続部92)を、内側接続部81(外側接続部91)よりも、yメインコイル5y(図4参照)の中央に近く配置できるので、内側接続部82に接続するyメインターン52y、54y、56y(図4参照)の領域T2の巻線の長さを、短くすることができる。
図8に、本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の、z軸に垂直な平面で切断した断面図を示す。傾斜磁場コイル4は、その内側にメインコイル5と、その外側にシールドコイル6を有している。メインコイル5は、断面形状が概ね円形のzメインコイル5zとxメインコイル5xとyメインコイル5yとを有している。内側から外側へ向けて、xメインコイル5x、yメインコイル5y、zメインコイル5zの順に積層され、樹脂4aで固定されている。すなわち、zメインコイル5zの直径は、yメインコイル5yの直径より大きく、yメインコイル5yの直径は、xメインコイル5xの直径より大きくなっている。シールドコイル6は、断面形状が概ね円形のzシールドコイル6zとxシールドコイル6xとyシールドコイル6yとを有している。内側から外側へ向けて、zシールドコイル6z、xシールドコイル6x、yシールドコイル6yの順に積層され、樹脂4aで固定されている。すなわち、yシールドコイル6yの直径は、xシールドコイル6xの直径より大きく、xシールドコイル6xの直径は、zシールドコイル6zの直径より大きくなっている。zメインコイル5zとzシールドコイル6zは、ソレノイド状コイルであり、z傾斜磁場Bz,zの生成効率が、x傾斜磁場Bz,xおよびy傾斜磁場Bz,yよりも高く、zメインコイル5zとzシールドコイル6zの間隔をその他のコイルと比べて狭くできるので、上記積層順としている。xメインコイル5xとxシールドコイル6xは、yメインコイル5yとyシールドコイル6yをz軸を回転軸として90度回転した際の形状と同じであり、y面間接続配線71y、72yと同様に、xメインコイル5xとxシールドコイル6xを接続するx面間接続配線71x、72xを設けることができる。すなわち、x面間接続配線71x、72xは、y面間接続配線71y、72yをz軸を回転軸として90度回転した際の位置に配置される。
また、シムトレイ3は、傾斜磁場コイル4の内部に、複数本設けられている。シムトレイ3は、メインコイル5(zメインコイル5z)の外側で、かつ、シールドコイル6(zシールドコイル6z)の内側の領域に、樹脂4aによって支持されている。複数のシムトレイ3は、z軸周りに一定角度(図8の例では30度)間隔で配置されている。互いに隣接するシムトレイ3の隙間には、どれにも、y面間接続配線71y、72yと、x面間接続配線71x、72xとが配置されている。y面間接続配線71yとx面間接続配線71xは、共に板状(リボン状)であり、メインコイル5の周方向に対向している。y面間接続配線72yとx面間接続配線72xも、共に板状(リボン状)であり、メインコイル5の周方向に対向している。例えば、z軸周りに45度の位置にある隙間に存在する接続配線を取り上げる。上述したように、y傾斜磁場コイル5y、6yの接続配線71y及び72yとz軸周りに90度回転した位置にx傾斜磁場コイル5x、6xの接続配線71x及び72xが存在する。x傾斜磁場コイル5x、6xはyz面に関して対称なので、71x及び72xのz軸周りのyz面を基準とした時の角度をd度とすると、yz面に関して対称なd度の位置に接続配線71x及び72xと同一の形状の接続配線71x’及び72x’が存在する。接続配線71y及び72yと接続配線71x’及び72x’は簡単な計算により、前記45度の位置から、それぞれ(45−d)度だけ離れた位置に存在し、これらはシムトレイ3の隙間で周方向に対向している。これにより、シムトレイ3を、なにものにも干渉されることなく、傾斜磁場コイル4に対して抜き差しすることができる。
図9に、本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのy面間接続配線71y(x面間接続配線71x)の周辺の、z軸に垂直な平面で切断した断面図を示す。y面間接続配線71y(72y)とyシールドコイル6yの接続や、y面間接続配線71y(72y)とyメインコイル5yの接続等では、図8に示すように、溶接等により一体的に形成されるのが一つの方法である。ただ、これに限らず、図9に示すように、y面間接続配線71y(x面間接続配線71x)には、周方向の一方に開口する「コ」の字型に折り曲げられた金属製の板を用いることができる。このy面間接続配線71y(x面間接続配線71x)を、ハンダ15によって、yメインコイル5y(xメインコイル5x)に接続したり、yシールドコイル6y(xシールドコイル6x)に接続したりしてもよい。
(第2の実施形態)
図10に、本発明の第2の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の、z軸に垂直な平面で切断した断面図を示す。第2の実施形態が、第1の実施形態と異なっている点は、シールドコイル6の積層順である。第2の実施形態では、内側から外側へ向けて、xシールドコイル6x、yシールドコイル6y、zシールドコイル6zの順に積層されている。zシールドコイル6zを最も外側に配置している。すなわち、zシールドコイル6zの直径は、yシールドコイル6yの直径より大きく、yシールドコイル6yの直径は、xシールドコイル6xの直径より大きくなっている。zメインコイル5zとzシールドコイル6zとは、ソレノイド状コイルであり、yメインコイル5yとyシールドコイル6yをy面間接続配線71y、72yで接続したように、zメインコイル5zとzシールドコイル6zを接続することはできない。そのため、y面間接続配線71y、72yを用いてのインダクタンスの低減は不可能である。そこで、zメインコイル5zとzシールドコイル6zの間隔を広げることで、インダクタンスを小さくする。このために、第2の実施形態では、zシールドコイル6zを最も外側に配置し、zメインコイル5zとの間隔を広げている。これにより、yメインコイル5yとyシールドコイル6yのインダクタンス、xメインコイル5xとxシールドコイル6xのインダクタンス、zメインコイル5zとzシールドコイル6zのインダクタンスの全てのインダクタンスを、バランスよく低減することができる。
(第3の実施形態)
図11Aに、本発明の第3の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の、x座標が負でy座標が正でz座標が負である領域において、主要部であるyメインコイル5y、yシールドコイル6yを模式化して透視した斜視図を示す。また、図11Bに、本発明の第3の実施形態に係る傾斜磁場コイル4のyメインコイル5yとyシールドコイル6yのそれぞれを、z−θ平面に展開した展開図を示す。なお、図11Bの横軸のz座標は、図4のそれと同様に設定している。すなわち、図11Bの横軸のz座標に沿って記載している地点A、B、C、Dは、図11Aの傾斜磁場コイル4の付近に記載した地点A、B、C、Dに対応している。また、図11A、図11Bでは、図5A、図5Bと同様に、yメインコイル5yのコイルパターンを破線で示し、yシールドコイル6yのコイルパターンを実線で示している。第3の実施形態が、第1の実施形態と異なっている点は、互いに隣接するシムトレイ3の1つの隙間に、3つのy面間接続配線71y、72y、73yと、3つの内側接続部81、82、83と、3つの外側接続部91、92、93が、配置されている点である。
具体的に、yメインコイル5yの外側から3巻目に位置するyメインターン53yは、傾斜磁場コイル4のz軸方向の端部付近(z3座標付近)において対向するyシールドターン63yと、y面間接続配線73yを介して接続している。yシールドターン63yは、yシールドコイル6yの外側から3巻目に位置している。yメインターン53yは、z座標のz3座標に位置する内側接続部83において、y面間接続配線73yに接続している。yシールドターン63yは、z座標のz3座標に位置する外側接続部93において、y面間接続配線73yに接続している。内側接続部83と外側接続部93とは、共にz座標のz3座標に位置しているが、径方向には離れている。そして、yメインターン53yを流れる電流は、y面間接続配線73yを経由して、yシールドターン63yを流れる。z3座標の絶対値は、z2座標の絶対値より小さくなっている。
そして、図11Aに示すように、3つのy面間接続配線71y、72y、73yが配列される方向は、z軸の方向に略平行になっている。同様に、3つの内側接続部81、82、83が配列される方向も、3つの外側接続部91、92、93が配列される方向も、z軸の方向に略平行になっている。3つのy面間接続配線71y、72y、73yのθ角座標は、互いに等しくなっている。3つの内側接続部81、82、83のθ角座標も、互いに等しくなる。3つの外側接続部91、92、93のθ角座標も、互いに等しくなる。y面間接続配線73yと内側接続部83と外側接続部93とは、z=z3面の面上に配置されている。これによれば、yメインターン53yの領域T2でθの負の方向に電流を流せる巻線の長さを、図4の第1の実施形態より、短くすることができる。そして、磁気エネルギを小さくでき、インダクタンスも小さくできる。なお、第3の実施形態では、yメインターン54y〜56yとyシールドターン64y〜66yを接続していないが、y面間接続配線71y、72y、73yを用いて接続してもよく、さらに、インダクタンスを小さくできる。また、互いに隣接するシムトレイ3の1つの隙間に、配置するy面間接続配線71y、72y、73yの個数を増やしているので、それに要するその隙間の数を減らすことができる。複数の隙間の一部分のみにy面間接続配線71y、72y、73yを配置することになる。互いに隣接するシムトレイ3の複数の隙間の中には、y面間接続配線71y、72y、73yを配置する必要がないものが生じる。このような隙間には、コイルの電圧端子台などの構造物を配置することができる。
(第4の実施形態)
図12に、本発明の第4の実施形態に係る傾斜磁場コイル4の、z軸に垂直な平面で切断した断面図を示す。第4の実施形態が、第1〜3の実施形態と異なっている点は、メインコイル5の断面形状が楕円形である点である。x軸方向にその楕円形の長軸を配置することで、メインコイル5(傾斜磁場コイル4、さらには、RFコイル11(図1参照))の内壁を、横たわった被検体(患者)12(図1参照)の体形に沿わせることができ、被検体(患者)12に与える圧迫感を軽減することができる。そして、この相違点に伴い、シールドコイル6の積層順を変更している。第4の実施形態では、内側から外側へ向けて、zシールドコイル6z、yシールドコイル6y、xシールドコイル6xの順に積層されている。すなわち、xシールドコイル6xの直径は、yシールドコイル6yの直径より大きく、yシールドコイル6yの直径は、zシールドコイル6zの直径より大きくなっている。これは、撮像空間14の中心(z軸)までの距離が、楕円形にしたことにより、yメインコイル5yに対して、xメインコイル5xの方が遠くなり、同等の磁気エネルギを発生とするためには、xメインコイル5xとxシールドコイル6xの間隔を、yメインコイル5yとyシールドコイル6yの間隔より広げる必要があるからである。そして、yメインコイル5yとyシールドコイル6yのインダクタンス、xメインコイル5xとxシールドコイル6xのインダクタンス、zメインコイル5zとzシールドコイル6zのインダクタンスの全てのインダクタンスを、バランスよく低減することができる。なお、シールドコイル6の断面形状も楕円形にしてよい。この場合でも、第4の実施形態のシールドコイル6の積層順のままでよい。
1 MRI(磁気共鳴イメージング)装置
2 磁石装置
2a 超電導コイル(メインコイル)
2b 超電導コイル(シールドコイル)
2c 真空容器
2d 輻射シールド
2e 冷媒容器
3 シムトレイ
3a 磁性体片(静磁場シム)
4 傾斜磁場コイル
4a 樹脂
5 メインコイル
5x xメインコイル
5y yメインコイル
5z zメインコイル
51x、52x、53x xメインターン
51y、52y、53y、54y、55y、56y、57y yメインターン
6 シールドコイル
6x xシールドコイル
6y yシールドコイル
6z zシールドコイル
61x、62x、63x xシールドターン
61y、62y、63y、64y、65y、66y yシールドターン
71x、72x x面間接続配線
71y、72y y面間接続配線
81、82 内側接続部
91、92 外側接続部
11 RFコイル
12 被検体(患者)
13 可動式ベッド
14 撮像空間
B0 静磁場
z,x x傾斜磁場
z,y y傾斜磁場
z,z z傾斜磁場
x x軸
y y軸
z 中心軸(z軸)

Claims (4)

  1. 磁場強度が傾斜した傾斜磁場を内側に生成するメインコイルと、
    前記メインコイルを囲むように位置し、前記傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するシールドコイルと、
    前記メインコイルと前記シールドコイルとの間に設けられ、前記メインコイルが有する複数のメインターンのそれぞれを、前記シールドコイルが有する複数のシールドターンの内の前記メインターンに対向する前記シールドターンと接続する複数の面間接続配線とを有し、
    複数の前記面間接続配線が配列される方向は、前記メインコイルの中心軸の方向に略平行であり、
    前記メインコイルの中心軸の方向は、水平な方向であり、
    前記メインコイルは、
    水平な方向でかつ前記メインコイルの中心軸に垂直な方向に磁場強度が傾斜したx傾斜磁場を生成するxメインコイルと、
    水平面に垂直な方向に磁場強度が傾斜したy傾斜磁場を生成するyメインコイルとを有し、
    前記シールドコイルは、
    前記x傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するxシールドコイルと、
    前記y傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するyシールドコイルとを有し、
    前記面間接続配線は、
    前記xメインコイルが有する複数のxメインターンのそれぞれを、前記xシールドコイルが有する複数のxシールドターンの内の前記xメインターンに対向する前記xシールドターンと接続する複数の板状のx面間接続配線と、
    前記yメインコイルが有する複数のyメインターンのそれぞれを、前記yシールドコイルが有する複数のyシールドターンの内の前記yメインターンに対向する前記yシールドターンと接続する複数の板状のy面間接続配線とを有し、
    前記x面間接続配線と、前記y面間接続配線とは、前記メインコイルの周方向に対向しており、
    前記メインコイルの中心軸に垂直な断面は、水平方向の直径を長径とする楕円であり、
    前記xシールドコイルの直径は、前記yシールドコイルの直径より大きく、かつ、
    前記xメインコイルの直径は、前記yメインコイルの直径より小さいことを特徴とする傾斜磁場コイル。
  2. 前記メインコイルの中心軸に平行な方向に磁場強度が傾斜勾配したz傾斜磁場を生成するzメインコイルと、
    前記zメインコイルを囲むように位置し、前記z傾斜磁場が外側に漏れるのを抑制するzシールドコイルとを有し、
    前記zシールドコイルの直径は、前記xシールドコイルの直径より大きく、かつ、前記yシールドコイルの直径より大きいことを特徴とする請求項に記載の傾斜磁場コイル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の傾斜磁場コイルと、
    前記シールドコイルを囲むように位置し前記メインコイルの中心軸と中心軸が略一致するか略平行であるリング形状であり、磁場強度が空間的に均一な静磁場を前記メインコイルの内側に生成する磁石装置と、
    前記メインコイルと前記シールドコイルの間において長手方向が前記メインコイルの中心軸に略平行になるように配置され、前記傾斜磁場コイルに対して前記長手方向に抜き差し可能であり、前記静磁場の磁場強度の空間的な均一度を高めるための磁性体片を収める複数のシムトレイとを有し、
    複数の前記シムトレイは、前記メインコイルの中心軸周りに所定角度間隔で配置され、
    複数の前記面間接続配線が、互いに隣接する前記シムトレイの隙間に配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 互いに隣接する前記シムトレイの複数の隙間の内の一部分のみに前記面間接続配線を配置することを特徴とする請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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